JP2003114489A - ハロゲン化銀乳剤、化学増感方法およびハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤、化学増感方法およびハロゲン化銀写真感光材料

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JP2003114489A
JP2003114489A JP2002225038A JP2002225038A JP2003114489A JP 2003114489 A JP2003114489 A JP 2003114489A JP 2002225038 A JP2002225038 A JP 2002225038A JP 2002225038 A JP2002225038 A JP 2002225038A JP 2003114489 A JP2003114489 A JP 2003114489A
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aryl
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Hiroyuki Suzuki
博幸 鈴木
Hirotomo Sasaki
博友 佐々木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度で、かつ露光時の湿度条件の違いによる
感度変動が小さく、高照度での相反則特性に優れるハロ
ゲン化銀乳剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物によ
り化学増感されたハロゲン化銀乳剤。 一般式(1) [L1-Au(I)-L2]Mn1 式(1) 中、Au(I)は1価の金を表し、Mは水素原子又は対
カチオンを表し、n1は0以上1以下の数字を表す。L1
よびL2は一般式(2) 〜(5) で表される化合物より選ばれ
る。 【化1】 式中、Ch1はS,SeまたはTeを;A1はO,S,NR4 を;R1〜R4,
R10〜R15 はH又は置換基を;X1はO,S,NR5 を; Y1はH,アル
キル,アルケニル,アルキニル,アリール,ヘテロ環基,OR6,SR7,N(R 8)R9
を;R5〜R9はH,アルキル,アルケニル,アルキニル,アリール又はヘテロ環基
を;R10及びR11の少なくとも一方は電子求引性基を;W1
は電子求引性基を表す。R3はR1又はR2と共に5〜7員環
を形成してもよい。X1とY1又はW1とR13 は互いに結合し
環を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、詳しくは低カブリ、高感度、硬調で高照
度での相反則特性に優れ、かつ露光時の違いによる感度
変動が小さく、潜像安定性に優れるハロゲン化銀乳剤、
およびその化学増感方法およびこれを用いたハロゲン化
銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー印画紙においては、高感度
化、高画質化、処理時のタフネスなどの性能に対する要
求が強まっており、低カブリ、高感度で硬調な乳剤、保
存時の感度変動の少ない乳剤、露光時の温度及び湿度条
件の違いによる写真性変動の少ない乳剤、耐湿潤摩耗性
に優れた乳剤が望まれている。一方で、最近ではレーザ
ー走査露光装置の普及により、短時間かつ高照度露光適
性も重要な性能の1つに挙げられる。レーザー走査露光
では、露光の高速化及び解像度の向上が図れることが大
きな特徴である。しかしながら、これをカラー印画紙に
用いれば、今までにない非常に短時間(具体的には10
-6秒)かつ高照度での露光適性が要求される。
【0003】高感度化を達成するために金増感法が有効
な手段となる。塩化金酸などのAu(III)化合物を
用いることが古くから知られている。塩化金酸は水溶液
中で十分に安定である反面、感度、階調、高照度露光適
性、保存時の感度変動、耐湿潤摩耗性、露光時の温湿度
環境に対するタフネスなどの点で不十分な写真性であ
り、改良が望まれている。金増感に用いる金化合物とし
てメソイオン配位子を含む金(I)化合物(以下メソイ
オン金(I)化合物と記す)が知られており、特開平4
−267249号には高感度、硬調な乳剤製造に有用で
あることが開示されている。しかし特開平11−218
870号に開示されているように、メソイオン金(I)
化合物は溶液中での安定性に問題があることが知られて
いる。溶液中での安定性は品質の一定な乳剤の安定製造
に欠かせない条件であることなどから、改善が望まれて
いた。この問題に対する解決策の1つとして特開平11
−218870号にはメルカプト化合物の金(I)錯体
を利用する方法が提案されている。この金増感剤は溶液
安定性の点で改良されているものの、依然として分解が
起こる化合物であり、十分な解決策とはなっていない。
また従来から用いられている金化合物Na3Au(S2O3)2や特
開2001−75215号に記載のビス(トリエチルチ
オウレア)オーレート(I)テトラフルオロボレートな
どを用いても耐湿潤摩耗性、潜像安定性、露光時の温湿
度環境に対するタフネスなどの点で不十分な写真性を与
えるため、改善が望まれていた。
【0004】硫化金コロイドを用いる化学増感は、米国
特許2642361号にAu2Sが開示されていること
から判るように古くから知られている有用な増感法の1
つである。硫化金コロイドの製造方法は上記米国特許以
外にもリサーチ・ディスクロージャー(Reserch
Disclosure)37154,1995年刊な
どに記載されている。この硫化金コロイドによる増感法
は特開平11−218870号に記載されているよう
に、多くのバラツキ並びに望ましくないセンシトメトリ
ー特性を与える問題点を有している。また硫化金コロイ
ドの調製に多大な時間及び費用を必要とする問題を有し
ている。
【0005】従って、上記種々の写真性を満足し、上記
問題のない、具体的解決策が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は低カブ
リ、高感度、硬調でかつ露光時の湿度条件の違いによる
感度変動が小さく、潜像安定性に優れ、高照度での相反
則特性に優れるハロゲン化銀乳剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記の手段に
よって達成された。
【0008】[1] 下記一般式(1)で表される化合物
により化学増感されたことを特徴とするハロゲン化銀乳
剤。 一般式(1) [L1-Au(I)-L2]Mn1 式(1)において、Au(I)は1価の金を表し、Mは水素原
子または対カチオンを表し、n1は0以上1以下の数字
を表す。L1およびL2は下記一般式(2)、(3)、
(4)または(5)で表される化合物部分(この明細書
では、単に「化合物」と表示する)より選ばれ、互いに
同じであっても異なっていても良い。 一般式(2)
【0009】
【化9】
【0010】一般式(3)
【0011】
【化10】
【0012】一般式(4)
【0013】
【化11】
【0014】一般式(5)
【0015】
【化12】
【0016】式中、Ch1はS、SeまたはTeを表す。A1
O、SまたはNR4を表し、R1 〜R 4は水素原子または
置換基を表す。R3はR1またはR2と共に5〜7員環を
形成してもよい。X1はO、SまたはNR5を表す。Y1
は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、OR6、SR7、N
(R8)R9を表す。R5〜R9はそれぞれ水素原子、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基また
はヘテロ環基を表す。X1とY1は互いに結合し環を形成
してもよい。R10、R11およびR12はそれぞれ独立に水
素原子または置換基を表すが、R10およびR11のうち少
なくとも一方は電子求引性基を表す。W1は電子求引性
基を表し、R13〜R15はそれぞれ水素原子または置換基
を表す。W1とR1 3は互いに結合して環状構造を形成し
てもよい。 [2] 上記一般式(1)において、L1およびL2ともに
一般式(2)で表される化合物より選ばれることを特徴
とする[1]に記載のハロゲン化銀乳剤。 [3] 上記一般式(1)において、Ch1がSであることを
特徴とする[1]または[2]に記載のハロゲン化銀乳剤。 [4] 下記一般式(6)〜(9)で表される化合物の少
なくとも1種により化学増感されたことを特徴とするハ
ロゲン化銀乳剤。 一般式(6)
【0017】
【化13】
【0018】一般式(7)
【0019】
【化14】
【0020】一般式(8)
【0021】
【化15】
【0022】一般式(9)
【0023】
【化16】
【0024】[式中、Ch2およびCh3はS、SeまたはTe
を表し、それぞれ同じでも異なっていても良い。A2
O、S、もしくはNR24を表し、R21〜R24は水素原子
もしくは置換基を表す。R23はR21もしくはR22と共に
5〜7員の環状構造を形成してもよい。X2はO、S、S
e、もしくはNR25を表す。Y2は水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、OR26、SR27、N(R28)R29を表す。R25
29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表
す。X2とY2は互いに結合して環状構造を形成してもよ
い。R30、R31およびR32はそれぞれ独立に水素原子ま
たは置換基を表すが、R30およびR31のうち少なくとも
一方は電子求引性基を表す。R30とR31、R30とR32
もしくはR31とR32は互いに結合して環状構造を形成し
てもよい。W2は電子求引性基を表し、R33〜R35はそ
れぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表す。L3は窒
素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子もしくはリ
ン原子を介して金に配位可能な化合物を表す。n2は0
または1を表す。] [5] 上記一般式(6)〜(9)において、Ch2および
Ch3ともにSを表すことを特徴とする[4] に記載のハ
ロゲン化銀乳剤。 [6]上記一般式(1)および(6)〜(9)で表される
化合物から選ばれる少なくとも一種を用いて行うことを
特徴とするハロゲン化銀乳剤の化学増感方法。 [7] 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層
を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲ
ン化銀乳剤層の少なくとも一層が、上記一般式(1)ま
たは(6)〜(9)で表される化合物を少なくとも一種
用いて化学増感されたハロゲン化銀乳剤を含むことを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明に用いられる一般式
(1)で表される化合物について詳細に説明する。
【0026】式(1)において、Au(I)は1価の金を表
し、Mは水素原子もしくは化合物の電荷を中和する対カ
チオンを表す。ここでいうカチオンとはLi、Na、K、R
b、Csなどのアルカリ金属、Mg、Ca、Baなどのアルカリ
土類金属などの無機の陽イオンや、置換または無置換の
アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなど有機の陽
イオンなどを表す。ただし、Mが無機の陽イオンである
場合、本発明においてMはAg+イオンおよびAu+イオンを
表す事はない。本発明においてMは水素原子もしくはア
ルカリ金属の陽イオン、アルカリ土類金属の陽イオン、
置換または無置換のアンモニウムイオンが好ましく、水
素原子もしくはアルカリ金属の陽イオン、置換または無
置換のアンモニウムイオンがより好ましく、アルカリ金
属の陽イオンもしくは置換または無置換のアンモニウム
イオンが更に好ましい。
【0027】n1は0以上1以下の数字を表す。本発明
においてn1は1が好ましい。
【0028】式(1)においてL1およびL2は一般式
(2)、(3)、(4)もしくは(5)で表される化合
物より選ばれ、同じであっても異なっていても良いが、
本発明においてはL1およびL2が同じ化合物である場合が
好ましい。
【0029】次に一般式(2)〜(5)で表される化合
物について説明する。式(2)〜(5)の各基の説明に
おいて、置換基とは例えばハロゲン原子(フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直
鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基で、
ビシクロアルキル基やトリシクロ構造、活性メチン基な
ども包含する)、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、ヘテロ環基(N原子、O原子、S原子のうち少なく
とも一つを含む5〜7員環の、置換もしくは無置換の、
飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、単環であっても
良いし、更に他のアリール環もしくはヘテロ環と共に縮
合環を形成しても良い。例えばピロリル基、ピロリジニ
ル基、ピリジル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、イ
ミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジ
ニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリ
ル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イ
ンダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラニル基、ク
ロメニル基、チエニル基、オキサゾリル基、オキサジア
ゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾオ
キサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、モ
ルホリニル基など。置換する位置は問わない)、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、
N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイ
ル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイ
ルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファ
モイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基
(及びその塩を含む)、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位
を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオ
キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、スルホニルオキシ基、シリルオキシ基、
ニトロ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘ
テロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレ
イド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
リールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミ
ノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒド
ラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−
(アルキルまたはアリール)スルホニルウレイド基、N
−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ
基、ヒドロキシアミノ基、4級化された窒素原子を含む
ヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キ
ノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミ
ノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ
基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アル
キルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基(及び
その塩を含む)、スルファモイル基、N−アシルスルフ
ァモイル基、N−スルホニルスルファモイル基(及びそ
の塩を含む)、シリル基などを意味する。なおここで塩
とはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽
イオンやアンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなど
の有機の陽イオンとの塩を意味する。
【0030】これら置換基は、これら置換基でさらに置
換されていてもよい。
【0031】式(2)〜(5)において、Ch1はS、S
eまたはTeを表すが、本発明においてはSまたはSe
が好ましく、Sである場合がより好ましい。
【0032】式(2)において、A1はO、SまたはN
4を表し、R1〜R4は水素原子または置換基を表す。
3はR1またはR2と共に5〜7員環を形成してもよ
い。本発明において、A1はOまたはSである場合が好
ましく、Oである場合がより好ましい。
【0033】R1およびR2は各々好ましくは水素原子、
アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、またはヘテロ環チオ基であり、更に好ましくは水素
原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基であ
り、最も好ましくは水素原子またはアルキル基である。
【0034】R3は好ましくはアルキル基、アリール
基、またはヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル
基またはアリール基である。R4は好ましくは水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキ
ル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキル及びアリ
ールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基
であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、また
はヘテロ環基である。
【0035】R3はR1もしくはR2と共に5〜7員の環
構造を形成してもよい。形成される環構造は非芳香族の
含酸素、含硫黄または含窒素のヘテロ環となる。またこ
の環構造は芳香族もしくは非芳香族の炭素環、あるいは
ヘテロ環と縮環を形成していてもよい。本発明において
はR3がR1もしくはR2と共に5〜7員の環状構造を形
成することがより好ましい。この時、Ch1がSの場合はR
1およびR2は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基である場合が好ましく、更には水素原子、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘ
テロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であ
る場合が好ましい。
【0036】本発明において、式(2)で表される化合
物のうち、好ましくはCh1がSまたはSeであり、A1
O、SまたはNR4であり、R1及びR2がそれぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、またはヘテロ環チオ基であり、
3がアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基であ
り、R4が水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ
環基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリー
ルスルホニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニ
ル基、またはアシル基の場合である。より好ましくはCh
1がSまたはSeであり、A1がOまたはSであり、R1
及びR2がそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール
基、またはヘテロ環基であり、R3がアルキル基、アリ
ール基、またはヘテロ環基の場合である。さらに好まし
くはCh1がSであり、A1がOまたはSであり、R1及び
2がそれぞれ水素原子、アルキル基、またはアリール
基であり、R3がアルキル基、またはアリール基の場合
である。特に好ましくはR3がR1またはR2と共に形成
した環状構造がグルコース、マンノース、ガラクトー
ス、グロース、キシロース、リキソース、アラビノー
ス、リボース、フコース、イドース、タロース、アロー
ス、アルトロース、ラムノース、ソルボース、ディジト
キソース、2−デオキシグルコース、2−デオキシガラ
クトース、フルクトース、グルコサミン、ガラクトサミ
ン、グルクロン酸などとその糖誘導体(式(2)におけ
るA1がOの場合)及びその硫黄類似体(式(2)におけ
るA1がSの場合)の場合である。ここで糖誘導体とは糖
構造におけるヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基が
アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオ
キシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカ
ルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ
基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、シリ
ルオキシ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)
アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド
基、チオセミカルバジド基、オキサモイルアミノ基、N
−(アルキルまたはアリール)スルホニルウレイド基、
N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミ
ノ基、ヒドロキシアミノ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキ
シカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカル
バモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニ
ルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、
N−スルファモイルカルバモイル基などに置換された化
合物を表す。また、これら糖構造においては1位の立体
構造が異なるα異性体とβ異性体、および鏡像異性体の
関係にあるD体とL体が存在するが、本発明においては
これら異性体を区別することはない。L1およびL2として
好ましい化合物は、例えばチオグルコース、チオマンノ
ース、チオガラクトース、チオリキソース、チオキシロ
ース、チオアラビノース、セレノグルコース、セレノマ
ンノース、セレノガラクトース、セレノリキソース、セ
レノキシロース、セレノアラビノースおよびテルログル
コースなどのプロトン解離体とその硫黄類似体およびこ
れらの誘導体が挙げられる。
【0037】式(3)において、X1は好ましくはOも
しくはSであり、より好ましくはOである。Y1は好ま
しくは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基またはN原子、O原
子、S原子のうち少なくとも一つを含む5〜7員環のヘ
テロ環基、OR6、SR7、またはN(R8)R9を表す
が、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、OR6、SR7、またはN(R8)R9であり、
より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、またはN(R8)R9であり、更に好ましくは
アルキル基、アリール基またはヘテロ環基である。R5
〜R9はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を表
し、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基また
はヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基または
アリール基である。
【0038】式(3)において、X1とY1は互いに結合
して環を形成してもよい。この場合に形成される環は3
〜7員の含窒素ヘテロ環であり、例えばピロール類、イ
ンドール類、イミダゾール類、ベンズイミダゾール類、
チアゾール類、ベンゾチアゾール類、イソオキサゾール
類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、インダゾ
ール類、プリン類、ピリジン類、ピラジン類、ピリミジ
ン類、キノリン類、キナゾリン類が挙げられる。
【0039】式(3)で表される化合物のうち、好まし
くはCh1がSもしくはSeであり、X1がOまたはSであ
り、Y1が水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ
環基、OR6、SR7、N(R8)R9であり、R6〜R9
アルキル基、アリール基またはヘテロ環基の場合であ
る。より好ましくはCh1がSまたはSeであり、X1がO
であり、Y1がアルキル基、アリール基、またはヘテロ
環基の場合である。最も好ましくはCh1がSであり、X1
がOであり、Y1がアルキル基、アリール基、またはヘ
テロ環基の場合である。
【0040】式(4)において、R10およびR11の少な
くとも一方は電子求引性基を表すが、ここでいう電子求
引性基とは、ハメットの置換基定数σp値が0以上の値
である置換基であり、好ましくはσp値が0.2以上で
あり、上限としては1.0以下の置換基を表す。σp
が0.2以上の電子求引性基の具体例としてはアシル
基、ホルミル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、カル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホ
ノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルキルホスフィニル
基、ジアリールホスフィニル基、ホスホリル基、アルキ
ルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキ
シ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネー
ト基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換した
イミノ基、カルボキシ基(またはその塩)、少なくとも
2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、少な
くとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ
基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたア
リールオキシ基、アシルアミノ基、少なくとも2つ以上
のハロゲン原子で置換されたアルキルアミノ基、少なく
とも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルチオ
基、σp値が0.2以上の他の電子求引性基で置換され
たアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セ
レノシアネート基などが挙げられる。本発明において好
ましい電子求引性基はアシル基、ホルミル基、カルバモ
イル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、シアノ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリー
ルホスホノ基、ジアルキルホスフィニル基、ジアリール
ホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールス
ルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換し
たイミノ基、カルボキシ基、少なくとも2つ以上のハロ
ゲン原子で置換されたアルキル基、σp値が0.2以上
の他の電子求引性基で置換されたアリール基またはハロ
ゲン原子であり、より好ましくはアシル基、カルバモイ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、シアノ基、カルボキシ基、少なくとも2つ以上
のハロゲン原子で置換されたアルキル基、σp値が0.
