JP2003163111A - マグネットローラ及びその製造方法 - Google Patents

マグネットローラ及びその製造方法

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JP2003163111A
JP2003163111A JP2001362818A JP2001362818A JP2003163111A JP 2003163111 A JP2003163111 A JP 2003163111A JP 2001362818 A JP2001362818 A JP 2001362818A JP 2001362818 A JP2001362818 A JP 2001362818A JP 2003163111 A JP2003163111 A JP 2003163111A
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magnet roller
magnet
groove
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roller main
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JP2001362818A
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Makoto Nakamura
誠 中村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯金と、中心孔内に芯金を圧入したパイプ形
状のマグネットローラ本体と、マグネットローラ本体の
外周面に形成した溝部内に希土類磁石からなるマグネッ
トピースを接着固定することによって一部分の磁気特性
を高くしたマグネットローラにおいて、貼り付け精度の
バラツキによる磁気特性の安定性の低下、或いは、マグ
ネットピースを貼り付けるマグネットローラ本体側の加
工が複雑になるためコストが高くなるという欠点を解決
した。 【解決手段】 外周面に軸方向へ延びる少なくとも一つ
の溝部23を有するパイプ状のマグネットローラ本体2
2と、該マグネットローラ本体の中心孔22a内に挿入
される芯金35と、該溝部内に嵌合されて接着固定され
るマグネットピース30と、を備えたマグネットローラ
21において、マグネットローラ本体の一部に、芯金ま
で達する亀裂部26を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真式画像形成装置に装備さ
れる現像装置に用いる現像ローラの改良に関し、詳しく
は、トナー及び磁性粒子からなる二成分現像剤を用いて
像担持体に形成された潜像を現像する現像装置に使用す
る現像ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置において使用さ
れる2成分現像装置は、キャリアと磁性トナーとからな
る現像剤を用いて像担持体(感光体)上の静電潜像を現
像し、この現像像(トナー像)を転写紙上に転写、定着
することによって画像を形成している。現像装置は、像
担持体に対して対向配置した現像ローラを備え、現像ロ
ーラは固定された永久磁石から成るマグネットローラ
と、その外周に回転自在に配置された非磁材料からなる
現像スリーブとを備えている。マグネットローラの周面
には所定の周方向配置にて軸方向へ延在する複数個の磁
極を設ける。そして、マグネットローラの磁気吸引力に
よって現像スリーブの外周面に吸引保持した現像剤を像
担持体との対向部に搬送することによって、像担持体上
の静電潜像上に静電的にトナーを付着させて現像を行
う。現像装置に使用する現像ローラのマグネットローラ
に求められる主極の磁気特性は、磁束密度が高く、且つ
半値幅が狭い、という点に特徴がある。現像スリーブ上
の現像磁極の半値幅が広くなると、画像上で後端カスレ
等、画質の劣化が起こり、磁束密度が低くなると像担持
体にキャリアが飛散する、いわゆるキャリア付着を起こ
すことが知られている。従来は上記の理想的な特性を備
えた現像ローラを提供するために、マグネットローラの
主極及び隣接する磁極を構成する手段(マグネットピー
ス)として、磁気特性の高い希土類磁石を用いることが
多かった。従来の現像ローラに使用するマグネットロー
ラ1としては、図5(a)(b)の各断面図に夫々示す
ように、芯金2の外周に固定したパイプ形状のフェライ
トマグネットローラ本体3の外周面に軸方向に沿って四
角柱状のマグネットピース4を貼り付けたものが一般的
