JP2003232293A - 圧縮機の内側吐出ケース用の複合管状ウーブンシール - Google Patents

圧縮機の内側吐出ケース用の複合管状ウーブンシール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、圧縮機の内側吐出ケースの上及び
下半部分間のシールに関する。 【解決手段】 タービン用の圧縮機の内側バレル22の上
下両半部分28, 30は、金属対金属表面接触の状態で互い
にボルト止めされている。細長い溝36が、バレルの両半
部分の一方の縁部34に設けられる。細長い複合管状ウー
ブンシール36がこれらの溝に配置されており、該シール
は、溝の深さを超える直径を有する。シールは、内部ウ
ーブンメタルコア42を含み、該内部ウーブンメタルコア
は、環状のシリカファイバ層44で取り囲まれ、次に金属
箔46で取り囲まれ、ブレーデッドステンレス鋼の保護外
被48を備えている。上下両半部分を結合すると、コンプ
ライアントシール36は溝内で押し潰され、タービン作動
中に圧縮機ケーシングが反った場合に、バレルの両半部
分間のシールを維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機の内側吐出
ケースの上及び下半部分間のシールに関し、具体的に
は、タービン作動中の反りを許容するケース両半部分間
のシールに関する。
【０００２】
【従来の技術】タービン、例えばガスタービンにおいて
は、圧縮機セクションは、水平方向の中線にほぼ沿って
互いに固定されて環状体を形成する２つの半円筒形の半
部分で形成される静止した内側バレルを含む。内側バレ
ルの後端部は、圧縮機の吐出ケーシングに固定され、該
吐出ケーシングは、第１段ノズルを支持するノズルサポ
ートリングを支持している。内側バレルは、一部におい
て、バレル外側の高圧区域をバレル内側及びロータ周辺
の低圧区域から隔離している。バレル両半部分は、水平
方向中線において金属対金属接触面を有し、該接触面
は、組立て後及び使用中の漏れを排除するために、高い
公差に機械加工される。しかしながら、タービン作動中
のクリープによる反りにより、内側バレルの上及び下半
部分間のボルト止めされた水平方向の結合部に、約５か
ら７ミルの隙間が残る可能性がある。その結果、内側バ
レルの両半部分間に漏れ経路が生じる可能性があり、ま
た実際に生じる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従って、あらゆるこの
ような漏れ経路を、タービン作動中の反りを許容するよ
うな方法で最小限にするか又は排除する必要性が生じて
いる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の好ましい実施形
態によると、圧縮機の内側吐出ケース、すなわち内側バ
レルの、整合する結合された両半部分の水平方向の縁部
に沿って、タービン作動中の内側バレルの反りを許容す
る方法で適用するためのシールが提供される。具体的に
は、バレルの上下両半部分の一方の各縁部に沿ってかつ
バレルのその半部分の軸方向に対向する両端部のボルト
間に、溝が機械加工されている。バレルの他方の半部分
に沿う縁部は、機械加工されてシール面を形成し、溝は
備えていない。複合管状ウーブンシールは、バレルの一
方の半部分の各溝内に配置され、各溝の縁部から外側に
突出しているので、合わされる縁部に沿って両半部分を
互いに結合すると、複合管状ウーブンシールが圧縮され
てバレルの他方の半部分の縁部の機械加工された表面を
順応的に（コンプライアントに）シールする。
【０００５】具体的には、複合管状ウーブンシールは、
シールを形成する多重層の結果として順応性（コンプラ
イアンス性）を有する。層は、内部ウーブンメタルコア
と、ファイバ材料と、金属箔と、金属外被とを含む。具
体的には、内部メタルコアは、ウーブンステンレス鋼で
形成され、シリカファイバで取り囲まれているのが好ま
しい。次に、ファイバは、ステンレス鋼の金属箔で取り
囲まれ、外被は、例えばＨａｙｎｅｓ１８８のようなブ
レーデッド材料で形成されている。複合管状ウーブンシ
ールの性質により、シールは、特にメタルコア及びそれ
を取り囲むシリカファイバの弾力性の結果としてコンプ
ライアンス性を有する。さらに、ファイバを取り囲む金
属箔の層がバレル両半部分の縁部間での漏れを防止し、
一方、ブレーデッド外被は保護摩耗面としての機能を果
たす。内部メタルコア及びシリカファイバは、それらの
ほぼ円形の断面形状を保持しようとする傾向があるの
で、シールがバレル両半部分の縁部の間で圧縮されたと
き、シールがその円形の断面形状に戻るように予荷重が
加わるか又は付勢力が生じる。このように、タービン作
動中の反りの結果として形成される隙間を通るあらゆる
漏れ流が、複合管状ウーブンシールによってシールされ
る。
【０００６】本発明の好ましい実施形態においては、水
平方向の中線に沿ってその縁部で互いに結合されて、そ
