JP2003213494A - 楽器用弦及びその製法 - Google Patents

楽器用弦及びその製法

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JP2003213494A
JP2003213494A JP2002008265A JP2002008265A JP2003213494A JP 2003213494 A JP2003213494 A JP 2003213494A JP 2002008265 A JP2002008265 A JP 2002008265A JP 2002008265 A JP2002008265 A JP 2002008265A JP 2003213494 A JP2003213494 A JP 2003213494A
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plating
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Hiroaki Matsuyoshi
Taichi Nagashima
弘明 松好
太一 長嶋
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Osaka Gas Co Ltd
大阪瓦斯株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピアノやギター、バイオリン等の弦楽器乃至
鍵盤楽器において、発音体である弦に易摺動性、耐摩耗
性、耐食性、非粘着性、軽量性を与え、それらを長期
間、確実に持続させることにより弦の耐久性を向上さ
せ、錆の発生に起因する楽器の音色の劣化や弦の断線を
防止し、弦の滑り性向上により微妙な音調を可能にしな
がらも重くならない弦を提供する。 【解決手段】 本発明者は、上記課題を解決するために
鋭意研究を進めた結果、従来広く一般的に弦の材料とし
て用いられているフラットワウンドのスチール弦等に対
し、フッ素化合物微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜
を形成した場合に、その目的を達成しうることを見いだ
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明はピアノやギター、バ
イオリン等の弦楽器に使用される楽器用弦、該弦の製造
方法および該弦の表面処理方法に関する。

【0002】

【従来の技術】弦楽器に使用される楽器用弦は打弦、撥
弦及び弓奏弦に分類され、従来より、これら楽器用弦に
は金属製弦、合成樹脂製弦、羊腸ガット弦等が用いられ
ている。例えば、ピアノにおいては、中高音部では、高
炭素鋼製のミュージックワイヤーから成る芯線が用いら
れ、低音部では、この芯線に銅線を1〜2重巻き付けた
卷線が用いられている。楽器用弦はその性質上、楽器に
弦を張設し且つ調律するため、相当強い引張強度が要求
されている。特に、楽器用弦は楽器に張設したとき張力
が安定していなければ調律することができず、また弓奏
することによって弦が延びたりあるいは弾くことによっ
て弦が切れたりしては、楽器用弦として用いることがで
きない。

【0003】そこで、比較的錆びやすい高炭素鋼製の芯
線に対しては、弦の耐久性を高めるべく、一般に防錆加
工が施されている。従来、この防錆加工は、芯線の表面
に防錆油あるいは防錆剤を塗ることなどによって行われ
ている。防錆油としては、例えば石油系防錆油が使用さ
れている。また、防錆剤としては、VCIなどの粉末状
の気化性のものが使用されており、防錆剤が気化するこ
とで、防錆効果が発揮されるようになっている。

【0004】また、楽器に弦を張設する際には、駒と呼
ばれる弦支持具に接触させる。

【0005】さらに、ギターやバイオリンなど、直接弦
に触れる楽器の場合、油分や汚れが弦に付着し劣化の原
因となる。

【0006】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来の芯線のう
ち、防錆油で防錆加工を施したものは、防錆油が液状で
あるため、保持性が低く、防錆油が芯線から流出しやす
い。このため、所要の防錆効果を確実に得ることは困難
であり、錆びの発生によって芯線が劣化し、その結果、
楽器の発するの音色の劣化や弦の断線などの不具合が生
じてしまう。また、防錆剤で防錆加工を行った場合に
は、防錆剤が粉末状であるため、保持性は比較的高いも
のの、防錆剤の気化によって防錆効果を発揮させるの
で、時間が経過するにつれて、防錆剤が徐々に消失して
防錆効果が薄れてくることから、防錆油の場合と同様の
不具合が生じてしまう。

