JP2003205867A - サイドシル構造 - Google Patents

サイドシル構造

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JP2003205867A
JP2003205867A JP2002008420A JP2002008420A JP2003205867A JP 2003205867 A JP2003205867 A JP 2003205867A JP 2002008420 A JP2002008420 A JP 2002008420A JP 2002008420 A JP2002008420 A JP 2002008420A JP 2003205867 A JP2003205867 A JP 2003205867A
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side sill
lower wall
vehicle
sill
wall portion
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Yuji Shinpo
雄二 新保
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な排水性を確保しつつ、車室内に伝わる
風切音を低減させて遮音性能が良好なものとすることが
できるサイドシル構造を提供する。 【解決手段】車室両側部に設けられたサイドドア24、
25の下側に位置し、車両前後方向に沿って延設された
サイドシル30の下壁部30aに複数の水抜き穴34
…、34´…が設けられたサイドシル構造において、下
壁部30aの中間部から前端部30bまでの部分を、下
壁部30aの中間部から後端部30cまでの部分よりも
高く形成すると共に、水抜き穴34…、34´…を下壁
部30aの中間部から後端部30cまでの部分に設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サイドドアの下
側に車両前後方向に沿って設けられたサイドシルに関
し、床下から車室内に伝わる騒音、特に風切音を減少さ
せることのできるサイドシル構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来のサイドシル構造としては、例えば、
図10及び図11に示すようなものが知られている。
【0003】まず、この従来のサイドシル構造の構成か
ら説明する。
【0004】図10に示すように、このサイドシル構造
では、車両1に設けられたフロントホイルハウス2とリ
アホイルハウス3との間の車室5の両側部下側にサイド
シル4、4が延設されている。このサイドシル4、4
は、車室5の両側部に設けられたサイドドア6の下側6
aにそれぞれ位置して、下壁部4aには複数の水抜き穴
7…が設けられている。
【0005】また、サイドシル4は、図11に示すよう
に、鉛直方向に延びる上フランジ8a及び下フランジ8
bが形成された断面ハット型のシルインナ8と、このシ
ルインナ8と略同形状のシルアウタ9とが、平板状のレ
インフォース部材10を介して接合され、略閉断面のサ
イドシル4の内部空間Hが形成されている。
【0006】そして、シルインナ8の下壁8cとシルア
ウタ9の下壁9cとによって、サイドシル4の下壁部4
aが形成されている。
【0007】また、下フランジ8bには下壁8cから下
フランジ8bの下端部にまで延びる複数の溝条8d…が
形成され、下フランジ9bには下壁9cから下フランジ
9bの下端部にまで延びる複数の溝条9d…が形成され
ている。そして、各溝条8d…、9d…により、サイド
シル4の下壁部4aを貫通して略閉断面の内部空間Hと
外部とを連通させる複数の水抜き穴7…がこのサイドシ
ル4の略全長に渡り、所定間隔を置いて設けられてい
る。
【0008】次に、この従来のサイドシル構造の作用を
説明する。
【0009】このように構成されたサイドシル構造で
は、サイドシル4が雨やスプラッシュ等を受けた際に、
車体パネルの合わせ目や小穴等から略閉断面のサイドシ
ル4の内部空間Hに雨水等が浸入する。
【0010】そして、下壁部4aに設けられた複数の水
抜き穴7…から、内部空間Hに浸入した雨水等が外部に
排水されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
