JP2003181598A - 鋳造装置 - Google Patents

鋳造装置

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JP2003181598A
JP2003181598A JP2001377616A JP2001377616A JP2003181598A JP 2003181598 A JP2003181598 A JP 2003181598A JP 2001377616 A JP2001377616 A JP 2001377616A JP 2001377616 A JP2001377616 A JP 2001377616A JP 2003181598 A JP2003181598 A JP 2003181598A
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core
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casting
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JP2001377616A
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Takeshi Yonezawa
毅 米澤
Masami Ishihara
雅己 石原
Kazunori Ohira
一則 大平
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の気密性を有する大型の鋳造物品を工業
的に安定して製造することが可能な鋳造装置を提供する
こと。 【解決手段】 砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂から形
成された中子2内に埋設された通気性の脱気用パイプ3
と、中子2内の上記有機樹脂の分解ガスを排気する真空
ポンプ4とを連結パイプ42により接続する。あるいは
上記脱気用パイプ3の一端を外型1の外で開口させ、外
型1の外で脱気用パイプの開口端と真空ポンプ4とを連
結パイプ42により接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造装置に関し、
特に大型の鋳造物品の製造に好適な鋳造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鋳造物品は、周知の通り、外型と中子と
から構成された鋳型における上記外型と中子の間に所望
の形状に形成された空間に溶湯を注入して製造される。
上記外型と中子のうち、少なくとも中子は、砂結合用の
有機樹脂を含む鋳物砂から形成されており、鋳造時に注
入された溶湯に直接接触して加熱されるので、この加熱
により上記有機樹脂は熱分解して多量の分解ガスを発生
する。かかる分解ガスは、鋳造物品の品質に悪影響を及
ぼすので、従来から鋳造中に排気除去されてきている
が、近時における鋳造物品に対する諸要求に応えるべ
く、斯界では上記排気除去を一層効果的に行うために種
々の技術提案がなされてきている。
【0003】図3は、特開昭56−134041号公報
に開示された鋳造装置の概略断面図であって、1は外
型、2は中子、3は脱気用パイプ、4は真空ポンプ、4
1は短尺の排気パイプ、5は溶湯あるいは鋳造体、6は
鋳造装置の支持台である。鋳造体5は、鋳造後に必要に
応じて適当な加工が施され、製品検査を経て鋳造物品と
して出荷される。図3において、外型1は、一対の半割
型11a、11bからなる。半割型11aは、砂結合用
の有機樹脂を含む鋳物砂から形成された半割型本体12
a、金属製鋳枠13a、幅木部14aから構成されてお
り、注湯口15および湯口16を有する。17は、複数
の押湯である。半割型11bは、砂結合用の有機樹脂を
含む鋳物砂から形成された半割型本体12b、金属製鋳
枠13b、幅木部14bから構成されている。18は半
割型11a、11bの固定金具、19は半割型11a、
11bの合わせ面である。中子2は、半割型本体12
a、12bを形成する上記の鋳物砂と同じもので形成さ
れている、脱気用パイプ3は、そのパイプ壁に複数の通
気孔(図示せず)を有し、中子2の内部の略中央に埋設
されている。
【0004】鋳造物品の製造に際しては、支持台6上
で、半割型11a、11b、および中子2が図3の通り
に組み立てられ、固定金具18により半割型11a、1
1bが固定される。ついで溶湯は、注湯口15から湯口
16を経由して上記両半割型と中子2との間の間隙に供
給され、その後冷却され、外型1と中子2が解体されて
鋳造体5が取り出される。外型1並びに中子2を形成す
る上記鋳物砂は、砂粒子間に空間が残存した多孔質、換
