JP2003104192A - ブレーキ用マスターシリンダおよび該ブレーキ用マスターシリンダが搭載された自動二輪車 - Google Patents

ブレーキ用マスターシリンダおよび該ブレーキ用マスターシリンダが搭載された自動二輪車

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JP2003104192A
JP2003104192A JP2002229477A JP2002229477A JP2003104192A JP 2003104192 A JP2003104192 A JP 2003104192A JP 2002229477 A JP2002229477 A JP 2002229477A JP 2002229477 A JP2002229477 A JP 2002229477A JP 2003104192 A JP2003104192 A JP 2003104192A
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master cylinder
brake
tank
sub
hydraulic oil
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English (en)
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Shigeto Inami
重人 稲見
Kazuhiko Gogo
和彦 後郷
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ用マスターシリンダの小型化、省ス
ペース化と構造の簡単化、メンテナンス性と信頼性の向
上を図る。また、ブレーキ用マスターシリンダが搭載さ
れた自動二輪車のスリム化を図る。 【解決手段】 サブタンク7は縦長形状に形成され、そ
の長軸方向がマスターシリンダ本体部6の長軸方向と略
平行になるように配設されている。そして、ブレーキ用
マスターシリンダ2が車両に搭載された時に該車両の後
方に向って開口する開口部35が前記サブタンク7に設
けられており、該開口部7の前記開口には蓋37が被着
されており、該蓋37には前記サブタンク7内に残存す
るブレーキ用作動油の残量が確認できる窓が備えられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ブレーキ用マス
ターシリンダおよび該ブレーキ用マスターシリンダが搭
載された自動二輪車に関し、特にマスターシリンダ本体
部にブレーキ用作動油補給用のサブタンクが一体に設け
られ、その長軸方向が略上下方向になるようにして使用
されるブレーキ用マスターシリンダと、該ブレーキ用マ
スターシリンダが搭載された自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】従来、特
に自動二輪車において、フロントブレーキの作動油圧生
成手段としてよく使用されるブレーキ用マスターシリン
ダは、そのマスターシリンダ本体部にブレーキ用作動油
補給用のサブタンクが一体に設けられ、マスターシリン
ダ本体部の長軸方向を地面と略平行にしてレイアウトさ
れている(実開平3−2962号公報、特開平10−2
36374号公報参照)。
【0003】このようなブレーキ用マスターシリンダに
おいては、サブタンクとマスターシリンダ本体部とを仕
切る隔壁に形成される複数のポートを作動油補給口から
加工形成するために、該作動油補給口を塞ぐ蓋は、マス
ターシリンダ本体部の長軸に略平行に設けられている。
【0004】ここで、メンテナンス時の作動油補給を考
えると、蓋は、地面に略平行に配置される必要があるた
め、マスターシリンダ本体部の長軸方向も、地面に略平
行に配置するしかなく、そうしたときには、完成車にお
いて、ブレーキ用マスターシリンダを配置し取付けるた
めのスペースの確保が困難になる。
【0005】そこで、このようなブレーキ用マスターシ
リンダの配置・取付けスペースの確保の困難を回避する
ために、ブレーキ用マスターシリンダを、その長軸方向
を地面に略垂直にしてレイアウトしようとすると、ブレ
ーキ用作動油補給用のサブタンクは、マスターシリンダ
本体部とは別部品として設けられ、該サブタンクとマス