【0007】また、弦の自己潤滑機能が低いと弦の張
設、調律の際に駒と弦の摩擦抵抗が大きく、弦に過大な
負荷がかかってしまう。

【0008】さらに、弦における非粘着性が小さいた
め、直接触れたときに付着した油分や汚れの除去が困難
であり、残留分に起因する弦の劣化が生じてしまう。

【0009】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、ピアノやギター、バイオリン等
の弦楽器乃至鍵盤楽器において、発音体である弦に易摺
動性、耐摩耗性、耐食性、非粘着性、軽量性を与え、そ
れらを長期間、確実に持続させることにより弦の耐久性
を向上させ、錆の発生に起因する楽器の音色の劣化や弦
の断線を防止し、弦の滑り性向上により微妙な音調を可
能にしながらも重くならない弦を提供することを目的と
している。

【0010】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を進めた結果、従来広く一般的
に弦の材料として用いられているフラットワウンドのス
チール弦、即ちピアノ線の芯線にニッケル線またはステ
ンレス線のスチール(鋼)線条を巻いた金属弦に対し、
フッ素化合物微粒子を分散含有する複合メッキ皮膜を形
成した場合に、その目的を達成しうることを見いだし
た。

【0011】更に、本発明者の研究によれば、楽器部品
の弦接触部に上記複合メッキ皮膜を形成した後に、該皮
膜を所定の温度で加熱処理すると、耐久性、撥水乃至撥
油性及び非粘着性により優れた皮膜が得られることを見
いだした。本発明は、これらの知見に基づいて完成され
たものである。

【0012】即ち、本発明は、下記に示す発明を提供す
る。

【0013】弦の基材(皮膜形成前の弦をいう、以下同
じ)表面に、フッ素化合物を含んでなる複合めっき皮膜
を有していることを特徴とする楽器用弦。

【0014】前記弦の基材が、芯線からなる弦または芯
線に金属線を密着巻回してなる弦である楽器用弦。

【0015】前記複合めっき皮膜が、体積分率で15〜
60%のフッ素化合物を含んでなる複合めっき皮膜であ
る楽器用弦。

【0016】前記複合めっき皮膜が、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化黒
鉛よりなる群から選択される少なくとも1種以上のフッ
素化合物を含んでなる複合めっき皮膜である楽器用弦。

【0017】前記複合めっき皮膜が、金属めっき材とフ
ッ素化合物が共析されてなる複合めっき皮膜である楽器
用弦。

【0018】前記フッ素化合物が平均粒子径2μm以下
の微粒子である楽器用弦。

【0019】前記複合めっき皮膜が、2〜10μmの厚
さである楽器用弦。

【0020】前記複合めっき皮膜が、150〜350℃
の温度で加熱処理されてなる複合めっき皮膜である楽器
用弦。

【0021】弦の基材表面に、金属めっき材とフッ素化
合物を共析させて複合めっき皮膜を形成することを特徴
とする楽器用弦の製法。

【0022】金属めっき材とフッ素化合物を共析させる
ことにより弦の基材表面に複合めっき皮膜を形成する方
法。

【0023】

【発明の実施の形態】本発明の構成要素を順次説明し、
この説明を通して本発明の実施の形態を明らかにする。

【0024】本発明においては、弦の基材の表面に形成
された複合めっき皮膜は、非金属であるフッ素化合物と
マトリックス金属とから成るので、両者の固有の性質を
兼ね備えたものとなる。具体的には、フッ素化合物に由
来し、高度の潤滑性、耐摩耗性、防汚性等の性質を有
し、更に、特に優れた耐久性、耐熱性、耐薬品性、撥水
性、撥油性等の性質を発揮する。加えて、マトリックス
金属に由来して、高硬度、高強度、高熱伝導性、高電導
性等の性質を備え、更に、弦の基材に対する優れた密着
性を発揮する。

【0025】また、楽器用弦は、張設に際して大きな張
力に対する耐久性が要求されるが、上記の如く本発明に
おいては金属をマトリックスとしているので、この要求
は満たされ、しかもフッ素化合物に起因する非粘着性に
より、油分や汚れ等の付着も防止できる。

【0026】但し、金属と共析物とからなる複合めっき
皮膜においては、共析物の体積分率が大きくなるほど、
めっき層と基材との接着性・密着性が低下する。よっ
て、複合めっき皮膜と、基材である楽器用弦との接着性
を考慮するとき、複合めっき皮膜中のフッ素化合物の体
積分率を15〜60%とするのが好ましく、より好まし
くは15〜45%以下とするのがよい。フッ素化合物の
体積分率が15〜60%で複合めっき皮膜を形成する
が、特に15〜45%では均一に皮膜が形成され、外観
も美しく仕上がる。また、15%未満ではフッ素樹脂が
少なすぎで不均一な分布になってしまい、60%を越え
るとフッ素樹脂が多すぎてめっき液中に分散しにくい。

