JP2003204625A - 電力安定供給装置 - Google Patents

電力安定供給装置

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JP2003204625A JP2002302266A JP2002302266A JP2003204625A JP 2003204625 A JP2003204625 A JP 2003204625A JP 2002302266 A JP2002302266 A JP 2002302266A JP 2002302266 A JP2002302266 A JP 2002302266A JP 2003204625 A JP2003204625 A JP 2003204625A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の電力安定供給装置では、雷到来による
瞬低の影響を防ぐために、電力安定供給装置が大型化し
重くなるとともに電力損失も大きく且つ高コストになっ
てしまうという問題を有していた。 【解決手段】 電力安定供給装置を2次電池と双方向チ
ョッパー回路および双方向コンバータで構成し、2次電
池側から系統母線側に向かって2次電池、チョッパー回
路、コンバータの順序に結線する。コンバータをワイド
ギャップ半導体素子、特にワイドギャップバイポーラ半
導体素子で構成し、ワイドギャップバイポーラ半導体素
子の瞬時大電力稼働能力と2次電池の瞬時大電力供給能
力を活用する。瞬低の影響を阻止する短時間の間は、コ
ンバータを2次電池の瞬時大電力供給能力を上回りかつ
コンバータ定格の数倍以上の電力容量のコンバータとし
て稼働させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統に連結さ
れる電力安定供給装置に関するものであり、特にレドッ
クスフロー電池、ナトリウム硫黄電池、鉛電池などの2
次電池を用いる電力安定供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータや精密モ
ータを搭載した精密電子機器などのように、電源電圧の
変動に敏感なエレクトロニクス機器が多用されてきてい
る。このため、電源電圧が短時間大幅に低下する現象で
ある瞬時電圧低下(以下、瞬低と略記する)に対する対
策の要求が高まってきており、瞬時電圧低下対策装置と
しての電力安定供給装置の需要が増大しつつある。また
従来から用いられている負荷平準化装置、ピークカット
装置、周波数変動抑制装置、電圧安定化装置、フリッカ
ー対策装置などの各種の電力安定供給装置に対しても瞬
時電圧低下対策の機能を付加することが必要とされてい
る。上記負荷平準化装置やピークカット装置等が、負荷
平準化やピークカットなどの本来の機能で動作している
状態を以下「通常時」という。
【0003】図11は2次電池としてレドックスフロー
電池を用いた従来の電力安定供給装置101を有する電
力供給系統のブロック図である。図において、変電所1
30の電力系統100に変圧器120を介して系統母線
102が連結されている。電力安定供給装置101はこ
の系統母線102に開閉器103を介して連系されてい
る。系統母線102には、例えば重要負荷104および
105がそれぞれの開閉器114、115を経て接続さ
れている。重要負荷104、105は、例えば半導体製
造工場、精密機械加工工場など、特に安定な電力供給が
必要な大口需要家の重要な設備である。系統母線102
には開閉器109、111を介して一般負荷110も接
続されている。電力安定供給装置101は、主に連系リ
アクトルを兼ねる変圧器106、交流電力を直流電力に
変換し、又はその逆の変換をするコンバータ107及び
大容量の2次電池108としてレドックスフロー電池を
備えている。この電力安定供給装置101は、通常時は
ピークカット装置や負荷平準化装置として機能するが、
雷事故の発生等による瞬低時には重要負荷104、10
5の稼働停止等を防止するための瞬時電圧低下対策装置
としても働く。
【0004】以下、電力安定供給装置101の機能を詳
細に説明する。変電所130と、重要負荷104、10
5及び一般負荷110とを結ぶ電力供給系統の電力の需
給が均衡を保っている状態である「定常時」には、系統
母線102から開閉器103及び変圧器106を経て電
力安定供給装置101に供給される交流電力がコンバー
タ107で直流電力に変換されて2次電池108を充電
する。一方、重要負荷104又は105の消費電力が大
幅に増加して、一時的に負荷104、105に供給され
る電力が変電所130の容量を超過する場合には、電圧
検出器10及び電流検出器11を有する検出回路8によ
り、その状態が検出される。検出回路8の検出出力は制
御回路9に与えられる。制御回路9はコンバータ107
を制御して、2次電池108の放電による直流電力をコ
ンバータ107で交流電力に変換し、上記の超過する分
の有効電力を系統母線102に供給して需給を安定化さ
せる。系統母線102から供給されるべき超過分の電力
を電力安定供給装置101が代りに供給して、系統母線
102の供給電力のピークをカットできるのでこの機能
を「ピークカット」と呼んでいる。
【0005】電力安定供給装置101の2次電池108
の容量を大きくし長時間供給できる電力を蓄電できるよ
うにすると負荷平準化装置として使用できる。すなわ
ち、夜間の低需要時間帯に一定時間(典型的には約8時
間)定電力で2次電池108を充電し、昼間の高需要時
間帯には一定時間(典型的には約8時間)定電力で2次
電池108から電力を供給する。これにより、高需要時
間帯には変電所130の供給可能電力以上の電力を供給
できる。この用途の電力安定供給装置は、昼と夜の電力
需要の大きなギャップを平準化するので「負荷平準化装
置」と呼ばれている。
【0006】電力系統100に雷が到来して系統の電圧
に瞬低が生じた場合には、電圧検出器10が瞬低を検出
する。瞬低による重要負荷104、105の稼働停止等
を防ぐために、直ちに瞬低前の系統電圧に復帰させる必
要がある。そのために、電力安定供給装置101は、制
御回路9によりコンバータ107を制御して、2次電池
108から重要負荷104、105にコンバータ107
及び系統母線102を介して無効電力や有効電力を供給
して電力の安定供給を維持する。2次電池108からの
供給電力が不十分なときは開閉器109を開き重要度の
低い一般負荷110を切り離し、少なくとも重要負荷1
04、105だけには所望の電力を供給して重要負荷1
04、105の稼働停止を防ぐようにしている。瞬低が
回復すると直ちにコンバータ107を通常時の動作状態
に戻して電力を供給する。
【0007】従来の電力安定供給装置においては、ピー
クカット時や負荷平準化時には、例えばそれぞれ前者で
は500kW、後者では2MW程度の電力を比較的長時
間(例えば、前者では約1時間、後者は約8時間)供給
することが必要とされる。ピークカットや負荷平準化の
動作時に雷が到来して瞬低が発生した時には、低下した
電圧の復帰のために比較的短時間(例えば、2秒間)で
はあるが1から数MWの電力を追加供給する必要があ
る。
【0008】
【特許文献1】特開平6−105484号公報
【特許文献2】特開2002−84683号公報
【特許文献3】特開昭61−116934号公報
【特許文献4】特開平11−32438号公報
【特許文献5】国際公開番号WO98/43301
【0009】
【発明が解決しようとする課題】レドックスフロー電
池、ナトリウム硫黄電池、鉛電池などの2次電池は、
「瞬時大電流供給能力」を有しており、数秒から数分間
であれば通常時に供給できる定格電流の数倍程度の電流
を供給できる。瞬低時にこの能力を活用すれば2次電池
の定格容量を増大しなくても瞬時電圧低下対策ができ
る。そこで、従来の電力安定供給装置では、2次電池の
瞬時大電流供給能力に対応した大きな電力容量を有する
大型のコンバータ107を備えていた。コンバータ10
7の電力容量は、例えば通常時の電力容量の数倍に設定
する必要があった。
【0010】雷の到来による瞬低はそれほど頻繁に発生