サイドシル構造では、図12に示すように、車両1の走
行中に前方から流れてくる走行風Sによりフロントホイ
ルハウス2の後端部下側2a近傍で大きな圧力変動が生
じて、風切音が前記サイドシル4の下壁部4aに設けら
れたフロントホイルハウス2近傍の水抜き穴7からサイ
ドシル4の内部空間Hに入り込むことがあった。
【0012】そこで、床下から車室5内へ伝わる風切音
等による騒音を測定したところ、サイドシル4の略全長
に渡って設けられている水抜き穴7…の全てを閉塞した
場合、内部空間Hに入り込んだ風切音で内部空間Hの音
圧が上昇することが防止され、図5に示すように、水抜
き穴7…を閉塞していない場合の騒音と比較して、20
0Hz以下の低周波数域の騒音が大幅に低下することが
判明した。
【0013】さらに、フロントドア6bの略中央部の下
側から前端部に渡って設けられた水抜き穴7…が車室5
内に伝わる風切音に大きく影響し、フロントドア6bの
略中央部の下側から後端部に渡って設けられた水抜き穴
7…が車室5内に伝わる風切音に与える影響は非常に小
さいことが判明した。
【0014】しかし、車室5内の風切音を低減させるた
めに水抜き穴7…を全て閉塞すると、サイドシル4の内
部空間Hに浸入した水が外部に排水されず、サイドシル
4に錆が発生する問題が生じていた。
【0015】そこで、この発明は、上記のような問題点
を鑑みてされたものであり、良好な排水性を確保しつ
つ、車室内に伝わる風切音を低減させて遮音性能が良好
なものとすることができるサイドシル構造を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、車室両側部に設けられたサ
イドドアの下側に位置し、車両前後方向に沿って延設さ
れたサイドシルの下壁部に複数の水抜き穴が設けられた
サイドシル構造において、下壁部の中間部から前端部ま
での部分を、この下壁部の中間部から後端部までの部分
よりも高く形成すると共に、水抜き穴を下壁部の中間部
から後端部までの部分に設けたことを特徴としている。
【0017】このように構成された請求項1の発明によ
れば、サイドシルの内部空間に浸入した水がサイドシル
の下壁部の前端部から後方に向かって流下し、サイドシ
ルの下壁部の中間部から後端部までの部分に設けられた
水抜き穴から外部に排水される。
【0018】このため、前記下壁部の中間部から前端部
までの部分に水抜き穴を設ける必要がなくなり、例え
ば、走行風によってフロントホイルハウスの後端部下側
近傍で大きな圧力変動が生じても、風切音が水抜き穴か
らサイドシルの内部空間に入り込むことはほとんどなく
なる。そして、内部空間の音圧上昇が防止できて、車室
内に伝わる風切音を低減させることができる。
【0019】さらに、車両の床下に流入した走行風の一
部は、路面とサイドシルの下壁部との距離が広くなって
いるサイドシルの中間部から前端部までの下側から車両
の側方に速やかに流出する。
【0020】このため、この床下を通過する風量を減少
させることができ、床下の風速が低下して車両の床下に
配設されている部品に当接して生じる風切音が小さくな
り、床下から車室内に伝わる風切音をさらに低減するこ
ともできる。
【0021】また、請求項2に係る発明は、下壁部の中
間部から前端部までの部分に、この前端部を高くした傾
斜を設けた請求項1に記載のサイドシル構造を特徴とし
ている。
【0022】このように構成された請求項2の発明によ
れば、請求項1の作用効果に加え、サイドシルの前端部
から中間部までの部分に浸入した水が、下壁部に設けら
れた傾斜に沿って中間部から後端部までの部分に向けて
さらに円滑に流下する。
【0023】そして、中間部から後端部までの下壁部に
設けられた水抜き穴からこれらの水が確実に外部に排水
されて、サイドシルの錆等の発生を抑制できる。
【0024】さらに、請求項3に係る発明は、下壁部の
中間部に段差を設け、下壁部の段差から前端部までの部
分を、下壁部の段差から後端部までの部分よりも高く形
成した請求項1又は2に記載のサイドシル構造を特徴と
している。
【0025】このように構成された請求項3の発明によ
れば、請求項1又は2の作用効果に加え、サイドシルの
前端部から中間部までの部分に浸入した水が、高い位置
に形成された前端部から中間部までの部分から、前記段
差を通過して低い位置に形成されたサイドシルの中間部
