JP2003223067A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JP2003223067A
JP2003223067A JP2002023938A JP2002023938A JP2003223067A JP 2003223067 A JP2003223067 A JP 2003223067A JP 2002023938 A JP2002023938 A JP 2002023938A JP 2002023938 A JP2002023938 A JP 2002023938A JP 2003223067 A JP2003223067 A JP 2003223067A
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JP
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image
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heat
fixing
roller
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JP2002023938A
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English (en)
Inventor
Keiichi Adachi
圭一 足立
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙の定着画像の再現性が良好で、定着不足
のため文字が欠けたり、ハイライトがとんだりせず、ま
た、ヒートローラ表面の塵埃除去により被記録材表面層
の凹み、破壊を起こすことがない画像形成方法および装
置を提供する。 【解決手段】 被記録材を装着する工程と、該被記録材
上に画像を付加する画像付与工程と、画像を付加された
該被記録材に加熱定着を行う加熱定着工程とを有し、該
被記録材上に画像を形成する画像形成方法であって、前
記加熱定着工程が、該記録材に加熱を与える発熱体と、
加熱と同時に圧力を加える加圧部とを有する画像形成方
法において、前記発熱体を被記録材進行方向に対し直角
方向に設け、その発熱体長さを被記録材最大幅よりも長
くして被記録材が発熱体両端から内側のエリアを通過す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、インクジ
ェット等の画像形成装置において、紙、樹脂等でできた
記録シートもしくは刷版等の被記録材上に形成された画
像を被記録材の種類及びサイズに係わらず均一に定着さ
せるためのもので、特に短時間で安定に定着ができ、且
つ寿命の長いコンパクトな定着のできる画像形成方法お
よび画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱定着技術は、被記録材料に画像を外
部から付加する電子写真、イオノグラフィー、インクジ
ェット等の技術を用いたプリンタ、ファクシミリ、製版
機等に広く用いられている。例えば、電子写真式の複写
機では、ドラム状の感光体を帯電・露光して静電潜像を
つくり、この静電潜像を乾式あるいは湿式のトナーによ
り現像し、記録紙に転写した後、加熱定着を行うことに
より、画像が形成される。
【0003】また、イオノグラフィーでは電荷保持能を
有する被記録媒体上に、イオン放射ヘッドを用いて画像
様に静電潜像を形成し、この静電潜像を乾式あるいは湿
式のトナーにより現像した後、加熱定着を行うことによ
り、画像が形成される。
【0004】一方、インクジェット式プリンタでは、記
録ヘッドから記録紙にインクを噴射させ、これを自然乾
燥させて画像を形成し、定着は行わないことが普通であ
った。しかし、ワックスインクを用いるインクジェット
では被記録媒体へインクがしみ込み難いため、被記録媒
体への画像密着性を確保するため加熱定着を行ってい
る。また近年では、インクジェット技術の印刷速度の向
上により、インク乾燥の促進が必要となり、UVインキ
で描画後にUV光照射を行う、あるいは加熱装置等によ
りインク溶媒の乾燥を促進する等の対策が行われるよう
になった。一方、耐光性あるいは色相の要求を満足する
ためインク中の色剤微粒子を樹脂等で被覆することも行
われ、その場合には、電子写真式複写機と同様の画像定
着が必要となり、加熱定着が好適に使用される。さら
に、上記の様にプリンタ・ファクシミリ等の被記録媒体
として記録シートに直接印刷を行う場合以外に、印刷に
使用する刷版を作るシステムにおいても、耐刷性を向上
させる目的で、加熱定着技術は用いられている。
【0005】加熱定着技術は、被記録材に画像を外部か
ら付加する電子写真、インクジェット等の技術を用いた
プリンタ、ファクシミリ、製版機等に広く用いられてい
る。例えば、電子写真式の複写機では、ドラム状の感光
体を露光して静電潜像をつくり、この静電潜像をトナー
現像し、記録紙に転写した後、加熱定着を行うことによ
り、複写画像が形成される。また、インクジェット、静
電式インクジェットを用いたプリンタでは、記録ヘッド
から記録紙にインクを噴射させ、これを乾燥させた後定
着を行い、一連の動作が終了される。また、プリンタ、
ファクシミリ等の印刷以外にも、加熱定着技術は用いら
れ、印刷に使用する刷版を作るシステムの中にも組みこ
まれている。
【0006】ランプヒータによる定着では、電圧を印加
してから発熱体からの安定な出力供給が得られるまでに
時間を要し、出力が安定化するまで時間がかかる。この
影響は、主として被記録材先端部に現れ、先端部では定
着の際、定着温度の低下により定着不良となり、得られ
た画像品質は劣化する。出力が安定化されない理由とし
ては、ランプヒータの立ち上がりに時間を要する他、ラ
ンプヒータ周囲の環境を加熱する必要があること等種々
の理由が挙げられる。
