JP2003226007A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2003226007A
JP2003226007A JP2002024923A JP2002024923A JP2003226007A JP 2003226007 A JP2003226007 A JP 2003226007A JP 2002024923 A JP2002024923 A JP 2002024923A JP 2002024923 A JP2002024923 A JP 2002024923A JP 2003226007 A JP2003226007 A JP 2003226007A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出性能の均一性を保ちつつ長尺化を図るこ
とを可能にする。 【解決手段】 流路ユニット10のキャビティプレート
14に形成された多数の圧力室16は、キャビティプレ
ート14の長手方向に沿うように配置されることにより
圧力室列42を構成している。圧力室列42に含まれる
各圧力室16は、その長手方向がキャビティプレート1
4の長手方向に沿うように配置されている。また、複数
の圧力室列42が、互いに平行であって流路ユニット1
0の長手方向に互いにずれて配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
を吐出して記録を行うインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドとして、1列又は
2列に配置された多数のノズルにそれぞれ接続された多
数の圧力室を有する流路ユニットと、各圧力室の容積を
変化させる圧電シートが積層されたアクチュエータユニ
ットとが貼り合わされたものが知られている。アクチュ
エータユニット内の少なくとも一層の圧電シートには、
複数の圧力室に共通でグランド電位に保持され共通電極
と、各圧力室に対応する位置にそれぞれ配置された個別
電極とで挟み込まれた活性部が設けられている。そし
て、インクを吐出すべき圧力室に対応する個別電極を共
通電極とは異なる電位とすることで、圧電効果により活
性部を積層方向に変位させて圧力室内の容積を変動させ
ることによってインクをノズルから吐出することが可能
となっている。
【0003】上述したようなインクジェットヘッドとし
て、圧力室が流路ユニットの表面に沿った細長い形状
(多角形及び楕円のいずれでもよい)を有するものがあ
る。このようなインクジェットヘッドでは、ノズルを1
列又は2列に高密度に配置するべく、例えば特開平10
−217452号公報や特開2001−246744号
公報に示されているように、各圧力室はその長手方向が
流路ユニットの長手方向に直交する方向(幅方向)と同
じになるように、言い換えると、各圧力室の幅方向が流
路ユニットの長手方向と同じになるように配置される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、印刷速度の高速
化への要請が強まっており、それに応えるべく、インク
ジェットヘッドの長尺化が検討されている。ところが、
上記公報に記載のような各圧力室の幅方向が流路ユニッ
トの長手方向と同じになるように圧力室が配置されたイ
ンクジェットヘッドについては、ヘッドを長尺なものに
すると均一な吐出性能が得られなくなることを本発明者
は見いだした。
【0005】そこで、本発明の目的は、吐出性能の均一
性を保ちつつ長尺化を図ることが可能なインクジェット
ヘッドを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】各圧力室の幅方向が流路
ユニットの長手方向と同じになるように圧力室が配置さ
れたインクジェットヘッドについて、吐出性能の均一性
を保ちつつ長尺化を図ることが困難である理由として、
以下のことが考えられる。第1に、一般に流路ユニット
が金属材料製であるのに対し、アクチュエータユニット
が焼結したセラミックス製であるため、ヘッドを長尺化
するほどアクチュエータユニットの寸法精度が悪化し
て、すべての圧力室と活性部とを正確に位置合わせしづ
らくなることが挙げられる。第2に、上述のようなイン
クジェットヘッドでは、圧力室と活性部との幅方向につ
いての位置ずれによる吐出性能への影響が、長手方向に
ついての位置ずれによる吐出性能への影響よりも大きい