の両側に沿って一対の直径方向に対向する結合部を形成
する上及び下半部分で形成された円筒形バレルを含み、
両半部分の一方の各縁部が円筒形バレルの軸線にほぼ平
行に延びる溝を有し、両半部分の他方の各縁部が円筒形
バレルの軸線にほぼ平行に延びるシール面を有し、コン
プライアントシールが各溝内に配置されており、該コン
プライアントシールは、異なる材料の多重層で形成さ
れ、両半部分を互いに固定すると両半部分の他方の各縁
部に対して順応的にかつシール状態で係合するシール本
体を含む、ガスタービン用の圧縮機の内側吐出ケースが
提供される。
【０００７】
【発明の実施の形態】ここで、図面、特に図１を参照す
ると、全体を符号１０で表したガスタービンの一部が図
示されており、該ガスタービンの一部は、圧縮機セクシ
ョン１２と、第１段ノズル１６及びバケット１８を含む
タービンセクション１４と、タービンの周りで円周方向
に互いに間隔を置いて配置された複数の燃焼器２０のう
ちの１つを備える。圧縮機１２が空気を加圧して、該空
気を環状に配列された各燃焼器２０中において燃料と混
合し、高温の燃焼ガスを燃焼器からタービンセクション
１４に供給してタービンロータを駆動することが理解さ
れるであろう。普通そうであるように、圧縮機は、圧縮
機の内側吐出ケース又は内側バレル２２と圧縮機吐出ケ
ーシング２４とを備えている。ケーシング２４は、内側
バレル２２と第１段ノズルのサポートリング２６とを相
互連結している。内側バレル２２及び圧縮機吐出ケース
２４は静止しており、内側バレルは通常、タービンの水
平方向中線に沿って互いにボルトで結合された一対の半
円筒形部分、例えばそれぞれ上及び下半部分２８及び３
０（図２）で形成される。バレルの両半部分２８、３０
は通常、その縁部又は面３２、３４をそれぞれ互いに突
合わせて、隣接する両端部を互いにボルト止めされる。
前述したように、これらの縁部３２及び３４は、一般的
に、水平方向中線における漏れを防止するために、高い
公差で機械加工されている。しかしながら、タービン作
動中のクリープによる反りが、両半部分が互いにボルト
止めされた際に縁部３２と縁部３４との間に１つ又はそ
れ以上の隙間を形成し、漏れ経路を生じる可能性があ
る。
【０００８】本発明の好ましい実施形態によると、全体
を符号３６（図３）で表したシールが、水平方向中線の
接合部の各々において上下両半部分２８、３０それぞれ
の間に設けられる。このシールを設けるために、バレル
両半部分の一方の各縁部、例えばバレルの両半部分間の
かつ端部ボルト間の中線接合部におけるバレル下半部分
の縁部３４に、溝が形成される。従って、溝３６は、バ
レルの下半部分３０の縁部３４に形成され、ロータの軸
線にほぼ平行にかつ端部ボルト間を長手方向に延びてい
る。バレル上半部分２８の縁部３２は、高い公差に機械
加工され、両半部分を互いに固定したとき、バレル下半
部分の縁部３４に係合するための平坦な面を備える。
【０００９】図３に示すように、シールは、圧縮されて
いない状態では、ほぼ円形の断面形状を有するシール本
体４０を含む。シール本体４０は、多重の材料層で形成
される。最内側の層４２は、ステンレス鋼材料で形成さ
れたウーブンメタルコアを含むのが好ましい。このメタ
ルコア４２を取り囲んで、ファイバ、好ましくはシリカ
ファイバの環状層４４がある。シリカファイバ４４を取
り囲んで、好ましくはステンレス鋼で形成された金属箔
４６がある。最後に、シール本体４０のための外被は、
ブレーデッドメタル材料４８、好ましくはＨａｙｎｅｓ
１８８のようなブレーデッドスチール材料を含む。複合
管状ウーブンシールは、横方向にコンプライアンス性を
有し、すなわち圧縮されたときにその円形の断面形状に
戻るように付勢力が生じるか又は予荷重が加わる。
【００１０】図４に示すように、バレルの下半部分３０
に形成された溝３６は、シール本体４０の直径にほぼ相
当する幅を有する。しかしながら、溝３６の深さは、シ
ール本体４０の直径に足りないか又はそれよりも浅い。
このため、シール本体４０を溝３６内に設置すると、複
合管状ウーブンシールは、縁部３４よりも上方に突出す
る。端部ボルトを取り付けてバレルの両半部分２８、３
０を互いに固定するとき、バレル両半部分が互いに対し
て引き寄せられて固定されるにつれて、縁部３２がシー
ル本体４０に係合し、シール本体４０を圧縮するか又は
押し潰すことが理解されるであろう。両半部分が互いに
引き寄せられて図５に示す形状構成になるにつれて、シ
ール本体４０が順応的に圧縮されて、溝３６の容積を実
質的に埋めることがわかるであろう。細長い押し潰され
たシール本体４０の表面部分は、バレル上半部分２８の
縁部３２と連続した係合状態にあり、それらの間にシー
ルを形成する。従って、タービン作動中の反りがシール
縁部３２と縁部３４との間に隙間を形成する場合にも、
コンプライアント管状ウーブンシールがバレル両半部分
間の係合を維持し、バレル両半部分間の漏れ経路を最小
