JP2003154003A

JP2003154003A - 医療用洗浄システム

Info

Publication number: JP2003154003A
Application number: JP2001356869A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Taoka; 正宏田岡; Takahiko Kazama; 孝彦風間
Original assignee: Waseda University
Current assignee: Waseda University
Priority date: 2001-11-22
Filing date: 2001-11-22
Publication date: 2003-05-27

Abstract

(57)【要約】【課題】エンドトキシンカットフィルター等に例示さ
れるフィルター内に残存するエンドトキシン等の不純物
を確実に除去すること。【解決手段】透析液や洗浄液をシステム内に供給する
液供給部１２と、この液供給部１２の下流側に位置し
て、当該液供給部１２からの透析液を濾過体２２で濾過
する第１及び第２のフィルター１４，１５と、これら各
フィルター１４，１５に繋がって循環する管路１７とを
備えて循環システム１０が構成されている。第１及び第
２のフィルター１４，１５内には、透析液が濾過される
方向と逆方向に洗浄液が流され、濾過体２２を内部洗浄
可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医療用洗浄システ
ムに係り、更に詳しくは、エンドトキシンカットフィル
ター等のフィルターに対する洗浄効果を高めることので
きる医療用洗浄システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】血液の透析に用いられる透析液は、人体
に有害なエンドトキシン等の不純物をエンドトキシンカ
ットフィルター（以下、単に「フィルター」と称する）
で除去した上で透析装置に供給される。ここでのフィル
ターは、例えば、図１０に示される循環システム７０内
に組み込まれる。この循環システム７０は、二個のフィ
ルター７１，７１と、これらフィルター７１，７１に繋
がって循環する管路７２と、この管路７２から分岐した
導入路７３に繋がる透析装置７４と、管路７２に透析液
や洗浄液等を供給する液供給部７５とを備えて構成され
ている。各フィルター７１は、透析液等の流入部となる
第１ポート７６と、この第１ポート７６から流入した透
析液を濾過する濾過体７７と、当該濾過体７７を通過し
た透析液等の排出部となる第２ポート７８と、図１０中
下部に設けられるドレン用の第３ポート７９とを備えて
いる。

【０００３】以上のように構成された循環システム７０
は、透析装置７４側に透析液が供給される送液時にあっ
ては、液供給部７５から供給された透析液がフィルター
７１，７１を通って透析装置７４に供給されるようにな
っている。一方、フィルター７１，７１の洗浄をする際
には、図１０の太線で示されるように、透析装置７４側
に透析液が供給されず、液供給部７５から供給された水
や消毒液等の洗浄液が、各第１ポート７６，７６からフ
ィルター７１，７１内に供給される。この洗浄液は、濾
過体７７の外周部分に付着したエンドトキシン等の不純
物を洗い流し、当該不純物と共に第３ポート７９，７９
からフィルター７１，７１の外側に排出されるようにな
っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記循
環システム７０にあっては、フィルター７１，７１の洗
浄時に、洗浄液で濾過体７７の外周部分を洗い流すに過
ぎず、濾過体７７の内部に付着した不純物まで確実に除
去することは困難である。従って、定期的にフィルター
７１，７１を洗浄しても、当該フィルター７１，７１の
内部に残存する不純物が経時的に増大し、濾過後の透析
液中の汚染度が高くなったり、濾過体７７の目詰まり等
が発生し、濾過体７７を短サイクルで交換する必要が生
じるという不都合がある。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して
案出されたものであり、その目的は、エンドトキシンカ
ットフィルター等のフィルター内に残存するエンドトキ
シン等の不純物を確実に除去することができる医療用洗
浄システムを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、所定の流体が濾過体を順方向に通過する
ことで当該流体を濾過可能なフィルターを含み、前記濾
過体を所定の洗浄用流体で洗浄可能に設けた医療用洗浄
システムであって、前記洗浄用流体が前記濾過体を逆方
向に通過することで、当該濾過体を内部洗浄可能に設け
る、という構成を採っている。このような構成によれ
ば、濾過体の内部洗浄を行うことにより、濾過体の内部
に残存するエンドトキシン等の不純物を濾過体から排出
することができ、従来のような濾過体の外周部分の洗浄
と合わせて、濾過体に付着した不純物を確実に除去する
ことができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明において、前記フィルタ
ーは少なくとも二個設けられ、何れか一方のフィルター
の濾過体を内部洗浄する際に、何れか他方のフィルター
の濾過体を前記順方向に通過した前記洗浄用流体が前記
一方のフィルターに供給される、という構成を採ること
が好ましい。このように構成することで、何れか一方の
フィルターを洗浄する際に、何れか他方のフィルターで
濾過された洗浄用流体が用いられるため、何れか一方の
フィルターに対する前述の洗浄効果を一層高めることが
できる。特に、フィルターの洗浄時以外には、全てのフ
ィルターを用いて透析液等の浄化対象流体を濾過するこ
とも可能になり、この場合には、フィルターを有効活用
しつつも前記洗浄効果を高めることができる。

