JP2003268472A - 成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法

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Yuichi Sato
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誠 佐賀
旭 日比野
俊樹 村松
健 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用ボディシート等として、ヘム曲げ性
が優れたAl−Mg−Si系成形加工用Al合金板を提供する。 【解決手段】 Mg0.3〜1.0%、Si0.3〜1.2%を含有し、
かつMn、Cr、Zr、V、Fe、Ti、Znの1種以上を少量含有
し、Cuが1.0%以下、残部がAlよりなり、切欠伸びが10
%以上のAl合金板。さらに、平均結晶粒径60μm以下、
粒界上析出物最大長さ5μm以下、円換算径2μm以上の
第2相粒子分散密度1000個/mm以下、0.5μm以上の第
2相粒子面積率5%以下のAl合金板。製造方法として、4
80℃以上の均質化処理の後、熱間圧延を、開始温度480
℃以上、480〜350℃の降温時間を20分以内とし、その過
程で10%以上の再結晶率で1回以上再結晶させ、20%以
上の冷間圧延を施した後、480℃以上で5分以内の溶体化
処理後、100℃/min以上で45℃〜150℃未満に冷却し、
続いて同じ温度域で2時間以上保持する安定化処理を行
なう。またその後170〜280℃で5分以内の最終熱処理を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、自動車ボディシ
ートやそのほか各種自動車部品、各種機械器具、家電製
品やその部品等の素材として、成形加工および塗装焼付
を施して使用されるAl−Mg−Si系のアルミニウム
合金板およびその製造方法に関するものであり、成形
性、特にヘム曲げ性が良好であるとともに、塗装焼付後
の強度が高く、かつ室温での経時変化が少ない成形加工
用アルミニウム合金板およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来自動車のボディシートとしては、主
として冷延鋼板を使用することが多かったが、最近では
車体軽量化等の観点から、アルミニウム合金圧延板を使
用することが多くなっている。ところで自動車のボディ
シートはプレス加工を施して使用するところから、成形
加工性が優れていること、また成形加工時におけるリュ
ーダースマークが発生しないことが要求され、また外板
としての接合のためにヘム曲げ加工を施して使用するこ
とが多いところから、成形性のうちでも特にヘム曲げ性
が優れていることが要求され、そのほか高強度を有する
ことも必須であり、特に塗装焼付を施すのが通常である
ため、塗装焼付後に高強度が得られることが要求され
る。
【0003】従来このような自動車用ボディシート向け
のアルミニウム合金としては、Al−Mg系合金のほ
か、時効性を有するAl−Mg−Si系合金が主として
使用されている。この時効性Al−Mg−Si系合金
は、塗装焼付前の成形加工時においては比較的強度が低
くて成形性が優れている一方、塗装焼付時の加熱によっ
て時効されて塗装焼付後の強度が高くなる利点を有する
ほか、リューダースマークが発生しない等の利点を有す
る。
【0004】なお上述のような塗装焼付時における時効
硬化を期待した時効性Al−Mg−Si系合金板の製造
方法としては、鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延お
よび冷間圧延を行なって所定の板厚とし、かつ必要に応
じて熱間圧延と冷間圧延との間あるいは冷間圧延の中途
において中間焼鈍を行ない、冷間圧延後に溶体化処理を
行なって焼入れるのが通常である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のような自動車用
ボディシート向けの時効性Al−Mg−Si系合金板に
ついての従来の一般的な製造方法により得られた板で
は、最近の自動車用ボディシートに要求される特性を充
分に満足させることは困難であった。
【0006】すなわち、最近ではコストの一層の低減や
自動車車体の軽量化等のために、自動車用ボディシート
についてさらに薄肉化することが強く要求されており、
そのため薄肉でも充分な強度が得られるように、一層の
高強度化が求められると同時に、成形性、特にヘム曲げ
性の改善が強く要求されているが、これらの性能をバラ
ンスよく満足させる点について従来の一般的な製造方法
によって得られたAl−Mg−Si系合金板では不充分
であった。特にヘム曲げ加工は、曲げ内径が1mm以下
の180°曲げという過酷な曲げ加工であるため、良好
なヘム曲げ性と強度とを両立させることが困難であると
いう問題があった。
【0007】また塗装焼付については、省エネルギおよ
び生産性の向上、さらには高温に曝されることが好まし
くない樹脂等の材料との併用などの点から、従来よりも
焼付温度を低温化し、また焼付時間も短時間化する傾向
が強まっている。しかしながら従来の一般的な製法によ
り得られた時効性Al−Mg−Si系合金板の場合、低
温・短時間の塗装焼付処理では、塗装焼付時の硬化(焼
