JP2003253086A - 高熱伝導性組成物およびその成形品 - Google Patents

高熱伝導性組成物およびその成形品

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JP2003253086A
JP2003253086A JP2002053124A JP2002053124A JP2003253086A JP 2003253086 A JP2003253086 A JP 2003253086A JP 2002053124 A JP2002053124 A JP 2002053124A JP 2002053124 A JP2002053124 A JP 2002053124A JP 2003253086 A JP2003253086 A JP 2003253086A
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high thermal
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unsaturated polyester
thermal conductivity
weight
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Fumio Matsui
二三雄 松井
Yoshitaka Hatano
善孝 波田野
Kentaro Takahashi
健太郎 高橋
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Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック材料特有の優れた成形性、量産
性を有するとともに、従来の金属製部品や無機材料製部
品に代替しうる程の高熱伝導性を示し、さらに硬化時の
収縮が低減した組成物およびその成形品を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)軟化点が90〜150℃の範囲にある不
飽和ポリエステル;(B)前記不飽和ポリエステルと共重
合可能なモノマーであるフタル酸ジアリル;(C)熱可塑
性樹脂;(D)アルミナ充填材;および(E)有機過酸化
物;を必須成分として含む高熱伝導性組成物であって、
前記(A)、(B)および(C)成分の総和に対する(A)
成分の割合が35〜80重量%であり、かつ(C)成分の割
合が5〜25重量%であり、および組成物全体に対し、
(D)成分の割合が60〜90重量%である組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高熱伝導性組成物お
よびその成形品に関し、さらに詳しくはプラスチック特
有の優れた成形性、量産性を有するとともに、従来の金
属製部品や無機材料製部品に代替しうる程の高熱伝導性
を示し、さらに硬化時の収縮が低減した組成物およびそ
の成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス分野を先頭に、技術革
新のテンポはますます加速しつつあるかの感がある。と
りわけ、オプトエレクトロニクス分野は二十一世紀初頭
におけるリーダー的役割を担おうとしている。そのよう
な技術革新の根本を陰で支える材料技術においてもま
た、高度かつ新規な材料に対する要請が増すのは必須で
あり、これにスピーディに対応しうることが技術革新を
進める上での必要条件となる。
【0003】さて、金属に代替する材料としてエンジニ
アリングプラスチックが世に出て久しい。いまや耐熱
性、強度の面では従来の金属の特性をはるかに凌ぐもの
さえ現れ、単なる代替材料の領域を超えて新規領域すら
開拓可能となってきている。しかしながら、金属の別の
側面でもある熱伝導率や線膨張係数については、残念な
がら現行のエンジニアリングプラスチックはまだその聖
域に近づけていないのが実情である。そのためこれらの
特性が必須となる部位においては、生産性に劣る金属性
や無機材料製のダイカスト品や切削加工製品などが、生
産性の面では多くの課題を抱えつつ、やむを得ず用いら
れているというのが実情である。
【0004】また、エレクトロニクス、オプトエレクト
ロニクス分野では、今後ますます小型化、高集積化が追
求されるところとなり、それは必然的に部品の高温化を
招くことから、部品には放熱性や寸法精度が一層厳しく
求められるようになることが確実である。仮に現在では
