JP2003262179A - ポンプ水車およびその運転方法 - Google Patents

ポンプ水車およびその運転方法

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JP2003262179A
JP2003262179A JP2002064193A JP2002064193A JP2003262179A JP 2003262179 A JP2003262179 A JP 2003262179A JP 2002064193 A JP2002064193 A JP 2002064193A JP 2002064193 A JP2002064193 A JP 2002064193A JP 2003262179 A JP2003262179 A JP 2003262179A
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chamber
pump
pipe
guide vane
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Yasuyuki Enomoto
保之 榎本
Atsushi Murayama
淳 村山
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Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポンプ締切り運転時、ランナ室の充水の水面押
し下げをより一層早めてポンプ入力の低減化を図るポン
プ水車の運転方法を提供する。 【解決手段】本発明に係るポンプ水車の運転方法は、ガ
イドベーン23,23,…の全閉後、ポンプ締切り運転
のとき、ランナ室33にその頭部および底部から給気を
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ水車の運転
方法に係り、特に、揚水運転終了後から停止時間のポン
プ入力をより一層低減させるポンプ水車の運転方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近の水力発電プラントは、上池と下池
との中間位置に水力機械を設置し、昼間、上池の貯水を
利用して発電運転を行い、夜間、下池の貯水を上池に戻
す揚水運転を行い、貯水の有効活用を図る発電・揚水併
用タイプのものが多い。この場合、発電運転と揚水運転
とを行う水力機械として、フランシス型ポンプ水車が使
用されることが多い。
【0003】このフランシス型ポンプ水車は、図7に示
すように、主軸(回転軸)1の一端にランナ2を固設さ
せるとともに、その他端に駆動機3を固設させる構造に
なっている。この駆動機3は、発電運転時、発電機とし
て、また、揚水運転時、電動機として使用できる構造に
なっている。
【0004】一方、ランナ2は、その外周側に可動式の
ガイドベーン4を備え、ガイドベーン4の開閉により圧
力水の流量を調整している。このガイドベーン4は、そ
の外側に固定式のステーベーン5を介装して渦巻状のケ
ーシング6に接続している。
【0005】また、ランナ2は、その下流側に直線拡大
管7、曲がり管8および拡大管9で形成する吸出し管1
0を備え、この吸出し管10を下池(図示せず)に接続
させている。
【0006】また、ランナ2は、上カバー11と下カバ
ー12とで包囲形成するランナ室13に収容され、クラ
ウン14とハンド15とで挟持するランナベーン16を
駆動機3からの駆動力で回転させるようになっている。
【0007】このような構成を備えるフランシス型ポン
プ水車において、そのポンプ水車の運転方法は、揚水運
転が終了し、ガイドベーン4に閉鎖指令が出ると、ガイ
ドベーン4の弁開度を徐々に絞り、やがて全閉にさせ
る。この間、主軸1からランナベーン16に与えられる
駆動力、つまりポンプ入力は低下していく。
【0008】そして、ガイドベーン4が全閉(締切り状
態)となった、いわゆるポンプ締切り運転に入った後
に、電動機として使用されている駆動機3を電力系統か
ら解列し、駆動機3に制動をかけてランナ2を完全に停
止させる。
【0009】ここで、ポンプ締切り運転の状態における
駆動機3へのポンプ入力は、ランナの回転負荷のために
高く、駆動機3の解列時に電力系統に大きな影響を与え
ることがある。このため、駆動機を電力系統から解列す
る際のポンプ入力を低減する種々の方法が提案されてい
る。例えば、ポンプ締切り運転に入った後にランナ室1
3内にその頭部側から給気して、この給気の押圧力を利
用してランナ室13内の充水の水面を吸出し管10の下
流側に押し下げ、ランナ室13内においてランナ2を空
気中に露呈させた後に駆動機3を解列する方法などがあ
る(特開昭56−47680号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにランナ室13内の充水を押し下げてランナ2を空
気中に露呈させる、いわゆる水面押し下げ運転を行う方
法では、ポンプ締切り運転の後にランナ室13内に給気
を行うことによってランナ室13内の充水の水面を吸出
し管10の下流側に押し下げてランナ2を空気中に露呈
