JP2003205772A - 交流電気鉄道の電源設備 - Google Patents

交流電気鉄道の電源設備

Info

Publication number
JP2003205772A
JP2003205772A JP2002012890A JP2002012890A JP2003205772A JP 2003205772 A JP2003205772 A JP 2003205772A JP 2002012890 A JP2002012890 A JP 2002012890A JP 2002012890 A JP2002012890 A JP 2002012890A JP 2003205772 A JP2003205772 A JP 2003205772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
electric
power
middle section
supply device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002012890A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4082033B2 (ja
Inventor
Hideo Watanabe
秀夫 渡邉
Tadashi Shibuya
忠士 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2002012890A priority Critical patent/JP4082033B2/ja
Publication of JP2003205772A publication Critical patent/JP2003205772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4082033B2 publication Critical patent/JP4082033B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異電源の突き合わせ用切替セクションに設け
る切替遮断器の寿命、点検と設備更新、コスト、開閉サ
ージの課題を解決する。 【解決手段】 切替遮断器SW1,SW2に代えて、中
セクションに電力を供給できる別電源装置PSを設け、
この別電源装置の電圧と位相制御として、電気車が中セ
クションに進入する前および電気車の全車両が中セクシ
ョンに進入するまでは「それまで電気車に電力を供給し
ていた側の電源」と同等の電圧と位相に制御し、電気車
が中セクションを抜け出す前および電気車の全車両が中
セクションを抜け出すまでは「これから電気車に電力を
供給する側の電源」と同等の電圧と位相に制御すること
で、中セクションを通過する電気車に走行に必要な電力
を供給できるようにする。別電源装置としては、インバ
ータ電源装置、これにトランスによる電力合成するも
の、直流電源に大容量直流キャパシタを設けるもの、負
荷平衡補償装置を直流電源として利用するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新幹線などの交流
電気鉄道の電源設備に係り、特に電気車が異電源区間を
通過するための電源切替セクションに関する。
【0002】
【従来の技術】新幹線などの交流電気鉄道では、3相電
力系から単相電力を得るのに、3相電圧不平衡を軽減す
るため、3相−2相変換器としてスコットトランスを用
い、二次側に2つの単相(M座とT座)電源を得てい
る。他の方式として、ウッドブリッジトランスを用い、
二次側に2つの単相(A座とB座)電源を得ている。
【0003】このようなトランスを設けた電気鉄道変電
所からトロリー線に電力供給するのに、変電所直下およ
びき電区分所には異電源突き合わせの切替セクションが
設けられる。
【0004】この切替セクション構成を図7に新幹線用
の場合で示す。新幹線では先頭側車両と後尾側車両のパ
ンタグラフ間をブス引き通し(ケーブル)で接続してお
り、切替セクションは、車両の最大パンタグラフ間隔以
上になる距離(一般に1000m)で設けられるエアセ
クションD1,D2の間を中セクションとし、エアセク
ションD1,D2の両端と中セクション間に開閉器(切
替遮断器)SW1,SW2を設けた構成とする。
【0005】この構成により、全車両が中セクション範
囲内に到達するまでは、開閉器SW1を閉、開閉器SW
2を開としておくことで開閉器SW1側の電源から電力
を供給し続け、全車両が中セクションを走行中に開閉器
SW1を開、開閉器SW2を閉と切り替えることで開閉
器SW2側の電源から電力の供給を開始する。これによ
り、開閉器の切換時に瞬時停電はあるが連続した電力供
