JP2003243027A - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

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JP2003243027A
JP2003243027A JP2002044717A JP2002044717A JP2003243027A JP 2003243027 A JP2003243027 A JP 2003243027A JP 2002044717 A JP2002044717 A JP 2002044717A JP 2002044717 A JP2002044717 A JP 2002044717A JP 2003243027 A JP2003243027 A JP 2003243027A
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Masamichi Onuki
正道 大貫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量かつ自己放電特性に優れた二次電池を
得ることのできる非水系電解液を提供する。 【解決手段】 リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解され
てなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記
一般式(1)で表されるシクロヘキサン系エステル化合
物を含有する非水系電解液。 (式中、X1及びX2はそれぞれ水素原子、炭化水素基又
はエステル基を表し、X 1及びX2の少なくとも一方はエ
ステル基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解液及び
それを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池はエネルギー密度が高
く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。
そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民
生用モバイル機器用の電源として広く利用されている。
リチウム二次電池用の電解液は支持電解質であるリチウ
ム塩と非水系の有機溶媒とから構成される。非水系の有
機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を
有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現さ
せること、電池中で安定であることが要求される。これ
らの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、
通常はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート
等に代表される高沸点溶媒とジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて使
用している。
【0003】また、初期容量、レート特性、サイクル特
性、高温保存特性、低温特性、トリクル充電特性、自己
放電特性等を改良するために種々の添加剤を電解液に添
加する方法が数多く報告されてきた。例えば特開平11
−162512号公報では、2,2−ジフェニルプロパ
ン等を添加することによって過充電防止特性が向上する
ことが開示され、また特開2001−15154号公報
では、ジフェニルメタン等を添加することによって高温
保存特性が向上することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年高
性能化への要求はますます高くなってきている。特に自
己放電特性については、ニッケル水素電池等に対する利
点の一つであるので、さらなる特性向上が望まれてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に
特定の化合物を含有させることによって、高容量を維持
しつつ自己放電特性が大幅に改善されることを見出し
て、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、
リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電
解液であって、該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で
表されるシクロヘキサン系エステル化合物を含有するこ
とを特徴とする非水系電解液、に存する。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、X1及びX2はそれぞれ水素原子、
炭化水素基又はエステル基を表し、X 1及びX2の少なく
とも一方はエステル基である) また、本発明の他の要旨は、上記非水系電解液を用いた
ことを特徴とするリチウム二次電池、に存する。上記の
シクロヘキサン系エステル化合物を含有した電解液を用
いると、自己放電が起こりにくくなる。上記のシクロヘ
キサン系エステル化合物を含有した電解液が自己放電特
性の向上をもたらす要因の詳細は不明であるが、それが
充電の初期に還元されて負極に安定なSEI(界面保護
被膜)を形成することに起因しているものと考えられ
る。自己放電の発現については、負極でリチウムとカー
ボネート類等の非水系溶媒との反応が進行し、還元され
た溶媒種が正極に移動して活物質を還元するというメカ
ニズムが考えられる。負極上に安定なSEIが形成され
てリチウムと非水系溶媒との反応が阻害されるために自
己放電が起こりにくくなるものと推定される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。本発明の非水系電解液は、非水系有機溶媒
にリチウム塩が溶解され、さらに特定のシクロヘキサン
系エステル化合物が含有されているものである。本発明
では下記一般式(1)で表されるシクロヘキサン系エス
テル化合物を添加剤として使用する。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、X1及びX2はそれぞれ水素原子、
炭化水素基又はエステル基を表し、X 1及びX2の少なく
とも一方はエステル基である) 上記一般式(1)において、X1及びX2はそれぞれ水素
原子、炭化水素基又はエステル基を表し、X1及びX2
少なくとも一方はエステル基である。上記炭化水素基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、ビニル
基、イソプロペニル基、アリル基等の炭素数2〜4のア
ルケニル基、フェニル基、トリル基等の炭素数6〜8の
アリール基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜
8のアラルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、
エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基及
びビニル基、イソプロペニル基、アリル基等の炭素数2
〜3のアルケニル基等が挙げられる。
【0011】また上記エステル基としては、アセチルオ
キシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バ
レリルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブ
トキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェ
ニルオキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基等
のアリールオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0012】上記シクロヘキサン系エステル化合物とし
ては、例えばシクロヘキシルアセテート、4−メチルシ
クロヘキシルアセテート、4−t―ブチルシクロヘキシ
ルアセテート、シクロヘキシルプロピオネート、シクロ
ヘキシルブチレート、シクロヘキシルベンゾエート等の
シクロヘキシルエステル類、メチルシクロヘキサンカル
ボキシレート、フェニルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ート、ジエチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レート、ジ−n−プロピル−1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレート、ジメチル−1,2−シクロヘキサン
ジカルボキシレート等のシクロヘキサンカルボキシレー
ト類等が挙げられる。これらの中でも,シクロヘキシル