させて回転させ、ポンプ入力を軽減させているものの、
充水の水面押し下げに比較的長い時間を費やすという問
題点がある。このため、エネルギの浪費防止の点からこ
の水面押し下げに要する時間を短縮するように給気量を
より多くすることも考えられるが、急激に水面押し下げ
を行うとランナとともに回転していた水の慣性が急激に
失われることとなり、このことがポンプ入力の急変を引
き起こすので、電力系統や同一発電所内の別の水力機械
に影響を与える可能性があった。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、ポンプ締切り運転を開始してから解列までの時
間を短くし、かつポンプ入力を十分に低減することが可
能なポンプ水車の運転方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポンプ水車
は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載した
ように、駆動力により回転するランナと、上カバーと下
カバーにより包囲されて前記ランナを収容するランナ室
と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと前記下
カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式のガイド
ベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーンの外側
に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ室の前
記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり管から
なる吸出し管を有するポンプ水車において、前記ガイド
ベーンを閉鎖して前記ランナを回転させるポンプ締切り
運転のときに前記直線拡大管内に給気を行う配管を前記
直線拡大管に設けるとともに、前記配管に流量調整弁を
設けたものである。
【0013】また、本発明に係るポンプ水車は、上述の
目的を達成するために、請求項2に記載したように、駆
動力により回転するランナと、上カバーと下カバーによ
り包囲されて前記ランナを収容するランナ室と、前記ラ
ンナの半径方向外側の前記上カバーと前記下カバーの間
に円形列状に複数設けられた可動式のガイドベーンと、
前記ランナ室および前記ガイドベーンの外側に渦巻状に
設けられたケーシングと、前記ランナ室の前記ランナ下
流側に設けられた直線拡大管と曲がり管からなる吸出し
管を有するポンプ水車において、前記ガイドベーンを閉
鎖して前記ランナを回転させるポンプ締切り運転のとき
に前記ランナと前記ガイドベーンとの間の前記上カバー
および前記下カバーの流水面に給気を行う配管を前記上
カバーおよび前記下カバーに設けるとともに、前記配管
に流量調整弁を設けたものである。
【0014】また、本発明に係るポンプ水車の運転方法
は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載した
ように、駆動力により回転するランナと、上カバーと下
カバーにより包囲されて前記ランナを収容するランナ室
と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと前記下
カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式のガイド
ベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーンの外側
に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ室の前
記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり管から
なる吸出し管を有するポンプ水車の運転方法において、
前記ガイドベーンを全閉にして前記ランナを回転させる
ポンプ締切り運転を開始した後に、前記ランナ室に給気
を行い、前記ランナ室内の充水を水と空気が混ざり合う
状態とする方法である。
【0015】また、本発明に係るポンプ水車の運転方法
は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載した
ように、駆動力により回転するランナと、上カバーと下
カバーにより包囲されて前記ランナを収容するランナ室
と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと前記下
カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式のガイド
ベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーンの外側
に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ室の前
記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり管から