ことが挙げられる。
【0007】この2番目の点について、図8を参照しつ
つ説明する。図8(a)は、圧力室及び活性部が正しい
位置にあるときの両者の位置関係の一例を描いた模式的
な平面図であり、このとき活性部3(幅L1、長さL2)
はその中心位置が圧力室2の中心位置と重なるように平
面視において圧力室2内に含まれている。図8(b)
は、活性部3が図8(a)の状態からその幅方向に距離
aだけずれたときの両者の位置関係を描いた模式的な平
面図である。図8(c)は、活性部3が図8(a)の状
態からその長手方向に距離bだけずれたときの両者の位
置関係を描いた模式的な平面図である。この図からも分
かるように、幅方向または長手方向に同じ距離だけずれ
ても、圧力室の幅に対して圧力室の長さの方が十分に大
きいから、圧力室2の幅に対する活性部3の位置の変化
割合は、圧力室2の長手方向に対する活性部3の位置の
変化割合の方がはるかに小さい。活性部3が圧力室2の
周囲の壁に接近すると、その周囲の壁によって活性部3
の変形が拘束されることになるので、幅方向には、わず
かの位置ずれによって拘束される割合が大きくなる。一
方、長手方向には、その長手方向の両端から中央までの
距離が大きいので、中央においてほぼ所定の変形を得る
ことができる。したがって、圧力室2と活性部3との長
手方向の位置ずれの影響は、幅方向の位置ずれによる影
響よりも小さい。さらに、活性部3はその幅方向を、ア
クチュエータユニットの長手方向に沿わせて多数並置さ
れるから、アクチュエータユニットをセラミックスで製
作し、焼結によりアクチュエータユニットの長手方向に
大きな収縮を生じたとき、活性部3がその幅方向に大き
くずれることになる。このため、活性部3は、圧力室2
に対してその幅方向にずれやすいが、アクチュエータユ
ニットの長手方向が圧力室2の長手方向であると、その
影響は上記のように小さいことになる。
【0008】本発明者は、以上のような認識に基づいて
検討を重ねた結果、以下のようなインクジェットヘッド
に到達した。すなわち、請求項1のインクジェットヘッ
ドは、一端が吐出ノズルに、他端がインク供給源にそれ
ぞれ接続され且つその両端を結ぶ方向の長さがそれと直
交する方向の幅よりも大きい複数の圧力室が相互に隣接
配置された流路ユニットと、各圧力室の容積を変化させ
る複数の活性部を有し且つ複数の前記圧力室に対向して
配置されたアクチュエータユニットとを備え、前記活性
部の変形により対応する前記圧力室の容積を変化させて
前記吐出ノズルからインク滴を吐出するインクジェット
ヘッドにおいて、複数の前記圧力室がその長手方向に沿
って配列された圧力室列が、前記流路ユニットの長手方
向に沿って配置されているものである。
【0009】請求項1によると、圧力室がその長手方向
に沿って配列されることによって形成された圧力室列が
流路ユニットの長手方向に沿って配置されているため
に、ヘッドの長尺化によりアクチュエータユニットの寸
法精度が悪化し、すべての圧力室と活性部とを正確に位
置合わせしづらくなって圧力室と活性部との位置ずれ量
が大きくなるとしても、その位置ずれは主に圧力室の長
手方向に生じるものとなる。従って、従来のように位置
ずれが主に圧力室の幅方向に生じる場合に比べて、吐出
性能への影響が少なくなる。そのため、ヘッドの長さと
吐出性能の均一性との関連性が小さくなって、長尺化さ
れた高速印刷が可能なインクジェットヘッドを製造して
も、インクジェットヘッドの吐出性能の均一性を保つこ
とができる。
【0010】また、請求項2のインクジェットヘッド
は、互いに平行であって前記流路ユニットの長手方向に
互いにずれるように、複数の前記圧力室列が配置されて
いることを特徴としている。
【0011】請求項2によると、互いに平行であって流
路ユニットの長手方向に互いにずれるように複数の圧力
室列が配置されているため、圧力室列が1つだけ配置さ
れている場合と比較すると、インクジェットヘッドがそ
の幅方向に1回移動するだけで多くの印刷ドットを形成
することができる。従って、圧力室列同士のずれ量を適
宜設定することにより、高解像度の画像を高速で印刷す
ることが可能になる。
【0012】また、請求項3のインクジェットヘッド
は、前記アクチュエータユニットが、複数の前記圧力室
に跨るように積層された圧電材料からなる複数の連続平
板層を含んでおり、各連続平板層の一方側には複数の前
記圧力室に共通の共通電極が配置されると共に、各連続
