JP2003229099A - 電池缶およびこの電池缶を用いた電池 - Google Patents

電池缶およびこの電池缶を用いた電池

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JP2003229099A JP2002027849A JP2002027849A JP2003229099A JP 2003229099 A JP2003229099 A JP 2003229099A JP 2002027849 A JP2002027849 A JP 2002027849A JP 2002027849 A JP2002027849 A JP 2002027849A JP 2003229099 A JP2003229099 A JP 2003229099A
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nickel
film
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metal
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Takeshi Fukumasa
猛志 福政
Akira Matsuo
明 松尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間過放電下に放置された場合や充電と過
放電が繰り返される過放電サイクルの場合でも、電解液
による耐腐食性に優れた電池缶およびこの電池缶を用い
た電池を提供する。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる金属または鋼板からなる母材表面に形成されたニ
ッケルまたはニッケル合金からなる金属皮膜表面にフッ
化皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性、耐腐蝕
性に優れた電池缶およびこの電池缶を用いた電池に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、携帯情報端末等の携帯
電子機器の性能は、搭載される半導体素子、電子回路だ
けでなく、充放電可能な二次電池の性能に大きく依存し
ており、搭載される二次電池の容量アップと共に、軽量
・コンパクト化も同時に実現することが望まれている。
これらの要望に応える二次電池として、ニッケルカドミ
ウム蓄電池の約2倍のエネルギー密度を有するニッケル
水素蓄電池が開発され、次いで、これを上回るリチウム
イオン電池が開発され、使用機器の用途に応じて使い分
けされている。
【0003】これらの電池は、正極板と負極板とをセパ
レータを介して渦巻状に巻回や積層した極板群を電池缶
に収容し、電解液を注液し、かしめ封口やレーザー封口
することによって構成されている。
【0004】ところで、電池缶の内面は耐電解液性に優
れている必要があり、電解液にアルカリ電解液を用いる
ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池の場合
には耐アルカリ電解液性に優れたニッケルメッキを施し
た鋼鈑を用いる方法が特開昭57−25666号公報、
特開平5−109393号公報、特開平7−73860
号公報等に開示されており、電解液に非水電解液を用い
るリチウムイオン電池の場合には、ニッケルメッキを施
した鋼鈑またはアルミニウムおよびアルミニウム合金が
用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
充放電サイクルや保存状態であれば問題はないが、使用
機器の終止電圧の設定値や漏れ電流などのよって、長期
間過放電下に放置された場合や充電と過放電が繰り返さ
れる過放電サイクルの場合が電池缶に対して厳しい条件
となる。
【0006】電解液に非水電解液を用いるリチウム二次
電池の場合、電池缶の金属が非水電解液に溶解し、負極
の表面などに析出し内部抵抗の増加を招いたり、電池缶
に金属リチウムが析出し、その部分が腐食し、電池缶の
強度を低下させるなどの課題があった。
【0007】また、電解液にアルカリ水溶液を用いるニ
ッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池の場合も
同様に、電解液によって電池缶が腐蝕するといった課題
があった。
【0008】そこで、特開平9−63549号公報に
は、金属製電池缶の内面全面にポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン系樹脂層、ポリテトラフル
オロエチレンなどのフッ素系樹脂層を設ける方法が開示
されているが、ポリオレフィン系樹脂の場合は耐熱性
が、フッ素系樹脂の場合は金属との密着性が十分ではな
かった。
【0009】一方、電池缶の外面はニッケルメッキを施
すことにより耐摩耗性を向上させることができるが、そ
の膜厚が薄く、製造工程中の取扱いや使用機器への挿入
時にキズがつき、このキズから腐蝕が進行するといった
があった。
【0010】また、絞り加工により電池缶に加工すると
きにニッケルメッキが剥れたり、封口板と電池缶とをか
しめ封口するときにニッケルメッキが剥離する場合があ