なる吸出し管を有するポンプ水車の運転方法において、
前記ガイドベーンを全閉にして前記ランナを回転させる
ポンプ締切り運転を開始した後に、前記ランナ室に給気
を行い、前記ランナ室内の充水を水と空気が混ざり合う
状態とする方法である。
【0016】また、本発明に係るポンプ水車の運転方法
は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載した
ように、ポンプ締切り運転の開始前に、ケーシングの上
流側に位置する入口弁を全閉とする方法である。
【0017】また、本発明に係るポンプ水車は、上述の
目的を達成するために、請求項6に記載したように、駆
動力により回転するランナと、上カバーと下カバーによ
り包囲されて前記ランナを収容するランナ室と、前記ラ
ンナの半径方向外側の前記上カバーと前記下カバーの間
に円形列状に複数設けられた可動式のガイドベーンと、
前記ランナ室および前記ガイドベーンの外側に渦巻状に
設けられたケーシングと、前記ランナ室の前記ランナ下
流側に設けられた直線拡大管と曲がり管からなる吸出し
管と、前記ケーシングの上部と前記直線拡大管とを接続
する排気管を有するポンプ水車において、前記下カバー
の前記ランナ室と前記ガイドベーンの間の底部側に、上
下動によって前記ランナ室と前記ガイドベーンの間の流
路を塞ぐゲートリングを収容したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るポンプ水車お
よびその運転方法の実施形態を図面および図面に付す符
号を引用して説明する。
【0019】図1は、本発明に係るポンプ水車の第1実
施形態に適用する例示としてのフランシス型ポンプ水車
の概略縦断面図である。
【0020】本実施形態に係るポンプ水車に適用するフ
ランシス型ポンプ水車は、主軸(回転軸)20の一端に
ランナ21を固設させるとともに、その他端に駆動機2
2を固設させる構造になっている。この駆動機22は、
発電運転時、発電機として、また、揚水運転時、電動機
として使用できる構造になっている。
【0021】ランナ21は、上カバー31と下カバー3
2とで包囲形成されたランナ室33内に収容されてお
り、クラウン34とバンド35とで挟持するランナベー
ン36とともに、ポンプ入力によって駆動機22に与え
られる駆動力で回転するようになっている。
【0022】また、ランナ21の半径方向外側には、複
数枚の可動式のガイドベーン23,23,…が上カバー
31と下カバー32の間に円形形状に配置されている。
可動式のガイドベーン23,23,…はその外側にスピ
ードリング24に固設するステーベーン25,25,…
を介装して渦巻状のケーシング26に接続している。
【0023】上カバー31と下かバー32には、それぞ
れガイドベーン23とランナ21との間の流水面に空気
を供給するための配管40a,40bが設けられてお
り、これらの配管40a,40bは流量調整弁39を備
える給気槽38aと接続されている。さらに、吸出し管
30の直線拡大管27にも直線拡大管27内に空気を供
給する配管41が設けられており、この配管41は流量
調整弁39を備える給気槽38bと接続されている。な
お、給気槽38aと給気槽38bは同一としてもよい。
【0024】図1における“X”部の部分拡大図である
図2に示すように、配管41は吸出し管30の直線拡大
管の横断中心線HCLに対し角度θにして取り付け、給
気をランナ回転方向に同期させて充水の流れに対し抵抗
にならないようにし、ポンプ締切り運転中、ポンプ入力
を低減させるようになっている。すなわち、図2におい
て、揚水運転時のランナ21の回転方向は反時計方向で
あるため、これに合わせて、配管41はその中心線が直
線拡大管27の横断面における中心点Oを通過する横断
中心線HCLに対して時計方向に角度θとなるように、
つまり揚水運転時のランナ回転方向と反対方向に傾ける
ように取り付けられている。
【0025】このような構成を備えるフランシス型ポン
プ水車において、本実施形態に係るポンプ水車の運転方
法は、例えば、揚水運転が終了し、ガイドベーン23に
閉鎖指令があると、ガイドベーン23,23,…の弁開
度を徐々に絞り、やがて全閉にさせ、ポンプ締切り運転
に入る。
【0026】ポンプ締切り運転に入ると、ポンプ水車
は、流量調整弁37,39を開弁させる。これにより、
給気槽38aおよび給気槽38bからそれぞれ配管40
a,40b、および配管41を介して流量を調整して給
気を行う。
【0027】配管40aおよび40bからの給気は、ガ
イドベーン23とランナ21との間にて、それぞれ上カ
バー31と下カバー32の流水面に供給される。ここ
で、ランナ21内部の水はランナ21の回転に伴う遠心
力を受けるので、ランナ21内部からガイドベーン2
3,23,…に向かって密度の大きい水の流れが生じ
る。このときガイドベーン23,23,…は閉鎖してお
り、この流れはガイドベーン23,23,…に衝突する
ような形となるので、ガイドベーン23,23,…とラ
ンナ21外周部の間では循環流が生じる。配管40aお
よび40bはガイドベーン23,23,…とランナ21
との間の上カバー31、および下カバー32の流水面に