給を可能にし、新幹線の運転者は、異電源区間の通過を
意識することなく、そのままエアセクションの走行運転
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の電源設備では、
切替セクションに適用されている切替遮断器SW1,S
W2は、電気車の通過の度に開閉動作を行うため、寿命
が短く、定期的な設備点検及び設備更新が必要であり、
コスト的に大きな負担となっている。
【0007】また、切替遮断器の開閉サージは、投入位
相等の条件によっては過大な電圧が発生することもあ
り、切替遮断器の極間短絡事故も起きている。
【0008】上記の課題を解決する方法として、半導体
素子をスイッチ手段とする静止形の切替遮断器の開発も
試みられているが、未だ実用化に至っていない。
【0009】本発明の目的は、上記の各課題を解決した
交流電気鉄道の電源設備を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、切替遮断器に代えて、中セクションに電
力を供給できる別電源装置を設け、この別電源装置の電
圧を位相制御して、電気車が中セクションに進入する前
および電気車の全車両が中セクションに進入するまでは
「それまで電気車に電力を供給していた側の電源」と同
等の電圧と位相に制御し、電気車が中セクションを抜け
出す前および電気車の全車両が中セクションを抜け出す
までは「これから電気車に電力を供給する側の電源」と
同等の電圧と位相に制御するようにしたものであり、以
下の構成を特徴とする。
【0011】(1)異電源突き合わせ箇所に切替セクシ
ョンを設けた交流電気鉄道の電源設備において、前記切
替セクションは、一対のエアセクションとその間に中セ
クションを設け、前記中セクションに電圧と位相を制御
して電力を供給できる別電源装置を設け、前記別電源装
置は、電気車が前記中セクションに進入する前および電
気車の全車両が中セクションに進入するまでは「それま
で電気車に電力を供給していた側の電源」と同等の電圧
と位相に制御し、電気車が前記中セクションを抜け出す
前および電気車の全車両が中セクションを抜け出すまで
は「これから電気車に電力を供給する側の電源」と同等
の電圧と位相に制御する構成としたことを特徴とする。
【0012】(2)前記別電源装置は、前記異電源の一
方を電源とし、前記電圧と位相を制御して前記中セクシ
ョンを走行中の電気車に電力を供給できるインバータ電
源装置としたことを特徴とする。
【0013】(3)前記別電源装置は、前記両方の異電
源からそれぞれ電圧変成した出力を得る一対のトランス
と、前記異電源の一方を電源とし、前記一対のトランス
の二次出力の合成電圧に直交しかつ180度回転させる
位相制御をして該一対のトランスの出力と合成して前記
中セクションに電力を供給できるインバータ電源装置と
したことを特徴とする。
【0014】(4)前記別電源装置は、前記異電源の一
方を電源として充電しておく大容量キャパシタを直流電
源とし、前記電圧と位相を制御して前記中セクションを
走行中の電気車に電力を供給できるインバータ電源装置
としたことを特徴とする。
【0015】(5)前記別電源装置は、電気車の上り方
面と下り方面の両切替セクションに対して個別に電力を
供給できる一対のインバータ本体とその制御回路と、前
記異電源の一方を電源として前記インバータ本体に直流
電力を供給できる1台のコンバータとしたことを特徴と
する。
【0016】(6)前記別電源装置は、変電所またはき
電区分所に設備される負荷平衡補償装置の双方向電力変
換器を直流電源とし、前記電圧と位相を制御して前記中
セクションを走行中の電気車に電力を供給できるインバ
ータ電源装置としたことを特徴とする。
【0017】(7)前記インバータ電源装置は、2重系
の負荷平衡補償装置の双方向電力変換器をそれぞれ直流
電源とし、電気車の上り方面と下り方面の両切替セクシ
ョンに対して個別に電力を供給できる双対のインバータ
本体とその制御回路としたことを特徴とする。
【0018】(8)前記別電源装置は、電気車から前記
中セクションに回生される電力を吸収する手段を設けた
ことを特徴とする。
【0019】(9)前記切替セクションは、電気車の進
行状態に応じて両異電源と前記中セクション間を接続で
きる一対のバックアップ用切替遮断器を設けたことを特
徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】(基本構成)図1は、切替セクシ
ョンの基本構成を示す。新幹線用の切替セクション構成
において、切替遮断器SW1,SW2を省き、中セクシ
ョンには電圧と位相を制御可能にした別電源装置PSを
設ける。
【0021】この別電源装置PSの電圧と位相制御は、
電気車がM座(又はA座)電源から電力供給されて中セ