った。
【0011】そこで本発明は、従来の課題に鑑みてなさ
れたもので、耐熱性、耐摩耗性だけでなく、長期間過放
電下に放置された場合や充電と過放電が繰り返される過
放電サイクルの場合でも、電解液による耐腐食性に優れ
た電池缶およびこの電池缶を用いた電池を提供すること
を主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、金属または金属皮膜表面に、フッ化皮膜が
形成されていることを特徴とする電池缶であり、前記金
属皮膜が鋼板からなる母材表面に形成されたニッケルま
たはニッケル合金皮膜であり、金属がアルミニウムまた
はアルミニウム合金であることことが好ましく、前記フ
ッ化皮膜が前記金属または金属皮膜のフッ化物より実質
的になる表面層とこの下層にフッ素が拡散した拡散層か
らなる電池缶であり、その厚みが1μm〜10μmであ
ることが好ましい。
【0013】また、正極板と負極板とをセパレータを介
して絶縁した状態の極板群を、上記の電池缶に収容し、
電解液を注液し、封口板にて密閉されていることを特徴
とする電池である。
【0014】アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なる金属または鋼板からなる母材表面に形成されたニッ
ケルまたはニッケル合金からなる金属皮膜を酸化剤によ
り強制酸化した後、この強制酸化皮膜をフッ化ガスと反
応させることにより、フッ化皮膜を形成することがで
き、このフッ化皮膜の厚みは、強制酸化による強制酸化
皮膜の厚みを調節することにより任意の厚みに調節する
ことができ、フッ化皮膜が母材と一体化している緻密な
皮膜ので、絞り加工により電池缶に加工するときに剥れ
たり、封口板と電池缶とをかしめ封口やレーザー封口す
るときに剥離することがなく、耐摩耗性のみならず、長
期間過放電下に放置される場合や充電と過放電が繰り返
される過放電サイクルの場合でも耐電解液性に優れた電
池缶およびこの電池缶を用いた電池を得ることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態に係る円筒型
リチウム二次電池の縦断面図、図2は電池缶の模式断面
図である。
【0017】図1に示すように、正極板1と負極板3と
がセパレータ5を介在して渦巻状に巻回された極板群
が、有底筒状の電池缶8に収容されており、負極板3か
ら連接する負極リード4が下部絶縁板7を介して、前記
電池缶8と電気的に接続され、正極板1から連接する正
極リード2が上部絶縁板6を介して、封口板10の内部
端子に電気的に接続されており、非水電解液(図示せ
ず)を注液し、封口板10と電池缶8とが絶縁ガスケッ
ト9を介してかしめ封口されている。
【0018】この電池缶8は、図2に示すように、金属
または金属皮膜を形成した母材11の表面に金属または
金属皮膜のフッ化物より実質的になる表面層12とこの
下層にフッ素が拡散した拡散層13とからなるフッ化皮
膜14が形成されている。
【0019】ここでいう金属または金属皮膜のフッ化物
より実質的になるとは、金属または金属皮膜が100%
フッ化物に置換されている必要はないが、酸素は検出レ
ベル未満であり、フッ化物領域とフッ素拡散領域が混在
していても良い。
【0020】フッ化皮膜の厚みとしては、1μm〜10
μmの範囲が好ましく、1μm未満ではピンホールのな
い安定した皮膜を形成するのが困難で、10μmを超え
るとその母材に対する密着性が低下するので、好ましく
ない。
【0021】フッ素と反応性があり安定したフッ化皮膜
を形成することのできる金属としては、ニッケル、ニッ
ケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合
金などの金属であり、アルミニウム、アルミニウム合金
などの金属表面にニッケルやニッケル合金の金属皮膜を
形成することも可能であるが、安価で軽量が求められる
非水電解液を用いた角型リチウムイオン電池の電池缶の
用途には、アルミニウムおよびアルミニウム合金をその
まま用いる。アルミニウム合金としては、耐圧強度の観
点からマンガン、銅等の金属を微量含有するアルミニウ
ム合金が好ましく、合金No.3000系のアルミニウ
ム合金が最適である。
【0022】また、ニッケルおよびニッケル合金を電池
缶として用いるには高価な為、安価な鋼板の表面にこれ
らの金属皮膜を形成する方法を用いる。
【0023】この金属皮膜を形成する方法としては、ニ
ッケルやニッケル−タングステンなどを電解メッキする
方法やニッケル−リン、ニッケル−ホウ素などを無電解
メッキする方法、ニッケルまたはニッケル合金を蒸着や
スパッタリングする方法などを挙げることができる。
【0024】ところで、金属または金属皮膜表面を強制
酸化させる酸化剤としては、酸素、オゾン、亜酸化窒
素、過酸化窒素から選ばれた1種以上を含有するガスま
たは、窒素、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを挙
げることができる。
【0025】また、過酸化水素水または硝酸を含有する
溶液に浸漬して強制酸化させることができ、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金の場合、アルマイト処理を用