【０００８】なお、本明細書において、「順方向」と
は、特に明示しない限り、流体が濾過体を通過したとき
に、当該流体から不純物を濾過できる流体の流れ方向を
意味し、「逆方向」とは、前記順方向に対する逆方向を
意味する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。

【００１０】図１には、本発明に係る洗浄システムとし
ての機能を備えた循環システムの概略構成図が示されて
いる。この図において、循環システム１０は、いわゆる
ＲＯ水に所定のイオン化物等が混合された後の透析液か
らエンドトキシンを除去可能に設けられているととも
に、システム内の洗浄をも行えるようになっている。す
なわち、循環システム１０は、前記透析液や後述する洗
浄用流体としての洗浄液をシステム内に供給する液供給
部１２と、この液供給部１２の下流側に位置して、当該
液供給部１２からの透析液中のエンドトキシンを除去す
るフィルターとしての第１及び第２のエンドトキシンカ
ットフィルター（以下、単に「フィルター」と称する）
１４，１５と、これら各フィルター１４，１５に繋がっ
て循環する管路１７と、この管路１７から分岐する導入
路１８に繋がる公知の透析装置１９とを備えて構成され
ている。

【００１１】前記第１及び第２のフィルター１４，１５
は、双方共略同一の構造に設けられており、本実施例で
は、第１のフィルター１４が図１中左側に配置される一
方、第２のフィルター１５が図１中右側に配置されてい
る。また、各フィルター１４，１５は、図２（Ａ）に模
式的に示されるように、中空糸体２１を多数本束ねてな
る濾過体２２と、この濾過体２２を収容するカバー２４
と、このカバー２４の内外間にそれぞれ通じる第１、第
２、及び第３ポート２６，２７，２８とを備えた公知の
構造となっている。前記中空糸体２１は、図２（Ｂ）に
拡大して示されるように、微細な貫通孔３０が多数形成
された外壁３１と、この外壁３１の内側に形成された通
路３２とにより構成されている。

【００１２】以上の構成のフィルター１４，１５は、カ
バー２４の周壁部分に形成された第１ポート２６から内
部に流入した透析液が濾過体２２の外周部分から濾過体
２２内に入ると、その透析液は、中空糸体２１の外側か
ら貫通孔３０を通って通路３２に流れ、当該通路３２に
通じる上端側の第２ポート２７から各フィルター１４，
１５の外側に排出されることとなる。この際、濾過体２
２を通過した透析液は、中空糸体２１でエンドトキシン
Ｅが濾過されるようになっている。従って、本実施例で
は、第１ポート２６から濾過体２２を介して第２ポート
２７に向かう透析液等の流れが濾過体２２に対する順方
向の流れとなる。

【００１３】前記管路１７は、図１に示されるように、
前記液供給部１２から同図中上方に延びる供給路３４
と、この供給路３４から第１の三方切換弁３５を介して
各フィルター１４，１５の第１ポート２６，２６にそれ
ぞれ繋がる第１及び第２の分岐路３７，３８と、前記第
２ポート２７，２７から第２の三方切換弁４０にそれぞ
れ繋がる第１及び第２の連結路４２，４３と、第２の三
方切換弁４０からループして供給路３４に繋がるととも
に、前記導入路１８が接続される環状路４５と、導入路
１８と供給路３４との間の環状路４５部分から図示しな
い排出口に向かって延びる排出路４７と、各フィルター
１４，１５の図１中下端側に位置する第３ポート２８，
２８から前記排出口に向かって延びる第１及び第２のド
レン路４８，４９とにより構成されている。前記第１及
び第２の分岐路３７，３８、排出路４７、並びに第１及
び第２のドレン路４８，４９には、これら各流路を開閉
する第１、第２、第３、第４及び第５の開閉弁５１，５
２，５３，５４，５５が設けられている。また、前記環
状路４５における第２の三方切換弁４０と導入路１８と
の間にも、当該流路の開閉を行う第６の開閉弁５６が設
けられている。これら第１及び第２の三方切換弁３５，
４０並びに第１〜第６の開閉弁５１〜５６は、図示しな
い制御装置により、後述するタイミングで切換制御され
るようになっている。

【００１４】なお、導入路１８と排出路４７との間にお
ける環状路４５の部分にはポンプ５８が設けられてお
り、これによって、環状路４５内での透析液や洗浄液等
の循環が可能になる。また、図１中符号６０，６１は圧
力計である。

【００１５】次に、前記循環システム１０による各種動
作について図３〜図９を用いて説明する。なお、これら
の図において太線で示した部分が当該図の場合の流路と
なっている。