クションに進入するときにM座電源のそれに合わせてお
くことで、電気車が中セクションに進入および走行する
際にM座電源と別電源装置との間に同期状態を得る。
【0022】また、電気車が中セクションからT座(又
はB座)電源側に進入するときに、別電源装置の電圧と
位相をT座の電源のそれに合わせておくことで、電気車
かT座電源に進入および中セクションから抜け出す際に
T座電源と別電源装置との間に同期状態を得る。
【0023】以上の切替セクション構成によれば、中セ
クションに電源を供給するための従来の切替遮断器SW
1,SW2が不要となり、従来の切替セクションでの切
替遮断器SW1,SW2の寿命、点検と更新の必要性、
開閉サージの発生などの課題を解決することができる。
【0024】なお、別電源装置の電圧制御と位相制御
は、電気車の制御との兼ね合いで急激に制御すると互い
に干渉しあうため、電気車が中セクションを通過する時
間から割り出して数秒間に亙って徐々に変化させるのが
好ましい。
【0025】(実施形態1)図1の別電源装置PSとし
て、インバータ電源装置を用いた場合の実施形態を図2
に示す。インバータ電源装置のインバータ本体1は、I
GBT等の半導体スイッチとフライホイールダイオード
からなるアームの単相ブリッジ接続で電圧形逆変換部を
構成し、そのスイッチのゲート制御によってコンバータ
2から供給される直流電力を電圧と位相を制御した単相
交流に変換し、この出力を出力トランス3を介して中セ
クションに供給する。コンバータ2は図示ではT座電源
側から交流電力を取り込む場合を示すがM座電源側から
電力を取り込むことでもよい。
【0026】インバータ電源装置INVの制御回路4
は、切換制御部4Aと位相制御部4Bと電圧制御部4C
および出力制御部4Dで構成し、インバータ本体1にM
座電源またはT座電源に同期した出力を得るための制御
を行う。
【0027】切換制御部4Aは、選択指令に応じてM座
電源とT座電源を切り換えてその位相と電圧信号をアナ
ログ信号またはディジタル信号で取得する。これら信号
は電圧変成器(PT)5、6によって適当なレベルに降
圧したものから得る。
【0028】位相制御部4Bは切換制御部4Aが選択し
た入力信号の位相を検出し、この位相に追従させた位相
制御信号を発生する。電圧制御部4Cは切換制御部4A
が選択した入力信号の電圧を検出し、この電圧に追従さ
せた電圧制御信号を発生する。
【0029】インバータ出力制御部4Dは、位相制御部
4Bと電圧制御部4Cからの位相および電圧制御信号に
追従した交流出力を得るのに必要なゲート信号を生成
し、このゲート信号でインバータ本体1の半導体スイッ
チをオン・オフ制御する。このゲート制御により、イン
バータ本体1にM座電源またはT座電源の周波数と位相
および電圧で同期した交流出力を得る。なお、ゲート信
号としては、インバータ本体の交流出力に正弦波を得る
PWM制御できるものが好ましい。
【0030】切換制御部4Aに与える選択指令は、中セ
クションに対する電気車の進行に応じたタイミングで発
生する。この選択指令は、電気車の位置を基に発生する
もので、電気車の位置は、例えば、切替セクションの前
後位置でレール側に設けた誘導電流方式の電気車検知器
で検出する方法とすることができる。
【0031】以上の構成により、電気車がM座電源側か
ら中セクションに進入する前および全車両が中セクショ
ンに進入するまでは、インバータ電源装置の運転をM座
電源と同等の電圧と位相に制御しておくことで、電気車
が中セクションに進入開始時および全車両が中セクショ
ンを通過中には、電気車には瞬時停電なくかつM座電源
と同期した電力をインバータ電源装置から供給すること
ができる。
【0032】また、電気車が中セクションを抜け出す前
および全車両が中セクションを抜け出すまでは、インバ
ータ電源装置の運転をT座電源と同等の電圧と位相に制
御しておくことで、電気車が中セクションから抜け出す
とき及び全車両がT座電源側に進入するまでは、電気車
には瞬時停電なくかつT座電源と同期した電力をインバ
ータ電源装置から供給することができる。
【0033】(実施形態2)図1の別電源装置PSとし
て、インバータ電源装置とトランスを用いた場合の実施
形態を図3の(a)に示す。
【0034】インバータ電源装置7は、図2の場合と同
様の構成要素(1、2、4〜6)を有して単相出力を
得、出力トランス8の二次側に出力する。トランス9は
M座電源を一次入力とし、二次側にM座電源と同じ位相
で電圧変成した出力を得る。同様に、トランス10はT
座電源を一次入力とし、二次側にT座電源と同じ位相で
電圧変成した出力を得る。各トランス8〜10の二次出
力は直列接続で合成して中セクションへ電力を供給す
る。
【0035】この構成において、トランス9と10の二