2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基であ
る。
【0041】式(4)において、R10もしくはR11が置
換基を表す場合、好ましくはアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、
N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイ
ル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイ
ルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファ
モイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基
(及びその塩を含む)、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ
カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニ
ルオキシ基、シリルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、
(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、ア
シルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウ
レイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、アル
コキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド
基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ
基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルまたはアリ
ール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、
N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ
基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピ
リジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノ
リニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、(アルキル、ア
リール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたは
アリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)
スルフィニル基、スルホ基(及びその塩を含む)、スル
ファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スル
ホニルスルファモイル基(及びその塩を含む)、シリル
基などである。
【0042】式(4)において、R10とR11は同じでも
異なっていても良いが、R10とR11が異なって化合物に
幾何異性体(シス体、トランス体)が存在する場合、本
発明においてはこれら異性体を区別しない。
【0043】本発明ではR10およびR11の両方とも電子
求引性基を表すのが好ましい。R12として好ましくは水
素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ
基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、またはカルバモイル基であり、より好
ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アミノ基、またはアシルアミノ基が挙げられる。
【0044】式(4)において、R10とR11は互いに結
合して環形成する場合も好ましい。形成される環は、非
芳香族の炭素環もしくはヘテロ環であり、5〜7員環が
好ましい。環を形成するR10はアシル基、カルバモイル
基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニ
ル基が好ましく、R11はアシル基、カルバモイル基、オ
キシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、
イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アシルアミノ
基、カルボニルチオ基が好ましい。
【0045】式(4)で表される化合物のうち、好まし
くはCh1がSまたはSeであり、R1 0及びR11がσp値が
0.2以上の電子求引性基であり、R12が水素原子、ア
ルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、または
アシルアミノ基である。より好ましくはCh1がSまたは
Seであり、R10及びR11がσp値が0.2以上の電子
求引性基であり、R12が水素原子、アルキル基、アリー
ル基、またはヘテロ環基である。最も好ましくはCh1
Sであり、R10及びR11が各々σp値が0.2以上の電
子求引性基であり、R12が水素原子、アルキル基、アリ
ール基、またはヘテロ環基である。
【0046】また、式(4)で表される化合物のうち、
10とR11が非芳香族の5〜7員の環を形成しているも
のも好ましく、この時Ch1がSまたはSeであり、R12
が水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、ア
ミノ基、またはアシルアミノ基であるものも好ましい。
更に好ましくはR10とR11とが非芳香族の5〜7員の環
を形成し、Ch1がSまたはSeを表し、R12が水素原
子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基であ
る。最も好ましくはCh1がSであり、R10とR11とが非
芳香族の5〜7員の環を形成し、R12が水素原子、アル
キル基、アリール基、またはヘテロ環基である。
【0047】式(5)において、W1が表す電子求引性
基は前述のR10及びR11が表す電子求引性基と同義であ
り、好ましい範囲も同様である。
【0048】式(5)において、R13〜R15として好ま
しくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、
アミノ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスル
ホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
テロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル
及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシ
カルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、またはイミド基であり、より好ましくは水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環
チオ基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、またはカルバモイル基である。
【0049】WとR13は互いに結合して環を形成しても
よい。形成される環は、非芳香族の炭素環もしくはヘテ
ロ環であり、好ましくは5〜7員環である。環を形成す
るW 1はアシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル
基、チオカルボニル基、またはスルホニル基が好まし
く、R13はアルキル基、アルケニル基、アリール基、ま
たはヘテロ環基が好ましい。
【0050】式(5)で表される化合物のうち、好まし
くはCh1がSまたはSeであり、W1がσp値が0.2以
上の電子求引性基であり、R13〜R15が各々水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環
チオ基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、またはカルバモイル基である。より好
ましくはCh1がSまたはSeであり、W1がσp値が0.
2以上の電子求引性基であり、R13〜R15が各々水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボ
キシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オ
キシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ス
ルホ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、またはカルバモイル基である。最も好ましくはCh
1がSまたはSeであり、W1がσp値が0.2以上の電
子求引性基であり、R13〜R15が各々水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、カ
ルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホニル基、ア
シル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカル
ボニル基、またはカルバモイル基である。
【0051】また、式(5)で表される化合物のうち、
1とR13とが互いに結合して非芳香族の5〜7員の環
を形成しているものも好ましく、この時Ch1がSまたは
Seを表し、R13がアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、ヘテロ環基などであり、R14およびR15は各々水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒド
ロキシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ
基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、スルホ基、アルキル及びアリール
スルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などであ
るものが好ましい。更に好ましくはCh1がSもしくはS
eを表し、W1とR13とが互いに結合して非芳香族の5
〜7員の環を形成し、R14およびR15が各々水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環
チオ基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、またはカルバモイル基であり、最も好
ましくはCh1がSを表し、W1とR13とが互いに結合して
非芳香族の5〜7員の環を形成し、R14およびR15は各
々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、
アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、ヘテロ環チオ基、スルホ基、アルキル及びアリ
ールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基
である。
【0052】一般式(2)〜(5)で表される化合物の
うち、L1およびL2として好ましくは式(2)、(3)及
び(5)で表される化合物であり、より好ましくは式
(2)及び(5)で表される化合物であり、最も好まし
くは式(2)で表される化合物である。
【0053】次に一般式(1)〜(5)で表される化合
物の具体例を以下に示す。但し本発明はこれらに限定さ
れるものではない。また、立体異性体が複数存在しうる
化合物については、その立体構造を限定するものではな
い。
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】
【化19】
【0057】
【化20】
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】
【0065】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、公知の種々の方法により合成することができる。個
々の化合物によってその合成法は最適なものが選ばれる
ため、一般的となりうる合成法を挙げることができない
が、その中でも有用な合成ルートを説明する。
【0066】(例示化合物1−1の合成)塩化金酸29
0mgを水2mLに溶解した溶液に、1−チオ−β−D
−グルコースNa塩(純度84%)732mgを水5m
Lに溶解した溶液を加えた。20分かくはんした後、塩
化ナトリウム1gを添加して氷冷した。析出した結晶を
ろ取することで、例示化合物1−1を得ることができ
た。
【0067】(例示化合物1−8の合成)Canadi
an Pharm. J. 1960、64ページに記
載の方法により合成したチオグルコース金(I)塩 2
00mgを水10mLに溶解し、これに1−チオ−α−
D−マンノースK塩120mgを水4mLに溶解した溶
液を加えた。この溶液にエタノール100mLを加える
ことで析出する沈殿をろ取することにより、例示化合物
1−8が得られた。 (例示化合物1−17の合成)チオ安息香酸0.3gに
アセトニトリル10ml、5%NaHCO3水溶液3.
7mlを加えた。その後、塩化金テトラヒドロチオフェ
ン錯体0.35gをアセトニトリル10mlに溶解した
溶液を添加した。室温で30分かくはんした後、析出結
晶をろ取することで例示化合物1−17を0.4g得
た。
【0068】本発明の一般式(1)で表される化合物の
添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化
銀1モルあたり1×10-7〜5×10-3モル、好ましく
は5×10-7〜5×10-4モルである。
【0069】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、水、或いはアルコール類(メタノール、エタノール
など)、ケトン類(アセトンなど)、アミド類(ジメチ
ルホルムアミドなど)、グリコール類(メチルプロピレ
ングリコールなど)、及びエステル類(酢酸エチルな
ど)などを溶媒とした溶液として添加しても良い。
【0070】本発明の一般式(1)で表される化合物の
添加は、乳剤製造時のどの段階でも可能であるが、ハロ
ゲン化銀粒子形成後から化学増感工程終了までの間に添
加することが好ましい。
【0071】次に一般式(6)〜(9)で表される化合
物について説明する。式(6)〜(9)においてCh2
およびCh3はそれぞれS、SeまたはTeを表し、それぞ
れ同じでも異なっていても良い。即ちCh2とCh3の組
み合わせは(Ch2、Ch3)=(S、S)、(S、S
e)、(S、Te)、(Se、S)、(Se、Se)、
(Se、Te)、(Te、S)、(Te、Se)、(T
e、Te)の場合が挙げられる。本発明においては(C
2、Ch3)=(S、S)、(S、Se)、(Se、
S)、(Se、Se)の組み合わせが好ましく、更には
(Ch 2、Ch3)=(S、S)、(Se、Se)の組み
合わせである場合がより好ましい。
【0072】式(6)において、A2はO、SまたはN
4を表すが、本発明においてA2はOまたはSである場
合が好ましく、より好ましくはOである場合である。
【0073】式(6)〜(9)の各基の説明において、
置換基とは、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分
岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基で、ビシク
ロアルキル基やトリシクロ構造、活性メチン基なども包
含する)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヘテロ環基(N原子、O原子、S原子のうち少なくとも
一つを含む5〜7員環の、置換もしくは無置換の、飽和
もしくは不飽和のヘテロ環であり、単環であっても良い
し、更に他のアリール環もしくはヘテロ環と共に縮合環
を形成しても良い。例えばピロリル基、ピロリジニル
基、ピリジル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、イミ
ダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニ
ル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イン
ダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラニル基、クロ
メニル基、チエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾ
リル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾオキ
サゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、モル
ホリニル基など。置換する位置は問わない)、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、
N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイ
ル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイ
ルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファ
モイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基
(及びその塩を含む)、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ
基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位
を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオ
キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、スルホニルオキシ基、シリルオキシ基、
ニトロ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘ
テロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレ
イド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ア
リールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミ
ノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒド
ラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−
(アルキルまたはアリール)スルホニルウレイド基、N
−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ
基、ヒドロキシアミノ基、4級化された窒素原子を含む
ヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キ
ノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミ
ノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ
基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アル
キルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基(及び
その塩を含む)、スルファモイル基、N−アシルスルフ
ァモイル基、N−スルホニルスルファモイル基(及びそ
の塩を含む)、シリル基などを意味する。なおここで塩
とはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽
イオンやアンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなど
の有機の陽イオンとの塩を意味する。
【0074】これら置換基は、これら置換基でさらに置
換されていてもよい。
【0075】式(6)においてR21およびR22は各々好
ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテ
ロ環チオ基などであり、更に好ましくは水素原子、アル
キル基、アリール基、ヘテロ環基などであり、最も好ま
しくは水素原子またはアルキル基である。
【0076】式(6)においてR23は好ましくはアルキ
ル基、アリール基、ヘテロ環基などであり、更に好まし
くはアルキル基またはアリール基である。式(6)にお
いてR24は好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ
基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニル
アミノ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基などであり、更に好ましくは水素
原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などであ
る。
【0077】式(6)において、R23はR21もしくはR
23と共に5〜7員の環状構造を形成してもよい。この時
形成される環状構造は非芳香族の含酸素、含硫黄もしく
は含窒素のヘテロ環となる。またこの環状構造は芳香族
もしくは非芳香族の炭素環、あるいは芳香族もしくは非
芳香族のヘテロ環と縮合環構造を形成していてもよい。
本発明においてはR23がR21もしくはR22と共に5〜7
員の環状構造を形成するのが好ましい。
【0078】式(6)〜式(9)において、L3は窒素
原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子またはリン原
子を介して金に配位可能な化合物を表す。具体的には置
換もしくは無置換のアミン類(好ましくは炭素数1〜3
0の、1級、2級、もしくは3級のアルキルアミン、ア
リールアミンを意味する。)、5ないし6員の含窒素ヘ
テロ環類(N、O、S及びCの組合せからなる5ないし
6員の含窒素ヘテロ環を意味し、置換基を有していても
よい。このヘテロ環は環内のN原子を介して金に配位し
てもよいし、置換基を介して金に配位してもよく、例え
ばベンゾトリアゾール、トリアゾール、テトラゾール、
インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾール、ベ
ンゾチアゾール、チアゾール、チアゾリン、ベンゾオキ
サゾール、ベンゾオキサゾリン、オキサゾール、チアジ
アゾール、オキサジアゾール、トリアジン、ピロール、
ピロリジン、イミダゾリジン、モルホリンが挙げられ
る。)、チオール類(好ましくは炭素数1〜30のアル
キルチオール類、または炭素数6〜30のアリールチオ
ール類もしくはN原子、O原子、S原子のうち少なくと
も一つを含む5〜7員環のヘテロ環チオール類)、チオ
エーテル類(好ましくは炭素数1〜30の、アルキル
