JP2003260224A - パチンコ遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】リーチを発生しない場合にあっても、遊技がテ
ンポ良く進行するように制御した図柄生成行程を備えた
パチンコ遊技機を提供する。 【解決手段】リーチ表示図柄列ａ，ｂと最終決定図柄列
ｃとを備え、図柄生成行程が開始されるとリーチ表示図
柄列ａ，ｂだけを変動表示し、該リーチ表示図柄列ａ，
ｂがリーチ図柄態様とならない場合には、最終決定図柄
列ｃを変動表示することなく当該図柄生成行程を終了す
るようしたから、遊技者は、従来のようにリーチとなら
ずにハズレが決定した後も引き続き実行される図柄生成
行程に苛立ちを感じることもないため、次の図柄生成行
程に向けて期待感や緊張感を継続して高揚させることが
でき、遊技の有する興趣性を充分に満喫することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、図柄表示装置に確
定表示された図柄の組合せが所定の当り図柄態様である
場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別
遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】複数の図柄列を変動表示する図柄表示装
置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域と、図柄始
動領域の遊技球通過に起因して、図柄表示装置で変動開
始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を実行する図
柄制御手段とを備え、図柄表示装置で図柄生成行程によ
り確定表示された図柄の組合せが所定の当り図柄態様と
なると、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別
遊技作動を実行させるようにしたパチンコ遊技機は、種
々提案されている。これらは、いわゆる第１種パチンコ
遊技機及び第３種パチンコ遊技機がある。

【０００３】ここで、第１種パチンコ遊技機は、図柄列
を変動表示する特別図柄表示装置と、球通過を検知する
特別始動領域と、特別始動領域への球通過に起因して特
別図柄表示装置を変動表示させて、各図柄列を確定表示
する図柄制御手段と、開閉制御される可変入賞口を備
え、特別図柄表示装置に確定表示された各図柄の組合せ
が所定の当り図柄態様である場合に、可変入賞口の開放
と、可変入賞口の所定制限時間の経過又は該所定制限時
間内での規定個数の入賞満了による可変入賞口の閉鎖と
を順次生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなる
特別遊技作動を実行するようにしてなるものである。

【０００４】また、第３種パチンコ遊技機は、図柄列を
変動表示する図柄表示装置と、球通過を検知する図柄始
動領域と、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域
へ球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電
動役物と、開閉制御される可変入賞口と、球通過に伴っ
て該可変入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う
役物とを備え、図柄始動領域への球通過を契機として、
図柄表示装置の図柄を変動させた後に確定表示するよう
にし、その確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場
合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域へ
の球通過に伴って特別遊技作動が実行され、かつ該特別
遊技作動は、役物が駆動して特定領域への球通過が可能
となり、かつ該球通過ごとに、可変入賞口の開放と、閉
鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなる
ものである。

【０００５】このようなパチンコ遊技機にあって、図柄
生成行程は、全ての図柄列を変動した後に順次停止し
て、確定表示された図柄態様によって当り又はハズレの
いずれかが決定されるようになっている。そして、当り
図柄態様を停止表示する過程では、リーチ図柄態様が一
旦停止表示されるリーチ状態とすることにより、遊技者
の当り発生に対する期待感を刺激するようにしている構
成が一般的である。尚、このリーチ図柄態様が停止表示
されてリーチとなった場合にあっても、ハズレとなるこ
ともあるため、このリーチによって遊技が一層盛り上が
るようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の図
柄生成行程にあって、変動表示する図柄列が順次停止し
ていく過程でリーチ図柄態様を表示しない場合には、当
該図柄生成行程で当り図柄態様が表示されることはな
い。すなわち、リーチ図柄態様が表示されてリーチとな
らなければ、まだ一部の図柄列が継続して変動している
にもかかわらず、ハズレが決定することとなる。しかる
に、リーチとならないことが分かった時点で、遊技者は
残りの図柄列の変動停止には全く関心を抱くことがな
く、この残りの図柄列を変動及び停止する行程は、遊技
者にとって余計な時間を消費することにしかなっていな
い。そのため、遊技者の緊張感がその度毎に途切れるこ
ととなったり、遊技者は次の図柄生成行程の開始を焦る
あまり苛立ち、不快なストレスを生じることともなって
いた。而して、このようにリーチを発生せずにハズレと
なることが決まった後も引き続き実行される残りの図柄
列の変動停止する行程により、遊技者は遊技を楽しむと
いう感情が減退し、単に利得のみを求める感情が誘起さ
れることともなり、遊技の面白みを低下させるという問
題もあった。

【０００７】また、このようなパチンコ遊技機にあっ
て、図柄生成行程を始動する始動数を所定限度数まで記
憶するようにした構成を備えるものも存在する。この構
成では、所定限度数を越える始動数は破棄されることと
なっている。そのため、例えば、所定限度数まで始動記
憶数が記憶されている状況にあって、リーチとならない
ことによってハズレが決まった後に残りの図柄列が変動
している場合に、始動領域を遊技球が通過すると、この
始動数は破棄されることとなる。このように、ハズレの
決定した後にも引き続き実行される図柄生成行程によっ
て、遊技者は大きな損失を被る場合もあった。本発明は
かかる問題点を解決することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述のパチン
コ遊技機にあって、複数の図柄列が、リーチ図柄態様を
表示し得るリーチ表示図柄列と、該リーチ図柄態様と共
に当り図柄態様を表示し得る最終決定図柄列とによって
構成され、図柄生成行程が開始されるとリーチ表示図柄
列だけを変動表示し、該リーチ図柄列がリーチ図柄態様
とならない場合には、最終決定図柄列を変動表示するこ
となく当該図柄生成行程を終了するようにした制御内容
を図柄制御手段が備えていることを特徴とするもの（請
求項１）である。ここで、図柄列は、複数の図柄によっ
て構成されるものであって、変動して停止すると、該図
柄列を構成するいずれかの図柄を表示することとなる。

【０００９】かかる構成により、リーチ表示図柄列の停
止図柄がリーチ図柄態様でない場合、すなわちリーチと
ならずハズレが決定した場合にあっては、最終決定図柄
列の変動停止態様を遊技者は見る必要がなくなると共
に、最終決定図柄列の変動及び停止に要する時間だけ図
柄生成行程の実行時間が短縮されることとなるから、速
やかに次の図柄生成行程が実行されて、遊技がテンポよ
く進行することとなる。而して、遊技者はリーチとなら
ずハズレが決定した後の図柄生成行程に苛立ちを感じる
こともないから、次に実行される別の図柄生成行程に向
けて期待感や緊張感を継続して高揚させえ、遊技の有す
る興趣性を充分に満喫することが可能となる。また、リ
ーチとならずハズレが決定した後に、遊技者にとって余
計な時間を生じることもなくなる。これにより、例え
ば、始動記憶数が限度数まで記憶されている状況にあっ
て、リーチとならずハズレが決定すると速やかに次の図
柄生成行程が開始されることとなるから、従来のよう
に、図柄生成行程の遊技者にとって余計な時間中に発生
した新たな始動記憶数が破棄されるという不利益を生ず
ることが防止でき得る。