次出力には、それぞれM座電源とT座電源とは異相で電
圧値が1/√2のものを得る。これにより、これらの合
成出力には、図3の(b)に示すように、直交するM座
電圧とT座電圧に対して電気角45度の電圧Vmtを得
ることができる。
【0036】一方、インバータ電源装置7は、M座電源
またはT座電源の電圧を基準位相とし、電圧が1/√2
で、位相が電圧Vmtに直交しかつ選択指令で180度
回転できる電圧Vinvを得る。
【0037】この電圧Vinvをトランス8に得ること
で、トランス8〜10の合成出力は、図3の(b)に示
すように、上記のVmtとVinvとの合成になる。こ
れにより、中セクションに供給する交流出力には、電気
車がM座電源側から中セクションに進入してしまうまで
は、インバータ電源装置への選択指令によって、電圧お
よび位相をM座電源のそれに一致させることができる。
また、電気車が中セクションから抜け出すときには、イ
ンバータ電源装置への選択指令の切換えによって、中セ
クションに供給する交流出力には、T座電源の電圧およ
び位相に一致させることができる。
【0038】本実施形態は、実施形態1と同様の作用効
果を得ることができる他、中セクションへ供給する電力
のうち、インバータ電源装置の出力容量を実施形態1の
それよりも少なくすることができ、インバータ電源装置
の小型化、コストダウン、信頼性向上を図ることができ
る。
【0039】(実施形態3)図1の別電源装置PSとし
て、インバータ電源装置と大容量キャパシタを用いた場
合の実施形態を図4に示す。
【0040】インバータ電源装置は、図2の場合と同様
にインバータ本体1とコンバータ2や制御回路4などの
構成要素(1〜6)を有し、電気車の進行状態に合わせ
て、M座電源とT座電源の電圧と位相に合わせた単相出
力を中セクションに供給する。
【0041】大容量キャパシタ11は、電解コンデンサ
または電気二重層キャパシタなど、電気車の走行に必要
な電力程度の直流電力を放電できる容量を有し、インバ
ータ本体1に対してコンバータ2と併用して直流電力を
供給する。
【0042】本実施形態によれば、インバータ電源装置
から中セクションを通して電気車に電力を供給すると
き、その電力の大部分を大容量キャパシタ11の放電で
賄うことができる。そして、電気車が中セクションを抜
け出した後には、コンバータ2から大容量キャパシタ1
1に小電流で充電しておくことができる。
【0043】そして、インバータ電源装置が中セクショ
ンに電力を供給する時間は短時間(一般には数秒)にな
るため、その直流電源として大容量キャパシタ11を利
用することで、コンバータ2の容量を小さく、かつ安価
にできる。
【0044】なお、本実施形態の構成は、図3に示すイ
ンバータ電源装置7に適用することができる。
【0045】(実施形態4)図1の別電源装置PSとし
て、電気車の上り方面と下り方面の2種系統のき電構成
に適用するためのインバータ電源装置の実施形態を図5
に示す。
【0046】図5に示すインバータ電源装置は、上り方
面のき電線と下り方面のき電線に対して、それぞれ出力
トランス3A,3Bと、インバータ本体1A,1Bおよ
び制御回路4A,4Bを設け、コンバータ2は上り方面
のT座を電源として両インバータ本体1A,1Bに直流
電力を供給する共用方式とする。
【0047】本実施形態において、インバータ本体1
A,1Bの制御は前記までの実施形態と同様にされ、電
圧と位相を切換制御して中セクションを通過する電気車
に必要な電力を供給する。
【0048】本実施形態のメリットは、コンバータ2の
容量が増加する可能性があるが、その台数を半減させる
ことができる。容量増加に対しては、数秒間の短時間定
格のため、さらに上下両方面に電気車が位置する可能性
が少ないため、コストアップや寸法等にあまり影響を及
ぼすことはない。
【0049】なお、コンバータ2の電源は、片方面のき
電異常も有り得るため、切換スイッチ等によってき電線
切換え可能としておくのが好ましい。
【0050】また、本実施形態において、インバータ電
源装置の構成として、実施形態2または実施形態3の構
成を適用できる。
【0051】(実施形態5)図1の別電源装置PSとし
て、負荷平衡補償装置(RPC)を直流電源として利用
したインバータ電源装置の構成を図8に示す。
【0052】負荷平衡補償装置は、電鉄用変電所に設け
られるスコットトランス12のM座,T座間の負荷を平
衡化させ、電源の三相平衡化と電圧変動を抑制する。こ
の装置構成は、スコットトランス12のM座側とT座側
に、それぞれトランス13A,13Bと双方向電力変換
器14A,14Bとを設け、電力変換器14A,14B
の直流側を互いに接続しておき、電力変換器14A,1
4Bの順/逆電力変換制御を可能にした制御装置15を
設けておく。