である。図5(a)のタイプは、マグネットローラ本体
3の周面(特定の磁極、若しくはその近傍)にマグネッ
トピース4を埋め込んで接着した構成を備え、図5
(b)のタイプはマグネットローラ本体3の周面の一部
を切除した平坦面にマグネットピース4を埋め込んで接
着した構成を備えている。マグネットピースは、現像位
置に配置されることによって、現像位置における現像磁
極の磁束密度を大きくする役割を果たす。しかしなが
ら、このようにマグネットピース4を接着によって貼り
付けた構造のマグネットローラにあっては、貼り付け精
度のバラツキによる磁気特性の安定性の低下、或いは、
マグネットピース4を貼り付けるマグネットローラ本体
3側の加工が複雑になるためコストが高くなる等、とい
った問題がある。また、マグネットローラ本体の外周面
に溝部を形成することによって、中心孔との間が薄肉と
なるため、中心孔内に芯金2を挿入したときに、溝部の
底部に亀裂部5が形成され易くなり、亀裂の形状、深
さ、位置が一定しないために、亀裂部5が磁気特性を変
動させる要因となっている。
【0003】このような従来例として、例えば、特許第
2545601号の「マグネットロール」(日立金属
(株))には、フェライト磁石系材料からなり、円筒形
状に形成したマグネットロールの特定の磁極若しくはそ
の近傍に設けられた溝内に、等方性のR−Fe−B系磁
性粉と結合材料から成る材料によって形成した希土類磁
石片を貼り付け固定したマグネットロールが開示されて
いる。また、特開昭54−58898号公報「異方性磁
石を埋設したマグネットロール」(日立金属(株))に
は、柱状体(マグローラ)の外周面から内周面に対する
溝を形成し、この溝内に異方性磁石ユニットを埋設した
マグネットロールが開示されている。しかし、これらの
従来例はいずれも上記の如き欠点を備えている。また、
図6(a)及び(b)は、夫々他の従来例に係る現像ロ
ーラに使用されるマグネットローラの構成を示す断面図
であり、図6(a)のマグネットローラは、パイプ形状
のマグネットローラ本体11を、ホルダ11aと、AL
ホルダ11bと、から構成し、ホルダ11aの外周の溝
内にはフェライト磁石から成るマグネットピースを埋設
した上で接着固定し、ALホルダ11bの外周の溝内に
は希土類磁石から成るマグネットピース13を埋設した
上で接着固定している。また、図6(b)のマグネット
ローラは、パイプ形状のマグネットローラ本体15を、
フェライト磁石から成るホルダ15aと、非磁性体から
成るホルダ15bと、から構成し、ホルダ15bの外周
の溝内に希土類磁石から成るマグネットピース16を埋
設した上で接着固定している。しかし、図6に示した各
従来例においても、マグネットローラ本体の溝内にマグ
ネットピースを接着したときの貼り付け精度のバラツキ
による磁気特性の安定性の低下、マグネットローラ本体
側の加工が複雑になるためのコストアップ等、といった
問題が存する。また、マグネットローラ本体の外周面に
溝部を形成することに起因して芯金挿入時に溝部の底部
に不規則形状の亀裂が発生し、この亀裂によって磁気特
性が変動し易くなる、という同様な問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
なされたものであり、芯金と、中心孔内に芯金を圧入し
たパイプ形状のマグネットローラ本体と、マグネットロ
ーラ本体の外周面に形成した溝部内に希土類磁石からな
るマグネットピースを接着固定することによって一部分
の磁気特性を高くしたマグネットローラにおいて、貼り
付け精度のバラツキによる磁気特性の安定性の低下、或
いは、マグネットピースを貼り付けるマグネットローラ
本体側の加工が複雑になるためコストが高くなるという
欠点を解決したマグネットローラ及びその製造方法を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、外周面に軸方向へ延びる少なく
とも一つの溝部を有するパイプ状のマグネットローラ本
体と、該マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される
芯金と、該溝部内に嵌合されて接着固定されるマグネッ
トピースと、を備えたマグネットローラにおいて、前記
マグネットローラ本体の一部に、前記芯金まで達する亀
裂部を設けたことを特徴とする。これによれば、パイプ
状に形成されたマグネットローラ本体の中心孔内に、芯
金を挿入したマグネットローラにおいて、マグネットロ
ーラ本体の一部が芯金まで貫通する亀裂部を有すること
により、接着剤を芯金とマグネットローラの界面へ誘導