【0007】そこで従来より、加熱定着装置には熱源を
有するヒートローラが用いられ、外部から付加された被
記録材上の樹脂の定着を行っていた。その場合、加熱温
度が低いと、被記録材上での定着不良により、文字の欠
け・ハイライトのトビ等の画像欠陥が発生したし、一
方、定着過多になった場合には、画像欠陥、記録材の変
形がみられる他、装置が故障しやすくなった。そこでヒ
ートローラは、ローラの表面温度を常に一定に保つ制御
機構を有しており、表面温度が規定温度より下がった場
合はヒートローラの発熱体の出力を大きくし、逆に表面
温度が規定温度より上がった場合には発熱体の出力を小
さくすることを行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる制御
機構を有していても、ヒートローラは、幅方向(定着進
行方向に対する直角直方向)の定着温度を均一化するこ
とが難しく、均一定着は非常に困難であった。その理由
は、通常、ヒートローラは内部に発熱体を持つが、発熱
体の発熱量がどの箇所も一定であった場合には、発熱体
の端部外側では、熱源がなく、熱を奪う媒体が存在する
ため、放熱が著しく、温度が低下するものと思われる。
その上、加熱定着される被記録材上でも、端部からは放
熱しやすいことが考えられる。従って、被記録材の幅が
ヒートローラの発熱体に対して、十分に小さく、発熱体
の中央を通過するときには問題は生じないが、被記録材
の幅が大きく、ヒートローラ発熱体の端部近傍を通過す
る場合には、記録材上の発熱体端部近傍を通過した箇所
では、定着温度が下がり、定着不良となった。
【0009】このために、電子写真複写機、イオノグラ
フィー、インクジェットプリンタ等の技術を用い、印刷
や製版を行った場合には、被記録材両端部では定着不良
により、文字の欠け・ハイライトのトビ・彩度の低下等
の画像欠陥が発生する他、製版を行なった場合などは文
字の欠け・ハイライトのトビ等の問題に加えて、耐刷不
良が生じる。特に高温で短時間の定着を行う場合には、
この傾向は顕著になる。また、両端部での定着不良を無
くすために、ヒートローラ全体の温度を上げると、中央
部での温度が上昇し、定着過多による画像欠陥、記録材
の変形、装置の故障が発生した。本発明は上述した課題
を解決するもので、高速に定着を行う際に記録材の定着
温度の均一化を可能とし、高画質な画像形成を、シンプ
ル、安価且つ短時間で安定に行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の画像形成方法の発明は、被記録材を
装着する工程と、該被記録材上に画像を付加する画像付
与工程と、画像を付加された該被記録材に加熱定着を行
う加熱定着工程とを有し、該被記録材上に画像を形成す
る画像形成方法であって、前記加熱定着工程が、該記録
材に加熱を与える発熱体と、加熱と同時に圧力を加える
加圧部とを有する画像形成方法において、前記発熱体を
被記録材進行方向に対し直角方向に設け、その発熱体長
さを被記録材最大幅よりも長くして被記録材が発熱体両
端から内側のエリアを通過するようにしたことを特徴と
する。
【0011】請求項2記載の画像形成装置の発明は、被
記録材を装着する被記録材装着手段と、装着された被記
録材上に画像を付加する画像付与手段と、画像付与手段
により画像が付与された被記録材に加熱定着を行う加熱
定着手段とを有する画像形成装置であって、前記加熱定
着手段が、該記録材に加熱を与える発熱体と、加熱と同
時に圧力を加える加圧部とを有する画像形成装置におい
て、前記発熱体を被記録材進行方向に対し直角方向に設
け、前記発熱体長さを被記録材通過路の最大幅よりも長
くしたことを特徴とする。
【0012】本発明は、更に次のような構成を採ること
ができる。 (1)上記画像形成方法において前記発熱体の発熱量を
両端部で大きくしたことを特徴とする。 (2)上記画像形成装置において加熱定着手段がヒート
ローラであることを特徴とする。 (3)上記画像形成装置において、前記発熱体を被記録
材進行方向に対し直角方向に設け、前記発熱体長さを被
記録材幅よりも長くし、前記発熱体両端から1cm以上
内側のエリアを被記録材が通過することを特徴とする。 (4)画像形成装置において、前記発熱体の発熱量を両
端部で大きくしたことを特徴とする。
【0013】以上のように、本発明によれば、前記発熱
体を被記録材進行方向に対し直角方向に設け、その発熱
体長さを被記録材最大幅よりも長くして被記録材が発熱
体両端から内側のエリアを通過するようにしたので、安
価で簡便な手段により、鮮明で高画質な画像を得ること
が可能となる。本発明にかかる画像形成方法としては、
電子写真、イオノグラフィー、インクジェット等の被記
録材料に画像を外部から付加する画像形成方法であれば
方式を問わず使用でき、以上の方式を応用したり、組み
合わせた方式にも好適に使用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。まず、電子写真複写機に応用した例
を図1に基づいて説明する。図1は、電子写真複写機の
断面図で、電子写真複写機の画像形成装置1は、一般の
電子写真複写機の場合と同様に、装置本体2の上にプラ
テン4を配置している。プラテン4にセットした原稿の
画像を走査装置3によって読み取り、原稿画像に応じた
画像パターンを感光体ドラム5に露光パターンとして付
与する機構となっている。感光体ドラム5の周囲には、
一般の電子写真方式を用いた画像形成機構が配置されて
いる。すなわち、まず、帯電コロトロン6により感光体
ドラムの表面を一様に帯電させ、原稿を読みとったパタ
ーンを走査露光して静電潜像を形成する。次に現像装置
7からトナーを供給して、静電潜像にトナーを付着さ
せ、静電潜像に応じたトナー画像を形成する。ここで
は、乾式現像を行なう場合について記述するが、現像の
方法は勿論これに限らず、湿式現像でも構わない。この
感光体ドラム上に形成されたトナー画像は、転写装置8