いて強制酸化皮膜を形成することもできる。このような
強制酸化させる方法を任意に組み合わせて、所望の強制
酸化皮膜の厚みに調節することができる。
【0026】このようにして得られた強制酸化皮膜をフ
ッ化ガスと反応させてフッ化処理しても強制酸化皮膜が
フッ化処理の妨げにならずに、下層にもフッ素が拡散
し、実質的にフッ化物よりなる表面層とこの下層にフッ
素が拡散した拡散層からなり緻密で母材と一体化してい
るフッ化皮膜を有する電池缶が得られる。
【0027】フッ化ガスとしてはフッ素、フッ化窒素、
三フッ化塩素から選ばれた1種以上を含有するガスまた
は窒素、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを挙げる
ことができる。
【0028】より具体的には、母材表面がニッケル皮膜
の場合、反応炉内に配設し、上記強制酸化させるガスを
流しながら、反応炉の温度を300℃〜600℃に設定
し、2時間〜24時間の条件にて強制酸化皮膜を形成し
た後、上記フッ化ガスを流しながら、反応炉の温度を1
00℃〜600℃に設定し、2時間〜24時間の条件に
てフッ化処理を行なう。
【0029】これらの好ましい温度より低かったり、時
間が短いと、強制酸化皮膜中の酸素が十分にフッ素に置
換されなたったり、フッ素ガスが下層に拡散しないので
好ましくなく、逆に好ましい温度より高かったり、時間
が長いとフッ素の置換が急激に起こり、フッ化皮膜にク
ラックが生じるので好ましくない。
【0030】なお、強制酸化処理を行なう前に、金属お
よび金属皮膜表面を脱脂、脱水処理等を行なことによ
り、より純度が高く、欠陥のない強制酸化皮膜を形成す
ることができる。
【0031】電池缶の形状に加工したものにフッ化皮膜
を形成しても、フッ化皮膜を形成したものを電池缶の形
状に加工しても良いのは、勿論である。
【0032】次に、リチウムイオン電池の場合、正極板
1は、アルミニウム製の箔やラス加工やエッチング処理
された箔からなる集電体の片側または両面に正極活物
質、結着剤、導電剤、必要に応じて増粘剤を溶剤に混練
分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製するこ
とができる。そして、正極板の厚みは巻芯を用いて、そ
の形状にできるだけ忠実に巻回する必要があり、130
μm〜200μmの厚みで、柔軟性があることが好まし
い。
【0033】正極活物質としては、例えば、リチウムイ
オンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属
化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニ
ッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少な
くとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、L
iCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi
(1-x)2(0<x<1)、LiCrO2、αLiFe
2、LiVO2等が好ましい。
【0034】結着剤としては、使用する溶剤や電解液に
対して安定な材料であれば、特に限定されないが、例え
ば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴ
ム、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、イソプロピ
レンゴム、ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル
系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共
重合体として用いることができる。フッ素系結着剤とし
ては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フ
ッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン
(HFP)の共重合体(P(VDF−HFP))やポリ
テトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョン等が好
ましい。
【0035】増粘剤としては、カルボシキメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化ス
ターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が好ましい。
【0036】導電剤としては、アセチレンブラック、グ
ラファイト、黒鉛、炭素繊維等を単独、或いは二種類以
上の混合物が好ましい。
【0037】溶剤としては、結着剤が溶解可能な溶剤が
適切で、有機系結着剤の場合は、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチ
ル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を
単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系
