JP2003251251A - 乾燥装置、乾燥方法及びこれらを用いた画像形成材料の製造方法 - Google Patents

乾燥装置、乾燥方法及びこれらを用いた画像形成材料の製造方法

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JP2003251251A
JP2003251251A JP2002055529A JP2002055529A JP2003251251A JP 2003251251 A JP2003251251 A JP 2003251251A JP 2002055529 A JP2002055529 A JP 2002055529A JP 2002055529 A JP2002055529 A JP 2002055529A JP 2003251251 A JP2003251251 A JP 2003251251A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー効率及び乾燥効率を上げるため乾
燥装置の塗膜を有する帯状支持体の搬入口と搬出口を狭
くしても、搬入口と搬出口に塗膜面及び裏面が接触する
ことなく、乾燥速度を上げ、幅広い塗膜を有する帯状支
持体の乾燥が可能な乾燥装置、乾燥方法及び画像形成材
料の製造方法の提供。 【解決手段】 連続搬送する帯状支持体上に塗布液を塗
布して塗膜を形成した後、該塗膜を有する帯状支持体を
搬送しながら乾燥する乾燥装置において、乾燥ゾーン
と、塗膜を有する帯状支持体を搬送可能にする保持手段
と、塗膜を有する帯状支持体に加熱空気を吹き付ける吹
き付け手段とを有し、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯
状支持体の両側を保持し、幅方向に10〜300N/m
の張力を掛けた状態で搬送するテンタが設けられている
ことを特徴とする乾燥装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成材料の製
造を行うための乾燥装置、乾燥方法及びそれらを用いた
画像形成材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感光材料や磁気記録材料等の画像形成材
料は、コータから溶剤系又は水系の塗布液を連続搬送す
る帯状支持体の上に塗布して塗膜面を形成し、その後、
塗膜を有する帯状支持体を乾燥装置で乾燥し製造されて
いる。この時、乾燥工程においては、塗布直後の塗膜面
は、乾燥初期における様々な故障(例えば柚肌状の面、
ちぢみ、より等)が発生しやすく、流動も起こしやすい
ため、乾燥温度、気流速度、搬送速度等に注意を払い行
われている。又、これらの塗膜面自体の変形による故障
とは別に、乾燥工程での塗布直後の塗膜面の接触は、塗
膜面が脆弱であるためわずかな接触でも製品にならなく
なる危険があるので注意を払う必要がある。特に注意を
払う箇所としては、乾燥装置内の温度を保つため、狭く
なっている乾燥装置の塗膜を有する帯状支持体の搬入口
と搬出口が挙げられる。
【0003】通常、塗膜を有する帯状支持体の乾燥方法
としては、加熱空気で行うエアーモード乾燥方式と加熱
不活性ガスで行うイナート乾燥方式が使用されている。
不活性ガスとは、チッソガス、アルゴンガス、ヘリウム
ガスなどをいう。これらの乾燥方式に使用する乾燥装置
は何れも乾燥ゾーン内を、支持体の搬送方向に等間隔に
ノズルを複数設けたドライヤより加熱風を吹き出して、
搬送する塗膜を有する帯状支持体上の塗膜面に吹き付け
て乾燥が行われている。
【0004】この際、温度は常温から120度程度の加
熱風を使用し、加熱風は塗膜を有する帯状支持体上の塗
膜面に対して、垂直にスリット又は穴から出た状態で吹
き付けられる場合と、搬送方向に沿って平行流として流
される場合と、搬送方向と逆に向流として流される場合
があり、その塗布液の性質や設備上の都合により選択さ
れている。
【0005】一般的に乾燥速度を早めても製品の性能上
に問題がない場合は、塗膜を有する帯状支持体に対して
垂直に加熱風を吹き付ける方式が選択されている。
【0006】近年、有機溶剤を含む塗布液を使用した画
像形成材料、例えば熱現像感光材料、アブレーション記
録材料等の製造が盛んに行われる様になってきた。有機
溶剤を含む塗布液を使用し塗布した塗膜を有する帯状支
持体の乾燥装置では、蒸発した溶剤の引火爆発等を防ぎ
安全性を確保するため特公昭55−36389号に記載
のように、乾燥ゾーンにチッソを充満させ、酸素濃度を
下げることにより、雰囲気中の溶剤濃度を爆発限界の下
限以上に安全に上昇させる、イナート乾燥方式の乾燥装
置が主に使用されている。
【0007】通常、乾燥ゾーンは乾燥効率を上げるた
め、乾燥室の搬入口と搬出口は狭くすることが好ましい
とされている。特に、イナート乾燥方式においては、特
開平11−132661号に記載のごとく、乾燥ゾーン
の酸素濃度を低く維持するため、乾燥装置の搬入口と搬
出口は狭くすることが好ましいとされている。しかし、
これらの対策は乾燥効率を上げ、酸素濃度を低く維持す
るためには効果はあるが、その反面、乾燥装置の搬入口
と搬出口で塗膜を有する帯状支持体上の塗膜面及び裏面
が接触する危険がある。このため、搬送速度を遅くした
り、乾燥風の風量を下げ、塗膜を有する帯状支持体のバ
タツキを少なくしたりする方法が採られているので、生
産効率が上がらない欠点を有している。この欠点はエア
