JP2003130868A - 生活習慣病発症者または生活習慣病危険因子保有者のスクリーニング方法およびスクリーニング用キット - Google Patents

生活習慣病発症者または生活習慣病危険因子保有者のスクリーニング方法およびスクリーニング用キット

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JP2003130868A
JP2003130868A JP2001328963A JP2001328963A JP2003130868A JP 2003130868 A JP2003130868 A JP 2003130868A JP 2001328963 A JP2001328963 A JP 2001328963A JP 2001328963 A JP2001328963 A JP 2001328963A JP 2003130868 A JP2003130868 A JP 2003130868A
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lifestyle
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Kazuo Uchida
壱夫 内田
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IKAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿を検査材料とする、生活習慣病発症者また
は生活習慣病危険因子保有者のスクリーニング方法及び
スクリーニング用キットを提供すること。 【解決手段】 生活習慣病発症者または生活習慣病危険
因子保有者に特に関連して尿中に排泄される物質を測定
対象として、これらの濃度を測定することにより生活習
慣病発症者等のスクリーニングを行う。また、生活習慣
病発症者または生活習慣病危険因子保有者に特に関連し
て尿中に排泄される物質を測定対象として、これらの濃
度を測定することにより生活習慣病発症者等のスクリー
ニングを行うに際し、特に適したスクリーニング用キッ
トを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生活習慣病発症
者または生活習慣病危険因子保有者をスクリーニングす
る方法およびスクリーニングする際に用いるスクリーニ
ング用キットに関し、特に、上記の両者に特に関連して
尿中に排泄される物質(以下、「生活習慣病関連物質」
という)を測定対象として、生活習慣病発症者または生
活習慣病危険因子保有者をスクリーニングする方法及び
スクリーニングする際に用いるスクリーニング用キット
に関する。
【0002】
【従来の技術】疾病の発症要因としては、遺伝的要
因、外部環境因子、生活習慣要因があげられる。Mc
Gnnisらは1993年に若死の原因となる主な疾患の85%
は、その原因をライフスタイルのあり方に求めることが
できると報告している(JAMA, 270: 2207-2212, 199
3)。遺伝的要因や外部環境要因は簡単に修正すること
はできないが、生活習慣要因は自分自信の努力で変える
ことができるものであり、疾病予防の点からその改善を
いかに図るかが重要となる。
【0003】1996年厚生省公衆衛生審議会は、遺伝
要因や外部環境要因を除去し、「食習慣、運動習慣、休
養、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症・進行に関与
する疾患群」を生活習慣病と名づけた。生活習慣のなか
では食習慣の影響がもっとも大きいと考えられ、代表的
な生活習慣病として、2型糖尿病、高脂血症(家族性の
ものを除外する)、高尿酸血症、動脈硬化、循環器疾患
(先天性のものを除外する)、大腸癌(家族性のものを
除外する)歯周病などが挙げられる(外山健二, 医学の
あゆみ, 198: 859-863, 2001)。また、肥満、高血圧及
びインスリン抵抗性状態などが生活習慣病の主な危険因
子とされている。
【0004】これらの生活習慣に基づく疾患の発症を防
ぐには、生活習慣病発症者や生活習慣病の危険因子保有
者の早期発見と早期治療が重要となる。従って、早期発
見はできるだけ若年時に行われるべきであるとして、3
5〜65才の間に集団検診や人間ドッグなどを受診する
ことが奨励されている。
【0005】また、従来から、これらの生活習慣に基づ
く疾患の早期発見の方法として、臨床検査が活用されて
いる。生活習慣病あるいは生活習慣病の危険因子は、高
脂血症、高尿酸血症などの疾患名が示すごとく、血液中
の該成分の濃度を測定することによって診断されてき
