JP2003077409A - 電界放出表示装置用スペーサーとその製造方法、これを用いた電界放出表示装置用基板とその製造方法、これを用いた電界放出表示装置 - Google Patents

電界放出表示装置用スペーサーとその製造方法、これを用いた電界放出表示装置用基板とその製造方法、これを用いた電界放出表示装置

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JP2003077409A
JP2003077409A JP2001266211A JP2001266211A JP2003077409A JP 2003077409 A JP2003077409 A JP 2003077409A JP 2001266211 A JP2001266211 A JP 2001266211A JP 2001266211 A JP2001266211 A JP 2001266211A JP 2003077409 A JP2003077409 A JP 2003077409A
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Daisuke Takahashi
大輔 高橋
Shinichi Handa
真一 半田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電界放出表示装置用スペーサー及びスペーサー
付基板において、耐電防止効果のあるスペーサー2を作
製する。 【解決手段】電界放出表示装置用スペーサーの体積固有
抵抗値を108〜1014Ω・cmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度かつ安価な
薄型の大画面用カラー表示装置等に用いられる電界放出
表示装置用スペーサーとこれを用いた基板及びその製造
方法並びにこれを用いた電界放出表示装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から画像表示装置として多用されて
きたCRTは、容積及び重量が大である等の欠点から、
近年のマルチメディアの浸透に伴い、情報のインターフ
ェイスとして発光ダイオード(LED)や液晶(LC
D)、或いは、プラズマアドレス液晶(PALC)、電
界放出表示装置(FED)、プラズマディスプレイ(P
DP)等の大型画面で高画質、その上、軽量薄型で設置
場所を選ばない等の特長を有する平面画像表示装置が開
発され、これらの利用範囲が拡大しつつある。
【0003】かかる要求に応える平面画像表示装置とし
て、基板上に形成された電界放出素子から放出された電
子により蛍光体を発光させる構造の電界放出表示装置
(FED)が大型画面用カラー画像表示装置として近年
特に注目されている。
【0004】このようなFEDは、図5に示すように、
RGBの各画素に対応するように、背面板3上に電子を
放出する電界放出素子5を形成し、また前面板1上には
電子線により発光を行う蛍光体4を形成し、この前面板
1と背面板3をスペーサー2を介して所定の間隔になる
ように貼り合わせることで平板状の真空容器を形成し、
前記電界放出素子5に所定の電圧を印加して電子を放出
させることにより、画面上の所望の位置に所望の光点を
表示し画像表示を行うものである。
【0005】このように、前面板1と背面板3を一定に
保持する為にスペーサー2が用いられたFEDが特開平
2−10542号公報に、また、スペーサー2として柱
状体を用いたFEDが特開平10−92314号公報に
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】FEDにおいてスペー
サー2を用いた場合、電界放出素子5から放出した電子
が絶縁材から成るスペーサー2表面に帯電し、異常放電
が発生してしまうという問題があった。そこで帯電防止
材として、酸化クロムなどの金属酸化物を塗布すること
が行われているが、予め板状または柱状の形状に作製し
たスペーサーを用意した後、スペーサーの表面に酸化ク
ロムなどをコーティングする方法では、製造工程中に欠
けが発生し易く量産が困難であり、また蒸着などのプロ
セスを用いた場合、製造コストが高くなる問題があっ
た。
【0007】本発明は、上記課題を解決する為に成され
たものであり、その目的は安価で高精度かつ帯電防止効
果のある電界放出表示装置用スペーサー及びスペーサー
付基板並びにその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