ターシリンダ本体部とは、ラバー製ブレーキホースによ
り連通接続されることになる(特開昭63−25828
5号公報参照)。
【0006】しかしながら、別部品とされたサブタンク
の取付け用スペースの確保やブレーキホースを通すため
のスペースの確保も、それ程容易ではない。また、他に
サブタンクやブレーキホースを固定するためのステーや
ボルト等が必要になり、部品点数も増加する。
【0007】本願発明は、従来のブレーキ用マスターシ
リンダが有する前記のような問題点を解決して、特にマ
スターシリンダ本体部にブレーキ用作動油補給用のサブ
タンクが一体に設けられ、その長軸方向が略上下方向に
なるようにして使用されるブレーキ用マスターシリンダ
において、装置の小型化と構造の簡単化、省スペース化
を図るとともに、該ブレーキ用マスターシリンダが自動
二輪車に搭載された場合の自動二輪車のスリム化を図る
ことができるブレーキ用マスターシリンダおよび該ブレ
ーキ用マスターシリンダが搭載された自動二輪車を提供
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明は、前記のよ
うな課題を解決したブレーキ用マスターシリンダおよび
該ブレーキ用マスターシリンダが搭載された自動二輪車
に係り、その請求項1に記載された発明は、マスターシリ
ンダ本体部に、ブレーキ用作動油補給用のサブタンクが
一体に設けられたブレーキ用マスターシリンダにおい
て、前記サブタンクに該サブタンク内の残存ブレーキ用
作動油の残量が確認できる窓を備える蓋により被着され
る開口部が形成されており、該開口部は前記ブレーキ用
マスターシリンダの車両への搭載時に該車両の後方側に
向けて開口する開口部として形成されていることを特徴
とするブレーキ用マスターシリンダである。
【0009】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、サブタンク内の残存ブレーキ用
作動油の残量が該窓を通して簡単に確認できるので前記
作動油の不足や油切れが未然に防止され、結果として前
記ブレーキ用マスターシリンダの作動上の不都合や障害
の発生が防止される。
【0010】請求項2に記載された発明は、マスターシ
リンダ本体部に、ブレーキ用作動油補給用のサブタンク
が一体に設けられたブレーキ用マスターシリンダが搭載
された自動二輪車において、前記サブタンクに該サブタ
ンク内の残存ブレーキ用作動油の残量が確認できる窓を
備える蓋により被着される車両後方側に向けて開口する
開口部が形成されたことを特徴とする自動二輪車であ
る。
【0011】この結果、サブタンク内の前記残存ブレー
キ用作動油の残量が該窓を通して簡単に確認できるので
前記作動油の不足や油切れが未然に防止され、結果とし
て前記ブレーキ用マスターシリンダの作動上の不都合や
障害の発生が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図7を参照して
本願発明の実施形態について説明する。図1は本実施形
態におけるブレーキ用マスターシリンダが適用されたデ
ィスク型ブレーキ装置を自動二輪車のリヤ側に取付けた
状態における取付け構造を示す右外側面図、図2は、図
1の取付け構造を反対側から見た左側面図、図3は、図
1の部分拡大断面図、図4は、図3の部分拡大図、図5
は、図1のブレーキ用マスターシリンダのサブタンク内
に配設されるオイルセパレーター一体型ダイアフラムの
斜視図、図7は、図1のA方向から見たブレーキ用マス
ターシリンダとスウィングアームを中心とする部分の概
略平面図である。
【0013】図1ないし図3において、本実施形態にお
けるブレーキ用マスターシリンダ2が適用されたディス
ク型ブレーキ装置1は、自動二輪車の後輪3の車軸に一
体に結合されたブレーキディスク4と、該ブレーキディ
スク4を両側面から挟み付ける一対の摩擦パッド(図示
されず)を有するキャリパ5と、該一対の摩擦パッドに
ピストン(図示されず)を介して加えられる作動油圧を
発生するマスターシリンダ本体部6と、該マスターシリ
ンダ本体部6と一体に設けられたブレーキ用作動油補給
用のサブタンク7と、これらキャリパ5とマスターシリ
ンダ本体部6との間を接続して作動油をマスターシリン
