JP2003193938A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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JP2003193938A JP2001396357A JP2001396357A JP2003193938A JP 2003193938 A JP2003193938 A JP 2003193938A JP 2001396357 A JP2001396357 A JP 2001396357A JP 2001396357 A JP2001396357 A JP 2001396357A JP 2003193938 A JP2003193938 A JP 2003193938A
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Masashi Suzuki
雅詞 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体格の大型化および加工工数の増大を招くこ
となく、摺動部の寿命の延長ならびに焼き付きを低減す
る燃料噴射ポンプを提供する。 【解決手段】 カム21の外壁面21aと摺動するブッ
シュ23の摺動面23aは、ブッシュ23の軸方向両端
部から中央部へかけてブッシュ23の径方向内側へ突出
して形成されている。そのため、外壁面21aと摺動面
23aとから形成される摺動部には、軸方向の両端部で
クリアランスが大きくなり、摺動部への潤滑のための燃
料の流入が促進される。また、摺動部で加熱された燃料
は、両端部のクリアランスから摺動部の外部へ排出さ
れ、加熱された燃料が摺動部に滞留することがない。さ
らに、軸方向の中央部にかけてクリアランスが小さくな
るため、中央部でも燃料の増圧効果により油膜の形成が
促進される。そのため、摺動部の焼き付きが低減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
内燃機関を「エンジン」という。)の燃料噴射ポンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ディーゼルエンジンなどの燃料
噴射ポンプとして、プランジャをシリンダの内部で往復
駆動し加圧室に吸入された燃料を加圧するものが用いら
れている。このような燃料噴射ポンプの場合、プランジ
ャとカムとの間にはカムリングが設けられている。エン
ジンにより駆動される駆動軸の回転運動はカムおよびカ
ムリングにより往復運動に変換されプランジャへ伝達さ
れる。これにより、プランジャはシリンダの内部で往復
駆動される。近年、エンジンの出力および燃費の向上、
ならびにエンジンからのNOxや黒煙などの排出を低減
するため、燃料の噴射圧力は高められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料の噴射圧力を高め
るためには、燃料噴射ポンプによる燃料の加圧圧力を高
め、燃料噴射ポンプから吐出される燃料の高圧化を図る
必要がある。一方、燃料の加圧圧力を高めると、燃料噴
射ポンプの負荷は増大する。例えば、カムの外壁面とカ
ムリングの内壁面との間などに形成される摺動部には大
きな力が加わる。そのため、従来の燃料噴射ポンプでは
カムとカムリングとの間にブッシュを設け、カムとカム
リングとの間に形成される摺動部の焼き付きおよび摩耗
の低減を図っている。
【0004】しかしながら、上記のように燃料の高圧化
にともない、摺動部に加わる力は増大する。そのため、
ブッシュに加わる負荷は増大し、ブッシュの寿命の短縮
を招いたり、ブッシュとカムとの間に焼き付きを招くお
それがある。一方、ブッシュを大型化することにより、
摺動面積を増大させて摺動部における面圧の低減を図る
ことも考えられる。しかし、ブッシュの大型化にともな
いカムリングひいては燃料噴射ポンプの体格の大型化を
招き、小型化および軽量化が要求される現状に沿わな
い。
【0005】また、摺動部における焼き付きに対し、油
膜の形成ならびに摺動部の放熱をさせるためには、摺動
部へ潤滑のための燃料を供給する必要がある。すなわ
ち、摺動部に供給される燃料により油膜を形成し、摺動