平板層の他方側には各圧力室ごとに駆動電極が配置され
ており、前記連続平板層の前記共通電極と各駆動電極と
によって挟まれた領域が前記活性部となっていることを
特徴としている。
【0013】請求項3によると、共通電極と駆動電極と
が重なる領域の大きさを変更するだけで容易に活性部の
長さを変更することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】図1は、本実施の形態によるインクジェッ
トヘッドの分解斜視図である。図1に示すように、本実
施の形態による圧電式のインクジェットヘッド1は、ほ
ぼ直方体の流路ユニット10上にこれとほぼ同形状のア
クチュエータユニット20が積層され、アクチュエータ
ユニット20上に外部機器との接続のためのフレキシブ
ルフラットケーブル40が貼付されたものである。イン
クジェットヘッド1は、流路ユニット10の下面側に開
口したノズル54(図2参照)から下向きにインクを吐
出する。
【0016】図2は、流路ユニットの分解斜視図であ
る。図2に示すように、流路ユニット10は、ノズルプ
レート43、マニホールドプレート11、12、スペー
サプレート13及びキャビティプレート14の5枚の導
電性のある薄板を接着にて重ねて接合して積層したもの
である。本実施の形態において、ノズルプレート43を
除く各プレート11、12、13、14は、42%ニッ
ケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さで
ある。
【0017】ノズルプレート43には、微小径を有する
インク吐出用のノズル54が、マトリクス状に多数穿設
されている。さらに具体的にいうと、ノズルプレート4
3内には、複数のノズル54がノズルプレート43の長
手方向(長辺方向:矢印A)に沿ってピッチPで配列さ
れた複数のノズル列36が形成されており、これら複数
のノズル列36は、ノズルプレート43の長手方向に沿
って互いに平行に、且つ、ノズルプレート43の長手方
向に等距離(距離X)ずつずれていくように配置されて
いる。このようにノズル列36が配置されることによっ
て、多数のノズル54が短辺と長辺とが直交していない
ほぼ平行四辺形の領域内に含まれるようになると共に、
当該平行四辺形の短辺方向(矢印B)に沿った別の複数
のノズル列37が構成される。
【0018】マニホールドプレート12には、インク通
路としての一対のマニホールド室12a、12aが穿設
されている。各マニホールド室12aは、各ノズル列3
7と平行に延在しこれよりも僅かにマニホールドプレー
ト12の長手方向にオフセットしたノズル列37と同数
の枝部と、各枝部の根元同士を連結する基部とからなる
櫛刃形状を有している。
【0019】マニホールドプレート12の下側にあるマ
ニホールドプレート11の上面には、各マニホールド室
12aとほぼ同じ位置にて、平面視形状で略同じ形状の
上向き開放するようにマニホールド室11aが凹設さ
れ、両マニホールド室11a、12aが一体となって1
つのマニホールド室を形成している。
【0020】また、キャビティプレート14の平面図で
ある図3にも示すように、キャビティプレート14に
は、多数の細幅の圧力室16がそれぞれの長手方向がキ
ャビティプレート14の長手方向に沿うようにマトリク
ス状に穿設されている。さらに具体的にいうと、キャビ
ティプレート14内には、複数の圧力室16がキャビテ
ィプレート14の長手方向(長辺方向:矢印A)に沿っ
てピッチPで配列された複数の圧力室列42が形成され
ており、これら複数の圧力室列42は、キャビティプレ
ート14の長手方向に沿って互いに平行に、且つ、キャ
ビティプレート14の長手方向に等距離(距離X)ずつ
ずれていくように配置されている。このように圧力室列
42が配置されることによって、多数の圧力室16が短
辺と長辺とが直交していないほぼ平行四辺形の領域内に
含まれるようになると共に、当該平行四辺形の短辺方向
(矢印B)に沿った別の複数の圧力室列43が構成され
る。本実施の形態において、圧力室16の長さと幅との
比はおよそ8である。
【0021】平面視でほぼ半円形に形成された各圧力室
16の先端(図3中の下側端部)は、スペーサプレート
13及びマニホールドプレート11、12にノズル54
と同じパターンで穿設された微小径の貫通孔17、17
を介して、ノズルプレート43に穿設されたノズル54
に連通している。一方、各圧力室16の他端は、スペー
