JP2003088799A - 発泡耐火塗料の塗装方法及び膜厚管理方法 - Google Patents
発泡耐火塗料の塗装方法及び膜厚管理方法Info
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Abstract
性能を有し、ある程度の平坦な仕上げ面を得るときに、
発泡耐火塗料の塗装方法及び膜厚管理において、容易で
効率的な方法を提供する 【解決手段】 発泡耐火塗料を複数工程に分けて被塗装
物に塗装を行う場合において、1工程当たりの必要な乾
燥膜厚と塗装面積と発泡耐火塗料の乾燥収縮率と発泡耐
火塗料の比重とから1工程当たりの発泡耐火塗料の所要
量を算出し、前記所要量の発泡耐火塗料を被塗装物に塗
装し、その塗装された乾燥塗膜の膜厚又は累積した膜厚
を測定し、膜厚を確認する工程を各塗装終了時毎に行
い、全工程終了時には、全乾燥膜厚が6mm以下であ
り、全工程終了時の各測定値が規定乾燥膜厚の80%以
上であり、その全乾燥膜厚の全測定値の平均値が規定乾
燥膜厚の100%以上である。
Description
れる構築物に用いられる鉄骨などの鋼材へ発泡耐火塗料
を塗装し、仕上げを行うための発泡耐火塗料の膜厚管理
方法に関するものである。
れている鋼材の温度上昇を遅延させることを目的として
様々な耐火被覆材が使用されている。近年、ロックウー
ル、アスベスト、セラミックファイバーなどの無機繊維
によって空気の断熱層を形成させるものや珪酸カルシウ
ム板、軽量セメントモルタル、石膏ボードなどの耐火被
覆材に加え、発泡耐火塗料を用いることが多くなってき
ている。
0号公報、特開平5−70540号公報、特開平6ー1
6975号公報などに記載されているように、火災など
の高温によって塗膜を発泡させ、気相含有断熱層を形成
し、それにより断熱効果を得て、耐火性能を発揮するも
のである。
膜厚で、耐火性能を有するものであり、その薄さから美
観上の好ましく、被覆材料の使用量が少なく、被覆作業
の効率が優れたものであることから用いられることが多
くなっている。発泡形耐火塗料は、スプレーガンなどを
用いた吹き付けにより行われることが多い。
火塗料は、2mm程度の薄い膜厚で耐火性能を有するも
のである。その薄い膜厚により必要な耐火性能を得るた
め、膜厚の管理には、十分な注意が必要であり、困難な
ものである。
な仕上げ面を得るためには、数μm〜数百μmの薄膜を
塗り重ねること得ることがある。薄膜を塗り重ねること
は、複数回の塗装が必要なことである。さらに、発泡耐
火塗料の塗装を行う鉄骨など被塗装物は、主に断面形状
が正方形、H形、L形などの複雑な形状である。そのた
め、それらの被塗装物に一定の薄い膜厚を平坦に仕上げ
ることが困難な場合がある。
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、鉄骨などの複雑な形状の鋼材に、必要な
耐火性能を有し、ある程度の平坦な仕上げ面を得るとき
に、発泡耐火塗料の塗装方法及び膜厚管理において、容
易で効率的な方法を提供することにある。
めに、請求項1に記載の発明の発泡耐火塗料の塗装方法
は、発泡耐火塗料を複数工程に分けて被塗装物に塗装を
行う場合において、1工程当たりの必要な乾燥膜厚と塗
装面積と発泡耐火塗料の乾燥収縮率と発泡耐火塗料の比
重とから1工程当たりの発泡耐火塗料の所要量を算出
し、前記所要量の発泡耐火塗料を被塗装物に塗装し、そ
の塗装された乾燥塗膜の膜厚又は累積した膜厚を測定
し、膜厚を確認する工程を各塗装終了時毎に行い、全工
程終了時には、全乾燥膜厚が6mm以下であり、全工程
終了時の各測定値が規定乾燥膜厚の80%以上であり、
その全乾燥膜厚の全測定値の平均値が規定乾燥膜厚の1
00%以上である。
装方法は、請求項1に記載の発明において、さらに、最
初に発泡耐火塗料を塗装する第1工程又は各工程終了時
の乾燥膜厚の測定前に、未乾燥塗膜の膜厚を測定するこ
とである。
