JP2003261735A - 熱可塑性樹脂組成物、及び成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、及び成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異形押出成形用として好適な樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 本発明の組成物は、(メタ)アクリル酸
エステル系ゴム状重合体(G)に、ビニル系単量体単位
を有する重合体がグラフトしたグラフト共重合体(A)
と、(メタ)アクリル酸エステル単位を有する重合体
(B)とを含有し、成分(A)と(B)の合計100質
量部に対して、メタクリル酸メチル単位50〜95質量
%、及びアルキル基の炭素数が1〜10のアクリル酸ア
ルキルエステル単位5〜50質量%を有する共重合体
(C)0.1〜5質量部と、アルキル基の炭素数が1〜
18のメタクリル酸アルキルエステル単位40〜90質
量%、及びアルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸
アルキルエステル単位60〜10質量%を有すると共
に、質量平均分子量が10万〜50万であり、質量分子
量が5万以下の成分を10〜50質量%含む共重合体
(D)0.01〜20質量部とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異形押出成形性が
良好で、成形収縮率が低く、かつ、得られる成形品が靱
性(面衝撃強度)に優れると共に耐候性に優れる熱可塑
性樹脂組成物、及び該樹脂組成物を成形してなる成形品
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅・建材部品等の異形押出成形
品の材料として、加工性や材料特性等が良好であること
からポリ塩化ビニル(PVC)樹脂が主として用いられ
てきたが、近年、環境問題などを背景として、塩化ビニ
ル樹脂に代わる材料が求められるようになってきた。こ
のような背景下、ポリ塩化ビニル樹脂の代替材料とし
て、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン)系樹脂組成物が提案されている(特開200
0−095918号公報、特開2000−212377
号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
000−095918号公報、特開2000−2123
77号公報等において提案されているABS系樹脂組成
物では、異形押出成形性が良好でないため、成形品の形
状が複雑になると、所望の形状の成形品を安定して得る
ことができない場合があった。また、成形収縮率が比較
的大きいため、成形品の形状等によっては、寸法精度が
良好な成形品が得られない場合もあった。また、ABS
系樹脂組成物においては、異形押出成形性や成形収縮率
と、成形品の靱性とは互いに背反する特性となってお
り、成形品の靱性を確保しつつ、異形押出成形性や成形
収縮率を改良することは難しい。なお、靱性の指標とし
ては、面衝撃強度が挙げられる。
【0004】また、従来提案されているABS系樹脂組
成物には、ジエン系単量体単位や芳香族ビニル系単量体
単位等が含有されていることから、得られる成形品の耐
候性が十分でなく、長期間屋外で使用される住宅・建材
等の用途では、使用が制限されることがあった。この問
題は、得られる成形品を耐候性材料で塗装することによ
り解決できるが、環境面やコスト削減の観点から好まし
くない。
【0005】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであり、異形押出成形性が良好で、成形収縮率
が低く、かつ、得られる成形品が靱性(面衝撃強度)に
優れると共に耐候性に優れる樹脂組成物、及び該樹脂組
成物を成形してなる成形品を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するべく鋭意検討した結果、特定のグラフト共重合体
と特定の3種類の重合体とを併用することにより、異形
押出成形性が良好で、成形収縮率が低く、かつ、得られ
る成形品が靱性(面衝撃強度)に優れると共に耐候性に
優れる樹脂組成物を提供できることを見出した。
【0007】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(メタ)
アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に、少なくと
も1種のビニル系単量体単位を有する重合体がグラフト
したグラフト共重合体(A)と、(メタ)アクリル酸エ
ステル単位を有する重合体(B)とを含有すると共に、
グラフト共重合体(A)と重合体(B)の合計100質
量部に対して、メタクリル酸メチル単位50〜95質量
%、及びアルキル基の炭素数が1〜10のアクリル酸ア
ルキルエステル単位5〜50質量%を有する共重合体
(C)0.1〜5質量部と、アルキル基の炭素数が1〜
18のメタクリル酸アルキルエステル単位40〜90質
量%、及びアルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸
アルキルエステル単位60〜10質量%を有すると共
に、質量平均分子量が10万〜50万であり、かつ、質
量分子量が5万以下の成分を10〜50質量%含む共重
合体(D)0.01〜20質量部とを含有することを特
徴とする。
【0008】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
て、グラフト共重合体(A)と重合体(B)との配合比
率は、質量比で10〜90:90〜10であることが好
ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)とし
ては、ジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム
状重合体、ジエンゴム/(メタ)アクリル酸エステル系
複合ゴム状重合体、ポリオルガノシロキサン/(メタ)
アクリル酸エステル系複合ゴム状重合体からなる群より
選ばれる少なくとも1種が好適である。
【0009】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
て、重合体(B)としては、(メタ)アクリル酸エステ
ル単位の他に、シアン化ビニル系単量体単位及び/又は
芳香族アルケニル系単量体単位を有する共重合体が好適
である。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、
共重合体(C)としては、メタクリル酸メチル単位、及
びアクリル酸アルキルエステル単位の他に、これらと共
重合可能な他のビニル系単量体単位を有する共重合体が
好適である。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
て、共重合体(D)中の質量分子量が5万以下の成分と
しては、アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸ア
ルキルエステル単位30〜70質量%と、アルキル基の
炭素数が2〜4のアクリル酸アルキルエステル単位70
〜30質量%とからなる共重合体が好適である。
【0010】本発明の成形品は、以上の本発明の熱可塑
性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。本発明
の熱可塑性樹脂組成物を成形することにより、寸法精度
が良好で、靱性(面衝撃強度)に優れると共に耐候性に
優れた、所望の形状の成形品を提供することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特に、異形押出
成形品を得る場合に用いて好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。[熱可塑性樹脂組成物]本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体
(G)に、少なくとも1種のビニル系単量体単位を有す
る重合体がグラフトしたグラフト共重合体(A)と、
(メタ)アクリル酸エステル単位を有する重合体(B)
と、メタクリル酸メチル単位、及びアルキル基の炭素数
が1〜10のアクリル酸アルキルエステル単位を有する
共重合体(C)と、アルキル基の炭素数が1〜18のメ
タクリル酸アルキルエステル単位、及びアルキル基の炭
素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル単位を有
する共重合体(D)とを含有してなる。
【0012】「グラフト共重合体(A)」グラフト共重
合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重
合体(G)に、少なくとも1種のビニル系単量体単位を
有する重合体がグラフトしたものである。
【0013】<ゴム状重合体(G)>(メタ)アクリル
酸エステル系ゴム状重合体(G)としては、少なくとも
(メタ)アクリル酸エステル単位を有するものであれば
良く、必要に応じてこれと共重合可能な他の単量体単位
を有するものであっても良い。但し、耐候性に優れた成
形品が得られることから、ゴム状重合体(G)を構成す
る単量体単位の合計100質量%に対して、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル単位の含有量が50質量%以
上であることが好ましい。
【0014】かかる(メタ)アクリル酸エステル系ゴム
状重合体(G)は、例えば、グラフト交叉剤と架橋剤の
存在下で、(メタ)アクリル酸エステルを乳化重合して
