JP2003073560A - 特異なモルフォロジーを形成しうる樹脂組成物 - Google Patents
特異なモルフォロジーを形成しうる樹脂組成物Info
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- JP2003073560A JP2003073560A JP2001270006A JP2001270006A JP2003073560A JP 2003073560 A JP2003073560 A JP 2003073560A JP 2001270006 A JP2001270006 A JP 2001270006A JP 2001270006 A JP2001270006 A JP 2001270006A JP 2003073560 A JP2003073560 A JP 2003073560A
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Abstract
物であって、耐衝撃性、特にダート衝撃特性に優れ、同
時に耐熱性、引張り特性、難燃性を高いレベルで達成で
きる樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 2種類以上の異なる熱可塑性樹脂及び亜
鉛化合物とからなる組成物であって、分散相におけるT
EM−EDXにより得られるZn元素の存在比(R)が
0.0005以上であり、Rm=0の場合、Rd>Rm
を満たし、Rm≠0の場合、150Rm>Rd>Rmを
満たすことを特徴とするモルフォロジーを形成しうる樹
脂組成物。ここでZn元素の存在比(R)=(Zn元素
のLα線カウント数)/(C元素のKα線カウント
数)、Rd:分散相におけるR、Rm:連続相における
R。
Description
ジーを形成しうる樹脂組成物であって、耐衝撃性、特に
ダート衝撃特性に優れ、同時に耐熱性、引張り特性、難
燃性が高いレベルで達成できる樹脂組成物に関するもの
である。
性、耐熱水性、寸法安定性および機械的、電気的性質な
どの優れた性質を有する樹脂であるが、一方、その溶融
粘度が高いために成形性が悪い、すなわち流動性が悪
い、または耐薬品性が悪い、耐衝撃性が低い、等の欠点
を有している。ポリフェニレンエーテルのこのような欠
点を改良するためポリフェニレンエーテルと他の樹脂と
のアロイ化が従来から行われてきた。
チレンやハイインパクトポリスチレンなどをアロイ化す
ることにより、流動性が改良されることが広く知られて
いるが、難燃性や耐熱性が低下する、等の問題があっ
た。一方、例えば特開昭56−115357号公報に、
液晶ポリエステルにポリフェニレンエーテルなどの重合
体を配合し、ポリフェニレンエーテルの溶融加工性を改
良することが提案されているが、耐衝撃性において十分
ではなかった。また特開平2−97555号公報には、
はんだ耐熱性を向上させる目的で液晶ポリエステルに各
種のポリアリレンオキサイドを配合することが提案さ
れ、さらには特開平6−122762号公報には、アミ
ン類で変性したポリフェニレンエーテルと液晶ポリエス
テルを配合することが提案されているが、いずれもダー
ト衝撃性、耐熱性、引張り特性、難燃性のバランスにお
いては十分ではなかった。
エステルをアロイ化する際に、有機シランカップリング
剤を添加することが、特開平5−117505号公報、
特開平9−111103号公報に提案されているが、い
ずれもダート衝撃性、耐熱性、引張り特性、難燃性のバ
ランスにおいては十分ではなかった。また特開平5−8
6288号公報に強度、剛性のリサイクル保持性を高め
る方法が提案されているが、耐衝撃性において十分では
なかった。また特開平4−202462号公報に、エポ
キシ基を含有するポリマーにより相溶化し、耐衝撃性を
向上させることが提案されているが、ダート衝撃性、耐
熱性、引張り特性、難燃性のバランスにおいては十分で
はなかった。
フォロジーを形成しうる樹脂組成物であって、耐衝撃
性、特にダート衝撃特性に優れ、同時に耐熱性、引張り
特性、難燃性を高いレベルで達成できる樹脂組成物を提
供することを目的とする。
達成するため鋭意研究を重ねた結果、2種以上の異なる
熱可塑性樹脂に亜鉛化合物を必須成分とし、各樹脂成分
の特定範囲の組み合わせにより、Zn元素の存在が特異
なモルフォロジーを形成しうることを見いだし、それが
耐衝撃性、特にダート衝撃特性に優れた効果を発揮する
ことを見出し、さらに耐衝撃性、耐熱性、引張り特性、
難燃性を高いレベルで達成できることがわかり、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明は下記の通りであ
る。
亜鉛化合物とからなる組成物であって、分散相における
TEM−EDXにより得られるZn元素の存在比(R)
が0.0005以上であり、Rm=0の場合、Rd>R
mを満たし、Rm≠0の場合、150Rm>Rd>Rm
を満たすことを特徴とするモルフォロジーを形成しうる
樹脂組成物。ここでZn元素の存在比(R)=(Zn元
素のLα線カウント数)/(C元素のKα線カウント
数)、Rd:分散相におけるR、Rm:連続相における
R、
から構成され、連続相が主に(a)成分と異なる熱可塑
性樹脂(b)から構成されることを特徴とする上記1に
記載の樹脂組成物、 3.(b)成分が主にポリフェニレンエ−テル系樹脂、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリア
セタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン系樹脂
およびポリオレフィン系樹脂からなる郡から選ばれた少
なくとも1種の樹脂であることを特徴とする上記1また
は2に記載の樹脂組成物、
成分が99〜50質量部であることを特徴とする上記1
