JP2003119364A - ガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物

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JP2003119364A
JP2003119364A JP2002231698A JP2002231698A JP2003119364A JP 2003119364 A JP2003119364 A JP 2003119364A JP 2002231698 A JP2002231698 A JP 2002231698A JP 2002231698 A JP2002231698 A JP 2002231698A JP 2003119364 A JP2003119364 A JP 2003119364A
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glass fiber
polytrimethylene terephthalate
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terephthalate resin
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Tomofumi Maekawa
知文 前川
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維強化ポリエステル樹脂の優れた特
徴を損なわずに、該成形体が良外観、低そりであり、か
つ機械的特性に優れ、高耐候性を有するガラス繊維強化
ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)ポリトリメチレンテレフタレー
ト、(B)ガラス繊維、および(C)無機フィラーから
なることを特徴とするガラス繊維強化ポリトリメチレン
テレフタレート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維強化ポ
リトリメチレンテレフタレート樹脂組成物に関し、更に
詳しくは、その成形体が良外観、低そりであり、かつ機
械的特性に優れ、高耐候性を有する強化ポリトリメチレ
ンテレフタレート樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物
は、優れた機械的強度、剛性、耐候性、耐熱性、低吸水
性、耐薬品性、外観などの特徴を有するエンジニアリン
グ樹脂として有用であり、自動車用途および工業用途等
幅広い分野への展開が期待されている。また近年、燃費
向上の為の軽量化、低コスト化、部品のモジュ−ル化、
一体化の観点から、従来金属が使用されている自動車構
造部品をガラス繊維強化熱可塑性樹脂樹脂に代替する動
きが顕著である。なかでもガラス繊維強化ポリブチレン
テレフタレート樹脂組成物は成形性が良く、低吸水性か
つ耐候性が良いという観点から、自動車外装部品として
期待されている。しかしながら、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂にガラス繊維のみを充填したものは、成形品
外観が不良であるばかりか、射出成形により成形した場
合に、成形品のそり変形が大きく、寸法安定性が低いと
いう問題がある。そこで、そり変形を減少させることを
目的とし、ポリブチレンテレフタレート樹脂にガラス繊
維と粉末状無機物とを配合した材料が開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、従来の技術
においては、外観およびそり変形の改良効果が十分でな
いばかりか、剛性、強度などの機械物性、さらに耐候性
に関しても十分でなく、その応用が制限されているとい
うのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラス繊維
強化ポリエステル樹脂の優れた特徴を損なわずに、該成
形体が良外観、低そりであり、かつ機械的特性に優れ、
高耐候性を有するガラス繊維強化ポリトリメチレンテレ
フタレート樹脂組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリトリ
メチレンテレフタレートとガラス繊維と無機フィラーか
らなる組成物が、優れた機械的特性を損なわずに、良外
観、高耐候性でかつそり変形が著しく小さい成形体を与
えることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、 1.(A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)ガ
ラス繊維、および(C)無機フィラーからなることを特
徴とするガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフタレー
ト樹脂組成物。 2.(A)ポリトリメチレンテレフタレート30〜95
重量部、(B)ガラス繊維4〜69重量部、および
(C)無機フィラー1〜50重量部からなることを特徴
とする上記1に記載のガラス繊維強化ポリトリメチレン
テレフタレート樹脂組成物。 3.(A)ポリトリメチレンテレフタレート数平均分子
量が5,000〜100,000、分子量分布(Mw/
Mn)が1.2〜4.5、かつ分子量100,000以
上の分子を1〜20%含有することを特徴とする上記1
または2に記載のガラス繊維強化ポリトリメチレンテレ
フタレート樹脂組成物。 4.ガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフタレート樹
脂組成物の極限粘度[η]が0.60以上であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス繊維
強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。 5.(C)無機フィラーが、ウォラストナイト、タル
ク、マイカ、カオリン、及びチタン酸カリウムウィスカ
ーの群から選ばれた少なくとも一つであることを特徴と
する上記1から4のいずれかに記載のガラス繊維強化ポ
リトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。 6.請求項1〜5のいずれかに記載のガラス繊維強化ポ
リトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を射出成形す
ることにより得られる成形品 7.中空射出成形法により成形されることを特徴とす
