JP2003112640A - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

車両の操舵制御装置

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JP2003112640A
JP2003112640A JP2001307034A JP2001307034A JP2003112640A JP 2003112640 A JP2003112640 A JP 2003112640A JP 2001307034 A JP2001307034 A JP 2001307034A JP 2001307034 A JP2001307034 A JP 2001307034A JP 2003112640 A JP2003112640 A JP 2003112640A
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valve
pressure
hydraulic
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passage
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English (en)
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Tadaharu Yokota
忠治 横田
Masakazu Kurata
昌和 倉田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルポンプの非作動時における各油圧室の
残圧より、操舵軸を中立位置に戻すことができない。 【解決手段】 オイルポンプ37から第1、第2通路3
4、35を介して第1、第2油圧室32、33に相対的
に給排される作動油によって前輪を操舵制御する。前記
両通路間のバイパス通路40に、制御弁43、44によ
って生成される差圧によって作動する一対のポペット弁
41、42と、その上流側に一対の残圧排出弁55,5
6とを設けた。この両残圧排出弁は、開弁圧がポペット
弁よりも大きく設定されていると共に、前記差圧で作動
する弁体59,60で排出通路69、70を開成して、
前記油圧室内の残圧をリザーバ39に戻すようになって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
ステアリングなどの操舵入力手段から入力されたトルク
に応じて油圧シリンダを作動させることにより、操舵力
や操舵アシスト力を付与する車両の操舵制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の車両の操舵制御装置とし
ては、例えば、特開昭57−201767号公報に記載
されているものが知られている。
【0003】その概略を説明すれば、ステアリングホィ
ールの中央に取り付けられたステアリングシャフトと、
該ステアリングシャフトの下端部に設けられたラック、
ピニオンと、該ラックに連繋された油圧アクチュエータ
である油圧シリンダと、該油圧シリンダのピストンによ
って隔成された左右の第1、第2油圧室に第1通路と第
2通路を介して油圧を相対的に供給する可逆式オイルポ
ンプと、前記第1、第2通路間に接続されたバイパス通
路に設けられて、該バイパス通路を開閉するバイパスバ
ルブとを備えている。
【0004】前記バイパスバルブは、前記オイルポンプ
の両吐出口にそれぞれ接続されたパイロット通路からの
パイロット圧に応じて弁体が開閉してバイパス通路を連
通させるようになっている。
【0005】そして、車両走行中において、ステアリン
グホィールにより通常の左右操舵を行なうと、この操舵
トルクを検知した操舵センサなどの検知機構が制御回路
を介してオイルポンプを正転あるいは逆転させると、そ
のパイロット圧によってバイパスバルブが閉塞されるこ
とから、油圧が各油圧室に相対的に供給されて、操舵ア
シスト力を付与するようになっている。
【0006】また、例えば、車両の中速、高速の直進走
行時などに検知機構が操舵トルクを検出しない場合は、
オイルポンプの作動を停止させてバイパスバルブがバイ
パス通路を連通させて、両油圧室間の作動油を置換流動
可能にしてステアリングホィール操作力によってのみ行
うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の車両の操舵制御装置にあっては、例えば、右方向あ