言すると通気性であるので、上記の分解ガスは、注湯並
びに注湯後の冷却の間、真空ポンプ4を絶えず稼動させ
て鋳物砂の上記通気性を利用して、半割型11bの金属
製鋳枠13bを貫通して設けられた短尺の排気パイプ4
1を介して真空ポンプ4により外型1の外に排気され
る。
【0005】特開昭61−259855号公報、特開昭
64−40165号公報、特開昭64−75141号公
報などには、前記特開昭56−134041号公報とは
異なる排気技術を備えた鋳造装置あるいは鋳造方法が開
示されているが、いずれの技術でも、鋳造中の外型およ
び中子内の排気は、鋳物砂の多孔質性を利用してなされ
る。換言すると、それら従来技術における脱気用パイプ
と真空ポンプの間を連通する排気路は、鋳物砂の層であ
る。
【0006】ところで前記した種々の従来技術は、通常
の鋳造物品の製造には工業的に有用であるが、GISに
使用される大型のパイプやタンクの製造には、以下に説
明する通りの重大な問題を孕んでいる。
【0007】即ち、外型は鋳物砂を使用しない金型のも
のもあるが、中子は一般的に鋳物砂製である。よって上
記したような大型鋳造物品の製造には、当然ながら多量
の鋳物砂からなる大型の中子が使用され、しかしてそれ
に含まれている砂結合用の有機樹脂も多量である。当該
有機樹脂は、鋳造時の溶湯の高温にて分解して大量の分
解ガスを発生する。加えて中子の大型の故に、分解ガス
は、その発生個所から脱気用パイプに至る行程が長く
て、通過すべき鋳物砂層の厚みが大きいために分解ガス
の移動抵抗が大きく、この結果、真空ポンプとして大排
気容量のものが必要となり、あるいは大排気容量の真空
ポンプを用いても排気が不十分となる。その場合、分解
ガスの一部は溶湯中に入り込んでブローホール、ピンホ
ール、ガス溜まりなどを形成し、かかる構造欠陥要因の
ために製造された鋳造物品には鋳肌荒れ、外観不良など
が生じ、場合によって鋳造物品の壁を貫通する亀裂が生
じて気密性が損なわれることもある。
【0008】一方、GIS用の大型鋳造物品には、圧力
容器に要求される耐圧力強度は勿論のこと、高度の気密
性が要求される。その理由は、GISにはタンクやパイ
プなどの種々の形状、構造の大型鋳造物品が多数配設さ
れており、それらが互いに高圧の電気絶縁ガスを充填し
た状態で連通されているので、多数のうちの只の一つに
でも気密不良が存在すると、そこからのガスリークによ
り系全体のガス圧低下に繋がるためである。
【0009】従来技術で製造された鋳造物品は、通常の
水圧試験には合格しても後記するガスリーク試験では、
前記した貫通亀裂の発生により常に数%程度の不合格品
が生じる問題がある。また一般的に、GIS用の大型鋳
造物品は受注生産される。その生産においては、鋳型の
設計と組立て、鋳込、鋳造物の熱処理、バリ取り、およ
び機械加工の工程を経て鋳造物品を得、最後に水圧試験
およびガスリーク試験を行って合格品が出荷されるが、
受注から出荷までにかなりの期間を要する。ガスリーク
試験において不合格品が出ると、その分の、日時を要す
る追加生産が必要となる問題があり、一方、数%程度の
不合格品の発生を予め見込んで余分に生産することは鋳
造物品のコストアップとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記事情に鑑みて、高度の気密性を有する大型の
鋳造物品を工業的に安定して製造することが可能な鋳造
装置を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
鋳造装置は、外型と砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂か
ら形成された中子とを有する外型、上記中子中に埋設さ
れると共にパイプ壁に複数の通気孔を有する脱気用パイ
プ、上記脱気用パイプ内の気体を上記外型の外に排気す
る排気装置を備えた鋳造装置であって、上記脱気用パイ
プと上記排気装置とを接続する連結パイプを備えたこと
を特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項2に係る鋳造装置は、上記
請求項1において、上記脱気用パイプの一端は、上記中
子を支持する幅木部において上記連結パイプと接続され
たことを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項3に係る鋳造装置は、外型
と砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂から形成された中子
とを有する外型、上記中子中に埋設されると共にパイプ
壁に複数の通気孔を有する脱気用パイプ、上記脱気用パ
イプ内の気体を上記外型の外に排気する排気装置を備え