る、上記6に記載の成形品。
【0006】以下に、本発明のガラス繊維強化ポリトリ
メチレンテレフタレート樹脂組成物について具体的に説
明する。本発明における(A)ポリトリメチレンテレフ
タレート(以下、PTTと略称することがある。)と
は、酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成分
としてトリメチレングリコールを用いたポリエステルポ
リマーを示している。本発明においてトリメチレングリ
コールとしては、1,3−プロパンジオール、1,2−
プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2
−プロパンジオール、あるいはこれらの混合物の中から
選ばれるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオー
ルが特に好ましい。
【0007】このほかに、本発明の目的を損なわない範
囲で、酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカル
ボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6ーナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカル
ボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケ
トンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸
等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカ
ルボン酸;ε―オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香
酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン
酸を用い、グリコール成分として、エチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノン
などを一部用いて共重合することができる。
【0008】共重合する場合の共重合の量は、本発明の
目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常
酸成分の20モル%以下、あるいはグリコール成分の2
0モル%以下であることが好ましい。また、上述のポリ
エステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、ト
リメシン酸、トリメリット酸等の、三官能または四官能
のエステル形成能を持つ酸またはグリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能また
は四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合し
てもよく、その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の
1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さ
らに好ましくは、0.3モル%以下である。更に、PT
Tはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用し
ても構わない。
【0009】本発明に用いられるPTTの製造方法は、
特に限定されるものではないが、例えば、特開昭51−
140992号公報、特開平5−262862号公報、
特開平8−311177号公報等に記載されている方法
によって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導
体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の
低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまた
はそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適
な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル
酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・
時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げら
れる。
【0010】本発明のPTTは、その数平均分子量が
5,000〜100,000であることが好ましく、分
子量分布を示すMw/Mnが1.2〜4.5であること
が好ましい。さらには、分子量100,000以上の分
子が、1〜20%含有されることが好ましい。数平均分
子量、および分子量分布の測定方法については、例えば
分子量測定の方法は、浸透圧法や末端定量法或いはGP
C法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によ
り測定することができる。例えば、東ソー(株)製HL
C−8120及びカラムとして昭和電工(株)HFIP
804−803(30cmカラム2本)、キャリアとし
てヘキサフルオロイソプロパノール(以後HFIPと呼
ぶ)を用い、標準試料としてポリマーラボラトリー社製
PMMAを用いて、温度40℃、流量0.6ml/分で
実施することができる。
【0011】本発明のガラス繊維強化ポリトリメチレン
テレフタレート樹脂組成物は、その極限粘度[η]が
0.60以上であることが機械特性、特に靭性面から好
ましく、[η]が0.68以上であることがより好まし
く、さらに成形性、特にバリ特性から[η]が0.75
以上であることが最も好ましい。極限粘度[η]につい
ては、オストワルド粘度計を用い、35℃、o-クロロ
フェノール中に該組成物を溶質(PTT樹脂成分)/溶
液=1.00g/dlになるように溶解させ、不溶分
(無機質強化材等)が沈殿した後、その上澄み液を用い
て比粘度ηspを測定し、下記式により求めることがで
きる。 [η]=0.713×ηsp/C+0.1086 C=1.00g/dl
【0012】本発明に用いる(B)ガラス繊維は、通常
ポリエステル樹脂に用いられるものであって、特に制限
はない。また、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物
中の平均繊維長(以下、Lともいう)、平均繊維径(以