給気するように構成されているので、配管40aおよび
40bから供給された空気はこの循環流に乗るととも
に、密度が小さいため、ランナ室33内部へ向かって流
れ、ランナ21内部やランナ21と上カバー31との間
隙、また、ランナ21としたカバー32との間隙に流れ
込む。このようにしてランナ室33内部で空気と水が混
ざり合い、またランナ21と上カバー31および下カバ
ー32との間隙に空気が流れ込むことによって、ランナ
21が回転する際の抵抗が減少し、ポンプ入力を小さく
することができる。
【0028】また、配管41からの給気は、上述のよう
に充水の流れに対する抵抗となることなく直線拡大管2
7内をランナ室33に向かって上昇し、その一部はラン
ナ21としたカバー32との間隙にも流れ込む。さら
に、ランナ21内に流れ込んだ空気はランナ21の回転
による遠心力によって上述のようにランナ21内部から
ガイドベーン23,23,…の方向に流れてランナ21
外周部とガイドベーン23,23,…の間の循環流に乗
り、再びランナ室33内部に戻される。このようにし
て、ランナ室33内で水と空気が混ざり合った状態を作
ることで、ランナ21を回転させるのに必要な力を減少
させることができる。さらにランナ21と下カバー32
との間隙にも空気が流れ込むことによって、ランナ21
が回転する際の抵抗が減少する。したがって、これらの
ことによってもポンプ入力を小さくすることができる。
【0029】このように、本実施形態は、ポンプ締切り
運転に入ると、吸込み管30の直線拡大管27を介して
ランナ33に流量調整弁39で流量を調整して給気する
とともに、ガイドベーン23,23,…とランナ21と
の間の上カバー31と下カバー32の流水面に流量調整
弁37で流量を調整して給気することによって、ランナ
室33内で水と空気が混ざり合った状態を作り出すこと
が可能となるので、ランナ室33に設けられたランナ2
1が回転する際の抵抗を大幅に減少させることができ、
ポンプ入力を十分に減少させることが可能となる。この
とき、いわゆる水面押し下げ運転のように、ランナ21
内部の充水がなくなることがないため、つまり、充水が
押し下げられることによって回転するランナ21内部の
充水の慣性が急激に失われるようなことがないため、ポ
ンプ入力の急変が起こることもなく、電力系統や同一発
電所内の別の水力機械に影響を与えることがない。ま
た、このようにランナ室33内部に水と空気が混ざり合
った状態を作り出すために要する時間は水面押し下げ運
転を行うよりも大幅に短く、エネルギ浪費を防止するこ
とができる。
【0030】なお、本実施形態において、給気槽38
a、流量調整弁37、配管40a,40bを省略し、給
気を吸込み管30の直線拡大管27を介して行うのみと
しても、同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0031】次に、本発明に係るポンプ水車の運転方法
の第2実施形態を図3および図4によって説明する。図
3は本発明に係るポンプ水車の第2実施形態に適用する
例示としてのフランシス型ポンプ水車の概略縦断面図で
ある。図3においては、渦巻状のケーシング26の上部
と吸出し管30の直線拡大管27とを接続する排気管4
2が示されていること以外は図1と同様であり、同一の
構成部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0032】この排気管42は、従来のポンプ水車にお
いても設けられており、水面押し下げ運転を行う際にガ
イドベーン23,23,…を締め切っていても漏洩する
空気を回収して吸出し管30の直線拡大管27に戻すた
めのものである。
【0033】本実施形態に係るポンプ水車の運転方法
は、ポンプ締切り運転時に吸込み管30の直線拡大管2
7を介してランナ室33に給気し、また、ガイドベーン
23,23,…とランナ21との間の上カバー31と下
カバー32の流水面に給気を行い、その後にガイドベー
ン23,23,…を小開し、渦巻状のケーシング26の
上部と吸出し管30の直線拡大管27とを接続する排気
管42を利用して、ポンプ締切り運転中にランナ室33
に向けてなされる給気の一部をガイドベーン23,2
3,…を介してケーシング26に流出させ、ここから吸
出し管30の直線拡大管27に回収させるものである。
【0034】第1実施形態で述べたように、ポンプ締切
り運転時に配管40a,40bや配管41を介して給気
を行うと、供給された空気はランナ室33内で水と混ざ
り合った状態となりポンプ入力が減少するが、給気量が
多過ぎる場合などは、充水の水面が押し下げられる可能
性がある。充水の水面が押し下げられることは、ランナ
21とともに回転している水の質量に相当する慣性が失
われることとなるため、ポンプ入力の急変を引き起こす
ことも考えられる。
【0035】本実施形態はこのような点を考慮したもの
であり、その作用をさらに図4を用いて説明する。
【0036】図4は、本実施形態のポンプ水車を停止さ
せる場合のガイドベーン開度、ポンプ入力、および配管
40a,40bや配管41を介してランナ室33内に供
給された総給気量を、時間を横軸として示したものであ