によって感光体ドラム5上のトナー像は電界の力によっ
て記録材上に転写される。ここで、記録材は給紙部15
から枚葉されて供給されるが、供給の方法はこれに限ら
ず、例えば、給紙ロールを設けて行っても良い。トナー
画像の転写後、感光体ドラム上表面に残存したトナー等
はクリーニング装置9により除去される。
【0015】画像転写部の直前部では、用紙搬送路12
の端部に用紙を合わせるための整合装置13を具備して
いる。すなわち、給紙トレイから供給される用紙の整合
動作を行い、感光体ドラム上に形成されるトナー画像に
合わせて、所定のタイミングで、用紙を画像転写部に向
けて送り出すようにしている。トナー画像が転写された
用紙は、定着装置11へ搬送され、定着部に入る。
【0016】定着部には、コピー用紙を加圧かつ加熱す
るヒートローラ21が具備されている。ヒートローラ2
1の設定温度を上げると、ヒートローラ21を構成する
ゴム材質が加速度的に劣化し、ゴム材質であるモノマー
成分や添加剤が溶出するいわゆる’泣き出し’が生じる
ことがある。この他、ヒートローラ21が高温時にはロ
ーラの軸受けが劣化することがある。尚、ヒートローラ
21の温度としては定着性を持たせるために30℃〜2
50℃であることが好ましく、より好ましくは60℃〜
200℃である。また、この定着工程ではヒートローラ
21を用いたが、加熱と同時に圧力を加えられるもので
あれば、適用することができる。例えば、パネルヒー
タ、ベルト定着装置等も好適に使用することができる。
更に、加熱や圧力を加えられる定着手段を適宜設けるこ
とも可能である。例えば、加熱手段を増やし、ヒートロ
ーラを2本以上用いても良い。
【0017】これにより、トナー画像が転写された用紙
は定着部に挿入された後、ヒートローラ21で加熱しな
がら加圧を行うことにより、用紙上のトナーを軟化又は
溶融させた状態で用紙に押し込んで浸透させ、定着性を
促進させる。また被記録材にヒートローラ21が接触し
ていない時には、ヒートローラ21は適当な手段で空回
転させておくのが、ローラの表面温度を一定に保つ意味
からも好ましい。
【0018】図2は被記録材Pの被記録材の進行方向に
対して直角方向の本発明によるヒートローラ21と被記
録材Pの長さ関係を説明する図である。図2(A)は定
着装置11の側断面概略図、図2(B)はヒートローラ
21の概略図で(イ)は正断面図、(ロ)は(イ)の断
面A−A方向矢視図、図2(C)は被記録材Pである。
図2(A)において、定着装置11はヒートローラ21
で構成される。このヒートローラ21と対をなすローラ
21’はドリブンローラであり、ヒートローラで構成し
ても非ヒートローラで構成してもよい。
【0019】次に、ヒートローラ21の内部構成につい
て図2(B)を用いて説明する。ヒートローラ21は外
側に円筒状ローラ21a、その内部に発熱体21b、発
熱体21bの内部には発熱体巻線20cから成る熱線、
とから構成されている。ヒートローラ21aの表面材質
は通常Siゴムが多用されるが、フッ素系、NBR系ゴ
ムのゴムローラを用いても良く、その他の材質のものを
用いても構わない。またヒートローラ表面の保護や非記
録体からの画像形成物質のオフセット防止などの観点か
ら、ヒートローラ表面にトナーに対してソケイ性を有す
る樹脂シート、例えばポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、フッ化
エチレンプロピレン(FEP)、ポリジメチルシロキサ
ン樹脂を含む1μm〜2mm(より好ましくは20μm
〜1mm)の厚みを有する薄膜で被覆することが好まし
い。ここで、ヒートローラのニップ圧としては充分な定
着性を得るため、0.05MPa〜250MPa、より
好ましくは、0.1〜20MPaである。
【0020】ヒートローラ21は発熱体21bの発熱量
を制御することで、表面温度が一定になる構成になって
いる。即ち、図示しない表面温度を検知する手段によっ
て得た表面温度によって、出力を制御して表面温度を一
定に保っている。出力の制御は、電圧を印加する時間に
より行っているが、制御の方法はこれに限られたことで
はなく、発熱体21bに印加する電圧を変調させる手段
もある。また、ここでは表面温度を検知して、温度制御
を行うように記述したが、予め必要な電圧の供給量を算
出した上で、温度検出なしで供給量を変調して温度制御
を行ってもよい。
【0021】ヒートローラ21内部の発熱体21bは、
被記録材の進行方向に直角方向に長さ方向が設けられ、
発熱体は本電子写真複写機にて印刷可能な最大サイズの
幅Lよりも長くしている。本電子写真複写機内を被記録
材が通過するときには、ヒートローラ21bの発熱体両
端から1cm内側のエリアを通過するようにしてある。
ヒートローラの場合は端部からの放熱が激しく、端部か
らの放熱を考慮して、発熱体の発熱量を変化させ、端部
付近で大きくなるようにしてある。ここでは、発熱体2
1bに巻線による熱線21cを用いており、熱線21c
の巻き密度を図(c)の拡大図に示すように中央側C1
よりも端部付近C2で大きくし、放熱による熱の損失を
補填している。発熱体21bの発熱プロファイルは、定
着部の構造により、適宜決定されるが、端部での発熱量
は中央部の発熱量の103%〜250%であることが好
ましく、より好ましくは105%〜200%である。ヒ
ートローラの発熱体の例として、熱線で説明したが、発
熱体としてこれに限定されることはない。
【0022】図1に戻って、加熱定着部11で定着処理
が行われたコピー用紙は排出トレイ14に排出される。
前記画像形成装置1の本体2の画像転写部に向けて用紙
を供給するために、装置本体2の下部に給紙部15を配
置し、搬送ローラ装置16を用いて、用紙を送り出すよ
うにしている。尚、本装置に適用する用紙のサイズは、
A3、A4、A5、B4、B5サイズであるが、本定着
技術は、用紙サイズを問わず有効であり、A1、A2、
B1、B2などの大サイズのほか、A3wサイズ、ハガ