下、Dともいう)、アスペクト比(以下、L/Dともい
う)については特に限定されないが、ガラス繊維強化ポ
リトリメチレンテレフタレート樹脂組成物中の平均繊維
長は機械特性および疲労特性から50μm以上であるこ
とが好ましく、100μm以上であることがさらに好ま
しく、150μm以上であることが最も好ましい。ま
た、平均繊維径は5μm以上であることが好ましい。さ
らに、アスペクト比は10以上であることが好ましい。
【0013】ガラス繊維の配合量は、ガラス繊維強化ポ
リトリメチレンテレフタレート樹脂組成物100重量部
のうち、機械的強度保持の観点から4重量部以上であ
り、成形品の外観の観点から69重量部以下である。本
発明のガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフタレート
樹脂組成物は、ポリエステル樹脂、ガラス繊維と必要に
応じて加える添加剤等を、適切にデザインされたスクリ
ュ−を有する押出し機を用いて溶融混練して得ることが
出来る。組成物のガラス繊維表面に存在するグラフト化
ポリエステル樹脂層の量と、この樹脂層中のポリエステ
ル樹脂量、及び、グラフト化ポリエステル樹脂層のガラ
ス繊維表面被覆率は、押出条件(温度、スクリュ−デザ
イン等)、ポリエステル樹脂(分子量、末端基濃度)、
ガラス繊維の表面処理等で変え得るが、本発明における
範囲のグラフト化ポリエステル樹脂層の量、該グラフト
化ポリエステル樹脂層中のポリエステル樹脂の割合、及
び、グラフト化樹脂層のガラス繊維表面被覆率が得られ
るものであれば、これらの製造方法は限定されない。
【0014】前記ガラス繊維は、特に表面処理したもの
が好ましく用いられる。表面処理としては、カップリン
グ剤やフィルム形成剤を用いて行うが、カップリング剤
としてはシラン系カップリング剤、チタン系カップリン
グ剤を挙げることができる。シラン系カップリング剤と
しては、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メト
キシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エト
キシ)シラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、
3−4,5ジヒドロイミダゾ−ルプロピルトリエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリ
メチルシリル)アミド、N,N−ビス(トリメチルシリ
ル)ウレアなどを挙げることができる。
【0015】この中でもγ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシランなどのアミノシランお
よびエポキシシランが経済性に優れ、取り扱い易いた
め、好ましく用いられる。
【0016】チタン系カップリング剤は、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネ−ト、イソプロピルトリド
デシルベンゼンスルホニルチタネ−ト、イソプロピルト
リス(ジオクチルパイロホスフェ−ト)チタネ−ト、テ
トライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタ
ネ−ト、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネ−ト、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチ
ル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチ
タネ−ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェ−ト)オキ
シアセテ−トチタネ−ト、ビス(ジオクチルパイロホス
フェ−ト)エチレンチタネ−ト、イソプロピルトリオク
タノイルチタネ−ト、イソプロピルジメタクリルイソス
テアロイルチタネ−ト、イソプロピルイソステアロイル
ジアクリルチタネ−ト、イソプロピルトリ(ジオクチル
ホスフェ−ト)チタネ−トイソプロピルトリクミルフェ
ニルチタネ−ト、イソプロピルトリ(N−アミドエチ
ル、アミノエチル)チタネ−ト、ジクミルフェニルオキ
シアセテ−トチタネ−ト、ジイソステアロイルエチレン
チタネ−トなどを挙げることができる。
【0017】フィルム形成剤としては、ウレタン系ポリ
マ−、アクリル酸系ポリマ−、無水マレイン酸とエチレ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン、2,3ジクロロブタジエン、
1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエンなどの不飽
和単量体とのコポリマ−、エポキシ系ポリマ−、ポリエ
ステル系ポリマ−、酢酸ビニル系ポリマ−、ポリエ−テ
ル系ポリマ−などの重合体を挙げることができる。この
中でも、経済性と性能が優れるという観点から、エポキ
シ系ポリマ−、ウレタン系ポリマ−、アクリル酸系ポリ
マ−、ブタジエン無水マレイン酸コポリマ−、エチレン
無水マレイン酸コポリマ−、スチレン無水マレイン酸コ
ポリマ−、およびこれらの混合物が特に好ましく用いら
れる。
【0018】このようなカップリング剤およびフィルム
形成剤を用いて、無機充填材の表面処理を行うには、公
知の方法によればよく、上記カップリング剤およびフィ
ルム形成剤の有機溶媒溶液あるいは懸濁液をいわゆるサ
イジング剤として表面に塗布するサイジング処理、ヘン
シェルミキサ−、ス−パ−ミキサ−、レ−ディミキサ
−、V型ブレンダ−などを用いて塗布する乾式混合、ス
プレ−により塗布するスプレ−法、さらには、インテグ
ラルブレンド法、ドライコンセントレ−ト法を挙げるこ
とができる。また、これらの方法を組合せた方法、例え
ばカップリング剤とフィルム形成剤の一部をサイジング
処理により塗布した後、残りのフィルム形成剤をスプレ
−する方法なども挙げることができる。この中でも、経
済性に優れるという観点から、サイジング処理、乾式混
合、スプレ−法およびこれらを組合せた方法が好ましく
用いられる。
【0019】本発明で用いられる無機フィラー(C)は目
的に応じて繊維状、粉粒状、板状の無機質フィラーが用
いられる。繊維状無機質フィラーとしては、アスベスト
繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊
維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼
素繊維、チタン酸カリ繊維、ウォラストナイト、チタン
酸カリウムウィスカー、さらにステンレス、アルミニウ
ム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質
繊維状物質があげられる。特に代表的な繊維状無機質フ
ィラーは、カーボン繊維である。なおポリアミド、フッ
素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も
使用することができる。なお,本発明においては,繊維
状無機質フィラーにガラス繊維は含まない。
【0020】一方、粉粒状無機質フィラーとしてはカー
ボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラ
ス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、
クレー、硅藻土のごとき硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、
酸化亜鉛、アルミナのごとき金属の酸化物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウムのごとき金属の炭酸塩、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウムのごとき金属の硫酸塩、リン酸
ナトリウム、リン酸カルシウムのごとき金属のリン酸
塩、その他、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、二硫化モ
リブデン、各種金属粉末が挙げられる。
【0021】又、板状無機質フィラーとしてはタルク、
マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられ
る。本発明の無機質フィラーはなかんずく、ウォラスト
ナイト、タルク、マイカ、カオリン及びチタン酸カリウ
ムウィスカーの群から選ばれた少なくとも一つの無機質
フィラーがそり変形及び成形品外観(表面の平滑性)の
観点から好ましい。これらの無機質フィラーは一種又は
二種以上併用することができる。繊維状無機質フィラー
と粒状及び/又は板状無機質フィラーの併用は特に機械
的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好まし
い組み合わせである。これらの無機質フィラーの使用に
あたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用する
ことが望ましい。この例を示せば、エポキシ系化合物、
イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート
系化合物等の官能性化合物である。これ等の化合物はあ
らかじめ表面処理又は収束処理を施して用いるか、又は
材料調製の際同時に添加してもよい。
【0022】前記炭素繊維の中でも、平均繊維径は、3
〜30μm、平均繊維長が100〜750μmであり、
平均繊維長数と平均繊維径とのアスペクト比(L/D)
が10〜100のものが、高い特性を発現するという観
点から最も好ましく用いられる。また、ウォラストナイ
トは、平均繊維径は、3〜30μm、平均繊維長が10
〜500μmであり、前記アスペクト比(L/D)が3
〜100のものが最も好ましく用いられる。さらに、タ
ルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、チタン酸カ
リウムウィスカーは平均粒径が0.1〜100μmのも
のが最も好ましく用いられる。
【0023】また、本発明組成物に結晶核剤をさらに配
合すると、より本発明の目的により合致した組成物が得
られる。結晶核剤としては、有機物、無機物いずれも使
用することができる。無機物としては、Zn粉末、Al
粉末、グラファイト、カーボンブラックなどの単体や、
ZnO、MgO、Al、TiO、MnO、S
iO、Feなどの金属酸化物、窒化アルミ、窒
化硅素、窒化チタン、窒化硼素などの窒化物、Na
、CaCO、MgCO、CaSO4、CaSi
、BaSO、Ca(POなどの無機塩、
タルク、カオリン、クレー、白土などの粘土類を単独又
は2種以上混合して使用することができる。又、有機物
としては、シュウ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム、
安息香酸カルシウム、フタル酸カルシウム、酒石酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリアクリル酸塩
などの有機塩類、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の高分子、高分子の架橋物などを単独又は2
種以上混合して使用することができる。特に好ましいも
のは窒化硼素、或いはタルク、カオリン、クレー、白土
等の粘土類及び有機塩類である。これら結晶核剤の添加
量については、PTT100重量部に対し、0.001
〜1重量部であるが、0.01〜1重量部の添加量が機
械的特性面において特に好ましい。
【0024】本発明の組成物に、さらに離型剤を添加す
るとより本発明の目的に合致した樹脂組成物が得られ
る。成形性改良剤としては、リン酸エステル類、亜リン
酸エステル類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸金属塩類、高
級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸アミド化合物類、ポリ
アルキレングリコールあるいはその末端変性物類、低分
子量ポリエチレンあるいは酸化低分子量ポリエチレン
類、置換ベンジリデンソルビトール類、ポリシロキサン
類、カプロラクトン類が挙げられるが、特に好ましいの
は、(x)高級脂肪酸類、(y)高級脂肪酸金属塩類、
(z)高級脂肪酸エステル類である。
【0025】以下これら成形性改良剤について詳細に説
明する。 (x)高級脂肪酸類 高級脂肪酸類としては、高級飽和脂肪酸類、高級不飽和
脂肪酸類あるいはこれらの混合物が好ましく用いられ
る。 (x−1)高級飽和脂肪酸類 高級脂飽和肪酸類は、例えばカプリン酸、ウラデシル
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリ
シン酸、ラクセル酸など、あるいはこれらの混合物を挙
げることができる。 (x−2)高級不飽和脂肪酸類 高級不飽和脂肪酸類としては、炭素数が6〜22の不飽
和脂肪酸が好ましく用いられ、中でも、より好ましいも