付硬化)が不足し、塗装焼付後に充分な高強度が得難く
なる問題があった。
【0008】ここで、従来の一般的な製法により得られ
た時効性Al−Mg−Si系合金板では、塗装焼付後に
高強度を得るために焼付硬化性を高めようとすれば、素
材の延性と曲げ加工性(特にヘム曲げ性)が低下し、ま
た板製造後に室温に放置した場合に自然時効により硬化
が生じやすくなり、そのため成形性、特にヘム曲げ性が
阻害されがちとなるという問題が生じている。
【0009】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、良好な成形加工性、特に良好なヘム曲げ加工
性を有すると同時に、焼付硬化性が優れていて、塗装焼
付時における強度上昇が大きく、しかも板製造後の室温
での経時的な変化が少なく、長期間放置した場合でも自
然時効による硬化に起因する成形性の低下が少ない成形
加工用アルミニウム合金板とその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】なおこの明細書において、ヘム曲げ性が良
好であるとは、圧延方向に対して一方向のみのヘム曲げ
性だけではなく、全方向のヘム曲げ性が良好であること
を意味する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するべく本発明者等が実験・検討を重ねた結果、先ず第
1には、ヘム曲げ性には切欠引張試験における切欠伸び
(破断部の局部伸び)が相関していることを見出した。
そしてAl−Mg−Si系合金の成分組成を適切に選定
すると同時に、切欠引張試験における切欠伸びを10%
以上に調整することによって、他の特性を低下させるこ
となく、ヘム曲げ性を向上させ得ることを見出した。ま
た第2には、板製造プロセス条件、特に熱間圧延条件
と、溶体化処理後の冷却条件および安定化処理条件を適
切に選択して、金属組織条件、特に析出物やその他の第
2相粒子の分散状態を適切に調整することによって、前
述の課題を一挙に解決し得ることを見出し、この発明を
なすに至ったのである。
【0012】具体的には、請求項1の発明の成形加工用
アルミニウム合金板は、Mg0.3〜1.0%、Si
0.3〜1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.4
%、Cr0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3
%、V0.03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、
Ti0.005〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、
Cu0.1〜1.0%のうちから選ばれた1種または2
種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
なり、しかも切欠引張試験における切欠伸びが10%以
上であることを特徴とするものである。
【0013】また請求項2の発明の成形加工用アルミニ
ウム合金板は、Mg0.3〜1.0%、Si0.3〜
1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.4%、Cr
0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3%、V0.
03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、Ti0.0
05〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.1
〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含
有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、しか
も平均結晶粒サイズが60μm以下、粒界上に存在する
析出物粒子の最大長さが5μm以下、円換算径2μm以
上の第2相粒子の分散密度が1000個/mm以下、
0.5μm以上の径の第2相粒子の総面積率が5%以下
であり、しかも切欠試験における切欠伸びが10%以上
であることを特徴とするものである。
【0014】さらに請求項3の発明の成形加工用アルミ
ニウム合金板の製造方法は、Mg0.3〜1.0%、S
i0.3〜1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.
4%、Cr0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3
%、V0.03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、
Ti0.005〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、
Cu0.1〜1.0%のうちから選ばれた1種または2
種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
なるアルミニウム合金鋳塊に、熱間圧延および冷間圧延
を行なって所要の板厚の圧延板とした後、溶体化処理を
行なって成形加工用アルミニウム合金板を得るにあた
り、溶体化処理前の冷間圧延を20%以上の圧延率で行