合成することができる。ここで、(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキル
エステルや、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸n−ラウリル等のメタク
リル酸アルキルエステル等を例示することができ、これ
らの中でも特に、重合安定性が良好なことから、アクリ
ル酸n−ブチルが好ましい。また、グラフト交叉剤、架
橋剤としては、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリア
リル、イソシアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼン、
ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタ
クリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリ
ル酸1,3−ブチレングリコールジエステル、ジメタク
リル酸1,4−ブチレングリコールジエステル等を例示
することができ、これらは1種を単独で、又は2種類以
上を組み合わせて用いることができる。
【0015】また、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム
状重合体(G)の具体例としては、ジエン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合ゴム状重合体、アルキル基の炭
素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステルと架橋剤
及び/又はグラフト交叉剤とからなるアクリル酸エステ
ル系ゴム状重合体、ジエンゴム/(メタ)アクリル酸エ
ステル系複合ゴム状重合体、ポリオルガノシロキサン/
(メタ)アクリル酸エステル系複合ゴム状重合体等が挙
げられ、これらは1種を単独で、又は2種類以上を組み
合わせて用いることができる。これらの中でも特に、耐
候性と靱性(面衝撃強度)とのバランスに優れた成形品
が得られることから、ジエンゴム/(メタ)アクリル酸
エステル系複合ゴム状重合体及び/又はポリオルガノシ
ロキサン/(メタ)アクリル酸エステル系複合ゴム状重
合体が好ましく、中でもポリオルガノシロキサン/(メ
タ)アクリル酸エステル系複合ゴム状重合体が特に好ま
しい。なお、本明細書において、「複合ゴム」とは、2
種以上のゴム状重合体が互いにミクロレベルで絡み合っ
た、若しくは互いに化学的に結合した状態のゴムを意味
しているものとする。
【0016】ジエンゴム/(メタ)アクリル酸エステル
系複合ゴム状重合体の合成法としては、特に限定される
ものではないが、例えば、ジエン系ゴム状重合体に、
(メタ)アクリル酸エステルと、必要に応じて架橋剤及
び/又はグラフト交叉剤を添加し、重合させる方法が挙
げられる。ここで、用いるジエン系ゴム状重合体として
は、特に限定されるものではないが、靱性(面衝撃強
度)に優れた成形品が得られることから、ジエン系ゴム
状重合体100質量%中にジエン系単量体単位を50質
量%以上含むものが好ましい。また、ジエン系ゴム状重
合体の質量平均粒子径は、靱性(面衝撃強度)に優れた
成形品が得られることから、300nm以上であること
が好ましく、350nm以上であることがより好まし
い。また、ラテックス安定性に優れる、コアギュラムの
発生量が少ないこと等から、500nm以下であること
が好ましく、450nm以下であることがより好まし
い。
【0017】ポリオルガノシロキサン/(メタ)アクリ
ル酸エステル系複合ゴム状重合体の合成法としては、特
に限定されるものではないが、ポリオルガノシロキサン
に、(メタ)アクリル酸エステルと、必要に応じて架橋
剤及び/又はグラフト交叉剤を添加し、重合させる方法
が挙げられる。ここで、用いるポリオルガノシロキサン
としては、特に限定されるものではないが、ビニル重合
性官能基を含有するポリオルガノシロキサンが好まし
い。中でも特に、ビニル重合性官能基含有シロキサン単
位0.3〜3モル%及びジメチルシロキサン単位97〜
99.7モル%とからなり、3個以上のシロキサン結合
を有するケイ素原子がポリジメチルシロキサン中の全ケ
イ素原子に対し1モル%以下のものが好ましい。また、
異形押出成形性に優れた組成物が得られると共に、靱性
(面衝撃強度)に優れた成形品が得られることから、ポ
リオルガノシロキサン中のビニル重合性官能基含有シロ
キサン単位の含有量が0.5〜2モル%であることがよ
り好ましく、0.5〜1モル%であることが特に好まし
い。
【0018】ポリオルガノシロキサンの合成法として
は、例えば、ジメチルシロキサンとビニル重合性官能基
含有シロキサンと、必要に応じてシロキサン系架橋剤を
含む混合物を乳化剤と水を用いて乳化させてラテックス
とし、このラテックスをホモミキサーや、ホモジナイザ
ー等を用いて微粒子化した後、酸触媒を用いて高温下で
重合させ、最後にアルカリ性物質により酸を中和する方
法が挙げられる。
【0019】ポリオルガノシロキサンの合成に用いて好
適なジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチ
ルシロキサン系環状体等を例示することができ、その中
でも3〜6員環のものが好ましい。具体的には、ヘキサ
メチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテト
ラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ド
デカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。こ
れらは1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用
いることができる。
【0020】また、ポリオルガノシロキサンの合成に用
いて好適なビニル重合性官能基含有シロキサンとして
は、ビニル重合性官能基を含有し、かつジメチルシロキ
サンとシロキサン結合を介して結合し得るものであれば
特に限定されるものではないが、ジメチルシロキサンと
の反応性を考慮すると、ビニル重合性官能基を含有する
各種アルコキシシラン化合物が好ましい。具体的には、
β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシ
ジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
エトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオ
キシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイル
オキシシロキサン;テトラメチルテトラビニルシクロテ
トラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェ
ニルジメトキシメチルシラン;γ−メルカプトプロピル
ジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン等のメルカプトシロキサン等が挙げられ
る。これらは1種を単独で、又は2種類以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0021】また、ポリオルガノシロキサンの合成に用
いて好適なシロキサン系架橋剤としては、3官能性又は
4官能性のシラン系架橋剤を例示することができ、具体
的には、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェ
ニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらは
1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0022】得られる組成物中の(メタ)アクリル酸エ
ステル系ゴム状重合体(G)の分散粒子径は、特に限定
されるものではないが、異形押出成形性に優れた組成物
が得られると共に、表面平滑性と靱性(面衝撃強度)に
優れた成形品が得られることから、質量平均粒子径で5
0nm以上1000nm未満であることが好ましく、1
00nm以上600nm未満であることがより好まし
い。なお、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体
(G)の分散粒子径は、例えば、ゴム状重合体(G)を
合成する際の乳化剤や重合開始剤の添加量、単量体(単
量体の混合物を含む)の添加量や添加方法を調節するこ
とによって制御可能である。また、酸や塩、酸基を有す
る共重合体ラテックスを添加することによっても、制御
可能である。
【0023】<グラフト成分>グラフト共重合体(A)
のグラフト部の構成については、少なくとも1種のビニ
ル系単量体単位を有する重合体であれば、特に制限され
るものではないが、異形押出成形性に優れた組成物が得
られると共に、靱性(面衝撃強度)と耐候性に優れた成
形品が得られることから、構成単位として、芳香族アル
ケニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
シアン化ビニル化合物から選ばれる少なくとも1種の単
量体を有するものであることが好ましい。
【0024】ここで、芳香族アルケニル化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
を例示することができ、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−ブチル等を例示することができ、シアン化ビ
ニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等を例示することができる。これらの中でも特