るいは左方向へステアリングホィールを旋回操作した後
に、前記車両が直進走行に変更された場合などにおい
て、検知機構が操舵トルクを検出せずにオイルポンプの
作動が停止している場合に、前記第1、第2通路のいず
れか一方の内部に残圧が存在して、ステアリングシャフ
トを中立状態に戻すことが困難な場合があった。
【0008】すなわち、検知機構の操舵センサには中立
付近の操舵アシストが過敏になり過ぎるのを防止するた
め、中立付近に不感帯が設けられている。よって、操舵
センサに入力される操舵トルクがこの不感帯の上限トル
クよりも小さくなった場合、ICサーボアンプ(コント
ローラ)は可逆オイルポンプへの駆動信号を停止する。
しかしながら、パワーシリンダの左右油室間には操舵セ
ンサによって検出しきれない微少な残圧が存在してお
り、この残圧によってバイパスバルブが遮断された状態
が保持される。そのため、ステアリングホィールにこの
残圧が作用し、操舵フィーリングが悪化するおそれがあ
った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の車
両の操舵制御装置の技術的課題に鑑みて案出されたもの
で、請求項1記載の発明は、操舵入力手段から出力され
た入力トルクに応じて、液圧源から第1通路と第2通路
を介して液圧シリンダのピストンで隔成された第1、第
2液圧室に相対的に給排される液圧によって車輪を操舵
制御する車両の操舵制御装置であって、前記第1通路と
第2通路とを連通するバイパス通路を設けると共に、前
記液圧源から吐出された吐出液信号を介して前記バイパ
ス通路を選択的に開閉作動し、前記液圧源の非作動時に
は、前記第1、第2通路を連通させる開閉弁を設け、か
つ、前記第1,第2通路に、前記液圧源の非作動時に、
前記各液圧室内の残圧を低圧側に排出する残圧排出弁を
設けたことを特徴としている。
【0010】この発明によれば、例えば車両の直進運転
中には、開閉弁によって両通路がバイパス通路を介して
連通されるため、操舵アシスト力が付与されなくなると
共に、オイルポンプの作動が停止した場合などに、いず
れか一方の液圧室に残圧が存在すると、この残圧が残圧
排出弁によってリザーバなどの低圧側へ効果的に排出さ
せることができる。このため、操舵軸を中立位置に戻す
ることが可能になる。
【0011】請求項2に記載の発明にあっては、前記開
閉弁と残圧排出弁とは、前記液圧源から吐出された液圧
と、第1,第2通路に設けられた各制御弁の下流側の前
記バイパス通路内の液圧との差圧に応じて開閉作動する
ように構成したことを特徴としている。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記残圧排出弁
を、前記第1、第2通路に前記開閉弁よりも上流側にそ
れぞれ1つずつ設けると共に、前記バイパス通路から導
入される液圧を介して開弁する該各残圧排出弁の開弁圧
を、前記開閉弁の開弁圧よりも小さく設定したことを特
徴としている。
【0013】請求項4に記載の発明にあっては、前記残
圧排出弁は、前記第1、第2通路の間に配設された第2
バイパス通路に設けられ、該第2バイパス通路にコント
ローラからの操舵力信号によって前記第2バイパス通路
を開閉制御される電磁弁によって構成したことを特徴と
している。
【0014】請求項5に記載の発明にあっては、前記開
閉弁を、前記液圧源から吐出された吐出液信号を介して
前記バイパス通路を選択的に開閉作動するポペット弁に
よって構成したことを特徴としている。
【0015】この発明によれば、例えば液圧源が故障し
て作動がロックしてしまった場合は、液圧源の液圧がポ
ペット弁に作用しないことから、このポペット弁は開成
状態におかれて、バイパス通路を連通させて両油圧室を
連通状態にする。このため、両油圧室間の作動油の置換
流動時の大きな流動抵抗の発生を抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる車両の操舵
制御装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0017】図1は、本発明の第1の実施形態を示し、
操舵入力手段であるステアリングホィール21が連結さ
れた操舵軸22と、該操舵軸22の下端部の出力軸23
に設けられたラック・ピニオン24と、出力軸23の下
端側に設けられてステアリングホィール21の操舵回転