ない、これにより切欠引張試験における切欠伸びが10
%以上のアルミニウム合金板を得ることを特徴とするも
のである。
【0015】また請求項4の発明の成形加工用アルミニ
ウム合金板の製造方法は、Mg0.3〜1.0%、Si
0.3〜1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.4
%、Cr0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3
%、V0.03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、
Ti0.005〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、
Cu0.1〜1.0%のうちから選ばれた1種または2
種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
なるアルミニウム合金鋳塊に、480℃以上の温度で均
質化処理を施した後、熱間圧延を480℃以上の温度で
開始して、その熱間圧延中における480℃から350
℃までの降温時間を20分以内とするとともに、その降
温過程において10%以上の再結晶率で1回以上再結晶
させ、その後20%以上の圧延率で冷間圧延を施した
後、480℃以上の温度で保持なしもしくは5分以内の
保持の溶体化処理を行ない、溶体化処理後、100℃/
min以上の冷却速度で45℃以上150℃未満の温度
域まで冷却し、続いて45℃未満の温度に冷却すること
なく、45℃以上150℃未満の温度域で2時間以上保
持する安定化処理を行なって、平均結晶粒サイズが60
μm以下、粒界上に存在する析出物粒子の最大長さが5
μm以下、円換算径2μm以上の第2相粒子の分散密度
が1000個/mm以下、0.5μm以上の径の第2
相粒子の総面積率が5%以下であり、しかも切欠試験に
おける切欠伸びが10%以上であるアルミニウム合金板
を得ることを特徴とするものである。
【0016】そしてまた請求項5の発明の成形加工用ア
ルミニウム合金板の製造方法は、請求項4に記載の成形
加工用アルミニウム合金板の製造方法において、前記安
定化処理の後、さらに100℃/min以上の昇温速度
で170〜280℃の範囲内の温度に加熱し、その範囲
内の温度で5分以内の保持を行なった後、100℃/m
in以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷却する
ことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】先ずこの発明の成形加工用アルミ
ニウム合金板における成分組成の限定理由について説明
する。
【0018】Mg:Mgはこの発明で対象としている系
の合金で基本となる合金元素であって、Siと共同して
強度向上に寄与する。Mg量が0.3%未満では塗装焼
付時に析出硬化によって強度向上に寄与するG.P.ゾ
ーンの生成量が少なくなるため、充分な強度向上が得ら
れず、一方1.0%を越えれば、粗大なMg−Si系の
金属間化合物が生成され、成形性、特に曲げ加工性が低
下するから、Mg量は0.3〜1.0%の範囲内とし
た。
【0019】Si:Siもこの発明の系の合金で基本と
なる合金元素であって、Mgと共同して強度向上に寄与
する。またSiは、鋳造時に金属Siの晶出物として生
成され、その金属Si粒子の周囲が加工によって変形さ
れて、溶体化処理の際に再結晶核の生成サイトとなるた
め、再結晶組織の微細化にも寄与する。Si量が0.3
%未満では上記の効果が充分に得られず、一方1.2%
を越えれば粗大なSi粒子や粗大なMg−Si系の金属
間化合物が生じて、曲げ加工性の低下を招く。したがっ
てSi量は0.3〜1.2%の範囲内とした。
【0020】Mn、Cr、Zr、V、Ti、Fe、Z
n、Cu:これらの元素は、強度向上や結晶粒微細化、
あるいは時効性の向上や表面処理性の向上に有効であ
り、いずれか1種または2種以上を添加する。これらの
うちMn、Cr、Zr、Vは強度向上と結晶粒の微細化
および組織の安定化に効果がある元素であり、いずれも
含有量が0.03%未満では上記の効果が充分に得られ
ず、一方Mn、Crの含有量がそれぞれ0.4%を越え
れば、あるいはZr、Vの含有量が0.3%を越えれ
ば、上記の効果が飽和するばかりでなく、多数の金属間
化合物が生成されて成形性、特にヘム曲げ性に悪影響を
及ぼすおそれがあり、したがってMn、Crはいずれも
0.03〜0.4%の範囲内、Zr、Vはいずれも0.
03〜0.3%の範囲内とした。またTiも強度向上と
鋳塊組織の微細化に有効な元素であり、その含有量が
0.005%未満では充分な効果が得られず、一方0.
2%を越えればTi添加の効果が飽和するばかりでな
く、粗大な晶出物が生じるおそれがあるから、Ti量は
0.005〜0.2%の範囲内とした。さらにFeも強
度向上と結晶粒微細化に有効な元素であり、その含有量
が0.03%未満では充分な効果が得られず、一方0.
5%を越えれば成形性が低下するおそれがあり、したが
ってFe量は0.03〜0.5%の範囲内とした。また
Znは時効性向上を通じて強度向上に寄与するとともに
表面処理性の向上に有効な元素であり、Znの添加量が
0.03%未満では上記の効果が充分に得られず、一方
2.5%を越えれば成形性が低下するから、Zn量は