に、靱性(面衝撃強度)に優れた成形品が得られること
から、スチレンとアクリロニトリルとを併用することが
好ましい。
【0025】また、構成単位として、これら以外にも共
重合可能なビニル系単量体を有するものであっても良
く、その具体例としては、N−置換マレイミド化合物、
無水マレイン酸等の不飽和酸無水物、塩化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル化合物、エチレン、プロピレン等の不飽
和炭化水素、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カル
ボン酸等が挙げられる。
【0026】<ゴム−グラフト比>グラフト共重合体
(A)は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体
(G)10〜80質量%に対して、グラフト用ビニル系
単量体90〜20質量%をグラフト重合させたものであ
ることが好ましい。このような質量比でグラフト重合す
ることにより、表面平滑性や靱性(面衝撃強度)に優れ
た異形押出成形品を得ることができる。また、得られる
異形押出成形品の表面平滑性を著しく向上できることか
ら、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)
30〜70質量%に対して、グラフト用ビニル系単量体
70〜30質量%をグラフト重合させたものであること
がより好ましい。
【0027】<グラフト重合法>グラフト重合法は特に
限定されるものではないが、例えば、ラテックス状の
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に対
して、グラフト用ビニル系単量体(単量体混合物を含
む)を添加し、乳化剤の存在下でラジカル重合させる乳
化重合法等が挙げられる。なお、グラフト用ビニル系単
量体は、一括で添加しても良いし、連続的又は断続的に
添加しても良い。また、グラフト用ビニル系単量体に
は、グラフト率やグラフト成分の分子量を制御するため
に、あらかじめ各種連鎖移動剤を添加しておいても良
い。
【0028】ここで、グラフト重合に用いるラジカル重
合開始剤としては、過酸化物や、アゾ系開始剤又は酸化
剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤等を例示
することができる。中でも、レドックス系開始剤が好ま
しく、特に硫酸第一鉄・ピロリン酸ナトリウム・ブドウ
糖・ヒドロパーオキサイドや、硫酸第一鉄・エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパ
ーオキサイドを組み合わせたレドックス系開始剤が好ま
しい。
【0029】また、グラフト重合に用いる乳化剤として
は、特に制限されるものではないが、乳化重合時のラテ
ックス安定性に優れ、高い重合率が得られることから、
サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナト
リウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸
等の各種カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のア
ニオン系乳化剤が好ましい。なお、ゴム状重合体(G)
の合成に用いた乳化剤をそのまま利用できる場合には、
乳化グラフト重合時に新たに乳化剤を添加する必要はな
い。
【0030】乳化グラフト重合で得られた重合体ラテッ
クスからグラフト共重合体(A)を回収する方法として
は、例えば、凝固剤を溶解させた熱水中に得られた重合
体ラテックスを投入することによって、グラフト共重合
体(A)をスラリー状に凝析する湿式法や、加熱雰囲気
中に得られた重合体ラテックスを噴霧することにより、
半直接的にグラフト共重合体(A)を回収するスプレー
ドライ法等が挙げられる。
【0031】ここで、湿式法に用いて好適な凝固剤とし
ては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸や、塩化カ
ルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属
塩等が挙げられ、重合時に用いた乳化剤に応じて選定さ
れる。例えば、乳化剤として脂肪酸石鹸やロジン酸石鹸
等のカルボン酸石鹸のみが用いられていた場合には、い
かなる凝固剤を用いても回収可能であるが、アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム等の酸性領域でも安定な乳
化力を示す乳化剤が用いられていた場合には、無機酸で
は不十分であり、金属塩を用いる必要がある。
【0032】また、湿式法により得られたスラリー状の
グラフト共重合体(A)から乾燥状態のグラフト共重合
体(A)を得る方法としては、残存する乳化剤残渣を水
中に溶出させ、洗浄した後、このスラリーを遠心又はプ
レス脱水機で脱水し、さらに気流乾燥機等で乾燥する方
法や、圧搾脱水機や押出機等により、スラリーの脱水と
乾燥を同時に実施する方法等が挙げられる。
【0033】「重合体(B)」重合体(B)は、少なく
とも(メタ)アクリル酸エステル単位を有し、必要に応
じてこれと共重合可能な他のビニル系単量体単位を有す
る、単独重合体又は共重合体である。重合体(B)とし
ては、(メタ)アクリル酸エステル単位を必須成分とす
る以外は特に限定されるものではないが、耐候性に優れ
た成形品が得られることから、重合体(B)を構成する
単量体単位の合計100質量%に対して、(メタ)アク
リル酸エステル単位の含有量が10質量%以上であるこ
とが好ましく、30質量%以上であることがより好まし
く、50質量%以上であることが特に好ましい。
【0034】(メタ)アクリル酸エステルとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、ゴム状重合体
(G)用として例示したものを用いることができる。ま
た、必要に応じて用いることが可能な共重合可能な他の
ビニル系単量体としては、特に限定されるものではない
が、シアン化ビニル化合物、芳香族アルケニル化合物、
N−置換マレイミド化合物、無水マレイン酸等の不飽和
酸無水物等を例示することができる。なお、これらの具
体例については、グラフト共重合体(A)を合成する際
に、グラフト用ビニル系単量体として例示したものと同
様であるので、説明は省略する。重合体(B)は、懸濁
重合法、乳化重合法、塊状重合法、溶液重合法等の公知
の重合法により合成することができる。
【0035】本発明に用いて好適な重合体(B)として
は、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ア
クリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレ
ン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共
重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチ
レン三元共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニト
リル−αメチルスチレン三元共重合体、メタクリル酸メ
チル−スチレン−N- 置換マレイミド三元共重合体、メ
タクリル酸メチル−スチレン−N- 置換マレイミド−α
メチルスチレン四元共重合体等を例示することができ
る。これらの中でも特に、成形収縮率の低い組成物が得
られると共に、靱性(面衝撃強度)と耐候性に優れた成
形品が得られることから、メタクリル酸メチル−アクリ
ロニトリル−スチレン三元共重合体、メタクリル酸メチ
ル−アクリロニトリル共重合体等が好ましい。
【0036】重合体(B)の質量平均分子量は、特に限
定されるものではないが、成形性に優れた組成物が得ら
れると共に、靱性(面衝撃強度)に優れた成形品が得ら
れることから、ポリスチレン換算で30,000〜50
0,000であることが好ましく、50,000〜30
0,000であることがより好ましい。
【0037】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、グ
ラフト共重合体(A)と重合体(B)の配合比率は特に
限定されるものではないが、異形押出成形性に優れた組
成物が得られると共に、靱性(面衝撃強度)に優れた成
形品が得られることから、グラフト共重合体(A)と重
合体(B)との配合比率が、質量比で10〜90:90
〜10であることが好ましく、15〜85:85〜15
であることがより好ましい。
【0038】「共重合体(C)」共重合体(C)は、メ
タクリル酸メチル単位、及びアクリル酸アルキルエステ
ル単位を有するメタクリル酸メチル系共重合体である。
ここで、共重合体(C)100質量%に対して、メタク
リル酸メチル単位の含有量は50〜95質量%とする。
メタクリル酸メチル単位の含有量が50質量%未満で
は、メタクリル酸メチル本来の優れた二次加工性が低減
し、95質量%を超えると、共重合体(C)の組成物中
への分散性が低下する恐れがある。また、共重合体
(C)100質量%に対して、アクリル酸アルキルエス
テル単位の含有量は5〜50質量%とする。このよう
に、5〜50質量%のアクリル酸アルキルエステルを共
重合させることにより、共重合体(C)の組成物中への
分散性を向上させることができる。なお、アクリル酸ア
ルキルエステル単位の含有量が5質量%未満では、共重
合体(C)の分散性が低下し、得られる成形品の表面平
滑性が低下する恐れがある。また、アクリル酸アルキル
エステル単位の含有量を増加させるにつれて、共重合体