ダ本体部6からキャリパ5に導くブレーキホース8と、
ブレーキペタル(図示されず)を備えてマスターシリン
ダ本体部6内のピストン9に連動連結されたリンク機構
10とからなっている。
【0014】キャリパ5は、詳細には図示されていない
が、スイングアーム11の後端部にボルトにより堅固に
取付けられている。
【0015】マスターシリンダ2は、マスターシリンダ
本体部6とサブタンク7とからなり、マスターシリンダ
本体部6に突設された2本のステー12,13(図3参
照)が、ピボットプレート14に突設されたブラケット
15に形成された2つのボルト孔の位置で、該ブラケッ
ト15にそれぞれボルト連結されることにより、ピボッ
トプレート14に堅固に取付けられている。
【0016】ピボットプレート14は、図1に図示され
るように、右側面視くの字状をなし、自動二輪車の車体
フレームの中枢部にあって、図1においてその上端部に
は、メインフレームの上半部分(図示されず)が右方
(車両前方)斜め上方向に指向して一体に連結され、そ
のくの字状の折曲部には、左方(車両後方)斜め上方向
に指向してリヤフレームの一部をなすロアリヤフレーム
16の下端部がボルト連結部17においてボルト連結さ
れている。車体フレーム構造は、左右略対称に形成され
ている。なお、18はアッパリヤフレーム、19は排気
マフラーである。
【0017】ブレーキホース8のマスターシリンダ本体
部6側の端部は、目玉金具20を備えており、図3により
良く図示されるように、該目玉金具20がマスターシリ
ンダ本体部6の長軸方向一端である上端部の取付け座3
3にバンジョウボルト21により締着されることによ
り、マスターシリンダ本体部6に取付けられている。ブ
レーキホース8のマスターシリンダ本体部6側の取付け
部は、目玉金具20とバンジョウボルト21とを含んで
いる。
【0018】取付け座33は、マスターシリンダ本体部
6の長軸方向と直交する方向に形成されている。目玉金
具20と取付け座33との間および目玉金具20とバン
ジョウボルト21の頭部との間には、オイルシール34
がそれぞれ介装されている。
【0019】なお、バンジョウボルト21の軸線は、マ
スターシリンダ本体部6内のシリンダ室6aの軸線に対
し、サブタンク7がマスターシリンダ本体部6と一体に
設けられる側と反対の方向にわずかにシフトされてい
る。このようにすることにより、ブレーキホース8の取
付け部を収めるスペースが確保されるとともに、バンジ
ョウボルト21の締着作業がし易くなる。
【0020】このようにして、ブレーキホース8のマス
ターシリンダ本体部6側の端部は、目玉金具20の内部
通路とバンジョウボルト21の内部通路とを介してマス
ターシリンダ本体部6内のシリンダ室6aと流体連通さ
れ、かつ、該マスターシリンダ本体部6の長軸回りに取
付け角度調節可能にされて、マスターシリンダ本体部6
に取付けられている。
【0021】ブレーキホース8は、図2に図示されるよ
うに、マスターシリンダ本体部6への接続部から、ロア
リヤフレーム16の下端部のボルト連結部17を外側か
ら内側に巡って、スウィングアーム11の上端面に沿
い、後方に延びている。そして、そのキャリパ5側の端
部が、該キャリパ5に連結されている。
【0022】ブレーキホース8は、スウィングアーム1
1の上端面の複数個所において、締結具22により固定
されている。したがって、いま、スウィングアーム11
が上下に揺動すると、ブレーキホース8は、ロアリヤフ
レーム16の下端部のボルト連結部17を外側から内側
に巡る部分の湾曲部が変形して、スウィングアーム11
の上下揺動に追随することができる。
【0023】次にブレーキ用マスターシリンダ2の詳細
構造について説明する。図3に図示されるように、ブレ
ーキ用マスターシリンダ2は、自動二輪車の車体フレー
ム(ピボットプレート14)に取付けられた状態におい
て、その軸線がやや車輪後方(図3においてやや左方)
に傾斜するが、車体の略上下方向になるようにして、車
体の右側方に取付けられている。
【0024】ブレーキ用マスターシリンダ2は、前記の
とおり、マスターシリンダ本体部6とブレーキ用作動油
補給用のサブタンク7とからなっていて、これらは、鋳
造により一体に形成されている。
【0025】サブタンク7は、縦長形状に形成され、そ