トルクや、図外の両前輪からの路面入力を検出する検出
手段25と、前記ラックに連繋された油圧シリンダ26
と、該油圧シリンダ26に油圧を給排する油圧回路27
とから構成されている。
【0018】前記油圧シリンダ26は、車体幅方向に延
設された筒状シリンダ部29内を前記ラックに連繋した
ピストンロッド30が貫通していると共に、該ピストン
ロッド30に筒状シリンダ部29内を摺動するピストン
31が固定されている。また、筒状シリンダ部29内に
は、ピストン31によって左右の第1油圧室32と第2
油圧室33が隔成されている。
【0019】前記油圧回路27は、各一端部が前記各油
圧室32、33に接続された一対の第1通路34、35
と、該両通路34,35の他端部に接続されてポンプモ
ータ36によって正逆回転可能な1つの液圧源である可
逆式のオイルポンプ37と、前記両通路34,35間に
設けられて所定の条件下で前記両油圧室32、33を開
放する開放機構38と、内部に作動油を貯留しかつ前記
オイルポンプ37の上流側に各逆止弁28a、28bを
介して連通するリザーバ39とから構成されている。
【0020】前記開放機構38は、両通路34、35の
後述する第1、第2制御弁43,44の下流側間に接続
されて、オイルポンプ37を迂回するバイパス通路40
と、このバイパス通路40の途中に設けられて、該バイ
パス通路40を連通あるいは遮断する開閉弁である一対
のポペット弁41,42と、前記各通路34、35のポ
ペット弁41,42の下流側に設けられて、各油圧室3
2,33方向へのみ作動油の流入を許容する第1、第2
制御弁43,44とを備えている。
【0021】また、前記第1、第2通路34、35と前
記バイパス通路40との間には、前記各制御弁43、4
4をバイパスする連通路45、46が接続されていると
共に、該各連通路45、46には、前記各油圧室32、
33からオイルポンプ37方向への作動油の流動のみを
許容する逆止弁47、48がそれぞれ設けられている。
【0022】前記各ポペット弁41、42は、バイパス
通路40の途中に、ほぼ直列状態に配置された円筒状の
一対の弁孔41b,42bが形成されていると共に、該
各弁孔41b,42b内には先端部でバイパス通路40
の中央側の開口端40a、40bを開閉するほぼ段差円
錐状の弁体41a,42aが摺動自在に設けられてい
る。また、前記各弁孔41b,42bの後端側には、オ
イルポンプ37から前記第1、第2通路34,35を介
して油圧が導入される受圧室41c,42cが設けられ
ていると共に、前端側には、前記バイパス通路40の中
央側の端部が連通する連通室41e、42eが形成され
ている。また、各弁体41a、42aを各受圧室41
c、42c方向へ付勢するスプリング50、51が弾持
されている。
【0023】そして、各弁体41a、42aは、前記受
圧室41c、42cに臨む受圧面41d、42dが連通
室41e、42e側の受圧面よりも大きく設定されてい
ると共に、前記受圧室41c、42cに導入された油圧
と、前記各連通室41e、42eにバイパス通路40を
介して導入された油圧及び前記各スプリング50、51
のばね力との合成力との差圧によって前後に摺動し、各
受圧室41c、42cから各受圧面41d、42dが受
ける圧力が大きい場合に、バイパス通路40のほぼ中央
位置に形成された各開口端40a、40bを閉塞する一
方、逆に各連通室41e、42eとスプリング50,5
1の合成力が大きい場合には各開口端40a、40bを
開成してバイパス通路40を連通するようになってい
る。なお、各弁体41a、42aの外周には、各受圧室
41c、42cと連通室41e、42eとの間をシール
する環状シールが嵌着固定されている。
【0024】また、前記各制御弁43、44は、前記第
1、第2通路34、35のオイルポンプ37側の開口端
を開閉する一対のボール弁体43a,44aを有すると
共に、該各ボール弁体43a,44aを所定荷重で閉方
向に付勢するリターンスプリング43b,44bを備え
ており、このリターンスプリング43b、44bのばね
圧は、前記各ポペット弁41,42のスプリング50,
51のばね力や後述する残圧排出弁55,56のスプリ
ング67、68のばね圧よりも十分に大きく設定されて
いる。
【0025】さらに、前記第1、第2通路34,35の
前記各ポペット弁41,42よりもオイルポンプ37側
の上流側に、残圧排出弁55,56が設けられている。
【0026】この各残圧排出弁55,56は、前記各通
路34,35と連通路45,46との間に跨って形成さ