(C)の分散性は向上するが、50質量%を超えると、
乳化共重合後に得られる共重合体(C)ラテックスを凝
析する際に、凝固物が凝集し、フレーク状となり、乾燥
後にクラッシャー等により粉砕する必要が生じるため、
好ましくない。
【0039】また、アクリル酸アルキルエステル単位の
アルキル基の炭素数は1〜10とする。アルキル基の炭
素数が1〜10のアクリル酸アルキルエステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸クロロエチル等を例示するこ
とができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。中でも特に、重合安定
性が良好なことから、アクリル酸エチル、アクリル酸n
−ブチルが好ましい。
【0040】また、共重合体(C)は、メタクリル酸メ
チル単位、及びアルキル基の炭素数が1〜10のアクリ
ル酸アルキルエステル単位の他に、必要に応じてこれら
と共重合可能な他のビニル系単量体単位を有するもので
あっても良い。但し、共重合可能な他のビニル系単量体
単位の含有量は45質量%以下とする。これ以上含有さ
せた場合には、得られる組成物の成形性が悪化する傾向
にある。ここで、共重合可能な他のビニル系単量体とし
ては、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル系化合
物、ビニルエステル類や、メタクリル酸n−ブチル等の
上記必須成分以外のメタクリル酸エステル、ジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等を例示
することができる。
【0041】共重合体(C)は、乳化重合法等の公知の
重合法により合成することができる。また、異形押出成
形性に優れた組成物が得られることから、共重合体
(C)の0.1g/1dlクロロホルム溶液を25℃で
測定した時の還元粘度(ηsp/C)が20dl/g以
上であることが好ましく、30dl/g以上であること
がより好ましく、50dl/g以上であることが特に好
ましい。また、成形時のフィッシュアイの発生を低減で
きることから、還元粘度が140dl/g以下であるこ
とが好ましく、120dl/g以下であることがより好
ましい。共重合体(C)の還元粘度は、用いる連鎖移動
剤や開始剤の種類や添加量、重合温度等により、調節可
能である。
【0042】本発明の熱可塑性樹脂組成物への共重合体
(C)の配合割合は、グラフト共重合体(A)と重合体
(B)の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部
とする。共重合体(C)の配合量が0.1質量部未満で
は、異形押出成形性が低下し、異形押出成形時にドロー
ダウンし易くサイジングが困難となり、良好な成形品が
得られない恐れがある。また、5質量部を超えると、共
重合体(C)の樹脂組成物中への分散性が低下し、得ら
れる成形品にフィッシュアイ等の外観不良が発生する恐
れがある。
【0043】「共重合体(D)」共重合体(D)は、メ
タクリル酸アルキルエステル単位、及びアクリル酸アル
キルエステル単位を有するものである。ここで、メタク
リル酸アルキルエステル単位のアルキル基の炭素数は1
〜18とする。アルキル基の炭素数が18超のメタクリ
ル酸アルキルエステルを用いると、異形押出成形性が低
下し、異形押出成形時にドローダウンが発生してサイジ
ングが困難となり、良好な成形品が得られなくなる恐れ
がある。
【0044】アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリ
ル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等を例
示することができる。これらは1種を単独で、又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。中でも特に、
重合安定性が良好なことから、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸−n−ブチル等のアルキル基の炭素数が1〜
4のメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。また、
他の樹脂との相溶性に優れることから、メタクリル酸メ
チルとメタクリル酸−n−ブチルとを併用することが特
に好ましい。
【0045】また、アクリル酸アルキルエステル単位の
アルキル基の炭素数も1〜18とする。アルキル基の炭
素数が18超のアクリル酸アルキルエステルを用いる
と、共重合体(D)の樹脂組成物中への分散性が低下
し、得られる成形品にフィッシュアイ等の外観不良が発
生する恐れがある。
【0046】アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル
酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル等を例示することができる。これらは1
種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。中でも特に、他の樹脂との相溶性に優れること
から、アルキル基の炭素数が2〜4のアクリル酸アルキ
ルエステルが好ましい。
【0047】また、押出成形性に優れた組成物が得られ
ると共に、滑性に優れた成形品が得られることから、共
重合体(D)100質量%に対して、アルキル基の炭素
数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステル単位の含
有量は、40〜90質量%、好ましくは50〜80質量
%とする。アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル
酸アルキルエステル単位の含有量がこの範囲外にある
と、滑性付与効果が低減する恐れがあり、また、合成し
た重合体ラテックスから共重合体(D)を粉体として回
収することが困難となる恐れがある。
【0048】また、押出成形性に優れた組成物が得られ
ると共に、成形時のプレートアウトを抑制することがで
き、滑性に優れた成形品が得られることから、共重合体
(D)100質量%に対して、アルキル基の炭素数が1
〜18のアクリル酸アルキルエステル単位の含有量は、
60〜10質量%、好ましくは50〜20質量%とす
る。アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキ
ルエステル単位の含有量が60質量%を超えると、共重
合体(D)の粘着性が高くなり、合成した重合体ラテッ
クスから共重合体(D)を凝固回収することが困難とな
る恐れがある。
【0049】また、共重合体(D)は、アルキル基の炭
素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステル単位、
及びアルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキ
ルエステル単位の他に、必要に応じてこれらと共重合可
能な他のビニル系単量体単位を有するものであっても良
い。但し、共重合可能な他のビニル系単量体単位の含有
量は0〜20質量%とする。ここで、用いて好適な他の
ビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族官能基を有
する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化
合物、シアン化ビニル化合物、ビニルエステル類、無水
マレイン酸等を例示することができる。
【0050】共重合体(D)の質量平均分子量は、異形
押出成形性に優れた樹脂組成物が得られると共に、成形
時のプレートアウトを抑制できることから、10万〜5
0万、好ましくは10万〜30万とする。なお、本明細
書において、共重合体(D)の「質量平均分子量」は、
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された
ポリスチレン換算の質量平均分子量を意味しているもの
とする。また、共重合体(D)は、GPC法により測定
されたポリスチレン換算の質量分子量が5万以下の成分
を10〜50質量%、好ましくは20〜50質量%含む
ものとする。共重合体(D)の質量平均分子量を上記範
囲とし、かつ質量分子量が5万以下の成分の含有量を上
記範囲とすることにより、樹脂組成物の異形押出成形性
を著しく向上できると共に、成形時のプレートアウトを
著しく抑制できるので、好ましい。
【0051】ここで、質量分子量が5万以下の成分とし
ては、ガラス転移点が低く、また、他の樹脂との相溶性
が比較的乏しいものが好ましい。このような低分子量成
分を含有させることによって、より高い滑性付与効果を
得ることができる。共重合体(D)中の質量分子量が5
万以下の成分としては、アルキル基の炭素数が1〜4の
メタクリル酸アルキルエステル系単位と、アルキル基の
炭素数が2〜4のアクリル酸アルキルエステル系単位と
を有する共重合体が好ましく、特に、アルキル基の炭素
数が1〜4のメタクリル酸アルキルエステル単位30〜
70質量%と、アルキル基の炭素数が2〜4のアクリル
酸アルキルエステル系単位70〜30質量%とから構成
されたものが好ましい。その中でも特に、より一層高い
滑性付与効果が得られることから、メタクリル酸n−ブ
チル単位とアクリル酸n−ブチル単位とから構成された
ものが好ましい。
【0052】共重合体(D)の合成法としては、特に限
定されるものではないが、乳化重合法を採用することが
好ましい。また、上記の要件を満たす共重合体(D)
は、例えば、逐次多段階重合法によって高分子量成分と
低分子量成分とからなる多相構造を形成する方法や、高
分子量成分と低分子量成分とをそれぞれ乳化重合法等で
得た後、両成分をブレンドする方法等を例示することが