の長軸方向がマスターシリンダ本体部6の長軸方向(シ
リンダ室6aの長軸方向)と平行になるようにして、マス
ターシリンダ本体部6より車両後方側に配設されてお
り、また、図7に図示されるように、その長軸がマスタ
ーシリンダ本体部6の長軸よりも車体右側方外方に位置
するようにして配設されている。
【0026】サブタンク7の内面形状は円筒形状にさ
れ、その内径は、シリンダ室6aの内径よりやや大きくさ
れ、その作動油貯留室7aは、シリンダ室6aに対して軸
方向に位相をずらされて配置されている。
【0027】マスターシリンダ本体部6のシリンダ室6
aには、ピストン9が摺動自在に嵌装されており、この
ピストン9は、リンク機構10を介してブレーキペダル
の操作者(ドライバー)により往復動させられる。そし
て、車両走行に制動が必要とされるとき、シリンダ室6a
内の作動油を加圧して、ブレーキホース8を介して該作
動油をキャリパ5に送り出す。32は、ピストン9の外
端部とリンク機構10の末端部とを連結する自在継手で
ある。
【0028】マスターシリンダ本体部6とサブタンク7
とを仕切る隔壁23の図3において下方部分には、第1
のポート24と第2のポート25とが、互いに接近し、
軸線を平行にして、それぞれ貫通形成されている。第1
のポート24は、径が比較的大きくされ、第2のポート
25は、径が非常に小さくされた部分をもっていて、第
2のポート25の絞り効果は、第1のポート24のそれ
より大きくされている。
【0029】他方、サブタンク7には、その長軸方向の
下方部に第1の開口部26、上方端部(一端部)に第2
の開口部27、これら第1、第2の開口部26、27の
中間部に第3の開口部35が、それぞれ形成されてい
る。
【0030】第1の開口部26は、第1のポート24の
軸線と第2のポート25の軸線とが通る位置に形成され
ている。したがって、これら両ポート24,25は、第
1の開口部26から図示されない工具を入れて、隔壁2
3に機械加工を施すことにより形成することが可能であ
る。そして、この機械加工後に、第1の開口部26は、
盲栓28により閉塞される。
【0031】サブタンク7の最も高い位置である上方端
部(長軸方向の一端部)は、ブレーキホース8のマスタ
ーシリンダ本体部6側取付け部の頂部をなすバンジョウ
ボルト21の頭部を越えて延出させられており、そこ
に、前記のとおり、第2の開口部27が形成されてい
る。この第2の開口部27は、サブタンク7内のブレー
キ用作動油の残量が少なくなったとき、新たにブレーキ
用作動油を補給するために使用される。
【0032】第2の開口部27は、常時は袋状のダイア
フラム29aを一体に備えたゴム製の蓋29と、該蓋2
9の上に被せられる樹脂製の押え板36と、金属製のキ
ャップ30とにより、液密に閉塞されている。これらの
蓋29と押え板36とキャップ30とは、ボルトねじ3
1により、サブタンク7の上方端壁に液密に共締めされ
ている。
【0033】ダイアフラム29aは、サブタンク7の作
動油貯留室7a内に配設され、膨張、収縮が可能な袋状
のものであって、蓋29と一体に形成されている。そし
て、図5により良く図示されているように、自然状態で
細長い帯状の袋単体29a-1、29a−2、29a−3を
120度間隔で三方に配した形状をなしており、その図
5において上端は、袋単体29a−1、29a−2、29
a−3に対応させて蓋29に120度間隔で貫通形成さ
れた細溝29b−1,29b−2,29b−3を介して外
部に連通されている。
【0034】ダイアフラム29aの図5において下端
は、樹脂製のオイルセパレーター38に固着されてお
り、その袋状の内部空間は、ここで、閉塞されている。
オイルセパレーター38は、ダイアフラム29aとは別
体にされて、接着剤もしくは熱溶着によりダイアフラム
29aに固着されているが、ダイアフラム29aと一体に
形成されてもよい。
【0035】オイルセパレーター38は、円板状のもの
であって、その径はサブタンク7の作動油貯留室7aの
径と略同径にされ、その外周面には、周方向に等間隔に
半円状の小孔通路38aが形成されている。
【0036】したがって、作動油貯留室7a内におい
て、オイルセパレーター38より上位にあるブレーキ用
作動油が、車両の走行に伴う振動により空気を吸い込ん
で泡立ったとしても、作動油は、小孔通路38aを介し