ーモード乾燥方式の乾燥装置の場合にも該当することで
ある。
【0008】又、幅が1.5mを越えるような幅広の塗
膜を有する帯状支持体の場合は、撓みにより乾燥装置の
搬入口と搬出口で塗膜を有する帯状支持体の裏面が接触
してしまう危険があるため、搬入口と搬出口を高くし対
応している。一方、搬入口と搬出口を高くすることによ
る乾燥効率の低下は、乾燥温度を上げたり、乾燥時間を
長くしたり、乾燥風量を多くする等エネルギー効率が悪
くなる方法で対応している。
【0009】又、乾燥装置の搬送機構として、塗膜を有
する帯状支持体を水平に搬送するために、裏面から減圧
したガイドロールで保持して水平搬送する方式が特開2
000−117183に記載されているが、長手の張力
によっては、長手方向に弛みを生じてしまい、水平搬送
が十分とはいえない。
【0010】これらの状況から、エネルギー効率及び乾
燥効率を上げるため乾燥室の搬入口と搬出口を狭くして
も、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯状支持体の塗膜面
及び裏面が接触することなく、乾燥速度を上げ、幅広い
塗膜を有する帯状支持体の乾燥が可能な乾燥装置、乾燥
方法及び画像形成材料の製造方法の開発が望まれてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記状況に
鑑みなされたものであり、その目的はエネルギー効率及
び乾燥効率を上げるため乾燥装置の塗膜を有する帯状支
持体の搬入口と搬出口を狭くしても、搬入口と搬出口に
塗膜面及び裏面が接触することなく、乾燥速度を上げ、
幅広い塗膜を有する帯状支持体の乾燥が可能な乾燥装
置、乾燥方法及び画像形成材料の製造方法を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成された。
【0013】1)連続搬送する帯状支持体上に塗布液を
塗布して塗膜を形成した後、該塗膜を有する帯状支持体
を搬送しながら乾燥する乾燥装置において、乾燥ゾーン
と、塗膜を有する帯状支持体を搬送可能にする保持手段
と、塗膜を有する帯状支持体に加熱空気を吹き付ける吹
き付け手段とを有し、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯
状支持体の両側を保持し、幅方向に10〜300N/m
の張力を掛けた状態で搬送するテンタが設けられている
ことを特徴とする乾燥装置。
【0014】2)連続搬送する帯状支持体上に塗布液を
塗布して塗膜を形成した後、該塗膜を有する帯状支持体
を搬送しながら乾燥する乾燥装置において、不活性ガス
で充満された乾燥ゾーンと、塗膜を有する帯状支持体を
搬送可能にする保持手段と、塗膜を有する帯状支持体に
加熱不活性ガスを吹き付ける吹き付け手段と、搬入口と
搬出口に乾燥ゾーンの内部を低酸素状態に維持するシー
ル手段とを有し、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯状支
持体の両側を保持し、幅方向に10〜300N/mの張
力を掛けた状態で搬送するテンタが設けられていること
を特徴とする乾燥装置。
【0015】3)前記乾燥ゾーンは、塗膜を有する帯状
支持体の両側を保持し、搬送するガイドロールを有して
いることを特徴とする1)又は2)に記載の乾燥装置。
【0016】4)前記乾燥ゾーンは、塗膜を有する帯状
支持体の両側を保持し、搬送するテンタを有しているこ
とを特徴とする1)又は2)に記載の乾燥装置。
【0017】5)前記吹き付け手段は、塗膜を有する帯
状支持体の塗膜面との距離が100〜400mmで、速
度が0.1〜7.0m/secの塗膜面へ吹き付ける気
流の吹き出し口を有する吹き付け装置であることを特徴
とする1)〜4)の何れか1項に記載の乾燥装置。
【0018】6)前記塗膜を有する帯状支持体は、乾燥
装置の搬入口と搬出口で、水平を維持し搬送されている
ことを特徴とする1)〜5)の何れか1項に記載の乾燥
装置。
【0019】7)前記シール手段は、不活性ガスを塗膜
を有する帯状支持体の塗膜面側と裏面側に吹き付ける装
置であることを特徴とする2)に記載の乾燥装置。
【0020】8)前記塗膜を有する帯状支持体の残留溶
媒を調整する調整装置を乾燥装置の後に有することを特
徴とする1)〜7)の何れか1項に記載の乾燥装置。
【0021】9)前記塗布液は、最も多い質量%の溶媒
が水より低沸点の溶剤であることを特徴とする1)〜
8)の何れか1項に記載の乾燥装置。
【0022】10)1)〜9)の何れか1項に記載の乾
燥装置を用いて乾燥することを特徴とする乾燥方法。
【0023】11)1)〜9)の何れか1項に記載の乾
燥装置を用いて画像形成材料を製造することを特徴とす
る画像形成材料の製造方法。
【0024】12)10)に記載の乾燥方法を用いて画
像形成材料を製造することを特徴とする画像形成材料の
製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係わる実施の形態を図1
〜図4を参照し説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0026】図1は保持手段を搬入口と搬出口とに配設
した乾燥装置を用い、塗布から乾燥までを示す概略図で
ある。図1の(a)は塗膜を有する帯状支持体を加熱空
気により乾燥するエアーモード乾燥方式の乾燥装置(以