プラスチック化が実現している部品であっても、近い将
来に再び金属や無機材料への復帰を迫られる事態が予測
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、プラスチック材料特有の優れた成形性、量産性を
有するとともに、従来の金属製部品や無機材料製部品に
代替しうる程の高熱伝導性を示し、さらに硬化時の収縮
が低減した組成物およびその成形品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、 (A)軟化点が90〜150℃の範囲にある不飽和ポリエステ
ル; (B)前記不飽和ポリエステルと共重合可能なモノマー
であるフタル酸ジアリル; (C)熱可塑性樹脂; (D)アルミナ充填材;および (E)有機過酸化物;を必須成分として含む高熱伝導性組
成物であって、 前記(A)不飽和ポリエステル、(B)フタル酸ジアリル
および(C)熱可塑性樹脂の総和に対する(A)不飽和ポ
リエステルの割合が35〜80重量%であり、かつ(C)熱
可塑性樹脂の割合が5〜25重量%であり、および前記組
成物全体に対し、(D)アルミナ充填材の割合が60〜90
重量%であることを特徴とする高熱伝導性組成物であ
る。請求項2の発明は、(A)不飽和ポリエステルを構
成する二塩基酸のうち、30〜90モル%が飽和二塩基酸で
あって、かつ前記飽和二塩基酸が、ナフタレンジカルボ
ン酸またはそのエステル、シクロヘキサンジカルボン酸
またはそのエステルおよびテレフタル酸またはそのエス
テルからなる群から選択された少なくとも一種であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の高熱伝導性組成物であ
る。請求項3の発明は、(D)アルミナ充填材のうち、
少なくとも50重量%は本質的に球状の形態を示し、かつ
前記球状の(D)アルミナ充填材が0.1〜100μmの範囲
内の粒径分布を有する請求項1に記載の高熱伝導性組成
物である。請求項4の発明は、(C)熱可塑性樹脂が飽
和ポリエステルであり、かつ前記飽和ポリエステルを構
成する二塩基酸としてドデカンジオン酸またはセバシン
酸のいずれかを使用し、さらに前記飽和ポリエステルの
数平均分子量が10,000以上であることを特徴とす
る請求項1に記載の高熱伝導性組成物である。請求項5
の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高
熱伝導性組成物を、所望の形状に成形してなる成形品で
ある。請求項6の発明は、成形品の熱伝導率が2.5W/m
・K以上、かつ常温から200℃にわたる温度領域におい
て、線膨張係数が15ppm/℃以下であることを特徴とす
る請求項5に記載の成形品である。請求項7の発明は、
高熱伝導性組成物を、インジェクション成形により所望
の形状に成形してなる請求項5に記載の成形品である。
請求項8の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に
記載の高熱伝導性組成物を、所望の形状に成形してなる
金属製部品代替品。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに説明する。 (A)不飽和ポリエステル 本発明に用いられる(A)不飽和ポリエステルは、グリ
コール、飽和二塩基酸および不飽和二塩基酸を加熱エス
テル化して合成されるものであるが、本発明においては
軟化点が90〜150℃の範囲にあるものが適している。軟
化点が90℃未満であると、組成物全体が餅状に近くな
り、取り扱いが困難となる。通常、不飽和ポリエステル
樹脂組成物のうちいわゆるBMCはこのような餅状物とな
っているが、本発明のように充填材として硬度が高く磨
耗性のアルミナを使用すると状況は一変してしまい、取
り扱いが極めて困難となるからである。また軟化点が15
0℃を超えると、本発明の組成物をインジェクション成
形機内等において予備加熱する際に、90℃を超えるよう
な加熱が必要になってくることとなり、これは有機過酸
化物の安定性を損ない、ゲル化の危険を招くこととな
る。また本発明の(A)不飽和ポリエステルを構成する
飽和二塩基酸としてナフタレンジカルボン酸またはその
エステル、シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエス
テルおよびテレフタル酸またはそのエステルからなる群
から選択された少なくとも一種を選択すれば、成形性、