のとしては、例えばウンデシレン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソ
ルビル酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ス
テアロール酸、2−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン
酸、9−ヘキサデセン酸、ガドレイン酸、ガドエライジ
ン酸、11−エイコセン酸など、あるいはこれらの混合
物を挙げることができる。
【0026】(y)高級脂肪酸金属塩類 高級脂肪酸金属塩類としては、高級飽和脂肪酸金属塩
類、高級不飽和脂肪酸金属塩類あるいはこれらの混合物
が好ましく用いられる。 (y−1)高級飽和脂肪酸金属塩類 高級脂飽和肪酸類は、下記一般式で示される。 CH(CHCOO(M) ここで、n=8〜30であり、金属元素(M)が、元素
周期律表の1A、2A、3A族元素、亜鉛、アルミニウ
ムなどが好ましく用いられる。中でも、より好ましいも
のとしては、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリ
ン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、
パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデ
カン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロ
チン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラ
クセル酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など、ある
いはこれらの混合物を挙げることができる。
【0027】(y−2)高級不飽和脂肪酸金属塩類 高級不飽和脂肪酸金属塩類としては、炭素数が6〜22
の不飽和脂肪酸と、元素周期律表の1A、2A、3A族
元素、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩が好ましく用
いられ、中でも、より好ましいものとしては、ウンデシ
レン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エ
ルカ酸、ブラシジン酸、ソルビル酸、リノール酸、リノ
レン酸、アラキドン酸、ステアロール酸、2−ヘキサデ
セン酸、7−ヘキサデセン酸、9−ヘキサデセン酸、ガ
ドレイン酸、ガドエライジン酸、11−エイコセン酸の
リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウ
ム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など、あるいはこれらの
混合物を挙げることができる。
【0028】(z)高級脂肪酸エステル類 本発明における高級脂肪酸エステル類は、高級アルコー
ルと高級脂肪酸とのエステル、あるいは多価アルコール
と高級脂肪酸とのエステル、あるいはこれらの混合物が
好ましく用いられる。 (z−1)高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類 高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類として、好
ましいのは、炭素数8以上の脂肪族アルコールと炭素数
8以上の高級脂肪酸とのエステル類である。好ましい高
級脂肪酸エステル類としては、例えばラウリルラウレー
ト、ラウリルミリステート、ラウリルパルミテート、ラ
ウリルステアレート、ラウリルベヘネート、ラウリルリ
グノセレート、ラウリルメリセート、ミリスチルラウレ
ート、ミリスチルミリステート、ミリスチルステアレー
ト、ミリスチルベヘネート、ミリスチルリグノセレー
ト、ミリスチルメリセート、パルミチルラウレート、パ
ルミチルミリステート、パルミチルステアレート、パル
ミチルベヘネート、パルミチルリグノセレート、パルミ
チルメリセート、ステアリルラウレート、ステアリルミ
リステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステ
アレート、ステアリルベヘネート、ステアリルアラキネ
ート、ステアリルリグノセレート、ステアリルメリセー
ト、アイコシルラウレート、アイコシルパルミテート、
アイコシルステアレート、アイコシルベヘネート、アイ
コシルリグノセレート、アイコシルメリセート、ベヘニ
ルラウレートである。
【0029】また、ベヘニルミリステート、ベヘニルパ
ルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルベヘネー
ト、ベヘニルアラキネート、ベヘニルメリセート、テト
ラコサニルラウレート、テトラコサパルミテート、テト
ラコサニルステアレート、テトラコサニルベヘネート、
テトラコサニルリグノセレート、テトラコサニルセロテ
ート、セロチニルステアレート、セロチニルベヘネー
ト、セロチニルセロチネート、メリシルラウレート、メ
リシルステアレート、メリシルベヘネート、メリシルメ
リセートなど、あるいはこれらの混合物を挙げることが
できる。
【0030】(z−2)多価アルコールと高級脂肪酸と
のエステル類 多価アルコールと高級脂肪酸の部分エステル類は、多価
アルコールとして、例えばグリセリン、1,2,3−ブタ
ントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、エリス
リット、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパ
ン、マニトール、ソルビトールなどが好ましく用いら
れ、また高級脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウラ
デシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、
ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステ
アリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグ
ノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン
酸、メリシン酸、ラクセル酸などが好ましく用いられ
る。
【0031】これら多価アルコールと高級脂肪酸とのエ
ステル類は、モノエステル類、ジエステル類またはトリ