【００１０】また、かかる構成にあっては、図柄生成行
程が開始されるとリーチ表示図柄列のみを変動表示させ
ることにより、遊技者の意識を該リーチ表示図柄列の変
動及び停止の各表示に着目させることができる。これに
より、図柄生成行程をリーチの発生までの段階と、リー
チ発生から当りの発生までの段階との二つに明確に区分
させることともなるから、各段階でリーチと当りとに対
する期待感と緊張感とをそれぞれ強調して刺激すること
ができ得る。ここで、最終決定図柄列（又は、その停止
図柄である最終決定図柄）は、リーチ図柄態様が表示さ
れてリーチとなるまで遊技者にはっきりと認識させる必
要性は少ない。このため、リーチ表示図柄列が変動表示
されている場合にあって、最終決定図柄列は、図柄表示
装置に所定の図柄で停止表示されるようにしても良い
し、又は、図柄表示装置に表示されず、リーチ表示図柄
列がリーチ図柄態様で停止表示した後に図柄表示装置に
表出して変動するようにしても良い。これにより、遊技
者は、図柄生成行程が開始されると、リーチ図柄態様の
表示如何にのみ集中することができると共に、リーチ図
柄態様が表出されてリーチとなった場合には、当り発生
への期待感を一層高揚させることができるという優れた
利点も生じる。

【００１１】このような図柄生成行程にあって、リーチ
表示図柄列が変動中には、最終決定図柄が、図柄表示装
置で隠匿形態により表示されているようにした構成（請
求項２）が提案される。ここで、最終決定図柄は、最終
決定図柄列に設定され、図柄表示装置で停止表示されて
いる図柄を示す。かかる構成は、最終決定図柄を隠匿形
態として表示することにより、少なくとも最終決定図柄
列が存在することを遊技者に認識させ得るから、当りの
発生までには変動中のリーチ表示図柄列の他に最終決定
図柄列を変動及び停止させる必要があることを遊技者に
示唆することができる。而して、遊技者はリーチ表示図
柄列の変動中から、最終決定図柄列の変動開始に対する
期待感が誘起されることとなるため、リーチの発生によ
って変動表示する最終決定図柄列の意義が一層高まる。
ここで、隠匿形態としては、明確に図柄内容が表示され
ない形態であり、具体的にはリーチ表示図柄列に隠れて
一部分のみ表示されている形態、他の演出図柄等によっ
て表示されている形態、他の演出図柄の陰に隠れている
形態等とすることができる。

【００１２】このような図柄生成行程にあって、リーチ
表示図柄列を停止表示する前に、図柄表示装置で最終決
定図柄列を変動表示することにより、該リーチ表示図柄
列がリーチ図柄態様で停止表示するリーチ予告を行うよ
うにした構成（請求項３）が提案される。このように、
リーチ表示図柄列が停止表示される前に、最終決定図柄
列を変動表示してリーチ図柄態様で停止表示してリーチ
の発生を予告するようにしたことにより、図柄生成行程
にあって、リーチ表示図柄列の変動開始と異なる時点で
最終決定図柄列を変動表示を開始することの意義が一層
高まる。これにより、遊技者は当りの発生に向けた期待
感と緊張感とを最終決定図柄の変動表示によって、リー
チの発生する前の時点からも強く刺激されることとなる
から、興趣溢れる面白い遊技を楽しむことができ得る。

【００１３】一方、このようなリーチ図柄態様を表示す
るリーチ図柄が、最終決定図柄列が停止表示するまで、
図柄表示装置で縮小表示されるようにした構成（請求項
４）も提案される。これは、リーチ表示図柄列がリーチ
図柄態様を表示するリーチ図柄で停止してリーチとなっ
た後、最終決定図柄列が変動表示すると、該リーチ図柄
を図柄表示装置で、該最終決定図柄列が停止するまで縮
小して表示するものである。かかる構成により、変動表
示する最終決定図柄列が図柄表示装置で強調されること
となるから、遊技者の当りへの期待感を強く刺激するこ
とができ、最終決定図柄列の変動表示中における臨場感
を一層高めることが可能となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】いわゆる第１種パチンコ遊技機に
本発明を適用した一実施例を説明する。図１はパチンコ
遊技機の遊技盤１の正面図である。また図２は、遊技盤
１の内側レール内の中央に配設されたセンターケース４
の正面図である。ここでセンターケース４内には液晶表
示器、ＣＲＴ表示器、ドットマトリックスまたは７セグ
メント指示器等からなる特別図柄表示装置６が設けられ
る。この図柄表示装置６の図柄表示領域Ｆには三つの特
別図柄Ａ，Ｂ，Ｃが表示される。この特別図柄Ａ，Ｂ，
Ｃは、それぞれ「０」〜「９」の１０個の数字からな
り、各図柄列を構成している。ここで、本実施例にあっ
ては、特別図柄Ａ，Ｂを表示する図柄列をリーチ表示図
柄列ａ，ｂとし、特別図柄（最終決定図柄）Ｃを表示す
る図柄列を最終決定図柄列ｃとしている。詳しくは後述
する。

【００１５】センターケース４の下部には四個のパイロ
ットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置８が設
けられる。この特別図柄始動記憶数表示装置８は、後述
する主制御基板６０（図３参照）の記憶装置ＲＡＭの一
部領域に記憶された始動記憶数を表示する。

【００１６】また、センターケース４の上部には、三個
のＬＥＤを内部に備えた普通図柄表示装置１０が配設さ
れる。この三個の発光ダイオードＬＥＤは順次点滅し
て、種々の組合せの点灯態様を表示する。そして、この
点灯態様が所定の当り態様の場合には、普通電動役物１
５を開放する。さらに、この普通図柄表示装置１０の直
上位置には、四個のパイロットランプからなる普通図柄
始動記憶数表示装置１２が設けられ、後述の普通図柄始
動スイッチＳ2（図３参照）からの遊技球検出信号が、
所定数を上限として主制御基板６０（図３参照）の記憶
装置ＲＡＭの一部領域に記憶された場合に、その記憶数
を表示する。

【００１７】一方、センターケース４の下部両側には、
普通図柄作動ゲート（普通図柄始動領域）１３，１３が
設けられ、遊技球の通過により該普通図柄作動ゲート１
３，１３に内蔵された普通図柄始動スイッチＳ2（図３
参照）から球検出信号が発生すると、普通図柄表示装置
１０が図柄変動する。