から後端部までの部分に円滑に流下される。そして、中
間部から後端部までの下壁部に設けられた水抜き穴から
これらの水が確実に外部に排水され、サイドシルに錆等
が生じることを防止できる。
【0026】また、請求項4に係る発明は、下壁部の中
間部がサイドドアの略中央部の下側に位置している請求
項1乃至3のいずれかに記載のサイドシル構造を特徴と
している。
【0027】ここで、サイドドアの略中間部の下側から
前方にかけて、走行風による圧力変動が最も大きくな
り、風切音が最も顕著に発生する。
【0028】このように構成された請求項4の発明によ
れば、請求項1乃至3の作用効果に加え、サイドドアの
略中央部の下側から前方にかけて生じた最も顕著な風切
音が水抜き穴に入り込むことはなく、例えば、サイドシ
ルの下壁部の全長に渡って設けられた水抜き穴を全て閉
塞した場合と同程度に騒音を抑制することができて、遮
音性能が良好となる。
【0029】
【発明の実施の形態1】以下、図面に基づいてこの発明
の実施の形態1のサイドシル構造を説明する。
【0030】このサイドシル構造は、まず構成から説明
すると、図1に示すように、車両20に設けられたフロ
ントホイルハウス21とリアホイルハウス22との間
に、車両前後方向に沿ってサイドシル30、30が延在
されている構成になっている。ここで、このサイドシル
30、30は車室23の両側部にそれぞれ設けられたフ
ロントサイドドア24及びリアサイドドア25の下側に
位置している。
【0031】このサイドシル30は、図2に示すよう
に、鉛直方向に延びる上フランジ31a及び下フランジ
31bが形成されて、断面がハット形状のシルインナ3
1、及び、このシルインナ31と略同形状のシルアウタ
32が、レインフォース部材33を介して接合され、サ
イドシル30の内部空間Hが略閉断面を呈するように形
成されている。
【0032】すなわち、シルインナ31の上フランジ3
1aとシルアウタ32の上フランジ32bとが前記レイ
ンフォース部材33を両側から挟持して、スポット溶接
により接合され、シルインナ31の下フランジ31bと
シルアウタ32の下フランジ32bとが前記レインフォ
ース部材33を両側から挟持して、スポット溶接により
接合されている。
【0033】そして、シルインナ31の下壁31c及び
シルアウタ32の下壁32cによって、サイドシル30
の下壁部30aが形成されている。
【0034】また、図3に示すように、このサイドシル
30の中間部から前端部30bまでの部分(以下、前部
1という)の下壁部30aには、サイドシル30の前
端部30bが上方に向かうような傾斜として数度の傾斜
角度αが設けられている。
【0035】なお、上述の中間部は、フロントサイドド
ア24の車両前後方向の略中央部の下側に位置してい
る。
【0036】そして、図1に示すように、サイドシル3
0の中間部から後端部30dまでの部分(以下、後部t
2という)の下壁部30aには、複数の水抜き穴34
…、34´…が設けられている。
【0037】なお、サイドシル30の前部t1にわたる
下壁部30aは封止されている。
【0038】この水抜き穴34…は、図2に示すよう
に、シルインナ31の下フランジ31bにプレス加工さ
れた上下方向に延びる複数の溝条31d…と、レインフ
ォース部材33とにより囲われ、内部空間Hと外気とを
連通している。
【0039】そして、水抜き穴34´…は、シルアウタ
32の下フランジ32bにプレス加工された上下方向に
延びる複数の溝条32d…と、レインフォース部材33
とにより囲われ、略閉断面のサイドシル30の内部空間
Hと外気とを連通している。
【0040】また、サイドシル30に設けられた水抜き
穴34…、34´…のうち最前部設けられた傾斜角度α
の終了部分直近に設けられている。
【0041】次に、このサイドシル構造の作用について
説明する。
【0042】このサイドシル30は内部空間Hに雨水等
が浸入しても、下壁部30aに設けられた水抜き穴34
…、34´…から外部に排水することができ、サイドシ
ル30の錆等の発生を抑制できる。
【0043】ここで、サイドシル30の前部t1の内部
空間Hに浸入した雨水等は、下壁部30aに設けられた
傾斜角度αに沿って流下し、サイドシル30の後部t2
に設けられた水抜き穴34…、34´…から円滑に排水
される。
【0044】このため、サイドシル30前部t1には水