キ、封筒印刷にも有効である。
【0023】以上の画像形成方法は乾式トナー現像、湿
式トナー現像の双方に適用できるが、湿式現像に適用し
た場合は、機内で蒸発した溶剤を取り除くために機内の
密閉性を上げ、溶媒を除去する機構を設ける。溶媒回収
の方法は、例えば、溶媒を含んだ機内の空気を吸引し、
これを冷却することによって液化させる機構が設けられ
ているが、溶媒回収方法は、これに限らず、溶媒吸着材
を用いて溶媒を吸着する方法など、溶媒を分離できる方
法であれば何れも適用できる。
【0024】上述した実施態様では、本発明の定着方法
を電子写真を画像付与手段として適用した場合について
記述したが、電子写真方式以外にも、イオノグラフィ
ー、インクジェット等の技術を用いたプリンタ、ファク
シミリ、製版機等に適用することが可能である。特に、
インクジェット技術では、インクの吐出方法、インキの
種類を問わず使用可能であり、例えば、吐出の方法が、
熱、ピエゾ、静電式等、何れにも使用可能であり、これ
らを適宜組み合わせた方法についても使用可能である。
【0025】
【実施例1】次に、上述した複写機に本発明を適用し、
被記録材上を約120℃で加熱できるように、ヒートロ
ーラ(日立金属(株)製)を用いて加熱定着を行った。
定着条件はヒートローラ表面温度160℃、記録材の搬
送速度16mm/sec、ヒートローラの被記録材への
印加圧力(ニップ圧)0.7MPaであった。
【0026】
【表1】
【0027】以下表1に基づいて、実施例1の場合の被
記録材の画像再現性を検証する。具体例1では、ヒート
ローラの発熱体は本電子写真複写機にて被記録材幅(進
行方向に対して直角方向)よりも長くし、ヒートローラ
発熱体両端から1cm以上内側のエリアを通過するよう
にした。更に、ヒートローラの発熱体の発熱量を端部で
大きくした。その結果、被記録材上の定着温度の分布は
均一で、実に良好な画像再現が得られた。この他、装置
上のトラブルも発生しなかった。具体例2では、ヒート
ローラの発熱体の発熱量を端部で大きくし、ヒートロー
ラの発熱体を被記録材幅(進行方向に対して直角方向)
よりも長くすることは行わなかった。その結果、被記録
材上の定着温度の分布は許容できる均一となり、良好な
画像再現が得られた。この他、装置上のトラブルも発生
しなかった。具体例3では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)よりも長くし、ヒートローラ発熱体両端から1c
m以上内側のエリアを通過するようにした。発熱体の発
熱量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の
定着温度の分布は許容できる均一となり、良好な画像再
現が得られた。この他、装置上のトラブルも発生しなか
った。
【0028】比較例1では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)と同じ長さにし、ヒートローラ発熱体両端から内
側のエリアを通過するようにした。更に、発熱体の発熱
量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の定
着温度の分布は不均一となり、両端付近では定着不良と
なり、文字の欠け・ハイライトのトビが見られた。
【0029】以上のように、ヒートローラの発熱体を被
記録材幅(進行方向に対して直角方向)よりも長くし、
ヒートローラ発熱体両端から1cm以上内側のエリアを
通過することによって、幅方向の定着温度を均一化で
き、画像再現に優れた印刷物を提供できる。また、ヒー
トローラの発熱体の発熱量を端部で大きくすることによ
っても、定着温度を均一化でき、画像再現に優れた印刷
物を提供できる。
【0030】
【実施例2】次に、本発明をインクジェットプリンタに
応用した例を図3に示す。図3はインクジェット記録装
置を画像付与手段として有する画像記録装置の断面を示
している。インクジェット記録装置30の底部には記録
紙、樹脂製のシートである被記録材Pが入ったカセット
31が装填されている。被記録材搬送方向の下流側には
搬送ローラ対32と、記録ヘッド33aを搭載したキャ
リッジ33が配置されている。記録ヘッド33aとして
は、シェアモードの500チャンネルピエゾインクジェ
ット装置(Xaar社製XaarJet500S)を使
用し、油性インク(同社製)を用いた。描画解像力は7
20dpiとし、ドットは8段階で大きさを変えて、階
調を制御した。被記録材Pは搬送ローラ32により、描
画位置へ搬送・装着され、インクジェット記録装置によ
る画像付与に先立ち、粉塵の除去が行われる。ここでは
搬送ローラ32に粘着性を与えておくことにより、粉塵
除去しているが、搬送ローラ32とは別に粉塵除去用の
粘着ローラを設けても良い。粉塵除去の方法は、粘着ロ
ーラによって表面の粉塵を吸着する方法をとっている
が、方法はこれに限らず、例えば空気流などで除去する
方法もある。
【0031】被記録材Pは次に記録ヘッド33aの下へ
搬送され、描画が行われる。一方、描画工程の前後にあ
る排出ローラ対34と搬送ローラ対32とは連動してお
り、排出ローラ対34は搬送ローラ対32よりも若干回
転速度を大きくしてあり、被記録材に適切な張力を持た
せている。記録ヘッド33aはキャリッジ33により紙
面に対して垂直方向に移動しながら、インクを吐出し、
画像信号に応じた画像を描画する。この時、被記録材P
上では一定幅の画像描画が行われる。すなわち、被記録
材P上では一行の描画が終了するごとに搬送ローラ対3
2により、被記録材Pは一行分搬送され、次の行の描画
を行う。このような動作を繰り返し行い、順次、排紙ロ
ーラ対34によって加熱定着部11の方へ搬送される。
【0032】加熱定着搬送路35は滑らかな表面形状に
なっており、定着時の搬送がスムースに行われることに
なっている。記録部(33、33a)から排出されてき
た被記録材Pは、スムースに加熱定着部11に搬入され