アセテート、4−t−ブチルシクロヘキシルアセテート
及びメチルシクロヘキサンカルボキシレートは入手が容
易でありかつ自己放電の防止効果が大きいので好適に用
いられる。これらの添加剤は2種類以上混合して使用し
てもよい。
【0013】上記シクロヘキサン系エステル化合物の添
加量は特に限定されないが、非水系電解液に対して通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%であ
る。添加量が多すぎるとイオン伝導度が低下してレート
特性などの電池特性が低下する傾向にある。また添加量
が少な過ぎる場合は、充分な自己放電防止効果が発現し
ない。
【0014】本発明で支持電解質として使用されるリチ
ウム塩としては、特に制限はないが、例えばLiP
6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAl
Cl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3
i、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3
SO22NLi、(C25SO22NLiなどのリチウ
ム塩が挙げられる。特に、溶媒に溶けやすくかつ高い解
離度を示すLiPF6、LiBF4、CF3SO3Li及び
(CF3SO22NLiからなる群から選ばれるリチウ
ム塩は好適に用いられる。また非水系電解液中のリチウ
ム塩の濃度は、非水系電解液に対して通常0.5〜2m
ol/Lの範囲で使用するのが好ましい。
【0015】本発明で用いる非水系有機溶媒としては、
リチウム塩を溶解させることができる限り特に限定はさ
れないが、なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒
として、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエ
チルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネー
ト(EMC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプ
ロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、エチレン
カーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネ
ート類、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボ
ネート等の不飽和カーボネート類、1,2−ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル
類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の
鎖状エステル類が好ましく用いられる。
【0016】これらの有機溶媒は、通常、適切な物性を
達成するように混合して使用される。例えば一般に上記
鎖状カーボネート類と上記環状カーボネート類とを併用
するのが好ましい。また上記鎖状カーボネート類の中で
も特にエチルメチルカーボネート、メチルプロピルカー
ボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称カー
ボネートを混合使用するのは好ましい。そのなかでもエ
チルメチルカーボネートは粘度が低いためリチウムの移
動性を高めるだけでなく、沸点が比較的高いため揮散し
にくくて取り扱いやすく、またLiとの反応も少ないの
で好適に用いられる。またビニレンカーボネート、ビニ
ルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類を混
合使用すると、これらの不飽和カーボネート類は初期充
電時に還元されやすく、安定な界面保護皮膜(SEI)
を形成するのに寄与するので好ましい。
【0017】本発明の非水系電解液を調製するに際し、
非水系電解液の各原料は、予め脱水しておくのが好まし
い。水分量は通常50ppm以下、好ましくは30pp
m以下とするのがよい。水が多量に存在すると、水の電
気分解及びリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分
解などが起こる可能性があり、リチウム二次電池用の電
解質として不適当な場合がある。脱水の手段としては特
に制限はないが、溶媒などの液体の場合はモレキュラー
シーブ等を用いればよい。またリチウム塩などの固体の
場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよい。
【0018】本発明における非水系電解液はリチウム二
次電池用の電解液として有用である。以下、本発明のリ
チウム二次電池について説明する。本発明の非水系電解
液を適用しうるリチウム二次電池の基本的構成は、従来
公知のリチウム二次電池と同様であり、正極と負極とが
多孔膜及び本発明の非水系電解液を介してケースに収納
されて構成される。本発明の二次電池に使用される正極
及び負極としては、電池の種類に応じて適宜選択すれば
よいが、少なくとも正極、負極に対応した活物質を含有
する。また、活物質を固定するためのバインダーを含有
してもよい。
【0019】本発明のリチウム二次電池に使用できる正
極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等
の遷移金属を有する酸化物、リチウムとの複合酸化物、
硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、Mn
O、V25、V613、TiO2 等の遷移金属酸化物、
ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸
リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、T
iS2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。ま
た、正極活物質として、例えばポリアニリン等の導電性
ポリマー等の有機化合物を挙げることもできる。上記の
活物質の複数種を混合して用いてもよい。活物質が粒状
の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特
性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10
μm程度である。
【0020】本発明のリチウム二次電池に使用できる負
極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金を使用
することもできるが、添加剤の使用による皮膜形成の効
果が大きいので、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合
物としてコークス,アセチレンブラック、メゾフェーズ
マイクロビーズ、グラファイト等の炭素質物質を使用す
るのが特に好ましい。粒状の負極活物質の粒径は、初期
効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる
点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μm程
度である。
【0021】また、上記炭素質物質を有機物等と混合・
焼成した材料、あるいはCVD法等を用いて、少なくと
も表面の一部に上記炭素質物に比べて非晶質の炭素を形
成した材料もまた、炭素質物質として好適に使用するこ
とができる。上記有機物としては、軟ピッチから硬ピッ
チまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重
質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナ
フサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチ
レンヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。ま
た、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得ら
れた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも
使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂や、焼成
によりフェノール樹脂やイミド樹脂となるこれらの樹脂
前駆体も使用することができる。
【0022】正極又は負極に使用できるバインダーとし
ては、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から