〜3のいずれかに記載の樹脂組成物、 5.(a)成分と(b)成分の合計量100質量部に対
して、亜鉛化合物が0.001〜3質量部であることを
特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物、 6.亜鉛化合物がZnOであることを特徴とする上記1
〜5のいずれかに記載の樹脂組成物、
系樹脂であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに
記載の樹脂組成物、 8.(b)成分が、α,β−不飽和カルボン酸あるいは
α,β−不飽和カルボン酸無水物により官能化されたポ
リフェニレンエ−テル系樹脂であることを特徴とする上
記1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物、 9.ポリフェニレンエ−テル系樹脂がα,β−不飽和カ
ルボン酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物によ
り官能化される反応温度が210℃以下で、かつポリフ
ェニレンエ−テル系樹脂が固体状態のままで官能化され
ることを特徴とする上記8に記載の樹脂組成物、
00質量部に対して、(c)α,β−不飽和カルボン酸
あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物により官能化
された芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物ブロック
共重合体および/またはα,β−不飽和カルボン酸ある
いはα,β−不飽和カルボン酸無水物により官能化され
た芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物部分水添ブロ
ック共重合体0.1〜30質量部添加することを特徴と
する上記1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
説明する。本発明で使用する樹脂組成物は、2種以上の
異なる熱可塑性樹脂と亜鉛化合物を必須成分とする必要
がある。さらに透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略す
ことがある。)により得られるモルフォロジーにおい
て、分散相におけるTEM−EDX(一般に透過型電子
顕微鏡−エネルギー分散型X線分光装置と呼ばれるもの
で、TEM観察において、各相における存在する元素の
定性、定量を可能とするもの。)により得られるZn元
素の存在比(R)が0.0005以上であり、Rm=0
の場合、Rd>Rmを満たし、Rm≠0の場合、150
Rm>Rd>Rmを満たすことを特徴とするモルフォロ
ジーを形成しうる。ここでZn元素の存在比(R)=
(Zn元素のLα線カウント数)/(C元素のKα線カ
ウント数)、Rd:分散相におけるR、Rm:連続相に
おけるR。
ように定義される。すなわち、射出成形により得られ
た、厚み3.2mm、長さ216mmのASTM規格に
従ったダンベル状試験片の中央部のコア部を約100n
mの厚みに切削し、無染色にてTEM観察を実施し、分
散相及び連続相を各々、TEM−EDXを用い、Zn元
素、およびC元素のKα線のカウント数を測定する。そ
して各相において、異なるスポットを10点、点分析
し、その10点の平均カウント数をとる。また、この時
のスポットサイズは、分散相を測定する場合、分散相の
粒子径より小さくなるよう設定して測定を行う。この平
均カウント数を、Zn元素のLα線カウント数、C元素
のKα線カウント数とする。そして以下の式に従って、
Zn元素の存在比(R)が与えられる。 Zn元素の存在比(R)=(Zn元素のLα線カウント
数)/(C元素のKα線カウント数)
し、Rm≠0の場合、150Rm>Rd>Rmを満たす
ことから、本発明において添加される亜鉛化合物由来の
亜鉛元素が連続相中よりも、分散相中の方に多く偏在す
ることが特徴である。さらに、分散相中に存在する亜鉛
元素の割合は、ある特定の範囲内にあることが重要であ
り、このことが特にダート衝撃性特性の発現に大いに効
果を発揮するものである。よってダート衝撃性の観点か
ら、分散相におけるZn元素の存在比(R)は、0.0
005以上であることが好ましく、さらに0.001以
上であることが好ましい。そしてダート衝撃性の観点か
ら、Rm=0の場合は、Rd>Rmであることが好まし
い。そしてRm≠0の場合は、150Rm>Rd>Rm
であることが好ましく、100Rm>Rd>2Rmがよ
り好ましく、さらには50Rm>Rd>4Rmであるこ
とが特により好ましい。
鉛元素を含む化合物である。具体的には、酸化亜鉛、硫
酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、金属
亜鉛などが挙げられる。さらに酸化亜鉛であるZnOが
好ましく用いられる。さらに分散相は主に液晶ポリエス
テル(a)から構成され、連続相は主に(a)成分と異
なる熱可塑性樹脂(b)から構成されることが好まし
い。
サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステル
で、公知のものを使用できる。例えば、p−ヒドロキシ
安息香酸およびポリエチレンテレフタレートを主構成単
位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒド
ロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸
を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸、ならびに4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニルおよびテレフタル酸を主構成単位と