0.03〜2.5%の範囲内とした。さらにCuは強度
向上および成形性向上に有効であるが、その量が0.1
%未満では上記の効果が不充分であり、一方1.0%を
越えれば耐食性(耐粒界腐食性、耐糸錆性)が劣化する
から、Cuの含有量は0.1〜1.0%の範囲内とし
た。
【0021】以上の各元素のほかは、基本的にはAlお
よび不可避的不純物とすれば良い。
【0022】なお上記のMn、Cr、Zr、V、Ti、
Fe、Znの含有量範囲は、それぞれ積極的に添加する
場合の範囲として示したものであり、いずれも下限値よ
り少ない量を不純物として含有する場合を排除するもの
ではない。特に0.03%未満のFeは、通常のアルミ
地金を用いれば不可避的に含有されるのが通常である。
【0023】また時効性Al−Mg−Si系合金におい
ては、高温時効促進元素あるいは室温時効抑制元素であ
るAg、In、Cd、Be、あるいはSnを微量添加す
ることがあるが、この発明の場合も微量添加であればこ
れらの元素の添加も許容され、それぞれ0.3%以下で
あれば特に所期の目的を損なうことはない。
【0024】なおまた、一般のAl合金においては、結
晶粒微細化のために前述のTiと同時にBを添加するこ
ともあり、この発明の場合もTiとともに500ppm
以下のBを添加することは許容される。
【0025】さらに請求項1の発明の成形加工用アルミ
ニウム合金板においては、合金の成分組成を前述のよう
に調整するばかりではなく、切欠引張試験における切欠
伸び、すなわち破断部の局部伸びを、特に10%以上の
値となるように調整したものとする。なおここで切欠引
張試験における標点距離は5mmとする。
【0026】すなわち本発明者等が繰返し実験を行なっ
たところ、ヘム曲げ性と切欠引張試験における切欠伸び
との間には相関関係があり、切欠伸びを10%以上に調
整することによって、ヘム曲げ性を確実に改善し得るこ
とを見出したのである。切欠伸びが10%未満の場合に
は、ヘム曲げ性が劣り、したがって請求項1の発明では
切欠伸びを10%以上と規定した。なお切欠伸びの上限
は特に限定しないが、通常は500%程度以下が一般的
である。
【0027】また請求項3の発明の成形加工用アルミニ
ウム合金板においては、合金の成分組成と切欠引張試験
における切欠伸びを前述のように規制するばかりでな
く、金属組織、特に結晶粒径と、Al−Mg−Si系を
主体とする析出物やその他晶出物や金属Si粒子等を含
む第2相粒子の分散状態、とりわけ粒界上に存在する析
出物の条件と、粒界上、粒内を問わず、第2相粒子(マ
トリックスの母相以外の粒子、代表的には金属間化合物
の析出物、晶出物、単体Si等)の分散量とを適切に規
制することが、良好な成形性、特に優れたヘム曲げ性を
得るために重要である。
【0028】すなわち、先ず平均結晶粒径は60μm以
下に規制する必要がある。平均結晶粒径が60μmを越
えれば、成形時に肌荒れが生じやすくなり、ヘム曲げ性
も悪くなってしまう。
【0029】また金属間化合物析出物粒子の分散状態に
ついては、粒界上に存在する析出物粒子の最大長さが5
μm以下であることが必要である。
【0030】ここで、粒界上の析出物粒子として、その
長さが5μmを越えるものが存在する場合、粒界の結合
力が弱いため、ヘム曲げ加工時に粒界が割れの起点とな
ってしまう可能性が極めて高く、そのためヘム曲げ性を
損なってしまう。
【0031】また粒界上、あるいは粒内を問わず、金属
間化合物の析出物、晶出物あるいは単体Si粒子などの
第2相粒子の分散条件として、各第2相粒子の面積を円
に換算したときの直径(円換算径)が2μm以上の第2
相粒子の数が、1平方ミリ当り1000個以下であるこ
と、および0.5μm以上の径の第2相粒子の総面積率
が5%以下であることが必要である。
【0032】ここで、粒界上および粒内を問わず、円換
算径が2μm以上の第2相粒子が1000個/mm
越える場合も、ヘム曲げ性が低下する。すなわち、円換
算径2μm以上の粗大な第2相粒子は、粒界ばかりでな
く粒内に存在していても、ヘム曲げ加工時に粒子周辺に
歪みが集中しやすく、割れの起点となる可能性があり、
特に円換算径2μm以上の第2相粒子が1000個/m
を越えればその傾向が強くなる。また円換算径2μ
m未満であっても、0.5μm以上の径の第2相粒子
は、その総面積率が大きくなれば、ヘム曲げ性に悪影響
を与える。すなわち、0.5μm以上の第2相粒子の総
面積率が5%を越えれば、ヘム曲げ加工時における粒子
周辺の歪の発生が大きくなり、ヘム曲げ性が低下する。
そこで粒界、粒内を問わず、円換算径2μm以上の第2
相粒子の数を1000個/mm以下、0.5μm以上
の第2相粒子の総面積率を5%以下に規制することとし
た。
【0033】次にこの発明の成形加工用アルミニウム合
金板の製造方法について説明する。
【0034】先ず請求項2の発明の製造方法は、請求項
1に係る成形加工用アルミニウム合金板を得る方法を規
定している。この場合は、前述のような成分組成のアル
ミニウム合金鋳塊について、通常は均質化処理を行なっ
てから熱間圧延、冷間圧延を行なって所定の板厚の圧延
板とし、その圧延板に対して溶体化処理を行なうにあた
って、溶体化処理前の冷間圧延の圧延率を20%以上と
する。このように溶体化処理前の冷間圧延率を20%以
上とすることによって、材料に歪みエネルギが蓄積さ
れ、溶体化処理−焼入れによって材料の結晶粒が微細化