た。従って血液を検査材料とする検査が主体となってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】検査材料としての血液
は、一般的に採取上の制約が多い。しかし、尿は生体の
最終廃棄物であり、多くの生体情報を反映している。さ
らに、尿は非侵襲的に多くの量を、いつでも繰り返し得
られるという長所があり、理想的な検査材料となり得
る。したがって、該テーマである予防医学的見地から
も、尿はもっと有効利用されるべき検査材料といえる。
しかし、現状では、尿を検査材料とした生活習慣病発症
者または生活習慣病危険因子保有者のスクリーニング方
法は確立されていない。
【0007】本発明はこれらの現状に着目してなされた
ものであって、尿を検査材料とする、生活習慣病発症者
または生活習慣病危険因子保有者のスクリーニング方法
及びスクリーニング用キットを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の生活習慣病発症
者または生活習慣病危険因子保有者(以下特にことわら
ない限り、単に「生活習慣病発症者等」という)のスク
リーニング方法は、生活習慣病発症者等に特に関連して
尿中に排泄される物質(以下、「生活習慣病関連物質」
という)を測定対象とすることを特徴とする。また、上
記の生活習慣病関連物質としては、総蛋白(アルブミ
ン)、ブドウ糖、尿酸、シスタチンC、apo(a)蛋白、pre
β1HDL、apoE蛋白、アルデヒド類(4−ヒドロキシ−2
−ノネナール、アクロレイン、マロンジアルデヒドな
ど)、変性蛋白(酸化、糖化変性)及び生活習慣病の発
症に関わる病原体に対する抗体から選択して用いること
が好ましい。
【0009】さらに、上記の生活習慣病関連物質として
は、総蛋白(アルブミン)、ブドウ糖、尿酸、シスタチ
ンC、apo(a)蛋白及びpreβ1HDLから選択して用いること
が好ましい。また、上記の生活習慣病発症者等のスクリ
ーニング方法は、親水性高分子からなる吸水紙に吸収さ
せた尿を溶出液で溶出させたものをスクリーニングに用
いることが好ましい。
【0010】本発明の生活習慣病発症者等のスクリーニ
ング用キットは上記の生活習慣病関連物質を測定対象と
することにより、生活習慣病発症者等をスクリーニング
するようにしたことを特徴とする。また、上記の生活習
慣病発症者等のスクリーニング用キットは、親水性高分
子からなる吸水紙に吸収させた尿を溶出液で溶出させた
ものをスクリーニングに用いることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、生活習慣病発症者等に
特に関連して尿中に排泄される物質(本明細書におい
て、このような物質を「生活習慣病関連物質」と定義す
る。)を測定対象にしている。本発明者の検討による
と、好ましい生活習慣病関連物質として、総蛋白(アル
ブミン)、ブドウ糖、尿酸、シスタチンC、apo(a)蛋
白、preβ1HDL、apoE蛋白、抗Chlamydia pneumonia IgA
抗体、抗Helicobacter pylori IgA抗体などが、好まし
い生活習慣病関連物質として例示することができる。本
発明では、生活習慣病発症者等のスクリーニングを行う
にあたり、上記の中から少なくとも一の生活習慣病関連
物質を測定項目として選択し、その定性分析ないし定量
分析を行うことにより、生活習慣病発症者等のスクリー
ニングを行うことができる。
【0012】また、本発明においては、上記例示した生
活習慣病関連物質の中から2以上を適宜選択して複合測
定することにより、スクリーニングの精度を向上させる
ことが可能となる。ここで本明細書において「複合測
定」とは、2以上の生活習慣病関連物質を測定対象とす
る場合において、個々の生活習慣病関連物質に対応し
て、一の生活習慣病関連物質については、例えば市販の
試験紙等を用いて簡易に定性的ないし定量的な分析・測
定を行い、特定の生活習慣病関連物質については、本発
明者が定めた基準による免疫学的測定手段を用いて定性
的ないし定量的な分析・測定を行うことを組合せた測定
方法をいう。そして、本発明においては、前記の複合測
定の結果を一定の基準で総合的に判断することにより、
生活習慣病発症者等を精度良くスクリーニングすること
ができるのである。
【0013】次に生活習慣病又は生活習慣病危険因子
(以下、特にことわらない限り「生活習慣病等」とい
う)のスクリーニングにあたって、測定対象として好適
に用いられる物質の探索手法ついて説明する。まず、生
活習慣病等は多くの要因が複雑に同時併合して形成され
る特徴を有することから、該状態を反映して尿中に排泄