するサーモトロピック液晶ポリエステルなどが挙げら
れ、特に制限はない。本発明で使用される(a)液晶ポ
リエステルとしては、下記構造単位(イ)、(ロ)、お
よび必要に応じて(ハ)および/または(ニ)からなる
ものが好ましく用いられる。
れ、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステル
の構造単位と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸から生
成した構造単位である。構造単位(イ)、(ロ)を使用
することにより、優れた耐熱性、流動性や剛性などの機
械的特性のバランスに優れた本発明の熱可塑性樹脂組成
物を得ることができる。上記構造単位(ハ)、(ニ)中
のXは、下記(1)よりそれぞれ任意に1種あるいは2
種以上選択することができる。
レングリコール、ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビ
スフェノールAのそれぞれから生成した構造単位であ
り、さらに好ましいのは、エチレングリコール、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンのそれ
ぞれから生成した構造単位であり、特に好ましいのは、
エチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ルのそれぞれから生成した構造単位である。構造式
(ニ)において好ましいのは、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,6−ジカルボキシナフタレンのそれぞれから
生成した構造単位であり、さらに好ましいのは、テレフ
タル酸、イソフタル酸のそれぞれから生成した構造単位
である。
に挙げた構造単位を少なくとも1種あるいは2種以上を
併用することができる。具体的には、2種以上併用する
場合として、構造式(ハ)においては、1)エチレング
リコールから生成した構造単位/ハイドロキノンから生
成した構造単位、2)エチレングリコールから生成した
構造単位/4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成
した構造単位、3)ハイドロキノンから生成した構造単
位/4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成した構
造単位、などを挙げることができる。
フタル酸から生成した構造単位/イソフタル酸から生成
した構造単位、2)テレフタル酸から生成した構造単位
/2,6−ジカルボキシナフタレンから生成した構造単
位、などを挙げることができる。ここでテレフタル酸の
量は2成分中、好ましくは40質量%以上、さらに好ま
しくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上
である。テレフタル酸の量を2成分中40質量%以上と
することにより、比較的に流動性、耐熱性が良好な樹脂
組成物となる。(a)液晶ポリエステル成分中の構造単
位(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の使用量の割合は特
に限定されない。ただし、構造単位(ハ)と(ニ)は基
本的にほぼ等モル量となる。
造単位(ホ)を、(a)成分中の構造単位として使用す
ることもできる。具体的には、1)エチレングリコール
とテレフタル酸から生成した構造単位、2)ハイドロキ
ノンとテレフタル酸から生成した構造単位、3)4,
4′−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸から生成
した構造単位、4)4,4′−ジヒドロキシビフェニル
とイソフタル酸から生成した構造単位、5)ビスフェノ
ールAとテレフタル酸から生成した構造単位、などを挙
げることができる。
応じて本発明の特徴と効果を損なわない程度の少量の範
囲で、他の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香
族ヒドロキシカルボン酸から生成する構造単位を導入す
ることができる。(a)成分が溶融時に液晶状態を示し
始める温度(以下「液晶開始温度」という)は、好まし
くは150〜350℃、さらに好ましくは180〜32
0℃である。液晶開始温度をこの範囲にすることは、得
られる樹脂組成物を好ましい耐熱性と成形加工性バラン
スの良いものとし得る。
MHzにおける誘電正接(tanδ)は、好ましくは
0.03以下であり、さらに好ましくは0.025以下
である。この誘電正接の値が小さければ小さいほど、誘
電損失は小さくなり、本発明の樹脂組成物を電気・電子
部品の原料として用いる時、発生する電気的ノイズが抑
制され好ましい。特に25℃、高周波数領域下、すなわ
ち1〜10GHz領域において、誘電正接(tanδ)
は、好ましくは0.03以下であり、さらに好ましくは
0.025以下である。
融粘度(液晶開始温度+30℃、かつずり速度100/
秒)は、好ましくは100〜30,000ポイズ、さら
に好ましくは100〜20,000ポイズ、特に好まし
くは100〜10,000ポイズである。見かけの溶融
粘度をこの範囲にすることは、得られる組成物の流動性
を好ましいものとし得る。
の(a)成分と異なる熱可塑性樹脂であることが好まし
い。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリフェニレンエ
−テル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリシクロヘキサメチレンテレフタ
レート等に代表されるポリエステル、ポリアミド6、ポ