れた各弁孔57、58と、該各弁孔57、58の内部に
摺動自在に設けられたほぼ円柱状の弁体59、60と、
各弁孔57,58の各弁体59,60の後端側に形成さ
れて、前記各通路34,35に連通する背圧室61,6
2と、各弁体59,60の前端側に形成されて、前記各
ポペット弁41,42の連通室41e、42e(バイパ
ス通路40)に、導入通路63,64を介して連通する
導入室65,66と、該導入室65,66内に弾装され
て前記各弁体59,60を背圧室61,62方向へ付勢
するスプリング67,68とを備えている。また、前記
各導入室65,66は、排出路69,70を介して前記
同じリザーバ39に連通している。
【0027】前記各弁体59,60は、各導入室65,
66に臨む受圧面59b、60bが前記ポペット弁体4
1a,42aの連通室41e、42e側の受圧面よりも
大きく設定されていると共に、背圧室61,62側の受
圧面とほぼ同一に設定されている。また、ピン状の先端
部59a、60aが前記排出路69,70の一端開口を
開閉するようになっていると共に、前記背圧室61,6
2の内圧と、前記導入室65、66の内圧及びスプリン
グ67,68のばね圧との合成圧との差圧によって前後
方向へ摺動して先端部59a、60aにより排出路6
9,70を開閉するようになっている。また、前記スプ
リング67,68のばね圧は、前記各ポペット弁41,
42のスプリング50,51のばね圧よりも大きく設定
されて、弁体59,60の開弁圧が、ポペット弁41,
42の弁体41a、42aの開弁圧よりも小さくなるよ
うに設定してある。
【0028】前記リザーバ39は、前記残圧排出弁5
5,56によって排出された作動油を一旦貯留して、各
供給路71a、71bを介して前記オイルポンプ37に
供給補充するようになっている。
【0029】前記ポンプモータ36は、マイクロコンピ
ュターを備えたコントローラ72から出力される制御電
流によって正逆回転制御されるようになっており、この
コントローラ72は、前記検知手段25からの操舵入力
トルクや路面入力などの情報信号に基づいて演算により
前記制御電流を出力するようになっている。
【0030】以下、本実施形態の作用について説明す
る。まず、車両の通常の運転走行中には、運転者がステ
アリングホィール21を、図1中矢印方向(右方向)へ
回転させると、コントローラ72からの制御信号によっ
てポンプモータ36が例えば正転制御されるのに伴っ
て、オイルポンプ37も正転駆動される。かかるポンプ
作用により第1通路34内に吐出された作動油は、背圧
室61を通って第1受圧室41cに流入し、ここからさ
らに第1制御弁43のボール弁体43aをリターンスプ
リング43bのばね圧に抗して押し開きながら開成しつ
つ第1油圧室32に供給されるが、この第1制御弁43
のリターンスプリング43bは、前記各ポペット弁41
と残圧排出弁55のスプリング50、67のばね力より
も大きく設定されていることから、この時点では、受圧
室41cや背圧室61内の油圧が高くなって各弁体41
a、59を図中右方向に摺動させて、バイパス通路40
や排出通路69,70を閉塞している。したがって、第
1通路34内を通流した作動油は、実線矢印で示すよう
に、バイパス通路40を介して第2通路35側にリーク
することなく、第1油圧室32内にダイレクトに供給さ
れてかかる供給効率が良好になる。
【0031】また、同時に、オイルポンプ37の吸引作
用によって第2油圧室33内から第2通路35内に流入
した作動油は、実線矢印で示すように、第2制御弁44
を迂回してバイパス通路40の他端部側に流入し、ポペ
ット弁42の連通室42eと導入通路64を通って残圧
排出弁56の導入室66に入り、ここから第2逆止弁4
8を開いて、再び第2通路35からオイルポンプ37内
に吸引される。
【0032】したがって、各油圧室32、33に相対的
に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステア
リングホィール21の右回転操舵力にアシスト力を付与
する。これによって、回転操舵の負荷が軽減して、ステ
アリングホィール21の操作性を向上させることができ
る。
【0033】なお、この右回転操舵状態を維持させた場
合は、ポンプモータ36への通電が遮断されて油圧回路
27が密閉状態になって、第1油圧室32内へ油圧が掛
った状態が維持される。
【0034】一方、かかる右回転操舵状態からステアリ