される物質の探索に当っても、一つの疾患状態(すなわ
ち生活習慣病等)を特異的に反映する物質は少ないと考
えられる。以下、このことを代表的な生活習慣病を例に
挙げて説明する。
【0014】例えば、高脂血症の存在を臨床検査で診断
する場合、一般的には血清中の脂質(総コレステロー
ル、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂
肪)を測定してなされる。しかし、これらの脂質は血液
中ではリポ蛋白として存在し、その分子量も40〜20
0万の巨大分子であり、尿中には排泄されない。従っ
て、本発明をなすには、高脂血症時に認められる他の関
連現象を反映する物質であって、前述の脂質以外の脂質
関連物質として尿中に排泄されそうな物質の探索が決め
手となる。
【0015】そこで本発明者は鋭意検討を重ねた結果、
高脂血症に伴う関連現象として、まず、糸球体高血圧→
糸球体硬化の存在に着目した。この糸球体高血圧は、全
身血圧の上昇、高血糖、過剰蛋白摂取(過食)を反映す
る現象であることが最近わかってきた(羽田勝計, プラ
クティス17: 116-117, 2000)。また、この糸球体高血
圧を反映する尿中成分としてのシスタチンCの発見は、
すでに本発明者らが特開平11−64333号公報にて
開示しているところであり、測定対象として重要であ
る。
【0016】また本発明者は、前述の脂質以外の脂質関
連物質として、尿中に排泄されるapo(a)蛋白濃度が、動
脈硬化の危険因子と認知されている血中のLp(a)濃度と
関連する事実を見出した(図1)。さらに高脂血症患者
においては血液中のpreβ1HDL濃度が有意に高値を示す
(Miyazaki, O. ら, J. Lipid, Res 41: 2083-2088, 20
00)ことが知られているが、本発明者は、尿中にpreβ1
HDLが排泄されている事実を発見し、本発明に占める重
要な測定対象を見い出した。
【0017】上記の理由から、生活習慣病発症者等のス
クリーニングに用いる生活習慣病関連物質として、総蛋
白(アルブミン)、ブドウ糖、シスタチンC、apo(a)蛋
白及びpreβ1HDLが好適である。したがって、実際のス
クリーニングにあたっては、上記の5種類の中から一の
物質を測定項目とすればよい。また、測定精度を向上さ
せたい場合には、上記5種類の中から2ないし5の物質
を選び、それらの組合せを適宜設定して複合測定するよ
うにすればよい。測定の結果、上記の測定対象の測定値
が基準値から外れて異常値を示す場合には、受診者が生
活習慣病等を発症ないし保有していることが判断され、
特に高脂血症を発症していることが診断できる。
【0018】高尿酸血症は痛風の基礎病態として重要な
病態であるばかりでなく、生活習慣によって発症してく
ることが多く、また多くの他の生活習慣病を同時併発す
ることが多い。そのため高尿酸血症が心・血管障害の危
険因子か否かが注目されている(細谷龍男, Mebio 17:
24-29, 2000)。また、高脂血症患者での高尿酸血症の
合併率は56〜71%と高率であることが知られている
(山本徹也, MEBIO 17: 38-43, 2000)。さらに、肥満
者では尿酸値が高めであることも知られている(中島
弘ら, Mebio 17: 51-59, 2000)。
【0019】生活習慣病状態においては腎血管抵抗の亢
進、腎血流の低下が生じ、さらに、近位尿細管細胞内の
pHが上昇し、その結果Na+/H+交換系が活性化され、近
位尿細管でのNa+再吸収の亢進が起るとされている。こ
のNa+再吸収の亢進は、近位尿細管での重炭酸イオン、
塩化物イオンおよび尿酸の再吸収を促進し、結果的には
排泄低下型高尿酸血症を引き起こすとされている(久留
一郎 他, Mebio 17: 60-69, 2000)。由に、生活習慣
病状態では尿中尿酸値は低値傾向を示すことになる。従
って、尿中尿酸も測定対象として重要である。
【0020】上記の理由から、生活習慣病発症者等のス
クリーニングに用いる生活習慣病関連物質として、総蛋
白(アルブミン)、ブドウ糖、シスタチンC、apo(a)蛋
白及びpreβ1HDLに加えて、尿酸が好適である。したが
って、実際のスクリーニングにあたっては、上記の6種
類の中から一の物質を測定項目とすればよい。また、測
定精度を向上させたい場合には、上記6種類の中から2
ないし6の物質を選び、それらの組合せを適宜設定して
複合測定するようにすればよい。測定の結果、上記の測
定対象の測定値が基準値から外れて異常値を示す場合に
は、受診者が生活習慣病等を発症ないし保有しているこ
とが判断さる。特に尿酸値を測定項目に選んだ場合にお