装方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明におい
て、前記発泡耐火塗料が合成樹脂エマルションを主成分
とするものであり、塗装方法がスプレーを用いたスプレ
ー塗装である。
厚管理方法は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の塗装方法により得られた膜厚を膜厚測定器により測
定することである。
厚管理方法は、請求項4に記載の発明において、各工程
終了時の乾燥膜厚の測定個所が全工程終了時の全乾燥膜
厚の測定個所より少ないことである。
厚管理方法は、請求項4又は請求項5に記載の発明にお
いて、全工程終了時の全乾燥膜厚の測定個所が200m
2当たり、25個所で、その各測定個所の測定数が5回
である。
に説明する。この発明は、発泡耐火塗料を複数工程に分
けて被塗装物に塗装を行う場合において、1工程当たり
の必要な乾燥膜厚と塗装面積と発泡耐火塗料の乾燥収縮
率と発泡耐火塗料の比重とから1工程当たりの発泡耐火
塗料の所要量を算出し、前記所要量の発泡耐火塗料を被
塗装物に塗装し、その塗装された乾燥塗膜の膜厚又は累
積した膜厚を測定し、膜厚を確認する工程を各塗装終了
時毎に行い、全工程終了時には、全乾燥膜厚が6mm以
下であり、全工程終了時の各測定値が規定乾燥膜厚の8
0%以上であり、その全乾燥膜厚の全測定値の平均値が
規定乾燥膜厚の100%以上である。
に使用される鋼材などに塗布し、その塗布された乾燥硬
化した塗料層により耐火性能を得るものである。発泡耐
火塗料に形成された塗料層は、鋼材などの外表面を覆う
ように形成することが多く、その塗料層を被覆した鋼材
などが火災にさらされたときに、発泡して、断熱層を形
成するものである。この発泡し形成された断熱層によ
り、火災等の急激な温度上昇による鋼材などの座屈等を
防止するものである。
ル、難燃性発泡剤を主成分とするものであり、火災に曝
され表面温度が約200℃に達すると発泡がはじまり、
常温時の乾燥膜厚の数十倍にもなる多孔質断熱層を形成
するものである。この発泡のメカニズムは、熱を受けた
難燃性発泡剤から放出される無機酸と炭化層形成材が結
合して炭化層を形成する。一方、塗料の合成樹脂が溶
け、ほぼ同時進行或いは、これに続く形で発泡剤は分解
を起こし、炭酸ガス、アンモニア、水蒸気などのガスを
発生し、合成樹脂をフォーム状にして炭化層を膨らま
せ、初期の乾燥膜厚の何十倍にもなる気相含有断熱層を
形成するものである。
脂は、常温時において塗膜の付着性、耐候性を与え、各
主成分同士を結合させる役目をするものであり、発泡時
には、炭化層、気相含有断熱層を形成するものの1つと
なる。この合成樹脂の種類は、メラミン樹脂、アクリル
樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポ
リエステル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独
に用いても良く、あるいは共重合したものにして、ま
た、これらを混合して用いることもできる。さらに、こ
れらの樹脂の形態として、有機溶媒に溶解させたもの、
あるいはエマルションとして水に分散させたものが利用
できる。
ルションとして水に分散させた合成樹脂エマルションが
好ましく用いられる。合成樹脂エマルションは、発泡形
耐火塗料の塗装作業時及び乾燥時に水が蒸発するもので
あり、大気などを汚染することがなく、入手が容易であ
る。
鋼材であり、その鋼材には、防錆塗料により形成された
塗膜により防錆処理がされていることが多く、その防錆
処理された鋼材に、発泡耐火塗料を塗装することが多
い。その場合、有機溶媒により溶解させた合成樹脂を主
成分とした発泡耐火塗料を塗装すると、防錆塗料により
形成された塗膜を溶かしたりする場合がある。そのた
め、塗膜を剥がさなければならないことがある。
した発泡耐火塗料を用いた場合には、防錆塗料により形