下、エアーモード乾燥装置ともいう)を用いた場合の塗
布から乾燥までを示す概略図である。図1の(b)は塗
膜を有する帯状支持体を加熱不活性ガスにより乾燥する
イナート乾燥方式の乾燥装置(以下、イナート乾燥装置
ともいう)を用いた場合の塗布から乾燥までを示す概略
図である。
【0027】図1の(a)に示されるエアーモード乾燥
装置を用いた塗膜を有する帯状支持体の乾燥方法につき
説明する。図中、1はバックロール2で塗布位置が保持
され、連続搬送する帯状支持体3に塗布液を塗布するコ
ータを示す。4a〜4cは塗膜を有する帯状支持体3a
を搬送する搬送ロールを示す。5は塗膜を有する帯状支
持体3aを乾燥するエアーモード乾燥装置を示す。6は
塗膜を有する帯状支持体3aに加熱風の吹き付け手段で
ある吹き付け装置を示す。7はエアーモード乾燥装置5
の搬入口502と搬出口503に設けられた保持手段で
あるテンタを示す。本図ではテンタ7を搬入口502と
搬出口503に別々に設けた場合を示しているが、どち
らか一方のテンタ7を搬入口502から搬出口503ま
で延長して設けてもかまわない。
【0028】501はエアーモード乾燥装置5の外壁を
示す。601は吹き付け装置6の外壁を示し、602は
温風取り入れ口を示し、603は塗膜を有する帯状支持
体3aの塗膜面に加熱空気を吹き付ける吹き出し口を示
す。吹き出し口603の角度は特に限定はなく、例えば
塗膜を有する帯状支持体3aの塗膜面に対して、垂直に
吹き出しても良いし、搬送方向に沿って平行となるよう
に吹き出しても良いし、搬送方向と逆に向流として吹き
出しても良い。吹き出し口603の角度は使用した塗布
液の性質や設備上の都合により選択することが可能であ
る。本図では塗布済み帯状支持体上の塗膜面に対して、
垂直に吹き出す場合を示している。
【0029】吹き出し口603から吹き出す加熱空気の
速度は0.1〜7.0m/secが好ましい。0.1m
/sec未満では、塗布液の種類、塗膜面の厚さによっ
ては乾燥不良となる場合がある。7.0m/secを越
えた場合は、塗布液の種類、塗膜面の厚さによっては乾
燥初期に塗膜面が流動したり、塗膜を有する帯状支持体
がバタついて塗膜面の平滑性がなくなる危険がある。
【0030】加熱空気の温度は、使用する塗布液の種
類、塗膜面の厚さ、帯状支持体3の種類により適宜決め
ることが可能であり、例えば帯状支持体のガラス転位点
より高い場合は帯状支持体が変形する危険があるため好
ましくない。
【0031】搬入口502と搬出口503の間を乾燥ゾ
ーンといい、乾燥ゾーンの長さは塗膜を有する帯状支持
体3aの種類により適宜決めることが可能である。搬入
口502と搬出口503の高さは5〜100mmが好ま
しい。5mm未満の場合は、塗膜を有する帯状支持体3
aの種類と乾燥条件によっては、塗膜を有する帯状支持
体3aが搬入口と搬出口に接触する危険がある。100
mmを越えた場合は、搬入口部付近と搬出口部付近の温
度が外部への放熱に伴い不均一になり、塗膜面の種類、
厚さによっては、乾燥ムラが生じる場合がある。
【0032】8はガイドロールを示し、搬入口502と
搬出口503に設けたテンタ7の間に配設され、塗膜を
有する帯状支持体3aの両端部の未塗布部分3a2、3
a3(図3を参照)を保持する様になっている。
【0033】9は塗膜を有する帯状支持体3aの残留溶
剤量が仕上がった製品の機能に影響を与える場合、塗膜
を有する帯状支持体3aの残留溶媒量を調整する調整装
置を示す。調整装置9はエアーモード乾燥装置5と離し
ても良いし、連続して設けても良い。本図では離した場
合を示している。
【0034】901は調整装置の外壁を示し、902は
塗膜を有する帯状支持体3aの搬入口を示し、903は
搬出口を示す。904は温風の入り口を示し、905は
温風の出口を示す。温風の温度及び風量は調整を必要と
する塗膜を有する帯状支持体3aの残留溶媒量により決
めることが可能である。搬入口902から搬出口905
を調整ゾーンといい、調整ゾーンの長さは調整を必要と
する塗膜を有する帯状支持体3aの残留溶媒量により決
めることが可能である。
【0035】調整装置9は、乾燥後の塗膜を有する帯状
支持体3aの残留溶媒量(残留水分量)をエアーモード
乾燥装置5のみで調整するのが困難の場合にのみ使用し
ても良く、また、予め、調整装置9を使用して、塗膜を
有する帯状支持体3aの残留溶媒量(残留水分量)を調
整するようにエアーモード乾燥装置5の乾燥条件を設定
してもかまわない。
【0036】本図では調整装置9の調整ゾーンの塗膜を
有する帯状支持体3aの搬送は、塗膜面を折り返しなが
ら複数の搬送ロール4b、4cにより行う方式を示して
いるが、エアーフロート方式で塗膜面を浮上させて搬送
してもよい。
【0037】図1の(b)に示される本発明の保持手段
を配設したイナート乾燥装置を用いた乾燥方法につき説
明する。10は塗膜を有する帯状支持体3aを乾燥する
イナート乾燥装置を示す。11は塗膜を有する帯状支持
体3aに加熱された不活性ガス風の吹き付け手段である
吹き付け装置を示す。12はイナート乾燥装置10の搬
入口10aと搬出口10bに設けられた保持手段である
テンタを示す。尚、テンタ12はエアーモード乾燥装置
5のテンタ7と同じである。本図では搬入口10aと搬
出口10bにテンタ12を別々に設けてあるが、どちら
か一方のテンタ12を搬入口10aから搬出口10bま
で延長して設けてもかまわない。