【0027】弦の基材としては、芯線からなる弦(プレ
ーン弦)または芯線に金属線を密着巻回してなる弦(ワ
ウンド弦)が挙げられる。さらに、ワウンド弦として
は、例えば、ラウンドワウンド、フラットワウンド、ハ
ーフワウンド、ハーフ&ハーフ、コンプレッションワウ
ンド等が挙げられる。

【0028】ここで、フッ素化合物としては、例えば、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(F
EP)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化黒鉛
が好適に使用できる。

【0029】本発明の特徴は、複合めっき皮膜の撥水材
としてフッ素化合物を使用する点、及びこのフッ素化合
物(分散相)とめっき材(マトリックス相)とで複合め
っき皮膜を形成する点にある。このことから、めっき材
(母材)は、好適な被覆性を有しかつフッ素化合物をマ
トリックス中に取り込めるものであればよい。よって、
本発明では、金属めっき材以外の母材を使用することも
可能であるが、本発明効果を十分に発揮させるために
は、金属めっき材を用いるのが好ましく、この場合の被
覆手段としては、電解めっき法や無電解めっき法が好適
である。

【0030】本発明で好適に使用できる電解めっき法と
しては、例えば特開平4−329897号公報に記載の
方法があげられる。また、無電解めっき法としては、例
えば特開昭49−27443号公報に記載の方法があげ
られる。これらのめっき法を用いると、フッ素化合物の
微粒子を金属めっき材(金属マトリックス相)中に分散
し共析させることができる。よって、非金属であるフッ
素化合物固有の性質とマトリックス金属の性質とを併せ
もった好適な複合めっき皮膜が得られる。

【0031】複合めっき皮膜の形成方法を、電解めっき
法を例にして具体的に説明する。電解めっき法を用いる
場合、金属めっき液としては、例えば、ニッケル、銅、
亜鉛、スズ、鉄、鉛、カドミウム、クロム、貴金属類お
よびそれらの合金を塩の形態で用いる。これらのめっき
液は、各種の組成のものが知られており、本発明では、
公知のめっき液の何れをも使用することができる。とり
わけ、ニッケルめっき液が、耐食性、取り扱いやすさ、
生産コスト、量産性、安全性の点から好ましい。

【0032】めっき液に添加するフッ素化合物の粒子径
は、特に限定されるものではない。但し、好ましくはめ
っき皮膜厚よりも小さい微粒子を使用するのがよい。皮
膜全体の膜厚よりも大幅に直径の大きい粒子を用いた場
合、摩擦等の外力を受けてめっき面から粒子が脱落し易
くなるからである。ここで、複合めっき皮膜の厚さは、
楽器用弦に用いられる部材の材質、形状、マトリックス
金属の種類などにより適当に設定することができるが、
通常1〜50μm程度であれば充分に保護皮膜の役割を
果たし得る。このことから、フッ素化合物微粒子の粒径
としては、平均2μm以下程度とすればよく、好ましく
は平均1μm以下とし、より好ましくは、めっき液中お
よび複合めっき皮膜中におけるフッ素化合物の分散の均
一性を確保するために、30μmを超える粗大粒子を含
まないようにする。

【0033】めっき液中に添加するフッ素化合物の添加
量は、特に限定されるものではなく、要求される着色程
度や撥水性、撥油性などを考慮して適当に設定する。通
常、200g/L(リットル)程度以下、好ましくは1
〜100g/L程度に添加すれば充分に目的を達成する
ことができる。

【0034】複合めっき皮膜に含め得るその他の添加物
としては、特に制限されない。例えば複合めっき溶液に
界面活性剤や一次光沢剤、二次光沢剤、或いは公知の染
料、顔料を補助着色剤として添加することができるが、
このうち、特に界面活性剤の添加が推奨される。なぜな
ら、フッ素化合物は、撥水性が非常に高く濡れにくいの
で、界面活性剤により電解めっき溶液に対するフッ素化
合物等の濡れ性を改善して、フッ素化合物等をめっき液
に均一に分散する必要があるからである。