【0053】この構成により、電気車AがM座側を力行
中で、スコットトランス12のM座側の負荷が大きく、
T座側の負荷が小さくなる場合、電力変換器14Bから
電力変換器14Aに電力融通を行うことで、M,T座間
の負荷の平衡化と電圧変動を抑制する。逆に、電気車A
がT座側を力行中には、電力変換器14Aから電力変換
器14Bに電力融通を行い、M,T座間の負荷の平衡化
と電圧変動を抑制する。
【0054】本実施形態は、負荷平衡補償装置の電力変
換器14A,14Bの直流側が互いに接続され、両電力
変換器14A,14Bから直流電力を取り出せることを
利用し、これを直流電源とすることで図2等におけるコ
ンバータ2を不要にしたものである。
【0055】図8において、電気車Aが中セクションを
通過中には、電力変換器14A,14Bを通してインバ
ータ本体1に直流電力を供給し、図2の場合と同様の制
御装置4によりインバータ本体1の電圧と位相制御を
し、インバータ本体1からM座またはT座と同期した交
流電力をトランス3を通して電気車に供給する。
【0056】したがって、インバータ電源装置として
は、負荷平衡補償装置をコンバータとして利用でき、装
置のコストダウンを図ることができる。
【0057】また、電力変換器14A,14Bからイン
バータ本体1に供給する電力は、電気車が中セクション
内を通過中のみであり、しかも電力変換器14A,14
Bで負荷分散されるため、負荷平衡補償装置はその補償
電力容量を高めることなく、既存のものをそのまま利用
することができる。
【0058】また、負荷平衡補償装置は、多数の電気車
がM座側またはT座側の一方のみを走行中という最大の
不平衡状態にも対応できるよう電力容量が設計されてお
り、このような運行状態は実際には殆どなく、通常には
低い補償電力容量領域で運用されているため、高価な装
置ではあるがその稼働率が低いものであった。これに対
して、本実施形態では負荷平衡補償装置をコンバータと
して利用するため、負荷平衡補償装置自体を有効利用
し、そのコストパフォーマンスを高めることができる。
【0059】図9は、変電所に設置される負荷平衡補償
装置を利用した場合の具体例を示す。負荷平衡補償装置
は、通常、鉄道の上り線と下り線にそれぞれ設備した2
重系構成にされるため、一対のインバータ本体1A,1
Bから上り線と下り線の中セクションにそれぞれ電力供
給を行い、しかもインバータ本体を双対とした2重系構
成とするのに、それらの直流電力を2重系の負荷平衡補
償装置からそれぞれ供給する構成とする。これにより、
負荷平衡補償装置またはインバータ本体の一方の系に不
具合が発生した場合にも、中セクションへの電力供給の
ための電源確保を確実にし、信頼性を高めることができ
る。
【0060】同様に、図10は、き電区分所に設置され
る負荷平衡補償装置を利用した場合の具体例を示し、こ
の場合にも中セクションへの電力供給のための電源確保
を確実にし、信頼性を高めることができる。
【0061】なお、本実施形態において、インバータ電
源装置の構成として、実施形態2または実施形態3の構
成を適用できる。
【0062】(変形例1)以上までの実施形態において
は、従来の切替遮断器SW1,SW2を省いた構成を示
すが、電気鉄道が公共設備になるため、別電源装置に不
具合が発生したときに電気鉄道の停電と同様の運行不能
を起こす恐れがある。
【0063】この別電源装置PSの機能喪失時の対策と
して、図6に示すように、切替セクションには別電源装
置に加えて、バックアップ用の切替遮断器SW1,SW
2を設けておくこと、もしくは既存の切替セクションの
切替遮断器SW1,SW2を撤去することなく残してお
くことにより、別電源装置の不具合時に切替遮断器SW
1,SW2による電源切替えを可能にする。
【0064】この場合、切替遮断器SW1,SW2は、
バックアップ用のため、その開閉制御の頻度は極めて小
さくなることから、その寿命や開閉サージ等が問題とな
ることはほとんどない。
【0065】(変形例2)以上までの実施形態におい
て、電気車がき電線に対して回生制動する機能構成で、
上記のバックアップ用の切替遮断器SW1,SW2を設
けない切替セクション構成では、電気車が中セクション
を通過中に制動運転すると、短時間ではあるがその回生
電力を別電源装置が吸収する必要がある。
【0066】この対策として、インバータ本体1の直流
側に発電制動用の抵抗器とその投入スイッチを設けるこ
と、または大容量キャパシタ11の充電電力とするこ
と、もしくはコンバータ2に双方向電力変換機能を設け
て回生電力をき電線側に回生する構成とする。
【0067】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、中セク
ションに電力を供給できる別電源装置を設け、この別電