鑑み鋭意研究検討した結果、金属酸化物を含有したスペ
ーサ材及び剥離層を基板上に積層し、スペーサーとなる
溝形状を有する型を用いてスペーサーを形成し、スペー
サー成形体の頂部に保護層を形成し、成形体間のスペー
サー材料及び剥離層を除去することで、高精度かつ帯電
防止効果のある電界放出表示装置用スペーサー及びスペ
ーサー付基板を製造できることを見いだし、本発明に至
った。
【0009】即ち、電界放出表示装置における前面板と
背面板を所定の間隔とする為に用いられるスペーサーで
あって、その体積固有抵抗値が108〜1014Ω・cm
であることを特徴とするものであり、また、上記スペー
サーが金属酸化物を含有し、更に、上記金属酸化物とし
て酸化クロムを0.1重量%以上含有することを特徴と
するものである。
【0010】また、上記スペーサーが複数層からなり、
最も外側の層が金属酸化物とガラスの混合物から成り、
体積固有抵抗値が108〜1014Ω・cmであることを
特徴とし、更に、上記金属酸化物として、酸化クロムを
0.1重量%以上含有することを特徴とするものであ
る。
【0011】また、本発明は、次の工程により製造する
ことを特徴とする電界放出表示装置用スペーサーの製造
方法である。 (1)剥離層、金属酸化物を含有する単層若しくは複数
層のスペーサー層、剥離層の順に積層した基板上に、成
形用組成物層を形成し、スペーサー成形用凹部を有する
型を押圧して上記成形用組成物をスペーサー形状に成形
する工程。 (2)得られた成形体のスペーサー形状部の頂部に保護
層を形成する工程。 (3)上記成形体のスペーサー形状部間における成形用
組成物層、スペーサー層、剥離層を除去する工程。 (4)上記工程により得られた形成体を一括焼成し、剥
離層間のスペーサーを得る工程。
【0012】更に本発明は、次の工程により製造するこ
とを特徴とする電界放出表示装置用スペーサーの製造方
法である。 (1)金属酸化物を含有する剥離層、単層若しくは複数
層のスペーサー層、金属酸化物を含有する剥離層の順に
積層した基板上に、成形用組成物層を形成し、スペーサ
ー成形用凹部を有する型を押圧して上記成形用組成物を
スペーサー形状に成形する工程。 (2)得られた成形体のスペーサー形状部の頂部に保護
層を形成する工程。 (3)上記成形体のスペーサー形状部間における成形用
組成物層、スペーサー層、剥離層を除去する工程。 (4)上記工程により得られた形成体を一括焼成し、剥
離層間のスペーサーを得る工程。
【0013】また本発明は、次の工程により基板上に互
いに平行な複数のスペーサーを一体的に形成することを
特徴とする電界放出表示装置用基板の製造方法である。
(1)基板上に金属酸化物を含有した単層若しくは複数
層のスペーサー成形用組 成物を形成し、スペーサー成形用凹部を有する型を押圧
して上記基板上にスペーサーを成形する工程。 (2)所定のスペーサーの頂部に保護層を形成する工
程。 (3)上記スペーサー間のスペーサー成形用組成物を除
去する工程。 (4)上記工程により得られた形成体を一括焼成する工
程。
【0014】本発明では、従来非常に困難であった高ア
スペクト比なスペーサーを基板と一体に高精度に形成が
行え、スペーサーを配置する工程が不要となり、しいて
は安価に電界放出表示装置用スペーサー付基板を製造す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の電界放出表示装置
用スペーサー及び電界放出表示装置用基板について、図
面に基づき詳細に説明する。
【0016】図1は電界放出表示装置の断面図を示すも
のである。
【0017】電界放出表示装置は、前面板1上に複数の
スペーサー2が形成され、スペーサー2間には蛍光体4
がライン状に形成され、背面板3上には電界放出素子5
がライン状に形成される。前面板1と背面板3をスペー
サー2を介して貼り合わせ、封止することでFEDのパ
ネルは構成される。高真空に封止されたパネル内では、
前記電界放出素子5に電圧を加えることで電子線を発
生、加速させ、これによって前記蛍光体4の発光を行わ
せることができる。
【0018】本発明のスペーサー2は、その体積固有抵
抗値が、108〜1014Ω・cmであることを特徴とし
ている。これは、絶縁性を有しながら、異常放電につな
がる帯電を防ぐ為に必要であり、体積固有抵抗値が10
8Ω・cm未満であると電気絶縁性に乏しくなり、10
14Ω・cmを超えると帯電性が大きくなってしまう為で