いて、測定値が基準値から外れて異常値を示すときに
は、受診者は高脂血症、高尿酸血症等を併発しているこ
とが診断される。
【0021】また、近年Chlamydia pneumoniae, Helico
bacter pylori, Cytomegalovirusなどの慢性感染症が、
高脂血症、糖尿病、高血圧、喫煙などすでに確立された
虚血性心疾患の危険因子であるとする報告が紹介されて
いる(河野幹彦, 医学のあゆみ 188: 1045-1048, 199
9)。これらの観点から尿中の抗Chlamidia pneumoniaeI
gA抗体や、抗Helicobacter pylori IgA抗体も測定対象
として重要である。なお、アルデヒド類(4−ヒドロキ
シ−2−ノネナール、アクロレイン、マロン酸ジアルデ
ヒドなど)や変性蛋白(酸化、糖化変性)も測定対象と
して重要であると考えられる。
【0022】以上のごとく、尿中の総蛋白(アルブミ
ン)、ブドウ糖、尿酸、シスタチンC、apo(a)蛋白、pre
β1HDL、apoE蛋白、抗Chlamidia pneumoniae IgA抗体、
抗Helicobacter pylori IgA抗体などから選択される生
活習慣病関連物質を測定対象にすることにより、生活習
慣病発症者等をスクリーニングすることができる。
【0023】また、本発明においては、生活習慣病発症
者等をスクリーニングする場合において、生活習慣病関
連物質を測定するための試薬、試験器具等一式を揃えた
キットとして供給することも容易にできる。キット化を
図ることにより、各医療機関等において、生活習慣病発
症者等のスクリーニングを大量に、簡易かつ迅速に行う
ことができる。
【0024】また、受診者が家庭内にて親水性高分子か
らなる吸水紙に尿を吸水させ、これを医療機関に郵送
し、次いで医療機関にて公知の溶出液を用いて吸水紙か
ら尿を溶出させたものを本発明の方法でスクリーニング
するようにすれば、本発明のスクリーニング方法を郵送
検診システムとして広範囲に適応することができる。こ
の郵送検診システムによれば、検診を受けたい者は病院
にまで足を運ばなくても本発明のスクリーニングを受け
ることができるので、病院まで遠距離であっても問題な
くスクリーニングを受けることができるなど、非常にメ
リットの大きいシステムとして期待される。
【0025】なお、このシステムに用いることができる
吸水紙は、尿を吸収することができる機能を有する吸水
性の材質で形成されていれば特に制限されず、例えば定
型のろ紙などが好適に用いられる。また、病院への郵送
後において、吸水紙によって吸収された尿は必ずしも乾
燥した状態である必要性はなく、非乾燥状態であっても
測定精度として問題が生じるものでもない。したがっ
て、サンプルの取り扱いに注意を必要としないので、こ
のシステムの汎用性はかなり高いと考えられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものでは
ない。
【0027】[尿中apo(a)濃度測定法]尿中apo(a)の測
定は、96wellのマイクロプレート(Nunc-Immuno Plat
e:PolySorp)を用いるEnzyme linked-immunosorbent as
say(ELISA)で行った。ウサギポリクローナル抗ヒトLi
poprotein(a)抗体(DAKO)を固相に用い、トリス塩酸緩
衝液(0.05mol/l、pH8.4)を5μg/mlの濃度に希釈
し、100μlずつマイクロプレートの各wellに分注し、4
℃、24時間の条件で反応させて上記抗体を吸着させ
た。測定時には脱イオン水で余剰の抗体を洗浄し、ブロ
ッキング剤として、各wellに100μlの1%Bovine serum
albumin (BSA)(Bayer)を含むトリス緩衝液(0.1mo
l/l、pH8.0)を分注した。
【0028】次いで、50μlの尿試料(4倍希釈尿)を
加えて混和し、37℃で1時間反応させた後、脱イオン
水で3回洗浄した。その後、ビオチン標識Fab´化抗ヒト
Lp(a)モノクローナル抗体溶液(1%BSAを含むトリス緩
衝液)を各wellに100μlずつ加えて混和した後、37℃
で1時間反応させ、先と同様に3回洗浄した。
【0029】次に、HRP標識アビジンD(Vector Laborat
ories社製)を、1%BSAを含むトリス緩衝液で20000倍希
釈とし、100μlずつマイクロプレートの各wellに分注し
て、室温下で30分間反応させ、先と同様に3回洗浄し
た。TMBZ(同仁化学)溶液(TMBZ 40mgをメタノール
50mlで溶解した後に0.1M Tris水溶液50mlを混合)と