【００１８】また、特別図柄表示装置６の直下位置に
は、内部を特別図柄始動領域１４として、開閉翼片によ
り始動領域（入賞口兼用）の開口度を変化させるように
した普通電動役物１５が配設されている。そして普通図
柄表示装置１０の表示結果が、上述したような当り態様
となった場合には、開閉翼片が約０．５秒拡開して、特
別図柄始動領域１４の開口度を拡開させ、球が入り易い
状態となる。普通電動役物１５内には、光電スイッチ、
リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチＳ1（図３
参照）が備えられ、該始動スイッチＳ1による球通過検
知に伴って、特別図柄表示装置６のリーチ表示図柄列
ａ，ｂ及び最終決定図柄列ｃが変動表示し、所定の図柄
を停止表示することとなる。

【００１９】普通電動役物１５のさらに下方には、内部
に特定領域と通常領域とを有する可変入賞口２３が配設
され、開閉片２４を大入賞口開放ソレノイド（図３参
照）により開閉制御することにより可変入賞口２３を開
放状態と閉鎖状態のいずれかに変換する可変入賞装置２
２が配設されている。そして、特別図柄表示装置６が所
定の組み合わせで表示され、大当りとなると、開閉片２
４が開いて、その開放状態で開閉片２４の上面が案内作
用を生じ、可変入賞口２３へ遊技球を案内すると共に、
特定領域に遊技球が入ると、次の開閉ラウンドへ移行可
能となり、連続開放作動を生じて、遊技者に所定の利得
が供される。この可変入賞装置２２は、後述する特別遊
技作動を実行するものであって、その内部には、図３で
示すように、特定領域に入った遊技球を検知する特定領
域スイッチＳ3と、大当り中の入賞個数を計数するカウ
ントスイッチＳ4とが設けられている。ここで特定領域
スイッチＳ3にも、特定領域に入った球を計数するカウ
ントスイッチとしての機能が備えられている。

【００２０】図３は、本発明にかかるパチンコ遊技機の
遊技作動を制御する制御回路を示すものである。主制御
基板６０には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御する
ための基板回路が設けられており、この基板回路上には
主制御用中央制御装置ＣＰＵが配設されている。この主
制御用中央制御装置ＣＰＵは、遊技に関する統括的な制
御を処理実行するものであって、該主制御用中央制御装
置ＣＰＵには、演算処理に用いる動作プログラムを格納
する記憶装置ＲＯＭと、必要なデータを随時読み書き可
能な記憶装置ＲＡＭとが、データを読み書きするアドレ
スを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス（図示
せず）と、データのやり取りを行なうデータバス（図示
せず）を介して接続され、該主制御基板６０の基板回路
を構成している。この記憶装置ＲＯＭには、制御プログ
ラム、乱数テーブル等の固定データが記憶されている。
乱数テーブルには当り特別乱数Ｋ、当り図柄乱数Ｌ、ハ
ズレ図柄乱数Ｍa ，Ｍb ，Ｍc 、リーチ乱数Ｎ、リーチ
図柄乱数Ｐ、リーチ態様乱数Ｑ、普通当り乱数Ｕ、普通
図柄乱数Ｖ、及び予告表示乱数Ｗ等が格納され、所定の
要件が充足されると主制御用中央制御装置ＣＰＵにて各
乱数の抽選が行われる。ここで、予告表示乱数Ｗは本発
明の要部にかかり、詳しくは後述する。また、記憶装置
ＲＡＭには、特別図柄始動スイッチＳ1 、普通図柄始動
スイッチＳ2 のＯＮ作動による記憶数等が一時的に記憶
される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領
域及びワークエリア等が設けられている。

【００２１】この主制御基板６０の基板回路には、所定
のクロックパルスを出力するクロック装置（図示せず）
が設けられ、主制御用中央制御装置ＣＰＵに接続されて
いる。そして主制御用中央制御装置ＣＰＵは一定間隔の
クロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、
一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装
置により出力されたクロックパルスをカウントして、時
間を計測するタイマーＴＭも接続されている。

【００２２】また、この主制御基板６０の基板回路に
は、主制御用中央制御装置ＣＰＵが周辺機器とデータ通
信を行う入力ポート（図示せず）及び出力ポート（図示
せず）が設けられており、該出力ポートを介して主制御
基板６０からの制御指令が、図柄表示制御基板６２、音
源制御基板６３、光源制御基板６４、及び払出制御基板
６５の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように
接続されている。また、主制御基板６０の入力ポートに
は盤面中継基板６１を介して上述した特別図柄始動スイ
ッチＳ1、普通図柄始動スイッチＳ2 、特定領域スイッ
チＳ3、カウントスイッチＳ4が接続され、主制御基板６
０が２ｍｓ毎に各スイッチＳ1〜4の遊技球検出状態を調
べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により
波形整形されて主制御用中央制御装置ＣＰＵに入力さ
れ、その情報を記憶装置ＲＡＭに記憶する。また、主制
御基板６０の出力ポートには、盤面中継基板６１を介し
て普通電動役物１５のソレノイドや、大入賞口２３のソ
レノイド等が接続され、主制御用中央制御装置ＣＰＵが
所定の条件を選出した場合に作動される。

【００２３】ここで主制御用中央制御装置ＣＰＵ及び後
述する各制御基板に設置されている各中央制御装置ＣＰ
Ｕは、所定のデータの処理を行う演算ユニット（ＡＬ
Ｕ）を連成した演算装置と、この演算装置に入出力する
データや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命
令を解読するデコーダ等によって構成されている。な
お、該演算ユニットの連成数によって、中央制御装置Ｃ
ＰＵの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中
央制御装置ＣＰＵは、所定の形式で生成した制御指令信
号を各制御基板に夫々送信し、各制御基板の中央制御装
置ＣＰＵが該制御指令信号に従って所定の制御を処理実
行することとなる。

【００２４】上記の図柄表示制御基板６２には、図柄表
示装置６の図柄表示領域Ｆ上で表出される図柄表示態様
を制御するための基板回路が設けられている。この基板
回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制
御装置ＣＰＵに、演出プログラムが格納されている記憶
装置ＲＯＭと、必要なデータを読み書きできる記憶装置
ＲＡＭと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構
成されている。この記憶装置ＲＯＭには、動作プログラ
ム、リーチ表示図柄列ａ，ｂと最終決定図柄列ｃの可変
パターン、及び特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの表示パターン、当
り遊技パターン、リーチ態様パターン等の図柄変動態様
を行う固定データも記憶されている。この図柄表示制御
基板６２は、主制御基板６０と共に、リーチ表示図柄列
ａ，ｂと最終決定図柄列ｃ、及び特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを
制御する図柄制御手段を構成するものである。

【００２５】また、図柄表示制御基板６２は、主制御基
板６０から入力ポートを介して受信した制御指令信号を
図柄制御用中央制御装置ＣＰＵにおいて演算処理し、所
定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポート
を介して表示用ドライバに送信する。そして、該表示用
ドライバは該図柄データに従って、図柄表示装置６の図
柄表示領域Ｆに所定の図柄を表出させる。この図柄表示
装置６としては、ＣＲＴ表示器やＬＣＤ（液晶）表示器
等が好ましく用い得る。