するものではなく、多くても年間20回程度である。ま
た雷の影響による瞬低の持続時間は多重雷の場合でも数
秒間である。まれではあるが送電線にへびや鳥などの小
動物がひっかかったり、樹木が接したりして短絡や地絡
が発生することがある。このような場合には数分を超え
る比較的長時間の「瞬時停電」が起こることもある。し
かしこのように発生頻度が低い瞬低や瞬時停電に対応す
るために、通常時の供給電力の数倍にも及ぶ電力定格を
有する大型のコンバータを設けることは、電力安定供給
装置が大型化し重くなるとともに、電力損失も大きくな
り、設備費が高くつくばかりでなく運転中の経費も高く
つく、という問題があった。
【0011】本発明は、通常時に必要な電力に相当する
電力定格を有するコンバータを用いて、瞬低や瞬時停電
の時には通常時の電力を大幅に超える電力を供給できる
電力安定供給装置を実現し、電力安定化装置の小型化・
軽量化・低損失化・低コスト化を図ることを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電力安定供給装
置は、直流電力を充放電する2次電池、及び前記2次電
池と、電力送電電源の系統母線との間に接続され、スイ
ッチング素子がワイドギャップバイポーラ半導体素子で
構成された、前記系統母線から入力される交流を直流に
変換して前記2次電池に出力し、前記2次電池から出力
される直流を交流に変換して前記系統母線に出力するコ
ンバータを有する。ワイドギャップバイポーラ半導体素
子は数秒間の短時間であれば定格電力の3から30倍の
電力を制御することができる。また高性能のヒートシン
クを用いた場合、数分間であれば定格電力の1.4から
5倍の電力を制御できる。本発明ではコンバータのスイ
ッチング素子にワイドギャップ半導体素子を用い、その
定格電力は「通常時」の値に設定しておく。短時間に大
電力を供給する必要がある瞬低時や瞬時停電時には、定
格電力を大幅に超える大電力でコンバータを動作させる
が、大電力の供給時間は短いのでコンバータが破壊され
ることはない。
【0013】本発明の他の観点の電力安定供給装置は、
直流電流を充放電する2次電池、前記2次電池に接続さ
れ、2次電池の充電電圧を降圧し、2次電池の放電電圧
を昇圧する双方向のチョッパー回路、及び前記チョッパ
ー回路と電力送電電源の系統母線との間に接続され、ス
イッチング素子がワイドギャップバイポーラ半導体素子
で構成された、前記系統母線から入力される交流を直流
に変換してチョッパー回路に出力し、前記チョッパー回
路から入力される直流を交流に変換して前記系統母線へ
出力するコンバータを有する。本発明の電力安定供給装
置では、双方向のチョッパー回路により2次電池の充電
電圧を降圧し、放電電圧を昇圧するので、前記の効果に
加えて、2次電池の電圧より高い電圧を有する系統母線
にも電力安定供給装置を適用することができる。
【0014】本発明の他の観点の電力安定供給装置は、
直流電力を充放電する2次電池、前記2次電池に接続さ
れ、2次電池の充電電圧を降圧し、2次電池の放電電圧
を昇圧する双方向のチョッパー回路、前記チョッパー回
路と電力送電電源の系統母線との間に接続され、スイッ
チング素子がワイドギャップバイポーラ半導体素子で構
成された、前記系統母線から入力される交流を直流に変
換してチョッパー回路に出力し、前記チョッパー回路か
ら入力される直流を交流に変換して前記系統母線へ出力
するコンバータ、前記系統母線の電圧を検出し、検出し
た電圧に基づいて、電力の需給状態を検出する検出装
置、及び前記検出装置の検出出力に基づいて、前記系統
母線に接続された負荷と、電力送電電源との電力の需給
が均衡しているとき、前記2次電池を充電し、需要が供
給を上回ったとき、前記2次電池を放電して電力を系統
母線へ供給するよう前記コンバータを制御する制御回路
を有する。本発明によれば、上記の効果に加えて、系統
母線の電圧を検出することにより瞬低の発生を検出し
て、瞬低時の系統の電圧低下を防ぐことができる。
【0015】本発明の他の観点の電力安定供給装置は、
直流電力を充放電する2次電池、前記2次電池に接続さ
れ、2次電池の充電電圧を降圧し、2次電池の放電電圧
を昇圧する双方向のチョッパー回路、前記チョッパー回
路と電力送電電源の系統母線との間に接続され、スイッ
チング素子がワイドギャップバイポーラ半導体素子で構
成された、前記系統母線から入力される交流を直流に変
換してチョッパー回路に出力し、前記チョッパー回路か
ら入力される直流を交流に変換して前記系統母線へ出力
するコンバータ、前記系統母線の電圧及び電流を検出
し、検出した電圧及び電流に基づいて、前記負荷の電力
の需給状態を検出する検出装置、及び前記検出装置の検
出出力に基づいて、前記系統母線に接続された負荷と、
電力送電電源との電力の需給が均衡しているとき、前記
2次電池を充電し、需要が供給を上回ったとき、前記2
次電池を放電して電力を系統母線へ供給するよう前記コ
ンバータを制御する制御回路を有する。本発明によれ
ば、上記の効果に加えて、系統母線の電圧と電流を検出
することにより、系統の電力の需給状況を検出すること
ができる。電力の需給状況を検出できるので、本発明の
電力安定供給装置を負荷平準化用に用いることができ
る。
【0016】本発明の他の観点の電力安定供給装置は、
前記系統母線の電圧が雷事故等の発生により短時間大幅
に低下する瞬時電圧低下時には、前記2次電池から、前
記2次電池の定格放電電力の2倍から12倍の放電電力
を出力させ、前記コンバータが、コンバータの定格制御
電力の2倍から12倍に相当する前記2次電池の放電電
力を交流に変換して所定の無効電力と定格電力の2から
12倍の有効電力を系統母線に出力するように、前記制
御回路により制御されることを特徴とする。前記系統母
線の電圧が雷事故等の発生により短時間大幅に低下する
瞬時電圧低下時には、前記2次電池から、前記2次電池
の定格放電電力の2倍から12倍の放電電力を出力さ
せ、前記コンバータが、コンバータの定格制御電力の2
倍から12倍に相当する前記2次電池の放電電力を交流
に変換して所定の無効電力と定格電力の2倍より小さい
有効電力を系統母線に出力するように、前記制御回路に
より制御されることを特徴とする。前記系統母線とコン
バータとの間に連系リアクトルの機能を含むトランスを
設けたことを特徴とする。前記系統母線とコンバータと
の間に連系リアクトルを設けたことを特徴とする前記系
統母線とコンバータとの間にトランスを設けたことを特
徴とする。前記2次電池が、レドックスフロー電池又は
ナトリウム硫黄電池であることを特徴とする。
【0017】前記ワイドギャップバイポーラ半導体素子
が、シリコンカーバイド(SiC)を母材とするゲート
ターンオフサイリスタ(GTO)であることを特徴とす
る。前記ワイドギャップバイポーラ半導体素子が、窒化
ガリウムを母材とする半導体素子であることを特徴とす
る。前記ワイドギャップバイポーラ半導体素子が、Si
CのGTOの少なくとも1つのチップで形成されている
ことを特徴とする。前記ワイドギャップバイポーラ半導
体素子が、シリコンカーバイド(SiC)を母材とする
インシュレーテッドゲートバイポーラトランジスタ(I
GBT)であることを特徴とする。前記ワイドギャップ
バイポーラ半導体素子が、SiCのGTOの少なくとも
1つのチップ又は複数のチップを並列に接続したもので
形成されていることを特徴とする。
【0018】前記ワイドギャップバイポーラ半導体素子
が、SiCのIGBTの少なくとも1つのチップ又は複
数のチップを並列に接続したもので形成されていること
を特徴とする。本発明の他の観点の電力安定供給装置
は、直流電力を充放電する2次電池、前記2次電池に接
続され、前記2次電池の充電電圧を降圧し、前記2次電
池の放電電圧を昇圧する双方向のチョッパー回路、前記
チョッパー回路と電力送電電源の系統母線との間に接続
され、スイッチング素子としてワイドギャップバイポー
ラ半導体素子を備え、前記系統母線から入力される交流
を直流に変換してチョッパー回路に出力し、前記チョッ
パー回路から入力される直流を交流に変換して前記系統