サプレート13のマニホールド室12aに対応した位置
にノズル54と同じパターンで穿設された貫通孔18を
介して、マニホールドプレート11、12におけるマニ
ホールド室11a、12aに連通している。
【0022】また、キャビティプレート14及びスペー
サプレート13の対角位置には、左右両マニホールド室
12a、12aの基部にそれぞれ連通した一対の供給孔
19a、19bが穿設されている。図2に示すように、
最上層のキャビティプレート14に穿設された供給孔1
9a、19aの上面には、その上方のインクカートリッ
ジ(図示せず)から供給されるインク中の塵除去のため
のフィルタ29が張設されている。
【0023】インクカートリッジから供給孔19a、1
9bを介して左右両マニホールド室11a、11a、1
2a、12a内に流入したインクは、各貫通孔18を通
って各圧力室16内にそれぞれ分配されたのち、各圧力
室16内から貫通孔17を通って、当該圧力室16に対
応するノズル54に至る。
【0024】図4は、アクチュエータユニット20の部
分的な分解斜視図である。図4に示すように、アクチュ
エータユニット20は、8枚の圧電セラミックスシート
(以下単に「圧電シート」という)21a、21b、2
1c、21d、21e、21f、21g、23を積層し
た構造で、各圧電シートは全圧力室16が構成する上記
平行四辺形を被覆する大きさを有しており、その長さは
流路ユニット10よりもやや短い。下から2番目及び4
番目の圧電シート21b、21dの上面には、多数の個
別電極24が設けられている(図6及び図7参照)。こ
れら個別電極24は、流路ユニット10の圧力室16と
同じパターンにマトリクス状に配列されている。そし
て、各個別電極24は、アクチュエータユニット20の
長辺方向に延びた細幅形状を有している。各個別電極2
4の電位は独立して制御可能となっている。
【0025】また、圧電シート21aの上面のほぼ全面
及び後述する領域61を除いた圧電シート21c、21
eの上面のほぼ全面には、共通電極25が形成されてい
る(図6及び図7参照)。従って、各個別電極24の大
部分は、平面視において共通電極25とオーバーラップ
している。共通電極25は、常に一定の電位(グランド
電位)に保たれている。その他の圧電シート21f、2
1g、23の上面には、個別電極又は共通電極は設けら
れていない。なお、最上段の圧電シート23は圧電セラ
ミックス材料でなく、絶縁材料であってもよい。各シー
トの厚さは約30μmである。
【0026】圧電シート21c、21eの上面であっ
て、平面視で各個別電極24の先端に対応した位置に
は、圧電シート21cの部分拡大平面図である図5にも
示すように、共通電極25が形成されていない領域61
が設けられている。そして、各領域61内には、個別電
極24の先端の半円形領域とほぼ同じ径のダミー個別電
極26が形成されている。また、圧電シート21b、2
1dの上面のうち、平面視で共通電極25の長手方向両
端部近傍に対応する位置には、ダミー共通電極27が形
成されている。
【0027】図1及び図4に示すように、最上段の圧電
シート23の上面には、各個別電極24の各々に対する
表面電極30と、共通電極25の長手方向両端部近傍に
対する表面電極31とが設けられている。
【0028】さらに、最下段の圧電シート21aを除い
た圧電シート21b、21c、21d、21e、21
f、21g、23には、各表面電極30と、それに対応
する位置(同じ上下位置)の個別電極24及びダミー個
別電極26とを互いに接続するためのスルーホール32
が各個別電極24につき1つずつ穿設されている。同様
に、最下段の圧電シート21aを除いた圧電シート21
b、21c、21d、21e、21f、21g、23に
は、表面電極31と、共通電極25の長手方向両端部近
傍及びダミー共通電極27とを互いに接続するための数
個のスルーホール33が穿設されている。スルーホール
32、33内には導電性材料が充填されている。そし
て、各スルーホール32内の導電性材料を介して、積層
方向に重なった個別電極24、ダミー個別電極26及び
表面電極30がそれぞれ電気的に接続されている。同じ
く、各スルーホール33内の導電性材料を介して、積層
方向に重なった共通電極25、ダミー共通電極27及び
表面電極31が電気的に接続されている。
【0029】なお、スルーホール33を形成しない場合
には、アクチュエータユニット20の一側面に全ての共