エステルのいずれであってもかまわない。より好ましい
ものとしては、例えばグリセリンモノラウレート、グリ
セリンモノミリステート、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノリグノ
セレート、グリセリンモノメリセートなどの高級脂肪酸
モノグリセリド、ペンタエリスリトール−モノまたはジ
−ラウレ−ト、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−
ラウレ−ト、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ミ
リステ−ト、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−パ
ルミテート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ス
テアレート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ベ
ヘネート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−リグ
ノセレート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−メ
リセートなどのペンタエリスリトールのモノまたはジ高
級脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン−モノ−ま
たはジ−ラウレート、トリメチロールプロパン−モノ−
またはジ−ミリステート、トリメチロールプロパン−モ
ノ−またはジ−パルミテート、トリメチロールプロパン
−モノ−またはジ−ステアレートである。
【0032】また、トリメチロールプロパン−モノ−ま
たはジ−ベヘネート、トリメチロールプロパン−モノ−
またはジ−リグノセレート、トリメチロールプロパン−
モノ−またはジ−メリセートなどのトリメチロールプロ
パンのモノ−またはジ−高級脂肪酸エステル、ソルビタ
ン−モノ、ジまたはトリ−ラウレート、ソルビタン−モ
ノ、ジまたはトリ−ミリステート、ソルビタン−モノ、
ジまたはトリ−ステアレート、ソルビタン−モノ、ジま
たはトリ−ベヘネート、ソルビタン−モノ、ジまたはト
リ−リグノセレート、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ
−メリセートなどのソルビタン−モノ、ジ、またはトリ
高級脂肪酸エステル、マンニタン−モノ、ジまたはトリ
−ラウレート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ミリ
ステート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−パルミテ
ート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ステアレー
ト、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ベヘネート、マ
ンニタン−モノ、ジまたはトリ−リグノセレート、マン
ニタン−モノ、ジまたはトリ−メリセレートなどのマン
ニタン−モノ、ジまたはトリ−高級脂肪酸エステルな
ど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0033】これら(x)高級脂肪酸類、(y)高級脂
肪酸金属塩類、(z)高級脂肪酸エステル類の配合量
は、本発明のPTT樹脂組成物中のPTT100重量部
に対して、成形加工性の観点から0.001重量部以上
であり、成形品表面の銀状発生、あるいは成形品の機械
的物性の観点から5重量部以下であることが好ましく、
より好ましくは0.01〜3重量部である。
【0034】本発明のガラス繊維強化ポリトリメチレン
テレフタレート樹脂組成物には、本発明の目的を損なわ
ない範囲において、これらの組成物に1種または2種以
上の添加物、例えば、他の樹脂ポリマ−、安定剤および
禁止剤(酸化劣化、熱劣化、紫外線劣化に対する)、着
色剤(染料および顔料を含む)、可塑剤、発泡剤、消泡
剤、整色剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、艶消し
剤などを目的に応じて適宜加えることが出来る。
【0035】本発明のガラス繊維強化ポリトリメチレン
テレフタレート樹脂組成物は、各種成形加工性に優れる
ため、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、
ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成
形、フィルム成形、中空成形、多層成形、発泡成形など
を用いて良好に成形加工ができる。特に中空射出成形
は、成形体のひけ、そり、外観を改善する目的で好まし
く用いられる。中空射出成形法とは、溶融樹脂の射出途
中、又は、射出完了後に金型内に加圧ガスを圧入して、
金型キャビティ内の溶融樹脂中に加圧ガスによって中空
部を形成し、この中空部内の加圧ガスの圧力を適宜に保
ちながら成形体の冷却を進める成形法をいう。さらに中
空射出成形法について説明すると、中空射出成形におけ
る溶融樹脂の射出量は、金型キャビティ内を満たすに十
分な量を射出するフルショットでも、又、金型キャビテ
ィ内を満たすに足りない量を射出するショートショット
のいずれでもよい。
【0036】加圧ガスとしては、ポリトリメチレンテレ
フタレート系樹脂と不活性であればどのようなものでも
よく、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の
不活性ガスを挙げることが出来る。また、成形時のポリ
トリメチレンテレフタレート系樹脂の分解やヤケを防止
するために、不純成分の少ないガスを用いることが好ま
しい。加圧ガスの圧入は、アキュウムレーターに蓄えた
加圧ガスを金型に導くことも可能であるし、又、ポンプ
で連続的に金型へ供給することも可能である。
【0037】通常、成形体は、必要な冷却完了後、中空
部内の加圧ガスを排出すると共に、中空部内を大気圧開
放してから金型から取り出される。従って、本発明に係
る成形体の中空部は、通常、大気圧となっている。しか
し、中空部内に加圧ガスを密封した成形体であってもよ
い。本発明に係る成形体は、上述のような中空射出成形
法で成形されたものであるため、中空部を有する。中空
率は、3〜50%であることが好ましく、更に好ましく
は、5〜40%である。
【0038】本発明における上記中空部は、中空射出成