源装置の電圧と位相制御により、電気車が切替セクショ
ンを通過する際に必要な電力を供給するようにしたた
め、従来の切替遮断器SW1,SW2による寿命、点検
と設備更新、コスト、開閉サージの課題を解決すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切替セクションの基本構成図。
【図2】本発明の実施形態1を示す構成図。
【図3】本発明の実施形態2を示す構成図。
【図4】本発明の実施形態3を示す構成図。
【図5】本発明の実施形態4を示す構成図。
【図6】本発明の変形例を示す構成図。
【図7】新幹線用の切替セクションの構成図。
【図8】本発明の実施形態5を示す構成図。
【図9】実施形態5の具体例を示す構成図。
【図10】実施形態5の具体例を示す構成図。
【符号の説明】
PS…別電源装置 SW1,SW2…切替遮断器 1、1A、1B…インバータ本体 2…コンバータ 4、4A、4B…制御回路 7…インバータ電源装置 8〜10…トランス 11…大容量キャパシタ 12…スコットトランス 13A,13B…トランス 14A,14B…インバータ本体 15…負荷平衡補償装置の制御装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異電源突き合わせ箇所に切替セクション
    を設けた交流電気鉄道の電源設備において、 前記切替セクションは、一対のエアセクションとその間
    に中セクションを設け、前記中セクションに電圧と位相
    を制御して電力を供給できる別電源装置を設け、 前記別電源装置は、電気車が前記中セクションに進入す
    る前および電気車の全車両が中セクションに進入するま
    では「それまで電気車に電力を供給していた側の電源」
    と同等の電圧と位相に制御し、電気車が前記中セクショ
    ンを抜け出す前および電気車の全車両が中セクションを
    抜け出すまでは「これから電気車に電力を供給する側の
    電源」と同等の電圧と位相に制御する構成としたことを
    特徴とする交流電気鉄道の電源設備。
  2. 【請求項2】 前記別電源装置は、前記異電源の一方を
    電源とし、前記電圧と位相を制御して前記中セクション
    を走行中の電気車に電力を供給できるインバータ電源装
    置としたことを特徴とする請求項1に記載の交流電気鉄
    道の電源設備。
  3. 【請求項3】 前記別電源装置は、 前記両方の異電源からそれぞれ電圧変成した出力を得る
    一対のトランスと、 前記異電源の一方を電源とし、前記一対のトランスの二
    次出力の合成電圧に直交しかつ180度回転させる位相
    制御をして該一対のトランスの出力と合成して前記中セ
    クションに電力を供給できるインバータ電源装置とした
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の交流電気鉄
    道の電源設備。
  4. 【請求項4】 前記別電源装置は、前記異電源の一方を
    電源として充電しておく大容量キャパシタを直流電源と
    し、前記電圧と位相を制御して前記中セクションを走行
    中の電気車に電力を供給できるインバータ電源装置とし
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の交流電気鉄道の電源設備。
  5. 【請求項5】 前記別電源装置は、電気車の上り方面と
    下り方面の両切替セクションに対して個別に電力を供給
    できる一対のインバータ本体とその制御回路と、前記異
    電源の一方を電源として前記インバータ本体に直流電力
    を供給できる1台のコンバータとしたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の交流電気鉄道の電
    源設備。
  6. 【請求項6】 前記別電源装置は、変電所またはき電区
    分所に設備される負荷平衡補償装置の双方向電力変換器
    を直流電源とし、前記電圧と位相を制御して前記中セク
    ションを走行中の電気車に電力を供給できるインバータ
    電源装置としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の交流電気鉄道の電源設備。
  7. 【請求項7】 前記インバータ電源装置は、2重系の負
    荷平衡補償装置の双方向電力変換器をそれぞれ直流電源
    とし、電気車の上り方面と下り方面の両切替セクション
    に対して個別に電力を供給できる双対のインバータ本体
    とその制御回路としたことを特徴とする請求項6に記載
    の交流電気鉄道の電源設備。
  8. 【請求項8】 前記別電源装置は、電気車から前記中セ