た鋳造装置であって、上記脱気用パイプの一端は、上記
外型の外で開口しており、且つ上記一端には上記排気装
置に繋がる連結パイプが接続されたことを特徴とするも
のである。
【0014】本発明の請求項4に係る鋳造装置は、上記
請求項1または請求項3において、上記外型は、砂結合
用の有機樹脂を含む鋳物砂から形成されたことを特徴と
するものである。
【0015】本発明の請求項5に係る鋳造装置は、上記
請求項1または請求項3において、上記外型は、金型で
あることを特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項6に係る鋳造装置は、上記
請求項1または請求項3において、上記脱気用パイプ
は、上記通気孔の目詰まりを防止するための通気性材を
備えたことを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項7に係る鋳造装置は、上記
請求項1または請求項3において、上記脱気用パイプ
は、その表面に鋳造後における上記中子のばらしを容易
にする凸部を有することを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項8に係る鋳造装置は、上記
請求項1または請求項3において、内径が少なくとも2
00mm、長さが少なくとも800mmの鋳造物品を製
造するためのものであることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下において、前記従来技術を説
明する図3にて表示された部位に対応する部位に就いて
は同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0020】実施の形態1.図1は、本発明の鋳造装置
における実施の形態1の断面図であって、42は連結パ
イプ、43は連結パイプ42を設置するために半割型本
体12a中に設けられた孔、31は脱気用パイプ3のパ
イプ壁に複数設けられた通気孔、4は本発明における前
記排気装置の一例としての真空ポンプである。中子2中
に埋設された脱気用パイプ3の一端は、幅木部14a、
14bにおいて連結パイプ42の一端と直結され、連結
パイプ42の他端は外型1の外で真空ポンプ4と直結さ
れている。しかして実施の形態1は、図3の従来技術と
は主として連結パイプ42が設られた点において根本的
に異なる。
【0021】実施の形態1の鋳造装置を組み立てる際、
支持台6上に設置された半割型11bの幅木部14b上
に中子2が置かれ、中子2から突き出た脱気用パイプ3
の先端部に連結パイプ42の一端が直結される。ついで
半割型11aは半割型11bおよび中子2の上に被せら
れるが、その際に半割型11aに設けられた孔43に連
結パイプ42を挿通しておく。この挿通を容易にするた
めに連結パイプ42としては、クロロプレンゴム、アク
リロニトリルブタジエンゴムなどの耐熱性を有する合成
ゴムのパイプ、金属製ベローズパイプなどの耐熱性の可
撓性パイプが好ましい。さらに孔43としても、連結パ
イプ42を挿通し易いように連結パイプ42の外径より
も大きい内径を有するものが好ましい。その場合、連結
パイプ42の挿通が容易となる他に、後記する通り、孔
43の内壁と連結パイプ42の外壁との間の間隙が脱気
路として機能する利点がある。
【0022】半割型本体12a、12bおよび中子2を
形成する鋳物砂に用いられる砂結合用の有機樹脂として
は、斯界で周知あるいは実用されているものを制限なく
用いることができる。かかる有機樹脂としては、例え
ば、フラン樹脂、アルカリフェノール樹脂などである。
【0023】脱気用パイプ3は、高温下で外型1および
中子2内のガスをその通気孔31を通じて当該パイプ内
に効果的に移行させる機能をなすものであるので、耐熱
性金属やセラミックスなどの耐熱性非金属にて形成され
たものが好ましい。また、脱気用パイプ3の通気孔31
は、それが鋳物砂などによって目詰りすると、後記する
ように鋳造時において脱気用パイプ3内を真空ポンプ4
にて十分な負圧に保持するために連結パイプ42を設け
る意味がなくなるので、目詰りすることがないように、
脱気用パイプ3としては、その外壁上に目詰まり防止用
の通気性材、例えば金属製網、ガラス布、セラミック繊
維布、あるいはその他の耐熱性布が巻かれたものが好ま
しい。
【0024】連結パイプ42が孔43に挿通された状態
で、半割型11aが半割型11bおよび中子2の上に被
せられるが、その場合、脱気用パイプ3と連結パイプ4
2との接続個所は、幅木部14a、14b間に挟持され
た状態とされる。ついで半割型11a、11bは固定金
具18にて固定され、孔43から露出した連結パイプ4
2の露出部の端部は真空ポンプ4の吸引口に接続され
る。
【0025】つぎに実施の形態1の動作に就いて、鋳造