母線へ出力するコンバータ、前記系統母線の周波数を検
出し、検出した周波数に基づいて、電力の需給状態を検
出する検出装置、及び前記検出装置の検出出力に基づい
て、前記系統母線に接続された負荷と、電力送電電源と
の電力の需給が均衡しているとき、前記2次電池を充電
し、需要が供給を上回ったとき、前記2次電池を放電し
て電力を系統母線へ供給するよう前記コンバータを制御
する制御回路を有する。
【0019】本発明の他の観点の電力安定供給装置は、
直流電力を充放電する2次電池、及び前記2次電池と、
電力送電電源の系統母線に接続された負荷との間に接続
され、スイッチング素子としてワイドギャップバイポー
ラ半導体素子を備え、前記系統母線から入力される交流
を直流に変換して前記2次電池に出力し、前記2次電池
から出力される直流を交流に変換して前記負荷に出力す
るコンバータを有する。この電力安定供給装置は、さら
に、前記系統母線に接続された負荷に供給される電力の
電圧及び電流を検出し、検出した電圧及び電流に基づい
て、前記負荷の電力の需給状態を検出する検出装置、及
び前記検出装置の検出出力に基づいて、前記負荷と、電
力送電電源との電力の需給が均衡しているとき、前記2
次電池を充電し、需要が供給を上回ったとき、前記2次
電池を放電して電力を系統母線へ供給するよう前記コン
バータを制御する制御回路を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。SiC(シリコンカーバイド)、GaN
(窒化ガリウム)、ダイヤモンドなどを母材としたワイ
ドギャップ半導体素子は、Si(シリコン)を母材とし
た半導体素子に比べて損失が少なく、且つ高温でも動作
できるという物理的性質を有している。この点に注目し
てワイドギャップ半導体素子で制御できる短時間の最大
許容電力を調べたところ、数秒間程度の短時間であれば
ワイドギャップ半導体素子に定格電流をはるかに超える
電流を流しても破壊されないことが判った。特にワイド
ギャップバイポーラ半導体素子は2次電池の「瞬時大電
流供給能力」を越える大電流を流すことができる「瞬時
大電力稼働能力」をもつことが確認された。このような
特性を有するワイドギャップ半導体素子をスイッチング
素子として用いてコンバータを構成し、通常時はワイド
ギャップ半導体素子の定格内の電圧および電流で動作さ
せる。瞬低時には2次電池の瞬時大電力供給能力による
通常時の数倍の放電直流電力を前記コンバータにより交
流電力に変換して系統母線に供給する。
【0021】通常時には、2次電池の放電による直流出
力電圧はチョッパー回路で昇圧された後、コンバータで
交流電力に変換されて系統母線に出力され各種の電力安
定化機能を果たす。2次電池は、電力安定化機能を果た
していない「定常時」に充電される。2次電池の充電時
は、系統母線からの交流電力がコンバータで直流電力に
変換され、チョッパー回路で降圧されて2次電池に充電
される。定常時及び通常時に充放電される電力値はコン
バータの定格内にある。
【0022】瞬低時又は瞬時停電時には、2次電池から
その瞬時大電流供給能力に応じて定格の数倍の電流が、
ほぼ電池の定格電圧を保ちつつ供給される。すなわち、
定格電力のほぼ数倍の直流電力が供給される。この直流
電力はチョッパー回路で昇圧された後にコンバータで交
流電力に変換されて系統母線に出力され、電力の供給を
安定化する。コンバータとしては一般的な既知のPWM
動作型のスイッチング素子を有するコンバータを用い、
パルス幅変調をする。パルス幅変調式コンバータ(以
下、PWMコンバータと記す)の出力電圧の位相を系統
母線の電圧の位相よりも進ませて通常時と同じ電力を系
統母線に出力し、電力安定供給のための有効電力を出力
するのが望ましい。瞬低時には系統母線の電圧が低下す
る場合が多いのでパルス幅変調のパルス幅を広げてコン
バータを動作させることにより、通常時の数倍の無効電
力を出力し、系統母線の低下した電圧を瞬低前の電圧に
急速に戻す。
【0023】瞬低時に2次電池の瞬時大電流供給能力に
応じて大電力でコンバータのワイドギャップ半導体素子
を動作させる場合、ワイドギャップ半導体MOSFET
等のユニポーラ半導体素子は、その瞬時大電力稼働能力
が定格の約2倍程度あることが実験により見いだされ
た。一方、GTO(Gate turn off thyristor)やIG
BT(Insulated gate bipolar transistor)等のワイ
ドギャップバイポーラ半導体素子はユニポーラ半導体素
子よりも瞬時大電力稼働能力が大きく、定格の3から3
0倍以上であることが実験により見いだされた。以上の
実験結果から、本発明の電力安定供給装置のコンバータ
のスイッチング素子に用いる半導体素子としては、ワイ
ドギャップバイポーラ半導体素子のほうがユニポーラ半
導体素子より好適である。
【0024】小電力の制御用のものでは、ワイドキャッ
プ半導体の1つのチップを用いてコンバータを構成する
ことができる。大電力の制御用のものでは、ワイドギャ
ップ半導体素子の母材のSiCには多くの結晶欠陥が存
在するために、本発明の用途のような大電流を流すこと
ができる面積の大きいチップの作製は困難である。Si
Cの結晶欠陥を減少させる技術が向上すればSiと同様
に1つの大面積のチップで半導体素子が実現できるが、
現状では大電流を流すために複数のチップを並列に接続
する方法が考えられる。複数のチップの並列接続は、S
i半導体素子の場合は、IGBTなどのユニポーラ動作
とバイポーラ動作が共存する融合素子では可能である
が、GTO等のバイポーラ動作のみをする半導体素子で
は困難であるとされている。その理由は以下の通りであ
る。IGBTなどのユニポーラ動作とバイポーラ動作が
共存する融合素子では、バイポーラ動作は負の温度依存
性を持ち、ユニポーラ動作は正の温度依存性を持つ。そ
のため正負の温度依存性の相殺効果により大電流が流れ
ても熱暴走を生じない。すなわちユニポーラ動作素子の
場合は素子のオン抵抗においてチャンネルの抵抗が最も
大きく、主にこのチャンネル抵抗の正の温度依存性が支
配的である。
【0025】一方、バイポーラ動作素子の場合は温度が
高くなると接合ポテンシャルが低くなりキャリアの注入
が増大する一方ライフタイムも長くなるために電流が増
大する。このため更に素子の温度が高くなりキャリアの
注入とライフタイムの増大を促進しますます電流が増大
するといった負の温度依存性を持つ。これらの正負の温
度依存性の相殺効果によりIGBTは大電流が流れても
熱暴走が生じない。しかし、GTO等の純粋なバイポー
ラ素子は負の温度依存性のみを持つために大電流が流れ
ると熱暴走しひいては素子の破壊にいたってしまう。
【0026】発明者は、SiCの場合は、GTOであっ
ても長時間でなければ、並列接続による大電流化が可能
なことを見いだし、これを適用することにより本発明の
電力安定供給装置を実現した。大電流化は、SiC−G
TOの電界緩和領域である低濃度ベース領域の抵抗が正
の温度依存性をもつことにより得られる。すなわち、低
い温度ではバイポーラ動作の負の温度依存性が低濃度ベ
ース領域の抵抗の正の温度依存性よりも大きいためにS
iC−GTOは負の温度依存性をもつ。しかし数百℃以
上では低濃度ベース領域の正の温度依存性がバイポーラ
動作の負の温度依存性を相殺し逆に負の温度依存性の方
が優位になるためSiC−GTOは負の温度依存性をも
つようになる現象を発明者は見出した。
【0027】SiCはバンドギャップが広いため100
0℃以上の高温でも半導体としての性質を維持できるの
で、本発明ではこの現象を十分に活用する。これに対し
てSiの半導体素子では、半導体としての性質が維持さ
れる限界温度が低い。通常は接合温度を200℃以下に
して使用しなければならないため、上記の現象の発現に
は至らずその活用が困難である。この現象を活用できる
時間は、素子の内部の発生熱量と外部への放熱量の差に
より、素子内部温度が上昇して半導体としての性質を維
持できなくなる限界温度にいたるまでの時間である。こ
の時間は、素子の構造や通電電流の密度、モジュールの
構造等により決まる。SiCはSiに比べて電力損失が