0.0375%過酸化水素水を含む0.035Mクエン酸水溶液を等
量混合した発色試薬(用時調製)を100μl/well分注
し、室温下で15分間反応させ、2.7g/dlの NaF水溶液
を100μl/well分注し、反応を停止した。
【0030】最後に、マイクロプレート用比色計(三光
純薬)を用いて630/450nmの波長で比色し、同時に測定
したapo(a)標準物質から作成した検量線より尿中のapo
(a)濃度を算出した。
【0031】[血清中Lp(a)と尿中apo(a)濃度との関係
性]血清中Lp(a)濃度と尿中apo(a)蛋白濃度の関係性を
40例について調べた結果、相関係数r=0.634(p<0.000
1)の関係性が認められた(図1)。
【0032】[正脂血症、高脂血症を呈するヒト血清中
HDLの分子サイズの検討]正脂血症、高脂血症を呈する
ヒトの血清から超遠心法でHDLを調整し、これを2.4%か
ら15.2%の非直線的濃度勾配を有するポリアクリルアミ
ドゲルプレートを用いた電気泳動法によって、HDLの分
子サイズを検討した。その結果、高脂血症を呈するヒト
においてapoE蛋白がHDLから遊離して存在する例が多く
認められた。
【0033】[尿中におけるpreβ1HDL存在の確認]尿
蛋白試験紙法が陰性を呈した健常者尿を試料として、抗
ヒトapoA1抗体を用いたアフィニティーカラム法によ
り、apoA1を有する物質を単離した。その後、ゲル濾過
分析により分子量を検討したところ、分子量約6万のapo
A1蛋白2分子とリン脂質からなるpreβ1HDLの存在が確認
された(図2)。
【0034】[尿中preβ1HDL濃度測定法]尿中preβ1H
DLの測定は、96wellのマイクロプレート(Nunc-Immuno
Plate: Poly Sorp)を用いたEnzyme linked-immunosorb
ent assay(ELISA)で行った。ウサギポリクローナル抗
ヒトapolipoproteinA1抗体(DAKO)を固相に用い、トリ
ス塩酸緩衝液(0.05mol/l、pH8.4)を用いて5μg/ml
の濃度に希釈し、100μlずつマイクロプレートの各well
に分注して4℃で24時間反応させて上記抗体を吸着させ
た。測定時には脱イオン水で余剰の抗体を洗浄し、ブロ
ッキング剤として、各wellに100μlの1%Bovine serum
albumin (BSA)(Bayer)を含むトリス緩衝液(0.1mol
/l、pH8.0)を分注した。
【0035】次いで、50μlの尿試料を加え、混和
し、37℃で1時間反応させた後、脱イオン水で3回洗浄
した。その後、ビオチン標識Fab´化抗ヒトapolipoprot
einA1モノクローナル抗体溶液(1%BSAを含むトリス緩
衝液)を各wellに100μlずつ加え混和した後、37℃で
1時間反応させ、先と同様に3回洗浄した。次いで、HRP
標識アビジンD(Vector Laboratories社製)を1%BSA
を含むトリス緩衝液で20000倍希釈とし、100μl/well分
注し、室温下、30分間反応させ、先と同様に3回洗浄し
た。TMBZ(同仁化学)溶液(TMBZ 40mgをメタノール50m
lで溶解した後に0.1Mトリス水溶液50mlを混合)と0.037
5%過酸化水素水を含む0.035Mクエン酸水溶液を等量混
合した発色試薬(用時調整)を100μl/well分注し、室
温下15分間反応させ、を100μl/well分注し、反応を停
止した。マイクロプレート用比色計(三光純薬)を用い
て450/630nmの波長で比色し、同時に測定した 標準物
質から作成した検量線より尿中の 濃度を算出した。
【0036】[正脂血症および高脂血症における尿中pr
eβ1HDL濃度と血清脂質濃度との関係性]正脂血症例、
高脂血症例について、尿中preβ1HDL濃度と血清LDLコレ
ステロール濃度との関係性を調べた結果、図3に示す如
く高脂血症群において、尿中preβ1HDL濃度が有意な高
値を示した。
【0037】[スクリーニングの実施例]生活習慣病発
症者または生活習慣病危険因子保有者をスクリーニング
する目的で、測定項目として尿試験紙による蛋白、ブド
ウ糖定性試験と、シスタチンC、apo(a)蛋白、preβ1HD
L、尿酸の測定を選択したケースでの実際例を示す。尿
中シスタチンC濃度およびpreβ1HDL濃度については、健
常者尿を多数例測定し、あらかじめそれぞれのカットオ
フ値を求めた(図4)。尿中apo(a)蛋白濃度について
は、血清中Lp(a)濃度のカットオフ値に相当する尿apo
(a)濃度のカットオフ値を設定した(図1)。実施は、
スクリーニング受診者について上述の6項目のテストを