ングホィール21を元の状態に戻し、さらに左回転操舵
を行なうと、コントローラ72によってポンプモータ3
6を介してオイルポンプ37を逆転させる。
【0035】このため、今度は、前述とは逆に、第2通
路35に作動油が吐出されて、背圧室62及び受圧室4
2cを通り、さらに第2制御弁44に流入すると、リタ
ーンスプリング44bのばね力を介して前記各室62,
42c内の油圧が高くなって両弁体60,42aが各ス
プリング68,51のばね力に抗して左方向に摺動して
各弁体42a、60が各開口端40b、70aを閉塞す
る。したがって、作動油は、破線矢印で示すように、第
2制御弁44のボール弁体44aをリターンスプリング
44bのばね力に抗して押し開いて、第2油圧室33内
に油圧を効率良く供給する。また、同時に、オイルポン
プ37の吸引作用によって第1油圧室32内から第1通
路34内に流入した作動油は、破線矢印で示すように、
バイパス通路40の一端部側に流入してここから連通室
41eに入り、さらにここから導入路63を介して導入
室65及び逆止弁47を押し開いて連通路45を通って
再び第1通路34からオイルポンプ37内に吸引され
る。
【0036】したがって、各油圧室32、33に相対的
に油圧が供給あるいは排出されて、運転者によるステア
リングホィール21の左右回転操舵力にアシスト力を付
与する。これによって、回転操舵の負荷が軽減して、ス
テアリングホィール21の操作性を向上させることがで
きる。
【0037】そして、例えば車両の旋回走行から高速直
進走行に切り替わった場合などで、検出手段25からの
信号が出力されず、またオイルポンプの作動が停止した
場合などには、該オイルポンプ37からの油圧が各受圧
室41c,42c内に作用しないことから、各ポペット
弁41、42の各弁体41a,42aは、図1に示すよ
うに両スプリング50、51のばね力によって後退動し
て、バイパス通路40の各開口端40a,40bを両方
共に開成する。これにより、バイパス通路40が連通さ
れ、この連通状態が維持される。
【0038】このため、この時点でキックバックなどに
よって路面から該装置に急激な外乱が入力され、これを
検出した検出手段25がコントローラ72に情報を出力
しても、オイルポンプ37は非作動状態になっているこ
とから、該オイルポンプ37からの油圧アシスト力は得
られないものの、各油圧室32、33は、バイパス通路
40が連通されていることから、両油圧室32、33を
バイパス通路40を介して置換流動する作動油の大きな
流動抵抗の発生を効果的に抑制できる。
【0039】この結果、運転者によるステアリングホィ
ール21の操舵負荷の増加が抑制されて、操舵フィーリ
ングの悪化を防止できる。
【0040】また、前述のように、検出手段25からの
信号が出力されず、オイルポンプ37の作動が停止した
場合などには、油圧回路27内の油圧が低下し、ポペッ
ト弁41,42及び残圧排出弁55,56が開弁され
る。よって、バイパス通路40を介して両通路34,3
5が連通状態になる。しかしながら、、油圧回路27の
第1連通路34または第2連通路35内の油圧が十分に
低下する前にオイルポンプ37が停止してしまった場
合、ポペット弁41,42が開弁されない場合がある。
すなわち、操舵アシスト状態から直進走行に移行した場
合等においては、運転者がステアリングホィール21を
中立方向へ戻し操舵するのに伴い、検出手段25によっ
て操舵トルクが検出され、オイルポンプ37が回転制御
される。よって、第1連通路34と第2連通路35の一
方に供給されていた油圧は他方へと流出し、両通路34
と35の油圧が平均化される。このとき、検出手段25
には、中立付近に不感帯が設けられているため、両通路
34と35の油圧が完全に平均化される前に検出手段2
5が操舵トルクを検出しなくなり。オイルポンプ37も
その回転を停止する。よって、油圧回路27内に残圧が
存在することとなり、この残圧によってポペット弁41
または42はバイパス通路40を閉塞した状態が保たれ
る。
【0041】一方、残圧排出弁55は、スプリング67
のばね圧が比較的大きく弁体59,60の導入室65,
66側の受圧面59a、60aも比較的大きいことか
ら、ほぼ同圧の残圧が第1背圧室61と導入室65,6
6の両方に作用すると、スプリング67,68のばね圧
によって弁体59は後退位置に保持されて先端部59a
が排出通路69の開口端69aを開成状態を維持させて
導入室65を低圧にする。
【0042】このため、バイパス通路40内に流入した