て行き来するが、作動油に混じった気泡は、オイルセパ
レーター38の板面により分離され、堰止められるの
で、マスターシリンダ本体部6のシリンダ6a内に入り
込むことはない。
【0037】ダイアフラム29aの膨張、収縮は、次のよ
うにして行われる。ダイアフラム29aの袋単体29a−
1、29a−2、29a−3は、蓋29に形成された細溝
29b−1、29b−2、29b−3を介し、さらに、図
4に図示されるように、押え板36の内面に穿設された
通路36a、キャップ30の周壁に形成された通路30a
を介して外部に連通されている。
【0038】押え板36の内面に穿設された通路36a
は、詳細には図示されていないが、細溝29b−1、2
9b−2、29b−3を共通に覆う円形凹所と、該円形凹
所を通路30aに連通させる細溝とからなっている。
【0039】また、キャップ30の周壁に形成された通
路30aは、詳細には図示されていないが、キャップ3
0の軸心に指向して断面U字状に切り落とされた部分
と、該断面U字状に切り落とされた部分の溝底に連な
り、周方向に所定長内周壁を削り取って形成された細溝
部分30bとからなっている。
【0040】したがって、いま、マスターシリンダ本体
部6のピストン9がシリンダ6a内に往復動して、作動
油がシリンダ6aとサブタンク7の作動油貯留室7aとの
間を行き来すると、作動油貯留室7a内に配設されたダ
イアフラム29aは、作動油貯留室7a内の作動油および
充満空気により収縮もしくは膨張させられるが、このと
き、ダイアフラム29aの内部に充填された空気は、細
溝29b−1、29b−2、29b−3、通路36a、通路
30aを介して外部との間を出入りするので、前記した
作動油貯留室7a内の作動油および充満空気によるダイ
アフラム29aの収縮もしくは膨張作用によく応答する
ことができる。
【0041】第3の開口部35には、蓋37が被着され
ている。この蓋37は、サブタンク7内に残存するブレ
ーキ用作動油の残量を確認することができるように、窓
を備えており、該開口部35は図1ないし図3さらには
図7から明らかなように車両の後方側へ向かって開口し
た開口部35として形成されている。
【0042】次に、ディスク型ブレーキ装置1の作用に
ついて説明する。いま、車両走行中に制動が必要とされ
たとき、ブレーキペダルが踏まれて、リヤブレーキレバ
ー10を介してピストン9がシリンダ6a内を前進する
と、シリンダ室6a内の作動油は加圧されるが、この加圧
された作動油は、ブレーキホース8を介してキャリパ5
に送られる。
【0043】同時に、一部の作動油は、第2のポート2
5を介してサブタンク7の作動油貯留室7a内に押し戻
されるが、この押し戻された作動油は、作動油貯留室7a
内においてダイアフラム29aが収縮することによって
吸収されるとともに、第1のポート24を介してピスト
ン9の大径頭部の背後の油室6b内に流れ込むことによ
っても吸収される。
【0044】このようにして、ピストン9によるシリン
ダ室6a内の作動油の加圧作用は緩慢にされて、キャリパ
5内の一対の摩擦パッドがブレーキディスク4を両側面
から挟み付けることにより発揮されるディスク型ブレー
キ装置1の制動作用の初期作動は緩やかなものにされ、
ドライバーの安全が図られている。
【0045】そして、ピストン9がシリンダ室6a内を
さらに前進して、第2のポート25を塞ぐと、ピストン
9によるシリンダ室6a内の作動油の加圧作用は最高度
に高まり、加圧された作動油は、その全量がブレーキホ
ース8を介してキャリパ5に送られる。このようにし
て、ディスク型ブレーキ装置1の制動作用が全面的に発
揮される。
【0046】本実施形態は、前記のように構成されてい
るので、さらに、次のような効果を奏することができ
る。マスターシリンダ本体部6にブレーキ用作動油補給
用のサブタンク7が一体に設けられてなるブレーキ用マ
スターシリンダ2において、サブタンク7は、縦長形状
に形成され、その長軸方向がマスターシリンダ本体部6
の長軸方向と略平行になるように配設されている。
【0047】この結果、マスターシリンダ本体部6にブ
レーキ用作動油補給用のサブタンク7が一体に設けられ
てなるブレーキ用マスターシリンダ2は、全体が縦長形
状に形成されるので、四方に嵩張ることがなくなり、そ