体5あるいは鋳造物品がアルミニウム鋳造タンクである
場合を例にとって説明する。上記タンクの構成材料たる
アルミニウム合金の溶湯は、上記の通りに組み立てられ
た鋳造装置の注湯口15から注湯され、湯口16を経由
して外型1と中子2との間に供給される。ついで、溶湯
の冷却後に外型1と中子2が解体され、アルミニウム鋳
造タンクが取り出され、湯口16および押湯17が切断
される。
【0026】上記溶湯の供給により半割型本体12a、
12bおよび中子2を形成する鋳物砂中の有機樹脂は、
アルミニウム合金溶湯の高温度で加熱されて分解ガスを
発生するので、上記溶湯の注湯時から注湯された溶湯が
十分冷却するまでの間は、真空ポンプ4が稼動される。
その際、真空ポンプ4と脱気用パイプ3とは、従来技術
における通気路としての鋳物砂と異なって、それよりも
ガス流動抵抗が格段に小さい連結パイプ42を介して接
続されている。よって脱気用パイプ3内は、真空ポンプ
4が稼動している間は、常に十分な負圧に保持され、し
かして外型1および中子2内の各所におけるガス圧と脱
気用パイプ3内のガス圧との間に大きな圧力差が生じ
る。外型1および中子2内に存在する有機樹脂の分解ガ
スは、この大きな圧力差により、脱気用パイプ3の通気
孔31から当該脱気用パイプ内に移行し、ついで外型1
の外、即ち鋳型の外に排出される。上記排気の間、一部
のガスは、半割型11aに設けられた孔43の内壁と連
結パイプ42の外壁との間の間隙からも外に排出され
る。
【0027】連結パイプ42を設けることによる外型1
および中子2内と脱気用パイプ3内との間の大きな圧力
差に基づく別の効果として、鋳物砂などに含まれている
水分が気化されて分解ガスと一緒に排気除去されること
がある。以上により製造されたアルミニウム鋳造タンク
は、ついでそのフランジ面などに機械加工が施され、耐
圧力試験およびガスリーク試験を経由して製品として出
荷される。
【0028】実施の形態2.図2は、本発明の鋳造装置
における実施の形態2の断面図であって、1は一対の金
属製の半割型11a、11bからなる外型、2は砂結合
用の有機樹脂を含む鋳物砂から形成された中子、3は脱
気用パイプ、7aは、半割型11aを駆動するための駆
動装置、7bは半割型11bを駆動するための駆動装
置、8は溶湯供給装置である。
【0029】中子2の上端21は、半割型11a、11
bの間において大気中に露出している。また脱気用パイ
プ3は、その大部分は中子2の内部の略中央に埋設され
ているが、その上端部は中子2の上端21から大気中に
露出して連結パイプ42に接続されており、連結パイプ
42は真空ポンプ4の吸引口に接続されている。溶湯供
給装置8は、箱状の支持台6の内部に設置されており、
溶湯81を収容した低圧鋳造用のルツボ82、溶湯81
上の低圧加圧部83、加熱装置84、溶湯輸送パイプ8
5、台車86、保温壁87、および保温蓋88から構成
されている。外型1および中子2は、図示する通り、支
持台6の上で半割型11a、11bが互いに左右に位置
するように設置されており、脱気用パイプ3は中子2内
で上下方向に延在して設置されている。
【0030】実施の形態2の鋳造装置の組み立てにおい
ては、図示する通り、支持台6の上で中子2を中央に
し、駆動装置7a、7bを駆動して中子2の両側に半割
型11a、11bが固定される。ついで脱気用パイプ3
が連結パイプ42を介して真空ポンプ4に接続され、溶
湯輸送パイプ84が注湯口15に接続される。
【0031】つぎに実施の形態2の動作に就いて、鋳造
体5がアルミニウム鋳造タンクである場合を例にとって
説明する。アルミニウム合金の溶湯81は、低圧加圧部
83により加圧され押し上げられて溶湯輸送パイプ8
5、注湯口15、および湯口16を順次通過して外型1
と中子2との間の空間に供給される。溶湯の冷却後に外
型1と中子2が解体され、アルミニウム鋳造タンクが取
り出され、湯口16および押湯17が切断される。上記
溶湯の注湯時から注湯された溶湯が十分冷却するまでの
間は、実施の形態1の場合と同様に真空ポンプ4が稼動
され、中子2内に存在する有機樹脂の分解ガスや水分が
外型1の外に除去される。以上により製造されたアルミ
ニウム鋳造タンクは、ついでそのフランジ面などに機械
加工が施され、耐圧力試験およびガスリーク試験を経由
して製品として出荷される。
【0032】つぎに、本発明の作用を実際例に基づいて
説明する。脱気用パイプ3として一端をプラグにて詮を
した長さ1500mmの孔明きSUS管上にSUS製金
網を巻付けたものを用いてその2本を中子の上部に埋設
し、連結パイプ42としてエア用のクロロプレン製ホー
スを、また真空ポンプ4として排気容量7000リット
ル/分の油回転式のものをそれぞれ用い、実施の形態1
および実施の形態2の鋳造装置により直径約800m