抜き穴34…、34´…を設ける必要がなくなる。
【0045】特に、ここでは、この傾斜角度αの終了部
分直近に水抜き穴34…、34´…のうち最前部に位置
するものが設けられ、傾斜角度αに沿って流下した雨水
等をより円滑に排水して、良好な排水性が確保される。
【0046】また、このサイドシル構造を備えた車両2
0が走行した場合では、図4に示すように、車両20の
前方からこの車両20の走行速度と略同じ速度で走行風
Sが流れてくる。
【0047】そして、この走行風Sによってフロントホ
イルハウス21の後端部下側21a近傍には、激しい空
気の渦が発生して大きな圧力変動が生じ、風切音が発生
する。
【0048】なお、この圧力変動による風切音は、フロ
ントホイルハウス21の後端部下側21aの近傍で最も
大きくなり、車両20の後方に向かうに従って急速に緩
和されていく。
【0049】ここで、サイドシル30の前部t1に渡っ
て封止された下壁部30aにより、フロントホイルハウ
ス21の後端部下側21aの近傍に生じた最も大きな風
切音がサイドシル30の内部空間Hに入り込むことはな
い。
【0050】このため、内部空間Hの音圧上昇を防止す
ることができ、車室23内に伝わる風切音を低減するこ
とができる。
【0051】また、サイドシル30の後部t2に設けら
れた水抜き穴34…、34´…から内部空間Hに風切音
が入り込んだとしても、このサイドシル30の後部t2
周辺の風切音は緩和されており、内部空間Hの音圧が上
昇することはほとんどない。そして、車室23内に伝わ
る風切音を確実に低減することが可能となる。
【0052】さらに、図4に示すように、前端部30b
が上方に向かうように傾斜角度αが設けられたサイドシ
ル30の前部t1は路面までの距離が広くなっており、
車両20の前方から図示しないエプロンの下を通過して
床下に流入した走行風Sの一部を、このサイドシル30
の前部t1の下側から車両20の側方に速やかに流出す
ることができる。
【0053】これにより、車両20の床下に流入した走
行風Sの風量が低下して風速が下がり、床下に配設され
ている排気管、遮熱板、燃料タンク等の部品に走行風S
が当接しても大きな乱流が発生しにくく、床下から車室
23内に伝わる風切音をさらに低減させることができ
る。
【0054】以下に、風洞実験において床下から車室内
に伝わる風切音等による車室耳位置騒音レベルを測定し
た結果を説明する(図5参照)。
【0055】図5において、破線は従来のサイドシル構
造の場合であり、一点鎖線は全ての水抜き穴を閉塞した
サイドシル構造の場合であり、実線はこの発明のサイド
シル構造の場合である。
【0056】従来のサイドシル構造では、サイドシルの
全長に渡って設けられた水抜き穴から風切音がサイドシ
ルの内部空間に入り込み、100Hz〜200Hzの周
波数域の騒音が比較的大きくなっている。
【0057】全ての水抜き穴を閉塞したサイドシル構造
では、水抜き穴からサイドシルの内部空間に風切音が入
り込むことはなく、従来のサイドシル構造と比較して2
00Hz以下の低周波数域が大幅に低下している。
【0058】そして、この発明のサイドシル構造では、
サイドシルの後部に設けた水抜き穴から排水して良好な
排水性を確保しつつ、全ての水抜き穴を閉塞した場合と
略同程度に車室内に伝わる風切音を低減することができ
る。
【0059】
【発明の実施の形態2】以下、図6及び図7に基づいて
この発明の実施の形態2のサイドシル構造を説明する。
なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分について
は、同一の符号を付して説明する。
【0060】まず、構成から説明すると、このサイドシ
ル構造では、車両前後方向に沿って延設されたサイドシ
ル40の中間部に段部Dが設けられている。
【0061】そして、サイドシル40の下壁部40aの
段部Dから前端部40bまで部分(以下、前部t3とい
う)が、サイドシル40の下壁部40aの段部Dから後
端部(図示せず)までの部分(以下、後部t4という)
よりも高い位置に形成されている。
【0062】また、サイドシル40の前部t3に渡って
下壁部40aは封止され、後部t4には複数の水抜き穴
44…が設けられている。
【0063】ここで、段部Dはフロントサイドドア24
の車両前後方向の略中心部の下側に位置している。