行い、蛋白定性試験が陽性であれば腎機能障害の疑いも
あり、再検査ないし、精査が必要となる。蛋白定性試験
(±)以下については、ブドウ糖、シスタチンC、apo
(a)蛋白、preβ1HDL、尿酸のいずれか1項目でも異常で
あれば(尿酸については従来から知られている尿中排泄
量の低下から判定する)、生活習慣病の疑いとなり、異
常項目数の増加と共に生活習慣病の病態の推定が可能と
なる。
【0038】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明のスクリー
ニング方法によれば、尿を検査材料とする場合であって
も、適切な生活習慣病関連物質を測定項目とすることに
より、生活習慣病発症者等を簡易に精度よくスクリーニ
ングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】血清Lp(a)濃度と尿中apo(a)濃度の相関性を示
す図である。
【図2】尿中preβ1HDLの分子サイズを示す図である。
【図3】血清LDL濃度別の尿中preβ1HDL濃度を比較した
図である。
【図4】尿中Cys-C濃度およびpreβ1HDL濃度の分布を示
す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生活習慣病発症者または生活習慣病危険
    因子保有者(以下、「生活習慣病発症者等」という)に
    特に関連して尿中に排泄される物質(以下、「生活習慣
    病関連物質」という)を測定対象とすることを特徴とす
    る生活習慣病発症者等のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 生活習慣病関連物質が、総蛋白(アルブ
    ミン)、ブドウ糖、尿酸、シスタチンC、apo(a)蛋白、p
    reβ1HDL、apoE蛋白、アルデヒド類(4−ヒドロキシ−
    2−ノネナール、アクロレイン、マロン酸ジアルデヒド
    など)、変性蛋白(酸化、糖化変性)及び生活習慣病の
    発症に関わる病原体に対する抗体から選ばれることを特
    徴とする請求項1に記載の生活習慣病発症者等のスクリ
    ーニング方法。
  3. 【請求項3】 生活習慣病関連物質が、総蛋白(アルブ
    ミン)、ブドウ糖、尿酸、シスタチンC、apo(a)蛋白及
    びpreβ1HDLから選ばれることを特徴とする請求項1に
    記載の生活習慣病発症者等のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 親水性高分子からなる吸水紙に吸収させ
    た尿を溶出液で溶出させたものをスクリーニングに用い
    ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
    記載の生活習慣病発症者等のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の生活習慣病関連物質を測定対象とすることにより、生
    活習慣病発症者等をスクリーニングするようにしたこと
    を特徴とする生活習慣病発症者等のスクリーニング用キ
    ット。
  6. 【請求項6】 親水性高分子からなる吸水紙に吸収させ
    た尿を溶出液で溶出させたものをスクリーニングに用い
    ることを特徴とする請求項5に記載の生活習慣病発症者
    等のスクリーニング用キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005077974A1 (en) * 2004-02-17 2005-08-25 National Public Health Institute IDENTIFICATION OF SNPs ASSOCIATED WITH HYPERLIPIDEMIA, DYSLIPIDEMIA AND DEFECTIVE CARBOHYDRATE METABOLISM
JP2005337952A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Kanazawa Univ Tlo Inc 生活習慣病予知因子
US10481169B2 (en) 2017-02-28 2019-11-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Diagnostic method and biomarker for lifestyle disease

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