【0035】電解めっき溶液に添加する界面活性剤は、
電解めっき液のpH域でカチオン性を示すものでなけれ
ばならず、このような界面活性剤としては、例えば水溶
性のカチオン系、非イオン系およびめっき液のpH値に
おいてカチオン性を示す両性界面活性剤がある。具体的
には、カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニ
ウム塩、第2アミンおよび第3アミン類などが使用で
き、非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレンイミ
ン系、エステル系のものなどが使用でき、両性界面活性
剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系のものが使用
できる。これらの界面活性剤のうち、分子中にC−F結
合を有するフッ素系界面活性剤が特に好適に使用でき
る。

【0036】電解めっき液中への界面活性剤の添加量
は、フッ素化合物1gに対し、通常1〜500mg程度
であり、より好ましくは1〜50mg程度とする。めっ
き条件については、弦の基材の材質、使用する複合めっ
き液の種類などに応じて適宜決定すればよく、一般には
複合めっき法において通常用いられている液温、pH
値、電流密度などを採用すればよい。

【0037】上述の如く、フッ素化合物等は撥水性に富
むため、めっき処理の進行中はめっき液を常に攪拌し、
フッ素化合物等をめっき液中に均一に分散させた状態で
めっきを行うことが好ましい。攪拌方法については、特
に限定されないので、通常の機械的攪拌手段、例えばス
クリュー攪拌、マグネチックスターラーによる攪拌など
の方法を使用すればよい。

【0038】上記で例示した楽器用弦に用いられる基材
としては、銅、ステンレス鋼、一般鋼、アルミニウム、
アルミニウム合金などの金属類から任意に選択すること
ができる。本発明にかかる複合めっき皮膜は、製品とし
ての楽器用弦に直接形成してもよく、また楽器用弦の基
材原料(材料)である、例えば、銅、アルミニウムなど
の棒に対し施してもよい。また、楽器用弦又はその基材
原料に対し、公知の下地めっき層(例えば、ニッケルめ
っき、銅めっきなど)を形成した後、複合めっき皮膜を
施す方法を採用するのもよい。

【0039】以上に説明した方法により、本発明にかか
る楽器用弦が作製できるが、本発明のより好ましい態様
としては、楽器用弦の基材に対し複合めっきを施した
後、所定の温度で加熱処理を行うのがよい。加熱処理に
より、一層撥水・撥油性、高硬度性に優れた複合めっき
皮膜と成すことができ、また基材等に対する接着性・密
着性を高めることができるからである。

【0040】上記加熱処理は、楽器用弦の基材に複合め
っき皮膜を施した後、複合めっき皮膜を150〜350
℃、より好ましくは200〜300℃の温度で加熱する
ことにより行う。150℃未満であると、充分な加熱処
理効果が得れず、350℃を超えると、フッ素化合物の
融点を超えるため、皮膜の劣化や変色や褪色の恐れが生
じるので好ましくない。このことから、安全かつ確実に
加熱処理効果を引き出すためには、加熱処理温度を20
0〜300℃に設定するのがよい。

【0041】加熱手段としては、例えば熱風を複合めっ
き皮膜に当てる方法や、複合めっき皮膜の施された楽器
用弦自体、又は複合めっき皮膜の施された基材を加熱器
に入れて加熱する方法が例示できる。また、加熱処理時
間は、特に限定されるものではなく、加熱処理温度との
関連で適当に設定することができるが、通常、10〜3
0分程度で充分である。

【0042】なお、加熱処理により撥水性や基材に対す
る密着性が顕著に向上するのは、複合めっき皮膜自体の
熱的改質、界面活性剤の除去(熱分解、蒸発、昇華など
による)による濡れ性の低下などによるものと推考され
る。また、皮膜自体の熱的改質によると推察されるが、
加熱処理によって、基材に対する皮膜の接着性や密着性
が大幅に向上することが経験的に確認されている。