る。加熱定着部11ではヒートローラ21での加熱・加
圧定着に先立ち、ヒートローラ21が被接触部材に接触
した状態で1回転する。予備接触では十分に昇温せず定
着はしない。次いで、定着動作に入り、定着が行われ
る。定着終了後、描画ドラム上の被記録材は、排紙トレ
イ38へ排出され、ここから記録された用紙Pを取り出
す。
【0033】描画及び定着動作によりインク中の溶媒が
気化し、機内に充満する。そこで破線内で囲った箇所で
は密閉性をあげ、溶媒回収機構36を設けて機内の気化
した溶媒を回収している。回収方法は、機内の空気を溶
媒回収機構36に送り,これを冷媒冷却部36aで冷や
すことによって、溶媒を液化して溶媒回収部36bに集
め、溶媒分離後の空気を機内に送り返している。これに
より、機内で発生した、溶媒蒸気はとりのぞかれ、機内
は汚染されることなく、かつ溶媒蒸気が機外に拡散した
際の異臭の原因となることもない。ここでは、溶媒蒸気
の密閉を加熱定着部で行ったが、加熱定着部を含んでい
れば良く、密閉される範囲はこれに限ることはない。例
えば、加熱定着部と描画部(記録ヘッド)を含めた範囲
を密閉し、溶媒を除去する構成にしても良い。
【0034】以上では、被記録材Pに直接描画を行い、
定着する方式について説明したが、画像形成の方法はこ
れに限らず、図4に示すように転写ドラムを用いて、描
画ドラム上にできた画像を被記録材に転写しても良い。
図4において、転写型インクジェットプリンタ40は、
その底部に被記録材Pが入ったカセット41が装填され
ており、被記録材搬送方向の下流側には搬送ローラ42
を介して転写ドラム48の上へ搬送・装着される。一
方、描画ドラム46の近傍に記録ヘッド43aがキャリ
ッジ43によって配置されている。記録ヘッド43aに
よって画像を形成した描画ドラム46は回転して、画像
様に形成されたインクが転写ドラム48との押圧接触部
へ移動し、押圧接触部で描画ドラム46上の被記録材P
に転写される。このようにして転写された被記録材Pは
加熱定着部11の方へ搬送され、加熱定着部11で、本
発明によるヒートローラ21により定着が行われる。ま
た、被記録材Pの供給はカセット以外でもよく、例えば
ロールで供給しても良い。
【0035】本発明によりヒートローラ(日立金属
(株)製)を用いて加熱定着を行った。定着条件はヒー
トローラ温度145℃、記録材の搬送速度15mm/s
ec、ヒートローラ21の被記録材への印加圧力(ニッ
プ圧)0.8MPaである。
【0036】
【表2】
【0037】以下表2に基づいて、実施例2の場合の被
記録材の画像再現性を検証する。具体例4では、ヒート
ローラの発熱体は本電子写真複写機にて被記録材幅(進
行方向に対して直角方向)よりも長くし、ヒートローラ
発熱体両端から1cm以上内側のエリアを通過するよう
にした。更に、ヒートローラの発熱体の発熱量を端部で
大きくした。その結果、被記録材上の定着温度の分布は
均一で、実に良好な画像再現が得られた。この他、装置
上のトラブルも発生しなかった。具体例5では、ヒート
ローラの発熱体の発熱量を端部で大きくし、ヒートロー
ラの発熱体を被記録材幅(進行方向に対して直角方向)
よりも長くすることは行わなかった。その結果、被記録
材上の定着温度の分布は許容できる均一となり、良好な
画像再現が得られた。この他、装置上のトラブルも発生
しなかった。具体例6では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)よりも長くし、ヒートローラ発熱体両端から1c
m以上内側のエリアを通過するようにした。発熱体の発
熱量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の
定着温度の分布は許容できる均一となり、良好な画像再
現が得られた。この他、装置上のトラブルも発生しなか
った。
【0038】比較例2では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)と同じ長さにし、ヒートローラ発熱体両端から内
側のエリアを通過するようにした。更に、発熱体の発熱
量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の定
着温度の分布は不均一となり、両端付近では定着不良と
なり、文字の欠け・ハイライトのトビが見られた。
【0039】以上のように、ヒートローラの発熱体を被
記録材幅(進行方向に対して直角方向)よりも長くし、
ヒートローラ発熱体両端から1cm以上内側のエリアを
通過することによって、幅方向の定着温度を均一化で
き、画像再現に優れた印刷物を提供できる。また、ヒー
トローラの発熱体の発熱量を端部で大きくすることによ
っても、定着温度を均一化でき、画像再現に優れた印刷
物を提供できる。
【0040】
【実施例3】次に、ピエゾ式インクジェット装置(Ep
son社製カラリオPM750C)、Xaar社製油性
インクを用い、版材に、描画をおこなった。尚、版材に
は以下に示す親水性の画像受理層を設けた紙版材を用い
た。
【0041】紙版材には上質紙(100g/m2)の両
面にポリビニルアルコール、SBRラテックス、カオリ
ン、メラミン樹脂主成分とする耐水性層を設けた。更
に、この支持体上に以下のように作成した分散液を乾燥
後塗布量として5g/m2となるように画像受理層を設
けて紙版材とした。
【0042】 ・分散液A ゼラチン(和光純薬一級品) 2g コロイダルシリカ(日産化学製;スノーテックスC、20%水溶液)13g シリカゲル(宮士シリシア化学製:サイリシア#310) 5g 硬膜剤 0.3g 蒸留水 67g 作成方法 ガラスビーズを添加しペイントシェーカーでl0分間分散
【0043】上述したピエゾ式インクジェット装置ヘッ
ドを図5に示される構造の製版機に搭載した。図5にお
いて、60は製版機、61は描画ドラム、62はインク
ジェット描画装置、621は画像データ演算制御部、6