リアミド66等に代表されるポリアミド、ポリアセター
ル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、アタクティックポリスチレ
ン、シンジオタクティックポリスチレン、ハイインパク
トポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
等に代表されるポリスチレン系樹脂、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン、ポリシクロオレフィン等に代表されるポリオ
レフィン系樹脂等が挙げられる。これらの単独あるいは
2種以上の組合せが用いられる。中でもダート衝撃特
性、耐熱性、引張り特性、難燃性の観点からポリフェニ
レンエ−テル系樹脂が好ましい。ここで本発明で使用さ
れるポリフェニレンエ−テル系樹脂とは、(2)の繰り
返し単位構造
第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、アミ
ノアルキル、炭化水素オキシを表わす。R2、R3は、そ
れぞれ独立して、水素、第一級もしくは第二級の低級ア
ルキル、フェニルを表わす。)からなり、還元粘度
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
が、好ましくは0.15〜1.0dl/gの範囲にある
ホモ重合体、及び/または共重合体である。より好まし
い還元粘度は、0.20〜0.70dl/gの範囲で、
最も好ましくは0.40〜0.60の範囲である。
的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6
−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)、
等が挙げられ、さらに、2,6−ジメチルフェノールと
他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフ
ェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共
重合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げ
られる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,
3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好まし
く、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)が好ましい。
系樹脂の製造方法の例として、米国特許第330687
4号明細書記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを
触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する
方法がある。米国特許第3306875号、同第325
7357号および同第3257358号の明細書、特公
昭52−17880号、特開昭50−51197号およ
び同63−152628号の各公報等に記載された方法
もポリフェニレンエーテル系樹脂の製造方法として好ま
しい。ポリフェニレンエーテル系樹脂は、重合工程後の
パウダーのまま用いてもよいし、押出機などを用いて、
N2ガス雰囲気下あるいは非N2ガス雰囲気下、脱気下あ
るいは非脱気下にて溶融混練することによりペレット化
して用いてもよい。
衝撃性の観点から、以下の官能化化合物により官能化さ
れたものが好ましい。すなわち、ここで官能化化合物
は、不飽和結合を有する化合物であり、特に二重結合を
有する化合物が好ましい。具体例としては、無水マレイ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イ
タコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアリレー
ト、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、ステアリルアクリレート、
スチレンなどの化合物が挙げられる。そしてさらにダー
ト衝撃性の観点から、α,β−不飽和カルボン酸あるい
はα,β−不飽和カルボン酸無水物が好ましい。すなわ
ちさらに具体的にはマレイン酸、フマル酸、あるいは無
水マレイン酸などが挙げられる。特に無水マレイン酸が
より好ましく用いられる。
法として、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で押
出機などを用い、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融状態
で官能化してもよい。あるいはラジカル発生剤存在下あ
るいは非存在下で、非溶融状態で、すなわち室温以上、
かつ融点以下の温度範囲にてポリフェニレンエ−テルが
固体状態のままで、官能化することが耐衝撃性の観点か
ら好ましい。この際、ポリフェニレンエーテルの融点
は、示差熱走査型熱量計(DSC)での測定において、
20℃/分で昇温するときに得られる温度−熱量グラフ
で観測されるピークのピークトップ温度で定義され、ピ
ークトップ温度が複数ある場合にはその内の最高の温度
で定義される。さらに室温以上、かつガラス転移温度で
ある210℃以下の温度範囲にてポリフェニレンエ−テ
ルが固体状態のままで、官能化することが耐衝撃性の観
点から、さらに好ましい。
本発明の特徴と効果を損なわない範囲内にて、必要に応
じて芳香族ビニル系重合体を含んでいてもよい。芳香族
ビニル系重合体として、例えば、ポリスチレン、ハイイ
ンパクトポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共