残圧(余剰油)が、連通室41eから導入路63を通っ
て低圧な導入室65に流入し、ここから排出路69を通
ってリザーバ39内に戻される。
【0043】したがって、第1油圧室32内の残圧を確
実に排出することが可能になり、これによって、操舵軸
22を中立位置に戻すことができる。
【0044】一方、第2油圧室33側に残圧が存在した
場合は、前述の作用と同じように、この残圧(余剰油)
が連通室42eから導入通路64を通り、さらに導入室
66から排出通路70を通ってリザーバ39に戻され
る。このため、同じく操舵軸22を中立位置に確実に戻
すことが可能になる。
【0045】また、残圧排出弁55,56のスプリング
67,68のばね圧を大きくしたことにより、操舵アシ
スト時に残圧排出弁55,56がポペット弁41,42
に対して閉塞しにくい傾向にある。よって、第1、第2
連通路34,35を油圧を供給した場合、第1、第2油
圧室32,33に供給される油圧の一部が排出路69,
70を介してリザーバ39へ排出される場合があるが、
排出路69,70の流路断面積はバイパス通路40の流
路断面積に対して十分小さく形成されているため、リザ
ーバ39への漏出を最小限に抑えることができる。
【0046】また、前記各ポペット弁41、42の作動
を、制御弁43、44の前後の差圧、すなわち受圧室4
1c、42cと、連通室41e、42e及びスプリング
50、51の合成圧との差圧によって制御するようにし
たため、電磁弁を用いた場合に比較してコストの低減化
が図れる。
【0047】また、開閉弁をポペット弁41、42によ
って構成したため、該ポペット弁41、42の各弁体4
1a、42aと各開口端40a,40bとの間に、例え
ばコンタミなどの異物が噛み込まれたとしても、これに
よってバイパス通路40の連通が確保されることになる
ので、ステアリングホィール21のマニュアルステアが
確実に得られ、安全性が高くなる。
【0048】さらに、制御弁43、44を単にボール弁
体43a,44aとリターンスプリング43b,44b
によって構成したため、構造の簡素化が図れ、製造作業
が容易であると共に、コストの高騰を抑制できる。
【0049】図2,図3は本発明の第2の実施形態を示
し、残圧排出弁73を電磁弁によって構成したものであ
る。
【0050】具体的に説明すれば、両通路34,35間
に設けられたバイパス通路40は、ほぼ中央位置で分断
されて、その分割端部40c、40dがリザーバ39に
連通しており、この分割端部40c、40d付近にバイ
パス通路40の各開口端40a、40bを開閉する第
1、第2ポペット弁41,42が設けられている。ま
た、この各ポペット弁41,42の連通室41e、42
eには、前記バイパス通路40の分割端部40c、40
d付近が接続されていると共に、一端部が各通路34,
35に接続された連通路45、46の他端部が接続され
ている。この連通路45、46には、連通室41e、4
2eから各通路34,35方向にのみ作動油の流入を許
容する第1、第2逆止弁47、48が設けられている。
【0051】そして、前記両通路34、35間のバイパ
ス通路40上流側に第2バイパス通路74が介装されて
いると共に、該第2バイパス通路74に前記残圧排出弁
73が設けられている。
【0052】この残圧排出弁73は、2方向2位置型の
電磁弁によって構成され、前記コントローラ72からの
制御信号によって第2バイパス通路74を連通あるいは
遮断するようになっている。
【0053】その他、オイルポンプ37や各ポペット弁
41,42などの構成は第1の実施形態と同様であるか
ら、共通の構成箇所には同一の符号を付して説明する。
【0054】したがって、この実施形態によれば、車両
の通常運転時には、図2に示すように、コントローラ7
2から出力された制御信号によって残圧排出弁73が第
2バイパス通路74の連通を遮断している。このため、
前述した第1実施形態と同様な作用となり、ステアリン
グホィール21の左右旋回操作によってコントローラ7
2からの制御信号に基づいてオイルポンプ37が正逆回
転して、一方の通路34,35に油圧が供給されると同
時に、他方の油圧室34,35の作動油がバイパス通路
40及び連通室41e、42e、逆止弁47,48、連
通路45、46を介してオイルポンプ37内に吸引され
る。また、前記いずれかの受圧室41c、42cの内圧
上昇に伴い各弁体41a、42aが相対的に前進動して
バイパス通路40の開口端40a、40bを閉塞するた