【００２６】上記の音源制御基板６３には、スピーカ６
６から発生する効果音等を制御するための基板回路が設
けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制
御用中央制御装置ＣＰＵに、動作プログラムや音響発生
パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ＲＯ
Ｍと、必要なデータを読み書きする記憶装置ＲＡＭと、
入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されてい
る。この音源制御基板６３は、上記の主制御基板６０よ
り入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御
用中央制御装置ＣＰＵで演算処理し、所定の音データを
出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信して、
該音データを受けてスピーカ６６に出力させる。

【００２７】上記の光源制御基板６４には、パチンコ遊
技機に備えられた発光ダイオードＬＥＤや装飾ランプと
いった電飾装置を制御するための基板回路が設けられて
いる。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御
する光源制御用中央制御装置ＣＰＵに、動作プログラム
や、発光ダイオードＬＥＤ，装飾ランプ等を電飾するた
めの電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶
装置ＲＯＭと、必要なデータを読み書きする記憶装置Ｒ
ＡＭと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成
されている。この光源制御基板６４は、光源制御用中央
制御装置ＣＰＵで、上記の主制御基板６０から入力ポー
トを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の
光データを出力ポートを介して、発光ダイオードＬＥＤ
や装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作
動基板に送信し、所定の発光ダイオードＬＥＤや装飾ラ
ンプ等を点灯、点滅させる。

【００２８】上記の払出制御基板６５には、遊技球の貸
球や賞球等を制御するための基板回路が設けられてい
る。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の
各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を
制御する払出制御用中央制御装置ＣＰＵに、動作プログ
ラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが記憶
されている記憶装置ＲＯＭと、球数カウントデータ等の
必要なデータを読み書きする記憶装置ＲＡＭと、入力ポ
ート及び出力ポートとが接続されて構成されている。こ
の払出制御基板６５は、主制御基板６０から受信した制
御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置ＣＰＵで演
算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継
基板に送信し、該データにより貸球ユニットや賞球ユニ
ット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の
払い出しを実行する。また、払出制御基板６５は、遊技
球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込
みを行うプリペイドカードユニットと、該プリペイドカ
ードのデータ処理を中継するＣＲ接続基板を介して接続
され、遊技球の残球等のデータをやりとりする。

【００２９】次に本発明の制御態様をパチンコ遊技機の
作動に従って説明する。遊技球が発射装置より遊技盤１
に発射され、該遊技球が特別図柄始動領域１４を通過
し、特別図柄始動スイッチＳ1がＯＮ作動すると、該信
号を盤面中継基板６１を介して主制御基板６０が認識す
る。かかる信号により、主制御基板６０の主制御用中央
制御装置ＣＰＵは、記憶装置ＲＯＭに記憶されている当
り特別乱数Ｋ、当り図柄乱数Ｌ、ハズレ図柄乱数Ｍa ，
Ｍb ，Ｍc 、リーチ乱数Ｎ、リーチ図柄乱数Ｐ、リーチ
態様乱数Ｑ、予告表示乱数Ｗ等の各図柄乱数を選出し、
各選出値を一旦、記憶装置ＲＡＭに格納する。さらに
は、特別図柄始動スイッチＳ1のＯＮ信号に基づき、主
制御用中央制御装置ＣＰＵで演算処理して賞球指令信号
を払出制御基板６５に発信すると共に、賞球作動に連動
する賞球音の発生指令信号を音源制御基板６３に、賞球
ランプ等の発生指令信号を光源制御基板６４に夫々発信
する。

【００３０】主制御基板６０から賞球指令信号を受信し
た払出制御基板６５は、記憶装置ＲＯＭや記憶装置ＲＡ
Ｍの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置ＣＰＵ
で演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソ
レノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これ
と同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基
板６３は、記憶装置ＲＯＭや記憶装置ＲＡＭの記憶デー
タを用いて音源制御用中央制御装置ＣＰＵで演算処理を
行い、その結果に従ってスピーカ６６より所定の賞球音
を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制
御基板６４でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に
従って光源制御用中央制御装置ＣＰＵが記憶装置ＲＯＭ
や記憶装置ＲＡＭの記憶データを用いて演算処理を行
い、その結果に従って所定の発光ダイオードＬＥＤや装
飾ランプ等を点灯、点滅させる。

【００３１】さらには、特別図柄始動スイッチＳ1のＯ
Ｎ作動もしくは、主制御基板６０の記憶装置ＲＡＭに記
憶されている始動記憶数の消化により図柄生成行程が開
始されると、主制御用中央制御装置ＣＰＵは、選出され
た当り特別乱数Ｋを判定し、当り図柄乱数Ｌ、ハズレ図
柄乱数Ｍa ，Ｍb ，Ｍc のいずれかを有効とすると共
に、リーチ乱数Ｎの選定内容に従ってリーチとするかど
うかを判定し、リーチの場合にはリーチ図柄乱数Ｐ、リ
ーチ態様乱数Ｑを有効とする。そして、その結果に基づ
き、図柄表示装置６で実行される図柄表示態様を制御す
るための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板６２に送
信する。

【００３２】上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制
御基板６２の図柄制御用中央制御装置ＣＰＵは、図柄制
御指令信号に従って、記憶装置ＲＯＭに記憶されている
所定の表示プログラムを用いて、図柄表示装置６で表示
する特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの図柄表示態様を決定する。そ
して、この図柄表示態様に従ってリーチ表示図柄列ａ，
ｂ及び最終決定図柄列ｃを順次停止し、特別図柄Ａ，
Ｂ，Ｃを確定表示する。

【００３３】その他、主制御基板６０の主制御用中央制
御装置ＣＰＵは、音響作動と発光作動を該図柄表示態様
に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板６
３に発信すると共に、電飾制御指令信号を光源制御基板
６４に発信する。音響制御指令を受けた音源制御基板６
３は、記憶装置ＲＯＭに記憶されている動作プログラム
等を用いて音源制御用中央制御装置ＣＰＵで演算処理を
行い、得られた音データをサウンドジェネレータを介し
てスピーカ６６より出力する。また上記光源制御基板６
４では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ＲＯＭに
記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中
央制御装置ＣＰＵで演算処理を行い、得られた光データ
を、光源作動基板を介して、所定の発光ダイオードＬＥ
Ｄもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。

【００３４】また、遊技球が特別図柄始動領域１４に連
続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチＳ1に
よる遊技球検出が主制御基板６０の記憶装置ＲＡＭに記
憶され、その記憶に基づいて上述したように特別図柄始
動記憶数表示装置８の発光ダイオードＬＥＤが順次点灯
し、最高四回まで保留される。この発光ダイオードＬＥ
Ｄは図柄が変動する都度、消灯されて、記憶数が減少す
る。なお、始動記憶数が満杯（四個）となっている場合
には、特別図柄始動領域１４を遊技球が通過しても無効
となる。