少なくかつ熱伝導率が大きいこともコンバータに適用し
たときの瞬時大電力稼働能力を大きくするのに極めて有
利に作用する。また、SiCを用いたGTOのスイッチ
ング時間は1μs程度であり、Siを用いたGTOに比
べて1桁以上短い。この点からターンオフ時にはSiの
GTOのように遮断時間の長いGTOでは一部のGTO
に遮断電流が集中し破壊されやすい、という問題を回避
でき並列接続が可能になる。
【0028】また、SiC−IGBTにおいてもSi−
IGBTとは異なり、電界緩和領域である低濃度ドリフ
ト領域の抵抗の正の温度依存性が大きな効果を及ぼし、
数百℃以上ではSiC−IGBTは正の温度依存性を示
すことがわかった。すなわち、Si−IGBTにおい
て、バイポーラ動作の負の温度依存性がユニポーラ動作
の正の温度依存性を相殺し大電流が流れても熱暴走を生
じないように保てるのはSiが半導体の性質を堅持でき
る限界温度以内であり、限界温度に近い200℃以上で
はバイポ−ラ動作が急激に優位になる。この程度の温度
では低濃度ドリフト領域の正の温度依存性は未だ小さく
バイポーラ動作の急増した負の温度依存性を相殺するこ
とができず熱暴走に至る。しかし、SiC−IGBTの
場合は数百℃以上では低濃度ドリフト領域の正の温度依
存性がバイポーラ動作の負の温度依存性を相殺し、逆に
正の温度依存性の方が優位になるためSiC−IGBT
が正の温度依存性をもつようになる。その結果、SiC
−IGBTを複数個並列接続すれば、Si−IGBTに
比べて遙かに大きな電流を短時間流すことができ、且つ
その信頼性も向上する。
【0029】SiのGTOやIGBTを用いた従来のコ
ンバータを有する電力安定供給装置では、瞬低時に2次
電池から供給される通常時の数倍の電力に合わせた大容
量のコンンバータを設けなければならない。これに対し
て本発明の電力安定供給装置における、SiCのGTO
やIGBTを用いたコンバータは、定格電流の数倍の過
大な電流に耐えられるので、定格電流を通常時の電流に
合わせたコンバータによって瞬低時の大電流時に対応で
きる。そのため電力安定供給装置を構成する種々の部
品、例えばリアクトルとしてのトランス、半導体素子の
ヒートシンク、ブスバー等が小型にできる。また、容量
が小さいので、同じ変換効率でも損失の絶対値が小さく
低損失化ができるとともに大幅な低コスト化も達成でき
る。電力用途の大型コンバータは、小型のコンバータに
比べて高耐圧であるとともに高い信頼性が求められる。
また多くの保護機能を要求されるので価格が高い。例え
ば従来の電力安定供給装置で5MWのコンバータが必要
である用途の場合、本発明のものでは1MWのもので済
む。このためにコストは従来のもののほぼ5分の1にな
り大幅な低コスト化が達成できる。電力容量の大きい電
力安定供給装置ほど低コスト化の効果が大きくなる。以
上のように、本発明の電力安定供給装置は、大幅な小型
化・軽量化・低損失化・低コスト化が実現できる。
【0030】以下、本発明の好適な実施例を図1から図
7を参照して説明する。 《第1実施例》図1は、本発明の第1実施例であるピ−
クカット用の電力安定供給装置1、及びこの電力安定供
給装置1が接続された、変電所130から重要負荷10
4、105及び一瞬負荷110に至る電力供給系統のブ
ロック図である。「ピークカット」とは、電力需要の急
増により、消費電力が変電所130の供給可能な電力を
超過するとき、変電所130以外の電源から超過分を供
給することをいい、この状態にあるときを「ピークカッ
ト時」という。またピークカット時以外の状態のときを
「正常時」という。図において、変電所130の電力系
統100にトランス120を経て系統母線102が連結
されている。系統母線102には、特に重要な重要負荷
104及び105がそれぞれの開閉器114及び115
を介して接続されている。また、系統母線102には開
閉器109及び111を介して重要負荷104、105
より重要度の低い一般負荷110が接続されている。開
閉器109は系統母線102に異常が発生したとき、ま
ず一般負荷110を切り離して、重要負荷104、10
5への電力供給を優先して維持するためのものである。
系統母線102には、本発明の電力安定供給装置1が開
閉器6を介して接続されている。開閉器6、109、1
11、114及び115を動作させる制御装置について
は、当分野では周知であるので図示を省略している。
【0031】電力安定供給装置1は例えば500kW定
格のレドックスフロー電池を用いた2次電池2、昇圧及
び降圧をする双方向のチョッパー回路3,500kW定
格のコンバータ4及び、連系リアクトルも兼ねた変圧器
5を有し、開閉器6を介して6.6kVの系統母線10
2に連結されている。系統母線102の電圧と電流は、
それぞれ電圧検出器10及び電流検出器11で検出さ
れ、検出した電圧、電流に基づいて電力の需給状態が検
出回路8で検出される。電圧検出器10にはポテンシャ
ルトランス(PT)等が用いられる。電流検出器11は
カレントトランス(CT)等であり、変電所130内に
設けられて変電所130の出力電流を検出する。制御回
路9は、検出回路8から与えられる電力の需給状態を示
す検出出力に応じてコンバータ4の出力電力を制御す
る。2次電池2のレドックスフロー電池は電圧800
V、電流625Aの直流を約1時間供給できる容量を有
する。チョッパー回路3およびコンバータ4のスイッチ
ング素子はアノードゲート型のSiCを用いたGTO
(以下、SiC−GTOと記す)であり、それぞれの定
格電圧電流は、8kV・800Aおよび8kV・400
Aである。本装置の電力容量はチョッパー回路3、コン
バータ4及び変圧器5で発生する電力損失を考慮すると
約450kWである。重要負荷104、105の電力消
費が増えて一時的に変電所130の電力容量を超過する
場合には、電圧検出器10及び電流検出器11によりそ
の状態を検出し、系統母線102に向けて2次電池2か
ら超過電力に応じた有効電力を最大約450kWまで供
給できる。2次電池2は「定常時」(変電所130と、
重要負荷104、105及び一般負荷110等との間の
電力の需給が均衡を保っている状態)に系統母線102
から供給される電力により充電されている。
【0032】レドックスフロー電池等の2次電池2の直
流の出力電圧は、使用期間の初期には例えば800Vで
あるが、使用期間が長くなるとともに800Vより低下
する傾向がある。そこで、ピ−クカット時は定電圧出力
保持型のチョッパー回路3で2次電池2の出力電圧を昇
圧し電圧を常に一定にしてコンバータ4に供給してい
る。直流電力を交流電力に変換するコンバータ4はSi
C−GTOをスイッチング素子として用いている。コン
バータ4は、一般的な既知の回路構成を有するものであ
るので図示を省略している。SiC−GTOはSiCの
結晶内の欠陥による制約のために、電流定格を大きくす
るのが困難である。そこで電圧定格を高くして低い電流
定格において所望の電力定格を得るのが望ましい。本実
施例では、2次電池2のレドックスフロー電池の出力電
圧800Vをチョッパー回路3で1600Vに昇圧して
いる。例えば約1600V、300Aの直流電力をコン
バータ4に供給している。コンバータ4ではこの直流電
力を736V、354Aの交流電力に変換して変圧器5
に印加する。変圧器5は736Vの電圧を6.6kVに
昇圧して開閉器6を経て系統母線102に出力し負荷1
04、105及び110に供給する。
【0033】ピークカット時に電力安定供給装置1が4
50kWのピ−クカット時の電力を供給しているとき、
もし電力系統100に落雷事故が発生し、その影響で系
統母線102の電圧に瞬時電圧低下(以下、瞬低とい
う)が生じると、重要負荷104、105に稼働停止な
どの重大な障害を与えるおそれがある。そこでこれを防
ぐために、直ちに開閉器109を開き一般負荷110を
切り離す。同時に電力安定供給装置1において、2次電
池2からその瞬時大電流供給能力に相当する、例えば電
圧が800Vで、2.5MWの直流電力が出力されるよ
うに制御回路9でコンバータ4を制御する。チョッパ回
路3は800Vの直流電圧を3.2kVに昇圧してコン