形の加圧ガスの圧入によって形成された中空部をいい、
ボイドや発泡による中空部とは本質的に異なるものであ
る。本発明のガラス強化ポリトリメチレンテレフタレー
ト樹脂組成物から得られる成形体は、従来の熱可塑性樹
脂組成物と比較し、極めて優れた機械物性、成形性、耐
熱性、耐久性を有するとともに、外観、耐衝撃性、低吸
水性、耐薬品性、耐加水分解性などに優れるため、例え
ば、自動車部品材料、電気電子材料、産業資材、工業材
料、家庭用品などの成形材料として好適に使用すること
ができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明の効果を
更に詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例になん
ら限定されるものではない。なお、使用した熱可塑性樹
脂およびその配合剤は下記のとおりである。 (1)PTT1:ポリトリメチレンテレフタレート樹
脂。 極限粘度[η]=0.89×dl/gのポリトリメチレ
ンテレフタレート なお,極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求めた。 [η]=lim(1/C)×(ηr−1)[C→0] 定義式のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノー
ルで溶解したポリトリメチレンテレフタレートの希釈溶
液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自
体の粘度で割った値で相対粘度と定義されているもので
ある。またCは上記溶液100ml中のグラム単位によ
る溶質重量値である。数平均分子量9800、Mw/M
n=2.1、10万以上の分子が占める割合は5.8%
であった。
【0040】なお、ポリトリメチレンテレフタレート樹
脂の分子量および分子量分布については、GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー)により測定し
た。測定条件は、東ソー(株)製HLC−8120及び
カラムとして昭和電工(株)HFIP804−803
(30cmカラム2本)、キャリアとしてHFIPを用
い、温度40℃、流量0.6ml/分で実施した。標準
試料としてポリマーラボラトリー社製PMMAを用いて
検量線を作成し測定した。標準PMMAの分子量は、6
20、1680、3805、7611、13934、2
4280、62591、186000のものを用いた。
【0041】・PTT2:ポリトリメチレンテレフタレ
ート樹脂 極限粘度[η]=0.80×dl/gのポリトリメチレ
ンテレフタレート 数平均分子量8500、Mw/Mn=2.1、10万以
上の分子が占める割合は4.7%であった。 ・PTT3:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂 極限粘度[η]=0.70×dl/gのポリトリメチレ
ンテレフタレート数平均分子量7200、Mw/Mn=
2.1、10万以上の分子が占める割合は3.5%であ
った。 ・PTT4:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂 極限粘度[η]=0.60×dl/gのポリトリメチレ
ンテレフタレート数平均分子量6100、Mw/Mn=
2.1、10万以上の分子が占める割合は2.4%であ
った。
【0042】・PBT:ポリブチレンテレフタレート樹
脂 ポリプラスチックス(株)製 ジュラネックス2002 (2)ガラス繊維:日本電気硝子(株)製 03T−1
87/PL (3)無機フィラー (MF―1)ウォラストナイト:巴工業(株)社製 N
YGLOS5 (MF―2)タルク:日本タルク(株)製 ミクロエー
スL-1 (MF―3)マイカ:レプコ社製 M-400T (MF―4)カオリン:米国エンゲルハルト社製 トラ
ンスリンク445 (MF―5)チタン酸カリウムウィスカー:川鉄鉱業
(株)製 タイブレックスHPA
【0043】なお、以下の実施例、比較例において記載
した物性評価は、以下のように行った。 1.成形品の作成および物性 成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹
脂(株)製PS40E、金型温度95℃に設定し、射出
20秒、冷却15秒の射出成形条件で、成形品を得た。
なお、シリンダー温度は260℃に設定した。 (1−1)引張強度(MPa)および引張伸度(%) ASTMD638に準じて行った。 (1−2)曲げ弾性率および曲げ強度(MPa) 23℃においてそれぞれ試験片を1時間以上放置した
後、測定を行った。ASTMD790に準じて行った。 (1−3)ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m) ASTMD256に準じて行った。 (1−4)荷重たわみ温度(℃) ASTMD648に準じて行った。荷重は1.82Mp
aで行った。
【0044】(1−5)そり量(mm) 厚み3mm、一辺130mmの平板を射出成形し、該平
板の3角を水平面につけ、残りの1角と水平面との最大
隙間間隔(mm)を測定した。 (1−6)成形体外観(1) 厚み3mm、一辺130mmの平板を射出成形し、堀場
製ハンディー光沢計IG320を用いて、JIS−K7
150に準じてGs60℃を測定した。数値が90以上
の場合には○、90未満の場合には×とした。 (1−7)耐候性 下記の方法にて耐候性試験を実施し、成形片表面の変色
をΔE値で表し、評価した。 試験法)上記成形条件で成形した試験片(70mm×5
0mm×3mm厚さ)を用いて、キセノン、65℃、雨
有り条件下(ウェザーメーター(アトラスCi40
0))で、1000h評価した。ΔE値は分光測色計:
CM−2002(ミノルタ製)にて未試験の試験片との
色差を測定した。
【0045】(1−8)中空率 後述するように、キャビティ内寸法、縦10mm、横1
0mm、長さ150mmの角柱状に加工された金型によ
り中空射出成形された成形体の見かけ上の体積(V)
と、使用した樹脂材料の密度(ρ)および得られた成形
体の質量(M)とから、次式によって算出した。 中空率(%)={(V×ρ-M)/(V×ρ)}×10
0 又、評価は100ショットの算術平均値で実施した。
尚、100ショットの中、成形にガスの突き抜けが認め
られたものは「×」で表記した。
【0046】(1−9)金型寸法と成形体寸法の差 上述にように得られた成形体の中心軸長さ(L1;m
m)を測定し、金型の寸法である150mmから、L1