め、連通が遮断されて、いずれかの油圧室32,33に
それぞれ油圧が選択的に供給されて、操舵アシスト力が
付与される。
【0055】また、このときは、前述のように残圧排出
弁73によって第2バイパス通路74の連通を確実に遮
断しているため、ポンプ損失を少なくすることができ
る。
【0056】さらに、残圧排出弁73を、コントローラ
72によっていわゆるデューティー制御すれば、第2バ
イパス通路74を通流する作動油の流量を高精度に制御
することができることから、残圧調整精度を高くするこ
とが可能になる。
【0057】また、車両の直進走行時などに検出手段2
5が操舵トルクを検出しない場合は、オイルポンプ37
の作動を停止させるため、各ポペット弁41,42の各
受圧室41c、42cの内圧が低下して各弁体41a、
42aがバイパス通路40とリザーバ39とを連通させ
るが、いずれかの通路34,35や油圧室32,33に
残圧が発生していると、受圧室41c、42cの内圧が
高くなって、弁体41a、42aがバイパス通路40の
いずれかの開口端40a、40bを閉塞して、リザーバ
39との連通を遮断するおそれがある。しかし、このと
き、コントローラ72からの制御信号によって残圧排出
弁73が図3に示すように第2バイパス通路74を連通
させる。このため、残圧(作動油)は、低圧側のいずれ
かの通路34,35内に流入する。このため、操舵軸2
2を中立位置に確実に戻すことが可能になる。
【0058】しかも、例えばオイルポンプ37が機械的
に故障して作動が停止した場合には、この停止状態を検
出したコントローラ72からの制御信号によって残圧排
出弁73が開作動して第2バイパス通路74を連通させ
るため、各油圧室32,33間の作動油の置換流動が得
られることから、十分な安全性が確保できる。
【0059】また、残圧排出弁73は、単に第2バイパ
ス通路74を連通、遮断するためのものであるから、小
容量のもので十分であるから、コストの高騰を抑制でき
る。
【0060】本発明は、前記各実施形態の構成に限定さ
れるものではなく、例えば、ポペット弁41、42を作
動させるオイルポンプ37から吐出油信号としては吐出
圧の他に吐出油の油量などを対象としてもよい。また、
ポペット弁41,42と残圧排出弁55,56の相対的
な開弁圧の差異の設定、つまり残圧排出弁55,56の
開弁圧をポペット弁41,42の開弁圧よりも小さくす
る方法としては、前述のように、それぞれのスプリング
67,68、50,51のばね圧の設定を変える他に、
各弁体59,60、41a、42aの受圧面積をそれぞ
れ変えることによって行うこともできる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載の発明によれば、オイルポンプの非作動時に、第
1,第2いずれかの通路や液圧室内に残圧が発生する
と、前記開閉弁が閉作動してバイパス通路を閉塞して各
液圧室の連通を遮断するが、このとき残圧排出弁によっ
て前記残圧を低圧側に排出するため、操舵軸の中立位置
に戻すことが可能になる。
【0062】請求項2に記載の発明によれば、開閉弁及
び残圧排出弁を制御弁の前後の差圧により機械的に開閉
制御することができるため、構造の簡素化が図れると共
に、コストの高騰を防止できる。
【0063】請求項3に記載の発明によれば、通路内の
残圧によって開閉弁がバイパス通路の連通を遮断してい
る時点で、開作動状態にある残圧排出弁がバイパス通路
を通った残圧(作動液)を低圧側に導いて排出するた
め、開閉弁を速やかに開作動させることができる。この
結果、バイパス通路による両液圧室間の作動液の置換流
動作用を速やかに行うことが可能になる。
【0064】請求項4に記載の発明によれば、残圧排出
弁を電磁弁で構成したため、残圧排出を高精度に行うこ
とができると共に、第2バイパス通路からの作動液のリ
ークが防止されて、ポンプ損失を少なくすることができ
る。
【0065】請求項5に記載の発明によれば、液圧源が
停止した場合は、ポペット弁は常開状態におかれて、バ
イパス通路を連通させて両液圧室を連通状態にする。こ
のため、両油圧室間の作動油の置換流動時の大きな流動
抵抗の発生を抑制できると共に、ポペット弁の各弁体と
バイバス通路の各開口端との間に、例えばコンタミなど
の異物が噛み込まれたとしても、バイパス通路の連通が
確保されているので、ステアリングホィールのマニュア