ある。
【0019】また、図1(a)に示すようにスペーサー
2全体が、体積固有抵抗値108〜1014Ω・cmの材
質から成るものだけでなく、図1(b)のように、スペ
ーサー2が複数層から成り、最も外側の2つの外側層2
aが体積固有抵抗値108〜1014Ω・cmの材質から
成るものでも良い。
【0020】また、スペーサー2はシリカを主成分とす
るものであり、体積固有抵抗値を108〜1014Ω・c
mとする為に金属酸化物を含有させる。金属酸化物とし
ては、酸化クロム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化
スズを用いるが、特に酸化クロムが好ましい。例えば、
図1(a)ではスペーサー2が酸化クロムを含有してお
り、図1(b)では、酸化クロムを含有した外側層2a
で内側層2bを挟んだ3層構造のスペーサー2としてあ
る。
【0021】酸化クロムは比較的電気抵抗値が大きく且
つ、2次電子放出係数が小さいという特性を持つ為で、
電界放出素子5より放出される電子のスペーサー2表面
への帯電を抑制し、その結果、異常放電を防止すること
ができる。この時の酸化クロムの含有量は0.1重量%
以上、40重量%以下が好ましい。これは、0.1重量
%未満となると、異常放電を防止する効果が現れず、4
0重量%を超えると、焼結性が弱くなり、強度上問題と
なる為である。
【0022】また、前面板1上にスペーサー2を形成す
る際、従来はサンドブラスト法や印刷法にて形成される
が、前者ではブラスト中にサイドエッジの発生が大きく
なり強度的に弱くなってしまう。後者については、多数
回の印刷工程が必要となり、また、寸法精度も落ちてし
まう。そのため、スペーサー2と前面板1を一体で形成
することは困難であった。これに対して、本発明では、
スペーサー材料を型で加圧し成形することで、スペーサ
ー2を一括で成形することができる。
【0023】次に、図2に本発明の電界放出表示装置用
スペーサーの製造方法について、図面に基づき詳細に説
明する。
【0024】図2は、本発明のスペーサー2を単体で製
造する方法を示すものである。
【0025】先ず、図2(a)に示すように、基板6上
に、剥離層7、酸化クロムなどの金属酸化物を含有する
スペーサー材料層8a、剥離層7の順に積層し、この上
に成型物組成層10を形成する。尚、この時に形成する
スペーサー材料層8aは単層又は、材質の異なる複数層
の何れでも良い。
【0026】次に図2(b)に示すように、スペーサー
2の形状に合致した複数の溝9aを刻設したスペーサー
成形型9で成型物組成層10を加圧して、基板6上にス
ペーサー2aの形状を成形する。
【0027】次に図2(c)に示すように、成形体のス
ペーサー形状部の頂部に保護層11を形成する。
【0028】次に図2(d)に示すように、サンドブラ
ストなどによって成形体のスペーサー形状部間の成型物
組成層10、スペーサー材料層8a、剥離層7を除去す
る。
【0029】最後に図2(e)に示すように、得られた
成形体を所定の温度パターンで一括焼成を行い、2つの
剥離層7で剥離することによりスペーサー2の単体を得
ることができる。
【0030】図3は、本発明の電界放出表示装置用スペ
ーサーの製造方法を示すものである。
【0031】先ず、図3(a)に示すように、基板6上
に、酸化クロムなどの金属酸化物を含有する剥離層7
a、スペーサー材料層8、酸化クロムなどの金属酸化物
を含有する剥離層7aの順に積層し、この上に成型物組
成層10を形成する。尚、この時に形成するスペーサー
材料層8は単層又は、材質の異なる複数層の何れでも良
い。
【0032】次に図3(b)に示すように、スペーサー
2の形状に合致した複数の溝9aを刻設したスペーサー
成形型9で成型物組成層10を加圧して、基板6上にス
ペーサー2の形状を成形する。
【0033】次に図3(c)に示すように、成形体のス
ペーサー形状部の頂部に保護層11を形成する。
【0034】次に図3(d)に示すように、サンドブラ
ストなどによって成形体のスペーサー形状部間の成型物
組成層10、スペーサー材料層8、剥離層7aを除去す
る。
【0035】最後に図3(e)に示すように、得られた
成形体を所定の温度パターンで一括焼成を行い、2つの
剥離層7aで剥離することにより酸化クロムなどの金属
酸化物を含有した外側層2aに挟まれたスペーサー2を
得ることができる。
【0036】次に、図4に本発明の電界放出表示装置用
基板の製造方法について、図面に基づき詳細に説明す