【0038】10cはイナート乾燥装置10の外壁を示
す。11aは吹き付け装置11の外壁を示し、11bは
加熱不活性ガスの取り入れ口を示し、11cは塗膜を有
する帯状支持体3aの塗膜面に加熱不活性ガスを吹き付
ける吹き出し口を示す。吹き出し口11cの角度はエア
ーモード乾燥装置5の吹き出し口603の角度と同じで
ある。本図では塗膜を有する帯状支持体3aの塗膜面に
対して、垂直に吹き出す場合を示している。
【0039】吹き出し口11cから吹き出す加熱不活性
ガスの速度はエアーモード乾燥装置5の加熱空気の吹き
出し速度と同じである。加熱不活性ガスの温度は、使用
する塗布液の種類、塗膜面の厚さ、帯状支持体の種類に
より適宜決めることが可能であり、例えば帯状支持体の
ガラス転位点より高い場合は支持体が変形する危険があ
るため好ましくない。
【0040】搬入口10aと搬出口10bの間を乾燥ゾ
ーンといい、乾燥ゾーンの長さは塗膜を有する帯状支持
体3aの種類により適宜決めることが可能である。搬入
口10aと搬出口10bの高さは5〜100mmが好ま
しい。5mm未満の場合は、塗膜を有する帯状支持体3
aの種類と乾燥条件によっては、塗膜を有する帯状支持
体3aが搬入口と搬出口に接触する危険がある。100
mmを越えた場合は、乾燥ゾーンの酸素濃度を低く保つ
ことが困難になる場合がある。
【0041】13はガイドロールを示し、搬入口10a
と搬出口10bに設けた保持手段12の間に配設され、
塗膜を有する帯状支持体3aの両端部の未塗布部分3a
2、3a3(図3を参照)を保持する様になっている。
【0042】14a、14bはイナート乾燥装置内の酸
素濃度を低く保つために搬入口10aと搬出口10bに
それぞれ設けたシール装置を示す。各シール装置14
a、14bは塗膜を有する帯状支持体3aの塗膜面と裏
面に相対して設置され、温調された不活性ガスの吹き出
し場所(不図示)を設けている。吹き出し場所(不図
示)は塗膜面幅手方向に設け、スリットまたはパンチ
板、あるいはメッシュ等から幅手に均一に不活性ガスを
吹き出す様になっている。また不活性ガスの吹き出し速
度を調整できるように、バルブ等で不活性ガスの流量を
調整することが可能となっており、温調は不活性ガスを
蒸気、冷水、電気等の熱交換器を通過させることにより
行う。また不活性ガスの異物を除塵するために、フィル
タを通すことが好ましい。その他の符号は図1の(a)
と同義である。
【0043】イナート乾燥装置10の場合、調整装置9
はイナート乾燥装置10の内部の酸素濃度を低く保つた
めに離して設けることが好ましい。イナート乾燥装置1
0と分離して調整装置9を配設する場合、イナート乾燥
装置10と調整装置9の間には、ドライブロールやウェ
ブガイドシステムを設けることも可能である。
【0044】図1の(a)のテンタ7と、図1の(b)
のテンタ12は、塗膜を有する帯状支持体3aの両端か
ら幅方向に張力を掛けながら塗膜を有する帯状支持体3
aを搬入口と搬出口に対して水平に搬送することが可能
となっていればテンタの種類には特に限定はない。尚、
テンタについては図2で説明する。
【0045】塗膜を有する帯状支持体3aの両側から幅
方向に掛ける張力は10〜300N/mである。10N
/m未満の場合、乾燥条件によっては、塗膜を有する帯
状支持体3aが撓み、塗膜面及び裏面が、乾燥装置の搬
入口及び搬出口に接触し傷がつくので好ましくない。3
00N/mを越えた場合は、塗膜を有する帯状支持体3
aの種類によっては帯状支持体が伸びた状態で乾燥され
てしまい、その後の現像処理で支持体が変形するため好
ましくない。
【0046】図1の(a)で示されるエアモード乾燥方
式の乾燥装置及び図1の(b)で示されるイナート乾燥
方式の乾燥装置の乾燥ゾーンは何れも一つの場合を示し
ているが、複数の乾燥ゾーンに区切ることも可能であ
る。複数の乾燥ゾーンにすることにより各ゾーンの乾燥
条件を選択的に変更することができ、幅広い乾燥条件が
採れる様になり、各種の塗膜を有する帯状支持体の対応
も容易になる。各ゾーンの乾燥条件としては、乾燥温
度、吹きつける気流の速度、加熱風の吹き出し口と塗膜
面の距離、加熱風の循環量、内部の溶剤濃度などを考慮
して決められる。
【0047】乾燥ゾーンで蒸発した溶剤は、加熱風と共
に回収装置(不図示)へ導入され回収される。又、加熱
風が不活性ガスの場合は再度加熱され循環して乾燥に使
用することが好ましい。乾燥装置は乾燥温度を安定に保
ち、乾燥効率を上げるため乾燥装置の外壁は断熱パネル
等で覆われていることが好ましい。
【0048】コータから乾燥装置の搬入口までは、塗膜
面が未乾燥であり、塗膜面に付着した異物は塗膜面に接
着してしまい故障の原因の一つにもなることから周辺の
クリーン度は高く保つ必要がある。乾燥装置内のクリー
ン度は製造する製品の性格にもよるが、クラス1000
以下、好ましくはクラス100以下とすることが好まし
い。
【0049】図2は図1に示される保持手段としてのテ
ンタの拡大概略図である。図2の(a)はテンタの拡大
概略平面図である。図2の(b)は挟み押えるタイプの
クリップにより塗膜を有する帯状支持体の端部を保持し
た状態を示す模式図である。図2の(c)は差し込むタ
イプのピン型クリップにより塗膜を有する帯状支持体の
端部を保持した状態を示す模式図である。本図ではテン
タを説明するため乾燥装置は省略してある。
【0050】図中、701はエンドレスのループ状のチ
ェーン702に取り付けられているクリップを示す。7