成形品の物性が向上し特に好ましい。前記飽和二塩基酸
は、(A)不飽和ポリエステルを構成する飽和二塩基酸
のうち、30〜90モル%を占めるのが好ましい。
【0008】(B)フタル酸ジアリル 本発明に用いられる(B)成分は、前記(A)不飽和ポリ
エステルと共重合可能なモノマーであるフタル酸ジアリ
ルである。一般的に不飽和ポリエステルは、溶剤兼モノ
マーであるスチレンに溶解した樹脂組成物として用いら
れるが、スチレンは揮発性が高く保存安定性と環境面の
問題があり、本発明においてはフタル酸ジアリルを使用
するのが適している。フタル酸ジアリルはオルソ、イ
ソ、テレの三つのタイプがあるが、いずれのタイプも使
用可能である。
【0009】(C)熱可塑性樹脂 本発明に用いられる(C)成分は熱可塑性樹脂であり、そ
の例としてはポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、スチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
ウレタン、スチレン・ブタジエン共重合体等が挙げられ
るが、特に飽和ポリエステルが好ましく、中でも飽和ポ
リエステルを構成する二塩基酸がドデカンジオン酸また
はセバシン酸のいずれかを用いたものであって、さらに
数平均分子量が10,000以上であるものが特に好適に用い
られる。数平均分子量が10,000未満のものは本発明の組
成物の硬化時の収縮低減効果が不満足となる。
【0010】本発明の組成物において、(A)不飽和ポ
リエステル、(B)フタル酸ジアリルおよび(C)熱可塑
性樹脂の総和に対する(A)不飽和ポリエステルの割合
は、35〜80重量%が好ましく、35重量%未満では強度面
で不十分となり、また80重量%を超えると粘性が高くな
りすぎて加工性の面で問題を生ずる。また本発明におい
て(A)不飽和ポリエステル、(B)フタル酸ジアリルお
よび(C)熱可塑性樹脂の総和に対する(C)熱可塑性樹
脂の割合は5〜25重量%が好ましく、5重量%未満では硬
化時の収縮低減効果が不十分となり、また25重量%を超
えると強度面での悪影響が顕著となる。
【0011】(D)アルミナ充填材 本発明に用いられる(D)成分のアルミナ充填材は、組
成物全体に対して60〜90重量%が適しており、特に好ま
しくは70〜90重量%である。60重量%未満では本発明の
目的とする高熱伝導性が期待できない。また90重量%を
超えると組成物の流動性に乏しく加工性が低下する。ま
た本発明において、(D)成分のアルミナ充填材のう
ち、少なくとも50重量%は本質的に球状の形態を有する
ことが有利であり、本質的に球状の形態でない物が50重
量%以上を占めるとアルミナ充填材の高充填が困難とな
り、本発明の目的である高熱伝導性が達成できにくくな
る。またアルミナ充填材は0.1〜100μmの範囲内、より
好ましくは0.5〜70μmの範囲内に広い粒径分布を有す
ることが望ましい。アルミナ充填材の粒径が0.1μm未
満では増粘効果が著しく、高充填が難しい。また100μ
mを超えると、高精度の成形品には面精度が不十分とな
るだけでなく強度の低下も無視できなくなる。
【0012】(E)有機過酸化物 本発明に用いられる(E)成分である有機過酸化物として
は、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイ
ド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、
パーオキシエステルなど各種の有機過酸化物を使用する
ことができ、具体的には以下ようなものが例示しうる。
ヘンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(2−エチルヘキサノイル)パーオキシヘキサン、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
1,1,3,3−トリメチルブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサネート、2,5−ジメチル−2.5−ジブチ
ルパーオキシヘキサン。本発明において(E)有機過酸
化物の添加量は、(A)不飽和ポリエステル、(B)フタ
ル酸ジアリルおよび(C)熱可塑性樹脂の総和に対して
0.5〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