【0043】楽器用弦は、その振動により楽器音を発生
させるものであるため、質量や硬さができるだけ均一で
あることが好ましく、不均一であると「うなり」が生じ
るなど、楽器音の音色に悪影響を及ぼす。一方、めっき
を行う場合、比較的均一な皮膜の厚さが得られるのは、
それが2〜10μmの場合であり、皮膜の厚さがこれよ
りも大きくなると、厚さが不均一になりやすく、材料の
無駄も生じ、逆に小さくなると、所要の効果が得られな
い。したがって、本発明のように、皮膜の厚さを2〜1
0μmとすることによって、楽器音の音色に悪影響を及
ぼすことなく、十分な効果を確保することができる。

【0044】本発明の楽器用弦は、例えば、ピアノ、ギ
ター、バイオリン等の弦楽器乃至鍵盤楽器の弦として用
いることができる。

【0045】

【実施例】以下、本発明を適用した発明例および比較例
に基づいて、本発明の内容を具体的に説明する。

【0046】〔発明例1-1〕 めっき対象物 めっき対象物として、下記ものを用意した。 (a)市販エレキギター弦(ERNiE BALL社製 SUPER SL
iNKY) (b)SPCC鋼板(100mm×200mm×0.5
mmの平板状のもの) 尚、弦については実際にエレキギター(FENDER社製Stra
tocasterR)に張設して確認した。また、SPCC鋼板
についてはフッ素化合物の共析量の測定と、FACE接触角
計を用い液滴法による水に対する接触角の測定とを行
い、更に、基材に対する接着力(密着力)試験、及び耐
摩耗性試験の試料として用いた。これらの結果及び試験
方法の詳細については、後述する。

【0047】複合電解めっき浴の調製 表1に示す組成のスルファミン酸ニッケル浴を作製し、
この溶液に、上記PTFE微粒子(粒子径:2μm以
下、ダイキン工業(株)製)を、溶液重量に対し5重量
%添加し、さらに界面活性剤として第3級パーフルオロ
アンモニウム塩(大日本インキ化学(株)製、商標“メ
ガファックF150”)をPTFE微粒子1g当たり3
0.0mgの割合で添加して、複合電解めっき浴と成し
た。

【0048】

【表1】

【0049】下地めっき皮膜の形成 上記めっき対象物をカソードとし、表2に示す組成液の
入ったウッド浴に漬け、液温25℃、電流密度10A/
dm2 、めっき時間2分という条件で、予めめっき対象
物に下地ニッケルめっき(膜厚:3μm)を施した。

【0050】

【表2】

【0051】複合めっき皮膜の形成 めっき対象物(下地ニッケルめっきを施したもの)を、
PTFE微粒子5.0重量%を分散した前記複合電解め
っき浴に浸漬し、めっき浴を常にスクリュー攪拌しつ
つ、液温50℃、pH4.2、電流密度2A/dm2 の
条件で、膜厚10μmとなるまで複合めっきを行った。

【0052】加熱処理 上記複合めっきを施したものに対し、350℃で30分
間の加熱処理を行った後、常温で1時間放置した。加熱
処理は、複合めっきを施した弦およびSPCC鋼板を、
350℃の熱風循環式乾燥炉に30分間入れる方法で行
った。以上のようにして、本発明例1-1にかかる弦等
を作製した。

【0053】〔発明例1-2〕複合電解めっき浴の調製
におけるPTFE微粒子の添加量を、溶液重量に対し
2.5重量%とした以外は、上記発明例1-1と同様に
して弦等を得た。このような処理品を、発明例1-2と
する。

【0054】〔発明例1-3〕複合電解めっき浴の調製
におけるPTFE微粒子の添加量を、溶液重量に対し
7.5重量%とした以外は、上記発明例1-1と同様に
して弦等を得た。このような処理品を、発明例1-3と
する。

【0055】〔発明例2〕複合電解めっき浴の調製にお
いて、PTFE微粒子の代わりに、FEP微粒子(粒子
径2μm以下、ダイキン工業(株)製)を5重量%用
い、且つ界面活性剤(商標“メガファックF150”)
をFEP微粒子1g当たり65.0mgの割合で添加
し、更に熱処理条件を250℃で30分とした以外は、
上記発明例1-2と同様にして弦等を得た。このような
処理品を、発明例2とする。