基、アリール基、またはN原子、O原子、S原子のうち
少なくとも一つを含む5〜7員環ヘテロ環基がそれぞれ
S原子に結合した化合物であり、対称でも非対称でもよ
い。例えばジアルキルチオエーテル類、ジアリールチオ
エーテル類、ジヘテロ環チオエーテル類、アルキル−ア
リールチオエーテル類、アルキル−ヘテロ環チオエーテ
ル類、アリール−ヘテロ環チオエーテル類が挙げられ
る。)、ジスルフィド類(好ましくは炭素数1〜30
の、アルキル基、アリール基もしくはヘテロ環基がS原
子に結合したジスルフィド化合物であり、対称でも非対
称でもよい。例えばジアルキルジスルフィド類、ジアリ
ールジスルフィド類、ジヘテロ環ジスルフィド類、アル
キル−アリールジスルフィド類、アルキル−ヘテロ環ジ
スルフィド類、アリール−ヘテロ環ジスルフィド類が挙
げられる。より好ましくは、ジアルキルジスルフィド
類、ジアリールジスルフィド類またはアルキル−アリー
ルジスルフィド類である。)、チオアミド類(チオアミ
ドは環構造の一部であってもよいし、非環式チオアミド
であってもよい。有用なチオアミド類としては、例えば
米国特許4,030,925号、同4,031,127
号、同4,080,207号、同4,245,037
号、同4,255,511号、同4,266,031
号、及び同4,276,364号並びにリサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure)第151巻、
1976年11月、15162項、及び同第176巻、
1978年12月、17626項に開示されているもの
から選ぶことができる。例えばチオ尿素、チオウレタ
ン、ジチオカルバミン酸エステル、4−チアゾリン−2
−チオン、チアゾリジン−2−チオン、4−オキサゾリ
ン−2−チオン、オキサゾリジン−2−チオン、2−ピ
ラゾリン−5−チオン、4−イミダゾリン−2−チオ
ン、2−チオヒダントイン、ローダニン、イソローダニ
ン、2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン、チオバ
ルビツール酸、テトラゾリン−5−チオン、1,2,4
−トリアゾリン−3−チオン、1,3,4−チアジアゾ
リン−2−チオン、1,3,4−オキサジアゾリン−2
−チオン、ベンズイミダゾリン−2−チオン、ベンズオ
キサゾリン−2−チオン及びベンゾチアゾリン−2−チ
オンであり、これらは置換されてもよい。)、セレノー
ル類(好ましくは炭素数1〜30の、アルキルセレノー
ル類、アリールセレノール類、またはN原子、O原子、
S原子のうち少なくとも一つを含む5〜7員環のヘテロ
環セレノール類である。)、セレノエーテル類(好まし
くは炭素数1〜30の、アルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基がSe原子に結合したセレノエーテル化合物であ
り、Se原子に対して対称置換でも非対称置換でもよ
く、例えばジアルキルセレノエーテル類、ジアリールセ
レノエーテル類、ジヘテロ環セレノエーテル類、アルキ
ル−アリールセレノエーテル類、アルキル−ヘテロ環セ
レノエーテル類、アリール−ヘテロ環セレノエーテル類
が挙げられる。好ましくはジアルキルセレノエーテル
類、ジアリールセレノエーテル類もしくはアルキル−ア
リールセレノエーテル類である。)、ジセレニド類(好
ましくは炭素数1〜30の、アルキル基、アリール基も
しくはヘテロ環基がSe原子に結合したジセレニド化合
物であり、ジセレニド基に対して対称でも非対称でもよ
く、例えばジアルキルジセレニド類、ジアリールジセレ
ニド類、ジヘテロ環ジセレニド類、アルキル−アリール
ジセレニド類、アルキル−ヘテロ環ジセレニド類、アリ
ール−ヘテロ環ジセレニド類が挙げられる。好ましくは
ジアルキルジセレニド類、ジアリールジセレニド類もし
くはアルキル−アリールジセレニド類である。)、セレ
ノアミド類(前述のチオアミド化合物のS原子をSe原
子に置き換えた化合物が挙げられる。)、テルロール類
(前述のセレノール化合物においてSe原子をTe原子
に置き換えた化合物が挙げられる。)、テルロエーテル
類(前述のセレノエーテル化合物においてSe原子をT
e原子に置き換えた化合物が挙げられる。)、ジテルリ
ド類(前述のジセレニド化合物においてSe原子をTe
原子に置き換えた化合物が挙げられる。)、テルロアミ
ド類(前述のチオアミド化合物においてSe原子をTe
原子に置き換えた化合物が挙げられる。)、アルキルホ
スフィン類(好ましくは炭素数1〜20の、1級、2
級、もしくは3級のアルキルホスフィン類である。)、
アリールホスフィン類(好ましくは炭素数1〜20の、
1級、2級、もしくは3級のアリールホスフィン類であ
る。)等を表す。
【0079】また、L3の配位により電荷を生じる場
合、式(6)〜(9)で表される化合物は、化合物の電
荷を中和するのに必要な対塩を有することができる。対
塩がアニオンの場合は、具体的にはハロゲニウムイオン
(例えばF-、Cl-、Br- 、I-)、テトラフルオロ
ボロネートイオン(BF4 -)、ヘキサフルオロホスホネ
ートイオン(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート
イオン(SbF6 -)、硫酸イオン(SO4 2-)、アリー
ルスルホネートイオン(例えばp−トルエンスルホネー
トイオン、ナフタレン−2,5−ジスルホネートイオン
など)、カルボキシイオン(例えば酢酸イオン、トリフ
ルオロ酢酸イオン、蓚酸イオン、安息香酸イオンなど)
などが挙げられる。対塩がカチオンの場合は、具体的に
はアルカリ金属イオン(例えばリチウムカチオン、ナト
リウムカチオン、カリウムカチオンなど)、アルカリ土
類金属イオン(例えばマグネシウムイオン、カルシウム
イオンなど)、置換もしくは無置換のアンモニウムイオ
ン(例えばアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テ
トラメチルアンモニウムなど)、置換もしくは無置換の
ピリジニウムイオン(例えばピリジニウム、4−フェニ
ルピリジニウムなど)などが挙げられる。本発明におい
ては対塩はカチオンである場合が好ましく、より好まし
くはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、置
換もしくは無置換のアンモニウムイオンである。
【0080】本発明において、L3は好ましくは5ない
し6員の含窒素ヘテロ環類、チオール類、チオエーテル
類、チオアミド類、セレノエーテル類、セレノアミド類
であり、更に好ましくは5ないし6員の含窒素ヘテロ環
類、チオール類、チオエーテル類、チオアミド類であ
り、最も好ましくはチオール類、チオエーテル類、チオ
アミド類である。
【0081】n2は0または1を表す。n2は0が好まし
い。
【0082】本発明において、式(6)で表される化合
物のうち、好ましいものはCh2およびCh3がSまたは
Seを表し、A2がOもしくはSを表し、R21、R22
各々水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、またはヘテロ環チオ
基であり、R23が水素原子、アルキル基、アリール基、
またはヘテロ環基であり、R24が水素原子、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アシルアミノ
基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキ
ル及びアリールスルホニル基、またはアシル基であり、
2は0または1であり、n2が1の時、L 3はチオール
類、チオエーテル類、チオアミド類、5ないし6員の含
窒素ヘテロ環類を表すものである。更に好ましくはCh
2およびCh3が各々SまたはSeを表し、A2がOまた
はSを表し、R21、R22が各々水素原子、アルキル基、
アリール基、またはヘテロ環基であり、R23がアルキル
基、アリール基、またはヘテロ環基であり、R24が水素
原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはア
シル基であり、n2は0または1であり、n2が1の時、
3はチオール類、チオエーテル類、チオアミド類を表
すものである。最も好ましくはCh2およびCh3がSま
たはSeを表し、A2がOまたはSを表し、R21、R22
が各々水素原子、アルキル基、またはアリール基であ
り、R23がアルキル基またはアリール基であり、R24
水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基
であり、n 2が0のものである。そのようなもののう
ち、本発明において特に好ましいのはR23がR21もしく
はR22と共に形成した環状構造がグルコース、マンノー
ス、ガラクトース、グロース、キシロース、リキソー
ス、アラビノース、リボース、フコース、イドース、タ
ロース、アロース、アルトロース、ラムノース、ソルボ
ース、ディジトキソース、2−デオキシグルコース、2
−デオキシガラクトース、フルクトース、グルコサミ
ン、ガラクトサミン、グルクロン酸などとその糖誘導体
(式(6)におけるA2がOを表す場合)及び硫黄類似
体(式(6)におけるA2がSを表す場合)の場合であ
る。ここで糖誘導体とは糖構造におけるヒドロキシ基、
アミノ基、カルボキシ基がアルコキシ基(エチレンオキ
シ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基
を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリール
オキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ス
ルホニルオキシ基、シリルオキシ基、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、ス
ルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒ
ドロキシウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルア
ミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、オ
キサモイルアミノ基、N−(アルキルまたはアリール)
スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−ア
シルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル
基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバ
モイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバ
モイルカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイ
ル基などに置換された化合物を表す。また、これら糖構
造においては1位の立体構造が異なるα異性体とβ異性
体、および鏡像異性体の関係にあるD体とL体が存在す
るが、本発明においてはこれら異性体を区別することは
ない。本発明において好ましい糖類の母核はグルコー
ス、マンノース、ガラクトース、キシロース、リキソー
ス、アラビノース、リボース、ラムノース、2−デオキ
シグルコース、2−デオキシガラクトース、グルコサミ
ン、ガラクトサミンなどであり、より好ましくはグルコ
ース、マンノース、ガラクトース、キシロース、リキソ
ース、グルコサミン、ガラクトサミンなどであり、更に
好ましくはグルコース、マンノース、ガラクトース、キ
シロース、グルコサミンなどであり、最も好ましくはグ
ルコースである。
【0083】式(7)において、X2はO、S、Se、ま
たはNR25を表す。本発明において、X2は好ましくは
O、SまたはNR25であり、更に好ましくはOまたはS
であり、最も好ましくはOである。
【0084】式(7)において、Y2は水素原子、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘ
テロ環基、OR26、SR27、またはN(R28)R29を表
す。Y2で表されるアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基は炭素数1〜30の、置換もしくは無置換の、直
鎖、分岐もしくは環状のものであり、特に好ましくは炭
素数1〜20のアルキル基である。
【0085】Y2で表されるアリール基は炭素数6〜3
0の、置換もしくは無置換の、単環もしくは縮環のアリ
ール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基である。
特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基であ
る。
【0086】Y2で表されるヘテロ環基は窒素原子、酸
素原子、硫黄原子のうち少なくとも一つを含む5〜7員
環の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和のヘ
テロ環である。これらは単環であっても良いし、更に他
のアリール環もしくはヘテロ環と共に縮合環を形成して
も良い。ヘテロ環基として好ましくは5〜6員のもので
あり、例えばピロリル基、ピロリジニル基、ピリジル
基、ピペリジル基、ピペラジニル基、イミダゾリル基、
ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリア
ジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル
基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラニル
基、クロメニル基、チエニル基、オキサゾリル基、チア
ゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル
基、モルホリノ基、モルホリニル基などが挙げられる。
【0087】本発明において、Y2は好ましくはアルキ
ル基、アリール基、ヘテロ環基、OR26、SR27、また
はN(R28)R29であり、より好ましくはアルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、またはN(R28)R29であ
り、更に好ましくはアルキル基、アリール基またはヘテ
ロ環基である。
【0088】R25〜R29で表されるアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基は炭素数1〜30の、置換もしく
は無置換の、直鎖、分岐もしくは環状のものであり、特
に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。
【0089】R25〜R29で表されるアリール基は炭素数
6〜30の、置換もしくは無置換の、単環もしくは縮環
のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基で
ある。特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基
である。
【0090】R25〜R29で表されるヘテロ環基は窒素原
子、酸素原子、硫黄原子のうち少なくとも一つを含む5
〜7員環の、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽
和のヘテロ環である。これらは単環であっても良いし、
更に他のアリール環もしくはヘテロ環と共に縮合環を形
成しても良い。ヘテロ環基として好ましくは5〜6員の
ものであり、例えばピロリル基、ピロリジニル基、ピリ
ジル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、イミダゾリル
基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ト
リアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリ
ル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラニ
ル基、クロメニル基、チエニル基、オキサゾリル基、チ
アゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル
基、モルホリノ基、モルホリニル基などが挙げられる。
【0091】本発明においてR25〜R29は好ましくは水
素原子、アルキル基、アリール基もしくはヘテロ環基で
あり、更に好ましくはアルキル基もしくはアリール基で
ある。
【0092】式(7)において、X2とY2は互いに結合
して環状構造を形成してもよい。この場合に形成される
環構造は3〜7員の含窒素ヘテロ環であり、具体的には
ピロール類、インドール類、イミダゾール類、ベンズイ
ミダゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、イ
ソオキサゾール類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾー
ル類、インダゾール類、プリン類、ピリジン類、ピラジ
ン類、ピリミジン類、キノリン類、キナゾリン類などが
挙げられる。
【0093】本発明において、式(7)で表される化合
物のうち、好ましいものはCh2およびCh3が各々Sま
たはSeを表し、X2がOまたはSであり、Y2がアルキ
ル基、アリール基、ヘテロ環基、OR26、SR27、また
はN(R28)R29であり、n2は0または1であり、n2
が1の時、L3はチオエーテル類、チオアミド類、5な
いし6員の含窒素ヘテロ環類を表すものである。更に好
ましくはCh2およびCh3が各々SまたはSeを表し、
2がOまたはSを表し、Y2がアルキル基、アリール
基、またはヘテロ環基であり、n2は0または1であ
り、n2が1の時、L3はチオエーテル類、チオアミド類
を表すものである。最も好ましくはCh2およびCh3
各々SまたはSeを表し、X2がOまたはSを表し、Y2
がアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基であり、
2が0のものである。
【0094】式(8)において、R30およびR31の少な
くとも一方は電子求引性基を表すが、ここでいう電子求
引性基とは、前述したR10及びR11が表す電子求引性基
と同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0095】式(8)において、R30またはR31が置換
基を表す場合、好ましくはアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒ
ドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、
N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカル
バモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイル
カルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基(及び
その塩を含む)、オキサリル基、オキサモイル基、シア
ノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、ア
ルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ
基、シリルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、(アルキ
ル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド
基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオ
セミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキ
サモイルアミノ基、N−(アルキルまたはアリール)ス
ルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシ
ルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ
基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ
基)、イソシアノ基、イミノ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、ヘテロ環チオ基、(アルキル、アリール、
またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリー
ル)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフ
ィニル基、スルホ基(及びその塩を含む)、スルファモ
イル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニル
スルファモイル基(及びその塩を含む)、シリル基など
である。
【0096】式(8)において、R30とR31は同じでも
異なっていても良いが、R30とR31が異なって化合物に
幾何異性体(シス体、トランス体)が存在する場合、本
発明においてはこれら異性体を区別しない。
【0097】本発明ではR30およびR31の両方とも電子
求引性基を表すのが好ましい。R32として好ましくは水
素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ
基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、またはカルバモイル基であり、より好
ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アミノ基、またはアシルアミノ基が挙げられる。
【0098】式(8)において、R30とR31は互いに結
合して環形成する場合も好ましい。形成される環は、非
芳香族の炭素環もしくはヘテロ環であり、5〜7員環が
好ましい。環を形成する場合の、R30はアシル基、カル
バモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、
スルホニル基が好ましく、R31はアシル基、カルバモイ
ル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホ
ニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アシル
アミノ基、カルボニルチオ基が好ましい。
【0099】式(8)で表される化合物のうち、好まし
くはCh2およびCh3が各々SまたはSeを表し、R30
及びR31がσp値が0.2以上の電子求引性基であり、
32が水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アミノ基、またはアシルアミノ基であり、n2は0
または1であり、n2が1の時、L3はチオール類、チオ
エーテル類、チオアミド類、5ないし6員の含窒素ヘテ
ロ環類を表すものである。より好ましくはCh2および
Ch3が各々SまたはSeを表し、R30及びR31がσp
が0.2以上の電子求引性基であり、R32が水素原子、
アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基であり、n
2は0または1であり、n2が1の時、L3はチオール
類、チオエーテル類、チオアミド類、5ないし6員の含
窒素ヘテロ環類を表すものである。最も好ましくはCh
2およびCh3が各々SまたはSeを表し、R30及びR31
がσp値が0.2以上の電子求引性基であり、R32が水