る。
【0037】先ず、図4(a)に示すように、予め前面
板1に、酸化クロムなどの金属酸化物を含有するスペー
サー成形用組成物から成るスペーサー材料層8aを形成
する。尚、この時に形成するスペーサー材料層8aは単
層又は、材質の異なる複数層の何れでも良い。
【0038】次に、図4(b)に示すように、スペーサ
ー2の形状に合致した複数の溝9aを刻設したスペーサ
ー成形型9でスペーサー材料層8aを加圧して、前面板
1上にスペーサー2aを成形する。
【0039】次に、図4(c)に示すように、所定の成
形体のスペーサー形状部の頂部に保護層11を形成し、
サンドブラストなどにより成形体のスペーサー形状部間
のスペーサー材料層8を除去する。
【0040】最後に図4(d)に示すように、得られた
成形体を所定の温度パターンで一括焼成を行うことで、
本発明の電界放出表示装置用スペーサー付基板を得るこ
とができる。
【0041】前記スペーサー材料層8は、前面板1また
は基板6上に直接塗布し乾燥させる手法や、予めスペー
サー成形用組成物をテープ成形し、それを前面板1また
は基板6上に転写、密着させる手法などいずれの手法で
でも形成することが可能である。
【0042】本発明で使用する前記スペーサー材料層8
及び成形用組成物10としては、セラミック材料または
焼成後にガラス質となり、気密性を保持できるセラミッ
ク又はガラス粉末から成るガラス材料であれば何れでも
良く、例えば、低融点ガラス粉末と酸化物セラミック粉
末の混合物等を無機成分として使用することができ、該
無機成分と溶媒及び有機性添加物の混合物を適宜調整し
て使用することができる。本発明の金属酸化物を含有し
たスペーサー外側層2aとはスペーサー材料8に酸化ク
ロムなどの金属酸化物が添加されたものである。
【0043】前記低融点ガラス粉末としては、ケイ酸塩
を主成分とし、酸化鉛、亜鉛、硫黄、セレン、明礬、マ
ンガン、アルカリ塩、酸化ビスマス等の一種以上を含有
した各種ガラス材料を用いることができる。なお、前記
セラミック又はガラス粉末、酸化クロムの粒径は、数十
μmからサブミクロンのものが好適に用いることがで
き、具体的には0.2〜10μm、好ましくは0.2〜
5μmの範囲が望ましい。
【0044】前記溶媒としては、前記有機性添加物と相
溶するものであれば特に限定するものではない。
【0045】前記有機性添加物としては、熱可塑性樹
脂、あるいは紫外線硬化樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性
樹脂等を用いることができる。その他としては、分散
剤、離型剤、硬化剤、滑材、可塑剤等の各種有機物を用
いることができる。
【0046】前記スペーサー成形型9の形状は平板形
状、円筒形状等、如何なるものでも良く、スペーサー2
の大きさ、ピッチ等の形状に対応するような溝9aを多
数有しており、その材質は、金属、セラミック、樹脂等
を使用することができる。
【0047】また、本発明の前面板1または基板6とし
て用いる基板としては、ソーダライムガラスや低ソーダ
ガラス、鉛アルカリケイ酸ガラス、ホウケイ酸塩ガラ
ス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板やセラミック
基板を用いることができる。
【0048】また、前記前面板1または基板6上に各組
成物から成る各材料シートを形成する手段は、特に限定
するものではないが、例えば、ロールコーター、ドクタ
ーブレード、スクリーン印刷、グラビア印刷等で直接に
前面板1または基板6上に形成する手法、テープ成形機
やロール圧延機などにより所定のシート形状とした物
を、所望の形状に切断し、前面板1または基板6上に転
写する手法などを用いることができ、最終的に均一な膜
厚で形成できればよい。
【0049】また、前記前面板1または基板6は平坦で
あるものならばいずれでも良く、特に限定されるもので
はない。
【0050】また、本発明の実施形態では前面板1を例
にしたが、背面板3側へのスペーサー形成も何ら問題な
い。
【0051】
【実施例】次に、本発明の電界放出表示装置用基板とそ
の製造方法について以下のように評価した。 (実施例1)先ず、基板6として厚さ3mmで40イン
チサイズのソーダライムガラスを使用し、鉛ガラスを主
成分とした剥離層7と鉛ガラスを主成分とした粉末に酸
化クロムを10重量%添加したスペーサー層8aと鉛ガ
ラスを主成分としてバインダー、溶剤、分散剤、粘度調
整剤、可塑剤を添加した成形用組成物10を用いて、こ