【0056】〔発明例3〕複合電解めっき浴の調製にお
いて、PTFE微粒子の代わりに、PFA微粒子(粒子
径2μm以下、ダイキン工業(株)製)を5重量%用
い、且つ界面活性剤(商標“メガファックF150”)
をPFA微粒子1g当たり30.0mgの割合で添加
し、更に熱処理条件を350℃で30分とした以外は、
上記発明例1-1と同様にして弦等を得た。このような
処理品を、発明例3とする。

【0057】〔発明例4〕複合電解めっき浴の調製にお
いて、PTFE微粒子の代わりに、フッ化黒鉛微粒子
(粒子径1μm以下、旭硝子(株)製)を5重量%用
い、且つ界面活性剤(商標“メガファックF150”)
をフッ化黒鉛微粒子1g当たり40.0mgの割合で添
加した以外は、上記発明例1-1と同様にして弦等を得
た。このような処理品を、発明例4とする。

【0058】〔発明例5〕複合電解めっき浴の調製にお
いて、PTFE微粒子の代わりに、PTFE微粒子(粒
子径2μm以下、ダイキン工業(株)製)を2.5重量
%とFEP微粒子(粒子径2μm以下、ダイキン工業
(株)製)を2.5重量%との混合微粒子を用い、且つ
界面活性剤(商標“メガファックF150”)を[PT
FE微粒子使用量(g)×30.0+FEP使用量
(g)×65.0]mgで算出される量だけ用い、更に
熱処理条件を300℃で30分としたこと以外は、発明
例1-1と同様にして弦等を得た。このような処理品
を、発明例5とする。

【0059】〔発明例6〕複合電解めっき浴の調製にお
いて、PTFE微粒子の代わりに、PTFE微粒子(粒
子径2μm以下、ダイキン工業(株)製)を1.25重
量%、PFA微粒子(粒子径2μm以下、ダイキン工業
(株)製)を1.25重量%、及びFEP微粒子(粒子
径2μm以下、ダイキン工業(株)製)を2.5重量%
の混合微粒子を用い、且つ、界面活性剤(商標“メガフ
ァックF150”)を[PTFE使用量(g)×30.
0+PFA使用量(g)×30.0+FEP使用量
(g)×65.0]mgで出される量だけ用い、更に熱
処理条件を300℃で30分としたこと以外は、発明例
1-1と同様にして弦等を得た。このような処理品を、
発明例6とする。

【0060】〔発明例7〕無電解ニッケルめっき浴の調
製表3に示す組成の無電解ニッケルめっき浴を作製し
た。

【0061】

【表3】

【0062】無電解ニッケル−PTFE複合めっき浴の
調製 表3に示す組成の無電解ニッケルめっき浴を作製し、こ
の溶液に、PTFE微粒子(粒子径:2μm以下、ダイ
キン工業(株)製)を、溶液重量に対し5重量%添加
し、さらに界面活性剤として第3級パーフルオロアンモ
ニウム塩(大日本インキ化学(株)製、商標“メガファ
ックF150”)をPTFE微粒子1g当たり30.0
mgの割合で添加して、無電解ニッケル−PTFE複合
めっき浴と成した。

【0063】上記無電解ニッケルめっき浴、無電解ニッ
ケル−PTFE複合めっき浴及び発明例1-1 に示す表
2のウッド浴を用いて、下記に示す下地めっき皮膜と複
合めっき皮膜とを順に形成した。尚、下地めっき皮膜の
形成は、下地ニッケルストライクめっき処理と、下地無
電解ニッケルめっき処理とから構成されている。

【0064】下地めっき皮膜の形成 上記めっき対象物をカソードとし、表2に示す組成液の
入ったウッド浴に漬け、液温25℃、電流密度10A/
dm2 、めっき時間2分という条件で、予めめっき対象
物に下地ニッケルストライクめっき処理を施した。

【0065】次いで、めっき対象物を、表3に示す組成
液の入った無電解ニッケルめっき浴に浸漬し、スクリュ
ー攪拌下、液温90℃、pH4.6とし、膜厚が3μm
となるまで無電解めっきを行って、下地無電解ニッケル
めっき皮膜を形成した。