m、長さ約1000mmの同形のGIS用アルミニウム
鋳造タンクをそれぞれ500個ずつ製造した。比較のた
めに、連結パイプ42を用いずに従来技術により上記と
同形のGIS用のアルミニウム鋳造タンク同じタンクを
96個製造した。実施の形態1および実施の形態2の鋳
造装置により製造されたアルミニウム鋳造タンクは、そ
れらのいずれの表面も平滑であったが、従来技術により
製造されたもののいずれの表面も残留空泡に基づく痘痕
状の多数の凹凸が生じていた。
【0033】それらアルミニウム鋳造タンクに就いて、
ガスリーク試験(ゲージ圧1.3barのSF6ガスの
加圧下で2時間保持)および水圧試験(ゲージ圧1.6
barの加圧下で10分間保持)を行ったところ、実施
の形態1および実施の形態2の鋳造装置により製造され
たものは、上記2試験の両方に全数合格した。一方、従
来技術により製造されたものは、上記水圧試験には全数
合格したが、ガスリーク試験で2個の不良が生じた。し
かも、ガスリーク試験に合格したアルミニウム鋳造タン
ク品について顕微鏡検査をしたところ、タンク壁に亀裂
の発生が見られた。
【0034】以上の結果から、本発明における脱気作用
の鋳造物品の性能に及ぼす優れた効果が確認された。な
おその後、本発明により上記と類似形状のタンクを10
00個以上製造し、上記水圧試験とガスリーク試験を行
なってきたが、いずれの試験においても不良が発生して
おらず、本発明の効果が再確認されている。本発明は、
以上説明した通り、高品質の鋳造物品の製造が可能であ
って、とりわけGIS用などの高品質にして大型の、例
えば内径が少なくとも200mm、長さが少なくとも8
00mmの鋳造物品の製造に好適である。
【0035】本発明は、前記した実施の形態1〜2に限
定されるものではなく、本発明の課題並びに解決手段の
精神に沿った種々の変形形態を包含する。例えば、鋳造
物品の構成金属は、アルミニウム合金以外に、銅合金、
マグネシュウム合金、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス合金、ニ
ッケル合金あるいはその他であってもよい。実施の形態
1で使用された外型は金型であってもよく、逆に実施の
形態2で使用された外型は鋳物砂製であってもよい。ま
た実施の形態2で使用の左右分割の金型以外にも、上下
分割型、ダービル鋳造方式の金型などであってもよい。
【0036】大型の鋳造物品の製造には、大型の中子が
必要となるが、鋳造後の外型および中子の解体作業にお
いては、就中、大型中子のばらしに意外と時間と労力を
要する。このばらし作業を容易にするために、脱気用パ
イプとしてその表面に凸部を設けたものを用いるとよ
い。それを中子から強制的に引き抜くことにより、上記
凸部によるに引っかき作用にて中子は機械的に崩壊し、
ばらし作業が簡単になる。よって脱気用パイプの表面に
設けられる上記凸部としては、上記引っかき作用をなす
形状のものであればよく、例えば複数の突起、ひだ、な
どが例示される。なお脱気用パイプとして、その複数本
を用いることも大型中子のばらしに有利である。
【0037】中子から突出した脱気用パイプ部分に適当
な吊手や取っ手を取り付けると、中子、特に大型の中子
の取り扱いが容易となる。中子は、実施の形態1〜2で
は一体形状のものが例示されたが、複数個に分かれたも
のであってもよく、その場合には個々の中子に脱気用パ
イプを設け、複数個の脱気用パイプのそれぞれに連結パ
イプを接続してもよく、あるいは一本の連結パイプと複
数個の脱気用パイプとを蛸足配線的に接続してもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る鋳造装置は、以
上説明した通り、外型と砂結合用の有機樹脂を含む鋳物
砂から形成された中子とを有する鋳型、上記中子中に埋
設されると共にパイプ壁に複数の通気孔を有する脱気用
パイプ、上記脱気用パイプ内の気体を上記鋳型の外に排
気する排気装置を備えた鋳造装置であって、上記脱気用
パイプと上記排気装置とを接続する連結パイプを備えた
ものであり、例えば上記脱気用パイプの一端は、上記中
子を支持する幅木部において上記連結パイプと接続され
たものである。その場合、真空ポンプと脱気用パイプと
は、従来技術における通気路としての鋳物砂と異なっ
て、それよりもガス流動抵抗が格段に小さい連結パイプ
を介して接続されるので、鋳造中に発生する有機樹脂の
分解ガスは効率よく外型の外に排出される。この結果、
従来技術では製造困難であったGISに使用可能な高品
質の大型鋳造物品、特に内径が少なくとも200mm、
長さが少なくとも800mmの鋳造物品、の製造が工業
的に可能となった。
【0039】本発明の請求項3に係る鋳造装置は、以上