れを基板6上にスリットコーターにて塗布し、それを乾
燥し、剥離層7、スペーサー層8a、剥離層7、成形用
組成物10の順に積層を行った。
【0052】次にスペーサー成形型9として金属からな
る、ピッチ5000μm、幅3000μm、深さ300
μmの溝9aを有したものを用いて、成形用組成物10
を加圧し塑性変形させ基板6上に成形した。
【0053】その後、基板6を大気中580℃の焼成を
行い、本発明の電界放出表示装置用スペーサー2aを得
た。
【0054】以上のようにして、得られた電界放出表示
装置用スペーサーは表面に酸化クロムを含有しており、
パネル化した後、テスト表示を行ったところ、基板全面
にわたり異常放電なく、均一に発光させることができ
た。また、スペーサー2aに欠けは発生しなかった。
尚、得られたスペーサーの体積固有抵抗値は、1012Ω
・cmであった。 (実施例2)先ず、基板6として厚さ3mmで40イン
チサイズのソーダライムガラスを使用し、鉛ガラスを主
成分とし酸化クロムを10重量%添加した剥離層7aと
鉛ガラスを主成分としたスペーサー層8と鉛ガラスを主
成分としてバインダー、溶剤、分散剤、粘度調整剤、可
塑剤を添加した成形用組成物10を用いて、これを基板
6上にスリットコーターにて塗布し、それを乾燥し、剥
離層7a、スペーサー層8、剥離層7a、成形用組成物
10の順に積層を行った。
【0055】次にスペーサー成形型9として金属からな
る、ピッチ5000μm、幅3000μm、深さ300
μmの溝9aを有したものを用いて、成形用組成物10
を加圧し塑性変形させ基板6上に成形した。
【0056】その後、基板6を大気中580℃の焼成を
行い、本発明の酸化クロムを含有したスペーサー2aに
挟まれた電界放出表示装置用スペーサー2を得た。
【0057】以上のようにして、得られた電界放出表示
装置用スペーサーは表面に酸化クロムを含有しており、
パネル化した後、テスト表示を行ったところ、基板全面
にわたり異常放電なく、均一に発光させることができ
た。また、スペーサー2に欠けは発生しなかった。尚、
得られたスペーサーの体積固有抵抗値は、1012Ω・c
mであった。 (比較例)先ず、基板6として厚さ3mmで40インチ
サイズのソーダライムガラスを使用し、鉛ガラスを主成
分とした剥離層7と鉛ガラスを主成分としたスペーサー
層8と鉛ガラスを主成分としてバインダー、溶剤、分散
剤、粘度調整剤、可塑剤を添加した成形用組成物10を
用いて、これを基板6上にスリットコーターにて塗布
し、それを乾燥し、剥離層7、スペーサー層8、剥離層
7、成形用組成物10の順に積層を行った。
【0058】次にスペーサー成形型9として金属からな
る、ピッチ5000μm、幅3000μm、深さ300
μmの溝9aを有したものを用いて、成形用組成物10
を加圧し塑性変形させ基板6上に成形した。
【0059】その後、基板6を大気中580℃の焼成を
行い、電界放出表示装置用スペーサー2を得た。
【0060】以上のようにして、得られた電界放出表示
装置用スペーサーは表面に酸化クロムを含有しておら
ず、パネル化した後、テスト表示を行ったところ、異常
放電が発生し、均一に発光させることができなかった。
尚、得られたスペーサーの体積固有抵抗値は、1015Ω
・cmであった。
【0061】これらの結果からも明らかなように、比較
例においては異常放電が発生しており、均一な発光を行
うことができない。一方、本発明実施例においては異常
放電は発生しておらず、帯電防止効果のあるスペーサー
を形成することができる。
【0062】尚、本発明は実施例に何等限定されるもの
ではない。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明の電界放出表示装置
用スペーサー及び電界放出表示装置用基板は、スペーサ
ー及びスペーサー付基板の作製と同時に酸化クロム等の
金属酸化物を含有してスペーサーを所定の抵抗値とする
ことができ、スペーサー表面の帯電による異常放電を防
止することができる。その結果、これを用いて構成した
電界放出表示装置は表示ムラの少ない高品位な画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明による電界放出表示装
置用基板の断面図である。
【図2】(a)〜(e)は本発明に係る電界放出表示装
置用スペーサーの製造方法を示す図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明に係る電界放出表示装