通電極25の引き出し部を露出させ、全ての引き出し部
に接続する接続電極をアクチュエータユニット20の厚
さ方向に延びるように塗布し、この接続電極を圧電シー
ト23上の表面電極31に電気的に接続するようにして
もよい。また、スルーホール32を形成しない場合に
は、全ての個別電極24の端部をアクチュエータユニッ
ト20の他側面に露出させ、上下方向に同じ位置の個別
電極24に接続する接続電極をアクチュエータユニット
20の側面に塗布し、接続電極を圧電シート23上の各
対応する表面電極30に電気的に接続するようにしても
よい。
【0030】このような構成のプレート型のアクチュエ
ータユニット20における下面(圧力室16と対面する
面)全体には、接着剤層としてのインク非浸透性の合成
樹脂材からなる接着剤シート(図示せず)が貼着されて
いる。また、アクチュエータユニット20は、各個別電
極24が圧力室16の各々に平面視で対応した位置に配
置されるように、流路ユニット10に接着及び固定され
ている(図6及び図7参照)。さらに、アクチュエータ
ユニット20の上側面には、フレキシブルフラットケー
ブル40が重ねられることによって、フレキシブルフラ
ットケーブル40に形成された各種の配線パターンが、
各表面電極30、31と電気的に接続されている。
【0031】なお、接着剤シート等の接着剤層の材料と
しては、少なくともインク非浸透性であり、且つ電気絶
縁性を備えたものであって、ナイロン系やダイマー酸ベ
ースのポリアミド樹脂を主成分とするポリアミド系ホッ
トメルト形接着剤、ポリエステル系ホットメルト形接着
剤のフィルム状のものを使用しても良いが、ポリオレフ
ィン系ホットメルト形接着剤をアクチュエータユニット
20に塗布してから、流路ユニット10に接着するよう
にしてもよい。
【0032】図6は、本実施の形態によるインクジェッ
トヘッド1の圧力室の幅方向に沿った部分断面図であ
る。図7は、本実施の形態によるインクジェットヘッド
1の圧力室の長手方向に沿った部分断面図である。
【0033】図6および図7に示すように、本実施の形
態において、流路ユニット10とアクチュエータユニッ
ト20は、各個別電極24が圧力室16の各々に平面視
で対応した位置に配置されるように互いに組み付け固定
されている。アクチュエータユニット20内の4枚の圧
電シート21b、21c、21d、21eの共通電極2
5と多数の個別電極24とによって挟み込まれた領域
は、公知のように両電極24、25が対向する方向に分
極処理され、両電極間に分極方向と平行に電界を発生す
ると圧電効果により厚み方向すなわちシート積層方向に
膨らむ又は引っ込むように湾曲する。つまり、この領域
は、個別電極24に電圧を印加することで変位する活性
部となっている。活性部は、図6に示すように圧力室1
6よりもやや幅が狭く、図7に示すように圧力室16よ
りもやや短い。各圧電シート内に島状に形成されてい
る。そして、4枚の圧電シートにそれぞれ形成された活
性部は、対応するもの同士が平面視で互いに上下に連続
するような位置に形成されている。従って、上下に連続
した4つの活性部は、一まとまりの活性部群を形成して
いる。なお、アクチュエータユニット20は、活性部群
間の不活性部において圧力室16間に形成された隔壁上
に固着されている。
【0034】本実施の形態のインクジェットヘッド1を
製造するには、アクチュエータユニット20及び流路ユ
ニット10をそれぞれ別々に作成した後、両者を接着剤
シートで固定する。その後、フレキシブルフラットケー
ブル40を介して全ての個別電極24と共通電極25と
の間に、通常の吐出動作時よりも高い電圧を印加する。
すると、個別電極24と共通電極25との間に挟まれた
圧電シート21b、21c、21d、21eの部分が分
極処理されて活性部となる。
【0035】次に、本実施の形態のインクジェットヘッ
ド1におけるインク吐出動作について説明する。選択さ
れた活性部群に属する個別電極24に吐出動作のための
電圧を印加すると、個別電極24と共通電極25との間
に分極方向と同方向の電界が発生して、当該活性部群に
属する活性部は圧電効果によりキャビティプレート14
方向(下方)に突出するように伸長し、最下層にある圧
電シート21aが活性部と対応する位置において下方に
湾曲する。このようにして各個別電極24に対応する圧
力室16の容積が縮小することにより、圧力室16内の
インクがノズル54から液滴状に噴出して印字が行われ