03はレールを示し、チェーン702はレール703に
沿ってスプロケット704dにより駆動されるようにな
っている。これと全く同じ物が塗膜を有する帯状支持体
3aの両端の各未塗布部3a2、3a3を保持するため
に反対側に設けられている。3a1は塗膜面を示す。
【0051】Yはテンタの幅を示す。Aはテンタの入り
口を示し、Bはテンタ出口を示す。テンタの入り口A
で、塗膜を有する帯状支持体3aの両端の各未塗布部3
a2、3a3をクリップ701で保持し、テンタの出口
Bでクリップ701から外す機構となっている。テンタ
の幅Yは可変であり、使用する支持体幅に合わせて随時
調整することが可能である。例えばテンタ入り口Aから
テンタ出口Bに段階的に広げることも、一定であること
も、広げて途中から固定にすること等必要とする幅に設
定が可能である。
【0052】701aは、塗膜を有する帯状支持体3a
の両端の各未塗布部3a2、3a3を挟み押えるタイプ
のクリップを示す。701a1はレバーを示し、701
a2はシュウを示し、701a3は固定台を示す。シュ
ウ701a2と固定台701a3の間に塗膜を有する帯
状支持体3aの未塗布部を保持するようになっている。
本図では未塗布部3a2を保持した状態を示す。
【0053】701bは、基台701b1に取り付けら
れた複数のピン701b2に塗膜を有する帯状支持体3
aの両端の各未塗布部を差し込み保持するタイプのクリ
ップを示す。本図では未塗布部3a2を保持した状態を
示す。
【0054】図2の(a)、図2の(b)に示されるク
リップは必要に応じて選択することが可能である。
【0055】テンタにより塗膜を有する帯状支持体を幅
方向に張力を掛け、搬入口及び搬出口に対して水平に保
持し搬送することが可能となる。図1で示されるエアー
モード乾燥装置及びイナート乾燥装置の搬入口及び搬出
口にテンタを配設することで、搬入口及び搬出口での塗
膜を有する帯状支持体の水平が保持され、塗膜を有する
帯状支持体の塗膜面及び裏面が搬入口及び搬出口に接触
する危険がなくなった。水平に保つことが可能となった
ことで、幅が広い支持体、例えば幅が1.5mの支持体
でも使用が可能となった。又、乾燥装置の搬入口及び搬
出口の高さを塗膜を有する帯状支持が接触しない範囲で
狭くすることが可能となった。これにより、エアーモー
ド乾燥装置の場合は、搬入口部付近及び搬出口部付近に
おける外部への放熱が減少し、乾燥ゾーンの温度を均一
に保ち、搬送速度も上げることが可能となり、品質を保
持し、且つ乾燥効率を上げることが可能となった。イナ
ート乾燥装置の場合は、エアーモード乾燥装置の場合の
効果に加えて、乾燥装置内の酸素濃度を低くすることが
可能となり、乾燥効率を上げると共に静電気等による火
災の危険が減少した。
【0056】又、搬入口及び搬出口に別々に保持手段を
設ける場合、各保持手段の搬送速度を変えることが出来
る様にしておくことが好ましい。例えば出口側に設けた
保持手段の搬送速度を入り口側より速めることで、搬送
方向に張力が掛かり、乾燥ゾーンにおける塗膜を有する
帯状支持体の平面性を保持することが可能となり、乾燥
風による塗膜を有する帯状支持体のバタつきに伴う故
障、撓みによる塗膜を有する帯状支持体の裏面の擦れを
防止することが可能となる。
【0057】本発明に使用するテンタとしては特に限定
はなく、例えば特開平11−077719号、同11−
090943号、同7−112446号に記載されてい
るピンテンタ、クリップテンタでも良い。幅方向と搬送
方向の張力を個別に調整できるテンタとしてBRUCK
NER社製のLISIMを使用することもできる。
【0058】図3はガイドロールで塗膜を有する帯状支
持体を保持している状態を示す概略平面図である。
【0059】乾燥装置の搬入口と搬出口に配設されたテ
ンタ7、12(図1を参照)の間に配設された、塗膜を
有する帯状支持体3aの両端の各未塗布部分3a2、3
a3のみを保持するガイドロール8、13(図1を参
照)により、支持体の塗膜面3a1に相当する裏面には
ガイドロールが接触しないため、裏面からのガイドロー
ルによる接触伝熱の影響がなくなるため、乾燥ムラが大
幅に減少した。
【0060】又、ガイドロールの前後は図2に示すテン
タで塗膜を有する帯状支持体3aの両端の各未塗布部分
3a2、3a3が保持されているため平面性が保たれ、
乾燥風によるバタつきも減少し、バタつきによる平滑性
が失われることが無くなるため、吹き付け装置6、11
(図1を参照)からの加熱風の条件設定(速度、温度、
量等)が幅広く取れる様になった。
【0061】図4は図1の(a)のXで示される部分の
拡大概略図である。図中、Hは塗膜面3a1へ加熱空気
を吹き付ける吹き出し口603と塗膜面3a1との距離
を示す。距離Hは100〜400mmが好ましい。10
0mm未満の場合は、塗膜面の種類によっては塗膜面へ
当たる加熱空気の流れにより塗膜面にムラが発生する場
合がある。400mmを越えた場合は、塗膜面の種類に
よっては乾燥ムラが発生する場合がある。又、本図では
示されていない、図1の(b)で示される塗膜面に加熱
不活性ガスを吹き付ける吹き出し口11cの塗膜面3a
1との距離も、吹き出し口603の場合と同じである。
【0062】本発明に係わる塗布液としては特に限定は
なく、水系又は溶剤を含む塗布液であっても良いが、好
ましい塗布液としては、水より低沸点の有機溶剤を使用
した塗布液であり、例えば写真感光材料、熱現像記録材