置用スペーサーの製造方法を示す図である。
【図4】(a)〜(e)は本発明に係る電界放出表示装
置用付基板の製造方法を示す図である。
【図5】一般的な電界放出表示装置用基板の断面図であ
る。
【符号の説明】
1:前面板 2:スペーサー 2a:外側層 2b:内側層 3:背面板 4:蛍光体 5:電界放出素子 6:基板 7:剥離層 7a:剥離層 8:スペーサー材料層 8a:スペーサー材料層 9:スペーサー成形型 9a:溝部 10:成形用組成物 11:保護層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電界放出表示装置における前面板と背面板
    を所定の間隔とする為に用いられるスペーサーであっ
    て、その体積固有抵抗値が108〜1014Ω・cmであ
    ることを特徴とする電界放出表示装置用スペーサー。
  2. 【請求項2】上記スペーサーが金属酸化物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電界放出表示装置用スペ
    ーサー。
  3. 【請求項3】上記金属酸化物として酸化クロムを0.1
    重量%以上含有することを特徴とする請求項2記載の電
    界放出表示装置用スペーサー。
  4. 【請求項4】上記スペーサーが複数層からなり、最も外
    側の層が金属酸化物とガラスの混合物から成り、その体
    積固有抵抗値が108〜1014Ω・cmであることを特
    徴とする請求項1記載の電界放出表示装置用スペーサ
    ー。
  5. 【請求項5】上記金属酸化物として、酸化クロムを0.
    1重量%以上含有することを特徴とする請求項4記載の
    電界放出表示装置用スペーサー。
  6. 【請求項6】次の工程により製造することを特徴とする
    電界放出表示装置用スペーサーの製造方法。 (1)剥離層、金属酸化物を含有する単層若しくは複数
    層のスペーサー層、剥離層の順に積層した基板上に、成
    形用組成物層を形成し、スペーサー成形用凹部を有する
    型を押圧して上記成形用組成物をスペーサー形状に成形
    する工程。 (2)得られた成形体のスペーサー形状部の頂部に保護
    層を形成する工程。 (3)上記成形体のスペーサー形状部間における成形用
    組成物層、スペーサー層、剥離層を除去する工程。 (4)上記工程により得られた形成体を一括焼成し、剥
    離層間のスペーサーを得る工程。
  7. 【請求項7】次の工程により製造することを特徴とする
    電界放出表示装置用スペーサーの製造方法。 (1)金属酸化物を含有する剥離層、単層若しくは複数
    層のスペーサー層、金属酸化物を含有する剥離層の順に
    積層した基板上に、成形用組成物層を形成し、スペーサ
    ー成形用凹部を有する型を押圧して上記成形用組成物を
    スペーサー形状に成形する工程。 (2)得られた成形体のスペーサー形状部の頂部に保護
    層を形成する工程。 (3)上記成形体のスペーサー形状部間における成形用
    組成物層、スペーサー層、剥離層を除去する工程。 (4)上記工程により得られた形成体を一括焼成し、剥
    離層間のスペーサーを得る工程。
  8. 【請求項8】請求項1〜5の何れかのに記載の電界放出
    表示装置用スペーサーを、基板に一体的に形成したこと
    を特徴とする電界放出表示装置用基板。
  9. 【請求項9】次の工程により基板上に互いに平行な複数
    のスペーサーを一体的に形成することを特徴とする電界
    放出表示装置用基板の製造方法。 (1)基板上に金属酸化物を含有した単層若しくは複数
    層のスペーサー成形用組成物を形成し、スペーサー成形
    用凹部を有する型を押圧して上記基板上にスペーサーを
    成形する工程。 (2)所定のスペーサーの頂部に保護層を形成する工
    程。 (3)上記スペーサー間のスペーサー成形用組成物を除
    去する工程。 (4)上記工程により得られた形成体を一括焼成する工
    程。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の電界放出表示装置用基
    板に、蛍光体、電界放出素子を備えてなることを特徴と
    する電界放出表示装置。
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