されるだけではなく、切欠引張試験における切欠伸びを
大きくすることができる。溶体化処理前の冷間圧延率が
20%未満では、切欠引張試験による切欠伸びを確実か
つ安定して10%以上として、ヘム曲げ性を安定して向
上させることが困難となる。
【0035】なお請求項2の発明の製造方法の場合、溶
体化処理前の冷間圧延率以外の条件については特に限定
せず、常法に従えば良いが、望ましくは後述する請求項
4の発明の製造方法に準じたプロセスを適用することが
適当である。
【0036】次に請求項4、請求項5の発明の製造方法
は、請求項3に係る成形加工用アルミニウム合金板を製
造する方法を規定している。
【0037】この場合も、先ず前述のような成分組成の
合金を常法に従って溶製し、DC鋳造法等により鋳造す
る。得られた鋳塊について、均質化処理を行なってから
熱間圧延を行なう。
【0038】ここで最終板におけるMg−Si系の金属
間化合物析出物粒子や、その他の粒子を含む第2相粒子
の分散状態を前述のように調整して、優れたヘム曲げ性
を得るためには、均質化処理においてMg、Si等を充
分に固溶させておく必要があり、そのために均質化処理
は480℃以上の高温で行なう必要がある。なお均質化
処理の加熱時間は特に限定しないが、通常は1〜24時
間程度とする。
【0039】熱間圧延についても、最終板において前述
のような析出物やその他の第2相粒子の分散状態を適切
に規制して良好なヘム曲げ性を確保するためには、 A.熱間圧延開始温度を480℃以上とすること、 B.熱間圧延の過程における材料温度の低下を、特に4
80℃から350℃までの降温時間が20分以内となる
ように規制すること、 C.その480℃〜350℃の20分以内の降温過程に
おいて、再結晶率10%以上の再結晶を1回以上生起さ
せること、 以上A〜Cの条件を満たすように、圧延温度、圧延速
度、圧下率等を制御する必要がある。
【0040】ここで、熱間圧延開始温度は、前述の均質
化処理温度と同時に、析出物その他第2相粒子の分散に
関係するMg、Si等の元素を充分に固溶させるために
480℃以上の高温とする。また熱間圧延の過程におけ
る材料温度の低下、特に480℃から350℃までの降
温過程の条件は、材料の結晶組織、結晶方位を変化さ
せ、その後の溶体化処理と組合せて材料の集合組織を制
御し、ヘム曲げ性を向上させるために重要である。そし
てこの熱間圧延中の480℃から350℃までの降温時
間が20分を越えた場合、熱間圧延中に粗大な析出物が
多数生成されてしまって最終板のヘム曲げ性の低下を招
き、また生産性の低下を招く。さらにその480℃から
350℃までの20分以内の降温過程において再結晶率
10%以上の再結晶が1回も生じない場合には、表面品
質の確保が困難となるばかりでなく、材料の曲げ異方性
が強くなって最終板のヘム曲げ性の向上を図ることが困
難となってしまう。したがって熱間圧延の条件について
は前記A〜Cの3条件を満たす必要があり、これらの条
件が一つでも外れれば、最終板において良好なヘム曲げ
性を確保することが困難となる。
【0041】上述のようにして熱間圧延を行なった後に
は、冷間圧延を行なって所要の板厚とし、その後溶体化
処理を行なう。ここで、冷間圧延の圧延率は20%以上
とする必要がある。すなわち、既に請求項2で規定する
製造方法に関して述べたように、切欠引張試験における
切欠伸びを10%以上として、安定して良好なヘム曲げ
性を得るためには、20%以上の圧延率で溶体化処理前
の冷間圧延を行なう必要がある。なお溶体化処理前の冷
間圧延における冷間圧延率の上限は特に限定されるもの
ではないが、通常は90%程度以下とすれば良い。
【0042】ここで、熱間圧延と冷間圧延との間、ある
いは冷間圧延の中途においては、中間焼鈍を行なっても
良い。この中間焼鈍は、新たに再結晶を生起させて、熱
間圧延で残存した結晶組織、結晶方位などを変化させ
て、後の溶体化処理と組合せて、材料の集合組織を制御
し、表面品質および成形性の向上に寄与する。またこの
中間焼鈍は、溶体化処理前にMgやSiの固溶量を確保
しておくことにより、溶体化処理時の負荷を低減させる
効果もある。ここで、中間焼鈍の温度が450℃未満で
は上述の効果が充分に得られず、一方580℃を越えれ
ば共晶融解や再結晶粒粗大化のおそれがあるから、中間
焼鈍温度は450〜580℃の範囲内とすることが好ま
しく、また中間焼鈍の加熱保持時間が5分を越えれば上
述の効果が飽和し、経済性を損なうから、保持なしもし
くは5分以内の保持とすることが好ましい。さらに中間
焼鈍における加熱後の冷却速度が10℃/min以下で
は、冷却中に多量の析出物が生じて、Mg、Siの固溶
量の低下を招き、結果的に塗装焼付硬化性に悪影響を及
ぼすから、中間焼鈍における加熱後の冷却速度は10℃
/min以上とすることが好ましい。なお冷間圧延の中
途において中間焼鈍を行なう場合には、中間焼鈍後、溶
体化処理前の最終冷間圧延の圧延率を20%以上とする
必要がある。
【0043】前述のようにして所要の板厚まで冷間圧延
した後の溶体化処理は、480℃以上の温度で5分以内
の条件とする。この溶体化処理は、MgSi、単体S
i等をマトリックスに固溶させ、これにより焼付硬化性
を付与して塗装焼付後の強度向上を図るために重要な工
程である。またこの溶体化処理工程は、MgSi、単
体Si粒子等の固溶により、第2相粒子の分布密度を低