できる。これらの中でも特に、より成形性に優れた組成
物が得られることから、逐次多段階重合法を採用するこ
とが好ましい。また、共重合体(D)の分子量は、用い
る連鎖移動剤や開始剤の種類や添加量、重合温度等によ
り調節可能である。
【0053】本発明の熱可塑性樹脂組成物への共重合体
(D)の配合割合は、異形押出成形性に優れた組成物が
得られると共に、靱性(面衝撃強度)に優れた成形品が
得られることから、グラフト共重合体(A)と重合体
(B)の合計100質量部に対して、0.01〜20質
量部、好ましくは0.05〜10質量部とする。
【0054】「その他の成分」本発明の熱可塑性樹脂組
成物には、必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強剤、
無機フィラー、充填材、難燃剤、発泡剤、滑剤、可塑
剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させることもできる。
【0055】「コンパウンド」上述のグラフト共重合体
(A)、重合体(B)、共重合体(C)、共重合体
(D)と、必要に応じて各種添加剤を、V型ブレンダー
やヘンシェルミキサー等により混合分散させ、得られる
粉体混合物を押出機等にて溶融混合することにより、本
発明の熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂ペレットを得る
ことができる。
【0056】[成形品]本発明の成形品は、以上の本発
明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とす
る。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特に、異形押出成
形品を得る場合に用いて好適であり、例えば、本発明の
熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂ペレットを、サイジン
グダイを装着した異形押出成形機等を用いて成形するこ
とにより、本発明の異形押出成形品を得ることができ
る。本発明の異形押出成形品の用途は限定されるもので
はないが、工業用途としては、車両部品(特に、無塗装
で使用される各種外装やダッシュボード周辺の内装部
品)、窓枠、雨樋、各種ホースカバー等の建材部品、食
器や玩具等の雑貨、掃除機ハウジング、テレビジョンハ
ウジング、エアコンハウジング等の家電部品、OA機器
ハウジング、インテリア部材、船舶部材、通信機器ハウ
ジング等が挙げられる。
【0057】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、重合体
(A)〜(D)を所定の配合比で配合したものであるの
で、異形押出成形性が良好で、成形収縮率が低く、か
つ、得られる成形品が靱性(面衝撃強度)に優れると共
に耐候性に優れるものとなる。特に、成形性(異形押出
成形性)と面衝撃強度と耐候性のバランスは、従来知ら
れている熱可塑性樹脂組成物では得られない非常に高い
レベルであり、各種工業用材料としての利用価値は極め
て高い。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特に、
異形押出成形品を得る場合に、その効果を大きく奏す
る。また、本発明の成形品は、本発明の熱可塑性樹脂組
成物を成形してなるものであるから、本発明の熱可塑性
樹脂組成物と同様の効果を奏するものとなる。
【0058】
【実施例】次に、本発明に係る合成例、実施例及び比較
例について説明する。なお、合成例において、ラテック
スの配合量については、固形分量を示すものとする。ま
た、合成例に記載の各種物性は、以下の方法により測定
した。
【0059】<ゴム状重合体ラテックスの質量平均粒子
径>ゴム状重合体ラテックスの質量平均粒子径を、MATE
C APPLIED SCIENCES 製サブミクロン粒度分布測定器C
HDF−2000を用いて測定した。
【0060】<アセトン不溶分量>グラフト共重合体
(A)のアセトン不溶分量を以下のようにして測定し
た。すなわち、冷却管及び加熱器を備えたフラスコ中
に、グラフト共重合体約2.5g(秤量)及びアセトン
80mlを入れ、加熱器により55℃で3時間加熱抽出
処理を行い、冷却した後、内液を日立工機(株)製遠心
分離器を用い、14,000回転/分の条件で60分処
理することによって、アセトン不溶分を分離した。上澄
み液を取り除いた後の沈殿物を乾燥後、その質量を測定
し、下記式に基づいてアセトン不溶分量を算出した。ア
セトン不溶分量(質量%)=分離処理後の沈殿物乾燥質
量/アセトン抽出前のグラフト共重合体質量×100
【0061】<還元粘度(ηSP/C)>グラフト共重
合体(A)のアセトン可溶成分の還元粘度を以下のよう
にして測定した。すなわち、アセトン不溶分量を測定す
るために、アセトン不溶分を分離した後、得られた上澄
み液中のアセトン溶媒を減圧蒸発させることによってア
セトン可溶成分を析出回収した。次いで、このアセトン
可溶成分0. 2gを1dlのN,N−ジメチルホルムア
ミドに溶解させた溶液の溶液粘度を自動粘度計(サン電
子工業(株)製)を用いて25℃で測定し、その溶媒粘
度からアセトン可溶成分の還元粘度を求めた。また、重
合体(B)又は(F)の還元粘度についても、同様に、
得られた重合体0. 2gを1dlのN,N−ジメチルホ
ルムアミドに溶解させた溶液の溶液粘度を自動粘度計
(サン電子工業(株)製)を用いて25℃で測定し、そ
の溶媒粘度から求めた。
【0062】<重合体(B)又は(F)のポリスチレン
換算質量平均分子量>乾燥させた重合体(B)又は
(F)を、N,N−ジメチルホルムアミドに40℃で2
時間かけて溶解させ、室温にて1晩静置した後、ポリス
チレン換算質量平均分子量をGPC(島津製作所製「H
LC−8020」型)にて測定した。
【0063】(合成例1)ジエン系ゴム状重合体(X)
ラテックスの合成 攪拌装置及び温度制御ジャケットを備えた10Lのステ
ンレス製オートクレーブに、下記各成分を窒素気流下で
仕込み、攪拌しつつ内温を昇温させた。 イオン交換水 145質量部 不均化ロジン酸カリウム 1質量部 オレイン酸カリウム 1質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.4質量部 無水硫酸ナトリウム 0.1質量部 ターシャリードデシルメルカプタン 0.3質量部 ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド 0.5質量部 1,3−ブタジエン 26.2質量部 スチレン 1.4質量部 内温が50℃になった時点で、下記成分からなる水溶液
を添加して重合を開始した。 ピロリン酸ナトリウム 0.5質量部 硫酸第一鉄 0.005質量部 イオン交換水 5質量部 重合開始から30分後に、内温を57℃で一定とし、さ
らにこの時点から下記成分からなる混合物を2時間かけ
て圧力ポンプにて反応器内に添加した。 1,3−ブタジエン 68.6質量部 スチレン 3.6質量部 さらに、重合転化率(全単量体に対する重合率)が40
%に達した時点で、ノルマルドデシルメルカプタン0.
3質量部を添加し、重合を継続した。8時間後、残存
1,3−ブタジエン単量体を除去し、固形分40.2質
量%、重合転化率97%、質量平均粒子径70nmのジ
エン系ゴム状重合体(X)ラテックスを得た。
【0064】(合成例2)酸基含有共重合体(K)ラテ
ックスの合成 冷却管、ジャケット加熱器及び撹拌装置を備えた反応器
内に、下記各成分を窒素気流下で仕込み、攪拌しつつ内
温を65℃に昇温させた。 オレイン酸カリウム 2.2質量部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 2.5質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3質量部 硫酸第一鉄七水塩 0.003質量部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.009質量部 イオン交換水 200質量部 次に、下記成分からなる混合物を2時間かけて添加して
重合を開始し、添加終了後も2時間同じ温度で重合を継
続した。 アクリル酸−n−ブチル 81.5質量部 メタクリル酸 18.5質量部 クメンハイドロパーオキサイド 0.5質量部 以上のようにして、重合転化率98%、平均粒子径15
0nmの酸基含有共重合体(K)ラテックスを得た。
【0065】(合成例3)グラフト共重合体(A−1)
の合成 合成例1で得たジエン系ゴム状重合体(X)ラテックス
100質量部に、合成例2で得た酸基含有共重合体
(K)ラテックス2.1質量部を攪拌しながら添加し、
さらに30分攪拌を続け、肥大化ジエン系ゴム状重合体
ラテックスを得た。肥大化後の重合体の平均粒子径は3
80nmであった。次に、試薬注入容器、冷却管、ジャ
ケット加熱器及び撹拌装置を備えた反応器内に、下記各
成分を添加した。続いて、反応器内に窒素を供給し、窒
素置換した後、ジャケット温度を60℃に昇温させた。 得られた肥大化ジエン系ゴム状重合体ラテックス 10質量部 イオン交換水(ゴム状重合体ラテックス中の水を含む) 200質量部 アルケニルコハク酸ジカリウム 0.3質量部 ブチルアクリレート 40質量部 アリルメタクリレート 0.16質量部 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 0.08質量部 ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド 0.1質量部 内温が50℃になった時点で、下記成分からなる水溶液
