JP2003071818A - ボードの製造方法 - Google Patents

ボードの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係るボードの製造方法は、少な
くとも鉱物質繊維の水スラリーとイソシアネート成分
(I)と凝集剤とを混合して凝集させた後、得られた混
合物を濾過し、加熱、乾燥して無機ボードを製造する方
法において、前記イソシアネート成分(I)中に、アニ
オン性イソシアネート(II)が、全イソシアネート成
分(I)に対して、0.1質量%以上含有され、前記凝
集剤がカチオン系凝集剤であり、前記濾過後の濾液中の
イソシアネート成分(III)の含有量が、全イソシア
ネート成分(I)に対して30質量%以下であることを
特徴としている。 【効果】 本発明に係るボードの製造方法では、バイン
ダー成分としてイソシアネート成分を含み、該イソシア
ネート成分が、イオン性を有するイソシアネート成分を
特定量含有しているので、イソシアネート成分の鉱物質
繊維への歩留まりを向上させ、最小限の添加量で、ボー
ドの強度、寸法安定性に関し従来と同等の効果を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ボードの製造方法に関す
る。より詳しくは、少なくとも鉱物質繊維、アニオン性
イソシアネートを含むイソシアネート成分およびカチオ
ン系凝集剤を原料に用いる加熱乾燥型ボードの製造方法
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、鉱物質繊維、例えばロ
ックウール等を結合剤と混合し、熱圧、乾燥し固化せし
めて得られる無機質軽量成型体は、建築材料として有用
であり、各種の製造方法が提案されている。たとえば、
鉱物質繊維、無機粉粒状体および結合剤を必須成分とす
るスラリーを湿式抄造して得られる湿潤無機板を上下層
とし、その間に無機発泡体、繊維状物、および結合材を
必須成分とする中層混合物を堆積し、圧締一体化して加
熱乾燥して得られる三層構成の無機建築板の製造方法
(特開平5−50417号公報)が開示されている。さ
らに、生産性向上の目的で、上下層部にバインダー成分
としてイソシアネート類の乳化液を添加して短時間で熱
圧プレス工程を行いうる無機質板状体の製造方法(特開
平10−217216号公報)などが提案されている。
【0003】このようないわゆる湿式法により、繊維状
体を粒状体や結合剤とともに抄造しマットを形成させる
場合には、その後の乾燥工程の負荷軽減のため、充分に
水分を抜いておく(いわゆる「濾水」)必要があり、通
常、吸引装置を通過させることで濾過を行っている。し
かしながら吸引を強く行うと、物理的に留まっている粒
状体や結合剤が水と一緒に抜け落ちてしまうという問題
があった。
【0004】この場合、濾過された濾液は通常リサイク
ルされるため、前記吸引により濾液中に抜け落ちた粒状
体や結合剤は、最終的には再び繊維に歩留まることも可
能である。しかし、前記イソシアネート類の乳化液を用
いる場合、イソシアネート類として主に用いられるポリ
メリックMDIなどでは、前記吸引による濾過を行う
と、濾液中にイソシアネート類の一部が抜け落ち、経時
でNCO基が水と反応し失活するため、リサイクルに供す
ることはできず、生産性の観点から問題があった。
【0005】このため、イソシアネート類の鉱物質繊維
への歩留まりを向上させ、イソシアネート類の添加量を
最小限にして、しかも、得られるボード強度等にも優れ
たボードの製造方法の出現が望まれていた。そこで、本
願発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究し、イソ
シアネート成分として、アニオン性を有するイソシアネ
ートを特定量用いることにより、イソシアネート成分の
鉱物質繊維への歩留まりを向上させ、最小限の添加量
で、ボードの強度、寸法安定性に関し従来と同等の効果
を得ることができることを見いだし、本願発明を完成す
るに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、イソシアネート
成分の鉱物質繊維への歩留まりを向上させ、イソシアネ
ートの添加量を最小限にしながら、ボード強度、寸法安
定性などに関し従来と同等の効果を得ることができるボ
ードの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るボードの製造方法は、少な