重合体などが挙げられる。本発明で使用する(c)成分
は、α,β−不飽和カルボン酸あるいはα,β−不飽和
カルボン酸無水物により官能化された芳香族ビニル化合
物と共役ジエン化合物ブロック共重合体および/または
α,β−不飽和カルボン酸あるいはα,β−不飽和カル
ボン酸無水物により官能化された芳香族ビニル化合物と
共役ジエン化合物部分水添ブロック共重合体である。す
なわち、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物ブロッ
ク共重合体がα,β−不飽和カルボン酸あるいはα,β
−不飽和カルボン酸無水物により官能化されたポリマー
である。そして、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合
物部分水添ブロック共重合体がα,β−不飽和カルボン
酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物により官能
化されたポリマーである。これらを各々単独で用いても
よいし、併用して用いてもよい。さらにここで芳香族ビ
ニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体と
は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセ
グメントと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックセグメントとから成るブロック共重合体である。
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t
ert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p-メチル
スチレン、1,1−ジフェニルスチレン、等の中から選
ばれた少なくとも1種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。そして、共役ジエン化合物の具体例として
は、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、
3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3
−ブタジエン等の中から選ばれた少なくとも1種以上が
選択でき、中でもブタジエン、イソプレン、およびこれ
らの組み合わせが好ましい。
あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物などの官能化
化合物は、具体的にはマレイン酸、フマル酸、あるいは
無水マレイン酸などが挙げられる。特に無水マレイン酸
がより好ましく用いられる。またこれら官能化化合物に
より、該共重合体を官能化する方法としては、押出機な
どを用いてラジカル開始剤存在下あるいは非存在下、溶
融混練して行われてもよいし、溶液下にて反応させても
よい。
と共役ジエン化合物のブロック共重合体が水素添加によ
り部分水添され、かつ上記官能化化合物により官能化さ
れたポリマーであることが、耐熱性、耐熱劣化特性の観
点から好ましい。さらにその水素添加率は5〜100%
のものが好ましい。さらに熱安定性の観点から水素添加
率が50%以上のものがより好ましい。この部分水添ブ
ロック共重合体に係わる構造上の特徴は、特開昭61−
34049号公報に詳細に記載された要件を満たしたも
のであれば1種または2種以上を併用できる。例えば、
この部分水添ブロック共重合体の具体例として、旭化成
(株)より「タフテック(登録商標)」の名前で販売さ
れているものなどが挙げられる。さらにこれらの部分水
添ブロック共重合体が、官能化化合物により官能化され
たポリマーの具体例として、旭化成(株)より「タフテ
ックMシリーズ(登録商標)」の名前で販売されている
ものなどが挙げられる。またこの官能化率(官能化化合
物と部分水添ブロック共重合体の質量分率で定義され
る。)は、0.1〜10%が好ましく、より好ましくは
0.3〜5%である。この官能化率が0.1%より小さ
いとダート衝撃性の改良効果が十分でなく、また10%
より多いと耐熱性の低下を招き、好ましくない。
の好ましい配合量は、1〜50質量部で、好ましくは2
〜40質量部で、さらに好ましくは3〜20質量部であ
る。この配合量が50質量部より多いと、十分な耐衝撃
性が得られない。この配合量が1質量部より少ないと、
十分な流動性が得られない。本発明で使用する(b)
(a)と異なる熱可塑性樹脂の配合量は、99〜50質
量部で、好ましくは98〜60質量部で、さらに好まし
くは97〜80質量部である。この配合量が99質量部
より多いと、流動性が低下してしまう。この配合量が1
質量部より少ないと、十分な引張り伸び特性と外観が得
られない。
(a)成分と(b)成分の合計量100質量部に対し
て、0.001〜3質量部が好ましく、さらに0.01
〜2質量部が好ましく、さらに0.1〜1質量部が好ま
しい。この配合量が0.001質量部より少ないと、十
分なダート衝撃性が発現しにくく、3質量部より多い
と、比重が大きくなってしまうだけである。
和カルボン酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物
により官能化された芳香族ビニル化合物と共役ジエン化
合物ブロック共重合体および/またはα,β−不飽和カ
ルボン酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物によ
り官能化された芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物
部分水添ブロック共重合体の配合量は、(a)成分と