することができる。請求項2の発明によれば、前記亀裂
部は、前記マグネットローラ本体の溝部の内底部に形成
されていることを特徴とする。これによれば、亀裂部は
マグネットローラの溝部の底部に形成する方が、薄肉部
のため容易であり、亀裂長さが短くなるため、安定した
亀裂が誘導できる。請求項3の発明は、外周面に軸方向
へ延びる少なくとも一つの溝部を有するパイプ状のマグ
ネットローラ本体と、該マグネットローラ本体の中心孔
内に挿入される芯金と、該溝部内に嵌合されて接着固定
されるマグネットピースと、を備えたマグネットローラ
において、前記マグネットローラ本体の溝部の内底部に
凹所を設けることによって、薄肉部を設けたことを特徴
とする。これによれば、マグネットローラの溝部に1箇
所以上のマグネットの薄肉部を設けることにより、亀裂
長さを最短にして、安定した亀裂を誘導形成できる。
【0006】請求項4の発明は、前記亀裂部が形成され
る部分を、マグネットローラ本体の周方向磁束密度が最
大となる部分に配置したことを特徴とする。これによれ
ば、亀裂部が形成される部分がマグネットローラ中の周
方向磁束密度において最大部であることにより、生じた
亀裂部が磁気特性へ影響しない。また、マグネットピー
スの磁気特性によって影響が消されることとなる。請求
項5の発明は、外周面に軸方向へ延びる少なくとも一つ
の溝部を有するパイプ状のマグネットローラ本体と、該
マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金と、
該溝部内に嵌合されて接着固定されるマグネットピース
と、前記溝部と前記中心孔との間に位置する薄肉部と、
を備えたマグネットローラの製造方法であって、前記マ
グネットローラ本体の中心孔内に前記芯金を挿入する際
に前記薄肉部に芯金まで達する亀裂部を形成する工程
と、該亀裂部内に接着剤を充填する工程と、該溝部内に
マグネットピースを嵌合して接着固定するか、若しくは
該溝部内に磁性粉を充填する工程と、から成ることを特
徴とする。これによれば、芯金挿入時に芯金まで亀裂を
誘導した部分に接着剤を塗布した後、溝部にマグネット
ブロックを貼り付ける、若しくは、磁性粉を充填するこ
とにより、芯金とマグネットローラ間、マグネットロー
ラとマグネットブロックもしくは、磁性粉間を強固に接
着することができる。請求項6の発明は、外周面に軸方
向へ延びる少なくとも一つの溝部を有するパイプ状のマ
グネットローラ本体と、該マグネットローラ本体の中心
孔内に挿入される芯金と、該溝部内に嵌合されて接着固
定されるマグネットピースと、前記溝部と前記中心孔と
の間に位置する薄肉部と、を備えたマグネットローラの
製造方法であって、前記マグネットローラ本体の中心孔
内に前記芯金を挿入する際に前記薄肉部に芯金まで達す
る亀裂部を形成する工程、を備えたことを特徴とする。
これによれば、芯金挿入時に溝部の一部に芯金まで貫通
する亀裂を生じさせることにより、接着剤を芯金とマグ
ネットローラの界面へ誘導することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態により詳細に説明する。図1(a)及び(b)は
本発明の一実施形態に係るマグネットローラの構成を示
す斜視図、及びマグネットローラ本体の断面図である。
このマグネットローラ21は、電子写真式画像形成装置
に使用される二成分式現像装置に装備される現像ローラ
を構成する部品であり、このマグネットローラ21の外
周面には非磁性材料からなる現像スリーブを回転自在に
配置することによって、現像スリーブ外周面のうち像担
持体(感光体)と対面する部分にトナーを磁気ブラシ状
に形成し、像担持体上の静電潜像を現像する。このマグ
ネットローラ21は、ブラスチックマグネット材料、或
いはゴムマグネット材料から成るパイプ形状のマグネッ
トローラ本体(以下、ローラ本体、という)22と、ロ
ーラ本体22の外周面に形成した軸方向へ延びる溝部2
3内に接着等の方法によって埋設固定されるマグネット
ピース30と、ローラ本体22の中心孔22aに挿入
(圧入)固定した芯金35と、を備えている。本発明の
特徴的な構成は、ローラ本体22に設けた溝部23と中
心孔22a(芯金35)との間に薄肉部25を設けた構
成にある。具体的には、溝部23の内底部に種々の形態
の凹所24を予め形成しておくことによって、凹所24
の内径側端部と中心孔22aとの間に薄肉部25を形成
したものである。
【0008】ところで、パイプ状のローラ本体22は主
極以外の磁気特性を形成する部分であり、材料としては