バータ4に供給する。コンバータ4を駆動するPWMパ
ルス幅は定格動作時よりも拡大され、コンバータ4から
は、電圧が1.47kVで450kWの有効電力と、電
圧が約1.47kVで、2.78MVAR(無効電力の単
位を表す)の無効電力が出力される。有効電力及び無効
電力の電圧は変圧器5で6.6kVに昇圧されて系統母
線102に供給されて電圧低下を防ぐ。落雷の影響によ
る系統母線102の電圧低下が0.5秒間以上続くのは
極めて稀である。本実施例の電力安定供給装置1は45
0kWの有効電力と最大2.78MVARの無効電力を
約6秒間供給できるようにコンバータ4を設計してある
ので、落雷による瞬低の対策として十分である。上記の
例ではコンバータ4は4秒間であれば定格の約6倍の瞬
時大電力を変換することができる。本実施例の電力安定
供給装置を瞬低のみに対応させる場合には、図8に示す
ように、電圧を検出する電圧検出器10のみを設ければ
よく、図1に示す電流検出器11は設けなくても、変電
所の電圧データを用いることにより対応できる。
【0034】本実施例の電力安定供給装置1において定
格を大幅に越える電力でコンバータ4を動作させること
ができるのは、スイッチング素子としてSiC−GTO
を用いているからである。本実施例で用いている、定格
電圧及び電流が8kV・400Aのアノードゲート型S
iC−GTO素子の上面図を図2の(a)に示し、b−
b断面図を図2の(b)に示す。このSiC−GTO素
子は、定格電流80Aの5個のアノードゲート型SiC
−GTOチップ131〜135を並列に接続してモジュ
ール化している。図2の(b)において、カソード電極
14に設けられた中間下部電極16と、アノード電極1
5に設けられた中間上部電極17との間に一辺が7mm
の略正方形の5個のGTOチップ131、132、13
3、134、135を挟み込み電気的に並列に接続して
いる。スペーサ18はカソード電極14の上における各
GTOチップ131から135の位置を定めるためのも
のである。セラミックス外囲器19はカソード電極14
とアノード電極15間を一定距離に保持すると共に絶縁
するものであり、その直径は約10cmである。図3に
アノードゲート型SiCのGTOチップ131の断面を
示す。このGTOチップ131はn型SiCの、エミッ
タとして機能する基板50の上面にp型ベース層51、
n型ベース層52及びp型エミッタ層53をこの順序で
積層している。基盤50の下面にカソード電極54を設
け、p型エミッタ層53にアノード電極55を設けてい
る。n型ベース層52にアノードゲート電極56を設け
ている。
【0035】GTOチップ131は、アノードAからア
ノードゲートGに駆動電流を流すことによりオンにな
る。オンになった後、カソードKとアノードAとの間を
流れている電流を、カソードKとアノードゲートGとの
間に迂回して流すと、GTOチップ131はオフにな
る。GTOチップ131を構成する各層の厚さは、例え
ば、基板50が約400ミクロン、p型ベース層51が
約80ミクロン、n型ベース層52が約3ミクロン、p
型エミッタ層53が約5ミクロンである。現状のSiC
では、p型SiCはn型SiCに比べて最少の抵抗率が
1桁以上大きい。従って、最も厚い基板50の部分をn
型SiCを用いて構成すると、p型SiCを用いた場合
に比べて抵抗を小さくできる。これによりオン時の電力
損失を著しく小さくできるという利点がある。この場
合、アノードゲート電極56をp型ベース層51に設け
てカソードゲート駆動をするよりは、図3のようにn型
ベース層52に設けてアノードゲート駆動をする方が、
GTOサイリスタのゲートターンオン電流やゲートター
ンオフ電流を大幅に低減できる。これにより、図示を省
略した駆動回路の出力が小電力ですみ、大幅に小型化・
軽量化できるとともに低損失化でき本発明の目的をより
効果的に達成できる。
【0036】前に説明したように、Si−GTO素子
は、バイポーラ動作で負の温度依存性を持つので、大電
流が流れて素子の内部温度上がると更に電流が増えて益
々温度が上昇し、ついには熱暴走して素子の破壊に致
る。複数のSi−GTOチップを並列に接続した場合
は、あるSi−GTOチップに一旦電流集中が起こる
と、他のSi−GTOチップの電流もそのチップに集中
してしまい熱暴走に至る場合がある。従ってSi−GT
Oチップを多数並列に接続するのは困難である。これに
対して、SiC−GTOの場合は前に記したように、大
電流の流れる時間が10秒以下の短時間であれば並列接
続が可能である。大電流を流せる時間は、素子の内部で
の発生熱量と放出熱量の差により素子の内部温度が上昇
し、半導体としての性質を維持できる限界温度にいたる
までの時間である。この時間は素子の構造や通電電流の
密度、モジュールの構造等に依存して決まるが、図2に
示す構成では約8秒間は全く問題を生じないことが実験
により確認された。例えば、約45分間のピークカット
の動作試験をしている間に8秒間の瞬低を発生させてテ
ストしたが、重要負荷104、105にほとんど影響を
及ぼすことなくピークカット電力を供給できた。
【0037】本実施例ではSiC−GTOの瞬時大電力
稼働能力を活用することにより、このSiC−GTOを
用いたコンバータは瞬低の影響を防止する4.5秒間は
定格の6倍の電力を変換するコンバータとして働く。従
って、従来の設計のようにコンバータの容量を瞬低時を
考慮に入れた大電力のものにする必要はなく、瞬低時の
電力の数分の1のピークカット時の電力が供給できる能
力があれば十分である。これにより、ピークカットの電
力安定供給装置の大幅な小型化・軽量化・低損失化・低
コスト化が実現できる。
【0038】《第2実施例》図4は、本発明の第2実施
例である負荷平準化用の電力安定供給装置21のブロッ
ク図である。電力安定供給装置21は定格電圧1.5K
V、定格電力1.5MWのナトリウム硫黄電池を用いた
2次電池22、双方向のチョッパー回路23、コンバー
タ24及び変圧器25を有しており、前記図1の電力安
定供給装置1と同様に、開閉器6を介して、電圧6.6
KVの系統母線102に接続されている。その他の構成
は電力安定供給装置1と同じである。
【0039】「負荷平準化」とは、電力の需要が1日の
中の時間帯により大幅に異なる現象に対処するために、
電力需要の少ない時間帯に電力を蓄積し、需要の多い時
間帯に放出することをいう。チョッパー回路23のスイ
ッチング素子は、電圧・電流が10kV・1400Aの
アノードゲート型SiC−GTOであり、コンバータ2
4のスイッチング素子は、電圧・電流が10kV・60
0Aのアノードゲート型SiC−GTOである。電力需
要の少ない夜間の、例えば22時から6時の8時間に2
次電池22を一定電力で充電する。電力需要の特に多い
昼間の、例えば9時から17時の8時間は約1.35M
Wの電力を2次電池22から供給する。本実施例のコン
バータ22に用いるSiC−GTO素子は、定格電流1
00AのGTOチップを図2に示すものと類似のパッケ
ージ内に6個設け、それらを並列接続してモジュール化
している。
【0040】定格電流の比較的小さいSiC−GTOを
用い、電圧を高くして定格電力を大きくするために、昼
間の1.35MWの電力供給時は、チョッパー回路23
で2次電池2の1.5kVの直流出力電圧を3kVに昇
圧している。その結果、コンバータ4には約3kV・4
80Aの直流電力が供給される。コンバータ24はこの
直流電力を約1.38kV・566Aの交流電力に変換
し変圧器25に供給する。変圧器25は電圧を6.6k
Vに昇圧し、開閉器6を介して系統母線102に供給し
ている。1.35MWの電力を供給している時に、電力
系統100(図1)に落雷事故による瞬低が発生しその
影響で系統母線102の電圧が大幅に低下すると、重要
負荷104、105が稼働を停止するおそれがある。こ
れを防ぐために、2次電池22の出力電圧をチョッパ回
路23で4.5kVに昇圧してコンバータ24に供給す
る。また、コンバータ24のスイッチング制御のPWM
パルス幅を拡大する。これによりコンバータ24から、
定格値である約1.35MWの有効電力と、電圧が約2.