(b)成分の合計量100質量部に対して、0.1〜3
0質量部が好ましく、さらに0.2〜10質量部が好ま
しく、さらに0.5〜5質量部がより好ましい。この配
合量が0.1質量部より少ないと十分なダート衝撃性が
発現しにくく、30質量部より多いと、耐熱性と難燃性
が低下してしまう。
特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附
加的成分、例えば、酸化防止剤、難燃剤(有機リン酸エ
ステル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系
難燃剤など)、エラストマー(エチレン/プロピレン共
重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プ
ロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル
酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル
共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マ
レイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合
体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエス
テルポリエステルエラストマー、未官能化ビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、未官能化
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合
体の水素添加物)、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチ
レン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂
肪酸エステル類、等)、難燃助剤、耐候(光)性改良
剤、スリップ剤、各種着色剤、離型剤等を添加してもか
まわない。また本発明の特徴および効果を損なわない範
囲で必要に応じて、無機フィラーを添加してもよい。こ
こで、無機フィラーとは、ガラス繊維、カーボン繊維、
ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラック、酸化
チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ワラスト
ナイト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック、等
である。中でもガラス繊維が好ましい。また、ガラス繊
維などの繊維状充填剤はエチレン/酢酸ビニル共重合体
などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂
で被覆あるいは集束されていてもよい。
ることができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロ
ール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバ
リーミキサー等による加熱溶融混練方法が挙げられる
が、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ま
しい。この際の溶融混練温度は、特に限定されるもので
はないが、通常150〜350℃の中から任意に選ぶこ
とができる。このようにして得られる本発明の樹脂組成
物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、
押出成形、中空成形により、各種部品の成形体として成
形できる。特に射出成形は、その高い剪断力を利用しや
すいため、(a)成分の液晶ポリエステルをより繊維状
に形成させやすいため、非常に好ましい成形方法であ
る。これらの各種部品は、例えば自動車部品や電子・電
気部品に代表される家電・OA部品などに適している。
る。但し本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 (製造例1)液晶ポリエステル(LCP−1)の製造例 窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、2−
ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、無水酢酸を加熱溶融し、
重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶
ポリエステル(LCP−1)を得た。なお、組成の成分
比はモル比を表す。
2)の製造例 窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、ポリ
エチレンテレフタレート、無水酢酸を加熱溶融し、重縮
合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリ
エステル(LCP−2)を得た。なお組成の成分比はモ
ル比を表す。
エーテル(PPE−1)の製造例 2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得た還元粘
度0.42のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)を以下の原料ポリフェニレンエーテルと
して用いた。オートクレーブ槽に無水マレイン酸0.5
kgを仕込み、三井鉱山(株)社製ヘンシェルミキサー
FM10C/I型と配管で接続した。ヘンシェルミキサ
ーには原料ポリフェニレンエーテルの粉末2kgを仕込