【0064】次にこの実施の形態2の作用を説明する
と、サイドシル40の前部t3の内部空間Hに浸入した
水は、車両20の走行時の振動や揺動により段部Dを通
過して低い位置に形成されたサイドシル40の後部t4
に流下して、この後部t4に設けられた複数の水抜き穴
44…から外部に排水される。
【0065】このため、サイドシル40の前部t3に水
抜き穴44を設ける必要がなくなり、フロントホイルハ
ウス21の後端部下側21a近傍で生じた激しい圧力変
動による風切音がサイドシル40の内部空間Hに入り込
むことはほとんどなく、車室23内に伝わる風切音を低
減させることができる。
【0066】
【発明の実施の形態3】以下、図8及び図9に基づいて
この発明の実施の形態3のサイドシル構造を説明する。
なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分について
は、同一の符号を付して説明する。
【0067】まず、構成から説明すると、このサイドシ
ル構造では、車両前後方向に沿って延設されたサイドシ
ル50の中間部に段部Dが設けられている。
【0068】そして、サイドシル50の下壁部50aの
段部Dから前端部50bまでの部分(以下、前部t5
いう)が、サイドシル50の下壁部50aの段部Dから
後端部(図示せず)までの部分(以下、後部t6とい
う)よりも高い位置に形成されている。
【0069】さらに、サイドシル40の前部t5の下壁
部50aには、サイドシル50の前端部50bが上方に
向かうような傾斜として数度の傾斜角度αが設けられて
いる。
【0070】また、サイドシル50の前部t5に渡る下
壁部50aは封止され、後部t6には複数の水抜き穴5
4…が設けられている。
【0071】ここで、段部Dはフロントサイドドア24
の車両前後方向の略中心部の下側に位置している。
【0072】次にこの実施の形態3の作用を説明する
と、サイドシル50の前部t5の内部空間Hに浸入した
水は、傾斜角度αに沿ってサイドシル50の後部t6
向かって流下するとともに、車両20の走行時の振動や
揺動により段部Dを通過して低い位置に形成されたサイ
ドシル40の後部t6に確実に流下する。そして、この
後部t6に設けられた複数の水抜き穴54…から外部に
排水される。
【0073】このため、サイドシル50の前部t5に水
抜き穴54を設ける必要がなくなり、フロントホイルハ
ウス21の後端部下側21a近傍で生じた激しい圧力変
動による風切音がサイドシル50の内部空間Hに入り込
むことはほとんどなく、車室23内に伝わる風切音を低
減させることができる。
【0074】以上、この発明の実施の形態1〜3を図面
により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形
態1〜3に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0075】例えば、実施の形態1〜3では、サイドシ
ルは、シルインナとシルアウタとがレインフォース部材
を介して接合されることにより形成されているが、特に
これに限らず、例えば、前記レインフォース部材を介さ
ずにシルインナとシルアウタとが接合されていても良
い。
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、サイドシルの
内部空間に浸入した水がサイドシルの下壁部の前端部か
ら後方に向かって流下し、サイドシルの下壁部の中間部
から後端部までの部分に設けられた水抜き穴から外部に
排水される。
【0077】このため、前記下壁部の中間部から前端部
までの部分に水抜き穴を設ける必要がなくなり、例え
ば、走行風によってフロントホイルハウスの後端部下側
近傍で大きな圧力変動が生じても、風切音が水抜き穴か
らサイドシルの内部空間に入り込むことはほとんどなく
なる。そして、内部空間の音圧上昇が防止できて、車室
内に伝わる風切音を低減させることができる。
【0078】さらに、車両の床下に流入した走行風の一
部は、路面とサイドシルの下壁部との距離が広くなって
いるサイドシルの前端部の下側から車両の側方に速やか
に流出する。
【0079】このため、この床下を通過する風量を減少
させることができ、床下の風速が低下して車両の床下に
配設されている部品に当接して生じる風切音が小さくな
り、床下から車室内に伝わる風切音をさらに低減するこ