の構造の簡単化とスリム化、省スペース化とを図ること
ができる。
【0048】また、マスターシリンダ本体部6の長軸方
向の一端部には、マスターシリンダ本体部6の長軸方向
と直交する方向にブレーキホース8の取付け座33が形
成され、該取付け座33には、ブレーキホース8の取付
け部が締着され、サブタンク7の長軸方向の一端部が、
ブレーキホース8の取付け部を越えて延出させられ、そ
こに、ブレーキ用作動油の補給口である第2の開口部2
7が設けられている。
【0049】この結果、ブレーキホース8のマスターシ
リンダ本体部6への接続部の構造が小型化、簡単化され
る。
【0050】また、ブレーキ用作動油の補給等のメンテ
ナンス時には、ブレーキホース8のマスターシリンダ本
体部6側の取付け部(目玉金具20、バンジョウボルト
21)が、このメンテナンス作業の作業性を阻害するこ
とがない。
【0051】さらに、サブタンク7にはブレーキ用作動
油の残量を確認することができる窓を備えた蓋37が被
着される開口部35が形成されており、該開口部35は
ブレーキ用マスターシリンダの車両への搭載時に該車両
の後方側へ向けて開口する開口部として形成されている
から、前記サブタンク内に残存するブレーキ用作動油の
残量の確認が容易である。
【0052】また、サブタンク7の内面形状は、円筒形
状にされ、該サブタンク7内には、袋状のダイアフラム
29aと、複数の小孔通路38aを有するオイルセパレー
ター38とが配設され、ダイアフラム29aは、その内
部が外気に連通して膨張もしくは収縮することができる
ようにされている。
【0053】この結果、ディスク型ブレーキ装置1の初
期作動時、ブレーキ用作動油の一部はサブタンク7内に
押し戻されるが、この押し戻された作動油は、ダイアフ
ラム29aが収縮することにより吸収されるので、ブレー
キ装置1の初期作動が緩慢化されて、ドライバーの安全
を図ることができる。
【0054】さらに、車両走行中、サブタンク7内の作
動油は、振動により空気を吸い込んで泡立つが、作動油
に混じった気泡は、オイルセパレーター38により分離
され、堰止められるので、マスターシリンダ本体部6の
シリンダ6a内に入り込むことがなく、ブレーキ装置1
は常に正確に作動して、ブレーキ用マスターシリンダ2
の信頼性を向上することができる。
【0055】また、オイルセパレーター38は、ダイア
フラム29aと一体に設けられているので、オイルセパレ
ーター38の設置が容易になり、部品点数が削減され
る。
【0056】さらに、本実施形態におけるブレーキ用マ
スターシリンダ2が搭載された自動二輪車においては、
ブレーキ用マスターシリンダ2は、マスターシリンダ本
体部6の長軸方向が車体の略上下方向になるようにし
て、車体側方に配設されている。
【0057】この結果、ブレーキ用マスターシリンダ2
は、その全体の縦長形状が車体の略上下方向に沿うよう
にして、車体側方に配設されるので、車体の前後方向へ
の長さを短くすることができ、転倒等によりマスターシ
リンダ2に外力がかかっても、マスターシリンダ2の取
付け部にかかるモーメントを小さくすることができる。
【0058】これにより、マスターシリンダ2の取付け
部におけるステー12,13等を軽量化することができ
る。また、車幅方向への出っ張りも少なくすることがで
き、自動二輪車をスリム化することができる。
【0059】また、本実施形態におけるブレーキ用マス
ターシリンダ2が搭載された自動二輪車においては、ブ
レーキ用マスターシリンダ2は、サブタンク7の長軸が
マスターシリンダ本体部6の長軸よりも車体右側方外方
に位置するように配設されている。
【0060】この結果、ブレーキ用マスターシリンダ2
がリヤブレーキ用マスターシリンダとして使用される場
合、スウィングアーム11を後方に行くにしたがい幅広
に構成することができ、ピボット幅(左右ピボットプレ
ート14が配置される部分の車幅方向幅)を広げること
なく、幅広タイヤを装着することができる。
【0061】本実施形態において、オイルセパレーター
38は、ダイアフラム29aと一体に設けられたが、必
ずしもこれに限定されず、図6に図示されるように、ダ
イアフラム29aと別体に設けられてもよい。
【0062】この場合には、サブタンク7の作動油貯留