み、窒素気流で槽内を置換しつつ、600rpmで攪拌
した。その後、ミキサーのジャケットに200℃のオイ
ルを送り、原料ポリフェニレンエーテル粉末が190℃
になるまで加熱した。一方、オートクレーブ槽はオイル
バスに入れ、槽内の無水マレイン酸の温度が190℃と
なるように調整した。原料ポリフェニレンエーテル粉末
と無水マレイン酸の温度が190℃で安定した時点で、
オートクレーブ槽からヘンシェルミキサーの方向へ窒素
1L/分を流し、ヘンシェルミキサーには無水マレイン
酸と窒素の混合ガスが送られた。この時、ヘンシェルミ
キサーの窒素の出口バルブを解放し、無水マレイン酸と
窒素の混合ガスが連続的に流通できるようにした。その
まま攪拌とガスの流通を20分間継続した。20分後、
装置ジャケットから200℃オイルを抜き取り、代わり
に室温のオイルを送ってミキサー槽内のポリフェニレン
エーテル粉末を室温にまで冷却した。そして得られたポ
リフェニレンエ−テル粉末に対し、熱アセトンにて抽出
操作を行い、未反応の無水マレイン酸を除去し、官能化
されたポリフェニレンエーテル(PPE−1)を得た。
滴定により求められた無水マレイン酸付加量は0.56
質量部であった。
PE−2)の製造例 2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得た還元粘
度0.43のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)である。各樹脂組成物の成形と物性評価
を、以下の方法に従って実施した。 (1)成形 得られたペレットを、シリンダー温度330/330/
320/310℃、射速85%、金型温度90℃に設定
した射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社
製]を用いて成形を行った。
2mm、長さ216mmのASTM規格に従ったダンベ
ル状試験片を得た。この試験片の中央部あたりの厚み方
向の中心部を流動方向に、ウルトラミクロトームを用
い、切片厚み100nmに切り出し、無染色にて観察し
た。測定機器は日本電子(株)製、透過型電子顕微鏡J
EM―2010を用い、加速電圧100kVで実施し
た。EDX装置は、NORAN INSTRUMENT
S社製、形式:VANTAGE DS400xを用い
た。条件は、TEM加速電圧200kV、測定時間は、
CKαカウント数が430,000カウントを超える時
間まで実施した。分散相及び連続相を各々、TEM−E
DXを用い、Zn元素においてはLα線についてのカウ
ント数、およびC元素においてはKα線についてのカウ
ント数を測定した。そして各相において、異なるスポッ
トを10点、点分析し、その10点の平均カウント数を
とった。また、この時のスポットサイズは、分散相を測
定する場合、分散相の粒子径より小さくなるよう設定し
て測定を行った。この平均カウント数を、Zn元素のL
α線カウント数、C元素のKα線カウント数とした。そ
して以下の式に従って、Zn元素の存在比(R)を求め
た。
α線カウント数)/(C元素のKα線カウント数) ここで、Rd:分散相におけるR、Rm:連続相におけ
るR、とした。そして、Rm=0の場合、Rd>Rmを
満たすものを○、満たさないものを×、とした。またR
m≠0の場合、150Rm>Rd>Rmを満たすものを
○、満たさないものを×、とした。
壊の再現性) 得られたペレットを上記(1)の成形条件にて、厚さ
2.5mm、縦100mm、幅50mmの平板試験片に
成形し、ダートインパクトテスター(東洋精機(株)
製)を用い、落下荷重6.5kg、落下高さ100cm
にて測定を行い、破壊の際の亀裂エネルギーと伝播エネ
ルギーの和である全吸収エネルギーの値をダート衝撃
(J)とした。大きい方が、耐衝撃性に優れることを意
味する。また、破壊試験後の平板試験片を厚み方向から
見たときに、おもりの落下した部分が延びたように変形
しているものを延性破壊、完全にくりぬかれ、変形がな
く、フラットなものを脆性破壊と定義する。以下の判断
基準に基づいて延性破壊性の判定を行った。試験回数n
=5とした。 ○:n=5いずれも延性破壊したもの。 △:n=5のうち、1〜4回延性破壊し、残りが脆性破
壊であったもの。 ×:n=5いずれも脆性破壊したもの。
3.2mmのASTMタンザク試験片を成形した。得ら
れた成形片を用いて、1.82MPa荷重下での加熱変
形温度を測定した。 (5)引張り特性 オートグラフ(AG−5000、島津製作所(株)社
製)、厚み3.2mmのASTMダンベル試験片を用
い、チャック間距離115mm、試験速度20mm/m
inで引っ張り試験を実施し、破断伸び(%)を測定し
た。
STMタンザク試験片に成形し、Underwriters Laborat
oriesのUL−94垂直燃焼試験に基づき、燃焼試験を
実施した。すなわち、5本の試験片について燃焼試験を
実施し、10秒間の接炎後、炎を離してから炎が消える
までの燃焼時間をt1(秒)とし、再び10秒間の接炎
後、炎を離してから炎が消えるまでの燃焼時間をt
2(秒)とし、各5本について、t1とt2の平均燃焼時
間を求めた。また、UL−94の規格にしたがって、V
−0、V−1、V−2の判定を実施した。
−1)とポリフェニレンエーテル(PPE−1)、亜鉛
化合物として酸化亜鉛(特級グレード、和光純薬(株)
製、表中「ZnO」と略した。)、を表1に示す割合
で、270〜310℃に設定したベントポート付き二軸
押出機(ZSK−25;WERNER&PFLEIDE
RER社製)を用いて溶融混練しペレットとして得た。
このペレットを用い、上に示した方法により成形加工
し、物性評価を実施した。その結果を表1に示した。
例1と同様に実施し、ペレットを得た。このペレットを
用い、上に示した方法により成形加工し、物性評価を実