を添加して重合を開始した。 硫酸第一鉄 0.00015質量部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.00045質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.24質量部 イオン交換水 5質量部 発熱が見られなくなった後、内温を75℃として1時間
保持し、アクリレート成分の重合を完結させ、質量平均
粒子径300nmのジエンゴム/アクリル酸エステル系
複合ゴム状重合体(G−1)ラテックスを得た。次に、
下記成分からなる水溶液を1時間に渡って滴下して、グ
ラフト重合させた。滴下中、内温をほぼ80℃で一定と
した。 アクリロニトリル 6.3質量部 スチレン 18.7質量部 ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド 0.19質量部 滴下終了後、内温80℃で30分間保持した後、冷却
し、内温が60℃となった時点で、下記成分からなる混
合物を添加した。 抗酸化剤(吉富製薬工業(株)製アンテージW−500)0.2質量部 アルケニルコハク酸ジカリウム 0.2質量部 イオン交換水 5.0質量部 次いで、得られたグラフト共重合体ラテックスを、その
1.2倍量の45℃に加温した0.6質量%硫酸水溶液
中に攪拌しながら投入し、重合体を凝集させた。次い
で、液温を65℃に昇温させ5分間保持した後、液温を
90℃まで昇温させた。次いで、析出物を分離した後、
水洗、脱水を数回繰り返し、最後に、この分散液を遠心
脱水機にて脱水処理後、さらに80℃で16時間乾燥
し、ジエンゴム−アクリル酸エステル複合ゴム系グラフ
ト共重合体(A−1)を得た。グラフト共重合体(A−
1)中のアセトン不溶分量は82質量%、アセトン可溶
成分の還元粘度は0.65dl/gであった。
【0066】(合成例4)グラフト共重合体(A―2)
の合成 オクタメチルシクロテトラシロキサン98質量部と、γ
−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン2質
量部を混合してシロキサン系混合物100質量部を得
た。これに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.67質量部を溶解したイオン交換水300質量部を
添加し、ホモミキサーにて10,000回転/分で2分
間撹拌した後、ホモジナイザーにより30MPaの圧力
で1回乳化、分散させ、安定な予備混合オルガノシロキ
サンラテックスを得た。一方、試薬注入容器、冷却管、
ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器内に、ド
デシルベンゼンスルホン酸10質量部とイオン交換水9
0質量部とを注入し、10質量%ドデシルベンゼンスル
ホン酸水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながら8
5℃に昇温させた後、上記で得た予備混合オルガノシロ
キサンラテックスを4時間かけて滴下して重合させ、滴
下終了後さらに1時間85℃で保持した後、冷却した。
次いで、反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で中和し
て、固形分17.7質量%、質量平均粒子径60nmの
ポリオルガノシロキサンラテックスを得た。次いで、試
薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を
備えた反応器内に、下記各成分を窒素気流下で攪拌しつ
つ仕込み、内温を昇温させた。 上記ポリオルガノシロキサンラテックス 8質量部 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート (「エマールNC−35」花王(株)製) 0.2質量部 イオン交換水 (ポリオルガノシロキサンラテックス中の水を含む) 220質量部 アクリル酸−n−ブチル 42質量部 メタクリル酸アリル 0.3質量部 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 0.1質量部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.11質量部 内温が60℃になった時点で、下記成分からなる水溶液
を添加し、ラジカル重合を開始した。 硫酸第一鉄 0.000075質量部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.000225質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.2質量部 蒸留水 5質量部 重合開始後、アクリル酸−n−ブチルの重合により、液
温は約80℃まで上昇した。1時間この温度を保持し、
質量平均粒子径110nmのポリオルガノシロキサン/
アクリル酸エステル系複合ゴム状重合体(G−2)ラテ
ックスを得た。次に、反応器内の液温を70℃とし、ナ
トリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.25質
量部を蒸留水10質量部に溶解した水溶液を添加し、続
いて、下記成分からなる混合液を30分かけて滴下し、
滴下終了後、温度70℃で1時間保持した。 アクリロニトリル 2.5質量部 スチレン 7.5質量部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.05質量部 続いて、下記成分からなる水溶液を添加した。 硫酸第一鉄 0.001質量部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.2質量部 エマールNC−35(花王(株)製) 0.2質量部 イオン交換水 5質量部 これに続いて、下記成分からなる混合液を内温75℃で
2時間かけて滴下し、グラフト重合させた。滴下終了
後、温度75℃で30分間保持した後冷却した。 アクリロニトリル 10質量部 スチレン 30質量部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.2質量部 得られたラテックスに、アルケニルコハク酸ジカリウム
塩(「ラテムルASK」花王(株)製)0.5質量部を
添加し、グラフト共重合体ラテックスを得た。次いで、
60℃に加温した1質量%酢酸カルシウム水溶液150
質量部中に、グラフト共重合体ラテックス100質量部
を徐々に滴下し凝固させた。最後に、析出物を脱水、洗
浄、乾燥し、ポリオルガノシロキサン/アクリル酸エス
テル複合ゴム系グラフト共重合体(A−2)を得た。
【0067】(合成例5)グラフト共重合体(E)の合
成 比較のために、グラフト共重合体(A)とは異なり、
(メタ)アクリル酸エステル単位を有しないグラフト共
重合体(E)を合成した。すなわち、攪拌機を備えた容
器内に、合成例1で得たジエン系ゴム状重合体(X)ラ
テックス100質量部に、室温下で攪拌しつつ、合成例
3で得た酸基含有共重合体(K)ラテックス1.2質量
部を添加した後、30分間攪拌し肥大化させ、質量平均
粒子径290nmの肥大化ジエン系ゴム状重合体ラテッ
クスを得た。続いて、温度計、温水ジャケット、滴下供
給口、及び攪拌機を備えた5Lガラス製容器内に、下記
各成分を仕込み、内温を60℃に昇温させた。 肥大化ジエン系ゴム状重合体ラテックス 50質量部 イオン交換水 (肥大化ジエン系ゴム状重合体ラテックス中の水を含む) 135質量部 不均化ロジン酸カリウム 0.3質量部 デキストローズ 0.3質量部 硫酸第一鉄(七水塩) 0.005質量部 無水ピロリン酸ナトリウム 0.1質量部 続いて、下記成分からなる混合物を180分かけて滴下
した。その間、内温を60℃から75℃に昇温させた。 アクリロニトリル 15質量部 スチレン 35質量部 クメンハイドロパーオキサイド 0.15質量部 ターシャリードデシルメルカプタン 0.2質量部 滴下終了後、さらにクメンハイドロパーオキサイド0.
1質量部を添加し、その温度で60分間保持し、グラフ
ト重合を完了した。冷却後、抗酸化剤(吉富製薬工業
(株)製アンテージW−400)0.3質量部を添加
し、グラフト共重合体ラテックスを得た。得られたグラ
フト共重合体ラテックスを、その2倍量の75℃に調節
した0.4質量%硫酸水溶液中に投入した後、スラリー
のpHを5に調整し、液温を92℃に昇温させ、5時間
保持した。脱水、洗浄を繰り返し、最終的に乾燥させ
て、グラフト共重合体(E)を得た。
【0068】(合成例6)共重合体(B−1)の合成 メタクリル酸メチル単位90質量%、及びアクリル酸メ
チル単位10質量%からなる共重合体(B−1)を公知
の懸濁重合法により合成した。得られた共重合体(B−
1)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を25℃で測
定した時の還元粘度は0. 51dl/gであった。ま
た、共重合体(B−1)のポリスチレン換算質量平均分
子量は70,000であった。
【0069】(合成例7)共重合体(B−2)の合成 アクリロニトリル単位8質量%、スチレン単位22質量
%、メタクリル酸メチル単位70質量%からなる、アク
リロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル三元共重
合体(B−2)を公知の懸濁重合法により合成した。得
られた共重合体(B−2)のN,N−ジメチルホルムア
ミド溶液を25℃で測定した時の還元粘度は0. 50d
l/gであった。また、共重合体(B−2)のポリスチ
レン換算質量平均分子量は150,000であった。
【0070】(合成例8)共重合体(B−3)の合成 アクリロニトリル単位25質量%、スチレン単位25質
量%、メタクリル酸メチル単位50質量%からなる、ア
クリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル三元共
重合体(B−3)を公知の懸濁重合法により合成した。