各種の材料が挙げられる。具体的には、シリケート、ガ
ラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン
系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不
飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、
ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなど
の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアク
リル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系
樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド
などのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含
有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが
使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成
体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用でき
る。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常1万〜30
0万、好ましくは10万〜100万程度である。分子量
が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、
分子量が高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難に
なることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素系
樹脂、CN基含有ポリマーである。
【0023】バインダーの使用量は、活物質100重量
部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部
以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20
重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極
の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎ
るとイオン伝導度が低下する傾向にある。電極中には、
電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材
料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充
填材などを含有させてもよい。導電性材料としては、上
記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれ
ば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カー
ボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のフ
ァイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の
無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0024】電極は、活物質やバインダー等の構成成分
と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成
することができる。電極の厚さは、通常1μm以上、好
ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以
上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常20
0μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好まし
くは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難にな
り均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が
小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎる
とレート特性が低下しすぎることがある。
【0025】正極及び負極の少なくとも一方の電極は、
通常、集電体上に形成される。集電体としては、各種の
ものを使用することができるが、通常は金属や合金が用
いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミ
ニウムやニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体
としては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好ま
しくは、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負
極の集電体として銅を使用する。正負極層との結着効果
を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処
理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、
ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、
研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼
線などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨
する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げ
られる。
【0026】また、電池の重量を低減させる、即ち重量
エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタ
ルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を
使用することもできる。この場合、その開口率を変更す
ることで重量も自在に変更可能となる。また、このよう
な穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場
合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の
剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率が
あまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面
積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなること
がある。
【0027】集電体の厚さは、通常1μm以上、好まし
くは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましく
は50μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体
の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り
扱いが困難になることがある。本発明の非水系電解液
は、これを高分子によってゲル化して半固体状にしても
よい。半固体状電解質における上記非水系電解液の使用
量は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%
以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは7
5重量%以上であり、また通常99.95重量%以下、
好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量
%以下とする。使用量が多すぎると、電解液の保持が困
難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充
放電効率や容量の点で不十分となることがある。
【0028】正極と負極との間には、短絡を防止する上
で、多孔性のスペーサが設けられているのが好ましい。
即ち、この場合、電解液は、多孔性のスペーサに含浸さ
れて使用される。スペーサの材料としては、ポリエチレ
ンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いるこ