07kVで約6.44MVARの無効電力が出力され
る。コンバータ24の出力は変圧器25で昇圧されて系
統母線102に供給され系統母線102の電圧低下を防
ぐ。
【0041】本実施例ではSiC−GTOの瞬時大電力
稼働能力を活用することにより、定格電力が1.5MW
のコンバータが瞬低の影響を阻止する所定時間の間は
1.5MWの約4.7倍の定格電力のコンバータとして働
く。従って、負荷平準化用の電力安定供給装置の大幅な
小型化・軽量化・低損失化・低コスト化が実現できる。
【0042】《第3実施例》図5は、本発明の第3実施
例である周波数変動抑制用の電力安定供給装置31のブ
ロック図である。電力安定供給装置31は電圧が800
Vで定格電力が700kWのレドックスフロー電池を用
いた2次電池32、双方向のチョッパー回路33、定格
電力600kWのコンバータ34、及び変圧器35を有
しており、図1の開閉器6を介して電圧6.6kVの系
統母線102に連結されている。その他の構成は図1の
ものと同じである。「周波数変動抑制」とは、電力需要
の急変により、電力系統100の交流の周波数が定格値
(50Hz又は60Hz)からずれるのを防止するた
め、他の電源により電力供給の調整をして周波数を定格
値に保つことをいう。チョッパー回路33およびコンバ
ータ34のスイッチング素子は、定格電圧及び定格電流
がそれぞれ8kV・1000Aおよび8kV・500A
のアノードゲート型SiC−GTOである。例えば、負
荷の変動や短絡事故などにより有効電力の需要と供給が
急激に不均衡になると、電力系統100の周波数が変動
し不安定になる。系統母線102の周波数を検出器10
Aで測定し、測定出力を検出回路8に入力する。検出回
路8の検出出力は制御回路9に印加される。制御回路9
は検出出力に基づいてコンバータ34を制御して、周波
数が下がった時には2次電池32から系統母線102へ
有効電力を追加供給し、逆に周波数が上がった時には系
統母線102から2次電池32へ有効電力を吸収して周
波数の変動を抑制する。本実施例の電力安定供給装置3
1の定格電力は例えば540kWであり、周波数の変動
に応じてレドックスフロー電池の2次電池32から有効
電力を最大出力約540kWまで供給できる。
【0043】本実施例においても、2次電池32のレド
ックスフロー電池の経時劣化による電圧低下に対処する
ために、2次電池32から540kWの電力を供給する
時は、チョッパー回路33で2次電池32の出力電圧8
00Vを1600Vに昇圧している。周波数が下がった
場合はコンバータ34には2次電池32から電圧160
0V・電流360Aの直流電力が供給される。コンバー
タ34はこの直流電力を約736V・425Aの交流電
力に変換して変圧器35に印加する。変圧器35は電圧
736Vを6.6kVに昇圧し、約6.6kV・47.4
Aの交流電力を開閉器6を経て系統母線102に供給し
周波数の低下を抑制する。
【0044】本実施例の電力安定供給装置が周波数変動
抑制の動作をして540kWの電力を系統母線102に
供給している時、電力系統100に落雷事故が発生しそ
の影響で系統母線102の電圧に瞬低が生じた場合、重
要負荷104、105が稼働を停止するおそれがある。
これを防ぐために、直ちに、2次電池32からその瞬時
大電流供給能力に対応する3MWの直流電力を取り出
し、チョッパ回路33で電圧を3.2kVに昇圧してコ
ンバータ34に供給する。コンバータ34では制御回路
9の制御によりスイッチング動作のPWMパルス幅が定
格動作時よりも拡大され、コンバータ34から540k
Wの有効電力とともに、電圧が約1.47kVで3.72
MVARの無効電力が出力される。コンバータ34の電
圧は変圧器35で昇圧され開閉器6を経て系統母線10
2に供給され系統母線102の電圧低下を防ぐ。
【0045】落雷の影響による系統母線102の電圧低
下は通常0.5秒間以下でありそれ以上続くのは極めて
稀である。本実施例の電力安定供給装置31は、540
kWの有効電力とともに、最大3.46MVARの無効
電力を3.5秒間は供給できる。従ってこの装置は通常
の落雷による瞬低には十分対処できる。この場合、コン
バータ34は3.5秒間、定格電力の約5.7倍の瞬時大
電力で動作している。
【0046】本実施例のコンバータ34に用いるSiC
−GTO素子は、定格100AのSiC−GTOチップ
を図2に示すものと類似のパッケージ内に6個設けそれ
らを並列に接続してモジュール化している。コンバータ
34の制御電流がSiC−GTO素子の定格電流を大幅
に越えた場合でも、大電流が流れる時間が短時間であれ
ば、SiC−GTOの素子電界緩和領域(図示省略)で
ある低濃度ベース領域の抵抗が正の温度依存性をもつの
で、数百℃以上の温度範囲ではバイポーラ動作の負の温
度依存性と相殺され電流集中による熱暴走を防止でき
る。
【0047】本実施例ではSiC−GTOの瞬時大電力
稼働能力を活用することにより、定格電力700kWの
コンバータ34を瞬低の影響を防止する短時間の間は約
5.7倍の定格電力のコンバータとして動作させること
ができる。これにより周波数変動抑制用の電力安定供給
装置の大幅な小型化・軽量化・低損失化・低コスト化が
実現できる。
【0048】《第4実施例》図6は、本発明の第4実施
例であるピ−クカット用の他の例の電力安定供給装置4
1のブロック図である。本実施例では2次電池42とし
て電圧が800Vで定格出力が500kWのナトリウム
硫黄電池を用いている。コンバータ44のスイッチング
素子は、定格電圧・電流が7kV・400Aのp型ゲー
ト型SiC−IGBTである。それ以外の構成、動作、
機能等は実質的に第1実施例と同様である。電力安定供
給装置41が例えば450kWのピ−クカット電力を供
給している時に電力系統100に落雷事故が発生し、そ
の影響で系統母線102の電圧が低下したとき、重要負
荷104、105の稼働停止を防ぐために、コンバータ
44から460kWの有効電力とともに、約1.47k
Vの電圧で2.78MVARの無効電力が出力される。
コンバータ44の出力は変圧器45で昇圧されて系統母
線102に供給され、系統母線102の電圧低下を防
ぐ。この場合、コンバータ44からは約3秒間定格電力
の約6倍の瞬時大電力が供給される。
【0049】本実施例のSiC−IGBT素子は定格電
流50Aのチップを8個並列に接続してモジュール化し
ている。本実施例のように、定格電流を大幅に超えた装
置の稼働はSiC−IGBT特有の温度依存性によって
可能になる。先に記したように、SiC−IGBTはS
i−IGBTとは異なり、電界緩和領域である低濃度ド
リフト領域の抵抗の正の温度依存性が大きな効果を及ぼ
す。数百℃以上ではSiC−IGBTは負の温度依存性
を示す。Si−IGBTにおいてもバイポーラ動作の負
の温度依存性がユニポーラ動作の正の温度依存性を相殺
し、大電流が流れても熱暴走を生じないようにできる。
しかしこれはSiの温度が半導体の性質を維持できる限
界温度より低い場合である。限界温度に近い200℃以
上ではバイポーラ動作が急激に優位になり、低濃度ドリ
フト領域の正の温度依存性をもってしても負の温度依存
性を相殺することができず熱暴走に至る。SiC−IG
BTの場合は数百℃以上では低濃度ドリフト領域の正の
温度依存性がバイポーラ動作の負の温度依存性を相殺
し、逆に低濃度ドリフト領域の正の温度依存性の方が優
位になるためSiC−IGBTが正の温度依存性をもつ
ようになる。これによりSiC−IGBTを複数個並列
に接続すれば、Si−IGBTに比べて遙かに大きな電
流を短時間流すことが出来る。このように、SiC−I
GBTでは大きな電流定格容量を実現するために素子を
複数個並列接続してモジュールにすることが容易にで
き、且つそのモジュールの信頼性も高い。
【0050】IGBTはGTOなどのサイリスタ素子と
異なりゲートに制御電圧を印加することにより通電電流
を制御する機能を有する。従って、SiC−IGBT素
子の通電電流を高速で検出し、制御信号のPWMパルス
幅を所定の電流以上に流れないように制限すれば熱暴走
を防ぐことができ、この点からも多数のIGBTチップ
を並列に接続して使用しやすい。スイッチング速度が遅
い素子を多数並列接続するとターンオフ時の遮断速度が
遅い素子に電流が集中し破壊されやすい。しかし、Si
C−IGBTのスイッチング速度はSiC−GTOに比
べて1桁以上速いのでこの電流の集中が避けられ、この
点からも並列接続が可能になる。本実施例の電力安定供
給装置を瞬低のみに対応させる場合には、図9に示すよ
うに、電圧を検出する電圧検出器10のみを設ければよ
く、図6に示す電流検出器11は設けなくても、変電所
の電圧データを用いることにより対応できる。
【0051】本実施例ではSiC−IGBTの瞬時大電
力稼働能力を活用することにより、定格電力が500k
Wのコンバータ44を瞬低の影響を防止するための短時
間の間は約6倍の定格電力のコンバータとして動作させ
ることができる。従って、ピークカット用の電力安定供
給装置41の大幅な小型化・軽量化・低損失化・低コス
ト化が実現できる。
【0052】《第5実施例》図7は本発明の第5実施例
である、ピークカット用の電力安定供給装置61のブロ
ック図である。本実施例のピークカット用電力安定供給
装置は特に重要性の高い重要負荷104のみに対してピ
ークカットを行う装置である。本ピークカット装置61
は、350kW定格のレドックスフロー電池62、双方
向チョッパー回路63、350kW定格のコンバータ6
4、連系リアクトルも兼ねた変圧器65、電圧検出器6
6、電流検出器69、検出回路67及び制御回路68を
備えている。本装置は開閉器6を介して重要負荷104
と開閉器114接続点に接続されており、この開閉器1
14を介して6.6kVの系統母線102に連系されて
いる。レドックスフロー電池62はほぼ800Vの直流
電圧で約1.5時間電力を供給できる。チョッパー回路
63およびコンバータ64は各々8kV・1000Aお
よび8kV・300A定格のアノードゲード型SiC−
GTOで構成されている。本装置の電力容量はチョッパ
ー回路63やコンバータ64や変圧器65で電力損失が
発生するので約317kWとなるが、重要負荷104に
変動が生じ一時的に変電所の所定の電力容量を超過する
場合、レドックスフロー電池62から有効電力を負荷に
追従して最大約317kWまで供給できるものである。
レドックスフロー電池62はピークカット時以外は系統
母線102により充電されている。
【0053】317kWのピークカット電力の供給時に
上位系統に落雷事故が発生しその影響で系統母線の電圧
が低下した場合は、重要負荷104が稼働停止してしま
うのを防ぐために、瞬時に開閉器114をオフにする。
重要負荷104には、コンバータ64から変圧器6を介
して3MWの有効電力を供給し、瞬低の影響を防ぐこと
ができる。この場合、2秒以下であれば、コンバータ6
4を定格の約9.5倍の瞬時大電力で動作させることが
できる。この間に系統母線102の電圧が瞬低前の状態
に復帰すれば、開閉器114をオンし系統母線から重要
負荷に所定の電力が供給される。この瞬時大電力は動作
時間によって変わり定格電力の2から12倍の有効電力
で動作させることができる。実用設計上は3から10倍
にするのが望ましい。上記の定格を大幅に超えたコンバ
ータ64の稼働は実施例1や2と同様にSiC−GTO
の使用によって可能になされている。本実施例のSiC
−GTO素子は定格50Aのチップを例えば6個並列に
接続してモジュール化している。本実施例の電力安定供
給装置を瞬低のみに対応させる場合には、図10に示す
ように、電圧を検出する電圧検出器66のみを設ければ
よく、図7に示す電流検出器69は設けなくても、変電
所の電圧データを用いることにより対応できる。本実施
例ではSiC−GTOの瞬時大電力稼働能力を活用する
ことにより、350kW定格のコンバータを瞬低の影響
を阻止する2秒以下の短時間の間は9.5倍の定格のコ
ンバータとして稼働できるので、ピークカット電力安定
供給装置の大幅な小型化・軽量・低損失・低コスト化を
実現できる。
【0054】《第6実施例》本発明の第6実施例は、負
荷平準化用の電力安定供給装置であり、図4に示す前記
第2実施例のものと同様の構成を有している。よって図
4を参照して説明する。前記第2実施例の電力安定供給
装置21は定格値の有効電力を供給していたが、本実施
例の電力安定供給装置21は定格値の2から12倍の有
効電力を供給するように、制御回路9でコンバータ24
を制御する。このために、制御回路9は、系統母線10
2の電圧の位相に対して、コンバータ24の出力電圧の
位相を進めるように制御する。本実施例の電力安定供給
装置21は、定格1.0MWのナトリウム硫黄電池の2
次電池22、チョッパー回路23、定格1.0MWの双
方向のコンバータ24、及び変圧器25を有し、開閉器
6を介して6.6kVの系統母線102に連系されてい
る。チョッパー回路23およびコンバータ24のスイッ
チング素子は8kV・800Aのアノードゲート型Si
C−GTOで構成されている。本実施例の電力安定供給
装置21は電力需要の少ない夜間の8時間に定電力で2
次電池22を充電し、電力需要の多い昼間に例えば0.