得られた共重合体(B−3)のN,N−ジメチルホルム
アミド溶液を25℃で測定した時の還元粘度は0.53
1dl/gであった。また、共重合体(B−3)のポリ
スチレン換算質量平均分子量は160,000であっ
た。
【0071】(合成例9)共重合体(B−4)の合成 アクリロニトリル単位20質量%、及びメタクリル酸メ
チル単位80質量%からなる、アクリロニトリル−メタ
クリル酸メチル共重合体(B−4)を公知の懸濁重合法
により合成した。得られた共重合体(B−4)のN,N
−ジメチルホルムアミド溶液を25℃で測定した時の還
元粘度は0.51dl/gであった。また、共重合体
(B−4)のポリスチレン換算質量平均分子量は10
5,000であった。
【0072】(合成例10)共重合体(F)の合成 比較のために、共重合体(B)とは異なり、(メタ)ア
クリル酸エステル単位を有しない共重合体(F)を合成
した。すなわち、アクリロニトリル単位30質量%、ス
チレン単位70質量%からなるアクリロニトリル−スチ
レン共重合体(F)を公知の懸濁重合法により合成し
た。得られた共重合体(F)のN,N−ジメチルホルム
アミド溶液を25℃で測定した時の還元粘度は0.61
dl/gであった。また、共重合体(F)のポリスチレ
ン換算質量平均分子量は145,000であった。
【0073】(合成例11)共重合体(C−1)の合成 攪拌機及び環流冷却器を備えた反応器内に、下記各成分
を仕込み、容器内を窒素置換した後、攪拌しつつ、内温
を65℃に昇温させ、その温度を保持しながら4時間攪
拌した。 脱イオン水 250質量部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5質量部 過硫酸アンモニウム 0.2質量部 メタクリル酸メチル 92質量部 アクリル酸n−ブチル 8質量部 n−オクチルメルカプタン 0.03質量部 その後冷却し、得られた共重合体ラテックスを硫酸と塩
化アルミニウムを用いて凝固、固化させ、洗浄、脱水、
乾燥して、共重合体(C−1)を得た。得られた共重合
体(C−1)の0.1g/1dlクロロホルム溶液を2
5℃で測定した時の還元粘度は107dl/gであっ
た。
【0074】(合成例12)共重合体(D−1)の合成 以下のようにして2段階の重合を行い、アクリル系共重
合体(D−1)を合成した。はじめに、反応容器内に、
下記各成分を仕込み、容器内を窒素置換した後、攪拌し
つつ、内温を65℃に昇温させた。 イオン交換水 280質量部 アルケニルコハク酸ジカリウム 1.5質量部 続いて、下記各成分を添加した。 t−ブチルハイドロパーオキサイド 1質量部 エチレンジアミン二酢酸 0.0003質量部 硫酸第一鉄 0.0001質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5質量部 次いで、下記成分からなる混合物を1時間に渡って滴下
し、さらに2時間攪拌を続け、第1段階の重合を行っ
た。 メタクリル酸n−ブチル 30質量部 アクリル酸n−ブチル 35質量部 n−オクチルメルカプタン 0.3質量部 次いで、下記成分からなる混合物を1時間に渡って滴下
し、さらに2時間攪拌を続け、第2段階の重合を行っ
た。 メタクリル酸メチル 35質量部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.02質量部 n−オクチルメルカプタン 0.006質量部 得られたラテックスを室温まで冷却後、硫酸水溶液で凝
固させ、濾過、洗浄、乾燥して、共重合体(D−1)を
得た。
【0075】(合成例13)共重合体(D−2)の合成 以下のようにして3段階の重合を行い、共重合体(D−
2)を合成した。はじめに、攪拌機及び環流冷却器を備
えた反応容器内に下記各成分を仕込み、容器内を窒素置
換した後、攪拌しつつ、内温を65℃に昇温させた。 イオン交換水 280質量部 メタクリル酸メチル 30質量部 アルケニルコハク酸ジカリウム 1.5質量部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.03質量部 n−オクチルメルカプタン 0.007質量部 次いで、下記各成分を添加した後、4時間攪拌を続け、
第1段階の重合を行った。 エチレンジアミン二酢酸 0.0003質量部 硫酸第一鉄七水塩 0.0001質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5質量部 次いで、この重合系を窒素雰囲気下65℃の状態に保持
したまま、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.75
質量部を添加し、さらに、下記成分からなる混合物を1
時間に渡って滴下した後、2時間攪拌を続け、第2段階
の重合を行った。 メタクリル酸n−ブチル 20質量部 アクリル酸n−ブチル 30質量部 n−オクチルメルカプタン 0.25質量部 次いで、下記成分からなる混合物を1時間に渡って滴下
した後、2時間攪拌を続け、第3段階の重合を行った。 メタクリル酸メチル 20質量部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.02質量部 n−オクチルメルカプタン 0.01質量部 以上のようにして得られた重合体ラテックスを合成例1
2と同様に後処理し、共重合体(D−2)を得た。
【0076】(合成例14)共重合体(D−3)の合成 以下のようにして複数の共重合体をブレンドし、共重合
体(D−3)を合成した。すなわち、攪拌機及び環流冷
却器を備えた反応容器内に、下記各成分を仕込み、容器
内を窒素置換した後、攪拌しつつ、内温を65℃に昇温
させた。 イオン交換水 280質量部 アルケニルコハク酸ジカリウム 1.5質量部 次いで、下記各成分を添加した。 t−ブチルハイドロパーオキサイド 1.5質量部 エチレンジアミン二酢酸 0.0003質量部 硫酸第一鉄 0.0001質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5質量部 次いで、下記各成分からなる混合物を1時間に渡って滴
下した後、2時間攪拌を続けて重合を行い、第1の重合
体ラテックス(d3−1)を得た。 メタクリル酸n−ブチル 40質量部 アクリル酸n−ブチル 60質量部 n−オクチルメルカプタン 0.5質量部 一方、別の攪拌機及び環流冷却器を備えた反応容器内
に、下記各成分を仕込み、容器内を窒素置換した後、攪
拌しつつ、内温を65℃に昇温させた。 イオン交換水 280質量部 アルケニルコハク酸ジカリウム 1.5質量部 次いで、下記各成分を添加した。 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.1質量部 エチレンジアミン二酢酸 0.0003質量部 硫酸第一鉄 0.0001質量部 ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.5質量部 次いで、下記成分からなる混合物を1時間に渡って滴下
した後、2時間攪拌を続けて重合を行い、第2の重合体
ラテックス(d3−2)を得た。 メタクリル酸メチル 100質量部 n−オクチルメルカプタン 0.02質量部 以上のようにして得られた2種類の重合体ラテックス
(d3−1)、(d3−2)を、質量比1:1でブレン
ドし、得られた混合ラテックスを合成例12と同様にし
て後処理し、共重合体(D−3)を得た。
【0077】(合成例15)共重合体(H)の合成 比較のため、共重合体(D)と異なり、メタクリル酸ア
ルキルエステル単位を有しない共重合体(H)を合成し
た。すなわち、第1段階の重合で用いる単量体として、
メタクリル酸n−ブチル30質量部及びアクリル酸n−
ブチル35質量部を、スチレン30質量部及びアクリル
酸−n−ブチル35質量部に変更した以外は、合成例1
2と同様にして、共重合体(H)を得た。
【0078】なお、合成例12〜15において、共重合
体を合成する際に用いた単量体の配合量を表1に示す。
表1において、単量体の配合量の単位は「質量部」を示
す。また、各略号は、以下の化合物を示す。 BMA:メタクリル酸n−ブチル BA:アクリル酸n−ブチル MMA:メタクリル酸メチル St:スチレン
【0079】また、合成例12〜15において得られた
共重合体(D−1)〜(D−3)、(H)の質量平均分
子量、及び質量分子量5万以下の成分含有率を、表1に
合わせて示す。表1に示すように、共重合体(D−1)
〜(D−3)、(H)の質量平均分子量は220,00
0〜320,000であった。また、共重合体(D−
1)〜(D−3)の質量分子量5万以下の成分含有率は
20〜28質量%であったが、共重合体(H)の質量分
子量5万以下の成分含有率は50質量%超の60質量%
と高く、共重合体(H)には低分子量成分が多量に含ま
れていた。
【0080】
【表1】
【0081】(実施例1〜8、比較例1〜9) <樹脂ペレットの作製>各実施例、比較例において、合
成例1〜15において得られた重合体を用いて、熱可塑
性樹脂組成物からなる樹脂ペレットを得た。すなわち、
グラフト共重合体(A)又は(E)と、共重合体(B)
又は(F)の合計100質量部に、共重合体(C)と、
共重合体(D)又は(H)と、エチレンビスステアリル
アミド0.4質量部とを、ヘンシェルミキサーで3分間
混合した。次いで、バレル温度230℃に設定した2軸
押出機(池貝鉄工(株)製「PCM−30」、ベント付
き)で賦型して樹脂ペレットを得た。各実施例、比較例
における配合組成を表2に示す。なお、表2において、
配合量の単位は「質量部」を示す。
【0082】<異形押出成形>得られた樹脂ペレット
を、スクリュー径30mmの単軸押出機、及び中空異形
ダイ(いずれも東芝機械(株)製)を用いて、異形押出
成形し、異形押出成形品を得た。なお、図1に示す断面
構造の中空異形ダイを用い、表面に幅10mm深さ3m