る。図4に示すように、ガイドベーン開度A、ポンプ
入力Pにて揚水運転中のポンプ水車が揚水運転を終了
し、ガイドベーン23,23,…に閉鎖指令が出される
と、ポンプ水車はガイドベーン開度を徐々に小さくし、
これに伴いポンプ入力が徐々に低下して、最終的にガイ
ドベーン開度がA=0、つまり全閉となるとポンプ水
車はポンプ締切り運転に入るが、本実施形態ではこれと
ほぼ同時に配管40a,40bや配管41を介して給気
を開始する。給気を開始したことにより、第1実施形態
同様、ポンプ入力がさらに低下する。ここで、配管40
a,40bや配管41を介しての給気を継続しながら、
ガイドベーン23,23,…をガイドベーン開度A
小開させ、ガイドベーン23,23,…を介してケーシ
ング6に給気を導く。流出した給気はガイドベーン2
3,23,…をガイドベーン開度Aに小開してから多
少時間が経過した後にケーシング6の上部に貯まり始め
るので、このタイミングで排気管42を開口する。これ
によってケーシング6上部に貯まった給気は吸出し管3
0の直線拡大管27に戻され、ここから再びランナ室3
3の内部に給気される。この間も、配管40a,40b
や配管41を介しての給気を継続していればポンプ入力
は低下し続け、最終的にポンプ入力をPに十分低下さ
せた時点で駆動機22を電力系統から解列させ、同時に
給気を停止して、ガイドベーン23,23,…をガイド
ベーン開度A=0、つまり全閉する。
【0037】本実施形態はこのような運転方法によるの
で、第1実施形態の作用効果に加えて、配管40a,4
0bや配管41を介して行う給気の量が多い場合であっ
ても、ランナ室33内の充水の水面を押し下げる虞がな
いので、電力系統に影響を与えることなく安定してポン
プ水車を停止することが可能となる。つまり、給気の量
を多くしても、ランナ室33やランナ21内に空気が貯
まらずに、ガイドベーン23,23,…を介してケーシ
ング6に流出し、排気管42を介して直線拡大管27に
再度給気を行うことができるので、ランナ室33やラン
ナ21内は常に水と空気が混ざり合った状態となるの
で、総給気量に応じてポンプ入力を十分に低下させるこ
とが可能となる。
【0038】なお、本実施形態において、排気管42と
吸出し管30の直線拡大管27との接続部において、図
2で示したものと同様に、排気管42を揚水運転時のラ
ンナ回転方向と反対方向に傾けるように直線拡大管27
に取り付けることによって、ケーシング6から直線拡大
管27に戻された給気をランナ回転方向に同期させて充
水の流に対し抵抗にならないようにし、ポンプ入力を低
減効果が十分に得られるように構成することができる。
【0039】図5は、本発明に係るポンプ水車の運転方
法の第3実施形態に適用する例示としてのフランシス型
ポンプ水車の概略縦断面図である。なお、第1実施形態
の構成部分と同一構成部分には同一符号を付している。
【0040】本実施形態に係るポンプ水車の運転方法
は、ポンプ締切り運転の前に、入口弁43を全閉にさ
せ、給気装置39,40からランナ室34に供給する給
気がガイドベーン23,23,…を介してケーシング2
6に漏出しても上池(図示せず)まで流出させないよう
にするものである。
【0041】ポンプ水車は、長年の間、ガイドベーン2
3,23,…を流量制御のために開閉させたり、あるい
はポンプ締切り運転のために開閉させていると、ガイド
ベーン23,23,…の摺動部に摩耗が生じ、運転中、
給気がガイドベーン23,23,…の摺動部からケーシ
ング26、入口弁43および水圧鉄管44を介して上池
まで流れ、給気をより多く無駄に消費することがあっ
た。
【0042】本実施形態は、このような点を考慮するも
ので、ガイドベーン23,23,…が閉鎖指令を受けて
全閉となった段階で行く弁43が全閉されるようにし、
ポンプ締切り運転は入口弁43が閉止した状態で行われ
るようにしたものである。
【0043】このように、本実施形態によれば、第1実
施形態の効果に加え、ガイドベーン23,23,…の摺
動部に摩耗が生じているような場合であっても、配管4
0a,40bや配管41を介して行う給気が漏れ出して
水圧鉄管44を介して上池まで流れることによる給気の
無駄な消費を避けることができる。さらに、本実施形態
を第2実施形態と組み合わせる場合、揚水運転が終了し
た際のガイドベーン23,23,…への閉鎖指令を、全
閉ではなく小開度とし、この小開度となった段階から配
管40a,40bや配管41を介して給気を行い、追っ
て排気管42を開口させてガイドベーン23,23,…
を介して流出する給気を直線拡大管27に戻すこともで
きる。このような運転方法によると、第2実施形態の効
果や本実施形態の上述の効果に加え、駆動機22の系統
からの解列までに要する時間をさらに短縮することが可
能となるとともに、ポンプ締切り運転時に、ガイドベー
ン23,23,…が閉鎖することがないため、ガイドベ
ーン23,23,…の摺動部の摩耗の進行を遅らせるこ
ともできる。
【0044】図7は、本発明に係るポンプ水車およびそ
の運転方法の第4実施形態に適用する例示としてのフラ
ンシス型ポンプ水車の概略部分断面図である。なお、第
1実施形態の構成部分と同一構成部分には同一符号を付