素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基で
あり、n2が0である。
【0100】また、式(8)で表される化合物のうち、
R30とR31が非芳香族の5〜7員の環を形成しているも
のも好ましく、この時Ch2およびCh3が各々Sまたは
Seを表し、R32が水素原子、アルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘ
テロ環オキシ基、アミノ基、またはアシルアミノ基であ
り、nは0または1であり、n2が1の時、L3はチオー
ル類、チオエーテル類、チオアミド類、5ないし6員の
含窒素ヘテロ環類を表すものであるものも好ましい。更
に好ましくはR30とR31とが非芳香族の5〜7員の環を
形成し、Ch2およびCh3が各々SまたはSeを表し、
32が水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテ
ロ環基であり、n2は0または1であり、n2が1の時、
3はチオール類、チオエーテル類、チオアミド類、5
ないし6員の含窒素ヘテロ環類を表すものである。最も
好ましくはCh2およびCh3が各々SまたはSeを表
し、R30とR31とが非芳香族の5〜7員の環を形成し、
32が水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテ
ロ環基であり、n2が0である。
【0101】式(9)において、W2が表す電子求引性
基は前述したR10及びR11が表す電子求引性基と同義で
あり、好ましい範囲も同様である。
【0102】式(9)において、R33〜R35として好ま
しくは各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シ
アノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリー
ルスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、ア
ルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリール
オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、またはイミド基であり、より好ましくは水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロ
キシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、
アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
テロ環チオ基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホ
ニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アル
コキシカルボニル基、またはカルバモイル基である。
【0103】W2とR33は互いに結合して環を形成して
もよい。形成される環は、非芳香族の炭素環もしくはヘ
テロ環であり、好ましくは5〜7員環である。環を形成
する場合の、W2はアシル基、カルバモイル基、オキシ
カルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基が好ま
しく、R33はアルキル基、アルケニル基、アリール基、
ヘテロ環基が好ましい。
【0104】式(9)で表される化合物のうち、好まし
くはCh2およびCh3が各々SまたはSeを表し、W2
がσp値が0.2以上の電子求引性基であり、R33〜R
35が各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シア
ノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ
基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホ基、アルキル及び
アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカル
ボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイ
ル基であり、n2は0または1であり、n2が1の時、L
3はチオール類、チオエーテル類、チオアミド類、5な
いし6員の含窒素ヘテロ環類を表すものである。より好
ましくはCh2およびCh3が各々SまたはSeを表し、
2がσp値が0.2以上の電子求引性基であり、R33
35が各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
ケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロ
キシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、
アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
テロ環チオ基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホ
ニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アル
コキシカルボニル基、またはカルバモイル基であり、n
2は0または1であり、n2が1の時、L3はチオール
類、チオエーテル類、チオアミド類、5ないし6員の含
窒素ヘテロ環類を表すものである。最も好ましくはCh
2およびCh3が各々SまたはSeを表し、W2がσp値が
0.2以上の電子求引性基であり、R33〜R35が各々水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒド
ロキシル基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ
基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、スルホ基、アルキル及びアリール
スルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル
基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基で
あり、n2が0である。
【0105】また、式(9)で表される化合物のうち、
2とR33とが互いに結合して非芳香族の5〜7員の環
を形成しているものも好ましく、この時Ch2およびC
3が各々SまたはSeを表し、R33がアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはヘテロ環基などであ
り、R34およびR35は各々水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホ
基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、ア
リールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、
またはカルバモイル基などであり、n2は0または1で
あり、n2が1の時、L3はチオール類、チオエーテル
類、チオアミド類、5ないし6員の含窒素ヘテロ環類を
表すものであるものが好ましい。更に好ましくはCh2
およびCh3が各々SまたはSeを表し、W2とR33とが
互いに結合して非芳香族の5〜7員の環を形成し、R34
およびR35が各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシ
ルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホ基、アル
キル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオ
キシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、またはカ
ルバモイル基であり、n2は0または1であり、n2が1
の時、L3はチオール類、チオエーテル類、チオアミド
類、5ないし6員の含窒素ヘテロ環類を表すものであ
る。最も好ましくはCh2およびCh3が各々SまたはS
eを表し、W2とR33とが互いに結合して非芳香族の5
〜7員の環を形成し、R34およびR35は各々水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環
チオ基、スルホ基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、またはカルバモイル基であり、n2
0である。
【0106】一般式(6)〜(9)で表される化合物の
うち、好ましくは式(6)、(7)及び(9)で表され
る化合物であり、より好ましくは式(6)及び(9)で
表される化合物であり、最も好ましくは式(6)で表さ
れる化合物である。
【0107】次に一般式(6)〜(9)で表される化合
物の具体例を以下に示す。但し本発明はこれらに限定さ
れるものではない。また、立体異性体が複数存在しうる
化合物については、その立体構造を限定するものではな
い。
【0108】
【化28】
【0109】
【化29】
【0110】
【化30】
【0111】
【化31】
【0112】本発明の一般式(6)〜(9)で表される
化合物は、公知の種々の方法により合成することができ
る。個々の化合物によってその合成法は最適なものが選
ばれるため、一般的となりうる合成法を挙げることがで
きないが、その中でも有用な合成ルートを説明する。
【0113】(例示化合物6−3の合成)ペンタアセチ
ル-β-D-グルコースと臭化水素30%酢酸溶液から得
られる1-ブロモ-2,3,4,6-テトラアセチル-β-
D-グルコース1gをアセトニトリル10mLに溶解
し、これにNa22 0.27gを加えて室温で1時間
かくはんした。この溶液に塩化金テトラヒドロチオフェ
ン錯体0.78gを加えて1時間かくはんし、析出した
結晶をろ取した。この結晶をメタノール/水混合溶媒を
用いて再結晶することにより、例示化合物6−3を得る
ことができた。
【0114】(例示化合物6−1の合成)1-ブロモ-
2,3,4,6-テトラアセチル-β-D-グルコース2g
をメタノール20mLに溶解し、これにNa22 0.
54gを加えて室温で1時間かくはんした。この溶液に
28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液3mLを加
えて室温で1時間かくはんし、析出した結晶をろ取し
た。この結晶1gにメタノール10mLを加え、あらか
じめ混合しておいた塩化金酸1.6gとチオジエタノー
ル1.5gのメタノール20mL溶液を滴下した。室温
で0.5時間かくはんした後、析出した結晶をろ取する
ことで例示化合物6−1を得ることができた。
【0115】(例示化合物7−2の合成)チオ安息香酸
0.3gにクロロホルム10ml、トリエチルアミン
0.3mlを加えた溶液に、硫黄0.07gを加えて1
時間かくはんした。不溶物をろ別後、塩化金トリフェニ
ルホスフィン錯体1.1gをクロロホルム10mlに溶
解した溶液を添加した。析出した結晶をろ取しし、メタ
ノールから再結晶することで例示化合物7−2を得た。
【0116】(例示化合物9−9の合成)チオ尿素0.
5gに2mol/l塩酸6mlを加えて氷冷し、2−シ
クロヘキセン−1−オン0.5gを加えた。室温で1時
間かくはんした後、濃塩酸6mlを加え、析出した結晶
をろ取した。この結晶0.5gに水3mlを加えて氷冷
し、炭酸カリウム0.1gを水2mlに溶解した溶液を
滴下した。次いでセレン粉0.19gを加え、1時間か
くはんした後不溶物をろ別し、ろ液にあらかじめ混合し
ておいた塩化金酸1gとチオジエタノール0.9gのメ
タノール10mL溶液を滴下した。室温で0.5時間か
くはんした後、析出した結晶をろ取することで例示化合
物9−9を得た。
【0117】本発明の一般式(6)〜(9)で表される
化合物の添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハ
ロゲン化銀1モルあたり1×10-7〜5×10-3モル、
好ましくは5×10-7〜5×10-4モルである。
【0118】本発明の一般式(6)〜(9)で表される
化合物は、水、或いはアルコール類(メタノール、エタ
ノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、アミド類
(ジメチルホルムアミドなど)、グリコール類(メチル
プロピレングリコールなど)、及びエステル類(酢酸エ
チルなど)などを溶媒とした溶液として添加しても良
い。
【0119】本発明の一般式(6)〜(9)で表される
化合物の添加は、乳剤製造時のどの段階でも可能である
が、ハロゲン化銀粒子形成後から化学増感工程終了まで
の間に添加することが好ましい。
【0120】本発明のハロゲン化銀乳剤は、特定のハロ
ゲン化銀粒子を含む。この粒子の粒子形状は特に制限は
ないが、実質的に{100}面を持つ立方体、14面体
の結晶粒子(これらは粒子頂点が丸みを帯び、さらに高
次の面を有していてもよい)、8面体の結晶粒子、主表
面が{100}面または{111}面からなるアスペク
ト比3以上の平板状粒子からなることが好ましい。アス
ペクト比とは、投影面積に相当する円の直径を粒子の厚
さで割った値である。
【0121】本発明のハロゲン化銀乳剤としては、特定
のハロゲン化銀粒子を含む乳剤が用いられる。塩化銀含
有率は90モル%以上であることが好ましく、迅速処理
性の観点からは、塩化銀含有率は93モル%以上が好ま
しく、95モル%以上が更に好ましい。臭化銀含有率は
硬調で潜像安定性に優れることから0.1〜7モル%で
あることが好ましく、0.5〜5モル%であることが更
に好ましい。沃化銀含有率は高照度露光で高感度かつ硬
調であることから0.02〜1モル%であることが好ま
しく、0.05〜0.50モル%が更に好ましく、0.
07〜0.40モル%が最も好ましい。本発明の特定の
ハロゲン化銀粒子は、沃臭塩化銀粒子が好ましく、上記
のハロゲン組成の沃臭塩化銀粒子が更に好ましい。ま
た、上記の塩化銀を主体とする乳剤の他に、臭化銀を主
体とするハロゲン化銀乳剤も利用でき、例えば沃臭化銀
乳剤が利用できる。
【0122】本発明のハロゲン化銀乳剤における特定の
ハロゲン化銀粒子は、臭化銀含有相および/または沃化
銀含有相を有する。ここで、臭化銀あるいは沃化銀含有
相とは他の部分よりも臭化銀あるいは沃化銀の濃度が高
い部位を意味する。臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相
とその周囲とのハロゲン組成は連続的に変化してもよ
く、また急峻に変化してもよい。このような臭化銀ある
いは沃化銀含有相は、粒子内のある部分で濃度がほぼ一
定の幅をもった層を形成してもよく、広がりをもたない
極大点であってもよい。臭化銀含有相の局所的臭化銀含
有率は、5モル%以上であることが好ましく、10〜8
0モル%であることが更に好ましく、15〜50モル%
であることが最も好ましい。沃化銀含有相の局所的沃化
銀含有率は、0.3モル%以上であることが好ましく、
0.5〜8モル%であることが更に好ましく、1〜5モ
ル%であることが最も好ましい。また、このような臭化
銀あるいは沃化銀含有相は、それぞれ粒子内に層状に複
数個あってもよく、それぞれの臭化銀あるいは沃化銀含
有率が異なってよいが、それぞれ最低1個の含有相を有
することが好ましい。
【0123】本発明のハロゲン化銀乳剤の臭化銀含有相
あるいは沃化銀含有相は、それぞれ粒子を取り囲むよう
に層状にあることが重要である。粒子を取り囲むように
層状に形成された臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相
は、それぞれの相の中で粒子の周回方向に均一な濃度分
布を有することがひとつの好ましい態様である。しか
し、粒子を取り囲むように層状にある臭化銀含有相ある
いは沃化銀含有相の中は、臭化銀あるいは沃化銀濃度の
極大点または極小点が粒子の周回方向に存在し、濃度分
布を有していてもよい。例えば、粒子表面近傍に粒子を
取り囲むように層状に臭化銀含有相あるいは沃化銀含有
相を有する場合、粒子コーナーまたはエッジの臭化銀あ
るいは沃化銀濃度は、主表面と異なる濃度になる場合が
ある。また、粒子を取り囲むように層状にある臭化銀含
有相と沃化銀含有相とは別に、粒子の表面の特定部に完
全に孤立して存在し、粒子を取り囲んでいない臭化銀含
有相あるいは沃化銀含有相があってもよい。
【0124】本発明のハロゲン化銀乳剤が臭化銀含有相
を含有する場合、その臭化銀含有相は粒子の内部に臭化
銀濃度極大を有するように層状に形成されていることが
好ましい。また、本発明のハロゲン化銀乳剤が沃化銀含
有相を含有する場合、その沃化銀含有相は粒子の表面に
沃化銀濃度極大を有するように層状に形成されているこ
とが好ましい。このような臭化銀含有相あるいは沃化銀
含有相は、より少ない臭化銀あるいは沃化銀含有量で局
所濃度を上げる意味から、粒子体積の3%以上30%以
下の銀量で構成されていることが好ましく、3%以上1
5%以下の銀量で構成されていることが更に好ましい。
【0125】本発明のハロゲン化銀乳剤は、臭化銀含有
相および沃化銀含有相を両方含むことが好ましい。その
場合、臭化銀含有相と沃化銀含有相は粒子の同一個所に
あっても、異なる場所にあってもよいが、異なる場所に
あるほうが粒子形成の制御を容易にする点で好ましい。
また、臭化銀含有相に沃化銀を含有していてもよく、逆
に沃化銀含有相に臭化銀を含有していてもよい。一般
に、高塩化銀粒子形成中に添加する沃化物は臭化物より
も粒子表面にしみだしやすいために沃化銀含有相は粒子
表面の近傍に形成されやすい。従って、臭化銀含有相と
沃化銀含有相が粒子内の異なる場所にある場合、臭化銀
含有相は沃化銀含有相より内側に形成することが好まし
い。このような場合、粒子表面近傍の沃化銀含有相より
も更に外側に、別の臭化銀含有相を設けてもよい。
【0126】高感度化や硬調化などの本発明の効果を発
現させるために必要な臭化銀含有量あるいは沃化銀含有
量は、臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相を粒子内部に
形成するほど増加してしまい、必要以上に塩化銀含有量
を落として迅速処理性を損なってしまう恐れがある。従
って、写真作用を制御するこれらの機能を粒子内の表面
近くに集約するために、臭化銀含有相と沃化銀含有相は
隣接していることが好ましい。これらの点から、臭化銀
含有相は内側から測って粒子体積の50%から100%
の位置のいずれかに形成し、沃化銀含有相は粒子体積の
85%から100%の位置のいずれかに形成することが
好ましい。また、臭化銀含有相は粒子体積の70%から
95%の位置のいずれかに形成し、沃化銀含有相は粒子
体積の90%から100%の位置のいずれかに形成する
ことが更に好ましい。
【0127】本発明のハロゲン化銀乳剤に臭化銀あるい
は沃化銀を含有させるための臭化物あるいは沃化物イオ
ンの導入は、臭化物塩あるいは沃化物塩の溶液を単独で
添加させるか、或いは銀塩溶液と高塩化物塩溶液の添加
と併せて臭化物塩あるいは沃化物塩溶液を添加してもよ
い。後者の場合は、臭化物塩あるいは沃化物塩溶液と高
塩化物塩溶液を別々に、または臭化物塩あるいは沃化物
塩と高塩化物塩の混合溶液として添加してもよい。臭化
物塩あるいは沃化物塩は、アルカリもしくはアルカリ土
類臭化物塩あるいは沃化物塩のような溶解性塩の形で添
加する。或いは米国特許第5,389,508号明細書
に記載される有機分子から臭化物イオンあるいは沃化物
イオンを開裂させることで導入することもできる。また
別の臭化物あるいは沃化物イオン源として、微小臭化銀
粒子あるいは微小沃化銀粒子を用いることもできる。
【0128】臭化物塩あるいは沃化物塩溶液の添加は、
粒子形成の一時期に集中して行ってもよく、またある一
定期間かけて行ってもよい。高塩化物乳剤への沃化物イ
オンの導入位置は、高感度で低被りな乳剤を得る上で制
限される。沃化物イオンの導入は、乳剤粒子のより内部
に行うほど感度の増加が小さい。故に沃化物塩溶液の添
加は、粒子体積の50%より外側が好ましく、より好ま
しくは70%より外側から、最も好ましくは85%より
外側から行うのがよい。また沃化物塩溶液の添加は、好
ましくは粒子体積の98%より内側で、最も好ましくは
96%より内側で終了するのがよい。沃化物塩溶液の添
加は、粒子表面から少し内側で終了することで、より高
感度で低被りな乳剤を得ることができる。一方、臭化物
塩溶液の添加は、粒子体積の50%より外側が好まし
く、より好ましくは70%より外側から行うのがよい。
【0129】粒子内の深さ方向への臭化物あるいは沃化
物イオン濃度の分布は、エッチング/TOF−SIMS
(Time of Flight − Secondary Ion Mass Spectrometr
y)法により、例えばPhi Evans社製TRIFTII型TO
F−SIMSを用いて測定できる。TOF−SIMS法
については、具体的には日本表面科学会編「表面分析技
術選書二次イオン質量分析法」丸善株式会社(1999年発
行)に記載されている。エッチング/TOF−SIMS
法で乳剤粒子を解析すると、沃化物塩溶液の添加を粒子
の内側で終了しても、粒子表面に向けて沃化物イオンが
しみ出していることが分析できる。本発明の乳剤は、エ
ッチング/TOF−SIMS法による分析で、沃化物イ
オンは粒子表面で濃度極大を有し、内側に向けて沃化物
イオン濃度が減衰していることが好ましく、臭化物イオ
ンは粒子内部で濃度極大を有することが好ましい。臭化
銀の局所濃度は、臭化銀含有量がある程度高ければX線
回折法でも測定することができる。
【0130】本明細書において球相当径は、個々の粒子
の体積と等しい体積を有する球の直径で表される。本発
明の乳剤は粒子サイズ分布が単分散な粒子からなること
が好ましい。本発明の全粒子の球相当径の変動系数は2
0%以下であることが好ましく、15%以下であること
がより好ましく、10%以下であることが更に好まし
い。球相当径の変動係数とは、個々の粒子の球相当径の
標準偏差の、球相当径の平均に対する百分率で表され
る。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単
分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層
塗布することも好ましく行われる。
【0131】イエロー色素形成カプラー含有ハロゲン化
銀乳剤層のハロゲン化銀乳剤の球相当径は、0.7μm
以下であることが好ましく、0.6μm以下であること
が更に好ましく、0.5μm以下であることが最も好ま
しい。マゼンタ色素形成カプラー含有ハロゲン化銀乳剤
層およびシアン色素形成カプラー含有ハロゲン化銀乳剤
層のハロゲン化銀乳剤の球相当径は、0.5μm以下で
あることが好ましく、0.4μm以下であることが更に
好ましく、0.3μm以下であることが最も好ましい。
本明細書において球相当径は、個々の粒子の体積と等し
い体積を有する球の直径で表される。球相当径0.6μ
mの粒子は辺長約0.48μmの立方体粒子に相当し、
球相当径0.5μmの粒子は辺長約0.40μmの立方
体粒子に相当し、球相当径0.4μmの粒子は辺長約
0.32μmの立方体粒子に相当し、球相当径0.3μ
mの粒子は辺長約0.24μmの立方体粒子に相当す
る。本発明のハロゲン化銀乳剤には、本発明で定義され
るハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子(即
ち、特定のハロゲン化銀粒子)以外のハロゲン化銀粒子
を含んでよい。しかしながら、本発明で定義されるハロ
ゲン化銀乳剤は、全粒子の全投影面積の50%以上が本
発明で定義されるハロゲン化銀粒子であることが好まし