ルステアが確実に得られ、安全性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体の概略図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す全体の概略図。
【図3】同第2の実施形態における作用を示す全体の概
略図。
【符号の説明】
21…ステアリングホィール 25…検出手段 26…油圧シリンダ 27…油圧回路 31…ピストン 32…第1油圧室 33…第2油圧室 34…第1通路 35…第2通路 36…ポンプモータ 37…オイルポンプ 38…開放機構 39…リザーバ 40…バイパス通路 40a・40b…開口端 41・42…ポペット弁(開閉弁) 43・44…制御弁 45・46…連通路 47・48…逆止弁 55・56・73…残圧排出弁 74…第2バイパス通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵入力手段から出力された入力トルク
    に応じて、液圧源から第1通路と第2通路を介して液圧
    シリンダのピストンで隔成された第1、第2液圧室に相
    対的に給排される液圧によって車輪を操舵制御する車両
    の操舵制御装置であって、 前記第1通路と第2通路とを連通するバイパス通路を設
    けると共に、前記液圧源から吐出された吐出液信号を介
    して前記バイパス通路を選択的に開閉作動し、前記液圧
    源の非作動時には、前記第1、第2通路を連通させる開
    閉弁を設け、かつ、前記第1,第2通路に、前記液圧源
    の非作動時に、前記各液圧室内の残圧を低圧側に排出す
    る残圧排出弁を設けたことを特徴とする車両の操舵制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記開閉弁と残圧排出弁とは、前記液圧
    源から吐出された液圧と、第1,第2通路に設けられた
    各制御弁の下流側の前記バイパス通路内の液圧との差圧
    に応じて開閉作動するように構成したことを特徴とする
    請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 【請求項3】 前記残圧排出弁を、前記第1、第2通路
    に前記開閉弁よりも上流側にそれぞれ1つずつ設けると
    共に、前記バイパス通路から導入される液圧を介して開
    弁する該各残圧排出弁の開弁圧を、前記開閉弁の開弁圧
    よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 【請求項4】 前記残圧排出弁は、前記第1、第2通路
    の間に配設された第2バイパス通路に設けられ、該第2
    バイパス通路にコントローラからの操舵力信号によって
    前記第2バイパス通路を開閉制御される電磁弁によって
    構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記開閉弁を、前記液圧源から吐出され
    た吐出液信号を介して前記バイパス通路を選択的に開閉
    作動するポペット弁によって構成したことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の車両の操舵制御装置。
JP2001307034A 2001-05-17 2001-10-03 車両の操舵制御装置 Pending JP2003112640A (ja)

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US10/134,489 US6880668B2 (en) 2001-05-17 2002-04-30 Power steering device
US11/076,099 US7325645B2 (en) 2001-05-17 2005-03-09 Power steering device

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100366490C (zh) * 2004-05-20 2008-02-06 株式会社日立制作所 动力转向装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100366490C (zh) * 2004-05-20 2008-02-06 株式会社日立制作所 动力转向装置

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