を差し引いて求めた。又、評価は100ショットの算術
平均値で実施した。 (1−10)成形体外観(2) 試料面として、後述する成形体の4つの周面の中、ゲー
トの対面の外側部(10mm×150mm)に設けた梨
地のシボの発現性を目視で判定した。 ◎:シボ再現性が良好、GF浮きが全くなし ○:シボ発現性が良好、GF浮きが若干あり ×:シボ発現性が不良、GF浮きが目立つ
【0047】
【実施例1〜9、比較例1〜3】表1に従い、PTTま
たはPBTを2軸押出機(東芝機械(株)製:TEM5
8)を用いて溶融混練し,サイドフィダーからガラス繊
維(平均繊維径13μm×平均繊維長3mm)および無
機フィラー(MF−1〜MF−5)を表1に示した配合
比で添加した。スクリュー回転数300rpm、シリン
ダー温度250℃(先端ノズル付近のポリマー温度は、
280℃であった)、押出速度150Kg/hr(滞留
時間1分)、減圧度は0.04MPaで押出を行った。
先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷
・カッティングを行いペレットとした。該ペレットを1
20℃で5時間、除湿型乾燥機で乾燥した後、上記に示
す射出成形方法で試験片を作成し、この試験片を上記測
定方法に従って、解析および諸特性の測定した。
【0048】
【実施例10、11】PTT、ガラス繊維、ウォラスト
ナイト(MF−1)を表2に示した配合比で溶融混練し
た樹脂ペレットを用い、キャビティ内寸法縦10mm、
横10mm、長さ150mmの角柱状に加工された金型
にて、通常成形(中空ではないソリッド成形)と中空射
出成形を行った。ゲートは1点とし、成形体の4つの周
面の1つの面の重心位置に設けた。また、ゲートの対面
の外側部(10mm×150mm)に梨地のシボを設け
た。金型温度は95℃、シリンダー設定温度は240℃
とした。中空射出成形時の加圧ガスとしては窒素ガスを
用い、射出シリンダーへのガスの逆流を防止するための
シャットオフ弁を設け、射出ノズルに内蔵させたガスノ
ズルから圧入を行った。
【0049】加圧ガスの圧入は、窒素ガスを150kg
/cm2に昇圧してアキュームレーターに蓄え、溶融樹
脂の射出後、配管を通して上記ガスノズルから金型内へ
送り込むことにより行った。加圧ガスの圧入条件は、ガ
ス圧入遅延時間(溶融樹脂の射出完了後、加圧ガスの圧
入開始までの時間)を0.5秒、ガス圧入時間(加圧ガ
スの圧入を行う時間)を5秒、圧力保持時間(加圧ガス
の圧入を止め、ガスを閉じた状態に保持する時間にガス
圧入時間を加えた時間)を60秒とした。型開きは、中
空部内の加圧ガスを排出した後で、圧力保持時間終了か
ら5秒後に行った。この成形体の測定結果を表2に示
す。
【0050】
【比較例4、5】PBT、ガラス繊維、ウォラストナイ
トを表2に示した配合比で溶融混練した樹脂ペレットを
用い、実施例10と同様の操作にて通常成形(中空では
ないソリッド成形)と中空射出成形を実施した。この成
形体の測定結果を表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明のガラス繊維強化ポリトリメチレ
ンテレフタレート樹脂組成物は、該成形体が機械的特性
に優れ、良外観、高耐候性かつ著しくそり変形が少ない
特徴を有するものであり、各種用途に求められている高
性能化・高機能化という要求の解決にも大きく貢献でき
ることが期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AA09 AB09 AD37 AD40 AD54 AE26 AF02 AF06 AK15 AL02 4J002 CF051 DA017 DA037 DA077 DA097 DA117 DC007 DE097 DE107 DE117 DE137 DE147 DE187 DE237 DG027 DG047 DG057 DH047 DJ007 DJ017 DJ027 DJ037 DK007 DL006 DL007 FA017 FA046 FA047 FA067 FD016 FD017 GN00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリトリメチレンテレフタレー
    ト、(B)ガラス繊維、および(C)無機フィラーから
    なることを特徴とするガラス繊維強化ポリトリメチレン
    テレフタレート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリトリメチレンテレフタレート
    30〜95重量部、(B)ガラス繊維4〜69重量部、
    および(C)無機フィラー1〜50重量部からなること
    を特徴とする請求項1に記載のガラス繊維強化ポリトリ
    メチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ポリトリメチレンテレフタレート
    の数平均分子量が5,000〜100,000、分子量
    分布(Mw/Mn)が1.2〜4.5、かつ分子量10
    0,000以上の分子を1〜20%含有することを特徴
    とする請求項1または2に記載のガラス繊維強化ポリト
    リメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフ
    タレート樹脂組成物の極限粘度[η]が、0.60以上
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のガラス繊維強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 (C)無機フィラーが、ウォラストナイ
    ト、タルク、マイカ、カオリン及びチタン酸カリウムウ
    ィスカーの群から選ばれた少なくとも一つであることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガラス繊
    維強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のガラス
    繊維強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物を
    射出成形することにより得られる成形品。
  7. 【請求項7】 中空射出成形法により成形されることを
    特徴とする請求項6に記載の成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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