磁性粉に高分子化合物を混合したプラスチックマグネッ
トもしくはゴムマグネット材料を用いることが多い。磁
性粉としてはSrフェライト、若しくはBaフェライト
を用い、高分子化合物としては6ナイロンもしくは12
ナイロン等のナイロン系材料、EEA(エチレン・エチ
ルアクリレート共重合体)、EVA(エチレン・ビニル
共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリ
エチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料を使用
できる。このローラ本体22の製造方法としては、磁気
特性の安定化、製造工程の簡略化を図る観点からは、ピ
ース成形を行った後に貼り合せる方法よりも、パイプ状
のマグネットローラ本体22の外周面にマグネットピー
ス30を埋め込む溝部23を形成し、溝部23内にマグ
ネットピース30を貼り合せる方法がより望ましい。こ
のような形状を備えたローラ本体22を製造する場合、
プラスチックマグネットもしくはゴムマグネット材料を
押出し成形等によって、表面に溝部を有するパイプ状に
成形し、その後、中心孔22a内に芯金35を挿入し、
溝部23内にマグネットピース30を配置して接着する
ことで目的とする磁気特性を有するマグネットローラ2
1を得ることができるため、容易にマグネットローラを
製造することができるという利点がある。
【0009】現像装置により形成されるトナー画像の画
質を高めるために、マグネットローラには、例えば、次
の如き特性が求められる場合がある。 現像極の半値幅が20°以下であること(従来の2成
分現像装置では約50°)。 磁束密度が80〜120mTであること(従来の2成
分現像装置と同じ)。 ここで要求されている特性は、現像極の磁束密度につい
ては従来通りであるが、その半値幅については従来の半
分以下である。従来のフェライト系マグネットでは半値
幅を狭くすると、磁束密度も小さくなるため、上記特性
は達成不可能であり、高エネルギー積の材料を用いる必
要がある。高エネルギー積の磁石材料として、Sm−C
o系、NdFeB系、SmFeN系の希土類磁石が良く
知られているが、等方性材料で磁気特性が高く、酸化劣
化しにくい材料としては、NdFeB系材料が最も優れ
ている。現像極部に高磁力(高エネルギー積)材料の磁
石を配置する工法としては、溝加工されたマグネットロ
ーラ本体の溝部23内に高磁力磁石を貼りつける磁石貼
り付け方式が一般的である。しかし、前述の如く従来の
磁石貼り付け方式には以下の問題点がある。即ち、高磁
力が要求される現像極を形成するためには、希土類磁石
から成るマグネットピース30の肉厚をできるだけ厚く
する必要がある。そのためには、押し出し成形によりパ
イプ状に形成されたプラスチックマグネットローラの溝
部23を深くする必要があり、その分だけ溝部23の内
底部と中心孔22aとの間のマグネット厚さが薄くな
る。このような構成を備えたローラ本体22の中心孔2
2a内に芯金35を後挿入する工法をとる場合は、回転
トルクを得るために芯金35をローラ本体22の中心孔
22a内に圧入する必要があり、圧入代の大小によって
は、溝部23の底部に亀裂が発生し易くなる。しかも、
亀裂の発生場所及び大きさはランダムであり、亀裂に起
因して充分な回転トルクが得られなくなるだけでなく、
溝部の幅も変化してしまう(外径方向へ拡開することも
ある)ために、マグネットピース30の貼り付け位置も
ばらついてしまい、結果として磁気特性がばらつくとい
う問題が発生していた。
【0010】そこで、本発明では、予め、パイプ状に形
成されたプラスチックマグネットローラ本体22の溝部
23の一部、即ち溝部23の内底部と中心孔22aとの
間に薄肉部25を形成し、中心孔22a内に芯金35を
挿入する時の圧力により、薄肉部25の脆弱さに起因し
た亀裂部26を、薄肉部25の一定の位置に、一定の形
状、大きさにて、意図的に誘導形成させることにより、
形状等の安定した亀裂部26を形成することにした。そ
の後、希土類磁石から成るマグネットピース30をプラ
スチックマグネットから成るローラ本体22に接着する
ための流動性の良い接着剤を溝部23内に塗布すること
により、毛細管現象によって亀裂部26内に接着剤を浸
透させて、芯金35とローラ本体22とを接着させると
ともに、マグネットピース30を溝部23内に配置する
ことによりマグネットピース30も固定させる。まず、
図1(a)に示したマグネットローラ21のローラ本体
22は、同図(b)に示すようにV溝状の凹所24を、
溝部23の内底部に有しており、凹所24の内径側端