下させ、ひいては延性と曲げ性の向上にも寄与し、さら
には、再結晶により全般的に良好な成形性を得るための
工程でもある。
【0044】ここで溶体化処理温度が480℃未満で
は、室温の経時変化の抑制には有利となるとも思われる
が、MgSi、Siなどの固溶量が少なく、そのため
充分な焼付硬化性が得られなくなるばかりでなく、延性
と曲げ性も著しく悪化する。一方溶体化処理温度の上限
は特に規定しないが、共晶融解の発生のおそれや再結晶
粒粗大化等を考慮して、通常は580℃以下とすること
が望ましい。また溶体化処理の保持時間が5分を越えれ
ば、溶体化効果が飽和し、経済性を損なうばかりではな
く、結晶粒の粗大化のおそれもあるから、溶体化処理の
保持時間は5分以内とする。
【0045】溶体化処理後には、100℃/min以上
の冷却速度で、45〜150℃の温度域まで冷却(焼入
れ)する。ここで、溶体化処理後の冷却速度が100℃
/min未満では、冷却中にMgSiあるいは単体S
iが粒界に多量に析出してしまい、成形性、特にヘム曲
げ性が低下すると同時に、焼付硬化性が低下して塗装焼
付時の充分な強度向上が望めなくなる。
【0046】上述のように、480℃以上の温度で溶体
化処理を行なって、100℃/min以上の冷却速度で
45〜150℃未満の温度域内まで冷却(焼入)した後
には、45℃より低い温度域まで温度降下しないうち
に、引続いてその温度域(45〜150℃未満)内で2
時間以上保持する安定化処理を行なう。ここで、溶体化
処理後の冷却を45〜150℃未満の温度域とし、さら
に45℃より低い温度域まで温度降下しないうちに引続
いて安定化処理を行なう理由は次の通りである。すなわ
ち、溶体化処理後に100℃/min以上の冷却速度で
45℃未満の温度域(室温)に冷却した場合には、室温
クラスターが生成される。この室温クラスターは強度に
寄与するG.P.ゾーンに移行しにくいため、塗装焼付
硬化性に不利となる。一方、溶体化処理後に150℃以
上の温度域まで冷却してそのまま保持した場合には、高
温クラスターあるいはG.P.ゾーンが生成され、塗装
焼付硬化性については有利となるが、ヘム曲げ性が劣化
するとともに、室温での経時変化が生じやすくなる。し
たがってヘム曲げ性、室温経時変化と塗装焼付硬化性と
のバランスの観点から、上記の条件を満たす必要があ
る。
【0047】安定化処理は、前述のように溶体化処理後
に45〜150℃未満の温度域まで冷却してから、45
℃未満の温度域(室温)まで冷却することなく、45〜
150℃未満の範囲内の温度に保持して行なう。この安
定化処理は、最終的にクラスターあるいはG.P.ゾー
ンの安定性を向上させ、板製造後の経時変化を抑制し
て、充分な焼付硬化性を確保するとともに、良好な成形
加工性を得るために必要な工程であり、この安定化処理
は、45〜150℃未満の範囲内の温度に2時間以上保
持の条件とする必要がある。安定化処理の温度が45℃
未満では上記の効果が充分に得られず、一方150℃を
越えれば高温時効によって粒界析出の傾向が強くなり、
成形性、特にヘム曲げ性が低下してしまう。また安定化
処理における45〜150℃未満の範囲内の温度に保た
れる時間が2時間未満では、その後の室温での経時変化
が速くなって成形性と焼付硬化性が悪くなる。なお安定
化処理の加熱保持時間の上限は特に限定しないが、通常
は経済性の観点から48時間以下とすることが好まし
い。なおまた、上述のような45〜150℃未満の温度
域での2時間以上の安定化処理は、必ずしも一定温度で
2時間以上保持する必要はない。すなわち、要は45℃
以上150℃未満の範囲内の温度に2時間以上維持され
れば良いから、例えば徐冷などによって45〜150℃
未満の温度で2時間以上経過させるようにしても良い。
【0048】以上のように安定化処理を行なった後に
は、室温まで冷却して、そのまま成形加工や塗装焼付の
用途に供しても良いが、最終熱処理として、請求項5に
おいて規定しているように、100℃/min以上の昇
温速度で170〜280℃の範囲内の温度に加熱し、そ
の範囲内の温度で5分以内の保持を行なった後、100
℃/min以上の冷却速度で100℃以下の温度に冷却
しても良い。
【0049】このような最終熱処理を行なえば、塗装焼
付硬化性およびヘム曲げ性をより一層向上させることが
できる。ここで、最終熱処理における加熱温度が170
℃未満では上記の効果が得られず、一方280℃を越え
る高温では室温での経時変化が生じやすくなるとともに
プレス成形性が悪くなる。また加熱保持時間が5分を越
えれば、最終熱処理の効果が飽和するばかりでなく、場
合によっては長時間の時効によって成形前の素材の強度
が高くなり過ぎて成形性が悪くなってしまう。さらに加
熱昇温速度が100℃/min未満では時効が進んで成
形性が悪くなり、一方冷却速度が100℃/min未満
でも時効が進み、粒界析出が生じて成形性、特にヘム曲
げ性が低下してしまう。したがって最終熱処理前の条件
は前述のように規制する必要がある。
【0050】なお安定化処理後、最終熱処理までの間の
条件は特に規定しないが、通常は安定化処理後、最終熱
処理まで材料を室温に放置することが多く、この場合の
放置時間は、材料の室温経時変化などを考慮して、1ケ
月以内とすることが望ましい。
【0051】以上のように、均質化処理−熱間圧延の条
件を厳密に規制し、さらに溶体化処理−冷却−安定化処