く、80%以上であることが好ましく、90%以上であ
ることが更に好ましい。
【0132】本発明のハロゲン化銀乳剤の電子徐放時間
は、10-5秒から10秒の間であることが好ましい。こ
こで、電子徐放時間とは、ハロゲン化銀乳剤に露光を与
えた場合、ハロゲン化銀結晶中に発生した光電子が結晶
中にある電子トラップに捕らえられ、再び放出されるま
での時間である。電子徐放時間が10-5秒より短いと高
照度露光で高感度で硬調な階調が得られにくく、10秒
より長いと露光後短時間で処理するまでの間に潜像増感
の問題を生じる。電子徐放時間は、10-4秒から10秒
の間が更に好ましく、10-3秒から1秒の間が最も好ま
しい。
【0133】電子徐放時間は、ダブルパルス光伝導法で
測定することができる。マイクロ波光伝導法あるいはラ
ジオ波光伝導法を用い、1発目の短時間露光を与えその
後ある一定時間の後2発目の短時間露光を与える。1発
目の露光でハロゲン化銀結晶中の電子トラップに電子が
捕らえられ、その直後に2発目の露光を与えると電子ト
ラップが詰まっているため、2発目の光伝導シグナルは
大きくなる。2回の露光間隔を十分置き、1発目の露光
で電子トラップに捕らえられた電子が既に放出されてい
る場合は、2発目の光伝導シグナルはほぼ元の大きさに
戻っている。2回の露光間隔を変え2発目の光伝導シグ
ナル強度の露光間隔依存性を取ると、露光間隔と共に2
発目の光伝導シグナル強度が減少してゆく様子が測定で
きる。これが光電子の電子トラップからの徐放時間を表
している。電子徐放は、露光後ある一定時間の間連続的
に起こり続ける場合があるが、10-5秒から10秒の間
に徐放が観測されることが好ましい。10-4秒から10
秒の間に徐放が観測されることがより好ましく、10-3
秒から1秒の間に徐放が観測されることが更に好まし
い。
【0134】本発明のハロゲン化銀乳剤における特定の
ハロゲン化銀粒子は、イリジウムを含有することが好ま
しい。イリジウム化合物としては、6個のリガンドを有
しイリジウムを中心金属とする6配位錯体が、ハロゲン
化銀結晶中に均一に取り込ませるために好ましい。本発
明で用いられるイリジウムの一つの好ましい態様とし
て、Cl、BrまたはIをリガンドとして有するIrを
中心金属とする6配位錯体が好ましく、6個全てのリガ
ンドがCl、BrまたはIからなるIrを中心金属とす
る6配位錯体が更に好ましい。この場合、6配位錯体中
にCl、BrまたはIが混在していてもよい。Cl、B
rまたはIをリガンドとして有するIrを中心金属とす
る6配位錯体は、臭化銀含有相に含まれることが、高照
度露光で硬調な階調を得るために特に好ましい。
【0135】以下に、6個全てのリガンドがCl、Br
またはIからなるIrを中心金属とする6配位錯体の具
体例を挙げるが、本発明におけるイリジウムはこれらに
限定されない。 [IrCl62- [IrCl63- [IrBr62- [IrBr63- [IrI63-
【0136】本発明で用いられるイリジウムの異なる好
ましい態様として、ハロゲンまたはシアン以外のリガン
ドを少なくとも1個有するIrを中心金属とする6配位
錯体が好ましく、H2O、OH、O、OCN、チアゾー
ルまたは置換チアゾールをリガンドとして有するIrを
中心金属とする6配位錯体が好ましく、少なくとも1個
のH2O、OH、O、OCN、チアゾールまたは置換チ
アゾールをリガンドとして有し残りのリガンドがCl、
BrまたはIからなるIrを中心金属とする6配位錯体
が更に好ましい。更に、1個もしくは2個の5−メチル
チアゾールをリガンドとして有し残りのリガンドがC
l、BrまたはIからなるIrを中心金属とする6配位
錯体が最も好ましい。
【0137】以下に、少なくとも1個のH2O、OH、
O、OCN、チアゾールまたは置換チアゾールをリガン
ドとして有し残りのリガンドがCl、BrまたはIから
なるIrを中心金属とする6配位錯体の具体例を挙げる
が、本発明におけるイリジウムはこれらに限定されな
い。
【0138】[Ir(H2O)Cl52- [Ir(H2O)2Cl4- [Ir(H2O)Br52- [Ir(H2O)2Br4- [Ir(OH)Cl53- [Ir(OH)2Cl43- [Ir(OH)Br53- [Ir(OH)2Br43- [Ir(O)Cl54- [Ir(O)2Cl45- [Ir(O)Br54- [Ir(O)2Br45- [Ir(OCN)Cl53- [Ir(OCN)Br53- [Ir(thiazole)Cl52- [Ir(thiazole)2Cl4- [Ir(thiazole)Br52- [Ir(thiazole)2Br4]- [Ir(5−methylthiazole)Cl52- [Ir(5−methylthiazole)2Cl4- [Ir(5−methylthiazole)Br52- [Ir(5−methylthiazole)2Br4-
【0139】本発明において、6個全てのリガンドがC
l、BrまたはIからなるIrを中心金属とする6配位
錯体、あるいはハロゲンまたはシアン以外のリガンドを
少なくとも1個有するIrを中心金属とする6配位錯体
の、いずれか一方を単独で使用することで好ましく用い
られる。しかしながら、本発明の効果を一層高めるため
には、6個全てのリガンドがCl、BrまたはIからな
るIrを中心金属とする6配位錯体、およびハロゲンま
たはシアン以外のリガンドを少なくとも1個有するIr
を中心金属とする6配位錯体を併用することが好まし
い。更に、少なくとも1個のH2O、OH、O、OC
N、チアゾールまたは置換チアゾールをリガンドとして
有し残りのリガンドがCl、BrまたはIからなるIr
を中心金属とする6配位錯体は、この中から2種類のリ
ガンド(H2O、OH、O、OCN、チアゾールまたは
置換チアゾールから1種とCl、BrまたはIから1
種)で構成されている錯体を用いることが好ましい。
【0140】以上に挙げた金属錯体は陰イオンであり、
陽イオンと塩を形成した時にはその対陽イオンとして水
に溶解しやすいものが好ましい。具体的には、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウ
ムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ金属イオ
ン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン
が好ましい。これらの金属錯体は、水のほかに水と混合
し得る適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテ
ル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類
等)との混合溶媒に溶かして使うことができる。これら
のイリジウム錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×1
0-10 モルから1×10-3モル添加することが好ましく、1
×10-8モルから1×10-5モル添加することが最も好まし
い。
【0141】本発明において上記のイリジウム錯体は、
ハロゲン化銀粒子形成時に反応溶液中に直接添加する
か、ハロゲン化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水
溶液中、あるいはそれ以外の溶液中に添加し、粒子形成
反応溶液に添加することにより、ハロゲン化銀粒子内に
組み込むのが好ましい。また、あらかじめイリジウム錯
体を粒子内に組み込んだ微粒子で物理熟成してハロゲン
化銀粒子に組み込むことも好ましい。さらにこれらの方
法を組み合わせてハロゲン化銀粒子内へ含有させること
もできる。
【0142】これらの錯体をハロゲン化銀粒子に組み込
む場合、粒子内部に均一に存在させることも行われる
が、特開平4−208936号、特開平2−12524
5号、特開平3−188437号各公報に開示されてい
る様に、粒子表面層のみに存在させることも好ましく、
子内部のみに錯体を存在させ粒子表面には錯体を含有し
ない層を付加することも好ましい。また、米国特許第
5,252,451号および同第5,256,530号
明細書に開示されているように、錯体を粒子内に組み込
んだ微粒子で物理熟成して粒子表面相を改質することも
好ましい。さらに、これらの方法を組み合わせて用いる
こともでき、複数種の錯体を1つのハロゲン化銀粒子内
に組み込んでもよい。上記の錯体を含有させる位置のハ
ロゲン組成には特に制限はないが、6個全てのリガンド
がCl、BrまたはIからなるIrを中心金属とする6
配位錯体は、臭化銀濃度極大部に含有させることが好ま
しい。
【0143】本発明においては、イリジウム以外に他の
金属イオンをハロゲン化銀粒子の内部及び/または表面
にドープするがことができる。用いる金属イオンとして
は遷移金属イオンが好ましく、なかでも、鉄、ルテニウ
ム、オスミウム、鉛、カドミウム、または、亜鉛である
ことが好ましい。さらにこれらの金属イオンは配位子を
伴い6配位八面体型錯体として用いることがより好まし
い。無機化合物を配位子として用いる場合には、シアン
化物イオン、ハロゲン化物イオン、チオシアン、水酸化
物イオン、過酸化物イオン、アジ化物イオン、亜硝酸イ
オン、水、アンモニア、ニトロシルイオン、または、チ
オニトロシルイオンを用いることが好ましく、上記の
鉄、ルテニウム、オスミウム、鉛、カドミウム、また
は、亜鉛のいずれの金属イオンに配位させて用いること
も好ましく、複数種の配位子を1つの錯体分子中に用い
ることも好ましい。また、配位子として有機化合物を用
いることも出来、好ましい有機化合物としては主鎖の炭
素数が5以下の鎖状化合物および/または5員環あるい
は6員環の複素環化合物を挙げることが出来る。さらに
好ましい有機化合物は分子内に窒素原子、リン原子、酸
素原子、または、硫黄原子を金属への配位原子として有
する化合物であり、特に好ましくはフラン、チオフェ
ン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イ
ソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾー
ル、フラザン、ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミ
ジン、ピラジンであり、さらにこれらの化合物を基本骨
格としそれらに置換基を導入した化合物もまた好まし
い。
【0144】金属イオンと配位子の組み合わせとして好
ましくは、鉄イオン及びルテニウムイオンとシアン化物
イオンの組み合わせである。本発明においては、イリジ
ウムとこれらの化合物を併用することが好ましい。これ
らの化合物においてシアン化物イオンは、中心金属であ
る鉄またはルテニウムへの配位数のうち過半数を占める
ことが好ましく、残りの配位部位はチオシアン、アンモ
ニア、水、ニトロシルイオン、ジメチルスルホキシド、
ピリジン、ピラジン、または、4,4’-ビピリジンで占め
られることが好ましい。最も好ましくは中心金属の6つ
の配位部位が全てシアン化物イオンで占められ、ヘキサ
シアノ鉄錯体またはヘキサシアノルテニウム錯体を形成
することである。これらシアン化物イオンを配位子とす
る錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×10-8モルか
ら1×10-2モル添加することが好ましく、1×10-6モルか
ら5×10-4モル添加することが最も好ましい。ルテニウ
ムおよびオスミウムを中心金属とした場合にはニトロシ
ルイオン、チオニトロシルイオン、または水分子と塩化
物イオンとを配位子として共に用いることも好ましい。
より好ましくはペンタクロロニトロシル錯体、ペンタク
ロロチオニトロシル錯体、または、ペンタクロロアクア
錯体を形成することであり、ヘキサクロロ錯体を形成す
ることも好ましい。これらの錯体は、粒子形成中に銀1
モル当たり1×10-10モルから1×10-6モル添加すること
が好ましく、より好ましくは1×10-9モルから1×10-6
ル添加することである。
【0145】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶり
を防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種
々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することがで
きる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−2
15272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載の
ものが好ましく用いられる。更にEP0447647号
に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チ
アトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも
一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
【0146】また、本発明において、ハロゲン化銀乳剤
の保存性を高めるため、特開平11−109576号に
記載のヒドロキサム酸誘導体、特開平11−32709
4号に記載のカルボニル基に隣接して、両端がアミノ基
もしくはヒドロキシル基が置換した二重結合を有す環状
ケトン類(特に一般式(S1)で表されるもので、段落
番号0036〜0071は本願の明細書に取り込むこと
ができる。)、特開平11−143011号に記載のス
ルホ置換のカテコールやハイドロキノン類(例えば、
4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン
酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホ
ン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,
3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒド
ロキシベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキ
シベンゼンスルホン酸およびこれらの塩など)、米国特
許第5,556,741号の一般式(A)で表されるヒ
ドロキシルアミン類(米国特許第5,556,741号
の第4欄の第56行〜第11欄の第22行の記載は本願
においても好ましく適用され、本願の明細書の一部とし
て取り込まれる)、特開平11−102045号の一般
式(I)〜(III)で表される水溶性還元剤は本発明に
おいても好ましく使用される。
【0147】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明の感光材料において、青、緑、
赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例
えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine
dyes andrelated compounds (John Wiley & Sons [New
York,London] 社刊1964年)に記載されているものを
挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光
増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第
22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いら
れる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤
粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123
340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強
さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0148】これらの分光増感色素の添加量は場合に応
じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。
更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3
モルの範囲である。
【0149】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
当業界に知られる金増感を施したものである。金増感を
施すことにより、乳剤を高感度化でき、レーザー光等に
よって走査露光したときの写真性能の変動を小さくする
ことができるからである。本発明の金増感法は、既に述
べたが、従来知られている金増感法を併用することも可
能である。従来知られている金増感を施すには、種々の
無機金化合物や無機配位子を有する金(I)錯体及び有
機配位子を有する金(I)化合物を利用することができ
る。無機金化合物としては、例えば塩化金酸もしくはそ
の塩、無機配位子を有する金(I)錯体としては、例え
ばジチオシアン酸金(I)カリウム等のジチオシアン酸
金化合物やジチオ硫酸金(I)3ナトリウム等のジチオ
硫酸金化合物等の化合物を用いることができる。
【0150】有機配位子(有機化合物)を有する金
(I)化合物としては、特開平4-267249号に記
載のビス金(I)メソイオン複素環類、例えばビス(1,
4,5-トリメチル-1,2,4-トリアゾリウム-3-チオラート)
オーレート(I)テトラフルオロボレート、特開平11
-218870号に記載の有機メルカプト金(I)錯
体、例えばカリウム ビス(1-[3-(2-スルホナートベン
ズアミド)フェニル]-5-メルカプトテトラゾールカリウ
ム塩)オーレート(I)5水和物、特開平4-2685
50号に記載の窒素化合物アニオンが配位した金(I)
化合物、例えば、ビス(1-メチルヒダントイナート)金
(I)ナトリウム塩四水和物、を用いることができる。
これらの有機配位子を有する金(I)化合物は、あらか
じめ合成して単離したものを使用する他に、有機配位子
とAu化合物(例えば塩化金酸やその塩)とを混合するこ
とにより、発生させて単離することなく、乳剤に添加す
ることができる。更には、乳剤に有機配位子とAu化合物
(例えば塩化金酸やその塩)とを別々に添加し、乳剤中
で有機配位子を有する金(I)化合物を発生させてもよ
い。また、米国特許第3、503、749号に記載され
ている金(I)チオレート化合物、特開平8-6907
4号、特開平8-69075号、特開平9-269554
号に記載の金化合物、米国特許第5620841号、同
5912112号、同5620841号、同59392
45号、同5912111号に記載の化合物も用いるこ
とができる。これらの化合物の添加量は場合に応じて広
範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり5×10
-7〜5×10-3モル、好ましくは5×10-6〜5×10
-4モルである。
【0151】また、コロイド状硫化金を用いることも可
能であり、その製造方法はリサーチ・ディスクロージャ
ー(Reserch Disclosure,37154 )、ソリッド ステー
トイオニクス(Solid State Ionics )第79巻、6
0〜66頁、1995年刊、Compt.Rend.Hebt.Seances
Acad.Sci.Sect.B第263巻、1328頁、1966年
刊等に記載されている。上記Reserch Disclosure に
は、コロイド状硫化金の製造の際、チオシアナートイオ
ンを用いる方法が記載されているが、代わりにメチオニ
ンやチオジエタノールなどのチオエーテル化合物を用い
ることができる。コロイド状硫化金としてさまざまなサ
イズのものを利用でき、平均粒径50nm以下のものを用
いることが好ましく、平均粒径10nm以下がより好まし
く、平均粒径3nm以下が更に好ましい。この粒径はTE
M写真から測定できる。また、コロイド状硫化金の組成
は、Au2S1 でもよく、Au2S1 〜Au2S2 の様な硫黄過剰な
組成のものであってもよく、硫黄過剰な組成が好まし
い。Au2S1.1 〜Au2S1.8 が更に好ましい。このコロイド
状硫化金の組成分析は、例えば、硫化金粒子を取り出し
て金の含有量と硫黄の含有量をそれぞれICP やヨードメ
トリーなどの分析法を利用して求めることができる。液
相に溶解している金イオン、イオウイオン(硫化水素や
その塩を含む)が硫化金コロイド中に存在すると硫化金
コロイド粒子の組成分析に影響する為、限外ろ過などに
より硫化金粒子を分離した上で分析は行われる。硫化金
コロイドの添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るが
ハロゲン化銀1モルあたり金原子として5×10-7〜5
×10-3モル、好ましくは5×10-6〜5×10-4モル
である。
【0152】本発明においては、金増感を更に他の増感
法、例えば硫黄増感、セレン増感、テルル増感、還元増
感あるいは金化合物以外を用いた貴金属増感等と組み合
わせてもよい。
【0153】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
従来公知の写真用素材や添加剤を使用できる。例えば写
真用支持体としては、透過型支持体や反射型支持体を用
いることができる。透過型支持体としては、セルロース
ナイトレートフィルムやポリエチレンテレフタレートな
どの透明フィルム、更には2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸(NDCA)とエチレングリコール(EG)とのポ
リエステルやNDCAとテレフタル酸とEGとのポリエ
ステル等に磁性層などの情報記録層を設けたものが好ま
しく用いられる。反射型支持体としては特に複数のポリ
エチレン層やポリエステル層でラミネートされ、このよ
うな耐水性樹脂層(ラミネート層)の少なくとも一層に
酸化チタン等の白色顔料を含有する反射支持体が好まし
い。
【0154】本発明においてさらに好ましい反射支持体
としては、ハロゲン化銀乳剤層を設ける側の紙基体上に
微小空孔を有するポリオレフィン層を有しているものが
挙げられる。ポリオレフィン層は多層から成っていても
よく、その場合、好ましくはハロゲン化銀乳剤層側のゼ
ラチン層に隣接するポリオレフィン層は微小空孔を有さ
ず(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、紙基体上
に近い側に微小空孔を有するポリオレフィン(例えばポ
リプロピレン、ポリエチレン)から成るものがより好ま
しい。紙基体および写真構成層の間に位置するこれら多
層もしくは一層のポリオレフィン層の密度は0.40〜
1.0g/mlであることが好ましく、0.50〜0.
70g/mlがより好ましい。また、紙基体および写真
構成層の間に位置するこれら多層もしくは一層のポリオ
レフィン層の厚さは10〜100μmが好ましく、15
〜70μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層
と紙基体の厚さの比は0.05〜0.2が好ましく、
0.1〜0.5がさらに好ましい。
【0155】また、上記紙基体の写真構成層とは逆側
(裏面)にポリオレフィン層を設けることも、反射支持
体の剛性を高める点から好ましく、この場合、裏面のポ
リオレフィン層は表面が艶消しされたポリエチレンまた
はポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好
ましい。裏面のポリオレフィン層は5〜50μmが好ま
しく、10〜30μmがより好ましく、さらに密度が
0.7〜1.1g/mlであることが好ましい。本発明
の反射支持体において、紙基体上に設けるポリオレフィ
ン層に関する好ましい態様については、特開平10−3