部、即ちV溝の先端部と中心孔22aとの間に薄肉部2
5を備えている。図1(a)、図2(a)は中心孔22
a内に芯金35を圧入した状態を示しており、この状態
では薄肉部25に所定形状の亀裂部26が形成され、凹
所24と中心孔22aとを連通させている。次いで、図
2(b)に示したように、流動性の良い接着剤40を溝
部23内に塗布することにより、毛細管現象によって亀
裂部26内に接着剤40が浸透して、芯金35とローラ
本体22とが接着される。その後、図2(c)のように
マグネットピース30を溝部23内に配置して接着剤を
硬化させることにより、マグネットローラ本体−マグネ
ットピース間が接着される。なお、凹所24の形状、及
び凹所24の形状によって規定される薄肉部25の形
状、肉厚は、上記実施形態に示したものに限らない。即
ち、図2及び図3は夫々凹所24、及び薄肉部25の他
の形態例を示しており、図2の実施形態における凹所2
4は円弧状の溝であり、溝部23の内底面に軸方向に沿
って一定の深さで形成されている。また、図3の実施形
態における凹所24は矩形の溝であり、これも溝部23
の内底面に軸方向に沿って一定の深さで形成されてい
る。いずれの形状の凹所24を採用したとしても、薄肉
部25の存在により、芯金圧入時には、常に所定の軌跡
に沿って、所定の本数、所定の長さの亀裂部26が形成
され、溝部23と中心孔22aとの間を連通することと
なる。亀裂部発生後における溝部23の形状も製品ごと
に変動することがないので、マグネットピース30の接
着安定性を確保することができる。また、凹所24の数
についても、1箇所であってもよいし、2箇所以上であ
っても、マグネットローラの機能を損なわない範囲にお
いては構わない。なお、本実施形態例においては、ブロ
ック状のマグネットピース30を溝部23内に貼り付け
たが、溝部23内へ磁性粉を直接充填して固定してもよ
い。
【0011】このように本発明は、溝部23を有するマ
グネットローラ本体22に芯金35を挿入した際に、溝
部23の底面に不規則な亀裂が生じることによる、磁気
特性、貼り付け位置のばらつきを小さくするために、亀
裂部を必ず決まった位置に、決まった形態にて発生させ
るようにした点が特徴的である。そのために、本発明で
は、溝部23の底部と中心孔22aとの間に予め薄肉部
25を設けることにより、芯金挿入時に、肉薄部に芯金
まで到達する亀裂部26を誘導形成させる。亀裂部26
が生じたマグネットローラ本体は回転トルクの信頼性が
劣るため、接着する必要があるが、元々溝部へは希土類
のマグネットピース30を後から配置して接着するため
に、接着剤40を塗布する。その接着剤を溝部へ塗布す
る際に、亀裂部へも塗布することにより、溝部から芯金
とマグネットローラの界面へ毛細管現象によって接着剤
が移動するために、芯金とマグネットローラを強固に接
着することができる。従って、一定品質のマグネットロ
ーラ、ひいては一定品質の現像ローラを量産することが
可能となる。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、芯金
と、中心孔内に芯金を圧入したパイプ形状のマグネット
ローラ本体と、マグネットローラ本体の外周面に形成し
た溝部内に希土類磁石からなるマグネットピースを接着
固定することによって一部分の磁気特性を高くしたマグ
ネットローラにおいて、貼り付け精度のバラツキによる
磁気特性の安定性の低下、或いは、マグネットピースを
貼り付けるマグネットローラ本体側の加工が複雑になる
ためコストが高くなるという欠点を解決したマグネット
ローラ及びその製造方法を提供することができる。即
ち、請求項1の発明によれば、パイプ状に形成されたマ
グネットローラ本体の中心孔内に、芯金を挿入したマグ
ネットローラにおいて、マグネットローラ本体の一部が
芯金まで貫通する亀裂部を有することにより、接着剤を
芯金とマグネットローラの界面へ誘導することができ
る。請求項2の発明によれば、亀裂部はマグネットロー
ラの溝部の底部に形成する方が、薄肉部のため容易であ
り、亀裂長さが短くなるため、安定した亀裂が誘導でき
る。請求項3の発明によれば、マグネットローラの溝部
に1箇所以上のマグネットの薄肉部を設けることによ
り、亀裂長さを最短にして、安定した亀裂を誘導形成で
きる。
【0013】請求項4の発明によれば、亀裂部が形成さ
れる部分がマグネットローラ中の周方向磁束密度におい
て最大部であることにより、生じた亀裂部が磁気特性へ
影響しない。また、マグネットピースの磁気特性によっ
て影響が消されることとなる。請求項5の発明によれ