結着剤の場合は水や温水が好ましい。
【0038】また、負極板6は、集電体の片側または両
面に負極活物質と結着剤、必要に応じて増粘剤、導電助
剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延
して作製することができる。そして、負極板6の厚みは
巻芯を用いて、その形状にできるだけ忠実に巻回する必
要があり、正極板5と同様に140μm〜210μmの
厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0039】負極活物質としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、有機高分子化合物(フェノール樹
脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成する
ことにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成
することにより得られる炭素材料、或いは人造グラファ
イト、天然グラファイト等を、その形状としては、球
状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
【0040】負極集電体として用いる銅または銅合金
は、特に限定されるものではなく、圧延箔、電解箔など
が挙げられ、その形状も箔、孔開き箔、エキスパンド
材、ラス材等であっても構わない。
【0041】また、銅の厚みは引張り強度が強いほど好
ましいが、厚くなると電池内部の空隙体積が少なくな
り、エネルギー密度が低下するので20μm以下が好ま
しく、8〜15μmの範囲が最適である。
【0042】結着剤、溶剤および必要に応じて加えるこ
とができる導電助剤は正極と同様のものを使用すること
ができる。
【0043】セパレータ7としては、厚さ10〜30μ
mのポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの微多
孔性ポリオレフイン系樹脂が好ましい。
【0044】非水電解液としては、非水溶媒と電解質か
らなり、非水溶媒としては、主成分として環状カーボネ
ートおよび鎖状カーボネートが含有される。前記環状カ
ーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、
プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカー
ボネート(BC)から選ばれる少なくとも一種であるこ
とが好ましい。また、前記鎖状カーボネートとしては、
ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネー
ト(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EM
C)等から選ばれる少なくとも一種であることが好まし
い。
【0045】電解質としては、例えば、電子吸引性の強
いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6、LiB
4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、L
iN(SO2CF32、LiN(SO2252、Li
C(SO2CF33等が挙げられる。これらの電解質
は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み合わせて
使用しても良い。これらの電解質は、前記非水溶媒に対
して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好まし
い。
【0046】ところで、本発明における活物質、結着
剤、必要に応じて加える導電剤、導電助剤を溶剤に混練
分散させてペースト状合剤を作製する方法は、特に限定
されるものではなく、例えば、プラネタリーミキサー、
ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザ
ー等を用いることができる。これらを単独、或いは組み
合わせて使用することも可能である。
【0047】また、上記ペースト状合剤の混練分散時
に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を必要に応じて
添加することも可能である。
【0048】塗着乾燥は、特に限定されるものではな
く、上記のように混錬分散させたペースト状合剤を、例
えば、スリットダイコーター、リバースロールコータ
ー、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコータ
ー、グラビアコーター、ディップコーター等を用いて、
容易に塗着することができ、自然乾燥に近い乾燥が好ま
しいが、生産性を考慮すると70℃〜200℃の温度で
乾燥させるのが好ましい。
【0049】圧延は、ロールプレス機によって所定の厚
みになるまで、線圧1000〜2000kg/cmで数
回圧延を行うか、線圧を変えて圧延するのが好ましい。
【0050】ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素