限にするか又は防止する。
【００１１】本発明を、現在最も実用的で好ましいと考
えられる実施形態に関連させて説明してきたが、本発明
は、開示した実施形態に限定されるものではなく、ま
た、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のた
めであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮する
ものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 圧縮機の内側吐出ケースを示す、タービンの
一部の上半部分の概略断面図。
【図２】 内側ケースの上下両半部分の上下各縁部を示
す破断斜視図。
【図３】 内側ケースの両半部分間をシールするための
複合管状ウーブンシールの拡大断面図。
【図４】 ケースの両半部分の一方の溝内におけるシー
ルを示す拡大破断断面図。
【図５】 互いに固定されたときのケース両半部分間の
シールを示す、図４と同様な図。
【符号の説明】
１０ ガスタービンの一部 １２ 圧縮機セクション １４ タービンセクション １６ 第１段ノズル １８ バケット ２０ 燃焼器 ２２ 内側バレル ２４ 圧縮機吐出ケーシング ２６ 第１段ノズルのサポートリング ２８ バレルの上半部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マフマト・ファルク・アクシット トルコ、イスタンブール・81070、エレン コイ、イスファシン・カド・13／36番 (72)発明者 アフマド・サフィ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、トロ イ、フーシック・ストリート、229番 (72)発明者 アブドゥル・アジーズ・モハメッド−ファ キーア アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケネ クタデイ、シェリダン・ビレッジ、６シー ３番 (72)発明者 ファング・ニン アメリカ合衆国、オハイオ州、ウエスト・ チェスター、ラップ・ファーム・ドライ ブ、8628番 Ｆターム(参考） 3H022 AA02 BA01 CA22 CA51 DA00 3J040 AA17 BA07 EA15 EA17 EA45 HA06 HA09 HA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 水平方向の中線に沿ってその縁部で互い
    に結合されて、その両側に沿って一対の直径方向に対向
    する結合部を形成する上及び下半部分（２８、３０）で
    形成された円筒形バレル（２２）を含み、前記両半部分
    の一方の各縁部が前記円筒形バレルの軸線にほぼ平行に
    延びる溝（３６）を有し、前記両半部分の他方の各縁部
    （３２）が前記円筒形バレルの軸線にほぼ平行に延びる
    シール面を有し、 コンプライアントシール（３６）が前記各溝内に配置さ
    れており、該コンプライアントシールは、異なる材料の
    多重層（４２、４４、４６、４８）で形成され、前記両
    半部分を互いに固定すると前記両半部分の前記他方の各
    縁部に対して順応的かつシール状態で係合するシール本
    体（４０）を含む、ことを特徴とするガスタービン用の
    圧縮機の内側吐出ケース。
  2. 【請求項２】 前記シール本体の前記材料は、ウーブン
    メタルコア（４２）と、ファイバ（４４）と、金属箔
    （４６）と、保護層（４８）とを含むことを特徴とす
    る、請求項１に記載のケース。
  3. 【請求項３】 前記シール本体の前記材料は、内部ウー
    ブンメタルコア（４２）と、シリカファイバ（４４）
    と、金属箔（４６）と、ブレーデッドメタル外部保護層
    （４８）とを含むことを特徴とする、請求項１に記載の
    ケース。
  4. 【請求項４】 前記溝の各々は、ほぼ直線的な断面を有
    し、圧縮されていない状態における前記コンプライアン
    トシールは、ほぼ円形の断面を有し、該シールは、前記
    ケース両半部分を互いに固定すると、前記溝を実質的に
    順応的に埋めることを特徴とする、請求項１に記載のケ
    ース。
  5. 【請求項５】 前記シール本体の前記材料は、ウーブン
    メタルコア（４２）と、ファイバ（４４）と、金属箔
    （４６）と、保護層（４８）とを含むことを特徴とす
    る、請求項４に記載のケース。
  6. 【請求項６】 前記シール本体の前記材料は、内部ウー
    ブンメタルコア（４２）と、シリカファイバ（４４）
    と、金属箔（４６）と、ブレーデッドメタル外部保護層
    （４８）とを含むことを特徴とする、請求項４に記載の
    ケース。
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