【００１６】先ず、図３に示されるように、第１の三方
切換弁３５は、供給路３４と左側の第１の分岐路３７と
が連通するように切り換わるとともに、各開閉弁５１〜
５６のうち第１及び第４の開閉弁５１，５４のみが開放
する。そして、水や消毒液等からなる洗浄液が液供給部
１２から第１のフィルター１４に向かって供給される。
この際、洗浄液が第１ポート２６から第１のフィルター
１４内に流され、これによって、濾過体２２の外周部分
に付着したエンドトキシンＥが洗浄液と共に第３ポート
２８から第１のフィルター１４の外側に排出される。

【００１７】また、前述とは逆に、図４に示されるよう
に、第２のフィルター１５内における濾過体２２の外周
部分が洗浄液で洗浄される。すなわち、このとき、第１
の三方切換弁３５は、供給路３４と第２の分岐路３８と
が連通するように切り換わるとともに、各開閉弁５１〜
５６のうち第２及び第５の開閉弁５２，５５のみが開放
する。

【００１８】次いで、図５に示されるように、第１の三
方切換弁３５は、供給路３４と第２の分岐路３８とが連
通する状態に切り換わったまま、第２の三方切換弁４０
は、第１及び第２の連結路４２，４３のみが連通するよ
うに切り換わる。また、各開閉弁５１〜５６のうち第２
及び第４の開閉弁５２，５４のみが開放することとな
る。このような状態で、前記洗浄液が液供給部１２から
第２のフィルター１５内に流され、洗浄液は、第２のフ
ィルター１５の第１ポート２６から濾過体２２を通って
第２ポート２７から排出される。このとき、第２のフィ
ルター１５内に流された洗浄液は、前記順方向に流れる
ことになり、これによって、洗浄液内のエンドトキシン
Ｅ等の不純物が濾過される。そして、不純物が濾過され
た洗浄液が各連結路４３，４２を通って第１のフィルタ
ー１４の第２ポート２７から第１のフィルター１４内に
流される。第１のフィルター１４内に流された洗浄液
は、濾過体２２を通って第３ポート２８から第１のフィ
ルター１４の外側に排出される。すなわち、ここでの洗
浄液は、通路３２（図２（Ｂ）参照）から貫通孔３０
（図２（Ｂ）参照）を通って濾過体２２の外側に排出さ
れる逆方向に流れ、これによって、貫通孔３０内に付着
したエンドトキシンＥが濾過体２２の外側に強制的に排
出されて濾過体２２の内部洗浄が行われる。濾過体２２
の外側に排出されたエンドトキシンＥは、洗浄液と共に
第３ポート２８から第１のフィルター１５の外側に排出
される。

【００１９】また、図５の場合とは逆に、図６に示され
るように、第２のフィルター１５内における濾過体２２
の内部洗浄が行われる。すなわち、このとき、第１の三
方切換弁３５は、供給路３４と第１の分岐路３７とが連
通するように切り換わる他、各開閉弁５１〜５６のうち
第１及び第５の開閉弁５１，５５のみが開放する状態と
なる他は、図５の場合と同じである。この場合によれ
ば、第１のフィルター１４でエンドトキシンを濾過した
後の洗浄液が第２のフィルター１５内で前記逆方向に流
れ、これによって、第２のフィルター１５内における濾
過体２２の内部洗浄が行われる。

【００２０】次いで、図７に示されるように、第１の三
方切換弁３５は、供給路３４と第１及び第２の分岐路３
７，３８とが連通する状態に切り換わるとともに、第２
の三方切換弁４０は、第１及び第２の連結路４２，４３
と環状路４５とが連通する状態に切り換わる。また、各
開閉弁５１〜５６のうち第１〜第３及び第６の開閉弁５
１〜５３，５６が開放する。この状態で、洗浄液が液供
給部１２から供給され、この洗浄液は、第１及び第２の
フィルター１４，１５内を前記順方向に流れ、更に、ポ
ンプ５８の駆動により環状路４５を通って排出路４７か
ら排出される。これによって、環状路４５内に残存する
エンドトキシン等の不純物をシステム外に排出すること
ができる。

【００２１】そして、図８に示されるように、図７の状
態から、排出路４７上の第３の開閉弁５３が閉塞し、閉
回路となった管路１７内を洗浄液がポンプ５８の駆動に
より循環する。この際、洗浄液は、図７の場合と同様
に、第１及び第２のフィルター１４，１５内を前記順方
向に流れる。