【0066】複合めっき皮膜の形成 めっき対象物(下地ニッケルめっきを施したもの)を、
PTFE微粒子5.0重量%を分散した前記無電解ニッ
ケル−PTFE複合めっき浴に浸漬し、めっき浴を常に
スクリュー攪拌しつつ、液温90℃、ph5.1の条件
で、膜厚10μmとなるまで複合めっきを行った。この
ようにして、無電解めっきを施す他は、発明例1-1 と
同様にして弦等を得た。このような処理品を、発明例7
とする。

【0067】〔比較例1〕発明例1-1と同様の弦およ
びSPCC鋼板にエッチングプライマーをエアースプレ
ーにて塗布して下地層(膜厚:3μm)を形成した後、
PTFEフッ素樹脂塗料をエアースプレーにて塗布して
フッ素樹脂塗膜(膜厚:10μm)を形成した。更に、
これらを100℃で5分間予備乾燥した後、350℃で
30分間加熱処理して弦等を得た。このような処理品
を、比較例1とする。

【0068】〔比較例2〕発明例1と同様にして下地層
(膜厚:3μm)を形成した後、表4に示す組成のニッ
ケルワット浴(即ち、フッ素化合物と界面活性剤とが添
加されていない浴)を用い、電解ニッケルめっきを行っ
た。めっき操作条件は、スクリュー攪拌下、液温50
℃、電流密度4A/dm2 とし、膜厚が10μmとなる
まで行った。更に、表5に示す組成のサージェント浴を
用い、電解クロムめっきを行った。めっき操作条件は、
スクリュー攪拌下、液温50℃、pH3.0、電流密度
20A/dm2 とし、膜厚が0.2μmとなるまで行っ
た。その後、水洗し、更に100℃で5分間乾燥して、
弦等を得た。このような処理品を、比較例2とする。

【0069】

【表4】

【0070】

【表5】

【0071】〔比較例3〕複合電解めっき浴の調製にお
けるPTFE微粒子の添加量を、溶液重量に対し1.7
重量%とした以外は、上記発明例1-1と同様にして弦
等を得た。このような処理品を、比較例3とする。ここ
で、各種試験は、次のようにして行った。

【0072】(1)接触角試験 FACE接触角測定装置(協和界面科学 (株) 製、CA-A
型)を用い、液滴法により試料(皮膜面)に対する水の
接触角を測定した。なお、撥水性の良否は、接触角の大
小で評価できる。

【0073】(2)接着性試験 JIS K5400 の密着力試験法(碁盤目テープ法)に準じて
行った。具体的には、皮膜面に1cm2 当たり100個
の碁盤目を入れた試料を3通り用意し、それぞれ、(1)
250℃で2時間放置、(2)−10℃で2時間放置、
(3)200℃で1時間放置後、−10℃で1時間放置す
るサイクルを10回繰り返す、という操作を加えた。そ
の後、試料を室温に戻し、セロファン粘着テープを碁盤
目の上に張り、これを剥がした。そして、テープに付着
した碁盤目の剥がれ個数xを目視で読み取り、剥がれ個
数x/100で接着力の良否を評価した。

【0074】(3)耐衝撃変形性試験 20℃デュポン方式による衝撃変形試験(JIS K5400 )
を行って試料を変形させ、変形した部分の皮膜の損傷を
調べた。耐衝撃変形試験の条件は、500gの重りを5
00mmの落下高さから落とすというものである。

【0075】(4)耐摩耗性試験 先端にナイロンたわしを取付けた棒を600rpmで回
転させながら、加重500gで皮膜面に1分間押しつけ
た後、傷の有無を肉眼で調べた。表6に作製条件を一覧
表示し、各種試験結果を表7に一覧表示する。

【0076】

【表6】

【0077】

【表7】

【0078】試験結果 表7に示すように、フッ素化合物の共析量試験結果につ
いて、本発明例は何れも共析量が15〜45%と良好で
あり、且つ、複合めっき皮膜の接触角試験結果におい
て、本発明例は何れも比較例2、3よりも接触角が大き
く、極めて良好な撥水性を有することが確認された。

【0079】また、表7に示すように、複合めっき皮膜
の基材に対する接着不良性、耐衝撃変形性に関して、本
発明例は、比較例1に比べて基材に対する接着性、耐衝
撃変形性に優れていることが確認された。なお、表7の
接着性試験は、前記1〜3の条件で行った結果を示すも
のであるが、本発明例ではいずれも0/100であった
ので、単に0/100とし、比較例1についてのみ、各
結果を注1に記載した。