4は埃除去手段、65は自動給版装置、66は描画終了
後の版材69を描画ドラム61上から自動的に取り除く
自動排版装置、69は版材である。描画ドラム61は、
通常、アルミニウム、ステンレスや鉄などの金属、プラ
スチック、硝子等で形成される。特に金属製ドラムの場
合にはその表面は耐摩耗性や防錆性を強化するために例
えばアルマイト処理やクロムメッキが施されていること
が多い。描画ドラム61はその表面に断熱材を有しても
よい。
【0044】さらに、製版機60はインクジェット描画
装置62として上述のピエゾ式インクジェット装置を有
し、これにより、画像データ演算制御部621より送ら
れてくる画像データに対応して、描画ドラム61上に装
着された版材69上に油性インクを吐出し画像を形成す
る。また、製版機60は、版材69への描画前及び/又
は描画中に版材69表面に存在する埃を除去する埃除去
手段64を有する。これにより、製版中にヘッドと版材
の間に入った埃を伝ってインクが版材69上に付着する
ことを有効に防止し、良好な製版が行われる。埃除去手
段64としては公知の吸引除去、吹き飛ばし除去、静電
除去等の非接触法の他、ブラシ、ローラー等による接触
法、あるいはそれらを組み合わせて使用することができ
る。さらに、版材69を描画ドラム61上に自動的に供
給する自動給版装置65および描画終了後の版材69を
描画ドラム61上から自動的に取り除く自動排版装置6
6設置している。自動給版装置65及び自動排版装置6
6を用いることで、製版操作がより簡便となり、また製
版時間の短縮が図られる。
【0045】この製版機60を使って次のように製版
し、印刷した。まず、自動給版装置65を用いて描画ド
ラム61に版材69を装着した、刷版69としては上述
の紙版を使用した。この時、公知の版頭/尻くわえ装
置、エア吸引装置などによる機械的方法、あるいは静電
的な方法等により版材69は描画ドラム61上に密着固
定し、これにより版尻がばたついて描画時にインクジェ
ット描画装置62に接触し破損することを防止できた。
またインクジェット描画装置62の描画位置周辺のみで
版材69を描画ドラム61に密着させる手段(押さえロ
ーラ等)を配し、少なくとも描画を行う時にはこれを作
用させることによって版材69がインクジェット描画装
置62に接触することを防止した。さらに描画を行わな
い場合には、描画装置62を版材69から離しておき、
それによってインクジェット描画装置2に接触破損等の
不具合が発生することをに防止した。
【0046】画像データ演算制御部621は、画像スキ
ャナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの
画像データを受け、必要に応じて色分解を行うと共に、
分解されたデータに対して適当な画素数、階調数に分割
演算した。さらに、吐出ヘッドを用いて油性インク画像
を網点化して描くために、網点面積率の演算も行った。
また、画像データ演算制御部621は、描画装置62の
移動、油性インクの吐出タイミングを制御すると共に、
必要に応じて描画ドラム61等の動作タイミングの制御
も行った。画像データ演算制御部621に入力された演
算データは一旦バッファに格納される。画像データ演算
制御部621は、描画ドラム61を回転させ、描画装置
62をヘッド離接装置(図示なし)により描画ドラム6
1と近接された位置に近づける。描画装置62と描画ド
ラム61上の版材69表面との距離は、付き当てローラ
のような機械的距離制御、あるいは光学的距離検出器か
らの信号によるヘッド離接装置の制御により、描画中、
所定距離に制御される。かかる距離制御により、版材6
9の浮きなどによりドット径が不均一になったり、特に
製版機60に振動が加わった際などにもドット径が変化
したりせず、良好な製版を行うことができた。
【0047】上記演算により得られた吐出位置および網
点面積率で前述の油性インクを描画ドラム61に装着し
た版材69に吐出し、これにより、版材69に印刷原稿
の濃淡に応じた網点画像が油性インクで描画した。この
動作は、版材69上に印刷原稿一色分の油性インク画像
が形成され刷版ができあがるまで続けた。
【0048】ついで描画装置62を保護するために描画
装置62は、描画ドラム61と近接された位置から離れ
るように退避させた。この離接手段は描画時以外は描画
装置62を描画ドラムから離すようにした。
【0049】そして、油性インク画像の形成された版材
69は描画終了後の自動排版装置66によって描画ドラ
ム61上から自動的に取り除かれ、別途用意した本発明
の定着装置11により油性インク画像を強化した。ここ
では、図2に示す本発明のヒートローラ21(日立金属
(株)製)定着による加熱により画像を強固にし、刷版
を作成した。定着条件はヒートローラ温度165℃、記
録材の搬送速度12mm/sec、ヒートローラの被記
録材への印加圧力(ニップ圧)0,5MPaであった。
得られた刷版69に引き続き湿しローラ63で湿し水を
そしてインクローラ62で印刷インキを与え、刷版69
上の印刷インキ画像を版胴61と共に回転しているブラ
ンケット胴67の上に転写し、ブランケット胴67と圧
胴68との間を通過する印刷用コート紙P上にブランケ
ット胴上の印刷インキ画像を転移させ、印刷を行った。
【0050】
【表3】
【0051】以下表3に基づいて、実施例3の場合の被
記録材の画像再現性を検証する。具体例7では、ヒート
ローラの発熱体は本電子写真複写機にて被記録材幅(進
行方向に対して直角方向)よりも長くし、ヒートローラ
発熱体両端から1cm以上内側のエリアを通過するよう
にした。更に、ヒートローラの発熱体の発熱量を端部で
大きくした。その結果、被記録材上の定着温度の分布は
均一で、実に良好な画像再現が得られた。この他、装置
上のトラブルも発生しなかった。具体例8では、ヒート
ローラの発熱体の発熱量を端部で大きくし、ヒートロー
ラの発熱体を被記録材幅(進行方向に対して直角方向)