【0013】なお本発明の組成物には、成形品の離型
性、硬度、接着性、耐久性、耐候性、耐光性、耐水性、
防食性等を改良する目的で、各種の添加剤、一例を挙げ
れば、内部離型剤、紫外線吸収剤、光安定剤、光散乱
剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピ
ー付与剤、内部離型剤、イオン捕捉剤、潤滑剤、カップ
リング剤等を加えて、一層の性能改善を図ることができ
る。
【0014】本発明の組成物は、ニーダー、万能ミキサ
ー、ロール等の混練機を用いて(D)アルミナ充填材を
均一分散化することができる。好ましくは連続ニーダー
を使用してひも状に押し出して次いでこれをカットして
一挙に固体のペレットとするのがよい。こうすれば以後
の取り扱いが容易となる。また本発明の固体の組成物は
匂いもなく常温で安定に保管しうる。
【0015】本発明の組成物は、コンプレッション成
形、トランスファー成形、インジェクション成形等、プ
ラスチックの加工に公知の各種の成形方法で所望の形状
に加工することができるが、最も好ましくはインジェク
ション成形である。それは組成物の材料の損失が少な
く、成形時間も短いこと、また計量工程も含まれるため
合理的である等の理由に基づく。なお、エポキシ・シリ
カのコンパウンド等が半導体の封止材料として広く用い
られているが、充填剤を多量に含むものは全てトランス
ファー成形が採用されている。その理由はインジェクシ
ョン成形を採用すると成形機内部での流動性と経時安定
性を確保できないからである。これに対し、本発明の組
成物はアルミナというシリカよりさらに硬質の充填材を
多量に含有していながら、安定にインジェクション成形
しうるので、この点を比較しても、本発明の利点が明確
となる。本発明の組成物をインジェクション成形すると
き、成形機には熱硬化性樹脂用の機械、特にフェノール
樹脂用の機械が好適に利用しうる。スクリューの入口付
近は常温で、先端のノズルにかけて昇温するように温度
勾配をつけ、先端ノズルから吐出されるコンパウンドの
温度を80〜90℃とするのが好ましい。この温度では
コンパウンドが可塑化され、容易に金型内に充填され
る。金型の温度は150〜180℃とするのが望まし
く、可塑化されたコンパウンドは流動性を上げキャビテ
ィを充満する。このときキャビティ内の空気の巻き込み
が起きないように注入と同時に真空をかけるような配慮
が好ましい。流動とほとんど同時に有機過酸化物による
ラジカル重合が開始するため、硬化時間0.5から2分
程度で金型を開いて成形品を取り出すことができる。成
形品のサイズにもよるが、アフターキュアもほとんどの
場合不要である。
【0016】得られた本発明の成形品は、熱可塑性樹脂
の効果として、硬化収縮が低減されており、収縮率は
0.1%以下に抑制することが可能であり、必要ならば
ゼロ、すなわち無収縮に材料設計することもできる。熱
可塑性樹脂の成形に不可避のひけもないことから、成形
品の肉厚不均一についてもなんら考慮しないですむ利点
がある。
【0017】本発明の成形品は2.0W/m・K以上、例えば
2.5〜6.0W/m・Kという高い熱伝導率を示すことが特長
であり、通常のプラスチックが0.1〜0.3W/m・K程度で
あることと比較してその差が極めて大きいことが理解さ
れる。ただし金属では数十から数百W/m・K程度である
から、必要に応じて金属との複合を考えてもよい。例え
ば本発明の樹脂組成物を用いてインサート成形も可能で
あるし、タップをたてる等の後加工も可能である。本発
明の成形品は常温から200℃までの広い温度領域におい
て、線膨張係数が15ppm/℃以下と小さく、このことは
また金属との複合化を図る上でも好都合となる。
【0018】以上詳述したように、本発明の組成物から
なる成形品は、従来または本来、金属製の部品を使用し
ている部位に代替して用いることが可能となる。また本
発明の成形品の製造には、インジェクション成形という
量産性に適した加工方法を採用しうることも、工業的に
有利である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。先ず実施例に用いた構成各材料を説明する。
【0020】不飽和ポリエステル−1 以下の組成の原料を加熱エステル化した不飽和ポリエス
テル 2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル 6モル 1,4-ブタンジオール 9.8モル 1,4シクロヘキサンジメタノール 1モル フマル酸 4モル
【0021】上記でジオールのモル比が過剰になってい
るのは、蒸発による逸散の分をみているためである。最
終的に205℃まで昇温して合成されたポリマーの性状
は以下の通りである。
【0022】 酸価 3.5 数平均分子量 3,400 軟化点 128℃
【0023】不飽和ポリエステル−2 以下の組成の原料を加熱エステル化した不飽和ポリエス
テル 2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル 2モル エチレングリコール 10モル 1,4シクロヘキサンジメタノール 1モル テレフタル酸ジメチル 4モル フマル酸 4モル
【0024】上記でジオールのモル比が過剰になってい
るのは、蒸発による逸散の分をみているためである。最
終的に205℃まで昇温して合成されたポリマーの性状
は以下の通りである。
【0025】 酸価 4.5 数平均分子量 3,100 軟化点 135℃
【0026】飽和ポリエステル 以下の組成の原料を加熱エステル化した飽和ポリエステ
ル エチレングリコール 10.5モル テレフタル酸酸ジメチル 4モル イソフタル酸 2モル セバシン酸 4モル
【0027】合成されたポリマーの性状は以下の通りで
ある。 酸価 11.0 数平均分子量 11,800
【0028】アルミナ充填材 下記に示す2種の球状アルミナ(走査電子顕微鏡写真か
らは高度に球状化されていることが確認される)を50:
50(重量比)にブレンドしたものを使用した。 DAM-05 平均粒径 5ミクロン 電気化学株式会社
製 DAM-45 平均粒径 45ミクロン 電気化学株式会社
製 なお、両タイプともに主成分のアルミナ含有量は99.
9%以上である。
【0029】実施例1 万能混合ミキサーを用いて以下の粉体組成物をなるべく
均一になるよう混合した。
【0030】 不飽和ポリエステル-1 50重量部 テレフタル酸ジアリル 32重量部 飽和ポリエステル 18重量部 ジクミルパーオキサイド 2重量部 球状アルミナ 700重量部 1.5mmガラス繊維 50重量部 マイクロカプセル化赤燐(燐化学工業社) 10重量部 カーボンブラック 4重量部 ステアリン酸カルシウム 3重量部 シランカップリング剤 3重量部
【0031】次にこの粉体組成物をフィーダーから連続
ニーダーに定量的に供給し、70℃で紐状に押し出し
た。直ちに空冷後、平均3mm長さにカットしてペレット
状の成形用コンパウンドを得た。このコンパウンドは無
臭であり、常温で3ヶ月放置後も成形性、硬化体の物性
に変化がなく、保存安定性が良好であることが確かめら
れた。フェノール樹脂成形用の横型インジェクション成
形機を使用して、上記コンパウンドの成形テストを行な
った。成形機の温度条件としては入り口で40℃、スク
リュー先端部にいくにつれ高くなるようにし、ノズル先
端では90℃となるよう設定した。テストに用いた金型
はキャビティ容積約7cm3のものであり、金型温度は1
70℃に温度設定した。射出圧は70kg/cm2、射出時
間は2秒、硬化時間は1分とした。このコンパウンドは
JIS K-6911に準拠して硬化収縮率を測定すると、0収縮
であり、また熱可塑性樹脂に見られるような肉厚による
ひけの現象もないことから、成形品の寸法精度は極めて
良好であり、ほとんど金型どおりの精度が確保されるこ
とが分かった。50ショットの連続した成形を行なった
が、特に問題は認められなかった。なお、この成形後に
成形機内に材料が充満したまま、ヒーター電源を切り、
テストを終了した。翌日にヒーター電源を入れ、昇温後
に成形テストを再開したが、何らトラブルは起こらず、
成形安定性に優れていることが確認された。
【0032】この実施例1のコンパウンドを165℃で
プレス成形して所定の試験片を作製して物性値を測定し
た結果を下記に示す。
【0033】 試験項目 試験方法 データ 比重 JIS K-7112 2.91 曲げ強度 JIS K-6911 101MPa 曲げ弾性率 JIS K-6911 21GPa シャルピー衝撃値 JIS K-6911 6.5kg・cm/cm ガラス転移温度 280℃ 線膨張係数 12.0ppm/℃ 熱伝導率 レーザーフラッシュ法 3.1W/m・K
【0034】実施例2 実施例1の不飽和ポリエステル樹脂−1を不飽和ポリエ
ステル樹脂−2とし、アルミナ配合量を800重量部と
する以外は実施例1と同じ操作、処方によりコンパウン
ドを作成した。
【0035】このものを実施例1と同じインジェクショ
ン成形テストを行なったところ、同様の良好な成形性が
確認された。このコンパウンドを実施例1にならい、物
性値を測定したところ、以下のようなデータが得られ
た。
【0036】 試験項目 試験方法 データ 比重 JIS K-7112 2.93 曲げ強度 JIS K-6911 107MPa 曲げ弾性率 JIS K-6911 23GPa シャルピー衝撃値 JIS K-6911 6.0kg・cm/cm ガラス転移温度 300℃ 線膨張係数 11.5ppm/℃ 熱伝導率 レーザーフラッシュ法 3.2W/m・K
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック材料特有
の優れた成形性、量産性を有するとともに、従来の金属
製部品や無機材料製部品に代替しうる程の高熱伝導性を
示し、さらに硬化時の収縮が低減した組成物およびその
成形品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA22 AA28 AA33 AA44 AA49 AA53 AA77 AB18 AE17 AF44Y AF62Y AH13 BB03 BB05 4J002 BC032 BC042 BC052 BF022 BG062 BQ001 CF002 CF042 CK022 DE146 FD016 GQ00 4J027 AB02 AB05 AB14 BA22 CA02 CA03 CA05 CA06 CA14 CB04 CC02 CD01 CD06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)軟化点が90〜150℃の範囲にある不飽
    和ポリエステル; (B)前記不飽和ポリエステルと共重合可能なモノマー
    であるフタル酸ジアリル; (C)熱可塑性樹脂; (D)アルミナ充填材;および (E)有機過酸化物;を必須成分として含む高熱伝導性組
    成物であって、 前記(A)不飽和ポリエステル、(B)フタル酸ジアリル
    および(C)熱可塑性樹脂の総和に対する(A)不飽和ポ
    リエステルの割合が35〜80重量%であり、かつ(C)熱
    可塑性樹脂の割合が5〜25重量%であり、および前記組
    成物全体に対し、(D)アルミナ充填材の割合が60〜90
    重量%であることを特徴とする高熱伝導性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)不飽和ポリエステルを構成する二
    塩基酸のうち、30〜90モル%が飽和二塩基酸であって、
    かつ前記飽和二塩基酸が、ナフタレンジカルボン酸また
    はそのエステル、シクロヘキサンジカルボン酸またはそ
    のエステルおよびテレフタル酸またはそのエステルから
    なる群から選択された少なくとも一種であることを特徴
    とする請求項1に記載の高熱伝導性組成物。
  3. 【請求項3】 (D)アルミナ充填材のうち、少なくと
    も50重量%は本質的に球状の形態を示し、かつ前記球状
    の(D)アルミナ充填材が0.1〜100μmの範囲内の粒径
    分布を有する請求項1に記載の高熱伝導性組成物。
  4. 【請求項4】 (C)熱可塑性樹脂が飽和ポリエステル
    であり、かつ前記飽和ポリエステルを構成する二塩基酸
    としてドデカンジオン酸またはセバシン酸のいずれかを
    使用し、さらに前記飽和ポリエステルの数平均分子量が
    10,000以上であることを特徴とする請求項1に記
    載の高熱伝導性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の高熱伝導性組成物を、所望の形状に成形してなる成形
    品。
  6. 【請求項6】 成形品の熱伝導率が2.5W/m・K以上、か
    つ常温から200℃にわたる温度領域において、線膨張係
    数が15ppm/℃以下であることを特徴とする請求項5に
    記載の成形品。
  7. 【請求項7】 高熱伝導性組成物を、インジェクション
    成形により所望の形状に成形してなる請求項5に記載の
    成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の高熱伝導性組成物を、所望の形状に成形してなる金属
    製部品代替品。
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