室7aの円筒形状は、大径部と小径部とからなる段付き円
筒形状に形成され、その段部にオイルセパレーター38
を嵌着させて取付けるようにすることができる。なお、
ダイアフラム29aの袋単体29a−1、29a−2、2
9a−3の下端部は、熱溶着により封じられる。
【0063】本実施形態においては、ブレーキ用マスタ
ーシリンダ2が適用されたディスク型ブレーキ装置1
は、自動二輪車の後輪側に取付けられたが、これに限定
されず、前輪側に取付けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態におけるブレーキ用マス
ターシリンダが適用されたディスク型ブレーキ装置を自
動二輪車のリア側に取付けた状態における取付け構造を
示す右外側面図である。
【図2】図1の取付け構造を反対側から見た左内側面図
である。
【図3】図1の部分拡大断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図1のブレーキ用マスターシリンダのサブタン
ク内に配設されるオイルセパレーター一体型ダイアフラ
ムの斜視図である。
【図6】オイルセパレーターの変形例を示す図3と同様
の図である。
【図7】図1のA方向から見たブレーキ用マスターシリ
ンダとスウィングアームを中心とする部分の概略平面図
である。
【符号の説明】
1・・・ディスク型ブレーキ装置、2・・・ブレーキ用
マスターシリンダ、3・・・後輪、4・・・ブレーキデ
ィスク、5・・・キャリパ、6・・・マスターシリンダ
本体部、6a・・・シリンダ室、7・・・サブタンク、
7a・・・作動油貯留室、8・・・ブレーキホース、9
・・・ピストン、10・・・リンク機構、11・・・ス
ウィングアーム、12、13・・・ステー、14・・・
ピボットプレート、15・・・ブラケット、16・・・
ロアリヤフレーム、17・・・ボルト連結部、18・・
・アッパリヤフレーム、19・・・排気マフラー、20
・・・目玉金具、21・・・バンジョウボルト、22・
・・締結具、23・・・隔壁、24・・・第1のポー
ト、25・・・第2のポート、26・・・第1の開口
部、27・・・第2の開口部、28・・・蓋、29・・
・蓋、29a・・・ダイアフラム、29a−1、29a−
2、29a−3・・・袋単体、29b−1、29b−2,
29b−3・・・細溝、30・・・キャップ、30a・・
・通路、30b・・・細溝部分、31・・・ボルト、3
2・・・自在継手、33・・・取付け座、34・・・オ
イルシール、35・・・第3の開口部、36・・・押え
板、36a・・・通路、37・・・蓋、38・・・オイル
セパレーター、38a・・・小孔通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D047 AA01 BB24 BB32 BB37 BB41 CC17 CC23 HH06 LL01 LL03 3D049 AA01 BB29 BB32 BB36 BB39 CC02 HH11 HH41 LL01 LL04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスターシリンダ本体部に、ブレーキ用
    作動油補給用のサブタンクが一体に設けられたブレーキ
    用マスターシリンダにおいて、前記サブタンクには該サ
    ブタンク内の残存ブレーキ作動油の残量が確認できる窓
    を備える蓋が被着される開口部が形成されており、該開
    口部は前記ブレーキ用マスターシリンダの車両への搭載
    時に該車両の後方側に向けて開口する開口部として形成
    されていることを特徴とするブレーキ用マスターシリン
    ダ。
  2. 【請求項2】 マスターシリンダ本体部に、ブレーキ用
    作動油補給用のサブタンクが一体に設けられたブレーキ
    用マスターシリンダが搭載された自動二輪車において、
    前記サブタンクには該サブタンク内の残存ブレーキ用作
    動油の残量が確認できる窓を備える蓋が被着される車両
    後方側に向けて開口する開口部が形成されていることを
    特徴とするブレーキ用マスターシリンダが搭載された自
    動二輪車。
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