【００３５】ここで、上述の当り特別乱数Ｋが当りを選
出した場合、当り図柄乱数Ｌと、リーチ態様乱数Ｑを有
効とし、主制御基板６０は、図柄表示制御基板６２に所
定の制御指令信号を伝達する。そして、図柄表示制御基
板６２は、この制御指令信号に従って、当り図柄態様を
確定表示する。この図柄生成行程は本発明の要部にかか
り、詳しくは後述する。

【００３６】さらに、主制御基板６０は、盤面中継基板
６１を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口
２３を開放する。そして、大入賞口２３に遊技球が流入
され、該大入賞口２３内の特定領域スイッチＳ3やカウ
ントスイッチＳ4がＯＮ作動されると、その信号を盤面
中継基板６１を介して主制御基板６０が確認し、必要に
応じて、図柄表示制御基板６２や払出制御基板６５に制
御指令を発信し、而して、一連の特別遊技作動が実行さ
れる。

【００３７】すなわち、サウンドジェネレータがファン
ファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動
し、開閉片２４が前方に傾動して大入賞口２３が開放さ
れ、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、
所定制限時間（３０秒）が経過するか、該所定制限時間
内で、カウントスイッチＳ4により１０個の遊技球の入
賞検知がなされるまで継続される。また上述したよう
に、大入賞口２３の特定領域に遊技球が流入し、特定領
域スイッチＳ3がＯＮ作動した時は、次の開閉ラウンド
への移行条件が充足され、一旦開閉片２４が閉鎖駆動し
て、一ラウンドが終了する。そして、その動作終了後に
再び大入賞口２３が開放して、次の開閉ラウンドへ移行
する。このように開閉ラウンドが最大１６回繰り返され
て、大入賞口２３の連続開放作動を生じ、遊技者に所定
の利得が供される。

【００３８】一方、当り特別乱数Ｋが当りを選出しない
場合には、上述のハズレ図柄乱数Ｍa ，Ｍb ，Ｍcから
なる制御指令を主制御基板６０から図柄表示制御基板６
２に発信し、該図柄表示制御基板６２は該制御指令に従
ってハズレ表示する。この図柄生成行程は本発明の要部
にかかり、詳しくは後述する。

【００３９】次に図柄表示装置６の図柄制御につき再
度、詳細に説明する。上述の主制御基板６０の記憶装置
ＲＯＭには、０〜６２９の６３０コマからなる当り特別
乱数Ｋが格納されている。ここで、当り図柄の内容によ
り、次回に当り図柄となる確率が向上する高確率状態
と、当り図柄となる確率が変化しない通常確率状態が発
生する。通常確率時では、当り特別乱数Ｋ＝７，３３７
の場合に当りとなる。すなわち当り確率は２／６３０＝
１／３１５である。また、高確率時ではＫ＝７，９７，
１５７，１８７，２４７，２７７，３３７，３６７，４
５７，５４７の場合に当りとなる。すなわち当り確率は
１０／６３０＝１／６３である。そしてそれ以外はハズ
レとなる。また、記憶装置ＲＯＭには、上述したように
当り図柄乱数Ｌが格納されている。ここで当り図柄乱数
Ｌは、「０」〜「９」の当り図柄を備えており、当りの
場合に当り図柄態様を決定するものである。そして、こ
の当り図柄乱数Ｌにより奇数図柄となった場合には、当
該当り終了後、次の当りが発生するまで、当り図柄とな
る確率が向上する高確率状態、いわゆる確率変動作動が
実行される。

【００４０】また、当り特別乱数Ｋが当りを選出してい
た場合、又は、Ｋがハズレであってリーチ乱数Ｎがリー
チ図柄態様の表示を選出した場合には、リーチ態様乱数
Ｑを有効として、所定のリーチ作動が実行され、非リー
チ状態のときと異なるリーチ作動態様の種類を選出す
る。このリーチ作動態様としては、例えば、ロングリー
チ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停
止、図柄の反転等が提案される。また、当りの場合に
も、そのまま確定するだけではなく、一旦、仮停止して
から再び変動した後に完全停止する再変動が実行される
ようにすることもできる。

【００４１】一方、主制御基板６０の記憶装置ＲＡＭに
記憶されている特別図柄始動記憶数の記憶消化に伴っ
て、特別図柄表示装置６を変動表示させる場合にあっ
て、記憶装置ＲＡＭの始動記憶数には上述のように限度
（通常四個）があり、この個数を越えると、特別図柄始
動スイッチＳ1からの遊技球検知信号があっても、無効
となってしまう。このため、このような記憶満杯に伴う
無効球の発生を少なくするためには、始動記憶数が迅速
に消化されることが望まれる。そこで、当りによる特別
遊技作動が終了した直後には、通常の図柄変動時間より
も、短い図柄変動時間を選択して、リーチ表示図柄列
ａ，ｂ及び最終決定図柄列ｃにつき時短変動作動を実行
するようにしている。すなわちリーチ表示図柄列ａ，ｂ
及び最終決定図柄列ｃの図柄生成行程に要する平均変動
時間（リーチ作動時間を除く、リーチ表示図柄列ａ，ｂ
の変動開始から最終決定図柄列の停止するまでに要する
時間）が通常１０秒であるものが５秒に短縮される。ま
た、このような特別図柄表示装置６の変動短縮作動は、
上述したように、当り図柄乱数Ｌにより特別図柄Ａ，
Ｂ，Ｃが奇数図柄で当りを表示した場合に、当り図柄と
なる確率が向上する確率変動作動と同時に実行されるよ
うにしている。

【００４２】次に普通図柄作動につき説明する。遊技球
が普通図柄始動ゲート１３を通過すると、該遊技球は普
通図柄始動スイッチＳ2で検出される。この普通図柄始
動スイッチＳ2で遊技球検出されると、普通図柄表示装
置１０の普通図柄が変動する。この普通図柄は、左赤
色，中緑色，右赤色の三個の発光ダイオードＬＥＤで構
成される。この普通図柄表示装置１０が変動中、又は普
通電動役物１５が開放中のときに、普通図柄始動スイッ
チＳ2で遊技球検出されると、主制御基板６０の記憶装
置ＲＡＭにその遊技球検出が記憶され、記憶数の消化に
伴って普通図柄始動記憶数表示装置１２の発光ダイオー
ドＬＥＤが点灯し、普通図柄が変動開始になる都度消灯
されて、記憶個数が表示される。尚、普通図柄始動記憶
数表示装置１２の最大記憶数は四個であり、それ以上は
無効とされる。

【００４３】この普通図柄表示装置１０の変動停止後、
又は普通電動役物１５の開放動作終了後に、普通図柄始
動記憶数表示装置１２に表示された始動記憶に基づいて
普通図柄表示装置１０は再び変動開始する。普通図柄表
示装置１０が変動開始後、約３０秒以上経過すると変動
が停止し、左右いずれかの発光ダイオードＬＥＤが一個
でも点灯した状態であれば当りとなり、普通電動役物１
５が約０．５秒間開放される。