説明した通り、外型と砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂
から形成された中子とを有する鋳型、上記中子中に埋設
されると共にパイプ壁に複数の通気孔を有する脱気用パ
イプ、上記脱気用パイプ内の気体を上記鋳型の外に排気
する排気装置を備えた鋳造装置であって、上記脱気用パ
イプの一端は、上記鋳型の外で開口して且つ上記一端に
は排気装置に繋がる連結パイプが接続されたものである
ので、前記請求項1の発明と同様に、鋳造中に発生する
分解ガスの排出が効率よくなされて高品質の大型鋳造物
品の製造可能である他に、脱気用パイプの一端が外型の
外で開口しているので連結パイプとの接続が容易である
効果もある。
【0040】また請求項1または請求項3の発明におけ
る外型は、砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂から形成さ
れたものや金型であると、本発明における外型設計の自
由度が大きくなる。
【0041】また上記脱気用パイプは、上記通気孔の目
詰まりを防止するための通気性材を備えていると、連結
パイプを用いることの意義が一層活かされて鋳造作業の
安定性が向上する。
【0042】また上記脱気用パイプは、その表面に鋳造
後における上記中子のばらしを容易にする凸部を有する
と、中子、就中大型の中子のばらしが容易となるので大
型鋳造物品の製造に好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鋳造装置における実施の形態1の断
面図。
【図2】 本発明の鋳造装置における実施の形態2の断
面図。
【図3】 従来の鋳造装置の断面図。
【符号の説明】
1 外型、11a、11b 一対の半割型、14a、1
4b 幅木部、15 注湯口、16 湯口、18 固定
金具、2 中子、3 脱気用パイプ、31 通気孔、4
真空ポンプ、42 連結パイプ、43 孔、5 鋳造
体、6 鋳造装置の支持台、7a、7b 駆動装置、8
溶湯供給装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大平 一則 兵庫県神戸市北区長尾町宅原57番地 菱三 工業株式会社内 Fターム(参考) 4E093 KB02 KB04 QA01 QD10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外型と砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂
    から形成された中子とを有する鋳型、上記中子中に埋設
    されると共にパイプ壁に複数の通気孔を有する脱気用パ
    イプ、上記脱気用パイプ内の気体を上記鋳型の外に排気
    する排気装置を備えた鋳造装置であって、上記脱気用パ
    イプと上記排気装置とを接続する連結パイプを備えたこ
    とを特徴とする鋳造装置。
  2. 【請求項2】 上記脱気用パイプの一端は、上記中子を
    支持する幅木部において上記連結パイプと接続されたこ
    とを特徴とする請求項1項記載の鋳造装置。
  3. 【請求項3】 外型と砂結合用の有機樹脂を含む鋳物砂
    から形成された中子とを有する鋳型、上記中子中に埋設
    されると共にパイプ壁に複数の通気孔を有する脱気用パ
    イプ、上記脱気用パイプ内の気体を上記鋳型の外に排気
    する排気装置を備えた鋳造装置であって、上記脱気用パ
    イプの一端は、上記鋳型の外で開口して且つ上記一端に
    は排気装置に繋がる連結パイプが接続されたことを特徴
    とする鋳造装置。
  4. 【請求項4】 上記外型は、砂結合用の有機樹脂を含む
    鋳物砂から形成されたことを特徴とする請求項1または
    請求項3記載の鋳造装置。
  5. 【請求項5】 上記外型は、金型であることを特徴とす
    る請求項1または請求項3記載の鋳造装置。
  6. 【請求項6】 上記脱気用パイプは、上記通気孔の目詰
    まりを防止するための通気性材を備えたことを特徴とす
    る請求項1または請求項3記載の鋳造装置。
  7. 【請求項7】 上記脱気用パイプは、その表面に鋳造後
    における上記中子のばらしを容易にする凸部を有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項3記載の鋳造装
    置。
  8. 【請求項8】 内径が少なくとも200mm、長さが少
    なくとも800mmの鋳造物品を製造するためのもので
    あることを特徴とする請求項1または請求項3記載の鋳
    造装置。
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