る。その後、個別電極24への電圧の印加を中止する
と、4枚の圧電シート21b〜21eの活性部が平板形
状に戻る。
【0036】なお、インクの吐出動作を行うには、予め
全ての個別電極24に電圧を印加して全ての圧力室16
の容積を縮小させておき、インクの吐出動作をしようと
する圧力室16に対応する個別電極24の電圧を解除し
て圧力室16の容積を拡大し、その後、再びその個別電
極24に電圧を印加して圧力室16の容積を縮小し、イ
ンクに吐出圧力を加えるように構成する、いわゆる「引
き打ち」をしてもよい。
【0037】上述のように、本実施の形態のインクジェ
ットヘッド1は、複数の圧力室16がその長手方向に沿
って配列された圧力室列42が、流路ユニット10の長
手方向に沿って配置されたものである。そのため、イン
クジェットヘッド1の長尺化によりアクチュエータユニ
ット20の寸法精度が悪化し、すべての圧力室16と活
性部とを正確に位置合わせしづらくなって圧力室16と
活性部との位置ずれ量が大きくなるとしても、その位置
ずれは主に圧力室16の長手方向に生じるものとなる。
従って、先に説明したように、位置ずれが主に圧力室1
6の幅方向に生じる場合に比べて、吐出性能への影響が
少なくなる。よって、インクジェットヘッド1の長さと
吐出性能の均一性との関連性が小さくなって、長尺化さ
れた高速印刷が可能なインクジェットヘッド1を製造し
ても、インクジェットヘッド1の吐出性能の均一性を保
つことができるようになる。
【0038】また、本実施の形態のインクジェットヘッ
ド1においては、複数の圧力室列42が互いに平行であ
って流路ユニット10の長手方向に互いにずれるように
配置されているため、インクジェットヘッドがその幅方
向に1回移動するだけで多くの印刷ドットを形成するこ
とができる。従って、圧力室列42同士のずれ量を適宜
設定することにより、高解像度の画像を高速で印刷する
ことが可能になる。
【0039】また、本実施の形態のインクジェットヘッ
ド1では、上述のように、アクチュエータユニット20
と流路ユニット10との間に、全ての圧力室16を覆う
ように接着剤シートを介在させることにより、接着剤シ
ートがインクを浸透させない被膜の役割を果たすと共
に、アクチュエータユニット20と流路ユニット10と
を強固に固定する。また、複数の圧力室16に跨るよう
に8枚の圧電シート21a、…を積層してアクチュエー
タユニット20を構成しているから、圧力室16に対す
る変位量を圧電シートの積層数によって容易に変更する
ことができると共に、各圧電シートに電極を印刷等で形
成して積層することで、アクチュエータユニット20を
容易に製作することができる。さらに、個別電極24と
共通電極25とが重なる領域の大きさを変更すること
で、容易に活性部の長さを変更することができる。
【0040】以上、本発明の好適な一実施の形態につい
て説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様
々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施
の形態ではアクチュエータユニットが電極の印刷された
圧電シートを積層したものであるが、アクチュエータユ
ニットはこのようなものに限られるものではなく、圧力
室の容積が変更されるように変形する活性部を有するも
のであれば圧電式以外のどのようなものでもよい。ま
た、上述の実施の形態では、アクチュエータユニット内
の一部の圧電シートだけに活性部を設けているが、積層
された圧電シートのすべてに活性部が設けられていても
よい。
【0041】また、上述の実施の形態では活性部の長さ
を圧力室よりも短くしているが、活性部の長さを圧力室
よりも長くしてもよい。このようにした場合、長手方向
について圧力室が活性部に含まれることになって、活性
部の長手方向の位置ずれはほとんど吐出性能に影響を与
えなくなるので、本発明のような構成をとることがさら
に有効となる。
【0042】また、上述の実施の形態では、多数の圧力
室が短辺と長辺とが直交していない平行四辺形の領域内
に配置されているが、例えば、流路ユニットの長手方向
に沿った圧力室列を1つだけ形成してもよい。
【0043】また、圧力室や活性部などの形状、圧電シ
ートなどの積層数、圧力室の配列方向などは、適宜変更
してよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、圧力室がその長手方向に沿って配列されることによ
って形成された圧力室列が流路ユニットの長手方向に沿
って配置されているために、ヘッドの長尺化によりアク
チュエータユニットの寸法精度が悪化し、すべての圧力
室と活性部とを正確に位置合わせしづらくなって圧力室
と活性部との位置ずれ量が大きくなるとしても、その位
置ずれは主に圧力室の長手方向に生じるものとなる。従
って、従来のように位置ずれが主に圧力室の幅方向に生
じる場合に比べて、吐出性能への影響が少なくなる。そ
のため、ヘッドの長さと吐出性能の均一性との関連性が
小さくなって、長尺化された高速印刷が可能なインクジ
ェットヘッドを製造しても、インクジェットヘッドの吐
出性能の均一性を保つことができる。
【0045】請求項2によると、互いに平行であって流
路ユニットの長手方向に互いにずれるように複数の圧力
室列が配置されているため、インクジェットヘッドがそ
の幅方向に1回移動するだけで多くの印刷ドットを形成
することができる。従って、圧力室列同士のずれ量を適
宜設定することにより、高解像度の画像を高速で印刷す
ることが可能になる。
【0046】請求項3によると、共通電極と駆動電極と
が重なる領域の大きさを変更するだけで容易に活性部の
長さを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェットヘ
ッドの分解斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドを構成する流
路ユニットの分解斜視図である。
【図3】図2に示す流路ユニットを構成するキャビティ
プレートの平面図である。
【図4】図1に示すインクジェットヘッドを構成するア
クチュエータユニットの部分的な分解斜視図である。
【図5】図4に示すアクチュエータユニットに含まれる
圧電シートの上面に形成された共通電極の部分拡大図で
ある。
【図6】図1に示すインクジェットヘッドの幅方向に沿
った部分断面図である。
【図7】図1に示すインクジェットヘッドの長手方向に
沿った部分断面図である。
【図8】インクジェットヘッドの圧力室と活性部との位
置関係を描いた模式的な平面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 10 流路ユニット 14 キャビティプレート 16 圧力室 20 アクチュエータユニット 21a〜21g、23 圧電シート 24 個別電極 25 共通電極 36、37 ノズル列 40 フレキシブルフラットケーブル 42、43 圧力室列 54 ノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が吐出ノズルに、他端がインク供給
    源にそれぞれ接続され且つその両端を結ぶ方向の長さが
    それと直交する方向の幅よりも大きい複数の圧力室が相
    互に隣接配置された流路ユニットと、各圧力室の容積を
    変化させる複数の活性部を有し且つ複数の前記圧力室に
    対向して配置されたアクチュエータユニットとを備え、
    前記活性部の変形により対応する前記圧力室の容積を変
    化させて前記吐出ノズルからインク滴を吐出するインク
    ジェットヘッドにおいて、 複数の前記圧力室がその長手方向に沿って配列された圧
    力室列が、前記流路ユニットの長手方向に沿って配置さ
    れていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 互いに平行であって前記流路ユニットの
    長手方向に互いにずれるように、複数の前記圧力室列が
    配置されていることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータユニットが、複数の
    前記圧力室に跨るように積層された圧電材料からなる複
    数の連続平板層を含んでおり、 各連続平板層の一方側には複数の前記圧力室に共通の共
    通電極が配置されると共に、各連続平板層の他方側には
    各圧力室ごとに駆動電極が配置されており、 前記連続平板層の前記共通電極と各駆動電極とによって
    挟まれた領域が前記活性部となっていることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。
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