蓄電池の場合、正極板1は、ニッケルメッキを施したパ
ンチングメタル、発泡式ニッケル板からなる集電体の両
面に水酸化ニッケルを主成分とし、金属コバルト、水酸
化コバルト、酸化亜鉛、酸化イットリウム等を加えたも
のにイオン交換水を加えて混練分散させたペーストを塗
布、乾燥、圧延して作製することができ、その厚みは5
00μm〜1000μmの厚みのものが好ましい。
【0051】なお、パンチングメタルの厚みは、50〜
200μmの範囲が好ましく、60〜120μmの範囲
が最適である。また、発泡式ニッケル板の厚みは、40
0〜2500μmの範囲が好ましく、500〜1500
μmの範囲が最適である。
【0052】ニッケルカドミウム蓄電池の負極板は、酸
化カドミウムと糊剤と呼ばれるポリビニールアルコール
をエチレングリコールに溶解させた溶液とを混練分散さ
せたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することがで
き、その厚みは400μm〜800μmの厚みのものが
好ましい。
【0053】ニッケル水素蓄電池の負極板は、AB5
やAB2系の水素吸蔵合金をイオン交換水を加えて混練
分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製するこ
とができ、その厚みは400μm〜800μmの厚みの
ものが好ましい。
【0054】セパレータとしては平均繊維径が3μm〜
20μmのポリアミド樹脂の不織布からなり、その厚み
は100μm〜300μmのものが好ましい。
【0055】電解液としては、水酸化カリウム水溶液に
使用機器の用途に応じて、水酸化ナトリウムまたは水酸
化リチウムを溶解させたものが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて詳細に説
明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではな
い。
【0057】(実施例1)電池缶8は、次のようにして
作製した。
【0058】まず、予め酸洗により表面を清浄した鋼板
からなる母材11に硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ
酸、光沢剤からなる市販のメッキ液を用いて1A/dm
2の電気量にて通電させ、ニッケル皮膜を形成した。
【0059】次に、反応炉内に上記ニッケル皮膜を形成
した鋼板を配設し、200℃、1時間の前処理して表面
の水分を除去した後、酸素ガス(純度99.99%)を
流しながら500℃まで昇温させ、12時間保持して、
表面を強制酸化させた。
【0060】そして、窒素ガスにて置換した後、400
℃に降温させ、20%のフッ素ガスと80%の窒素ガス
からなる混合ガスと置換し、15時間保持した後、窒素
ガスに置換後、室温まで降温させて、フッ化皮膜14を
形成させた。
【0061】このようにしてフッ化皮膜14を形成した
鋼板を絞り加工することによって、上部が開口している
有底の円筒形状の電池缶8を作製し、電池缶Aとした。
【0062】(実施例2)電池缶8は、次のようにして
作製した。
【0063】まず、表面研磨した合金No.3000系
のアルミニウム合金を、空気中で30日間放置し、その
表面に自然酸化皮膜を形成した。
【0064】次に、反応炉内に上記自然酸化皮膜を形成
したアルミニウム合金を配設し、減圧下150℃、1時
間の前処理して表面の水分を除去した後、70%の酸素
ガスと30%の窒素ガスからなる混合ガスを流しながら
400℃まで昇温させ、15時間保持して、表面を強制
酸化させた。
【0065】そして、窒素ガスにて置換した後、400
℃の温度のままで、30%のフッ化窒素ガスと70%の
窒素ガスからなる混合ガスと置換し、6時間保持した
後、窒素ガスに置換後、室温まで降温させて、フッ化皮
膜14を形成させた。
【0066】このようにしてフッ化皮膜14を形成した
アルミニウム合金を絞り加工することによって、上部が
開口している有底の角形の電池缶8を作製し、電池缶B
とした。
【0067】(実施例3)電池缶8は、次のようにして
作製した。
【0068】まず、予め酸洗により表面を清浄した鋼板
からなる母材11に90℃の温度に設定した硫酸ニッケ
ル、次亜リン酸、錯化剤、安定剤、光沢剤からなる市販
のニッケル-リンメッキ液に浸漬して、ニッケル-リン合
金皮膜を形成した。
【0069】次に、反応炉内に上記ニッケル皮膜を形成
した鋼板を配設し、減圧下200℃、1時間の前処理し
て表面の水分を除去した後、酸素ガス(純度99.99
9%)を流しながら500℃まで昇温させ、12時間保
持して、表面を強制酸化させた。
【0070】そして、窒素ガスにて置換した後、300
℃に降温させ、20%のフッ素ガスと80%の窒素ガス
からなる混合ガスと置換し、12時間保持した後、窒素
ガスに置換後、室温まで降温させて、フッ化皮膜14を
形成させた。
【0071】このようにしてフッ化皮膜14を形成した
鋼板をプレス加工することによって、上部が開口してい
る有底の円筒形状の電池缶8を作製し、電池缶Cとし
た。
【0072】(実施例4)電池缶8は、次のようにして
作製した。
【0073】まず、実施例1と同様にして鋼板表面にニ
ッケル皮膜を形成した。