ば、芯金挿入時に芯金まで亀裂を誘導した部分に接着剤
を塗布した後、溝部にマグネットブロックを貼り付ける
もしくは、磁性粉を充填することにより、芯金とマグネ
ットローラ間、マグネットローラとマグネットブロック
もしくは、磁性粉間を強固に接着することができる。請
求項6の発明によれば、芯金挿入時に溝部の一部に芯金
まで貫通する亀裂を生じさせることにより、接着剤を芯
金とマグネットローラの界面へ誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る
マグネットローラの分解斜視図、及びマグネットローラ
本体の断面図。
【図2】(a)(b)及び(c)は図1の実施形態のマ
グネットローラの製造手順を説明する図。
【図3】他の実施形態に係るマグネットローラ本体の断
面図。
【図4】他の実施形態に係るマグネットローラ本体の断
面図。
【図5】(a)及び(b)は従来の現像ローラに使用さ
れるマグネットローラの構成を示す断面図。
【図6】(a)及び(b)は、夫々他の従来例に係る現
像ローラに使用されるマグネットローラの構成を示す断
面図。
【符号の説明】
21 マグネットローラ、22 マグネットローラ本
体、22a 中心孔、23溝部、24 凹所、25 薄
肉部、26 亀裂部、30 マグネットピース、35
芯金。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に軸方向へ延びる少なくとも一つ
    の溝部を有するパイプ状のマグネットローラ本体と、該
    マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金と、
    該溝部内に嵌合されて接着固定されるマグネットピース
    と、を備えたマグネットローラにおいて、 前記マグネットローラ本体の一部に、前記芯金まで達す
    る亀裂部を設けたことを特徴とするマグネットローラ。
  2. 【請求項2】 前記亀裂部は、前記マグネットローラ本
    体の溝部の内底部に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載のマグネットローラ。
  3. 【請求項3】 外周面に軸方向へ延びる少なくとも一つ
    の溝部を有するパイプ状のマグネットローラ本体と、該
    マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金と、
    該溝部内に嵌合されて接着固定されるマグネットピース
    と、を備えたマグネットローラにおいて、 前記マグネットローラ本体の溝部の内底部に凹所を設け
    ることによって、薄肉部を形成したことを特徴とするマ
    グネットローラ。
  4. 【請求項4】 前記亀裂部が形成される部分を、マグネ
    ットローラ本体の周方向磁束密度が最大となる部分に配
    置したことを特徴とする請求項1、2又は3の何れか一
    項に記載のマグネットローラ。
  5. 【請求項5】 外周面に軸方向へ延びる少なくとも一つ
    の溝部を有するパイプ状のマグネットローラ本体と、該
    マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金と、
    該溝部内に嵌合されて接着固定されるマグネットピース
    と、前記溝部と前記中心孔との間に位置する薄肉部と、
    を備えたマグネットローラの製造方法であって、 前記マグネットローラ本体の中心孔内に前記芯金を挿入
    する際に前記薄肉部に芯金まで達する亀裂部を形成する
    工程と、該亀裂部内に接着剤を充填する工程と、該溝部
    内にマグネットピースを嵌合して接着固定するか、若し
    くは該溝部内に磁性粉を充填する工程と、から成ること
    を特徴とするマグネットローラの製造方法。
  6. 【請求項6】 外周面に軸方向へ延びる少なくとも一つ
    の溝部を有するパイプ状のマグネットローラ本体と、該
    マグネットローラ本体の中心孔内に挿入される芯金と、
    該溝部内に嵌合されて接着固定されるマグネットピース
    と、前記溝部と前記中心孔との間に位置する薄肉部と、
    を備えたマグネットローラの製造方法であって、 前記マグネットローラ本体の中心孔内に前記芯金を挿入
    する際に前記薄肉部に芯金まで達する亀裂部を形成する
    工程、を備えたことを特徴とするマグネットローラの製
    造方法。
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