成された塗膜を溶かすことがなく、塗膜を剥がすことが
無く、鋼材の防錆効果も十分に維持することができる。
多価アルコールとは、後述する難燃性発泡剤と脱水縮合
し、難燃性発泡剤の分解ガスによって発泡層を形成す
る。その多価アルコールとしては、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトー
ル、ポリペンタエリスリトールから任意に選択される1
種類以上が好ましい。また、ジペンタエリスリトール
は、耐水性に優れているためより好ましく用いられる。
成された塗料層が加熱されたたときに、アンモニアガス
などのガスを発生させ、同時に吸熱反応により塗装面の
温度を引き下げるものである。この難燃性発泡剤は、リ
ン酸アンモニウム及び/又はポリリン酸アンモニウムを
使用するのが好ましい。尚、表面をメラミンなどでマイ
クロカプセル被覆した物も同様に使用可能である。ま
た、多価アルコールや合成樹脂との結合により難燃効果
をもたらし、編み目構造の発泡層を形成する。
ンや膨張性黒鉛を添加することも可能である。二酸化チ
タンの添加により、その触媒効果によって発泡層の結合
が促進され、形状維持性の高い発泡層が形成され、特
に、アナターゼ型の二酸化チタンにより、その触媒効果
がより促進される。
する化合物が熱分解して、全体が膨張する性質を持つも
のであり、膨張性黒鉛を加えることにより、より薄膜で
耐火性能の高い発泡耐火塗料が得られる。膨張性黒鉛を
添加された塗膜は、火災時などの加熱により、急激に膨
張することで、発泡層の断熱性能を向上させるものであ
る。
硫酸塩、ナトリウム黒鉛、カリウム黒鉛、ハロゲン化黒
鉛、黒鉛酸化物、塩化アルミニウム黒鉛化合物、塩化第
二鉄黒鉛などが挙げられる。
分の以外に、一般的な塗料に用いられるその他の成分を
発泡耐火塗料の効果を損なわない範囲内において含有す
ることができる。その成分としては、炭酸カルシウム、
クレー、珪砂、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリ
カ、無機繊維、ロックウールなどの充填材や体質顔料、
ハロゲン系、リン系、三酸化アンチモン系などの難燃剤
及び消泡剤、分散剤、湿潤剤などの界面活性剤、可塑
剤、造膜助剤、防凍剤などの溶剤、着色顔料、金属石
鹸、安定剤、粘度・粘性調整のための増粘剤、防腐剤、
防黴剤などがある。前記の材料により構成される発泡耐
火塗料は、撹拌及び混合などの常法により得ることがで
きる。
料を被塗装物である鋼材などに塗装する。発泡耐火塗料
を塗装する前に、錆止め塗料、プライマーなどを塗装し
ても何ら問題はない。この塗装は、スプレー塗装、ロー
ラー塗装、鏝、ヘラによる塗装など一般的に用いられる
塗装方法により行うことができる。これらの塗装方法の
うち、スプレー塗装による塗装は、塗装スピードが速
く、必要な膜厚を少ない回数で塗装できることなど塗装
効率が良いことから好ましく用いられる。
料を複数回の工程に分けて、塗装を行い全乾燥膜厚が6
mm以下で、全乾燥膜厚の全測定値の平均値が規定乾燥
膜厚の100%以上のものを得る。発泡耐火塗料では、
一度に得られる乾燥膜が規定膜厚より少なく、そのため
複数工程に分けて、塗装する必要がある。
成される乾燥膜が必要な耐火性能を発揮することができ
る膜厚のことであり、被塗装物に要求される耐火性能に
応じて、適宜膜厚を選択し、決めるものであり、多くの
場合は、膜厚が、1mm〜5mm程度で、十分な耐火性
能を有するものである。
天井面に塗装するものであるため、1工程当たりの塗装
膜厚、つまり未乾燥塗膜が厚すぎた場合には、液状物で
ある発泡耐火塗料が垂れたりすることがある。また、未
乾燥塗膜が厚い場合、未乾燥塗膜から乾燥塗膜になる乾
燥過程で、塗膜に割れが生じ、十分な耐火性能が無く、
見た目にも悪い乾燥塗膜になる。さらに、塗膜の内部の
乾燥に時間が掛かる。
塗料の種類により異なるが、0.5mm〜2.0mm程
度であり、それに要する発泡耐火塗料の所要量は、1.