理の条件、さらには最終熱処理の条件を厳密に規制する
ことによって、既に述べたような金属組織条件を満た
し、成形性、特にヘム曲げ性が優れ、かつ塗装焼付硬化
性が良好でしかも室温時効による経時変化が生じにくい
時効性Al−Mg−Si系アルミニウム合金板を得るこ
とができる。
【0052】
【実施例】表1に示すこの発明成分組成範囲内の合金記
号A1〜A5の合金、およびこの発明の成分組成範囲外
の合金記号B1の合金について、それぞれ常法に従って
DC鋳造法により鋳造し、得られた鋳塊に種々の条件で
均質化処理を施した後、種々の条件で熱間圧延を施し、
さらに冷間圧延を施して、最終的に厚さ1mmの圧延板
とした。この圧延板に対し、種々の溶体化処理を行なっ
てから、100℃/min以上の冷却速度で所定の温度
域まで冷却(焼入れ)して、引続き種々の安定化処理を
行なった。また一部のものについては、安定化処理後、
100℃/min以上の加熱速度、冷却速度で最終熱処
理を行なった。具体的なプロセス条件を表2、表3に示
す。
【0053】以上のようにして得られた板について、そ
の金属組織状態、特に平均結晶粒径、粒界上析出物の最
大長さ、円換算径2μm以上の第2相粒子の数、5μm
以上の第2相粒子の面積率を調べるとともに、切欠引張
試験を行なって切欠伸び(破断部の局部伸び)を調べ
た。ここで切欠引張試験は、JIS5号試験片を切出し
て、50mm長さの平行部中央に角度45°、深さ2m
mのVノッチを切削により形成したものについて行な
い、引張試験によって破断した試験片を突合せて、標点
距離を5mmとしたときの局部伸びを計測した。
【0054】これらの結果を表4に示す。
【0055】さらに前述のように得られた板を、室温に
3ケ月間放置し、各板について、それぞれ2%ストレッ
チ後、170℃×20分の塗装焼付処理を施した。塗装
焼付前の各板の機械的特性(耐力、伸び)および成形性
と、塗装焼付後の機械的特性(耐力)を調べた。その結
果を表5に示す。
【0056】なお成形性評価としては、ヘム曲げ試験、
球頭張出試験、絞り試験を行なったが、これらの試験条
件、評価方法は次の通りである。
【0057】ヘム曲げ試験:図1に示すように、試料を
15%ストレッチして、突き曲げを行い、突き曲げ後、
厚さ0.5mmの中板を挟んで180°に曲げた。また
このヘム曲げ試験では、曲げ異方性を調べるため、圧延
方向に対し、0°、45°、90°の各方向で曲げ試験
を行なった。そして全方向で割れの発生のないものを合
格(○印)、1方向でも割れの発生のあるものを不合格
(×印)とした。
【0058】張出試験:板両面に成形フィルムを貼り付
け、さらに潤滑油を塗布した後、100mmφの球頭ポ
ンチを使って張出試験を実施し、球頭張出高さを調べ
た。
【0059】絞り試験:潤滑油を塗布した後、50mm
ポンチ径を使って絞り試験を行ない、限界絞り比LDR
を調べた。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】製造番号1〜4は、いずれも合金の成分組
成がこの発明で規定する範囲内でかつ製造条件もこの発
明で規定する条件を満たしたものであるが、これらの場
合は、塗装焼付前の伸びおよび球頭張出高さが充分に高
く、かつ絞り成形性を表すLDRも充分に高くて、ヘム
曲げ性が優れ、しかも焼付硬化性が高くて塗装焼付時に
充分な焼付硬化性を示した。
【0066】これに対し製造番号5は、合金の成分組成
はこの発明範囲内であるが、製造条件がこの発明で規定
する条件を満たさなかったものであり、一方製造番号6
は、成分組成がこの発明で規定する範囲を外れた合金を
用いかつ製造条件もこの発明で規定する条件を満たさな
かったものである。これらの場合には成形性、特にヘム
曲げ性が劣り、また塗装焼付後の強度も充分に得られな
かった。
【0067】
【発明の効果】この発明によれば、成形性、特にヘム曲
げ性が優れており、しかも塗装焼付硬化性が良好で塗装
焼付後の強度が高く、さらに室温での経時変化も少ない
成形加工用アルミニウム合金板を得ることができ、した
がって自動車用ボディシートなど、成形加工特にヘム曲
げ加工と塗装焼付を施して使用されるアルミニウム合金
板に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例において実施したヘム曲げ試
験を説明するための略解図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 683 683 685 685Z 686 686A 691 691B 692 692A 692B 693 693A 693B 694 694A (72)発明者 村松 俊樹 東京都墨田区錦糸1丁目2番1号 スカイ アルミニウム株式会社内 (72)発明者 佐賀 誠 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 佐藤 雄一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 高田 健 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mg0.3〜1.0%(mass%、以
    下同じ)、Si0.3〜1.2%を含有し、かつMn
    0.03〜0.4%、Cr0.03〜0.4%、Zr
    0.03〜0.3%、V0.03〜0.3%、Fe0.