【0074】次に、40℃の温度に設定した10%硝酸
水溶液に10分間浸漬した後、イオン交換水にて十分に
洗浄して、表面を強制酸化させた。
【0075】そして、反応炉内に上記表面を強制酸化さ
せた鋼板を配設し、減圧下150℃、1時間の前処理し
て表面の水分を除去し、窒素ガスにて置換した後、30
0℃に昇温し、30%のフッ素ガスと70%の窒素ガス
からなる混合ガスと置換し、8時間保持した後、窒素ガ
スに置換後、室温まで降温させて、フッ化皮膜14を形
成させた。
【0076】このようにしてフッ化皮膜14を形成した
鋼板をプレス加工することによって、上部が開口してい
る有底の円筒形状の電池缶8を作製し、電池缶Dとし
た。
【0077】(実施例5)酸素ガス(純度99.999
%)を流しながら500℃まで昇温させ、5時間保持し
て、表面を強制酸化させた以外は実施例1と同様にし
て、上部が開口している有底の円筒形状の電池缶8を作
製し、電池缶Eとした。
【0078】(実施例6)70%の酸素ガスと30%の
窒素ガスからなる混合ガスを流しながら400℃まで昇
温させ、20時間保持して、表面を強制酸化させた以外
は実施例2と同様にして、上部が開口している有底の角
形の電池缶8を作製し、電池缶Fとした。
【0079】(比較例1)電池缶8は、次のようにして作
製した。
【0080】まず、予め酸洗により表面を清浄した鋼板
からなる母材11に硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ
酸、光沢剤からなる市販のメッキ液を用いて1A/dm
2の電気量にて通電させ、ニッケル皮膜を形成した。こ
のようにしてニッケルメッキ皮膜を形成した鋼板をプレ
ス加工することによって、上部が開口している有底の円
筒形状の電池缶8を作製し、電池缶Gとした。
【0081】このようにして得られた実施例の電池缶A
〜電池缶F、比較例の電池缶Gについて、電池缶表面の
元素分析、フッ化皮膜の厚み、耐摩耗性を評価した結果
を表1に示す。
【0082】なお、電池缶表面の元素分析はXPS(X
線回折分析)を用いて行ない、フッ化皮膜の厚みは、ア
ルゴンスパッタリングによりフッ素が検出される深さを
フッ化皮膜とした。耐摩耗性は、n=20で、先端部直
径が0.2mmの触針に2Nの重量を加えながら摺動さ
せ、皮膜が剥離または割れを生じるまでの回数を求める
スクラッチ試験を最高300回まで行なったときの平均
値を求めた。
【0083】
【表1】
【0084】表1から明らかなように、電池缶A、電池
缶C〜電池缶Eの表面にはニッケル、フッ素のみが検出
され、電池缶Bおよび電池缶Fの表面にはアルミニウ
ム、フッ素のみが検出され、フッ素が検出されるまでア
ルゴンスパッタリングを行なったが、酸素は検出されな
かった。また、フッ素の検出強度は、表面から強制酸化
させたところまでは一定であるが、ここから減少しはじ
めることがわかり、アルミニウム合金からなる金属また
はニッケルからなる金属皮膜のフッ化物より実施的にな
る表面層とこの下層にもフッ素が拡散した拡散層からな
るフッ化物層であることがわかった。
【0085】ところで、スクラッチ試験から、フッ化皮
膜の厚みが1.0μm〜10μmの電池缶A〜電池缶D
は300回でも異常は認められなかったが、厚みが0.
7μmと薄い電池缶Eは275回で剥離が発生し、厚み
が12.3μmと厚い電池缶Fは288回でクラックが
発生したが、フッ化皮膜のなくニッケルメッキの厚みが
3.2μmの電池缶Gの54回と比較すると、格段に耐
摩耗性が向上していることがわかった。
【0086】(実施例7)円筒形リチウムイオン電池に
適用した場合について説明する。
【0087】正極板1は、正極活物質としてコバルト酸
リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラ
ックの炭素粉末を3重量部、結着剤としてポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)樹脂ディスパージョンを固
形分で4重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロ
ース水溶液を固形分で0.8重量部を混練分散させてペ
ーストを作製した。このペーストを、厚さ20μmの帯
状のアルミニウム箔からなる集電体に連続的に間欠塗着
を行い乾燥して、厚み290μmの正極板を作製し、線
圧1000Kg/cmで3回圧延を行うことにより、正
極板厚みを180μmに圧延した。この正極板1の無地
部に正極リード2をスポット溶接して取り付けた後、2
50℃で10時間の正極板乾燥を行った。
【0088】次に、負極板は負極活物質としてリチウム
箔を吸蔵、放出可能な鱗片状黒鉛100重量部、結着剤
としてスチレンブタジエンゴム(SBR)の水溶性ディ
スパージョンを固形分として4重量部、、増粘剤として
カルボキシメチルセルロース水溶液を0.8重量部を混
練分散させて、ペーストを作製した。このペーストを厚
さ14μmの帯状の銅箔からなる集電体に連続的に間欠
塗着を行い乾燥して、厚さ300μmの負極板を作製
し、線圧110Kg/cmで3回圧延を行うことによ
り、負極板厚みを196μmに圧延した。この負極板3
の無地部にスポット溶接して負極リード4を取り付けた
後、110℃で6時間の負極板乾燥を行った。