    クションに回生される電力を吸収する手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の交流
    電気鉄道の電源設備。
  9. 【請求項9】 前記切替セクションは、電気車の進行状
    態に応じて両異電源と前記中セクション間を接続できる
    一対のバックアップ用切替遮断器を設けたことを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1項に記載の交流電気鉄道
    の電源設備。
JP2002012890A 2001-11-09 2002-01-22 交流電気鉄道の電源設備 Expired - Fee Related JP4082033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002012890A JP4082033B2 (ja) 2001-11-09 2002-01-22 交流電気鉄道の電源設備

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-344072 2001-11-09
JP2001344072 2001-11-09
JP2002012890A JP4082033B2 (ja) 2001-11-09 2002-01-22 交流電気鉄道の電源設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003205772A true JP2003205772A (ja) 2003-07-22
JP4082033B2 JP4082033B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=27667028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002012890A Expired - Fee Related JP4082033B2 (ja) 2001-11-09 2002-01-22 交流電気鉄道の電源設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4082033B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005119518A (ja) * 2003-10-17 2005-05-12 East Japan Railway Co 交流電気鉄道の電源設備
JP2008055918A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Meidensha Corp 直流き電系統の制御方式
JP2008074354A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Railway Technical Res Inst セクション箇所架線切断防止装置
JP2009107544A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Central Japan Railway Co 交流電気鉄道の切替セクションにおける異電源の投入制御方法
JP2010000810A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Meidensha Corp 直流き電系統の給電方式
JP2010264924A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Railway Technical Res Inst 電源延長装置及びその方法
WO2016088710A1 (ja) * 2014-12-03 2016-06-09 株式会社明電舎 交流き電システム
CN107839549A (zh) * 2017-12-08 2018-03-27 中车大连电力牵引研发中心有限公司 铁路列车过分相供电系统和铁路列车
CN108202644A (zh) * 2016-12-16 2018-06-26 中车株洲电力机车研究所有限公司 一种交流牵引变电所同相供电系统
WO2021179539A1 (zh) * 2020-03-11 2021-09-16 中车株洲电力机车研究所有限公司 一种列车供电网络及其分区所自动过分相的牵引系统

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005119518A (ja) * 2003-10-17 2005-05-12 East Japan Railway Co 交流電気鉄道の電源設備