料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体等の画像形
成材料の塗布液(下引き液、上塗り液、裏面層液等も含
む)が挙げられる。
【0063】塗布液に使用する水より低沸点の溶剤とし
ては、例えばメタノール、エタノール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、テトラハイドロフラン、
アセトニトリル等が挙げられる。特に好ましい有機溶剤
としては、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン
が挙げられる。
【0064】本発明に使用する塗布方法としては特に限
定はなく、例えばディップコート法、ブレードコート
法、エアーナイフコート法、ワイヤーブロックコート
法、グラビアコート法、リブロックスコート法、リブロ
ックスロールコート法、エクストルージョンコート法、
スライドコート法、カーテンコート法、およびバックア
ップロール等で保持していない支持体へのエクストルー
ジョンコート法等が挙げられる。
【0065】本発明で用いられる支持体は特に限定はな
く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテ
ート、ポリエチレンナフタレートが挙げられる。支持体
の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70
〜180μmである。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】実施例1 下記記載の感光層塗布液及び保護層塗布液を、感光層塗
布液の湿潤膜厚を90μm、保護層塗布液の湿潤膜厚を
30μmとなるようにして、市販の2軸延伸熱固定済み
の厚さ175μm、幅1.5mのバックロールで保持し
たポリエチレンテレフタレートフィルム上に重層ダイコ
ーターにより、塗布速度50m/minにて10,00
0m塗布し、図1の(b)に示すイナート乾燥装置を用
い、搬入口と搬出口のテンタの張力を表1に示すように
変化させて乾燥を行い、試料101〜107を作製し
た。
【0068】尚、乾燥条件は、不活性ガスとしてチッソ
ガスを使用し、チッソガスの温度は70℃、吹き出し口
と塗膜面との距離は200mm、吹き出し口からのチッ
ソガスの吹き出し速度は7m/秒、イナート乾燥装置内
の酸素濃度は2%、シール装置からは塗膜を有する支持
体の塗膜面と裏面に吹き付けるチッソガスの温度25℃
とした。又、イナート乾燥装置の搬入口と搬出口のテン
タは図2の(b)に示される方式のクリップを使用した
テンタを用い、搬入口と搬出口の高さは10mmとし、
乾燥ゾーンに使用するガイドロールは図3に示すガイド
ロールを使用した。
【0069】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水40L中
にイナートゼラチン1.3kg及び0.1M臭化カリウ
ム160mlを溶解して温度35℃、pHを3.0に合
わせた後、硝酸銀4.5kgを含む水溶液39Lと、
(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム、
〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6
モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-4
ルとを含む水溶液39Lを、pAg7.7に保ちながら
コントロールドダブルジェット法で添加した。その後4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデンを添加し、NaOHでpHを5に調整して平
均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8
%、(100)面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得
た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ、
脱塩処理後フェノキシエタノール4.2gを加え、pH
5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を
得た。
【0070】次に、このハロゲン化銀乳剤に銀1モル当
たり3×10-2モルのチオ硫酸ナトリウムを加え、55
℃にて60分間反応させて化学増感を施した。その後、
ハロゲン化銀乳剤の温度を室温に降温させてから、後記
するカブリ防止剤等を加え、塩化金酸及び無機硫黄で化
学増感を行い、ハロゲン化銀乳剤Aを調製した。
【0071】(ベヘン酸Na溶液の調製)40Lの純水
にベヘン酸1.4kg、アラキジン酸0.42kg、ス
テアリン酸0.25kgを90℃で溶解した。次いで高
速で攪拌しながら、1.5Mの水酸化ナトリウム溶液
4.1Lを添加した。次に濃硝酸39Lを加えた後、5
5℃に冷却して30分攪拌してベヘン酸Na溶液を得
た。
【0072】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレ
フォーム乳剤の調製)上記ベヘン酸Na溶液に前記ハロ
ゲン化銀乳剤Aを640g添加し、水酸化ナトリウム溶
液でpH8.1に調整した後に、1Mの硝酸銀溶液6.
2Lを加え、20分攪拌し、限外濾過により水溶性塩類
を除去した。得られたベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.
8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロッ
クを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去
を行った後、乾燥させた。
【0073】(感光層塗布液の調製)上記で得られたプ
レフォーム乳剤に、ポリビニルブチラール(平均分子量
3000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)2
3kgとトルエン4.5kgを、徐々に添加して混合し
た後に、4000psiで分散させた。
【0074】この分散物を用いて以下の組成の感光層塗
布液を調製した。 メチルエチルケトン 70質量% 感光性乳剤分散物 22.8質量% 増感色素−1 0.16質量% ピリジニウムプロミドペルブロミド 0.29質量% 臭化カルシウム 0.16質量% カブリ防止剤−1 0.11質量% 2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸 0.87質量% 2−メルカプトベンズイミダゾール 1.05質量% トリブロモメチルスルホキノリン 1.62質量% A−1 2.82質量%
【0075】
【化1】
【0076】〈保護層塗布液の調製〉以下の組成の保護
層塗布液を調製した。
【0077】 メチルエチルケトン 82.7質量% 酢酸セルロース 4.61質量% メタノール 11.0質量% フタラジン 0.50質量% 4−メチルフタル酸 0.36質量% テトラクロロフタル酸 0.30質量% テトラクロロフタル酸無水物 0.34質量% 単分散シリカマット剤(単分散度10%、平均粒子サイズ4μm) 0.14質量% C817−C64−SO3Na 0.020質量% 評価 得られた各試料101〜107につき、光学濃度1.5
になるように均一に露光した後、熱現像し、シャーカス
テン上にて透過光でスリキズ及び塗膜面の乾燥ムラの発
生状況を目視により観察評価し、結果を表1に示す。
【0078】スリキズの評価はスリキズが殆ど無しを○
とし、実用上問題のあるスリキズがある場合を×とし
た。又、乾燥ムラの評価は乾燥ムラが殆ど無しを○と
し、実用上問題のある乾燥ムラがある場合を×とした。
【0079】
【表1】
【0080】尚、試料107は、スリキズ、乾燥ムラは
検出されなかったが、支持体が伸びてしまい製品となら
なかった。
【0081】実施例2 下記記載の塗布液を使用し、湿潤膜厚を40μmとなる
ようにして、市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ175μ
m、幅1.5mのバックロールで保持したポリエチレン
テレフタレートフィルム上に単層ダイコーターにより、
塗布速度50m/minにて10,000m塗布し、
図1の(a)に示すエアーモード乾燥装置を用い、搬入
口と搬出口のテンタの張力を表2に示すように変化させ
て乾燥を行い、試料201〜207を作製した。
【0082】尚、乾燥条件としては、温度75℃、露点
温度100℃の空気を使用した。吹き出し口と塗膜面と
の距離は100mm、吹き出し口からの加熱空気の吹き
出し速度は7m/秒とした。エアーモード乾燥装置の搬
入口と搬出口のテンタは図2の(b)に示される方式の
クリップを使用したテンタを用い、搬入口と搬出口の高
さは20mmとし、乾燥ゾーンに使用するガイドロール
は図3に示すガイドロールを使用した。
【0083】(塗布液の調製)メチルエチルケトン(M
EK)800gにCAB381・20(イーストマンケ
ミカル社製、セルロースアセテートブチレート)を撹拌
しつつ、120gを4回に分けて添加し、その後溶解す
るまでおよそ1時間撹拌をおこなった。この液に赤外染
料1を0.5g、KH40(旭硝子社製、非イオン型フ
ッ素系界面活性剤)0.8g、EF・105(トーケム
プロダクツ社製、アニオン型フッ素系活性剤)0.4g
を添加して更に撹拌を0.5時間行った。この液にあら
かじめ、MEK90gにディゾルバー型撹拌機にて30
分8000rpmで撹拌しておいたサイリシア440
(富士シリシア社製、コロイダルシリカ)1.4gを添
加した。更に塗布直前に硬膜剤として、Desmodu
rN3300(モーベイ社製、脂肪族イソシアネート)
10%のMEK溶液180gを添加し、塗布液を作製し
た。
【0084】評価 得られた各試料201〜207につき、各試料の後端よ
り100mを切り出し、塗布表面に光を当てスリキズ及
び塗膜面の乾燥ムラの発生状況を目視により観察評価
し、結果を表2に示す。
【0085】スリキズの評価はスリキズが殆ど無しを○
とし、実用上問題のあるスリキズがある場合を×とし
た。又、乾燥ムラの評価は乾燥ムラが殆ど無しを○と
し、実用上問題のある乾燥ムラがある場合を×とした。
【0086】
【表2】
【0087】尚、試料207は、スリキズ、乾燥ムラは
検出されなかったが、支持体が伸びてしまい製品となら
なかった。
【0088】
【発明の効果】エネルギー効率及び乾燥効率を上げるた
め乾燥装置の塗膜を有する帯状支持体の搬入口と搬出口
を狭くしても、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯状支持