よりも長くすることは行わなかった。その結果、被記録
材上の定着温度の分布は許容できる均一となり、良好な
画像再現が得られた。この他、装置上のトラブルも発生
しなかった。具体例9では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)よりも長くし、ヒートローラ発熱体両端から1c
m以上内側のエリアを通過するようにした。発熱体の発
熱量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の
定着温度の分布は許容できる均一となり、良好な画像再
現が得られた。この他、装置上のトラブルも発生しなか
った。
【0052】比較例3では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)と同じ長さにし、ヒートローラ発熱体両端から内
側のエリアを通過するようにした。更に、発熱体の発熱
量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の定
着温度の分布は不均一となり、両端付近では定着不良と
なり、文字の欠け・ハイライトのトビが見られた。
【0053】以上のように、ヒートローラの発熱体を被
記録材幅(進行方向に対して直角方向)よりも長くし、
ヒートローラ発熱体両端から1cm以上内側のエリアを
通過することによって、幅方向の定着温度を均一化で
き、画像再現に優れた印刷物を提供できる。また、ヒー
トローラの発熱体の発熱量を端部で大きくすることによ
っても、定着温度を均一化でき、画像再現に優れた印刷
物を提供できる。
【0054】
【実施例4】図6に示すトナージェット記録装置は、記
録部51と、本発明に係る熱定着部11とから構成され
る。このトナージェット記録装置には、記録される用紙
Pを装填するための給紙カセット31と、記録された用
紙Pを取り出すための排紙トレイ38とが設けられてい
る。記録部51においては、給紙カセット31から挿入
され、一対の搬送ローラ32により搬送された用紙Pに
画像が記録される。そして、熱定着部11において、こ
の用紙Pに記録された画像が定着される。更に、用紙P
は、搬送ローラ対37を経由して、取り出し口38へと
送られる。
【0055】記録部51は、トナーTを帯電させるため
のブラシを備え回転可能なブラシローラ52と、アパー
チャ電極53と、アパーチャ電極53と所定の間隔をお
いて対向して設けられた対向電極の機能を持った描画ド
ラム59とから構成される。この描画ドラム59は電源
E2(マイナス)に接続される。熱定着部11は熱源を
有するヒートローラ21で構成される。用紙Pは描画ド
ラムに装着され、描画が終わると、ヒートローラ21の
下を通過し、定着できるように配置されている。
【0056】ブラシローラ52の周囲には、ブラシロー
ラ52の回転方向に従って回転可能でありトナーTをブ
ラシローラ52へ供給するための供給ローラ54と、ブ
ラシローラ52のブラシに付着したトナーTをはじくた
めの掻き部材55とがそれぞれブラシローラ52に接触
して設けられる。また、供給ローラ54には、トナーT
を均一な厚さで供給ローラ54へ供給するための供給ブ
レード56が接触して設けられる。この供給ブレード5
6の上にはトナーTが貯蔵されている。供給ローラ54
及び供給ブレード56は、ケースKによって覆われてい
る。前記アパーチャ電極53は前記ブラシローラ52の
上方に設けられている。
【0057】図示しない外部機器から周知の画像形成信
号及び画像データが入力されると、挿入カセット31か
ら挿入された用紙Pは送りローラ32により記録部51
へ搬送される。記録部51においては、供給ブレード5
6によりトナーTが供給ローラ54に押しつけられ、供
給ローラ54の表面に担持せしめられる。供給ローラ5
4の回転により、トナーTがブラシローラ52に供給さ
れる。このとき、トナーTは供給ローラ54及びブラシ
ローラ52と接触しつつ、ブラシとの摩擦により、例え
ばプラス(+)に帯電する。プラス(+)に帯電したト
ナーTは、ブラシローラ52に担持される。
【0058】アパーチャ電極53付近においては、ブラ
シローラ52の回転に伴って、掻き部材55がブラシロ
ーラ52のブラシを掻く。すると、弾性によってブラシ
が元に戻るときに、ブラシに適量に担持されたトナーT
が跳ね上がり、クラウド状となってアパーチャ電極53
に供給される。このとき、入力された画像信号に応じて
信号ソースSからアパーチャ電極53の各制御電極層に
印加される電圧が制御され、トナーTの流れが変調され
る。変調されプラス(+)帯電したトナーTは、対向電
極に接続されたマイナス(−)電源E2に誘引され、対
向電極の方向へ飛翔する。そして、このトナーTは、描
画ドラム59上に装着された用紙Pに吸引される。その
後、トナーTが付着した用紙Pは熱定着部11へと搬送
される。本発明によりヒートローラ定着による加熱によ
り画像を定着した。定着条件はヒートローラ温度170
°C、記録材の搬送速度10mm/sec、ヒートロー
ラ21の被記録材への印加圧力(ニップ圧)1.0MP
aであった。定着の完了した用紙Pは搬送ローラ37を
経由して排紙トレイ38へと搬送され、搬出される。
【0059】上述した例では、被記録材を描画ドラムに
装着し、画像の描画された被記録材を排出させたが、装
置の構成はこれらに限らず、転写ドラムを設け、描画ド
ラムに描画を行った後、画像を転写ドラム上の用紙に転
写し、これを定着して排出しても良い。また、被記録材
の供給はカセットに限らず、例えばロールで供給しても
良い。
【0060】
【表4】
【0061】以下表4に基づいて、実施例4の場合の被
記録材の画像再現性を検証する。具体例10では、ヒー
トローラの発熱体は本電子写真複写機にて被記録材幅
(進行方向に対して直角方向)よりも長くし、ヒートロ
ーラ発熱体両端から1cm以上内側のエリアを通過する
ようにした。更に、ヒートローラの発熱体の発熱量を端