0kg/m2〜5.0kg/m2程度である。この発泡
耐火塗料の所要量は、m2当たりの発泡耐火塗料の使用
量のことであり、塗装時に希釈剤を使用した場合には、
その希釈剤量を含まないもののことである。
の塗料ロスがあるため、1工程当たりの使用量の10%
〜20%程度多くした発泡耐火塗料量を実際の1工程当
たりの所要量とする。次に、具体的な発泡耐火塗料の塗
装方法及び膜厚管理方法について説明する。
し、全乾燥膜厚を決める。また、その被塗装物の面積を
算出する。発泡耐火塗料の1工程当たりの塗装可能な乾
燥膜厚から発泡耐火塗料の乾燥収縮率を基に、未乾燥塗
膜の厚みを換算し、さらに、発泡耐火塗料の比重から、
単位面積当たりの塗装に必要な塗料量を算出し、その単
位面積当たりの塗料量と被塗装物の面積から1工程当た
りの使用量を決め、塗料ロス分を考慮し所要量を算出す
る。
て使い切った状態が1工程の塗装が終了し、未乾燥塗膜
を形成したこととなる。未乾燥塗膜が乾燥し、乾燥塗膜
になったところで、その乾燥塗膜の膜厚を測定する。前
記発泡耐火塗料の乾燥収縮率とは、未乾燥塗膜から乾燥
塗膜になる過程において、発泡耐火塗料中の溶媒などの
揮発性のものが揮発し、乾燥塗膜を形成するものである
から塗膜の厚みが収縮し、薄くなることであり、一般的
には、塗膜のやせと表現されることがあり、その収縮す
る割合のことである。
る場合が多く、塗装した被塗装物全体では、膜厚にばら
つきがあることがある。そのために、膜厚を1工程毎に
測定することである。また、各工程終了時の乾燥膜厚の
測定個所は、全工程終了時の全乾燥膜厚の測定個所より
少ないことが好ましい。このことにより、効率の良い塗
装作業を行うことができ、膜厚管理も行うことができ
る。
ることが好ましい。膜厚測定機器には、電磁膜厚計など
がある。電磁膜厚計は、被塗装物が鋼材などのような鉄
部に有効であり、その測定も容易である。また、前記の
ような電磁膜厚計以外にも、例えば、針などを用いて行
うことも可能である。
その刺さった長さを計測する測定や針の先端から順に目
盛りを付けて、そのメモリ付きの針を用いて測定するこ
となどが行われる。さらに、好ましくは、塗装した直後
の未乾燥塗膜の状態のときに、膜厚を測定することによ
り、膜厚が不足している個所には、すぐに不足分の塗料
を塗装することができるため、作業効率が向上する。
ルムゲージを用いることにより、容易に膜厚を測定する
ことができる。前記のような膜厚測定を各塗装終了時毎
に行い、全工程終了時には、全乾燥膜厚が6mm以下で
あり、全工程終了時の各測定値が規定乾燥膜厚の80%
以上であり、その全乾燥膜厚の全測定値の平均値が規定
乾燥膜厚の100%以上、ことであるにより、必要な耐
火性能を有し、ある程度の平坦な仕上げ面を得るための
効率的で、容易なものとなる。
は、ある程度の膜厚が必要となる。このある程度の膜厚
は、必要な耐火性能を得るためのものであって、塗装す
る前に、規定乾燥膜厚として規定される。この膜厚の上
限値としては、6mm以下である。6mmより厚い場合
には、飛躍的に耐火性能が向上することが無い。さら
に、塗装工程を増やし、作業効率を低下させることにな
る。
燥膜厚の80%以上であって、その全乾燥膜厚の全測定
値の平均値が規定乾燥膜厚の100%以上ある。発泡耐
火塗料により形成される乾燥膜厚が前記下限値であれ
ば、必要な耐火性能を確実に得ることができる。
は、塗装により得られた塗膜の表面には、凹凸があり、
また、塗装した被塗装物全体では、膜厚にばらつきがあ
ることがある。そのため、測定個所によっては、規定乾
燥膜厚より薄い個所もある。しかし、その膜厚が規定膜
厚の80%以上であって、平均値が100%以上であれ
ば、必要な耐火性能を確実に得ることができる。
200m2当たり、25個所であることが望ましく、こ
の測定個所であれば、8m2毎に測定することになる。
前記8m2とは、発泡耐火塗料を塗布することが多い、
鉄骨柱の1本当たりの面積に相当するものである。この
鉄鋼柱の多くは、1フロアーの天井や床など内装工事を
行う前の状態の柱の長さが、約4mあり、柱断面の周長
が1mであり、その柱の周面の面積が8m2となる。つ
まり、柱1本に1個所測定することになる。
各測定個所の測定は、5回測り、その平均値を測定値と
することが好ましい。それにより、測定誤差を少なくす
ることができる。以上のように、この実施形態によれば
次のような効果が発揮される。
装物に塗装を行う場合において、1工程当たりの必要な
膜厚及び塗装面積から1工程当たりの発泡耐火塗料の所
要量を算出し、前記所要量の発泡耐火塗料を被塗装物に