33277号、同10−333278号、同11−52
513号、同11−65024号、EP0880065
号、およびEP0880066号に記載されている例が
挙げられる。
【0156】更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は感光材料
の親水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤と
して、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン
系、ピラゾリン系が用いることができ、更に好ましく
は、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサ
ゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特
に限定されていが、好ましくは1〜100mg/m2
ある。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましく
は樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更に好
ましくは0.001〜0.5質量%である。反射型支持
体としては、透過型支持体、または上記のような反射型
支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗
設したものでもよい。また、反射型支持体は、鏡面反射
性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体であ
ってもよい。
【0157】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体又は白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層を
有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側又は裏面に塗設
するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディスプ
レイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.35
〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
【0158】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2号の第27〜76頁
に記載の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソ
ノール系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射
濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の
耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリ
メチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを1
2質量%以上(より好ましくは14質量%以上)含有さ
せるのが好ましい。
【0159】本発明に係わる感光材料には、イラジエー
ションやハレーションを防止したり、セーフライト安全
性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許
EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記
載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール
染料、シアニン染料)を添加することが好ましい。さら
に、欧州特許EP0819977号明細書に記載の染料
も本発明に好ましく添加される。これらの水溶性染料の
中には使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を
悪化するものもある。色分離を悪化させないで使用でき
る染料としては、特開平5−127324号、同5−1
27325号、同5−216185号に記載された水溶
性染料が好ましい。
【0160】本発明においては、水溶性染料の代わり、
あるいは水溶性染料と併用しての処理で脱色可能な着色
層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層
は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロ
キノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接す
るように配置されていても良い。この着色層は、着色さ
れた色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体
側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する
着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部の
みを任意に選んで設置することも可能である。また複数
の原色域に対応する着色を行った着色層を設置すること
も可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用す
る波長域(通常のプリンター露光においては400nm
〜700nmの可視光領域、走査露光の場合には使用す
る走査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波
長における光学濃度値が0.2以上3.0以下であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以
下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。
【0161】着色層を形成するためには、従来公知の方
法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3
頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−79
31号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料の
ように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含
有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒
染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させ
て層中に固定する方法、特開平1−239544号に記
載されているようなコロイド銀を使用する方法などであ
る。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、た
とえば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性で
あるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性であ
る微粉末染料を含有させる方法が特開平2−30824
4号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、
アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法とし
ては、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載
されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法につ
いては米国特許第2,688,601号、同3,45
9,563号に示されている。これらの方法のなかで微
粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法
などが好ましい。
【0162】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、カ
ラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フ
ィルム、カラー反転印画紙、カラー印画紙等に用いられ
るが、中でもカラー印画紙として用いるのが好ましい。
カラー印画紙は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性
ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有し
てなることが好ましく、一般には、これらのハロゲン化
銀乳剤層は支持体から近い順にイエロー発色性ハロゲン
化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シア
ン発色性ハロゲン化銀乳剤層である。
【0163】しかしながら、これとは異なった層構成を
取っても構わない。イエロ−カプラーを含有するハロゲ
ン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されても
かまわないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化
銀平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハ
ロゲン化銀乳剤層またはシアンカプラー含有ハロゲン化
銀乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置
に塗設されていることが好ましい。また、発色現像促
進、脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点から
は、イエロ−カプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハ
ロゲン化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗
設されていることが好ましい。更に、Blix退色の低
減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層
は他のハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退
色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀
乳剤層は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタ
およびシアンのそれぞれの発色性層は2層または3層か
らなってもよい。例えば、特開平4−75055号、同
9−114035号、同10−246940号、米国特
許第5,576,159号等に記載のように、ハロゲン
化銀乳剤を含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層
に隣接して設け、発色層とすることも好ましい。
【0164】本発明において適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用
される処理法や処理用添加剤としては、特開昭62−2
15272号、特開平2−33144号、欧州特許EP
0,355,660A2号に記載されているもの、特に
欧州特許EP0,355,660A2号に記載されてい
るものが好ましく用いられる。更には、特開平5−34
889号、同4−359249号、同4−313753
号、同4−270344号、同5−66527号、同4
−34548号、同4−145433号、同2−854
号、同1−158431号、同2−90145号、同3
−194539号、同2−93641号、欧州特許公開
第0520457A2号等に記載のハロゲン化銀カラー
写真感光材料やその処理方法も好ましい。
【0165】特に、本発明においては、前記の反射型支
持体やハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中に
ドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保
存安定剤又はカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分
光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエロー
カプラー及びその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステ
イン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン
種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなどについ
ては、下記表1に示す特許の各箇所に記載のものが特に
好ましく適用できる。
【0166】
【表1】
【0167】本発明において用いられるシアン、マゼン
タ及びイエローカプラーとしては、その他、特開昭62
−215272号公報の第91頁右上欄4行目〜121
頁左上欄6行目、特開平2−33144号公報の第3頁
右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄
6行目〜35頁右下欄11行目やEP0355,660
A2号明細書の第4頁15行目〜27行目、5頁30行
目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行目、47頁
23行目〜63頁50行目に記載のカプラーも有用であ
る。また、本発明はWO−98/33760号の一般式
(II)及び(III)、特開平10−221825号公報
の一般式(D)で表される化合物を添加してもよく、好
ましい。
【0168】本発明に使用可能なシアン色素形成カプラ
ー(単に、「シアンカプラー」という場合がある)とし
ては、ピロロトリアゾール系カプラーが好ましく用いら
れ、特開平5−313324号公報の一般式(I)又は
(II)で表されるカプラー及び特開平6−347960
号公報の一般式(I)で表されるカプラー並びにこれら
の特許に記載されている例示カプラーが特に好ましい。
また、フェノール系、ナフトール系のシアンカプラーも
好ましく、例えば、特開平10−333297号公報に
記載の一般式(ADF)で表されるシアンカプラーが好
ましい。上記以外のシアンカプラーとしては、欧州特許
EP0488248号明細書及びEP0491197A
1号明細書に記載のピロロアゾール型シアンカプラー、
米国特許第5,888,716号に記載の2,5−ジア
シルアミノフェノールカプラー、米国特許第4,87
3,183号明細書、同第4,916,051号明細書
に記載の6位に電子吸引性基、水素結合基を有するピラ
ゾロアゾール型シアンカプラー、特に、特開平8−17
1185号公報、同8−311360号公報、同8−3
39060号公報に記載の6位にカルバモイル基を有す
るピラゾロアゾール型シアンカプラーも好ましい。
【0169】また、特開平2−33144号公報に記載
のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧
州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒ
ドロキシピリジン系シアンカプラー(中でも具体例とし
て列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素
離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー(6)
や(9)が特に好ましい)や特開昭64−32260号
公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプラー
(中でも具体例として列挙されたカプラー例3、8、3
4が特に好ましい)、欧州特許EP0456226A1
号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプラー、
欧州特許EP0484909号明細書に記載のピロロイ
ミダゾール型シアンカプラーを使用することもできる。
【0170】なお、これらのシアンカプラーのうち、特
開平11−282138号公報に記載の一般式(I)で
表されるピロロアゾール系シアンカプラーが特に好まし
く、該特許の段落番号0012〜0059の記載は例示
シアンカプラー(1)〜(47)を含め、本願にそのま
ま適用され、本願の明細書の一部として好ましく取り込
まれる。
【0171】本発明に用いられるマゼンタ色素形成カプ
ラー(単に、「マゼンタカプラー」という場合がある)
としては、前記の表の公知文献に記載されたような5−
ピラゾロン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マ
ゼンタカプラーが用いられるが、中でも色相や画像安定
性、発色性等の点で特開昭61−65245号公報に記
載されたような2級又は3級アルキル基がピラゾロトリ
アゾール環の2、3又は6位に直結したピラゾロトリア
ゾールカプラー、特開昭61−65246号公報に記載
されたような分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾ
ロアゾールカプラー、特開昭61−147254号公報
に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミド
バラスト基を持つピラゾロアゾールカプラーや欧州特許
第226,849A号明細書や同第294,785A号
明細書に記載されたような6位にアルコキシ基やアリー
ルオキシ基をもつピラゾロアゾールカプラーの使用が好
ましい。特に、マゼンタカプラーとしては特開平8−1
22984号公報に記載の一般式(M−I)で表される
ピラゾロアゾールカプラーが好ましく、該特許の段落番
号0009〜0026はそのまま本願に適用され、本願
の明細書の一部として取り込まれる。これに加えて、欧
州特許第854384号明細書、同第884640号明
細書に記載の3位と6位の両方に立体障害基を有するピ
ラゾロアゾールカプラーも好ましく用いられる。
【0172】また、イエロー色素形成カプラー(単に、
「イエローカプラー」という場合がある)としては、前
記表中に記載の化合物の他に、欧州特許EP04479
69A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の環状構
造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラー、欧
州特許EP0482552A1号明細書に記載の環状構
造を有するマロンジアニリド型イエローカプラー、欧州
公開特許第953870A1号明細書、同第95387
1A1号明細書、同第953872A1号明細書、同第
953873A1号明細書、同第953874A1号明
細書、同第953875A1号明細書等に記載のピロー
ル−2又は3−イル若しくはインドール−2又は3−イ
ルカルボニル酢酸アニリド系カプラー、米国特許第5,
118,599号明細書に記載されたジオキサン構造を
有するアシルアセトアミド型イエローカプラーが好まし
く用いられる。その中でも、アシル基が1−アルキルシ
クロプロパン−1−カルボニル基であるアシルアセトア
ミド型イエローカプラー、アニリドの一方がインドリン
環を構成するマロンジアニリド型イエローカプラーの使
用が特に好ましい。これらのカプラーは、単独あるいは
併用することができる。
【0173】本発明に使用するカプラーは、前出表中記
載の高沸点有機溶媒の存在下で(又は不存在下で)ロー
ダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4,20
3,716号明細書)に含浸させて、又は水不溶性かつ
有機溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性コロ
イド水溶液に乳化分散させることが好ましい。好ましく
用いることのできる水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリ
マーは、米国特許第4,857,449号明細書の第7
欄〜15欄及び国際公開WO88/00723号明細書
の第12頁〜30頁に記載の単独重合体又は共重合体が
挙げられる。より好ましくはメタクリレート系あるいは
アクリルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリ
マーの使用が色像安定性等の上で好ましい。
【0174】本発明においては公知の混色防止剤を用い
ることができるが、その中でも以下に挙げる特許に記載
のものが好ましい。例えば、特開平5−333501号
に記載の高分子量のレドックス化合物、WO98/33
760号、米国特許第4,923,787号等に記載の
フェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−2496
37号、特開平10−282615号および独国特許第
19629142A1号等に記載のホワイトカプラーを
用いることができる。また、特に現像液のpHを上げ、
現像の迅速化を行う場合には独国特許第1961878
6A1号、欧州特許第839623A1号、欧州特許第
842975A1号、独国特許19806846A1号
および仏国特許第2760460A1号等に記載のレド
ックス化合物を用いることも好ましい。
【0175】本発明においては紫外線吸収剤としてモル
吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用いる
ことが好ましく、例えば、以下の特許に記載の化合物を
用いることができる。これらは、感光性層または/およ
び非感光性に好ましく添加される。特開昭46−333
5号、同55−152776号、特開平5−19707
4号、同5−232630号、同5−307232号、
同6−211813号、同8−53427号、同8−2
34364号、同8−239368号、同9−3106
7号、同10−115898号、同10−147577
号、同10−182621号、独国特許第197397
97A号、欧州特許第711804A号および特表平8
−501291号等に記載されている化合物である。
【0176】本発明に係わる感光材料に用いることので
きる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用い
ることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単
独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好
ましいゼラチンとしては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の
不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm
以下、更に好ましくは3ppm以下である。また、感光
材料中に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg
/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好
ましくは5mg/m2以下である。本発明においては、
親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の
黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公
報に記載のような防菌・防黴剤を添加するのが好まし
い。さらに、感光材料の被膜pHは4.0〜7.0が好
ましく、より好ましくは4.0〜6.5である。
【0177】本発明における写真構成層構成層中の総塗
設ゼラチン量は3g/m2以上6g/m2以下であることが好ま
しく、3g/m2以上5g/m2以下であることが更に好まし
い。また、超迅速処理した場合でも、現像進行性、及び
定着漂白性、残色を満足するために、写真構成層全体の
膜厚が3μm 〜7.5μm であることが好ましく、更に
3μm 〜6.5μm であることが好ましい。乾燥膜厚の
評価方法は、乾燥膜剥離前後の膜厚の変化、あるいは断
面の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察により測定するこ
とができる。本発明において、現像進行性と乾燥速度を
上げることを両立するために、膨潤膜厚が8μm〜19
μmであることが好ましく、更に9μm〜18μmである
ことが好ましい。膨潤膜厚の測定としては、35℃の水
溶液中に乾燥した感光材料を浸し、膨潤して十分平衡に
達した状態で打点方法にて測定することができる。本発
明における塗布銀量は、0.2g/m2〜0.5g/m2である
ことが好ましく、0.2g/m2〜0.45g/m2であること
が更に好ましく、0.2g/m2〜0.40g/m2であること
が最も好ましい。
【0178】本発明においては、感光材料の塗布安定性
向上、静電気発生防止、帯電量調節等の点から界面活性
剤を感光材料に添加することができる。界面活性剤とし
てはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベ
タイン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤があり、例
えば特開平5−333492号公報に記載のものが挙げ
られる。本発明に用いる界面活性剤としては、フッ素原
子含有の界面活性剤が好ましい。特に、フッ素原子含有
界面活性剤を好ましく用いることができる。これらのフ
ッ素原子含有界面活性剤は単独で用いても、従来公知の
他の界面活性剤と併用しても構わないが、好ましくは従
来公知の他の界面活性剤との併用である。これらの界面
活性剤の感光材料への添加量は特に限定されるものでは
ないが、一般的には、1×10-5〜1g/m2 、好まし
くは1×10-4〜1×10-1g/m2 、更に好ましくは
1×10-3〜1×10-2g/m2 である。
【0179】本発明の感光材料は、画像情報に応じて光
を照射される露光工程と、前記光照射された感光材料を
現像する現像工程とにより、画像を形成することができ
る。本発明の感光材料は、通常のネガプリンターを用い
たプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CR
T)を用いた走査露光方式にも適している。陰極線管露
光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつ
コンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の
調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必
要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用
いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体
のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いら
れる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に限定され
ず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体
も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に
発光する陰極線管がしばしば用いられる。
【0180】感光材料が異なる分光感度分布を有する複
数の感光性層を持ち、陰極性管も複数のスペクトル領域
の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度
に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して
管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次
入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカ
ットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)
を採ってもよく、一般には、面順次露光の方が、高解像
度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のた
めには好ましい。
【0181】本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光
ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線
形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)
等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式が好ま
しく使用される。システムをコンパクトで、安価なもの
にするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波
発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコ
ンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を
設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露
光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用するこ
とが好ましい。
【0182】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査
露光用光源の波長により任意に設定することができる。
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるい
は半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られ
るSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできる
ので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の
分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持
たせることが可能である。このような走査露光における
露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素
サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光
時間としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以
下である。
【0183】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、発光波長420nm〜460nmの青色レーザーのコヒ
ーレント光により像様露光する場合に効果を発現する。
青色レーザーの中でも、青色半導体レーザーを用いるこ
とが特に好ましい。発行波長は430nm〜450nmであ
ることが、本発明の効果を際立たせる意味で好ましい。
レーザー光源として具体的には、波長430〜460n
mの青色半導体レーザー(2001年3月 第48回応用物理
学関係連合講演会で日亜化学発表)、半導体レーザー
(発振波長 約1060nm)を導波路状の反転ドメイ
ン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変
換して取り出した約530nmの緑色レーザー、波長約
685nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.H
L6738MG)、波長約650nmの赤色半導体レー
ザー(日立タイプNo.HL6501MG)などが好ま
しく用いられる。
【0184】上記のような露光を施してから、発色現像
を開始するまでのいわゆる潜像時間は、9秒以内の短時
間であってもよいし、露光装置と処理機が分離独立した
システムにおいて、潜像時間が数十分以上の長さでもよ
い。露光装置と処理機が合体したプリンターでは、トー
タルのプリント時間を迅速にできる点で好ましい。
【0185】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、以下の公知資料に記載の露光、現像システムと組み
合わせることで好ましく用いることができる。前記現像
システムとしては、特開平10−333253号公報に
記載の自動プリント並びに現像システム、特開2000
−10206号公報に記載の感光材料搬送装置、特開平
11−215312号公報に記載の画像読取装置を含む
記録システム、特開平11−88619号公報並びに特
開平10−202950号公報に記載のカラー画像記録
方式からなる露光システム、特開平10−210206
号公報に記載の遠隔診断方式を含むデジタルフォトプリ
ントシステム、及び特願平10−159187号公報に
記載の画像記録装置を含むフォトプリントシステムが挙
げられる。
【0186】本発明に適用できる好ましい走査露光方式
については、前記の表に掲示した特許に詳しく記載され
ている。
【0187】本発明においては、欧州特許EP0789
270A1明細書や同EP0789480A1号明細書
に記載のように、画像情報を付与する前に、予め、黄色
のマイクロドットパターンを前露光し、複写規制を施し
ても構わない。
【0188】本発明の感光材料の処理には、特開平2−
207250号公報の第26頁右下欄1行目〜34頁右
上欄9行目、及び特開平4−97355号公報の第5頁
左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素
材や処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液
に使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許に
記載の化合物が好ましく用いられる。
【0189】本発明は迅速処理適性を有する感光材料と
して適用される。発色現像時間は28秒以下、好ましく
は25秒以下6秒以上、より好ましくは20秒以下6秒
以上である。同様に、漂白定着時間は好ましくは30秒
以下、更に好ましくは25秒以下6秒以上、より好まし
くは20秒以下6秒以上である。また、水洗又は安定化
時間は、好ましくは60秒以下、更に好ましくは40秒
以下6秒以上である。なお、発色現像時間とは、感光材
料が発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着
液に入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで
処理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬さ
れている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色
現像液を離れ次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中
を搬送されている時間(いわゆる空中時間)との両者の
合計を発色現像時間という。同様に、漂白定着時間と
は、感光材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は
安定浴に入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化
時間とは、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから
乾燥工程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)
をいう。
【0190】本発明の感光材料を露光後、現像する方法
としては、従来のアルカリ剤と現像主薬を含む現像液で
現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し、現像主薬
を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像す
る方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像
方式などを用いることができる。特に、アクチベーター
方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管
理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少な
く環境保全上の点からも好ましい方法である。アクチベ
ーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬
又はその前駆体としては、例えば、特開平8−2343
88号公報、同9−152686号公報、同9−152
693号公報、同9−211814号公報、同9−16
0193号公報に記載されたヒドラジン型化合物が好ま
しい。
【0191】また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸
化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法
も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベータ
ー方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8
−297354号公報、同9−152695号公報に記
載された過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画
像形成方法が好ましく用いられる。前記アクチベーター
方法において、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処
理されるが、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方
法では、脱銀処理を省略し、水洗又は安定化処理といっ
た簡易な方法を行うことができる。また、感光材料から
画像情報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感
光材料などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、
脱銀処理を不要とする処理形態を採用することができ
る。
【0192】本発明で用いられるアクチベーター液、脱
銀液(漂白/定着液)、水洗及び安定化液の処理素材や
処理方法は公知のものを用いることができる。好ましく
は、リサーチ・ディスクロージャーItem 3654
4(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平
8−234388号公報に記載されたものを用いること
ができる。
【0193】
【実施例】下記に実施例を挙げて説明するが、勿論本発
明はこれに限定されるものではない。 実施例1 (乳剤B−Hの調製)攪拌したゼラチン水溶液中に、硝
酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合する定法で、
球相当径0.55μm、変動係数10%の立方体高塩化
銀乳剤を調製した。但し、硝酸銀の添加が80%の時点
から90%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がり
のハロゲン化銀1モルあたり1モル%)およびK4[R
u(CN)6]を添加した。硝酸銀の添加が90%終了し
た時点で沃化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モ
ルあたり0.1モル%)を添加した。更に硝酸銀の添加
が92%の時点から98%の時点にかけて、K2[Ir
(5−methylthiazole)Cl5]およびK2
[Ir(H2O)Cl5]を添加した。得られた乳剤に脱塩
処理を施した後、ゼラチンを加え再分散した。この乳剤
にベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムと増感色素Aお
よび増感色素Bを添加し、硫黄増感剤としてチオ硫酸ナ
トリウム5水和物と金増感剤としてビス(1,4,5−
トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラ
ート)オーレート(I)テトラフルオロボレートを用い
最適になるように熟成した。更に1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾールおよび1−(5−メチルウレイド
フェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
このようにして得られた乳剤を、乳剤B−Hとした。 (乳剤B−Lの調製)乳剤B−Hとは、硝酸銀と塩化ナ
トリウムの添加速度のみを変えて、球相当径0.45μ
m、変動係数10%の立方体高塩化銀乳剤を調製した。
得られた乳剤を、乳剤B−Lとした。
【0194】
【化32】
【0195】(乳剤G−Hの調製)攪拌したゼラチン水
溶液中に、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合
する定法で、球相当径0.35μm、変動係数10%の
立方体高塩化銀乳剤を調製した。但し、硝酸銀の添加が
80%の時点から90%の時点にかけて、K4[Ru(C
N)6]を添加した。硝酸銀の添加が80%の時点から1
00%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハ
ロゲン化銀1モルあたり1モル%)を添加した。硝酸銀
の添加が90%終了した時点で沃化カリウム(出来上が
りのハロゲン化銀1モルあたり0.1モル%)を添加し
た。硝酸銀の添加が92%の時点から95%の時点にか
けて、K2[Ir(5−methylthiazole)
Cl 5]を添加した。更に硝酸銀の添加が92%の時点
から98%の時点にかけて、K2[Ir(H2O)Cl5
を添加した。得られた乳剤に脱塩処理を施した後、ゼラ
チンを加え再分散した。この乳剤にベンゼンチオスルフ
ォン酸ナトリウムを添加し、硫黄増感剤としてチオ硫酸
ナトリウム5水和物と金増感剤としてビス(1,4,5
−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオ
ラート)オーレート(I)テトラフルオロボレートを用
い最適になるように熟成した。更に増感色素C、1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチ
ルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールお
よび臭化カリウムを添加した。このようにして得られた
乳剤を、乳剤G−Hとした。
【0196】
【化33】
【0197】(乳剤R−Hの調製)攪拌したゼラチン水
溶液中に、硝酸銀と塩化ナトリウムを同時添加して混合
する定法で、球相当径0.35μm、変動係数10%の
立方体高塩化銀乳剤を調製した。但し、硝酸銀の添加が
80%の時点から90%の時点にかけて、K4[Ru(C
N)6]を添加した。硝酸銀の添加が80%の時点から1
00%の時点にかけて、臭化カリウム(出来上がりのハ
ロゲン化銀1モルあたり1モル%)を添加した。硝酸銀
の添加が90%終了した時点で沃化カリウム(出来上が
りのハロゲン化銀1モルあたり0.1モル%)を添加し
た。硝酸銀の添加が92%の時点から95%の時点にか
けて、K2[Ir(5−methylthiazole)
Cl5]を添加した。更に硝酸銀の添加が92%の時点
から98%の時点にかけて、K 2[Ir(H2O)Cl5
を添加した。得られた乳剤に脱塩処理を施した後、ゼラ
チンを加え再分散した。この乳剤にベンゼンチオスルフ
ォン酸ナトリウムを添加し、硫黄増感剤としてチオ硫酸
ナトリウム5水和物と金増感剤としてビス(1,4,5
−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオ
ラート)オーレート(I)テトラフルオロボレートを用
い最適になるように熟成した。更に増感色素H、1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチ
ルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、
化合物Iおよび臭化カリウムを添加した。このようにし
て得られた乳剤を、乳剤R−Hとした。 (乳剤R−Lの調製)乳剤R−Hとは、硝酸銀と塩化ナ
トリウムの添加速度のみを変えて、球相当径0.28μ
m、変動係数10%の立方体高塩化銀乳剤を調製した。
得られた乳剤を、乳剤R−Lとした。
【0198】
【化34】
【0199】(カラー写真感光材料、塗布サンプルの調
整)
【0200】紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してな
る支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層
を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設
して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の試料を作製した。各写真構成層用の塗布液は、以
下のようにして調製した。
【0201】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY−1)57g、色像安定剤
(Cpd−1)7g、色像安定剤(Cpd−2)4g、
色像安定剤(Cpd−3)7g、色像安定剤(Cpd−
8)2gを溶媒(Solv−1)21g及び酢酸エチル
80mlに溶解し、この液を4gのドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを含む23.5質量%ゼラチン水溶
液220g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化
分散し、水を加えて900gの乳化分散物Aを調製し
た。一方、前記乳化分散物Aと乳剤B−H、B−Lを混
合溶解し、後記組成となるように第一層塗布液を調製し
た。乳剤塗布量は、銀量換算塗布量を示す。
【0202】第二層〜第七層用の塗布液も第一層塗布液
と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤として
は、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナ
トリウム塩(H−1)、(H−2)、(H−3)を用い
た。また、各層にAb−1、Ab−2、Ab−3、及び
Ab−4をそれぞれ全量が15.0mg/m2、60.