とができるが、好ましくはポリオレフィンである。スペ
ーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以
上、さらに好ましくは10μm以上であり、また通常5
0μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましく
は30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶縁性や
機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特
性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全体とし
てのエネルギー密度が低下することがある。スペーサの
空孔率としては、通常20%以上、好ましくは35%以
上、さらに好ましくは45%以上であり、また通常90
%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75
%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくな
りレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると
膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。
スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好ましく
は0.2μm以下であり、また通常0.05μm以上で
ある。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さす
ぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化することが
ある。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の具体的態様を
更に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ
らの実施例により限定されるものではない。 実施例1 [正極の製造]コバルト酸リチウム(LiCoO2)9
0重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%
とアセチレンブラック5重量%とを混合し、N−メチル
ピロリドンを加えスラリー状にしたものをアルミニウム
からなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
【0030】[負極の製造]グラファイト粉末87.4
重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック
2.9重量%とを混合し、N−メチルピロリドンを加え
スラリー状にしたものを銅からなる集電体の片面に塗布
・乾燥して負極を得た。 [電解液の調合]LiPF6 を1.25mol/Lの割
合で含有するエチレンカーボネートとジメチルカーボネ
ートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(混合体
積比2:3:3)100重量部にビニレンカーボネート
2重量部を加えたものをベース電解液とし、これにシク
ロヘキシルアセテート4重量部を加えて電解液とした。
【0031】[リチウム二次電池の製造]上記正極、負
極、及び膜厚16μm 、空孔率45%、平均孔径0.0
5μm のポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、そ
れぞれ前記電解液を塗布・含浸させた後、負極、セパレ
ータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうし
て得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ
後、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネー
トフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止
してシート状のリチウム二次電池を作製した。さらに電
極間の密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板
でシート状電池を挟んだ上で0.35kg/cm2で加
圧した。図1に二次電池の概略断面図を示す。
【0032】[電池初期特性評価]コバルト酸リチウム
の1時間当たりの放電量を138mAh/gとし、これ
と評価用リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電
速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.2Cで
4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで放電し、
初期のフォーメーションを行った。ついで0.5Cで
4.2Vまで充電した後、0.2Cで3Vまで放電し、
0.2C放電容量を求めた。結果を表−1に示す。なお
充電時のカット電流は何れも0.05Cとした。
【0033】[自己放電特性評価]初期特性評価の終了
した電池を0.5Cで4.2Vまで充電した後、自己放
電特性の加速試験を実施すべく60℃の恒温槽に7日間
保存した。その後、電池を取り出し、0.2Cで放電
し、保存後の残存0.2C放電容量を求めた。また保存
前後の0.2C放電容量から下記計算式により自己放電
維持率を求めた。結果を表−1に示す。
【0034】
【数1】自己放電維持率(%)=保存後の残存0.2C
放電容量(mAh/g)/0.2C放電容量(mAh/
g) 実施例2 シクロヘキシルアセテートの代わりにジメチル−1,4
−シクロヘキサンジカルボキシレートを添加した電解液
を使用したこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二
次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施
した。結果を表−1に示す。
【0035】比較例1 シクロヘキシルアセテートを添加しない電解液を使用し
たこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を
作製し、実施例1と同様の電池特性試験を実施した。結
果を表−1に示す。自己放電維持率が70%程度と低い
ことがわかった。
【0036】
【表1】
【0037】上記表−1から明らかなように、本発明の
非水系電解液を用いれば満充電で保存した場合の容量低
下が少なく、自己放電特性が大幅に向上する。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、高容量かつ自己放電特
性に優れた二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したリチウム二次電池の構造を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 PETフィルム 5 シリコンゴム 6 ガラス板 7 ラミネートフィルム 8 封止材付きリード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解され
    てなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記
    一般式(1)で表されるシクロヘキサン系エステル化合
    物を含有することを特徴とする非水系電解液。 【化1】 (式中、X1及びX2はそれぞれ水素原子、炭化水素基又
    はエステル基を表し、X 1及びX2の少なくとも一方はエ
    ステル基である)
  2. 【請求項2】 上記シクロヘキサン系エステル化合物の
    含有量が非水系電解液に対して0.1〜10重量%であ
    る、請求項1に記載の非水系電解液。
  3. 【請求項3】 非水系有機溶媒が、不飽和カーボネート
    を含有する、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
  4. 【請求項4】 非水系有機溶媒が、非対称カーボネート
    を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電
    解液。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の非水系
    電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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