塗装し、その塗装された乾燥塗膜の累積した膜厚を測定
し、膜厚を確認する工程を各塗装終了時毎に行い、全工
程終了時には、全乾燥膜厚が6mm以下であり、その全
乾燥膜厚の全測定値の平均値が規定乾燥膜厚の100%
以上、全工程終了時の各測定値が規定乾燥膜厚の80%
以上であることにより、鉄骨などの複雑な形状の鋼材
に、必要な耐火性能を有し、ある程度の平坦な仕上げ面
を得るときに、発泡耐火塗料の塗装方法及び膜厚管理に
おいて、容易で効率的なものである。
る第1工程又は各工程終了時の乾燥膜厚の測定前に、未
乾燥塗膜の膜厚を測定することであることにより、膜厚
が不足している個所には、すぐに不足分の塗料を塗装す
ることができるため、作業効率が向上する。
ョンを主成分とするものであり、塗装方法がスプレーを
用いたスプレー塗装であることにより、防錆塗料により
形成された塗膜を溶かすことがなく、鋼材の防錆効果も
十分に維持することができ、塗装スピードが速く、必要
な膜厚を少ない回数で塗装できることなど塗装効率が良
いものである。
記載の塗装方法により得られた膜厚を膜厚測定器により
測定することであることにより、被塗装物が鋼材などの
ような鉄部に有効であり、その測定も容易である。
全工程終了時の全乾燥膜厚の測定個所より少ないことで
あることにより、効率の良い塗装作業を行うことがで
き、膜厚管理も行うことができる。
が200m2当たり、25個所で、その各測定個所の測
定数が5回であることにより、測定誤差を少なくするこ
とができる。
細に説明する。この実施例に用いた発泡耐火塗料は、合
成樹脂、多価アルコール、難燃性発泡剤を主成分とする
ものであり、火災に曝され表面温度が約200℃に達す
ると発泡がはじまり、常温時の乾燥膜厚の数十倍にもな
る多孔質断熱層を形成するものである。
ションを用い、多価アルコールには、ジペンタエリスリ
トールを、難燃性発泡剤には、ポリリン酸アンモニウム
を用いた。さらに、この発泡耐火塗料には、アナターゼ
型の二酸化チタンを含有したものである。また、その他
の成分として、消泡剤、分散剤、湿潤剤としての界面活
性剤、造膜助剤、防凍剤、粘度・粘性調整のための増粘
剤が添加されたものである。
乾燥膜厚は、1.5mmであり、乾燥収縮率は、60%
である。また、この発泡耐火塗料の比重は、1.5であ
る。つまり、m2当たりの使用量は、3.75kgであ
り、スプレーガンを用いたスプレー塗装での塗料ロスを
20%見込んだ所要量は、4.5kg/m2である。
柱にスプレーガンを用いたスプレー塗装を行った。この
鉄骨柱は、柱一本の周長が1mであり、長さが4mであ
り、柱断面のその柱の周面の面積が8m2であり、その
柱が25本有り、総面積は、200m2である。また、
上記鉄鋼は、JIS K5621の一般用錆止めペイン
ト1種により防錆処理がされているものであり、発泡耐
火塗料には、合成樹脂エマルションを用いた水系塗料で
あるため、前記防錆処理を剥がす必要がないものであ
る。
あるため、この塗装工程は、1工程に塗装可能な乾燥膜
厚は、1.5mmであることから、3工程となる。この
3工程の内訳は、1工程と2工程目に各々1.5mmの
乾燥塗膜を設け、次の3工程目に1mmの乾燥塗膜を設
け、全乾燥膜厚を4mmとする工程である。3工程目の
発泡耐火塗料の所要量は、乾燥膜厚が1.0mmの場
合、3kg/m2である。
所要量と塗装を行う被塗装物の面積から、1工程と2工
程目の発泡耐火塗料の所要量は、900kgで、3工程
目の所要量が600kgである。まず、1工程目の塗装
を行った。1工程目に用意した900kgの発泡耐火塗
料を全て使い切り、塗膜が未乾燥状態のときに、ウェッ
トフィルムゲージを用いて、未乾燥塗膜の膜厚を測定し
た。その測定個所は、12本の柱で、その柱の測定回数
は、1回で行った。この測定値は、乾燥膜厚が1.5m
mになるために必要な未乾燥塗膜の厚み2.5mmの8
0%の2mm以上あった。また、その測定値の平均は、
2.6mmと必要膜厚の以上であった。
用いて測定した。測定を行った柱は、未乾燥状態の膜厚
を測定していない柱13本について行った。その1本当
たりの柱の測定回数は、3回行い、その平均を測定個所
の測定値とした。この測定値は、乾燥膜厚が1.5mm
の80%の1.2mm以上あり、その測定値の平均は、
1.5mmであった。
同様に行った。この2回目の塗装を終了し、乾燥した塗
膜の膜厚を測定した。測定個所は、25本の柱の中から
15本を任意に選択し、電磁膜厚計を用いて測定を行っ
た。その1本当たりの柱の測定回数は、3回行い、その