9MWの電力を8時間の間2次電池22から供給する。
本実施例のコンバータ24に用いるSiC−GTO素子
は定格100Aのチップを8個並列に接続してモジュー
ル化している。
【0055】前記第1実施例と同様に本実施例において
も、SiC−GTOの比較的小さい電流定格に対応する
ために、昼間に0.9MWの電力を供給する時は、2次
電池22の出力直流電圧をチョッパー回路23で3kV
に昇圧している。その結果、コンバータ4には約320
Aの直流電流が流れる。コンバータ24は、3kVの直
流電圧を約1.2kVの交流電圧に変換し変圧器25に
印加する。交流電圧は、変圧器25により6.6kVに
昇圧され、開閉器60を介して系統母線102に出力さ
れ各負荷に供給される。0.9MWの電力を供給してい
る時に落雷事故が発生し、その影響で系統母線102の
電圧が低下した場合、電圧の低下により重要負荷10
4、105の稼働停止が発生するのを防ぐために、4.
8MWの直流電力が2次電池22からチョッパー回路2
3を経てコンバータ24に供給される。コンバータ24
からは約4.5MWの有効電力と、出力電圧が約1.3
8kVで約3.38MVARの無効電力が出力される。
有効電力は極く短時間であれば、最大で定格の12倍の
12MW程度まで出力できる。出力電圧は変圧器25で
6.6kVに昇圧されて系統母線102に供給される。
これにより系統母線102の電圧低下を防ぐとともに、
重要負荷104、105に有効電力の一部を供給して瞬
低による稼働停止を防止する。
【0056】以上のように、本実施例ではSiC−GT
Oの瞬時大電力稼働能力を活用することにより、瞬低の
影響を防止する短時間の間、定格1MWの2次電池22
から定格の約5倍の約5MWの直流電力を出力させ、定
格1MWのコンバータ24を定格の約6倍の約6MWの
電力で稼働させる。すなわち、瞬低時に定格の2倍から
数倍の電力を放電できる2次電池22と、定格の2倍か
ら数倍の電力で稼働できるコンバータ24を用いること
で、負荷平準化用の電力安定供給装置の大幅な小型化・
軽量化・低損失化・低コスト化を実現できる。
【0057】以上、第1から第6実施例により本発明を
説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではなく、各種の変形応用ができるものである。例え
ば、コンバータ4、24、34、44のスイッチング素
子はGTOやIGBTに限定されるものではなく、静電
誘導サイリスタ、バイポーラトランジスタ、エミッタス
イッチドサイリスイタ(EST)、IEGT、SIAF
ET、SIJFET等の各種のワイドギャップバイポー
ラ半導体素子をスイッチング素子として使用できる。ま
たSiC以外の他のワイドギャップ半導体材料すなわち
窒化ガリウムやダイヤモンドなどを用いた上記の各半導
体素子も同様に前記各コンバータに使用可能である。
【0058】2次電池2、22、32、42はレドック
スフロー電池やナトリウム硫黄電池の他に、鉛電池、亜
鉛塩素電池や亜鉛臭素電池、リチウムイオン電池などで
もよい。電力容量が200kW以下の小容量電力安定供
給装置の場合は、電流容量も小さいのでチップ面積の小
さいワイドギャップバイポーラ半導体素子で十分対応可
能である。この場合には、所定の電力を小さい電流で得
るために電圧を昇圧する目的のチョッパー回路は必ずし
も必要がない。この場合は電池の電圧を直接コンバータ
に印加すればよい。
【0059】ワイドギャップバイポーラ半導体素子は高
耐圧の実現が容易である。例えば20kV以上の耐圧に
することにより、直接6.6kVの系統母線102に連
系できるのでトランス5、25、35、45を用いずに
連系用リアクトルのみを用いることもできる。前記各実
施例では、6.6kVの配電系統母線の例で説明した
が、電力安定供給装置を構成する各要素を高耐圧大電流
にすることにより、更に上流の電力系統に連結する電力
安定供給装置にも適用できる。また送電線にへびや鳥な
どの小動物がひっかかったり、樹木が接したりして短絡
や地絡が発生した場合の数分を超える比較的長時間の
「瞬時停電」にも本発明の電力安定供給装置を適用でき
る。さらに電力送電電源の複数の発電機の内1つが故障
したり、電力の大口需要家の負荷(工場など)が突然稼
働を停止したりした場合、急激な電力変動が生じ、電力
需給の不均衡が5分以上継続する場合がある。雷による
瞬低の継続時間(数秒)よりはるかに長い5分から1時
間の電力需給の不均衡による系統周波数の変動等に対し
ても、2次電池の容量を増やし、かつスイッチング素子
を冷却するなど、その温度を所定値以下に保つ手段を講
じることにより、本発明の電力安定供給装置を適用する
ことができる。このような長時間の場合、本発明の電力
安定供給装置は、定格出力の1.5から3倍程度の電力
を調整することができ、非常用電線としても利用でき
る。
【0060】
【発明の効果】以上の各実施例で詳細に説明したよう
に、本発明によれば、ワイドギャップバイポーラ半導体
素子の瞬時大電力駆動能力を活用することにより、瞬低
の影響を阻止する短時間の間は、このワイドギャップバ
イポーラ半導体素子を有するコンバータを、2次電池の
瞬時大電力供給能力を上回る、コンバータの定格電力の
数倍以上の電力で動作させる。これにより、電力安定供
給装置の大幅な小型化・軽量化・低損失化・低コスト化
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるピ−クカット用の電
力安定供給装置のブロック図
【図2】(a)は第1実施例のコンバータに用いるSi
C−GTO素子のモジュール構成の平面図 (b)は(a)のb−b断面図
【図3】SiC−GTOチップの断面図
【図4】本発明の第2実施例及び第6実施例の負荷平準
化用の電力安定供給装置のブロック図
【図5】本発明の第3実施例である周波数変動抑制用の
電力安定供給装置のブロック図
【図6】本発明の第4実施例であるピ−クカット用の電
力安定供給装置のブロック図
【図7】本発明の第5実施例である電力安定供給装置の
ブロック図
【図8】本発明の第1実施例の瞬低対応の場合の電力安
定供給装置のブロック図
【図9】本発明の第4実施例の瞬低対応の場合の電力安
定供給装置のブロック図
【図10】本発明の第5実施例の瞬低対応の場合の電力
安定供給装置のブロック図
【図11】従来のピ−クカット用の電力安定供給装置の
ブロック図。
【符号の説明】
1、21、31、41、101 電力安定供給装置 100 電力系統 5、120 変圧器 6、109、111、114、115 開閉器

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力を充放電する2次電池、及び前
    記2次電池と、電力送電電源の系統母線との間に接続さ
    れ、スイッチング素子としてワイドギャップバイポーラ
    半導体素子を備え、前記系統母線から入力される交流を
    直流に変換して前記2次電池に出力し、前記2次電池か
    ら出力される直流を交流に変換して前記系統母線に出力
    するコンバータを有する電力安定供給装置。
  2. 【請求項2】 直流電力を充放電する2次電池、前記2
    次電池に接続され、前記2次電池の充電電圧を降圧し、
    前記2次電池の放電電圧を昇圧する双方向のチョッパー
    回路、及び前記チョッパー回路と電力送電電源の系統母
    線との間に接続され、スイッチング素子としてワイドギ
    ャップバイポーラ半導体素子を備え、前記系統母線から
    入力される交流を直流に変換してチョッパー回路に出力
    し、前記チョッパー回路から入力される直流を交流に変
    換して前記系統母線へ出力するコンバータ、 を有する電力安定供給装置。
  3. 【請求項3】 直流電力を充放電する2次電池、 前記2次電池に接続され、前記2次電池の充電電圧を降
    圧し、前記2次電池の放電電圧を昇圧する双方向のチョ
    ッパー回路、 前記チョッパー回路と電力送電電源の系統母線との間に