【００４４】ここで、普通図柄表示装置１０が変動を停
止したときに表示する図柄態様は、主制御基板６０の記
憶装置ＲＯＭに格納されている、０〜５４までの５５コ
マからなる普通当り乱数Ｕにより決定される。遊技球通
過により、普通図柄始動スイッチＳ2がＯＮ作動する
と、主制御基板６０は記憶装置ＲＯＭから普通当り乱数
Ｕ、及び当り普通図柄乱数Ｖの乱数値を選出し、その内
容を一旦記憶装置ＲＡＭに記憶し、普通図柄表示装置１
０が変動開始すると同時に、記憶した内容を調べ、その
普通当り乱数Ｕの選出値に対応する当りハズレを決定す
る。そして当りの場合は、当り普通図柄乱数Ｖにより停
止態様を決定し、左赤色，右赤色のいずれか少なくとも
一つが点灯した状態となる。ハズレの場合は、中緑色の
発光ダイオードＬＥＤのみが点灯した状態となる。

【００４５】次に本発明の要部につき説明する。本発明
にあっては、特別図柄Ａ，Ｂを停止表示する図柄列をリ
ーチ表示図柄列ａ，ｂとし、このリーチ表示図柄列ａ，
ｂがリーチ図柄態様となる特別図柄Ａ＝Ｂで停止してリ
ーチとなると、最終決定図柄列ｃが変動表示した後停止
して特別図柄（最終決定図柄）Ｃを表示する。一方、リ
ーチ表示図柄列ａ，ｂが特別図柄Ａ≠Ｂで停止表示して
リーチ図柄態様とならない場合には、最終決定図柄列ｃ
が変動表示せず、当回の図柄生成行程は終了することと
なる。すなわち、最終決定図柄列ｃが変動表示するため
には、特別図柄Ａ，Ｂがリーチ図柄態様（Ａ＝Ｂ）とな
ることを必要とする。

【００４６】ここで、リーチ表示図柄列ａ，ｂの変動開
始から、特別図柄（最終決定図柄）Ｃが停止して確定表
示されるまでの、一連の図柄生成行程にかかる標準時間
は約１０秒に設定されている。この標準時間は、特別図
柄Ａ＝Ｂのリーチとなった場合に実行される様々なリー
チ作動時間を含んでいない。すなわち、実際にリーチ図
柄態様を表出して、特別図柄Ｃが停止するまでにかかる
時間は標準時間約１０秒にリーチ作動時間を加えた時間
となる。一方、本発明にあっては、リーチ表示図柄列
ａ，ｂが停止して、特別図柄Ａ≠Ｂの非リーチ状態であ
ると、当回の図柄生成行程は終了することとなる。この
場合のように、リーチ表示図柄列ａ，ｂの変動開始から
停止までの図柄生成行程に要する時間は約６秒となる。
而して、リーチ図柄態様とならずにハズレとなる場合
に、従来では、図柄生成行程に約１０秒（前記標準時
間）を要したことに対し、本実施例では約４秒の時間短
縮となる。

【００４７】このような特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃを表出する
リーチ表示図柄列ａ，ｂ及び最終決定図柄列ｃの図柄制
御を、図４のフロー図に従って説明する。上述したよう
に、遊技球が特別図柄始動領域１４を通過すると、主制
御基板６０は当り特別乱数Ｋ、当り図柄乱数Ｌ、ハズレ
図柄乱数Ｍa ，Ｍb ，Ｍc 、リーチ乱数Ｎ、リーチ図柄
乱数Ｐ、リーチ態様乱数Ｑの各図柄乱数を選出する。ま
た、本実施例にあっては、遊技者にリーチ発生の予告を
行うか否かを決定する予告表示乱数Ｗも選出される。こ
のリーチ発生の予告は、リーチ図柄態様が表示される前
に最終決定図柄列ｃを変動表示させることによって行
う。そして、図柄表示装置６の図柄表示領域Ｆでは、リ
ーチ表示図柄列ａ，ｂが変動を開始する。この変動開始
に伴って、主制御基板６０は、選出した当り特別乱数Ｋ
を調べ、該Ｋが当りを選出した場合には当り図柄乱数Ｌ
を有効とし、該Ｋが当りを選出していない場合にはハズ
レ図柄乱数Ｍa ，Ｍb ，Ｍcを有効とする。そして、各
乱数値に従って、所定の図柄態様を図柄表示領域Ｆに表
示するようにしている。

【００４８】ここで、上記の当り特別乱数Ｋが当りを選
出していた場合には、当り図柄乱数Ｌを有効とすると共
に、予告表示乱数Ｗを有効とする。そして、予告表示乱
数Ｗがリーチ予告をしないことを選出していた場合に
は、当り図柄乱数Ｌに従って、所定の図柄態様でリーチ
表示図柄列ａ，ｂを順次停止して、特別図柄Ａ＝Ｂのリ
ーチ図柄態様で停止表示してリーチとする。このように
リーチとなると、リーチ態様乱数Ｑに従って所定のリー
チ作動を行った後、最終決定図柄列ｃが変動表示する。
ここで、最終決定図柄列ｃの変動中にあっては、リーチ
図柄態様を表出した特別図柄Ａ、Ｂは図柄表示領域Ｆで
夫々に縮小表示される。そして、この最終決定図柄列ｃ
が当り図柄乱数Ｌに従って、所定の特別図柄（最終決定
図柄）Ｃで停止して当り図柄態様が表示され、当りが確
定することとなる。

【００４９】ここで、上記の予告表示乱数Ｗがリーチ発
生の予告を行うことを選出していた場合には、リーチ表
示図柄列ａが特別図柄Ａを停止表示した後、最終決定図
柄列ｃを図柄表示領域Ｆで変動表示させる。このよう
に、リーチ表示図柄列ｂが停止する前、すなわちリーチ
図柄態様（Ａ＝Ｂ）が表示される前に最終決定図柄列ｃ
を変動表示させることによって、遊技者にリーチの発生
を予告する。

【００５０】一方、当り特別乱数Ｋが当りを選出してい
ない場合には、ハズレ図柄乱数Ｍa，Ｍb ，Ｍc 及び、
リーチ乱数Ｎを有効とする。ここで、リーチ乱数Ｎがリ
ーチ作動することを選出していた場合には、リーチ図柄
乱数Ｐ、リーチ態様乱数Ｑ及び予告表示乱数Ｗを有効と
する。図柄表示領域Ｆで変動表示するリーチ表示図柄列
ａ，ｂを順次停止して、リーチ図柄乱数Ｐに従って所定
のリーチ図柄態様となる特別図柄Ａ＝Ｂを表示してリー
チとする。そして、リーチ態様乱数Ｑに従って所定のリ
ーチ作動を行った後、最終決定図柄列ｃを変動表示し、
ハズレ図柄乱数Ｍｃに従って特別図柄（最終決定図柄）
Ｃで停止表示してハズレを確定する。尚、上記のよう
に、予告表示乱数Ｗがリーチ発生の予告を行うことを選
出していた場合には、リーチ表示図柄列ｂが停止してリ
ーチ図柄態様（Ａ＝Ｂ）を表示する前に、最終決定図柄
列ｃを変動表示することにより、遊技者にリーチの発生
を予告する。

【００５１】また、このように当り特別乱数Ｋが当りを
選出していない場合にあって、リーチ乱数Ｎがリーチ発
生をしないことを選出していると、図柄表示領域Ｆで変
動表示するリーチ表示図柄列ａ，ｂをハズレ図柄乱数Ｍ
a ，Ｍb に従って順次停止して、特別図柄Ａ≠Ｂを停止
表示してハズレを決定する。このように、リーチ図柄態
様を表示せずにハズレが確定された場合には、最終決定
図柄列ｃは変動表示せず、当回の図柄生成行程を終了さ
せる。そして、特別図柄始動記憶数表示装置１０に始動
記憶数がある場合には、速やかに次の図柄生成行程が開
始されることとなる。従って、リーチが生じない場合に
あっては、図柄生成行程は無意味な最終決定図柄列ｃの
図柄表示をすることなく、かつ、無駄な時間を消費する
こともない。

【００５２】このような図柄生成行程の特別図柄Ａ，
Ｂ，Ｃの図柄表示過程を図５〜図８に従って説明する。
尚、以下の実施例ではリーチ発生によるリーチ作動の説
明を省略している。常態で、前回の図柄生成行程によっ
てハズレ確定表示された特別図柄Ａ，Ｂが図柄表示領域
Ｆに表示されている場合（図５（イ））にあって、特別
図柄始動領域１４の遊技球通過あるいは、特別図柄記憶
数表示装置８の記憶数消化に伴って、図５（ロ）のよう
に特別図柄表示領域Ｆでリーチ表示図柄列ａ，ｂが変動
を開始する。尚、リーチ表示図柄列ａ，ｂの変動中に
は、図柄表示領域Ｆに最終決定図柄列ｃは表示されてい
ない。ここで、上述したように当り特別乱数Ｋによっ
て、ハズレが選出され、リーチ乱数Ｎによってリーチが
発生しないことが選出されている場合には、図５（ハ）
から図５（ニ）のように、リーチ表示図柄列ａ，ｂを順
次停止して、特別図柄Ａ≠Ｂを表示してハズレを確定す
る。そして、当回の図柄生成行程は終了することとな
る。このように、リーチの発生しない図柄生成行程では
最終決定図柄列ｃが変動表示しないから、遊技者は無意
味な最終決定図柄列ｃの変動表示及び停止表示を見る必
要がなく、無駄な時間を消費することもない。而して、
リーチが発生しない図柄生成行程では速やかに次の遊技
に移行することとなるから、遊技がテンポよく進み、遊
技者の興趣感が途切れることを防ぎ得る。

【００５３】一方、変動開始したリーチ表示図柄列ａ，
ｂにあって、当り特別乱数Ｋが当りを選出していた場合
には、図６（イ）から図６（ロ）のように変動するリー
チ表示図柄列ａ，ｂを順次停止して、図６（ハ）のよう
にリーチ図柄態様となる特別図柄Ａ＝Ｂを停止表示して
リーチとする。そして、図６（ニ）のように、この特別
図柄Ａ，Ｂを図柄表示領域Ｆの左右上部に縮小表示する
と共に、最終決定図柄列ｃを変動表示する。その後、図
６（ホ）のように最終決定図柄列ｃを特別図柄Ａ＝Ｂ＝
Ｃとなるように停止して、当り図柄態様を表示する。こ
うして、図柄生成行程によって当りが確定し、上述した
特別遊技作動が実行されることとなる。また、当り特別
乱数Ｋがハズレを選出し、かつ、リーチ乱数Ｎがリーチ
発生を選出していた場合にあっては、リーチ表示乱数
ａ，ｂを特別図柄Ａ＝Ｂのリーチ図柄態様で停止表示し
た後、最終決定図柄列ｃを変動表示させる。そして、こ
の最終決定図柄列ｃを特別図柄Ａ＝Ｂ≠Ｃとなるように
停止表示してハズレを確定する。このようにリーチの発
生によって最終決定図柄列ｃが変動表示することによ
り、図柄生成行程がリーチ発生と当り発生とを明確に区
別する二段行程となり得るから、遊技者のリーチ発生を
期待する感情と、当り発生を期待する感情とをそれぞれ
強調して刺激することができる。また、最終決定図柄列
ｃの変動開始によって、遊技者の当りに対する期待感と
緊張感とを一層高揚させることができ、興趣溢れる面白
い遊技を遊技者に提供することが可能である。

【００５４】また、上記の図柄生成行程にあって、予告
表示乱数Ｗがリーチ発生の予告をすることを選出してい
た場合には、図７（イ）のようにリーチ表示図柄列ａ，
ｂが変動開始し、リーチ表示図柄ａが特別図柄Ａを停止
した後、図７（ロ）のように特別図柄Ｃを図柄表示領域
Ｆに表出させる。そして、図７（ハ）のように最終決定
図柄列ｃを変動開始させる。このように、リーチ表示図
柄列ｂが停止する前に最終決定図柄列ｃを変動表示させ
ることによって、リーチの発生を遊技者に予告する。そ
の後、図７（ニ）のようにリーチ表示図柄列ｂをリーチ
図柄態様（Ａ＝Ｂ）となるように特別図柄Ｂで停止表示
する。そして、図７（ホ）のように特別図柄Ａ及びＢを
縮小表示した後、図７（ヘ）のように最終決定図柄列ｃ
を特別図柄Ａ＝Ｂ＝Ｃとなるように停止して、当り図柄
態様を表示する。これにより当りが確定する。ここで、
リーチ表示図柄列ｂが停止する前に表出した特別図柄Ｃ
は、リーチ図柄態様（Ａ＝Ｂ）が停止表示された後に変
動開始するようにしても良い。このように、最終決定図
柄列ｃをリーチ図柄態様の表示前に変動表示させること
により、リーチ発生前から遊技者の当りに対する期待感
を強く誘発させることができる。

【００５５】このような図柄生成行程にあって、上述の
ようにリーチ表示図柄列ａ，ｂの変動表示中には最終決
定図柄列ｃを図柄表示領域Ｆに表示しないとした構成の
他に、図８のように最終決定図柄列ｃの停止図柄である
特別図柄（最終決定図柄）Ｃを隠匿形態とする隠匿図柄
Ｘで表示する構成とすることもできる。すなわち、図８
（イ）及び図８（ロ）のように、リーチ表示図柄列ａ，
ｂが変動開始する場合あって、該リーチ表示図柄列ａ，
ｂの後ろに隠れるように特別図柄（最終決定図柄）Ｃが
隠匿図柄Ｘで表示される。この隠匿形態Ｘは、その存在
を遊技者は認識できるものの表示内容までははっきりと
わからない。尚、隠匿図柄Ｘとなる特別図柄（最終決定
図柄）Ｃは、当回の図柄生成行程によって停止表示され
たものではないから、当り又はハズレの決定に関係しな
い。そして、図８（ハ）のようにリーチ表示図柄列ａ，
ｂが特別図柄Ａ＝Ｂでリーチとなると、該特別図柄Ａ，
Ｂが縮小表示されて図８（ニ）のように最終決定図柄列
ｃが明確に変動表示されることとなる。その後、図８
（ホ）のように最終決定図柄ｃが停止して特別図柄Ａ＝
Ｂ＝Ｃとなると、当りが確定する。このように特別図柄
Ｃを隠匿形態によって図柄表示領域Ｆに表示することに
より、遊技者に当りの発生までの過程には、リーチ表示
図柄列ａ，ｂの他に、最終決定図柄列ｃの変動停止過程
が必要であることを示唆するようにしている。また、こ
のような隠匿図柄Ｘとしては、この他、図９のように図
柄表示領域Ｆで表示された演出図柄ｇの後ろに隠れるよ
うになっている形態とするものであっても良い。

【００５６】さらに本発明は、第３種パチンコ遊技機の
図柄変動においても、勿論適用可能である。

【００５７】

【発明の効果】本発明は、上述したように、リーチ図柄
態様を表示し得るリーチ表示図柄列と、該リーチ図柄態
様と共に当り図柄態様を表示し得る最終決定図柄列とを
備え、図柄生成行程が開始されるとリーチ表示図柄列だ
けを変動表示し、該リーチ表示図柄列がリーチ図柄態様
とならない場合には、最終決定図柄列を変動表示するこ
となく当該図柄生成行程を終了するようした（請求項
１）から、遊技者は、従来のようにリーチとならずにハ
ズレが決定した後も引き続き実行される図柄生成行程に
苛立ちを感じることもないため、次の図柄生成行程に向
けて期待感や緊張感を継続して高揚させることができ、
遊技の有する興趣性を充分に満喫することが可能とな
る。また、遊技者にとって余計な時間を図柄生成行程で
生じることもないから、例えば、始動記憶数が限度数ま
で記憶されている状況で、従来のように、図柄生成行程
の遊技者にとって余計な時間中に発生した新たな始動記
憶数が破棄されるという不利益を防止でき得る。さらに
は、図柄生成行程が、リーチの発生までの段階と、リー
チ発生から当りの発生までの段階との二段階に明確に区
分されることともなるため、各段階でリーチの発生と当
りの発生とに対する期待感と緊張感とをそれぞれ強調し
て刺激することができる。

【００５８】ここで、リーチ表示図柄列の変動中には、
最終決定図柄が、図柄表示装置で隠匿形態により表示さ
れているようにした構成（請求項２）にあっては、最終
決定図柄列が存在することを遊技者に認識させ、当りの
発生までには変動中のリーチ表示図柄列の他に最終決定
図柄列を変動及び停止させる過程があることを遊技者に
示唆できる。而して、遊技者はリーチ表示図柄列の変動
中から、最終決定図柄列の変動開始に対する期待感が誘
起されることとなり、リーチの発生によって変動表示す
る最終決定図柄列の意義が一層高まる。

【００５９】このような図柄生成行程にあって、リーチ
表示図柄列を停止表示する前に、図柄表示装置で最終決
定図柄列を変動表示することにより、該リーチ表示図柄
列がリーチ図柄態様で停止表示するリーチ予告を行うよ
うにした構成（請求項３）にあっては、遊技者の当り発
生に向けた期待感と緊張感とをリーチの発生する前から
も強く刺激させることができ、興趣溢れる面白い遊技を
提供できる。

【００６０】また、このようなリーチ図柄態様を表示す
るリーチ図柄が、最終決定図柄列を停止表示するまで、
図柄表示装置で縮小表示されるようにした構成（請求項
４）にあっては、変動表示する最終決定図柄列が図柄表
示装置で強調されることとなって、遊技者の当りへの期
待感を強く刺激することができ、最終決定図柄列の変動
表示中における臨場感を一層高めることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】遊技盤１の正面図である。

【図２】センターケース４の拡大正面図である。

【図３】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図
である。

【図４】特別図柄Ａ，Ｂ，Ｃの図柄生成行程を示すフロ
ー図である。

【図５】図柄生成行程のリーチを発生しないハズレ態様
を示す図柄進行図である。

【図６】図柄生成行程の当り態様を示す図柄進行図であ
る。

【図７】図柄生成行程のリーチ予告の一態様を示す図柄
進行図である。

【図８】図柄生成行程の他の一態様を示す図柄進行図で
ある。

【図９】リーチ表示図柄列ａ，ｂの変動中の他の表示態
様を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 遊技盤 ６ 図柄表示装置 １０ 普通図柄表示装置 １５ 普通電動役物 Ａ，Ｂ 特別図柄 Ｃ 特別図柄（最終決定図柄） ａ，ｂ リーチ表示図柄列 ｃ 最終決定図柄列 Ｆ 図柄表示領域 Ｘ 隠匿図柄

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の図柄列を変動表示する図柄表示装置
   と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域と、図柄始動
   領域の遊技球通過に起因して、図柄表示装置で変動開始
   から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を実行する図柄
   制御手段とを備え、図柄表示装置で図柄生成行程により
   確定表示された図柄の組合せが所定の当り図柄態様とな
   ると、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊
   技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機において、 複数の図柄列が、リーチ図柄態様を表示し得るリーチ表
   示図柄列と、該リーチ図柄態様と共に当り図柄態様を表
   示し得る最終決定図柄列とによって構成され、図柄生成
   行程が開始されるとリーチ表示図柄列だけを変動表示
   し、該リーチ表示図柄列がリーチ図柄態様とならない場
   合には、最終決定図柄列を変動表示することなく当該図
   柄生成行程を終了するようにした制御内容を図柄制御手
   段が備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。
2. 【請求項２】図柄生成行程にあって、リーチ表示図柄列
   が変動中には、最終決定図柄が、図柄表示装置で隠匿形
   態により表示されているようにしたことを特徴とする請
   求項１に記載のパチンコ遊技機。
3. 【請求項３】図柄生成行程にあって、リーチ表示図柄列
   を停止表示する前に、図柄表示装置で最終決定図柄列を
   変動表示することにより、該リーチ表示図柄列がリーチ
   図柄態様で停止表示するリーチ予告を行うようにしたこ
   とを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のパチンコ
   遊技機。
4. 【請求項４】リーチ図柄態様を表示するリーチ図柄が、
   最終決定図柄列が停止表示するまで、図柄表示装置で縮
   小表示されるようにした請求項１乃至請求項３のいずれ
   かに記載のパチンコ遊技機。