ともできる。
【0080】したがって、この発明は、良好な排水性を
確保しつつ、車室内に伝わる風切音を低減させて遮音性
能が良好なものとすることができるサイドシル構造を提
供することができる。
【0081】請求項2の発明によれば、請求項1の効果
に加え、サイドシルの前端部から中間部までの部分に浸
入した水が、下壁部に設けられた傾斜に沿って中間部か
ら後端部までの部分に向けてさらに円滑に流下する。
【0082】そして、中間部から後端部までの下壁部に
設けられた水抜き穴からこれらの水が確実に外部に排水
されて、サイドシルの錆等の発生を抑制できる。
【0083】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
の効果に加え、サイドシルの前端部から中間部までの部
分に浸入した水が、高い位置に形成された前端部から中
間部までの部分から、前記段差を通過して低い位置に形
成されたサイドシルの中間部から後端部までの部分に円
滑に流下される。そして、中間部から後端部までの下壁
部に設けられた水抜き穴からこれらの水が確実に外部に
排水され、サイドシルに錆等が生じることを防止でき
る。
【0084】請求項4の発明によれば、請求項1乃至3
の効果に加え、サイドドアの略中央部の下側から前方に
かけて生じた最も大きな圧力変動で発生した風切音が水
抜き穴に入り込むことはなく、例えば、サイドシルの下
壁部の全長に渡って設けられた水抜き穴を全て閉塞した
場合と同程度に騒音を抑制することができて、遮音性能
が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のサイドシル構造を備えた車両の模式
図である。
【図2】この発明のサイドシルの一部を示した拡大斜視
図である。
【図3】この発明のサイドシル構造を備えた車両の一部
拡大側面図である。
【図4】この発明のサイドシル構造を備えた車両に向か
って走行風が流れている場合の説明図である。
【図5】車内騒音と騒音周波数の関係を表したグラフで
ある。
【図6】この発明のサイドシル構造の他の実施例を備え
た車両の一部拡大側面図である。
【図7】この発明のサイドシルの他の実施例の一部を示
した拡大斜視図である。
【図8】この発明のサイドシル構造の他の実施例を備え
た車両の一部拡大側面図である。
【図9】この発明のサイドシルの他の実施例の一部を示
した拡大斜視図である。
【図10】従来のサイドシル構造を備えた車両の模式図
である。
【図11】従来のサイドシルの一部拡大斜視図である。
【図12】従来のサイドシル構造を備えた車両に向かっ
て走行風が流れている場合の説明図である。
【符号の説明】
20 車両 24 フロントサイドドア 25 リアサイドドア 30 サイドシル 30a 下壁部 30b 前端部 30c 後端部 34、34´ 水抜き穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室両側部に設けられたサイドドアの下側
    に位置し、車両前後方向に沿って延設されたサイドシル
    の下壁部に複数の水抜き穴が設けられたサイドシル構造
    において、 前記下壁部の中間部から前端部までの部分を、該下壁部
    の中間部から後端部までの部分よりも高く形成すると共
    に、前記水抜き穴を前記下壁部の中間部から後端部まで
    の部分に設けたことを特徴とするサイドシル構造。
  2. 【請求項2】前記下壁部の中間部から前端部までの部分
    に、該前端部を高くした傾斜を設けたことを特徴とする
    請求項1に記載のサイドシル構造。
  3. 【請求項3】前記下壁部の中間部に段差を設け、前記下
    壁部の前記段差から前端部までの部分を、前記段差から
    後端部までの部分よりも高く形成したことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のサイドシル構造。
  4. 【請求項4】前記下壁部の中間部は、前記サイドドアの
    車両前後方向の略中央部の下側に位置することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載のサイドシル構
    造。
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