平均を測定個所の測定値とした。この測定値は、累積し
た乾燥膜厚が3mmの80%の2.4mm以上あり、そ
の測定値の平均は、3.1mmであった。
目に用意した600kgの発泡耐火塗料を全て使い切り
塗装作業を終わり、未乾燥塗膜が乾燥した後に累積膜厚
を測定し、全塗装工程を終了した。測定個所は、25本
の全ての柱を電磁膜厚計を用いて測定を行った。その1
本当たりの柱の測定回数は、5回行い、その平均を測定
個所の測定値とした。この測定値は、累積した乾燥膜厚
が4mmの80%の3.2mm以上あり、その測定値の
平均は、4.1mmであった。この塗装には、4日で全
塗装工程を終了し、容易で効率的な塗装作業であった。
また、上記建築物の鋼材に、必要な耐火性能を付与する
ことができた。
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の発泡耐火塗料の塗装方法によれば、鉄骨などの複雑
な形状の鋼材に、必要な耐火性能を有し、ある程度の平
坦な仕上げ面を得るときに、発泡耐火塗料の塗装方法及
び膜厚管理において、容易で効率的なものである。
装方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、
膜厚が不足している個所には、すぐに不足分の塗料を塗
装することができるため、作業効率が向上する。
厚管理方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発
明の効果に加え、防錆塗料により形成された塗膜を溶か
すことがなく、鋼材の防錆効果も十分に維持することが
でき、塗装スピードが速く、必要な膜厚を少ない回数で
塗装できることなど塗装効率が良いものである。
厚管理方法によれば、被塗装物が鋼材などのような鉄部
に有効であり、その測定も容易である。
装方法によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、
効率の良い塗装作業を行うことができ、膜厚管理も行う
ことができる。
厚管理方法によれば、請求項4又は請求項5に記載の発
明の効果に加え、測定誤差を少なくすることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 発泡耐火塗料を複数工程に分けて被塗装
物に塗装を行う場合において、 1工程当たりの必要な乾燥膜厚と塗装面積と発泡耐火塗
料の乾燥収縮率と発泡耐火塗料の比重とから1工程当た
りの発泡耐火塗料の所要量を算出し、前記所要量の発泡
耐火塗料を被塗装物に塗装し、その塗装された乾燥塗膜
の膜厚又は累積した膜厚を測定し、膜厚を確認する工程
を各塗装終了時毎に行い、 全工程終了時には、全乾燥膜厚が6mm以下であり、全
工程終了時の各測定値が規定乾燥膜厚の80%以上であ
り、その全乾燥膜厚の全測定値の平均値が規定乾燥膜厚
の100%以上であることを特徴とする発泡耐火塗料の
塗装方法。 - 【請求項2】 さらに、最初に発泡耐火塗料を塗装する
第1工程又は各工程終了時の乾燥膜厚の測定前に、未乾
燥塗膜の膜厚を測定することを特徴とする請求項1に記
載の発泡耐火塗料の塗装方法。 - 【請求項3】 前記発泡耐火塗料が合成樹脂エマルショ
ンを主成分とするものであり、塗装方法がスプレーを用
いたスプレー塗装であることを特徴とする請求項1又は
請求項2に記載の発泡耐火塗料の塗装方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の塗装方法により得られた膜厚を膜厚測定器により測
定することを特徴とする発泡耐火塗料の膜厚管理方法。 - 【請求項5】 各工程終了時の乾燥膜厚の測定個所が全
工程終了時の全乾燥膜厚の測定個所より少ないことを特
徴とする請求項4に記載の発泡耐火塗料の膜厚管理方
法。 - 【請求項6】 全工程終了時の全乾燥膜厚の測定個所が
200m2当たり、25個所で、その各測定個所の測定
数が5回であることを特徴とする請求項4又は請求項5
のいずれかに記載の発泡耐火塗料の膜厚管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001286492A JP4185684B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 発泡耐火塗料の塗装方法及び膜厚管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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