JP2008055918A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Meidensha Corp 直流き電系統の制御方式
JP2008074354A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Railway Technical Res Inst セクション箇所架線切断防止装置
JP2009107544A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Central Japan Railway Co 交流電気鉄道の切替セクションにおける異電源の投入制御方法
JP2010000810A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Meidensha Corp 直流き電系統の給電方式
JP2010264924A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Railway Technical Res Inst 電源延長装置及びその方法
WO2016088710A1 (ja) * 2014-12-03 2016-06-09 株式会社明電舎 交流き電システム
JP2016107707A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 株式会社明電舎 交流き電システム
CN108202644A (zh) * 2016-12-16 2018-06-26 中车株洲电力机车研究所有限公司 一种交流牵引变电所同相供电系统
CN107839549A (zh) * 2017-12-08 2018-03-27 中车大连电力牵引研发中心有限公司 铁路列车过分相供电系统和铁路列车
WO2021179539A1 (zh) * 2020-03-11 2021-09-16 中车株洲电力机车研究所有限公司 一种列车供电网络及其分区所自动过分相的牵引系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4082033B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5048384B2 (ja) 鉄道車両におけるバッテリ充電装置
JPH11511949A (ja) 高電圧電力コンバータシステム
AU775144B2 (en) Method and apparatus for operating a magnet vehicle
JP2008263741A5 (ja)
WO2016113046A1 (en) Power distribution on a vessel
JP2005119518A (ja) 交流電気鉄道の電源設備
RU2636248C2 (ru) Многосистемное устройство преобразователя тока
JP2007228796A (ja) 回路装置及び車両運行システム
JP3812484B2 (ja) 交流電気鉄道の電源設備
JP4396606B2 (ja) 交流電気鉄道の異座電源切替設備
JP3622341B2 (ja) 車両用電源バックアップ装置
CN101678995B (zh) 运输系统电力控制器、控制方法及中间电路电力的整流器
TWI797423B (zh) 使三相電流對稱的方法及控制設備
WO2020199680A1 (zh) 轨道交通车辆及其故障保护方法
JP2003205772A (ja) 交流電気鉄道の電源設備
JP2007083989A (ja) 電気鉄道交流き電システム
JP4207640B2 (ja) 交流き電システム
JPS6131881B2 (ja)
JP2018152979A (ja) 電気車用電源システム、電力供給制御方法および追加電源システム
JPH02219401A (ja) 電気車の制御装置
JPH0256253B2 (ja)
JPH1066201A (ja) 車両電源制御装置
Inarida et al. A novel power control method achieving high reliability of auxiliary power supply system for trains
JP3477068B2 (ja) 電気車の電源装置
Biel et al. Application of inverter parallel operation strategy in railway auxiliary converters

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4082033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees