JP2003088379A - 複合病害抵抗性を示す形質転換植物 - Google Patents
複合病害抵抗性を示す形質転換植物Info
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Abstract
提供。 【解決手段】 キャベツ及びコマツナの種子由来の特定
のアミノ酸配列からなるタンパク質もしくは、該タンパ
ク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸
が欠失、置換若しくは付加されており、かつ抗菌活性を
有するタンパク質。
Description
を用いて得られる病害抵抗性を示す形質転換植物、及び
該形質転換植物の作出方法、並びに植物への病害抵抗性
の付与方法に関する。
物の安定生産及び農薬依存度の軽減が要望されている。
そのため、組換えDNA 技術などの有用な植物バイオテク
ノロジー技術を利用して、病虫害に対して抵抗性を示す
植物の品種改良が盛んに行われている。既に除草剤耐性
を示す形質転換植物(特開平2−186925号公
報)、ウイルス抵抗性を示す形質転換植物(特開平4−
330233号公報)及び害虫抵抗性を示す形質転換植
物(特開平3−247220号公報)が、組換えDNA技
術を利用して作出されている。さらに、病原糸状菌の産
生する毒素を不活化する酵素の遺伝子を導入して得られ
る病原糸状菌に対して抵抗性を示す形質転換植物(Plan
t Physiology, 104: 109-118)や、昆虫由来の抗菌性タ
ンパク質の遺伝子を導入して得られる少なくとも一つの
病原菌に抵抗性を示す形質転換植物(特開平7−250
685号公報)のように、植物病原菌に対して抵抗性を
示す形質転換植物も数種作出されている。
起因するものだけではなく、例えばイネの主要病害とし
て糸状菌由来のいもち病、細菌由来の白葉枯病が挙げら
れるように、糸状菌や細菌由来の複数の病原菌が植物の
主要病害を引き起こしている場合が多い。従って、この
ような複合病害に対し強い抵抗性を示す植物の作出が望
まれていた。
抗性を示す植物、植物に複合病害抵抗性を付与する方法
及び複合病害抵抗性植物の作出方法を提供することを目
的とする。
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、キャベツ及びコ
マツナの種子からディフェンシンタンパク質をコードす
る遺伝子を単離することに成功し、この遺伝子を含む組
換えベクターを用いてイネを形質転換したところ、得ら
れた形質転換体がイネいもち病及びイネ白葉枯病の両方
に対し抵抗性を有することを見出し、本発明を完成する
に至った。
である。 (1)以下の(a)又は(b)のタンパク質。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質
ードする遺伝子。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質
れるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝
子としては、以下の(c)又は(d)のDNAを含むものが挙げ
られる。 (c) 配列番号1若しくは3に示す塩基配列からなるDNA (d) 配列番号1若しくは3に示す塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
抗菌活性を有するタンパク質をコードするDNA
植物。
織又は植物培養細胞を用いることができる。上記植物の
種類としては、単子葉綱又は双子葉綱の植物が挙げられ
る。特に、単子葉綱の植物はイネ科に属するものであり
うる。イネ科に属する植物としては、イネ(Oryza sati
va)が好ましい。
ことが好ましく、該複合病害としては、少なくとも1種
の植物病原菌由来の病害が含まれる。植物病原菌由来の
病害としては、植物病原細菌由来又は植物病原糸状菌由
来のものが挙げられる。植物病原細菌由来の病害として
は、イネ白葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病、苗立枯病等
が挙げられる。植物病原糸状菌由来の病害としては、イ
ネいもち病、紋枯病、ごま葉枯病等が挙げられる。
子。 (5)上記(2)の遺伝子を植物に導入することによ
り、植物に複合病害抵抗性を付与する方法。 (6)上記(2)の遺伝子を含む発現ベクターを構築す
る工程、該発現ベクターで植物細胞を形質転換する工
程、及び得られる形質転換体から植物を再生する工程を
含むことを特徴とする、複合病害抵抗性植物の作出方
法。 植物の種類、及び複合病害の種類は上記と同様である。
本発明は、アブラナ科に属する植物、特にキャベツ(Br
assica oleracea var. capitata)又はコマツナ(Bras
sica campestris var. perviridis)に由来するディフ
ェンシンをコードする遺伝子(以下、ディフェンシン遺
伝子と呼ぶ。) を植物に導入することによって、複合病害抵抗性が付与
された形質転換植物であり、さらにディフェンシン遺伝
子を含む発現ベクターを構築し、該発現ベクターで植物
細胞を形質転換し、そして得られる形質転換体から植物
を再生することを含むことを特徴とする複合病害抵抗性
植物の作出方法である。
4に示したアミノ酸配列をコードする遺伝子が導入され
たものである。但し、植物間でも品種等によって多少の
アミノ酸配列の相違はあり得る。また、同一植物品種で
あっても突然変異等によってアミノ酸が変化する場合が
ある。よって、本発明では、配列番号2又は4に示すア
ミノ酸配列のうち複数個(1若しくは数個、例えば1〜
10個)のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸
配列を有し、かつ抗菌活性を有するタンパク質コードす
る遺伝子を含有する形質転換植物も、本発明に含まれ
る。
1又は3に示したディフェンシン遺伝子を有する。但
し、当該遺伝子に限定されず、配列番号2又は4に示す
アミノ酸配列をコードするすべての遺伝子を含む。
酸からなるタンパク質であって、抗菌活性を示すという
特徴を有するタンパク質の総称である。ここで、本発明
において抗菌活性とは、糸状菌や細菌等の病原菌に対し
て増殖抑制効果を示す性質を意味する。このようなタン
パク質をコードする遺伝子(ディフェンシン遺伝子)
は、植物に限らず、カブトムシやカイコなどの多様な生
物種に存在する。現在までに報告されているディフェン
シン遺伝子としては、以下のものが挙げられる。
Cell. 7:573-88) ・カブトムシ由来のディフェンシン(Biochem. J. 338:
29-33) ・ カイコ由来のディフェンシン(FEBS Letters. 48
4: 7-11) 本発明者らは、このような知見を基に、キャベツ及びコ
マツナの種子からディフェンシンタンパク質をコードす
る遺伝子を単離することに成功した。
ーニング 本発明において、植物に導入するための遺伝子は、植物
組織から抽出したRNAから精製したmRNAを用いて、RT-PC
R若しくはcDNAライブラリーからのスクリーニングをす
ることによりキャベツ又はコマツナの種子から得ること
ができる。但し、本発明の遺伝子の供給源となる植物
は、キャベツ又はコマツナの種子に限定されるものでは
なく、例えば成長した植物体、植物器官(例えば葉、花
弁、茎等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木
部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)、又は植物培養
細胞(例えばカルス)などであってもよい。さらに本発
明の遺伝子の供給源とする植物は、キャベツ又はコマツ
ナ以外の植物、例えば、限定するものではないが、アブ
ラナ科に属する他の植物等であってもよい。上記植物と
しては、キャベツ及びコマツナが好ましい。キャベツ又
はコマツナからのmRNAの抽出及びcDNAライブラリーの作
製は常法に従って行うことができる。
うことができる。例えば、上記供給源から、グアニジウ
ムチオシアネート-トリフルオロ酢酸セシウム法などに
より全RNAを抽出した後、オリゴdT-セルロースやポリU-
セファロース等を用いたアフィニティーカラム法によ
り、あるいはバッチ法によりポリ(A)+RNA(mRNA)を得る
ことができる。さらに、ショ糖密度勾配遠心法等により
ポリ(A)+RNAをさらに分画してもよい。
て、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖
cDNAを合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成
する。次に、得られた二本鎖cDNAを適当なクローニング
ベクターに組み込んで組換えベクターを作製する。そし
てこの組換えベクターを用いて大腸菌等を形質転換し、
テトラサイクリン耐性、アンピシリン耐性等を指標とし
て形質転換体を選択することにより、cDNAのライブラリ
ーを得ることができる。 ここで、大腸菌の形質転換
は、Hanahanの方法(J. Mol. Biol. 166:557-580, 198
3)、すなわち塩化カルシウム、塩化マグネシウム又は塩
化ルビジウムを共存させて調製したコンピテント細胞
に、組換えベクターを加える方法等により行うことがで
きる。なお、ベクターとしてプラスミドを用いる場合は
テトラサイクリン、アンピシリン等の薬剤耐性遺伝子を
含有することが必要である。また、プラスミド以外のク
ローニングベクター、例えばλファージ(λgt11等)を
用いることもできる。
目的のDNAを有する株を選択するには、例えば、他の植
物に由来するディフェンシンファミリーのアミノ酸配列
に対応する縮重センスプライマー及び縮重アンチセンス
プライマーを合成し、これを用いてPCRを行い、得られ
た断片をプローブとして、cDNAライブラリーからスクリ
ーニングする方法、あるいはλファージ(λgt11等)を
用いた場合は、λgt11インサート増幅用のプライマーを
用いてPCRを行う方法を採用することができる。但し、
本発明においてはこれらのプライマーに限定されるもの
ではない。なお、プライマーは化学合成により調製する
ことができる。
32P、35S又はビオチン等で標識してプローブとし、これ
を形質転換体のDNAを変性固定したニトロセルロースフ
ィルターとハイブリダイズさせ、得られたポジティブ株
を検索することによりスクリーニングすることができ
る。
うち配列番号5に示す配列を有するオリゴヌクレオチド
と、ライブラリー作製時にcDNAをλファージDNAにライ
ゲーションしたcDNA集団のλファージDNAの配列を有す
るオリゴヌクレオチドとの間でPCR法を行い、より長い
部分配列を取得する。その取得した配列を参考としPCR
法によりプローブを作製し、cDNAライブラリーから該遺
伝子をスクリーニングすることが望ましい。
クローニングする。cDNAのクローニングには、例えばRA
CE(Rapid Amplification of cDNA ends)法が用いられ
る。RACE法とは、cDNAの5'又は3'欠失部位をPCRにより
迅速に回収する方法である。なお、RACE法は、市販のキ
ット(MarathonTM cDNA Amplification Kit(Clonetech
社))を用いて行うこともできる。
たcDNAの単離クローンについて、PCR産物をテンプレー
トにしてcDNAの塩基配列を決定する。塩基配列の決定は
マキサム-ギルバートの化学修飾法、又はM13ファージを
用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法等の公知手法に
より行うことができるが、通常は自動塩基配列決定装置
(例えばApplied Biosystems社製ABI373シークエンサー
等)を用いて配列決定が行われる。
物に含まれるディフェンシンをコードする遺伝子の塩基
配列(それぞれキャベツ及びコマツナに由来する)を、
配列番号2及び4に本発明の形質転換植物に含まれるデ
ィフェンシンのアミノ酸配列(それぞれキャベツ及びコ
マツナに由来する)を例示するが、このアミノ酸配列を
含むタンパク質が抗菌活性を有する限り、当該アミノ酸
配列において複数個、好ましくは1若しくは数個のアミ
ノ酸に欠失、置換、付加等の変異が生じてもよい。
ノ酸配列の1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が
欠失してもよく、配列番号2又は4で表わされるアミノ
酸配列に1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が付
加してもよく、あるいは、配列番号2で表されるアミノ
酸配列の1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が他
のアミノ酸に置換してもよい。
ンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる
DNAであって、抗菌活性を有するタンパク質をコードす
るDNAを含む形質転換植物も本発明に含まれる。ストリ
ンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッド
が形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条
件をいう。例えば、相同性が高い核酸、すなわち60%以
上、好ましくは80%以上の相同性を有するDNAの相補鎖
がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸の相補
鎖がハイブリダイズしない条件が挙げられる。より具体
的には、ナトリウム濃度が150〜900mM、好ましくは600
〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは65℃での
条件をいう。
ンシンタンパク質を精製し、各種病原菌の生育培地に添
加して、その増殖抑制効果を確認すればよい。なお、デ
ィフェンシン遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、
Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法
を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘
発法を利用した変異導入用キット(例えばMutan-K(TAKA
RA社製)やMutan-G(TAKARA社製))などを用いて、ある
いは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリー
ズキットを用いて変異の導入が行われる。
定されると、その後は化学合成によって、又はクローニ
ングされたcDNAを鋳型としたPCRによって、あるいは該
塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダ
イズさせることによって、ディフェンシン遺伝子を得る
ことができる。さらに、部位特定変異誘発等によってデ
ィフェンシンをコードする修飾されたDNAを合成するこ
ともできる。
ベクターにディフェンシン遺伝子を連結(挿入)するこ
とにより得ることができる。ディフェンシン遺伝子を挿
入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであ
れば特に限定されず、例えば、プラスミド DNA、ファー
ジ DNA等が挙げられる。
ラスミド(例えばpBR322, pBR325,pUC118, pUC119, pUC
18, pUC19等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB11
0,pTP5,等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13, YE
p24, YCp50等)などが挙げられ、ファージDNAとしては
λファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λg
t10、λgt11、λZAP等)が挙げられる。さらに、レトロ
ウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、
バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いる
こともできる。また、アグロバクテリウム法(後述参
照)を用いて形質転換を行う場合には、バイナリーベク
ター(pBI121等)を使用することができる。
るには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断
し、適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクロ
ーニングサイトに挿入してベクターに連結する方法など
が採用される。
能が発揮されるようにベクターに組み込まれることが必
要である。そこでベクターには、発現カセットとして、
プロモーター、ディフェンシン遺伝子、ターミネーター
のほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメン
ト、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選
択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)などを連結
することができる。なお、選択マーカーとしては、例え
ばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝
子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
シン遺伝子を含む組換えベクターを、当該遺伝子が発現
し得るように植物中に導入することにより得ることがで
きる。
は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、
種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木
部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)又は植物培養細
胞のいずれをも意味するものである。形質転換に用いら
れる植物としては、特に限定されず、単子葉植物綱又は
双子葉植物綱に属する植物のいずれでもよい。単子葉植
物綱及び双子葉植物綱に属する植物の例を以下に示す
が、これらに限定されるものではない。
tivum)、オオムギ(Hordeum vulgare)、トウモロコシ
(Zea mays)等 サトイモ科:サトイモ(Colocasia esculenta)、コン
ニャク(Amorphophallusrivieri)等 パイナップル科:パイナップル(Ananas comosus)等 ヤシ科:ココヤシ(Cocos nucifera)等 ユリ科:ネギ(Allium fistulosum)、タマネギ(Alliu
m cepa)、ニンニク(Allium sativum)、アスパラガス
(Asparagus officinalis)、カタクリ(Erythronium J
aponicum)等
サイ(Beta vulgaris)等 アブラナ科:キャベツ、コマツナ、シロイヌナズナ(Ara
bidopsis thaliana)、アブラナ(Brassica campestris
L.)、ハクサイ(Brassica pekinensis Rupr.)、ダイコン
(Raphanus sativus L.)、ナタネ(Brassica campestris
L., B. napus L.)等 ウリ科:キュウリ(Cucumis sativus)、メロン(Cucum
is melo)、スイカ(Citrullus lanatus)等 キク科:レタス(Lactuca sativa)、ゴボウ(Arctium
lappa)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)等 コショウ科:コショウ(Piper nigrum)等 シソ科:セージ(Salvia officinalis)、バジル(Ocim
um basilicum)等 ナス科:ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Sol
anum tuberosum)、トマト(Lycopersicum esculentu
m)、ピーマン(Capsicum annuum)、タバコ(Nicotian
a tabacum)等 バラ科:ウメ(Prunus mume)、モモ(Prunus persic
a)、リンゴ(Maluspumilavar.domestica)、イチゴ(F
ragaria x ananassa)等 ヒルガオ科:サツマイモ(Ipomonea batatas)等 ブドウ科:ブドウ(Vitis vinifera, Vitis labrusca)
等 マメ科:エンドウ(Pisum sativum)、ソラマメ(Vicia
faba)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ダイズ(G
lycine max)、アズキ(Vigna angularis)等 ミカン科:ウンシュウミカン(Citrus unshiu)、グレ
ープフルーツ(Citrus paradisi)、レモン(Citrus li
mon)等。
法、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン
法、PEG法、エレクトロポレーション法等によって植物
中に導入することができる。例えばアグロバクテリウム
法を用いる場合は、構築した植物用発現ベクターを適当
なアグロバクテリウム、例えばアグロバクテリウム・チ
ュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入
し、この株をリーフディスク法(内宮博文著,植物遺伝
子操作マニュアル,1990,27-31pp,講談社サイエンティフ
ィック,東京)等に従って無菌培養葉片に感染させ、形
質転換植物を得ることができる。
は、植物体、植物器官、植物組織自体をそのまま使用し
てもよく、切片を調製した後に使用してもよく、プロト
プラストを調製して使用してもよい。このように調製し
た試料を遺伝子導入装置(例えばPDS-1000(BIO-RAD社)
等)を用いて処理することができる。処理条件は植物又
は試料により異なるが、通常は450〜2000psi程度の圧
力、4〜12cm程度の距離で行う。
形質転換は、組換えベクターをパーティクルガン法、エ
レクトロポレーション法等で培養細胞に導入する。形質
転換の結果得られるカルスやシュート、毛状根などは、
そのまま細胞培養、組織培養又は器官培養に用いること
が可能であり、また従来知られている植物組織培養法を
用い、適当な濃度の植物ホルモン(オーキシン、サイト
カイニン、ジベレリン、アブシジン酸、エチレン、ブラ
シノライド等)の投与などにより植物体に再生させるこ
とができる。
は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザ
ンハイブリダイゼーション法等により行うことができ
る。例えば、形質転換植物からDNAを調製し、DNA特異的
プライマーを設計してPCRを行う。PCRは、前記プラスミ
ドを調製するために使用した条件と同様の条件で行うこ
とができる。その後は、増幅産物についてアガロースゲ
ル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャ
ピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Gre
en液等により染色し、そして増幅産物を1本のバンドと
して検出することにより、形質転換されたことを確認す
ることができる。また、予め蛍光色素等により標識した
プライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出するこ
ともできる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅
産物を結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を
確認する方法も採用することができる。
た組換えベクターを植物に導入すると、得られる形質転
換植物は、複合病害に対する抵抗性を獲得する。従っ
て、当該形質転換植物は、複合病害抵抗性植物として使
用することができる。ここで、「複合病害」とは、複数
の種類の病原菌による病害であって、例えば糸状菌に由
来する病原菌による病害と細菌に由来する病原菌による
病害を意味する。具体的な植物病原細菌由来の病害とし
ては、イネ白葉枯病、褐条病、もみ枯細菌病、苗立枯病
等、植物病原糸状菌由来の病害としては、イネいもち
病、紋枯病、ごま葉枯病等がある。「複合病害抵抗性」
とは、上記複合病害に対し抵抗性を示す、すなわち、複
合病害による影響を低減させるか、又は全く影響を受け
ないことによって、植物が生存、栄養生長、生殖生長な
どを継続することができることを意味する。
下の方法によって検定することができる。例えば、得ら
れた形質転換植物の葉に針等で傷を付け(Mock処理)、
病原菌を含む菌液を接種し、感染によって傷害を受けた
部分の面積を、同様に処理した非形質転換植物のものと
比較することにより、形質転換植物の抵抗性を検定する
ことができる。当業者であれば、検定条件が検定される
植物種及び病原菌種により変更しうることは明らかであ
る。検定の際に、組織又は細胞を固定した後又は生きた
状態のまま、アニリンブルー(Eschrich W.及びCurrier
H.B., (1964)Stain Technology 39, 303-307)等の色
素で染色することによってさらに容易に比較することが
できる。あるいは、形質転換植物から得られる種子を、
病原菌液に浸漬した後に土壌に蒔き、発芽及び生育させ
て、正常に生育する個体数と、同様に処理した非形質転
換植物の種子から生育する個体数とを比較することによ
って調べることもできる。その他、形質転換した植物細
胞及び非形質転換植物の細胞を病原菌を加えた培地で所
定の期間(例えば、12時間〜10日)培養し、その生
存数を比較することによって検定してもよい。本発明の
形質転換植物の病害抵抗性の検定方法は、上記に限定さ
れない。
ンシン遺伝子が導入された形質転換植物(トランスジェ
ニック植物)を、上記複合病害抵抗性植物として使用し
得る程度に育種することにより作出することができる。
この場合、植物にとって上記各種病害が生じる条件にお
いて枯死等をせずに抵抗性を示す植物を選抜すればよ
い。複合病害抵抗性植物としての使用開始時期は、形質
転換直後であっても、形質転換後に1日〜約90日間培
養又は栽培した後であってもよい。
配(例えば、自家受粉、形質転換植物間での受粉、又は
形質転換植物と非形質転換植物との間の受粉)により繁
殖のための種子を形成させることができる。
化/誘導の手順を用いて、形質転換された植物体の組織
(例えば、根、茎、葉)又は器官(例えば、生長点、花
粉)の組織培養によって、生殖過程(種子)を介するこ
となく、さらなる形質転換植物を得ることができる。こ
のような技術及び手順は当業者には公知であり、組織培
養の一般的な方法は、種々の実験マニュアルに記載され
ている。
抵抗性植物は、形質転換により導入されたディフェンシ
ン遺伝子により阻害されることなく正常に生育し、かつ
ディフェンシン遺伝子の発現によって複合病害に対して
高い抵抗性を示す。さらに、形質転換植物から得られる
種子もまた正常に発芽及び成長し、そして複合病害に対
して高い抵抗性を示す。これは導入されたディフェンシ
ン遺伝子が次世代においても保存されることを示し、そ
れゆえ上記複合病害抵抗性が安定して後代に受け継がれ
ることを示す。従って、本発明により、高い複合病害抵
抗性を示す実用的で有用な植物が得られる。
説明するが、本発明の技術的範囲がこれらの実施例によ
り限定されるべきものではない。 <実施例1> ディフェンシン遺伝子の単離 キャベツ及びコマツナの種子からtotal RNAを抽出し、m
RNAを精製した後、RT-PCRで増幅してディフェンシン遺
伝子を単離した。さらにこれをプローブとしてcDNAライ
ブラリーのスクリーニングを行い、ディフェンシン遺伝
子のcDNA全長を単離した。
い)の作出 (1)ディフェンシン遺伝子の調製 ディフェンシン遺伝子の塩基配列(配列番号1及び配列
番号3)の保存された遺伝子5’領域及びpoly A領域に
基づいて合成された1組のプライマーを用いて、PCR
によりキャベツ及びコマツナのディフェンシン遺伝子cD
NAを増幅し、XbaI及びSacI の制限酵素部位を付加した
ディフェンシン遺伝子を得た。使用したプライマーの塩
基配列を以下に示す: プライマー1:GGGTCTAGAA TGGCYAAGTT TGTGTC(配列番
号6) プライマー2:CCCGAGCTCT TTTTTTTTTT TTTT(配列番号
7)
cDNAのPCR増幅産物をベクターに連結し、得られたク
ローンの塩基配列の解析を行い、その中から抗菌活性領
域(配列番号1のヌクレオチド88-243又は配列番号3の
ヌクレオチド88-243に相当する)にアミノ酸置換を引き
起こす変異が導入された遺伝子を選抜した。該遺伝子に
XbaI及びSacI の制限酵素部位を付加し、ディフェンシ
ン改変遺伝子を得た。
バイナリーベクターの構築 形質転換用バイナリーベクターは、ハイグロマイシン耐
性遺伝子(HPT)を導入したpPZP202を用いた。pPZP202を
制限酵素XbaI/SacI で消化し、上記(1)及び(2)で
得られたディフェンシン遺伝子及び改変遺伝子を挿入し
て、ディフェンシン発現ベクターpPZP202-Defensin を
得た。ディフェンシン発現カセットとは、pPZP202-Defe
nsin中のディフェンシンを制御するCaMV35Sプロモータ
ーからHPT遺伝子の3’側に位置するnos ターミネーター
までの部分である。
バイナリーベクターのアグロバクテリウム EHA101 株へ
の導入 ディフェンシン発現カセットを含むバイナリーベクター
のアグロバクテリウムEHA101 株への導入は、エレクト
ロポレーション法で行った。カナマイシン(50μg/ml)
及びハイグロマイシン(50μg/ml)を含むYEB培地上に
塗布し、30℃にて約36時間培養することにより、バ
イナリーベクターが導入されたアグロバクテリウム EHA
101 株の形質転換株を得た。このアグロバクテリウム E
HA101 株中のディフェンシン発現カセットをPCRにより
増幅し、アガロース電気泳動によってその存在を確認し
た。
ジクロロフェノキシ酢酸(以下2.4-Dと呼ぶ。)を含む
MS固形培地(Murashigeら、Physiol. Plant., 15, 47
3 (1962))上で28℃にて4週間培養した。誘導したカ
ルスの感染前培養は、カルスを2 mg/l 2.4-D及び1 g/l
カザミノ酸を含むMS培地(共存培地)に移植して3
日間行った。アグロバクテリウムの感染操作は、感染前
培養4日目にディフェンシン発現カセットを含むプラス
ミドが導入されたアグロバクテリウムEHA101菌液にカル
スを浸漬した。回収したカルスは共存培地上に置床して
共存培養を3日間行った。その後カルスをカルベニシリ
ン及びハイグロマイシンを含む選抜培地に置床し、28
℃で2週間培養を行った。選抜培地上で増殖したカルス
は、カルベニシリン及びハイグロマイシンを含む再分化
培地に置床した。約2〜3週間後に再分化した形質転換
イネを得た。
転換イネの抵抗性検定 イネいもち病に対する抵抗性検定には、4〜5葉期の形
質転換イネ及び非形質転換イネの幼苗を用いた。いもち
病菌の接種条件は、菌懸濁液(レース007,胞子数5X108
/ml)を葉面に噴霧した後25℃で24時間温室に静置
した。その後隔離温室に移動し、イネいもち病菌による
発病の程度は肉眼で評価した。イネいもち病に対する抵
抗性の指標はイネいもち病発病指数(東ら、1995
年、農研センター研究資料第30号)を用い、その指数
は無発病を(0)とし、軽症(1)から重症(10)で
表した。
い病害抵抗性を示した。図1は、上記抵抗性検定の結果
の一例を示す写真である。左から、(a)イネいもち病
菌を接種した非形質転換体(どんとこい)、(b)イネ
いもち病菌を接種した形質転換イネ当代、及び(c)非
接種の非形質転換体(どんとこい)を示す。
転換イネの抵抗性検定 イネ白葉枯病に対する抵抗性検定は、形質転換イネの成
葉及び非形質転換イネの成葉を用いて行った。白葉枯病
の接種は、イネ成葉の先端を白葉枯病菌の懸濁液に浸し
たハサミで切除して行った。白葉枯病に対する抵抗性の
検定は、接種後14,21及び28日後の合計3回、イ
ネ白葉枯病菌の感染によって障害が進行した距離を測定
することによって評価した。
い病害抵抗性を示した。図2は、上記抵抗性検定の結果
の一例を示す写真である。上から、(a)イネ白葉枯病
菌の接種にきわめて強い抵抗性を示す形質転換イネ当代
の葉、(b)イネ白葉枯病菌の接種にやや強い抵抗性を
示す形質転換イネ当代の葉、及び(c)イネ白葉枯病菌
を接種した非形質転換体(どんとこい)の葉を示す。
れにも抵抗性を示す形質転換イネが得られた。図3に、
いもち病及び白葉枯病に対する複合病害抵抗性を示す形
質転換イネ系統の抵抗性評価を示した。
である: ・E又はFではじまる系統は、キャベツ由来のディフェン
シン遺伝子を導入した形質転換体 ・Bではじまる系統は、キャベツ由来の改変遺伝子を導
入した形質転換体 ・Cではじまる系統は、コマツナ由来のディフェンシン
遺伝子を導入した形質転換体 ・Dではじまる系統は、コマツナ由来の改変遺伝子を導
入した形質転換体。
び改変遺伝子を導入した形質転換体から、いもち病及び
白葉枯病のいずれにも抵抗性を示す系統を得ることがで
きることがわかった。
質転換イネの選抜及び耐病性検定 採種したT1種子と原品種の「どんとこい」種子を100
mg/l ハイグロマイシンを含むMS培地で発芽させ、1
週間培養した。「どんとこい」種子はハイグロマイシン
の影響で全粒、発芽後黒変し枯死した。一方、T1種子
は正常に生育した個体と枯死した個体に分離し、ハイグ
ロマイシン耐性遺伝子を含むディフェンシン発現カセッ
トが導入され、かつ発現しているT1世代の形質転換イ
ネを選抜した。
T1世代の形質転換イネに遺伝した。いもち病接種検定
は、上述のT0世代の場合と同様の条件で行った。結果
を図4に示した。T0世代で強いいもち病抵抗性を示し
た個体の後代が、非形質転換体と比較して安定的に強い
いもち病抵抗性を示す結果を図5に示した。
T1世代の形質転換イネに遺伝した。白葉枯病接種検定
は、上述のT0世代の場合と同様の条件で行った。結果
を図6に示すように、T0世代で白葉枯病抵抗性を示し
た個体の後代は、安定的に強い白葉枯病抵抗性を示し
た。
フェンシンをコードする遺伝子を植物に導入することに
よって、細菌又は糸状菌にかかわらず複数種の病害に対
して抵抗性を示す形質転換植物が作出される。このよう
な植物の作出方法もまた、本発明によって提供される。
病害に弱い多くの高品質植物品種は、本発明の実施によ
って複合病害抵抗性を獲得し、安定して生産される。さ
らに複合病害抵抗性を示すことから、病原菌による発病
を防止する農薬の依存度を飛躍的に軽減することも可能
となり、本発明は農作物生産に大きく貢献する。
のイネいもち病に対する抵抗性検定の結果を示す写真で
ある。
のイネ白葉枯病に対する抵抗性検定の結果を示す写真で
ある。
た形質転換イネのイネいもち病及びイネ白葉枯病に対す
る複合病害抵抗性を示したグラフである。
イネのイネいもち病に対する抵抗性の経時的な推移を抵
抗性評価指数により示したグラフである。
イネのイネいもち病に対する抵抗性を非形質転換体と比
較して示したグラフである。
イネのイネ白葉枯病に対する抵抗性の経時的な推移を病
斑長で示したグラフである。
Claims (23)
- 【請求項1】 以下の(a)又は(b)のタンパク質。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質 - 【請求項2】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
する遺伝子。 (a) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2若しくは4に示されるアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されており、かつ抗菌活性を有するタンパク質 - 【請求項3】 配列番号2若しくは4に示されるアミノ
酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子が以下の
(c)又は(d)のDNAを含むものである、請求項2記載のタ
ンパク質。 (c) 配列番号1若しくは3に示す塩基配列からなるDNA (d) 配列番号1若しくは3に示す塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
抗菌活性を有するタンパク質をコードするDNA - 【請求項4】 請求項2又は3記載の遺伝子を含む形質
転換植物。 - 【請求項5】 植物が、植物体、植物器官、植物組織又
は植物培養細胞である、請求項4記載の形質転換植物。 - 【請求項6】 植物が単子葉綱又は双子葉綱の植物であ
る、請求項4又は5記載の形質転換植物。 - 【請求項7】 単子葉綱の植物がイネ科に属するもので
ある、請求項6記載の形質転換植物。 - 【請求項8】 イネ科に属する植物がイネである、請求
項7記載の形質転換植物。 - 【請求項9】 複合病害抵抗性を示す請求項4〜8のい
ずれか1項に記載の形質転換植物。 - 【請求項10】 複合病害が少なくとも1種の植物病原
菌由来の病害である、請求項9記載の形質転換植物。 - 【請求項11】 植物病原菌由来の病害が植物病原細菌
由来又は植物病原糸状菌由来のものである、請求項10
記載の形質転換植物。 - 【請求項12】 植物病原細菌由来の病害がイネ白葉枯
病、褐条病、もみ枯細菌病及び/又は苗立枯病である、
請求項11記載の形質転換植物。 - 【請求項13】 植物病原糸状菌由来の病害がイネいも
ち病、紋枯病及び/又はごま葉枯病である、請求項11
記載の形質転換植物。 - 【請求項14】 請求項4〜13のいずれか1項に記載
の形質転換植物から得られる種子。 - 【請求項15】 請求項2又は3記載の遺伝子を植物に
導入することにより、植物に複合病害抵抗性を付与する
方法。 - 【請求項16】 請求項2又は3記載の遺伝子を含む発
現ベクターを構築する工程、該発現ベクターで植物を形
質転換する工程、及び得られる形質転換体から植物体を
再生する工程を含むことを特徴とする、複合病害抵抗性
植物の作出方法。 - 【請求項17】 植物が単子葉綱又は双子葉綱のもので
ある、請求項16記載の方法。 - 【請求項18】 単子葉綱の植物がイネ科に属するもの
である、請求項17記載の方法。 - 【請求項19】 イネ科に属する植物がイネである、請
求項18記載の方法。 - 【請求項20】 複合病害が少なくとも1種の植物病原
菌由来の病害である、請求項16〜19のいずれか1項
に記載の方法。 - 【請求項21】 植物病原菌由来の病害が植物病原細菌
由来又は植物病原糸状菌由来のものである、請求項20
記載の方法。 - 【請求項22】 植物病原細菌由来の病害がイネ白葉枯
病、褐条病、もみ枯細菌病及び/又は苗立枯病である、
請求項21記載の方法。 - 【請求項23】 植物病原糸状菌由来の病害がイネいも
ち病、紋枯病及び/又はごま葉枯病である、請求項21
記載の方法。
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