部へ供給される燃料を循環させることで摺動部の放熱が
図られ、摺動部の焼き付きが低減される。油膜の形成お
よび燃料の循環を図るためには、摺動部を構成するカム
の外壁面およびブッシュの内壁面の寸法精度を精密に管
理する必要がある。しかし、加工精度の点から寸法精度
の維持には限界があり、精度を高めるためには加工工数
の増大を招くという問題がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、体格の大型化お
よび加工工数の増大を招くことなく、摺動部の寿命の延
長ならびに焼き付きを低減する燃料噴射ポンプを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
燃料噴射ポンプによると、カムの外壁面と摺動するブッ
シュの摺動面は軸方向の両端部から中央部へかけてブッ
シュの径方向内側へ突出している。そのため、ブッシュ
とカムとの間に形成される摺動部は軸方向両端部におい
てクリアランスが大きくなる。これにより、潤滑のため
の燃料はブッシュの軸方向両端部からカムとブッシュと
の間に形成される摺動部に流入する。そして、摺動部へ
流入し摺動部の発熱により加熱された燃料は、摺動部に
滞留することなく両端部から排出される。その結果、摺
動部を構成するカムおよびブッシュへの熱的影響を低減
することができる。また、熱的影響の低減のために摺動
部を構成するカムおよびブッシュを大型化する必要はな
い。したがって、体格が大型化を招くことがなく、摺動
部の寿命を延長することができ、摺動部の焼き付きを低
減することができる。
【0008】本発明の請求項2記載の燃料噴射ポンプに
よると、ブッシュの内壁面と摺動するカムの摺動面は軸
方向の両端部から中央部へかけてカムの径方向外側へ突
出している。そのため、ブッシュとカムとの間に形成さ
れる摺動部は軸方向両端部においてクリアランスが大き
くなる。これにより、潤滑のための燃料はブッシュの軸
方向両端部からカムとブッシュとの間に形成される摺動
部に流入する。そして、摺動部へ流入し摺動部の発熱に
より加熱された燃料は、摺動部に滞留することなく両端
部から排出される。その結果、摺動部を構成するカムお
よびブッシュへの熱的影響を低減することができる。ま
た、熱的影響の低減のために摺動部を構成するカムおよ
びブッシュを大型化する必要はない。したがって、体格
が大型化を招くことがなく、摺動部の寿命を延長するこ
とができ、摺動部の焼き付きを低減することができる。
【0009】本発明の請求項3記載の燃料噴射ポンプに
よると、カムまたはブッシュに形成されている摺動面は
曲面状に形成されている。すなわち、両端部から中央部
にかけて突出する曲面状に形成されている。摺動面を曲
面状に形成することにより、局所的な面圧の増大を防止
することができる。また、燃料の流入および排出を容易
に行うことができる。
【0010】本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプに
よると、摺動面の突出量、すなわち摺動面の両端部から
の突出量tは、0<t≦0.01mmである。摺動部の
焼き付きを低減するためには、摺動面を平滑化して摺動
面の凹凸を限りなく除去し、摺動面の突出量tを0に近
似させることが望ましい。しかし、加工精度上、突出量
tを0とするのは困難であるため、tは0より大きく設
定している。一方、摺動面の突出量tを0.01mmよ
り大きくすると、突出した部分における局所的な面圧の
上昇にともなう摩耗を招く。そのため、突出量を0.0
1mmすることにより、面圧の上昇および摩耗を低減す
ることができる。また、突出量tを0<t≦0.01m
mとすることにより、摺動面の加工精度の許容量が増大
し、摺動面の寸法精度の確保が容易である。したがっ
て、精密な加工が不要であり、寸法精度の確保のために
加工工数が増大することを防止できる。
【0011】本発明の請求項5記載の燃料噴射ポンプに
よると、摺動部を構成するカムのブッシュの第一摺動面
およびカムの第二摺動面はそれぞれ軸方向の両端部から
中央部へかけて径方向内側または径方向外側へ突出して
いる。そのため、ブッシュとカムとの間に形成される摺
動部は軸方向両端部においてクリアランスが大きくな
る。これにより、潤滑のための燃料はブッシュの軸方向
両端部からカムとブッシュとの間に形成される摺動部に
流入する。そして、摺動部へ流入し摺動部の発熱により
加熱された燃料は、摺動部に滞留することなく両端部か
ら排出される。その結果、摺動部を構成するカムおよび
ブッシュへの熱的影響を低減することができる。また、
熱的影響の低減のために摺動部を構成するカムおよびブ
ッシュを大型化する必要はない。したがって、体格が大
型化を招くことがなく、摺動部の寿命を延長することが
でき、摺動部の焼き付きを低減することができる。
【0012】本発明の請求項6記載の燃料噴射ポンプに
よると、ブッシュに形成されている第一摺動面ならびに
カムに形成されている第二摺動面はそれぞれ曲面状に形
成されている。すなわち、両端部から中央部にかけて突
出する曲面状に形成されている。第一摺動面および第二
摺動面をそれぞれ曲面状に形成することにより、局所的
な面圧の増大を防止することができる。また、燃料の流
入および排出を容易に行うことができる。
【0013】本発明の請求項7記載の燃料噴射ポンプに
よると、第一摺動面および第二摺動面の突出量、すなわ
ち第一摺動面および第二摺動面の両端部からの突出量t
は、それぞれ0<t≦0.01mmである。摺動部の焼
き付きを低減するためには、第一摺動面および第二摺動
面を平滑化して摺動面の凹凸を限りなく除去し、第一摺
動面および第二摺動面の突出量tを0に近似させること
が望ましい。しかし、加工精度上、突出量tを0とする
のは困難であるため、tは0より大きく設定している。
一方、第一摺動面および第二摺動面の突出量tを0.0
1mmより大きくすると、突出した部分における局所的
な面圧の上昇にともなう摩耗を招く。そのため、突出量
を0.01mmすることにより、面圧の上昇および摩耗
を低減することができる。また、突出量tを0<t≦
0.01mmとすることにより、第一摺動面および第二
摺動面の加工精度の許容量が増大し、第一摺動面および
第二摺動面の寸法精度の確保が容易である。したがっ
て、精密な加工が不要であり、寸法精度の確保のために
加工工数が増大することを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による燃料噴射ポン
プを図2に示す。燃料噴射ポンプは、コモンレール式の
燃料噴射システムに適用される。
【0015】燃料噴射ポンプ1のハウジング10は、ハ
ウジング本体11とシリンダヘッド12、13とを有す
る。ハウジング本体11はアルミ製である。シリンダヘ
ッド12、13は鉄製であり、内部に形成されているシ
リンダ12a、13aにプランジャ20を往復移動可能
に支持している。シリンダヘッド12、13の内周面
と、逆止弁14の端面と、プランジャ20の端面とによ
り加圧室30が形成されている。本実施例では、シリン
ダヘッド12とシリンダヘッド13とはほぼ同一形状に
形成されているものの、ねじ穴や燃料通路などの形成位
置が異なっている。これに対し、ねじ穴や燃料通路など
の形成位置を同一にし、シリンダヘッド12およびシリ
ンダヘッド13の形状を同一にすることも可能である。
【0016】駆動軸15はジャーナル16を介してハウ
ジング10に回転可能に支持されている。ハウジング1
0と駆動軸15との間はオイルシール17によりシール
されている。図3に示すように、断面が円形状のカム2
1は駆動軸15に対して偏心して一体形成されている。
駆動軸15を挟んで180°反対側にプランジャ20が
配置されている。カムリング22はカム21の外周側に
配置されており、カムリング22とカム21との間にブ
ッシュ23が介在している。プランジャ20と対向する
カムリング22の外周面とプランジャ20の端面とは平
面状に形成され互いに接触している。
【0017】プランジャ20は、駆動軸15の回転にと
もないカムリング22を介してカム21により往復駆動
され、燃料流入通路18から逆止弁14を通り加圧室3
0に吸入した燃料を加圧する。逆止弁14は弁部材14
1を有し、加圧室30から燃料流入通路18へ燃料が逆
流することを防止する。
【0018】スプリング24はカムリング22方向へプ
ランジャ20を付勢している。カムリング22は、カム
21の回転にともないカム21と摺動しながら自転する
ことなく公転する。これにより、摺動部を形成するカム
リング22とプランジャ20とは、図3の左右方向へ往
復移動しながら摺動する。
【0019】燃料吐出通路31は、シリンダヘッド12
およびシリンダヘッド13にそれぞれ直線状に形成され
ており、加圧室30に連通している。シリンダヘッド1
2、13に形成した燃料吐出通路31の下流側にはそれ
ぞれ長孔状の燃料室32が形成されており、燃料室32
に逆止弁33が収容されている。燃料室32の燃料下流
側に燃料室32よりも通路面積の大きな収容孔34が形
成されている。燃料配管接続用の接続部材35は収容孔
34にねじ止めなどにより収容されている。接続部材3
5の内部に燃料通路36が形成されており、燃料通路3
6は燃料室32と連通している。燃料通路36は燃料吐
出通路31とほぼ同一直線上に形成されている。
【0020】燃料吐出通路31の燃料下流側に配設され
ている逆止弁33は、逆止弁33の燃料下流側である燃
料室32および燃料通路36から燃料吐出通路31を経
由して加圧室30に燃料が逆流することを防止する。接
続部材35は、図示しない燃料配管により図示しないコ
モンレールと接続されており、燃料噴射ポンプ1で加圧
された燃料は接続部材35に形成されている燃料通路3
6および燃料配管を経由してコモンレールへ供給され
る。コモンレールでは、燃料噴射ポンプ1から吐出され
た燃料が蓄圧状態で蓄えられる。コモンレールにはエン
ジンの各気筒に設置されている図示しないインジェクタ
が接続されており、コモンレールに蓄えられている高圧
の燃料はインジェクタへ供給される。インジェクタは図
示しないECUからの指令にしたがって、所定の時期に
所定の期間、コモンレールから供給された燃料をエンジ
ンの各気筒へ噴射する。
【0021】駆動軸15の端部にはフィードポンプ40
が配設されている。フィードポンプ40はインナロータ
41およびアウタロータ42を有しており、インナロー
タ41とアウタロータ42とは相対的に回転可能であ
る。駆動軸15の回転にともなってインナロータ41が
回転し、インナロータ41とアウタロータ42とが相対
的に回転すると、フィードポンプ40は図示しない燃料
タンクから燃料を汲み上げ、加圧室30へ供給する。
【0022】次に、カムリング22の周辺について詳細
に説明する。図2および図4に示すように、駆動軸15
は一方の端部に図示しないエンジンのクランクシャフト
から駆動力が伝達される伝達部15aを有している。ま
た、駆動軸15の他方の端部にはフィードポンプ40の
インナロータ41が取り付けられる。駆動軸15の軸方
向中央部付近には、駆動軸15と一体にカム21が形成
されている。カム21は、図3に示すように駆動軸15
とは偏心して形成されている。カム21は概略円柱形状
に形成されている。
【0023】カムリング22は、軸に垂直な断面が四角
形状に形成され、内周側に駆動軸15が貫挿される。カ
ムリング22の外壁面はプランジャ20の端面と摺動す
る。カムリング22とカム21との間にはブッシュ23
が設置されている。ブッシュ23は、例えば圧入などに
よりカムリング22の内周側に固定されている。ブッシ
ュ23は、概略円筒状に形成されており、内周側にカム
21が摺動可能に挿入されている。これにより、ブッシ
ュ23の内壁面は、カム21の外壁面21aと摺動する
摺動面23aとなる。
【0024】カム21の外壁面21aと摺動するブッシ
ュ23の摺動面23aは、図1に示すように軸方向の両
端部から中央部にかけてブッシュ23の径方向内側へ突
出して形成されている。すなわち、ブッシュ23の内径
は、軸方向の両端部より中央部の方が小さくなってい
る。径方向内側へ突出する摺動面23aのピークすなわ
ちブッシュ23の内径が最も小さくなる部分は、ブッシ
ュ23の軸方向の両端部の間に位置している。摺動面2
3aは、曲面状に形成されている。すなわち、摺動面2
3aは、ブッシュ23の軸方向両端部から中央部にかけ
て緩やかに径方向内側へ突出して形成されている。
【0025】ブッシュ23の軸方向の両端部から径方向
内側へ突出する摺動面23aの突出量tは、0mm<t
≦0.01mmに設定されている。油膜の形成を促進す
るためには、摺動面23aの凹凸を可能な限り除去し、
摺動面23aを平滑な面とすることが望ましい。すなわ
ち、摺動面23aの突出量tを0とすることが望まし
い。しかし、加工精度の点から摺動面23aの突出量t
を0とすることは極めて困難である。そこで、本実施例
では、突出量tを0mm<tに設定している。すなわ
ち、突出量tは0に近似するほどよい。一方、摺動面2
3aの突出量tを0.01mmより大きくすると、径方
向内側へ突出する摺動面23aのピークにおいて角度が
小さくなり、摺動面23aと摺動するカム21の外壁面
21aとの間の面圧が上昇する。そのため、本実施例で
は、突出量tをt≦0.01mmに設定している。摺動
面23aの突出量tを0mm<t≦<0.01mmに設
定することにより、摺動面23aの加工精度の許容量が
増大する。そのため、加工精度の向上にともなう加工工
数の増大が抑制される。
【0026】ブッシュ23の内周側の摺動面23aを上
記のような形状に設定することにより、図5に示すよう
にブッシュ23の摺動面23aとカム21の外壁面21
aとの間に形成されるクリアランスはブッシュ23の軸
方向両端部で大きくなる。そのため、摺動部を潤滑する
ための燃料は、ブッシュ23の軸方向の両端部に形成さ
れた大きなクリアランスから摺動部へ流入することがで
きる。ブッシュ23の軸方向の両端部から摺動部へ流入
した燃料は、ブッシュ23の摺動面23aとカム21の
外壁面21aとの間において油膜を形成する。
【0027】摺動部の燃料は、摺動部におけるカム21
とブッシュ23との摺動にともなって発生する熱により
加熱される。加熱された燃料は、摺動面23aと外壁面
21aとの間を経由してブッシュ23の軸方向の両端部
へ流れ、図5の矢印で示すように摺動部の外部へ排出さ
れる。そのため、摺動部には加熱された燃料が残留せ
ず、ブッシュ23およびカム21への熱的影響が低減さ
れる。
【0028】また、ブッシュ23の摺動面23aとカム
21の外壁面21aとの間に形成されるクリアランスが
小さくなるほどクリアランスに流入した燃料の圧力は増
大し、油膜の形成が促進される。そのため、本実施例の
ように摺動面23aを軸方向両端部から中央部にかけて
径方向内側へ突出する形状とすることにより、燃料が流
入しにくく油膜が形成されにくい軸方向の中央部ではク
リアランスが小さくなる。その結果、燃料の圧力が増大
し、摺動部の軸方向中央部においても油膜の形成が促進
される。
【0029】比較のためにブッシュの内周側の形状を管
理しない従来例について説明する。図7に示すように、
ブッシュ100の摺動面100aの形状および寸法につ
いて管理しない場合、ブッシュ100の摺動面100a
は軸方向の両端部から中央部にかけて径方向外側へ窪ん
で形成されることがある。このとき、ブッシュ100の
摺動面100aは軸方向の両端部でブッシュ100の径
方向内側へ突出しているため、軸方向の両端部から摺動
部へ流入した燃料はブッシュ100の内壁面100aと
カム21の外壁面21aとによって形成される空間10
1に滞留する。そのため、摺動部の発熱により加熱され
た燃料は空間101から排出されず、空間101内の燃
料の温度は上昇する。その結果、ブッシュ100および
カム21へ熱的影響を与え、変形あるいは焼き付きを招
くおそれがある。また、空間101が形成されることに
より、摺動面100aと外壁面21aとの間のクリアラ
ンスが拡大し、摺動部へ流入した燃料の圧力が低下す
る。その結果、摺動部における油膜の形成が阻害され
る。
【0030】次に、第1実施例による燃料噴射ポンプ1
の作動について説明する。図2に示す駆動軸15の回転
にともなってカム21が回転し、カム21の回転にとも
なってカムリング22が自転することなく公転する。こ
のカムリング22の公転にともなってカムリング22と
プランジャ20とが摺動し、プランジャ20がシリンダ
12a、13a内で往復駆動される。
【0031】カムリング22の公転にともなって上死点
にあるプランジャ20が駆動軸15方向へ下降すると、
フィードポンプ40から吐出され図示しない調量弁によ
って流量が調整された燃料が燃料流入通路18から逆止
弁14を経由して加圧室30へ吸入される。
【0032】下死点に達したプランジャ20が再び上死
点へ向けて上昇すると、逆止弁14が閉塞され加圧室3
0の燃料の圧力が上昇する。加圧室30の燃料の圧力が
燃料通路36の燃料の圧力よりも大きくなると、逆止弁
33が開弁し加圧室30で加圧された燃料が燃料通路3
6へ吐出される。
【0033】加圧室30から吐出された燃料は、燃料吐
出通路31、逆止弁33および燃料室32を通って燃料
通路36へ送出される。燃料通路36へ送出された燃料
は燃料配管を経由してコモンレールへ供給される。コモ
ンレールでは燃料噴射ポンプ1から吐出された圧力変動
のある燃料が蓄圧され一定圧に保持される。コモンレー
ルで蓄えられている燃料は、インジェクタへ供給され
る。
【0034】以上、説明したように本発明の第1実施例
によると、ブッシュ23の摺動面23aは軸方向の両端
部から中央部にかけてブッシュ23の径方向内側へ突出
して形成されている。これにより、ブッシュ23の摺動
面23aとカム21の外壁面21aとから形成される摺
動部への燃料の流入、ならびに摺動部からの燃料の排出
を促進することができる。そのため、摺動部で発生する
熱を効率的に摺動部の外部へ放出することができ、摺動
部における焼き付きなど熱的な影響を低減することがで
きる。また、ブッシュ23の摺動面23aとカム21の
外壁面21aとの間のクリアランスを小さくすることが
でき、かつ寸法精度の確保も容易である。そのため、摺
動部に形成されるクリアランスにおける燃料の圧力が向
上し、油膜の形成を促進することができる。
【0035】第1実施例では、焼き付きの低減のために
ブッシュ23の大型化は不要であり、燃料噴射ポンプ1
の大型化を招くことがない。また、ブッシュ23を耐熱
性の高い高価な材料に変更する必要もなく、燃料噴射ポ
ンプ1の価格上昇を抑制することができる。
【0036】(第2実施例)本発明の第2実施例による
燃料噴射ポンプを図6に示す。第1実施例と実質的に同
一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】第2実施例では、駆動軸と一体に形成され
たカムの形状が第1実施例と異なる。図6に示すよう
に、駆動軸15と一体に形成されているカム25の外壁
面である摺動面25aは、図に示すように軸方向の両端
部から中央部にかけてカム25の径方向外側へ突出して
形成されている。すなわち、カム25の外径は、軸方向
の両端部より中央部の方が大きくなっている。径方向外
側へ突出する摺動面25aのピークすなわちカム25の
外径が最も大きくなる部分は、カム25の軸方向の両端
部の間に位置している。摺動面25aは、曲面状に形成
されている。これにより、摺動面25aは、カム25の
軸方向両端部から中央部にかけて緩やかに径方向外側へ
突出して形成されている。カム25の軸方向の両端部か
ら径方向外側へ突出する摺動面25aの突出量tは、第
1実施例と同様に0mm<t≦0.01mmに設定され
ている。
【0038】第2実施例では、駆動軸15と一体のカム
25に径方向外側へ突出する摺動面25aを形成してい
る。この場合も第1実施例と同様に、カム25の摺動面
25aとブッシュ23の内壁面とから形成される摺動部
への燃料の流入ならびに摺動部からの燃料の排出を促進
することができる。そのため、摺動部で発生する熱を効
率的に摺動部の外部へ排出することができ、摺動部の焼
き付きなど熱的な影響を低減することができる。
【0039】以上、本発明の複数の実施例では、ブッシ
ュまたはカムのいずれか一方に突出する摺動面を形成す
る例について説明した。しかし、ブッシュおよびカムの
両方に突出する摺動面を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプのブ
ッシュを示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプを示
す模式的な断面図である。
【図3】図2のIII−III線で切断した断面図であって、
カムリングとプランジャとの摺動部付近を拡大した図で
ある
【図4】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプの駆
動軸を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプの駆
動軸、ブッシュおよびカムリングの関係を示す模式図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例による燃料噴射ポンプの駆
動軸を示す模式図である。
【図7】従来の燃料噴射ポンプの駆動軸、ブッシュおよ
びカムリングの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 15 駆動軸 20 プランジャ 21 カム 21a 外壁面 22 カムリング 23 ブッシュ 23a 摺動面 25 カム 25a 摺動面 30 加圧室

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧室に吸入された燃料を加圧するプラ
    ンジャと、 カムが偏心して一体に形成されている駆動軸と、 前記カムの外周側に設けられ、前記駆動軸の回転にとも
    なって自転することなく公転し、前記駆動軸から前記プ
    ランジャへ駆動力を伝達するカムリングと、 前記駆動軸と前記カムリングとの間に設けられているブ
    ッシュとを備え、 前記ブッシュは、内周側に前記カムの外壁面と摺動する
    摺動面を有し、前記摺動面は軸方向の両端部から軸方向
    の中央部にかけて前記ブッシュの径方向内側へ突出して
    形成されていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 加圧室に吸入された燃料を加圧するプラ
    ンジャと、 カムが偏心して一体に形成されている駆動軸と、 前記カムの外周側に設けられ、前記駆動軸の回転にとも
    なって自転することなく公転し、前記駆動軸から前記プ
    ランジャへ駆動力を伝達するカムリングと、 前記駆動軸と前記カムリングとの間に設けられているブ
    ッシュとを備え、 前記カムは、外周側に前記ブッシュの内壁面と摺動する
    摺動面を有し、前記摺動面は軸方向の両端部から軸方向
    の中央部へかけて前記カムの径方向外側へ突出して形成
    されていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記摺動面は、曲面状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射ポン
    プ。
  4. 【請求項4】 前記摺動面の突出量tは、0mm<t≦
    0.01mmであることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の燃料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 加圧室に吸入された燃料を加圧するプラ
    ンジャと、 カムが偏心して一体に形成されている駆動軸と、 前記カムの外周側に設けられ、前記駆動軸の回転にとも
    なって自転することなく公転し、前記駆動軸から前記プ
    ランジャへ駆動力を伝達するカムリングと、 前記駆動軸と前記カムリングとの間に設けられているブ
    ッシュとを備え、 前記ブッシュは、内周側に前記カムの外壁面と摺動する
    第一摺動面を有し、前記第一摺動面は軸方向の両端部か
    ら中央部へかけて前記ブッシュの径方向内側へ突出して
    形成され、 前記カムは、外周側に前記第一摺動面と摺動する第二摺
    動面を有し、前記第二摺動面は軸方向の両端部から軸方
    向の中央部へかけて前記カムの径方向外側へ突出して形
    成されていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記第一摺動面および前記第二摺動面
    は、曲面状に形成されていることを特徴とする請求項5
    記載の燃料噴射ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記第一摺動面および前記第二摺動面の
    突出量tは、それぞれ0mm<t≦0.01mmである
    ことを特徴とする請求項5または6記載の燃料噴射ポン
    プ。
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