【0089】このようにして得られた正極板1と負極板
3とが厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータ5を
介して渦巻状に巻回して極板群を構成し、実施例1で作
製した電池缶A内に収容し、正極板1に接続された正極
リード2の他端部を封口板10に接続し、負極板3に接
続された負極リード4の他端部を、電池缶Aの底部に接
続した。この極板群の上下にそれぞれに上部絶縁板6、
下部絶縁板7を配した。
【0090】さらに、エチレンカーボネート、エチルメ
チルカーボネートの混合溶媒中に、電解質としてヘキサ
フルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1.25モル
/l溶かした電解液を所定量注液した後、ポリプロピレ
ン樹脂製の絶縁ガスケット9を介して電池缶Aを封口板
10で密封して、直径18.0mm、総高65.0mm
で電池容量が2000mAhの円筒形のリチウムイオン
電池を作製し、電池Aとした。
【0091】(実施例8)図3に断面図を示す角形リチ
ウムイオン電池に適用した場合について説明する。
【0092】実施例7と同様にして作製した正極板21
と負極板23とをセパレレータ25を介して扁平状に巻
回しプレスして、長円状の電極群を実施例2で作製した
電池缶B内に挿入し、封口板30の注液孔から電池缶内
に、実施例7と同様の組成の非水電解液を注液した後、
封口板30の注液孔に封栓を挿入し、封栓の周囲と封口
板30と電池缶Bとをレーザー溶接することにより、幅
10.5mm、長さ34mm、総高50mmで、電池容
量1800mAhの角形リチウムイオン電池を作製し、
電池Bとした。
【0093】(実施例9)円筒形ニッケルカドミウム蓄電
池に適用した場合について説明する。
【0094】まず正極板は、平均粒径10μmの水酸化
ニッケル100重量部に対して、金属コバルト7重量
部、水酸化コバルト5重量部、酸化亜鉛を3重量部加え
たものとイオン交換水200重量部を混練分散させたペ
ーストを厚さ1410μm、幅500mm、開口率93
%の発泡式ニッケル板からなる集電体に吹き付けて塗着
し、125℃で40分間乾燥させた後、ロールプレスし
て厚さが0.77mmの正極板1を作製した。
【0095】次に負極板は、ポリビニールアルコール1
重量部を溶解させたエチレングリコール溶液40重量部
に、平均粒径1μmの酸化カドミニウムを主成分とする
粉末100重量部を加え、混練分散させたペーストを厚
さ80μm、幅600mm、開口率43%のニッケルメ
ッキを施したパンチングメタルからなる集電体の両面に
塗着し、110℃で60分間乾燥させた後、0.60m
mの厚さになるまでロールプレスした後、濃度20重量
%の水酸化カリウム水溶液を用いて化成を行い負極板3
を作製した。
【0096】このようにして得られた正極板1と負極板
3とを平均繊維径9μm、厚さ200μmのポリアミド
樹脂製の不織布からなるセパレータ5を介して渦巻状に
巻回して極板群を構成し、実施例3で作製した電池缶C
内に収容し、正極板1に接続された正極リード2の他端
部を封口板10に接続し、負極板3の最外周と電池缶C
を接続させた。この極板群の上下にそれぞれに上部絶縁
板6、下部絶縁板7を配した。
【0097】さらに、比重1.26の水酸化カリウム水
溶液1リットルに対して、水酸化リチウムを30g添加
した電解液を所定量注液した後、ポリプロピレン樹脂製
の絶縁ガスケット9を介して電池缶Cを封口板10で密
封して、4/5Aサイズ(JIS表示形式KR17/4
3)で電池容量が1500mAhの円筒形のニッケルカ
ドミウム蓄電池を作製し、電池Cた。
【0098】(実施例10)円筒形ニッケル水素蓄電池に
適用した場合について説明する。
【0099】まず、実施例9と同様にして、厚さが0.
75mmの正極板を作製した。
【0100】次に負極板は、平均粒径25μmのAB5
系の水素吸蔵合金を主成分とする粉末100重量部とイ
オン交換水25重量部を混練、分散させたペーストを厚
さ1200μm、幅500mm、開口率93%の発泡式
ニッケル板からなる集電体に吹き付けて塗着し、125
℃で40分間乾燥させた後、ロールプレスして厚さが
0.60mmの負極板3を作製した。
【0101】このようにして得られた正極板1と負極板
3と、実施例4で得られた電池缶Dを用いた以外は、実
施例9と同様にして、4/5Aサイズ(JIS表示形式
HR17/43)で電池容量が2000mAhの円筒形
のニッケル水素蓄電池を作製し、電池Dとした。
【0102】(実施例11)実施例5で得られた電池缶
Eを用いた以外は、実施例1と同様にして直径18.0
mm、総高65.0mmで電池容量が2000mAhの
円筒形のリチウムイオン電池を作製し、電池Eとした。
【0103】(実施例12)実施例6で得られた電池缶
Fを用いた以外は、実施例2と同様にして幅10.5m
m、長さ34mm、総高50mmで、電池容量1800
mAhの角形リチウムイオン電池を作製し、電池Fとし
た。
【0104】(比較例2)比較例1で得られた電池缶G
を用いた以外は、実施例1と同様にして直径18.0m
m、総高65.0mmで電池容量が2000mAhの円
筒形のリチウムイオン電池を作製し、電池Gとした。