施した。その結果を表1に示した。
施例4と同様に実施したが、押出機のダイスより出てく
るストランドの径が、太くなったり、細くなったり、非
常に不安定でペレタイズすることができず、成形、評価
に至らなかった。
1)の代わりにポリフェニレンエーテル(PPE−2)
を用い、無水マレイン化ブロック共重合体(旭化成
(株)製、タフテック(登録商標)M1911、表中
「m−SEBS」と略した。)を添加し、表1に示す割
合で各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様に実
施し、ペレットを得た。このペレットを用い、上に示し
た方法により成形加工し、物性評価を実施した。その結
果を表1に示した。
かったこと以外は、実施例1と同様に実施し、ペレット
を得た。このペレットを用い、上に示した方法により成
形加工し、物性評価を実施した。その結果を表1に示し
た。
例5と同様に実施し、ペレットを得た。このペレットを
用い、上に示した方法により成形加工し、物性評価を実
施した。その結果を表1に示した。
P−2を併用したことと、表1に示した割合に各成分を
配合したこと以外は、実施例1と同様に実施し、ペレッ
トを得た。このペレットを用い、上に示した方法により
成形加工し、物性評価を実施した。その結果を表1に示
した。
が存在することがダート衝撃特性に重要で、かつ分散相
におけるZn元素の存在比は、連続相のそれよりも多い
ことが重要で、かつ分散相の存在比と連続相の存在比が
ある特定範囲内にあることが、ダート衝撃性、耐熱性、
引張り特性、難燃性のバランスに重要であることがわか
る。
形成しうる樹脂組成物であって、耐衝撃性、特にダート
衝撃特性に優れ、同時に耐熱性、引張り特性、難燃性を
高いレベルで達成できる樹脂組成物を提供することが可
能となった。
Claims (10)
- 【請求項1】 2種類以上の異なる熱可塑性樹脂及び亜
鉛化合物とからなる組成物であって、分散相におけるT
EM−EDXにより得られるZn元素の存在比(R)が
0.0005以上であり、Rm=0の場合、Rd>Rm
を満たし、Rm≠0の場合、150Rm>Rd>Rmを
満たすことを特徴とするモルフォロジーを形成しうる樹
脂組成物。ここでZn元素の存在比(R)=(Zn元素
のLα線カウント数)/(C元素のKα線カウント
数)、Rd:分散相におけるR、Rm:連続相における
R。 - 【請求項2】 分散相が主に液晶ポリエステル(a)か
ら構成され、連続相が主に(a)成分と異なる熱可塑性
樹脂(b)から構成されることを特徴とする請求項1に
記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 (b)成分が主にポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレ
ン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選
ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請
求項1または2に記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 (a)成分が1〜50質量部、(b)成
分が99〜50質量部であることを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】 (a)成分と(b)成分の合計量100
質量部に対して、亜鉛化合物が0.001〜3質量部で
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
樹脂組成物。 - 【請求項6】 亜鉛化合物がZnOであることを特徴と
する請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項7】 (b)成分がポリフェニレンエーテル系
樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
記載の樹脂組成物。 - 【請求項8】 (b)成分が、α,β−不飽和カルボン
酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸無水物により官能
化されたポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特
徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項9】 ポリフェニレンエ−テル系樹脂がα,β
−不飽和カルボン酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸
無水物により官能化される反応温度が210℃以下で、
かつポリフェニレンエ−テル系樹脂が固体状態のままで
官能化されることを特徴とする請求項8に記載の樹脂組
成物。 - 【請求項10】 (a)成分と(b)成分の合計量10
0質量部に対して、(c)α,β−不飽和カルボン酸あ
るいはα,β−不飽和カルボン酸無水物により官能化さ
れた芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物ブロック共
重合体および/またはα,β−不飽和カルボン酸あるい
はα,β−不飽和カルボン酸無水物により官能化された
芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物部分水添ブロッ
ク共重合体0.1〜30質量部添加することを特徴とす
る請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
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