【0080】更に、表7に示すように、複合めっき皮膜
の耐摩耗性試験において、本発明例は比較例に比べ、耐
摩耗性に優れることが確認された。

【0081】

【発明の効果】本発明においては、楽器用弦の基材表面
に形成された複合めっき皮膜は、非金属であるフッ素化
合物とマトリックス金属とから成るので、フッ素化合物
の特性に由来し、高度の潤滑性、耐摩耗性、耐薬品性、
撥水性、撥油性等の性質を発揮し、マトリックス金属の
特性に由来して、高硬度、高強度、高熱伝導性、高耐熱
性等の性質を併せ持つ。更に、複合めっき皮膜は、基材
に対する接着性・密着性が良いので、基材と皮膜の熱膨
張率の違いに起因する皮膜の剥離が生じ難い。

【0082】また、フッ素化合物の特性である非粘着性
が十分に発揮され、直接弦に触れた際の油分や汚れ付着
を防止でき、付着したそれらの除去も容易になる。

【0083】更に、フッ素化合物等を部材表面にコーテ
ィング法で被覆してなる従来品では、プレコート法、ポ
ストコート法の何れを採用した場合であっても、弦基材
の全体に均一な塗膜を施し難いため、質量や硬さのむら
に起因する「うなり」が生じ易い。しかし、金属めっき
法を用いる本発明によれば、部材または部材となるべき
基材に均一の厚さの皮膜を形成できるため、楽器音の音
色に悪影響を及ぼすことなく、十分な効果を確保するこ
とができる。

【0084】以上に述べたように、本発明によれば、ピ
アノやギター、バイオリン等の弦楽器乃至鍵盤楽器にお
いて、弦の耐久性やメンテナンス性が向上し、弦の取り
替えの手間を省き、且つ、高音質で快適な使用状態を長
期間に渡って維持することができるといった優れた効果
を奏する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10D 1/02 G10D 1/02 1/08 1/08 3/10 3/10 Fターム(参考) 4K022 AA02 AA31 AA34 AA41 BA14 BA34 BA36 DA01 DB01 EA01 5D002 CC33 CC34 DD06 DD07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦の基材表面に、フッ素化合物を含んで
    なる複合めっき皮膜を有していることを特徴とする楽器
    用弦。
  2. 【請求項2】 弦の基材が、芯線からなる弦または芯線
    に金属線を密着巻回してなる弦である請求項1記載の楽
    器用弦。
  3. 【請求項3】 複合めっき皮膜が、体積分率で15〜6
    0%のフッ素化合物を含んでなる複合めっき皮膜である
    請求項1記載の楽器用弦。
  4. 【請求項4】 複合めっき皮膜が、ポリテトラフルオロ
    エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
    ロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−パー
    フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化黒鉛
    よりなる群から選択される少なくとも1種以上のフッ素
    化合物を含んでなる複合めっき皮膜である請求項1記載
    の楽器用弦。
  5. 【請求項5】 複合めっき皮膜が、金属めっき材とフッ
    素化合物が共析されてなる複合めっき皮膜である請求項
    1、2、3または4記載の楽器用弦。
  6. 【請求項6】 フッ素化合物が平均粒子径2μm以下の
    微粒子である請求項5記載の楽器用弦。
  7. 【請求項7】 複合めっき皮膜が、2〜10μmの厚さ
    である請求項1記載の楽器用弦。
  8. 【請求項8】 複合めっき皮膜が、150〜350℃の
    温度で加熱処理されてなる複合めっき皮膜である請求項
    1記載の楽器用弦。
  9. 【請求項9】 弦の基材表面に、金属めっき材とフッ素
    化合物を共析させて複合めっき皮膜を形成することを特
    徴とする楽器用弦の製法。
  10. 【請求項10】 金属めっき材とフッ素化合物を共析さ
    せることにより弦の基材表面に複合めっき皮膜を形成す
    る方法。
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JP2010501885A (ja) * 2006-08-21 2010-01-21 ズーリ ホルディングズ リミテッド 楽器用弦

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