している。
【0045】本実施形態に係るポンプ水車の運転方法
は、ガイドベーン23,23,…とランナ21外周部と
の間の底部側に収容しているゲートリング44を移動さ
せ、通路45を塞ぎ、今迄、ランナ21の回転によって
発生している充水Wの旋回・反転エネルギをガイドベー
ン23,23,…に受け持たせていたものをゲートリン
グ44で受け持たせ、通路45の距離を短くした分だけ
充水Wの旋回・反転エネルギを少なくさせて主軸20か
らランナ21に与えるポンプ入力を少なくさせるもので
ある。
【0046】このように、本実施形態は、第1の実施形
態の効果に加え、ポンプ締切り運転時、ランナ21の回
転に伴って発生する充水Wの旋回・反転エネルギを少な
くさせるためにガイドベーン23,23,…と、ランナ
21外周部との中間の通路45をゲートリング44で塞
ぎ、ランナ室33の容積を少なくさせるよう制限を加え
るので、ランナ室33の容積を少なくさせる分だけ給気
量を少なくすることができ、ランナ21の回転に必要な
ポンプ入力を少なくすることができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係るポン
プ水車およびその運転方法は、ポンプ締切り運転時にラ
ンナ室内に給気を行い、ランナ室内の充水を水と空気が
混ざり合った状態とすることによってランナ室の内部に
設けられたランナが回転する際の抵抗を大幅に減少させ
ることができ、ポンプ入力を十分に減少させることが可
能となる。このとき、いわゆる水面押し下げ運転のよう
に、ランナ内部の充水がなくなることがないため、回転
するランナ内部の充水の慣性が急激に失われないため、
ポンプ入力の急変が起こることもなく、電力系統や同一
発電所内の別の水力機械に影響を与えることがない安定
運転を行わせることができる。また、このようにランナ
室の内部に水と空気が混ざり合った状態を作り出すため
に要する時間は水面押し下げ運転を行うよりも大幅に短
く、エネルギ浪費を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポンプ水車の運転方法の第1実施
形態に適用する例示としてのフランシス型ポンプ水車の
概略縦断面図。
【図2】図1のX部の部分拡大図。
【図3】本発明に係るポンプ水車の運転方法の第2実施
形態に適用する例示としてのフランシス型ポンプ水車の
概略縦断面図。
【図4】図3に示す第2実施形態に基づくガイドベーン
開度、ポンプ入力、給気量のそれぞれを示す線図。
【図5】本発明に係るポンプ水車の運転方法の第3実施
形態に適用する例示としてのフランシス型ポンプ水車の
概略縦断面図。
【図6】本発明に係るポンプ水車の運転方法の第4実施
形態に適用する例示としてのフランシス型ポンプ水車の
概略部分断面図。
【図7】従来のフランシス型ポンプ水車を示す概略縦断
面図。
【符号の説明】
1 主軸 2 ランナ 3 駆動機 4 ガイドベーン 5 ステーベーン 6 ケーシング 7 直線拡大管 8 曲がり管 9 拡大管 10 吸出し管 11 上カバー 12 下カバー 13 ランナ室 14 クラウン 15 バンド 16 ランナベーン 20 主軸 21 ランナ 22 駆動機 23 ガイドベーン 24 スピードリング 25 ステーベーン 26 ケーシング 27 直線拡大管 28 曲がり管 29 拡大管 30 吸出し管 31 上カバー 32 下カバー 33 ランナ室 34 クラウン 35 バンド 36 ランナベーン 37 流量調整弁 38 給気槽 39 流量調整弁 40 給気槽 41 配管 42 排気管 43 入口弁 44 ゲートリング 45 通路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力により回転するランナと、上カバ
    ーと下カバーにより包囲されて前記ランナを収容するラ
    ンナ室と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと
    前記下カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式の
    ガイドベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーン
    の外側に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ
    室の前記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり
    管からなる吸出し管を有するポンプ水車において、前記
    ガイドベーンを閉鎖して前記ランナを回転させるポンプ
    締切り運転のときに前記直線拡大管内に給気を行う配管
    を前記直線拡大管に設けるとともに、前記配管に流量調
    整弁を設けたことを特徴とするポンプ水車。
  2. 【請求項2】 駆動力により回転するランナと、上カバ
    ーと下カバーにより包囲されて前記ランナを収容するラ
    ンナ室と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと
    前記下カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式の
    ガイドベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーン
    の外側に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ
    室の前記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり
    管からなる吸出し管を有するポンプ水車において、前記
    ガイドベーンを閉鎖して前記ランナを回転させるポンプ
    締切り運転のときに前記ランナと前記ガイドベーンとの
    間の前記上カバーおよび前記下カバーの流水面に給気を
    行う配管を前記上カバーおよび前記下カバーに設けると
    ともに、前記配管に流量調整弁を設けたことを特徴とす
    るポンプ水車。
  3. 【請求項3】 駆動力により回転するランナと、上カバ
    ーと下カバーにより包囲されて前記ランナを収容するラ
    ンナ室と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと
    前記下カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式の
    ガイドベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーン
    の外側に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ
    室の前記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり
    管からなる吸出し管を有するポンプ水車の運転方法にお
    いて、前記ガイドベーンを全閉にして前記ランナを回転
    させるポンプ締切り運転を開始した後に、前記ランナ室
    に給気を行い、前記ランナ室内の充水を水と空気が混ざ
    り合う状態とすることを特徴とするポンプ水車の運転方
    法。
  4. 【請求項4】 駆動力により回転するランナと、上カバ
    ーと下カバーにより包囲されて前記ランナを収容するラ
    ンナ室と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと
    前記下カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式の
    ガイドベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーン
    の外側に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ
    室の前記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり
    管からなる吸出し管を有するポンプ水車の運転方法にお
    いて、前記ガイドベーンを全閉にして前記ランナを回転
    させるポンプ締切り運転を開始した後に、前記ランナ室
    に給気を行い、前記ランナ室内の充水を水と空気が混ざ
    り合う状態とすることを特徴とするポンプ水車の運転方
    法。
  5. 【請求項5】 ポンプ締切り運転の開始前に、ケーシン
    グの上流側に位置する入口弁を全閉とすることを特徴と
    する請求項3または4記載のポンプ水車の運転方法。
  6. 【請求項6】 駆動力により回転するランナと、上カバ
    ーと下カバーにより包囲されて前記ランナを収容するラ
    ンナ室と、前記ランナの半径方向外側の前記上カバーと
    前記下カバーの間に円形列状に複数設けられた可動式の
    ガイドベーンと、前記ランナ室および前記ガイドベーン
    の外側に渦巻状に設けられたケーシングと、前記ランナ
    室の前記ランナ下流側に設けられた直線拡大管と曲がり
    管からなる吸出し管と、前記ケーシングの上部と前記直
    線拡大管とを接続する排気管を有するポンプ水車におい
    て、前記下カバーの前記ランナ室と前記ガイドベーンの
    間の底部側に、上下動によって前記ランナ室と前記ガイ
    ドベーンの間の流路を塞ぐゲートリングを収容したこと
    を特徴とするポンプ水車。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100427753C (zh) * 2005-11-18 2008-10-22 清华大学 一种h型流道转轮的混流式水轮机
CN108131232A (zh) * 2016-12-01 2018-06-08 株式会社东芝 水力机械
CN114941602A (zh) * 2022-07-05 2022-08-26 西安理工大学 一种能够控制叶道涡产生的混流式水轮机

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