    接続され、スイッチング素子としてワイドギャップバイ
    ポーラ半導体素子を備え、前記系統母線から入力される
    交流を直流に変換してチョッパー回路に出力し、前記チ
    ョッパー回路から入力される直流を交流に変換して前記
    系統母線へ出力するコンバータ、 前記系統母線の電圧を検出し、検出した電圧に基づい
    て、電力の需給状態を検出する検出装置、及び前記検出
    装置の検出出力に基づいて、前記系統母線に接続された
    負荷と、電力送電電源との電力の需給が均衡していると
    き、前記2次電池を充電し、需要が供給を上回ったと
    き、前記2次電池を放電して電力を系統母線へ供給する
    よう前記コンバータを制御する制御回路を有する電力安
    定供給装置。
  4. 【請求項4】 直流電力を充放電する2次電池、 前記2次電池に接続され、前記2次電池の充電電圧を降
    圧し、前記2次電池の放電電圧を昇圧する双方向のチョ
    ッパー回路、 前記チョッパー回路と電力送電電源の系統母線との間に
    接続され、スイッチング素子としてワイドギャップバイ
    ポーラ半導体素子を備え、前記系統母線から入力される
    交流を直流に変換してチョッパー回路に出力し、前記チ
    ョッパー回路から入力される直流を交流に変換して前記
    系統母線へ出力するコンバータ、 前記系統母線の電圧及び電流を検出し、検出した電圧及
    び電流に基づいて、電力の需給状態を検出する検出装
    置、及び前記検出装置の検出出力に基づいて、前記系統
    母線に接続された負荷と、電力送電電源との電力の需給
    が均衡しているとき、前記2次電池を充電し、需要が供
    給を上回ったとき、前記2次電池を放電して電力を系統
    母線へ供給するよう前記コンバータを制御する制御回路
    を有する電力安定供給装置。
  5. 【請求項5】 前記系統母線の電圧が雷事故等の発生に
    より短時間大幅に低下する瞬時電圧低下時には、前記2
    次電池から、前記2次電池の定格放電電力の2倍から1
    2倍の放電電力を出力させ、 前記コンバータが、コンバータの定格制御電力の2倍か
    ら12倍に相当する前記2次電池の放電電力を交流に変
    換して所定の無効電力と定格電力の2倍から12倍の有
    効電力を系統母線に出力するように、前記制御回路によ
    り制御されることを特徴とする請求項3又は4に記載の
    電力安定供給装置。
  6. 【請求項6】 前記系統母線の電圧が雷事故等の発生に
    より短時間大幅に低下する瞬時電圧低下時には、前記2
    次電池から、前記2次電池の定格放電電力の2倍から1
    2倍の放電電力を出力させ、 前記コンバータが、コンバータの定格制御電力の2倍か
    ら12倍に相当する前記2次電池の放電電力を交流に変
    換して所定の無効電力と定格電力の2倍より小さい有効
    電力を系統母線に出力するように、前記制御回路により
    制御されることを特徴とする請求項3又は4に記載の電
    力安定供給装置。
  7. 【請求項7】 前記系統母線とコンバータとの間に連系
    リアクトルの機能を含むトランスを設けたことを特徴と
    する請求項1から6のいずれかに記載の電力安定供給装
    置。
  8. 【請求項8】 前記系統母線とコンバータとの間に連系
    リアクトルを設けたことを特徴とする請求項1から6の
    いずれかに記載の電力安定供給装置。
  9. 【請求項9】 前記2次電池が、レドックスフロー電池
    及びナトリウム硫黄電池のいずれかであることを特徴と
    する請求項1、2、3又は4に記載の電力安定供給装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ワイドギャップバイポーラ半導体
    素子が、シリコンカーバイド(SiC)を母材とする半
    導体素子であることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4に記載の電力安定供給装置。
  11. 【請求項11】 前記ワイドギャップバイポーラ半導体
    素子が、窒化ガリウムを母材とする半導体素子であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の電力安
    定供給装置。
  12. 【請求項12】 前記ワイドギャップバイポーラ半導体
    素子が、SiCのGTOの少なくとも1つのチップで形
    成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    に記載の電力安定供給装置。
  13. 【請求項13】 前記ワイドギャップバイポーラ半導体
    素子が、SiCのIGBTの少なくとも1つのチップで
    形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4に記載の電力安定供給装置。
  14. 【請求項14】 前記ワイドギャップバイポーラ半導体
    素子が、SiCのGTOの複数のチップを並列に接続し
    て形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又
    は4に記載の電力安定供給装置。
  15. 【請求項15】 前記ワイドギャップバイポーラ半導体
    素子が、SiCのIGBTの複数のチップを並列に接続
    して形成されていることを特徴とする請求項1、2、3
    又は4に記載の電力安定供給装置。
  16. 【請求項16】 直流電力を充放電する2次電池、 前記2次電池に接続され、前記2次電池の充電電圧を降
    圧し、前記2次電池の放電電圧を昇圧する双方向のチョ
    ッパー回路、 前記チョッパー回路と電力送電電源の系統母線との間に
    接続され、スイッチング素子としてワイドギャップバイ
    ポーラ半導体素子を備え、前記系統母線から入力される
    交流を直流に変換してチョッパー回路に出力し、前記チ
    ョッパー回路から入力される直流を交流に変換して前記
    系統母線へ出力するコンバータ、 前記系統母線の周波数を検出し、検出した周波数に基づ
    いて電力の需給状態を検出する検出装置、及び前記検出
    装置の検出出力に基づいて、前記系統母線に接続された
    負荷と、電力送電電源との電力の需給が均衡していると
    き、前記2次電池を充電し、需要が供給を上回ったと
    き、前記2次電池を放電して電力を系統母線へ供給する
    よう前記コンバータを制御する制御回路を有する電力安
    定供給装置。
  17. 【請求項17】 直流電力を充放電する2次電池、及び
    前記2次電池と、電力送電電源の系統母線に接続された
    負荷との間に接続され、スイッチング素子としてワイド
    ギャップバイポーラ半導体素子を備え、前記系統母線か
    ら入力される交流を直流に変換して前記2次電池に出力
    し、前記2次電池から出力される直流を交流に変換して
    前記負荷に出力するコンバータを有する電力安定供給装
    置。
  18. 【請求項18】 前記系統母線に接続された負荷に供給
    される電力の電圧及び電流を検出し、検出した電圧及び
    電流に基づいて、前記負荷の電力の需給状態を検出する
    検出装置、及び前記検出装置の検出出力に基づいて、前
    記負荷と、電力送電電源との電力の需給が均衡している
    とき、前記2次電池を充電し、需要が供給を上回ったと
    き、前記2次電池を放電して電力を系統母線へ供給する
    よう前記コンバータを制御する制御回路を有する請求項
    17に記載の電力安定供給装置。
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