部で大きくした。その結果、被記録材上の定着温度の分
布は均一で、実に良好な画像再現が得られた。この他、
装置上のトラブルも発生しなかった。具体例11では、
ヒートローラの発熱体の発熱量を端部で大きくし、ヒー
トローラの発熱体を被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)よりも長くすることは行わなかった。その結果、
被記録材上の定着温度の分布は許容できる均一となり、
良好な画像再現が得られた。この他、装置上のトラブル
も発生しなかった。具体例12では、ヒートローラの発
熱体は本電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対
して直角方向)よりも長くし、ヒートローラ発熱体両端
から1cm以上内側のエリアを通過するようにした。発
熱体の発熱量の調整は行なわなかった。その結果、被記
録材上の定着温度の分布は許容できる均一となり、良好
な画像再現が得られた。この他、装置上のトラブルも発
生しなかった。
【0062】比較例4では、ヒートローラの発熱体は本
電子写真複写機にて被記録材幅(進行方向に対して直角
方向)と同じ長さにし、ヒートローラ発熱体両端から内
側のエリアを通過するようにした。更に、発熱体の発熱
量の調整は行なわなかった。その結果、被記録材上の定
着温度の分布は不均一となり、両端付近では定着不良と
なり、文字の欠け・ハイライトのトビが見られた。
【0063】以上のように、ヒートローラの発熱体を被
記録材幅(進行方向に対して直角方向)よりも長くし、
ヒートローラ発熱体両端から1cm以上内側のエリアを
通過することによって、幅方向の定着温度を均一化で
き、画像再現に優れた印刷物を提供できる。また、ヒー
トローラの発熱体の発熱量を端部で大きくすることによ
っても、定着温度を均一化でき、画像再現に優れた印刷
物を提供できる。
【0064】
【発明の効果】上記のような画像形成方法において、前
記発熱体を被記録材進行方向に対し直角方向に設け、そ
の発熱体長さを被記録材最大幅よりも長くして被記録材
が発熱体両端から内側のエリアを通過するようにしたの
で、従来のような印刷や製版を行った場合の被記録材両
端部での定着不良による文字の欠け・ハイライトのトビ
・彩度の低下等の画像欠陥が発生することのない高画質
な画像形成を、シンプル、安価且つ短時間で安定に行う
ことができるようになる。さらに発熱体の発熱量を両端
部で大きくすることにより、一層高画質な画像形成を、
シンプル、安価且つ短時間で安定に行うことができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置を搭載した電子写真複写機を
示す図である。
【図2】本発明によるヒートローラ21被記録材Pの長
さ関係を説明する図である。
【図3】本発明の定着装置をインクジェットプリンタに
応用した例を示す図である。
【図4】本発明の定着装置を描画ドラム上の画像を転写
ドラムを用いて被記録材に転写するインクジェットプリ
ンタに応用した例を示す図である。
【図5】本発明の定着装置を用いた製版機の例を示す図
である。
【図6】本発明の定着装置をトナージェットに応用した
例を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 2 装置本体 3 走査装置 4 プラテン 5 感光体ドラム 6 帯電コロトロン 7 現像装置 8 転写装置 11 定着装置 12 用紙搬送路 13 整合装置 15 給紙部 20a 集光性反射板 20b 赤外線ヒータ 20c 発熱体巻線 21 ヒートローラ 21a 円筒状ローラ 21b 発熱体 21c 発熱体巻線 30 インクジェット記録装置 31 カセット 32 搬送ローラ対 33 キャリッジ 33a 記録ヘッド 34 排出ローラ対 38 排紙トレイ 36 溶媒回収機構 36a 冷媒冷却部 36b 溶媒回収部 40 製版機 41 カセット 42 搬送ローラ 43 キャリッジ 43a 記録ヘッド 46 描画ドラム 48 転写ドラム 51 記録部 52 ブラシローラ 53 アパーチャ電極 54 供給ローラ 55 掻き部材 56 供給ブレード 59 描画ドラム 60 製版機 61 描画ドラム 62 インクジェット描画装置 64 埃除去手段 65 自動給版装置 66 自動排版装置 69 版材 P 被記録材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材を装着する工程と、該被記録材
    上に画像を付加する画像付与工程と、画像を付加された
    該被記録材に加熱定着を行う加熱定着工程とを有し、該
    被記録材上に画像を形成する画像形成方法であって、前
    記加熱定着工程が、該記録材に加熱を与える発熱体と、
    加熱と同時に圧力を加える加圧部とを有する画像形成方
    法において、前記発熱体を被記録材進行方向に対し直角
    方向に設け、その発熱体長さを被記録材最大幅よりも長
    くして被記録材が発熱体両端から内側のエリアを通過す
    るようにしたことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 被記録材を装着する被記録材装着手段
    と、装着された被記録材上に画像を付加する画像付与手
    段と、画像付与手段により画像が付与された被記録材に
    加熱定着を行う加熱定着手段とを有する画像形成装置で
    あって、前記加熱定着手段が、該記録材に加熱を与える
    発熱体と、加熱と同時に圧力を加える加圧部とを有する
    画像形成装置において、前記発熱体を被記録材進行方向
    に対し直角方向に設け、前記発熱体長さを被記録材通過
    路の最大幅よりも長くしたことを特徴とする画像形成装
    置。
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