体の塗膜面及び裏面が接触することなく、乾燥速度を上
げ、幅広い塗膜を有する帯状支持体の乾燥が可能な乾燥
装置、乾燥方法及び画像形成材料の製造方法を提供する
ことができ、生産効率の向上と品質安定化が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】保持手段を搬入口と搬出口とに配設した乾燥装
置を用い、塗布から乾燥までを示す概略図である。
【図2】図1に示される保持手段としてのテンタの拡大
概略図である。
【図3】ガイドロールで塗膜を有する帯状支持体を保持
している状態を示す概略平面図である。
【図4】図1の(a)のXで示される部分の拡大概略図
である。
【符号の説明】
1 コータ 2 バックロール 3 帯状支持体 3a 塗膜を有する帯状支持体 3a1 塗膜面 3a2、3a3 未塗布部分 5 エアーモード乾燥装置 502、10a 搬入口 503、10b 搬出口 6、11 吹き付け装置 603、11c 吹き出し口 7、12 テンタ 701 クリップ 8、13 ガイドロール 9 調整装置 10 イナート乾燥装置 14a、14b シール装置 Y 幅 H 距離

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続搬送する帯状支持体上に塗布液を塗
    布して塗膜を形成した後、該塗膜を有する帯状支持体を
    搬送しながら乾燥する乾燥装置において、乾燥ゾーン
    と、塗膜を有する帯状支持体を搬送可能にする保持手段
    と、塗膜を有する帯状支持体に加熱空気を吹き付ける吹
    き付け手段とを有し、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯
    状支持体の両側を保持し、幅方向に10〜300N/m
    の張力を掛けた状態で搬送するテンタが設けられている
    ことを特徴とする乾燥装置。
  2. 【請求項2】 連続搬送する帯状支持体上に塗布液を塗
    布して塗膜を形成した後、該塗膜を有する帯状支持体を
    搬送しながら乾燥する乾燥装置において、不活性ガスで
    充満された乾燥ゾーンと、塗膜を有する帯状支持体を搬
    送可能にする保持手段と、塗膜を有する帯状支持体に加
    熱不活性ガスを吹き付ける吹き付け手段と、搬入口と搬
    出口に乾燥ゾーンの内部を低酸素状態に維持するシール
    手段とを有し、搬入口と搬出口に塗膜を有する帯状支持
    体の両側を保持し、幅方向に10〜300N/mの張力
    を掛けた状態で搬送するテンタが設けられていることを
    特徴とする乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記乾燥ゾーンは、塗膜を有する帯状支
    持体の両側を保持し、搬送するガイドロールを有してい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
  4. 【請求項4】 前記乾燥ゾーンは、塗膜を有する帯状支
    持体の両側を保持し、搬送するテンタを有していること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
  5. 【請求項5】 前記吹き付け手段は、塗膜を有する帯状
    支持体の塗膜面との距離が100〜400mmで、速度
    が0.1〜7.0m/secの塗膜面へ吹き付ける気流
    の吹き出し口を有する吹き付け装置であることを特徴と
    する請求項1〜4の何れか1項に記載の乾燥装置。
  6. 【請求項6】 前記塗膜を有する帯状支持体は、乾燥装
    置の搬入口と搬出口で、水平を維持し搬送されているこ
    とを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の乾燥
    装置。
  7. 【請求項7】 前記シール手段は、不活性ガスを塗膜を
    有する帯状支持体の塗膜面側と裏面側に吹き付ける装置
    であることを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
  8. 【請求項8】 前記塗膜を有する帯状支持体の残留溶媒
    を調整する調整装置を乾燥装置の後に有することを特徴
    とする請求項1〜7の何れか1項に記載の乾燥装置。
  9. 【請求項9】 前記塗布液は、最も多い質量%の溶媒が
    水より低沸点の溶剤であることを特徴とする請求項1〜
    8の何れか1項に記載の乾燥装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項に記載の乾
    燥装置を用いて乾燥することを特徴とする乾燥方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9の何れか1項に記載の乾
    燥装置を用いて画像形成材料を製造することを特徴とす
    る画像形成材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の乾燥方法を用いて
    画像形成材料を製造することを特徴とする画像形成材料
    の製造方法。
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