【００２２】以上の工程が終了した後、管路１７内に透
析液が供給される。すなわち、先ず、図７の状態で透析
液が供給され、ポンプ５８の駆動により管路１７内を透
析液で洗浄する。その後、ポンプ５８の駆動が停止し、
図９に示されるように、透析液で各フィルター１４，１
５の濾過体２２，２２の各外周部分が洗浄される。すな
わち、このとき、第１の三方切換弁３５は、供給路３４
と第１及び第２の分岐路３７，３８とが連通する状態に
切り換わり、各開閉弁５１〜５６のうち第１、第２、第
４、及び第５の開閉弁５１，５２，５４，５５が開放す
る。その後、ポンプ５８が再び駆動し、図８の状態で管
路１７内に透析液が供給されることで、当該透析液が管
路１７内を循環する状態となる。このとき、管路１７内
を流れる透析液は、透析装置１９側の要求に応じて当該
透析装置１９側に適宜供給され、血液の透析に使用され
ることになる。この際、透析液は管路１７内で循環して
おり、これによって、管路１７内の透析液の停滞による
エンドトキシンの増大が防止される。そして、所定時間
毎に、透析液の透析装置１９側への送液を停止した上で
前述した洗浄動作が繰り返し行われる。

【００２３】従って、このような実施例によれば、濾過
体２２内を洗浄液が逆方向に流れることにより、濾過体
２２の内部洗浄が可能となり、従来より行われている濾
過体２２の外周部分の洗浄とも併せ、濾過体２２を一層
効果的に洗浄することができ、濾過体２２の寿命を高め
ることが期待できる。

【００２４】なお、本発明においては、洗浄液等の洗浄
用流体を濾過体２２内で前述した逆方向に流すことによ
って、濾過体２２の内部洗浄が可能な限りにおいて、図
示例の回路構成や制御方法に限定されるものではない。
例えば、第１及び第２のフィルター１４，１５うち何れ
か一方を省略し、液供給部１２からの洗浄液を直接第２
ポート２７に供給し、当該第２ポート２７から洗浄液が
前記逆方向に流れる回路構成としてもよい。

【００２５】また、洗浄用流体としては、前述した濾過
体２２の内部洗浄が可能となる限りにおいて、他の液体
や気体等を用いることもできる。

【００２６】更に、前記実施例では、血液の透析に用い
られるシステム構成としたが、本発明はこれに限らず、
エンドトキシンカットフィルター１４，１５以外の他の
フィルターに対して内部洗浄を必要とする種々の医療用
システムに適用することもできる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、前記洗浄用流体が
濾過体を逆方向に通過することで当該濾過体を内部洗浄
可能に設けたから、濾過体の内部に残存するエンドトキ
シン等の不純物を濾過体から排出することができ、従来
のような濾過体の外周部分の洗浄と合わせて、濾過体に
付着した不純物を確実に除去することができる。

【００２８】また、前記フィルターを少なくとも二個設
け、何れか一方のフィルターの濾過体を内部洗浄する際
に、何れか他方のフィルターの濾過体を前記順方向に通
過した前記洗浄用流体が前記一方のフィルターに供給さ
れる構成としたから、フィルターを有効活用しつつもフ
ィルターに対する洗浄効果を一層高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例における循環システムの概略構成図。

【図２】（Ａ）は、第１及び第２のフィルターを模式的
に示した拡大断面図であり、（Ｂ）は、フィルター内の
中空糸体を模式的に示した拡大断面図である。

【図３】第１のフィルターの外洗時におけるシステムの
流路を説明するための図。

【図４】第２のフィルターの外洗時におけるシステムの
流路を説明するための図。

【図５】第１のフィルターの内洗時におけるシステムの
流路を説明するための図。

【図６】第２のフィルターの内洗時におけるシステムの
流路を説明するための図。

【図７】管路の洗浄時におけるシステムの流路を説明す
るための図。

【図８】管路における流体の循環時におけるシステムの
流路を説明するための図。

【図９】第１及び第２のフィルターの外洗時におけるシ
ステムの流路を説明するための図。

【図１０】従来例における循環システムの概略構成図。

【０００１】

【符号の説明】

１０循環システム（洗浄システム）１４第１のフィルター１５第２のフィルター２２濾過体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4C077 AA05 BB01 CC09 EE10 GG02 GG12 KK11 NN15 4D006 GA13 HA01 JA71 KA02 KA72 KC02 KC03 PB54 PC44 4D064 AA29 BQ00 DC09

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定の流体が濾過体を順方向に通過する
ことで当該流体を濾過可能なフィルターを含み、前記濾
過体を所定の洗浄用流体で洗浄可能に設けた医療用洗浄
システムであって、前記洗浄用流体が前記濾過体を逆方向に通過すること
で、当該濾過体を内部洗浄可能に設けたことを特徴とす
る医療用洗浄システム。
【請求項２】前記フィルターは少なくとも二個設けら
れ、何れか一方のフィルターの濾過体を内部洗浄する際
に、何れか他方のフィルターの濾過体を前記順方向に通
過した前記洗浄用流体が前記一方のフィルターに供給さ
れることを特徴とする請求項１記載の医療用洗浄システ
ム。