0mg/m2、5.0mg/m2及び10.0mg/m2
となるように添加した。
【0203】
【化35】
【0204】
【化36】
【0205】また、緑感性乳剤層および赤感性乳剤層に
対し、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを、
それぞれハロゲン化銀1モル当り1.0×10-3モルお
よび5.9×10-4モル添加した。さらに、第二層、第
四層および第六層にも1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾールを、それぞれ0.2mg/m2、0.2mg
/m2および0.6mg/m2となるように添加した。赤
感性乳剤層にメタクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合
体ラテックス(質量比1:1、平均分子量200000
〜400000)を0.05g/m2添加した。また、
第二層、第四層および第六層にカテコール−3,5−ジ
スルホン酸二ナトリウムをそれぞれ6mg/m2、6m
g/m2、18mg/m2となるように添加した。また、
イラジエーション防止のために、以下の染料(カッコ内
は塗布量を表す)を添加した。
【0206】
【化37】
【0207】(層構成)以下に、各層の構成を示す。数
字は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、
銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2;含有率16質量%、Z nO;含有率4質量%)と蛍光増白剤(4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキ サゾリル)スチルベン。含有率0.03質量%)、青味染料(群青)を含む] 第一層(青感性乳剤層) 乳剤B−H 0.095 乳剤B−L 0.095 ゼラチン 1.00 イエローカプラー(ExY−1) 0.46 色像安定剤(Cpd−1) 0.06 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.06 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 溶媒(Solv−1) 0.17
【0208】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.50 混色防止剤(Cpd−4) 0.05 色像安定剤(Cpd−5) 0.01 色像安定剤(Cpd−6) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.03 溶媒(Solv−2) 0.11
【0209】 第三層(緑感性乳剤層) 乳剤G−H 0.12 ゼラチン 1.36 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−A) 0.14 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 色像安定剤(Cpd−4) 0.002 色像安定剤(Cpd−6) 0.09 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.11 溶媒(Solv−4) 0.22 溶媒(Solv−5) 0.20
【0210】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.36 混色防止層(Cpd−4) 0.03 色像安定剤(Cpd−5) 0.006 色像安定剤(Cpd−6) 0.05 色像安定剤(Cpd−7) 0.004 溶媒(Solv−1) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.08
【0211】 第五層(赤感性乳剤層) 乳剤R−H 0.05 乳剤R−L 0.05 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExC−2) 0.13 シアンカプラー(ExC−3) 0.03 色像安定剤(Cpd−1) 0.05 色像安定剤(Cpd−6) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−14) 0.01 色像安定剤(Cpd−15) 0.12 色像安定剤(Cpd−16) 0.03 色像安定剤(Cpd−17) 0.09 色像安定剤(Cpd−18) 0.07 溶媒(Solv−5) 0.15 溶媒(Solv−8) 0.05
【0212】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.46 紫外線吸収剤(UV−B) 0.45 化合物(S1−4) 0.0015 溶媒(Solv−7) 0.25 第七層(保護層) ゼラチン 1.00 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−13) 0.01
【0213】
【化38】
【0214】
【化39】
【0215】
【化40】
【0216】
【化41】
【0217】
【化42】
【0218】
【化43】
【0219】
【化44】
【0220】
【化45】
【0221】
【化46】
【0222】
【化47】
【0223】以下に処理工程を示す。 [処理]下記処理工程にて使用した発色現像補充液の容
量が発色現像タンク容量の0.5倍となるまで試料10
1を用いて連続処理を行った。
【0224】 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 45.0℃ 16秒 45mL 漂白定着 40.0℃ 16秒 35mL リンス1 40.0℃ 8秒 − リンス2 40.0℃ 8秒 − リンス3 ** 40.0℃ 8秒 − リンス4 ** 38.0℃ 8秒 121mL 乾燥 80.0℃ 16秒 (注)*感光材料1m2あたりの補充量 **富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシステムRC50Dをリ ンス(3)に装着し、リンス(3)からリンス液を取り出してポンプにより逆浸 透モジュール(RC50D)へ送る。同槽で送られた透過水はリンスに供給し、 濃縮液はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300m L/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。リン スは(1)から(4)への4タンク向流方式とした。
【0225】各処理液の組成は以下の通りである。 [発色現像液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 600mL 蛍光増白剤(FL−1) 5.0g 8.5g トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0g 20.0g エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g 亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.50g 塩化カリウム 10.0g − 4,5−ジヒドロキシベンゼン− 1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.5g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン ・3/2硫酸塩・モノハイドレード 10.0g 22.0g 炭酸カリウム 26.3g 26.3g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硫酸とKOHで調整)10.35 12.6
【0226】 [漂白定着液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 800mL チオ硫酸アンモニウム(750g/mL) 107mL 214mL コハク酸 29.5g 59.0g エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン4酢酸 1.4g 2.8g 硝酸(67%) 17.5g 35.0g イミダゾール 14.6g 29.2g 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整)6.00 6.00
【0227】 [リンス液] [タンク液] [補充液] 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(電導度5μS/cm以下)1000mL 1000mL pH(25℃) 6.5 6.5
【0228】
【化48】
【0229】以上のようにして得られた試料を試料10
1とした。試料101の緑感性乳剤層の乳剤G―Hの代わ
りに、化学増感工程で後述の表2に示す化合物を用いた
表2に記載の乳剤に変更し、試料101と同様にして残
りの試料を作製した。
【0230】
【表2】
【0231】これらの試料の写真特性を調べるために以
下のような実験を行った。 実験1 センシトメトリー(低照度および高照度) 各塗布試料に対して感光計(富士写真フイルム(株)製
FWH型)を用いて、センシトメトリー用の階調露光を
与えた。SP−2フィルターを装着し、露光量200l
x・sec(ルックス・秒)で、低照度10秒間露光し
た。また、高照度露光用感光計(山下電装(株)製HI
E型)を用いて、センシトメトリー用の階調露光を与え
た。SP−2フィルターを装着し、高照度10-4秒間露
光した。露光後は、後述する発色現像処理Aを行った。
【0232】処理後の各試料のマゼンタ発色濃度を測定
し、10秒露光低照度感度、10-4秒露光高照度感度を
それぞれ求めた。感度は、最低発色濃度より1.7高い
発色濃度を与える露光量の逆数をもって規定し、試料1
01の現像処理した感度を100としたときの相対値で
表した。
【0233】実験2 感度の露光湿度依存性 各試料に露光を与える際の相対湿度を40%及び80%
に設定した。前記1/10秒間露光後に現像処理を行い、各
試料のマゼンタ発色濃度を測定した。感度は、最低発色
濃度より0.5高い発色濃度を与える露光量の逆数をもっ
て規定し、試料101の感度を100としたときの相対
値を相対感度とした。湿度40%〔←55%〕で露光した
場合の相対感度から湿度80%で露光した場合の相対感
度を差し引いた差(以後dS(湿度)と示す)を求め
た。露光時の湿度条件に影響を受けないことが切望され
ており、dS(湿度)が小さい乳剤・感光材料が望まれ
ている。
【0234】実験3 潜像安定性 露光後1時間経過してから現像処理した場合の感度か
ら、露光直後(10秒後)に現像処理した場合の感度を
差し引いた差を求めた(以後dS(潜像)と示す)。
(感度は、最低発色濃度より0.3高い発色濃度を与え
る露光量の逆数をもって規定した)dS(潜像)が負の
値の場合、露光から現像処理までの時間が長いと、低感
度となることを示しており、dS(潜像)をゼロにする技
術が切望されている。
【0235】実験1、実験2、実験3の結果をまとめ
て、表2に示した。
【0236】表2から、以下のことが判る。本発明の化
学増感剤を用いた乳剤は、従来利用されている金増感剤
と硫黄増感剤(即ち塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウム)
を用いた乳剤(試料No102)、 Na3Au(S2O3)2を用いた乳剤
(試料No103)、最近提案されている金増感剤と硫黄増感
とを組み合わせた乳剤(試料No101)よりも高感度であっ
た。特に10-4秒露光(高照度露光)時に高感度であり
相反則特性に優れており、レーザー走査露光適正に優れ
ていることが判った。更にまた、従来の増感法では露光
時の湿度変動によって感度変化する問題があったのに対
し、本発明の乳剤は、感度変動が極めて小さい利点を有
することが判った。加えて従来の増感法では潜像安定性
に問題があったのに対し、本発明の乳剤は、露光後処理
までの時間が変動しても感度変動が小さい利点を有する
ことが判った。
【0237】実施例2 実施例1で作成した試料を用いて、レーザー走査露光に
よって画像形成を行った。レーザー光源としては、半導
体レーザーGaAlAs(発振波長 808.5nm)
を励起光源としたYAG固体レーザー(発振波長 94
6nm)を反転ドメイン構造を有するLiNbO3のS
HG結晶により波長変換して取り出した473nmと、
半導体レーザーGaAlAs(発振波長 808.7n
m)を励起光源としたYVO4固体レーザー(発振波長
1064nm)を反転ドメイン構造を有するLiNb
3のSHG結晶により波長変換して取り出した532
nmと、AlGaInP(発振波長 約680nm:松
下電産製タイプNo.LN9R20)とを用いた。3色
のそれぞれのレーザー光はポリゴンミラーにより走査方
向に対して垂直方向に移動し、試料上に、順次走査露光
できるようにした。半導体レーザーの温度による光量変
動は、ペルチェ素子を利用して温度が一定に保たれるこ
とで抑えられている。実効的なビーム径は、80μm
で、走査ピッチは42.3μm(600dpi)であ
り、1画素あたりの平均露光時間は、1.7×10-7
であった。露光後、発色現像処理を行ったところ、実施
例1と同様の結果が得られ、レーザー走査露光を用いた
画像形成にも適していることが分かった。
【0238】
【発明の効果】本発明の乳剤は、高感度で、かつ露光時
の湿度条件の違いによる感度変動が小さく、高照度での
相反則特性に優れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物によ
    り化学増感されたことを特徴とするハロゲン化銀乳剤。 一般式(1) [L1-Au(I)-L2]Mn1 式(1)において、Au(I)は1価の金を表し、Mは水素原
    子または対カチオンを表し、n1は0以上1以下の数字
    を表す。L1およびL2は下記一般式(2)、(3)、
    (4)または(5)で表される化合物より選ばれ、互い
    に同じであっても異なっていても良い。 一般式(2) 【化1】 一般式(3) 【化2】 一般式(4) 【化3】 一般式(5) 【化4】 式中、Ch1はS、SeまたはTeを表す。A1はO、Sまたは
    NR4を表し、R1 〜R 4は水素原子または置換基を表
    す。R3はR1またはR2と共に5〜7員環を形成しても
    よい。X1はO、SまたはNR5を表す。Y1は水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
    ル基、ヘテロ環基、OR6、SR7、N(R8)R9を表
    す。R5〜R9はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロ環基を
    表す。X1とY1は互いに結合し環を形成してもよい。R
    10、R11およびR12はそれぞれ独立に水素原子または置
    換基を表すが、R10およびR11のうち少なくとも一方は
    電子求引性基を表す。W1は電子求引性基を表し、R13
    〜R15はそれぞれ水素原子または置換基を表す。W1
    1 3は互いに結合して環状構造を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)において、L1および
    2ともに一般式(2)で表される化合物より選ばれる
    ことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】 前記Ch1がSであることを特徴とする請
    求項1または2に記載のハロゲン化銀乳剤。
  4. 【請求項4】 下記一般式(6)〜(9)で表される化
    合物の少なくとも1種により化学増感されことを特徴と
    するたハロゲン化銀乳剤。 一般式(6) 【化5】 一般式(7) 【化6】 一般式(8) 【化7】 一般式(9) 【化8】 [ 式中、Ch2およびCh3はS、SeまたはTeを表し、そ
    れぞれ同じでも異なっていても良い。A2はO、S、ま
    たはNR24を表し、R21〜R24は水素原子または置換基
    を表す。R23はR21またはR22と共に5〜7員の環状構
    造を形成してもよい。X2はO、S、Se、またはNR25
    を表す。Y2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、
    アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、OR26、SR
    27、またはN(R28)R29を表す。R25〜R29はそれぞ
    れ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキ
    ニル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。X2とY2
    は互いに結合して環状構造を形成してもよい。R30、R
    31およびR32はそれぞれ独立に水素原子または置換基を
    表すが、R30およびR31のうち少なくとも一方は電子求
    引性基を表す。R30とR31、R30とR32、またはR31
    32は互いに結合して環状構造を形成してもよい。W2
    は電子求引性基を表し、R33〜R35はそれぞれ独立に水
    素原子もしくは置換基を表す。L3は窒素原子、硫黄原
    子、セレン原子、テルル原子またはリン原子を介して金
    に配位可能な化合物を表す。n2は0または1を表す。]
  5. 【請求項5】 上記一般式(6)〜(9)において、C
    2およびCh3ともにSを表すことを特徴とする請求項
    4に記載のハロゲン化銀乳剤。
  6. 【請求項6】 上記一般式(1)および(6)〜(9)
    で表される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いて
    行うことを特徴とするハロゲン化銀乳剤の化学増感方
    法。
  7. 【請求項7】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層が、上記一般式
    (1)および(6)〜(9)で表される化合物から選ば
    れる少なくとも一種を用いて化学増感されたハロゲン化
    銀乳剤を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
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