mの溝部を有する成形品を得た。
【0083】(評価項目及び評価方法)各実施例、比較
例において、以下の評価を行った。 (1)異形押出成形性 押出機ダイス/サイジングダイス間の樹脂のドローダウ
ン量を測定し、その結果から、下記基準に基づいて、調
製した熱可塑性樹脂組成物の異形押出成形性を評価し
た。 判定基準 ○:ドローダウン量が1mm以下であり、異形押出成形
性に優れていた。 ×:ドローダウン量が1mm超であり、異形押出成形性
が不十分であった。
【0084】(2)成形収縮率 得られた樹脂ペレットをKM50B縦型射出成形機(川
口製作所製)を用いて射出成形した。なお、シリンダー
温度を230℃とし、金型としてASTM1号ダンベル
金型を用い、金型温度を60℃とした。また、射出圧力
はショートショット圧プラス3MPaとした。金型全
長、及び射出成形したダンベル試片全長から、下記式に
基づいて成形収縮率を求めた。 成形収縮率(%)={1−(射出成形品の全長/金型の
全長)}×100 得られた結果から、下記基準に基づいて評価を行った。 判定基準 ○:成形収縮率が0.5%以下であった。 ×:成形収縮率が0.5%超であった。
【0085】(3)面衝撃強度 得られた樹脂ペレットをJ85ELII横型射出成形機
(日本製鋼所製)を用い、シリンダー温度を230℃と
して、縦100mm横100mm厚み2mmの平板サン
プルを得た。得られたサンプルに対して、ASTM D
−3764に準拠し、島津製作所(株)製「HTM−
1」高速衝撃試験機を用い、測定温度を23℃、ストラ
イカ速度を3.3m/秒、ストライカ径を1/2インチ
φ、支持枠を3インチφとして測定される破壊エネルギ
−を面衝撃強度として測定した。得られた結果から、下
記基準に基づいて評価した。 判定基準 ○:面衝撃強度(破壊エネルギー)が20J以上であっ
た。 ×:面衝撃強度(破壊エネルギー)が20J未満であっ
た。
【0086】(4)耐候性 各実施例、比較例において得た樹脂組成物にさらに酸化
チタン3質量部を添加し、白色に着色した樹脂組成物を
用いて、上記と同様に異形押出成形品を得た。得られた
成形品に対して、スガ試験機(株)製のサンシャインス
ーパーロングライフウェザーメーターを用い、63℃降
雨有り条件下で1,000時間の加速曝露試験を行っ
た。村上色彩技術研究所(株)製の高速分光光度計「C
MS―1500」を用い、曝露試験片と非曝露試験片と
の色差(ΔE値)を測定し、下記基準に基づいて評価し
た。 判定基準 ○:ΔE値が4以下であり、耐候性に優れていた。 ×:ΔE値が4超であり、耐候性が不十分であった。
【0087】(結果)各実施例、比較例において得られ
た結果を表2に示す。グラフト共重合体(A)と、共重
合体(B)、(C)、(D)を配合すると共に、共重合
体(A)と(B)の合計100質量部に対して、共重合
体(C)を3質量部、共重合体(D)を5質量部配合
し、グラフト共重合体(A)中のゴム状重合体(G)と
して、ジエンゴム/(メタ)アクリル酸エステル系複合
ゴム状重合体、若しくはポリオルガノシロキサン/(メ
タ)アクリル酸エステル系複合ゴム状重合体を用いた実
施例1〜8では、得られた樹脂組成物はいずれも良好な
異形押出成形性を有すると共に、0.35%以下の低い
成形収縮率を示すことが判明した。また、得られた樹脂
組成物を用いることにより、21J以上の高い面衝撃強
度と、ΔE値が1.9以下の優れた耐候性を有する成形
品が得られることが判明した。このように、実施例1〜
8において得られた樹脂組成物は、異形押出成形性、成
形収縮率、面衝撃強度、耐候性をすべて高いレベルで満
足する、従来にない性能バランスに優れたものであっ
た。
【0088】これに対して、本発明の熱可塑性樹脂組成
物を調製しなかった比較例1〜9では、得られた樹脂組
成物はいずれかの特性が劣る結果となった。すなわち、
重合体(B)を配合しなかった比較例1では、得られた
樹脂組成物の異形押出成形性が不十分であった。また、
グラフト共重合体(A)を配合しなかった比較例2で
は、得られた樹脂組成物の成形収縮率が0.53%と高
く、また、得られた成形品の面衝撃強度が4Jと著しく
低い結果となった。
【0089】また、重合体(B)の代わりに共重合体
(F)を配合した比較例3、グラフト共重合体(A)の
代わりにグラフト共重合体(E)を配合した比較例4、
グラフト共重合体(A)の代わりにグラフト共重合体
(E)を配合し、重合体(B)の代わりに共重合体
(F)を配合した比較例5では、得られた樹脂組成物の
成形収縮率が0.52〜0.61%と高く、また、得ら
れた成形品のΔE値が4.7〜12.5と、耐候性に著
しく劣る結果となった。
【0090】また、共重合体(C)を配合しなかった比
較例6、共重合体(D)を配合しなかった比較例7、共
重合体(D)の代わりに共重合体(H)を配合した比較
例8では、得られた樹脂組成物の異形押出成形性が不十
分であった。また、共重合体(A)と(B)の合計10
0質量部に対して、共重合体(D)を20質量部超の3
0質量部配合した比較例9では、得られた成形品の面衝
撃強度が8Jと著しく低い結果となった。
【0091】以上の結果から、共重合体(A)〜(D)
を所定の配合比で配合することにより、異形押出成形性
が良好で、成形収縮率が低く、かつ、得られる成形品が
靱性(面衝撃強度)に優れると共に耐候性に優れた樹脂
組成物を提供できることが判明した。
【0092】
【表2】
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
異形押出成形性が良好で、成形収縮率が低く、かつ、得
られる成形品が靱性(面衝撃強度)に優れると共に耐候
性に優れた樹脂組成物、及び該樹脂組成物を成形してな
る成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る実施例及び比較例に
おいて、異形押出成形時に用いた金型の断面図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA32 AA32X AA33 AA33X AA77 AH07 AH12 BB06 BC07 4J002 BB22W BG04X BG043 BG05X BG053 BG063 BN12W GC00 GL00 GN00 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重
    合体(G)に、少なくとも1種のビニル系単量体単位を
    有する重合体がグラフトしたグラフト共重合体(A)
    と、(メタ)アクリル酸エステル単位を有する重合体
    (B)とを含有すると共に、 グラフト共重合体(A)と重合体(B)の合計100質
    量部に対して、 メタクリル酸メチル単位50〜95質量%、及びアルキ
    ル基の炭素数が1〜10のアクリル酸アルキルエステル
    単位5〜50質量%を有する共重合体(C)0.1〜5
    質量部と、 アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキル
    エステル単位40〜90質量%、及びアルキル基の炭素
    数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル単位60〜
    10質量%を有すると共に、質量平均分子量が10万〜
    50万であり、かつ、質量分子量が5万以下の成分を1
    0〜50質量%含む共重合体(D)0.01〜20質量
    部とを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 グラフト共重合体(A)と重合体(B)
    との配合比率が、質量比で10〜90:90〜10であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重
    合体(G)が、ジエン−(メタ)アクリル酸エステル共
    重合ゴム状重合体、ジエンゴム/(メタ)アクリル酸エ
    ステル系複合ゴム状重合体、ポリオルガノシロキサン/
    (メタ)アクリル酸エステル系複合ゴム状重合体からな
    る群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 重合体(B)が、(メタ)アクリル酸エ
    ステル単位の他に、シアン化ビニル系単量体単位及び/
    又は芳香族アルケニル系単量体単位を有することを特徴
    とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 共重合体(C)が、メタクリル酸メチル
    単位、及びアクリル酸アルキルエステル単位の他に、こ
    れらと共重合可能な他のビニル系単量体単位を有するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 共重合体(D)中の質量分子量が5万以
    下の成分が、アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル
    酸アルキルエステル単位30〜70質量%と、アルキル
    基の炭素数が2〜4のアクリル酸アルキルエステル単位
    70〜30質量%とからなることを特徴とする請求項1
    から請求項5までのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特
    徴とする成形品。
  8. 【請求項8】 異形押出成形されたものであることを特
    徴とする請求項7に記載の成形品。
JP2002061111A 2002-03-06 2002-03-06 熱可塑性樹脂組成物、及び成形品 Pending JP2003261735A (ja)

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