【0105】このようにして得られた実施例の電池A〜
電池Fおよび比較例の電池Gについて、n=20を用い
て過放電試験を行なった結果を表2に示す。
【0106】過放電試験は、電池A、電池B、電池E〜
電池Gのリチウムイオン電池の場合、各10個の電池を
用い20℃の環境下において、電池電圧が4.2Vに達
するまで0.7ItA(電池A、電池Eおよび電池Gの
場合1400mA、電池Bおよび電池Fの場合1260
mA)の定電流で充電を行い、1ItA(電池A、電池
Eおよび電池Gの場合2000mA、電池Bおよび電池
Fの場合1800mA)の定電流で3.0Vの放電終止
電圧まで放電した後、100mΩの定抵抗を接続したま
ま14日間放置し、電池を分解して電池缶の腐蝕の有無
を目視で観察した。
【0107】また、電池Cのニッケルカドミウム蓄電
池、電池Dのニッケル水素蓄電池の場合、20℃の環境
下において、1ItA(電池Cの場合1500mA、電
池Dの場合2000mA)の定電流で、充電ピーク電圧
からの降下電圧が15mVに達するま充電を行い、1I
tAの定電流で1.0Vの放電終止電圧まで放電した
後、300mΩの定抵抗を接続したまま14日間放置
し、電池を分解して電池缶の腐蝕の有無を目視で観察し
た。
【0108】なお、得られた各電池をX線透視して、カ
シメ封口またはレーザー封口時のフッ化皮膜の剥離、ク
ラック等について観察したが、すべて異常はなかった。
【0109】
【表2】
【0110】表2から明らかなように、実施例の電池A
〜電池Fの場合は、表面に緻密で母材と一体化している
フッ化皮膜が形成されている電池缶を用いているので、
長期間過放電下に放置されても電解液による腐蝕が認め
られなかったのに対して、比較例のニッケルメッキのみ
を表面に施した電池Gの場合は40%腐蝕が認められ
た。
【0111】電池Gの場合、鋼板からなる母材表面にニ
ッケルメッキを施した電池缶と負極板とを短絡させてい
るので負極電位であり、鋼板の溶解電位はリチウムイオ
ン電池の電圧に換算すると約2.6Vである。ニッケル
メッキの厚みが厚くても、微細なピンホールは皆無では
なく、電池が過放電状態になった場合、この電圧を下回
ることになるので、鋼板が溶解し腐蝕したと思われる。
【0112】
【発明の効果】以上の説明のように本発明の電池缶およ
びこの電池缶を用いた電池によれば、絞り加工により電
池缶に加工するときに剥れたり、封口板と電池缶とをか
しめ封口するときに剥離することがなく、耐摩耗性のみ
ならず、長期間過放電下に放置された場合でも耐電解液
性に優れた電池缶およびこの電池缶を用いた電池を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す電池を示す縦断
面図
【図2】本発明の実施形態の一例を示す電池缶の模式断
面図
【図3】角型リチウムイオン電池の構造を示す断面模式
【符号の説明】
1,21 正極板 2 正極リード 3,23 負極板 4 負極リード 5,25 セパレータ 6 上部絶縁板 7 下部絶縁板 8,28 電池缶 9 絶縁ガスケット 10,30 封口板 11 母材 12 表面層 13 拡散層 14 フッ化皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 Z Fターム(参考) 4K044 AA06 BA06 BA20 BB03 BC02 BC06 CA04 CA12 CA13 CA15 CA18 5H011 AA17 BB03 CC06 DD09 JJ14 KK01 5H029 AJ15 AK03 AL06 AL07 AM03 BJ02 CJ24 DJ02 HJ04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属または金属皮膜表面に、フッ化皮膜
    が形成されていることを特徴とする電池缶。
  2. 【請求項2】 前記金属皮膜がニッケルまたはニッケル
    合金皮膜であることを特徴とする請求項1に記載の電池
    缶。
  3. 【請求項3】 前記金属皮膜が形成されている母材が鋼
    板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の電池缶。
  4. 【請求項4】 前記金属がアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の電池
    缶。
  5. 【請求項5】 前記フッ化皮膜が前記金属または金属皮
    膜のフッ化物より実質的になる表面層とこの下層にフッ
    素が拡散した拡散層からなることを特徴とする請求項1
    に記載の電池缶。
  6. 【請求項6】 前記フッ化皮膜の厚みが1μm〜10μ
    mであることを特徴とする請求項1または請求項5に記
    載の電池缶。
  7. 【請求項7】 正極板と負極板とをセパレータを介して
    絶縁した状態の極板群を、請求項1〜請求項6のいずれ
    かに記載の電池缶に収容し、電解液を注液し、封口板に
    て密閉されていることを特徴とする電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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