    03〜0.5%、Ti0.005〜0.2%、Zn0.
    03〜2.5%、Cu0.1〜1.0%のうちから選ば
    れた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不
    可避的不純物よりなり、しかも切欠引張試験における切
    欠伸びが10%以上であることを特徴とする、ヘム曲げ
    性および焼付硬化性に優れかつ室温経時変化の少ない成
    形加工用アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 Mg0.3〜1.0%、Si0.3〜
    1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.4%、Cr
    0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3%、V0.
    03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、Ti0.0
    05〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.1
    〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、しか
    も平均結晶粒サイズが60μm以下、粒界上に存在する
    析出物粒子の最大長さが5μm以下、円換算径2μm以
    上の第2相粒子の分散密度が1000個/mm以下、
    0.5μm以上の径の第2相粒子の総面積率が5%以下
    であり、しかも切欠試験における切欠伸びが10%以上
    であることを特徴とする、ヘム曲げ性および焼付硬化性
    に優れかつ室温経時変化の少ない成形加工用アルミニウ
    ム合金板。
  3. 【請求項3】 Mg0.3〜1.0%、Si0.3〜
    1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.4%、Cr
    0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3%、V0.
    03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、Ti0.0
    05〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.1
    〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミ
    ニウム合金鋳塊に、熱間圧延および冷間圧延を行なって
    所要の板厚の圧延板とした後、溶体化処理を行なって成
    形加工用アルミニウム合金板を得るにあたり、溶体化処
    理前の冷間圧延を20%以上の圧延率で行ない、これに
    より切欠引張試験における切欠伸びが10%以上のアル
    ミニウム合金板を得ることを特徴とする、ヘム曲げ性お
    よび焼付硬化性に優れかつ室温経時変化の少ない成形加
    工用アルミニウム合金板の製造方法。
  4. 【請求項4】 Mg0.3〜1.0%、Si0.3〜
    1.2%を含有し、かつMn0.03〜0.4%、Cr
    0.03〜0.4%、Zr0.03〜0.3%、V0.
    03〜0.3%、Fe0.03〜0.5%、Ti0.0
    05〜0.2%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.1
    〜1.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミ
    ニウム合金鋳塊に、480℃以上の温度で均質化処理を
    施した後、熱間圧延を480℃以上の温度で開始して、
    その熱間圧延中における480℃から350℃までの降
    温時間を20分以内とするとともに、その降温過程にお
    いて10%以上の再結晶率で1回以上再結晶させ、その
    後20%以上の圧延率で冷間圧延を施した後、480℃
    以上の温度で保持なしもしくは5分以内の保持の溶体化
    処理を行ない、溶体化処理後、100℃/min以上の
    冷却速度で45℃以上150℃未満の温度域まで冷却
    し、続いて45℃未満の温度に冷却することなく、45
    ℃以上150℃未満の温度域で2時間以上保持する安定
    化処理を行なって、平均結晶粒サイズが60μm以下、
    粒界上に存在する析出物粒子の最大長さが5μm以下、
    円換算径2μm以上の第2相粒子の分散密度が1000
    個/mm以下、0.5μm以上の径の第2相粒子の総
    面積率が5%以下であり、しかも切欠試験における切欠
    伸びが10%以上であるアルミニウム合金板を得ること
    を特徴とする、ヘム曲げ性および焼付硬化性に優れかつ
    室温経時変化の少ない成形加工用アルミニウム合金板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の成形加工用アルミニウ
    ム合金板の製造方法において、 前記安定化処理の後、さらに100℃/min以上の昇
    温速度で170〜280℃の範囲内の温度に加熱し、そ
    の範囲内の温度で5分以内の保持を行なった後、100
    ℃/min以上の冷却速度で100℃以下の温度まで冷
    却することを特徴とする、ヘム曲げ性および焼付硬化性
    に優れかつ室温経時変化の少ない成形加工用アルミニウ
    ム合金板の製造方法。
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