くとも鉱物質繊維の水スラリーとイソシアネート成分
(I)と凝集剤とを混合して固形成分を凝集させた後、
得られた混合物を濾過(このような濾過を濾水というこ
ともある)し、前記固形成分を加熱、乾燥して無機ボー
ドを製造する方法において、前記イソシアネート成分
(I)中に、アニオン性イソシアネート(II)が、全
イソシアネート成分(I)に対して、0.1質量%以上
含有され、前記凝集剤が、カチオン系凝集剤であり、前
記濾過後の濾液中のイソシアネート成分(III)の含
有量が、全イソシアネート成分(I)に対して30質量
%以下であることを特徴としている。
【0008】前記アニオン性イソシアネート(II)
は、ポリメリックMDIの変性体であることが好まし
い。本発明に係るボードの製造方法は、(A)鉱物質繊
維の水スラリーと、(B)カチオン系凝集剤と、(C)
pHが5以上7以下の範囲における流動電位法によるポ
リ塩化ジアリルメチルアンモニウム溶液の滴定量が、1
〜50μeq/gであるイソシアネート成分(I)の乳
化分散液と、(D)フェノール樹脂およびアミノ樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂とからなる混合物を、
濾過、加熱、乾燥して、吸水率(20℃の水中で24時
間浸せき後の吸水率)が55%以下であるボードを得る
ことを特徴としている。
【0009】前記鉱物質繊維の水スラリー(A)は、鉱
物質繊維に加え、さらに無機質粉状体を含む水スラリー
であることが好ましい。前記イソシアネート成分(I)
は、ポリメリックMDIとアニオン性官能基を有するポ
リメリックMDIとを含むことが好ましい。前記吸水率
は、50%以下であることが好ましい。
【0010】前記滴定量は、5〜40μeq/gである
ことが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に係るボードの製造方法は、少なくとも
鉱物質繊維の水スラリーと、イソシアネート成分(I)
と、凝集剤とを混合して、固形成分を凝集させた後、得
られた混合物を濾過し、前記固形成分を加熱、乾燥して
無機ボードを製造する方法において、前記イソシアネー
ト成分(I)中に、アニオン性イソシアネート(II)
が特定の範囲の量で含有されるイソシアネート成分
(I)を用い、前記凝集剤としてカチオン系凝集剤を用
いて、ボード中へのイソシアネート成分(I)の歩留ま
りが高められたボードの製造方法である。
【0012】なお、前記固形成分は、凝集剤の作用によ
り凝集した、少なくとも鉱物質繊維と、イソシアネート
成分(I)と、凝集剤とからなる成分である。また、本
発明に係るボードの製造方法は、鉱物質繊維の水スラリ
ー(A)と、カチオン系凝集剤(B)と、pHが5以上
7以下の範囲における流動電位法によるポリ塩化ジアリ
ルメチルアンモニウム溶液の滴定量が、1〜50μeq
/gであるイソシアネート成分(I)の乳化分散液
(C)と、フェノール樹脂およびアミノ樹脂から選ばれ
る少なくとも1種の樹脂(D)とからなる混合物を濾
過、加熱、乾燥して、吸水率が特定量以下のボードを得
る方法である。
【0013】以下、イソシアネート成分(I)、アニオ
ン性イソシアネート(II)、乳化分散液(C)、鉱物
質繊維の水スラリー(A)、カチオン系凝集剤(B)、
樹脂(D)について説明するとともに、ボードの製造方
法について説明する。イソシアネート成分(I)およびアニオン性イソシアネ
ート(II) 本発明で用いられるイソシアネート成分(I)は、ボー
ドのバインダーとして用いられるものであり、アニオン
性イソシアネート(II)を含有している。アニオン性
イソシアネート(II)は、イソシアネート基と反応す
る活性水素基とアニオン性官能基とを有する化合物
(b)(以下化合物(b)を「アニオン性活性水素化合
物」ということがある。)と、イソシアネート(a)と
を反応させて得られるイソシアネート変性体であり、イ
ソシアネート基およびアニオン性官能基を有する。イソシアネート(a) 前記アニオン性イソシアネート(II)の原料となるイ
ソシアネート(a)としては、公知のイソシアネートを
用いることができる。好ましくは、分子内に2個以上の
分子末端イソシアネート基を有するポリイソシアネート
を用いる。
【0014】このようなイソシアネート(a)として
は、たとえば、トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメ
チルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5-ナ
フタレンジイソシアネート(NDI) 、特公昭38-4576等
に記載の従来公知の方法で液状化した液状ジフェニルメ
タンジイソシアネート(液状MDI)、トリレンジイソシ
アネートの粗製物(クルードTDI)、ポリメチレンポリ
フェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDIまた
はクルードMDI)等の芳香族イソシアネート等が挙げ
られる。
【0015】また、これらのイソシアネートを用いたイ
ソシアネート基末端プレポリマー(以下「ウレタンプレ
ポリマー」ということがある)、カルボジイミド変性
体、ウレトニミン変性体、アシル尿素ジイソシアネー
ト、イソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパン
アダクト体、ビウレット変性物およびアロファネート変
性体なども挙げられる。
【0016】これらの芳香族イソシアネートのうちで
は、ポリメリックMDIおよび/またはその変性体を好
ましく用いることができ、ポリメリックMDIを用いる
ことがより好ましい。ポリメリックMDIを用いる場合
は、ポリメリックMDIの平均分子量は300〜500
程度の範囲にあるものが好ましい。これらイソシアネー
ト化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して使
用してもよい。イソシアネート基と反応する活性水素基とアニオン性官
能基とを有する化合物(b)(アニオン性活性水素化合
物) 前記アニオン性活性水素化合物(b)としては、NCO
基と反応する活性水素基を少なくとも1個有するととも
に、水中でアニオンとなるアニオン性官能基を少なくと
も1個有する化合物が挙げられる。
【0017】このようなアニオン性活性水素化合物
(b)に含まれる前記アニオン性官能基としては、カル
ボキシル基(−COOH)、スルホン酸基(−SO
3H)、硫酸エステル基(−OSO3H)、リン酸エステ
ル基(−OPO3H、−OPO2H)などが挙げられる。
これらのアニオン性官能基は、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属塩、カルシウムなどのアルカリ土類金
属塩、NH4 +などのアンモニウム塩となっていてもよ
い。これらのうちでは、カルボキシル基またはスルホン
酸基を有する化合物を好ましく用いることができる。
【0018】NCO基と反応する活性水素基としては、
−OH基、−NH基などが挙げられる。このようなアニ
オン性活性水素化合物(b)としては、カルボキシル基
またはスルホン酸基と、−OH基とを有する化合物を好
ましく用いることができ、カルボキシル基と−OH基を
有する化合物が特に好ましい。
【0019】このような好ましいアニオン性活性水素化
合物(b)としては、具体的には、たとえば、グリコー
ル酸、乳酸、グリセリン酸、ジメチロールプロピオン
酸、ジメチロールブタン酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチ
ル酸などのヒドロキシカルボン酸類またはその誘導体;
2−ヒドロキシエタンスルホン酸などのヒドロキシスル
ホン酸類、アミノエチルスルフォン酸などが挙げられ
る。アニオン性イソシアネート(II) 本発明で用いられる前記アニオン性イソシアネート(I
I)は、1分子中にNCO基およびアニオン性官能基を
有しており、具体的には、前記イソシアネート(a)に
由来する成分と前記アニオン性活性水素化合物(b)に
由来する成分とを含んでいる。
【0020】前述のとおり、イソシアネート(a)とし
ては、芳香族イソシアネートが好ましく、ポリメリック
MDIがより好ましい。また、アニオン性活性水素化合
物(b)としては、前記カルボキシル基またはスルホン
酸基を有することが好ましく、前記カルボキシル基を有
することがより好ましい。したがって、アニオン性イソ
シアネート(II)は、好ましくは芳香族イソシアネー
トの変性体、より好ましくはポリメリックMDIの変性
体であることが望ましい。
【0021】アニオン性イソシアネート(II)におい
て、1分子中のアニオン性官能基の数は、特に限定はな
いが、通常、平均1個以上のアニオン性官能基を有して
いればよく、好ましくは平均1〜5個、さらに好ましく
は平均1〜3個のアニオン性官能基を有することが望ま
しい。また、アニオン性イソシアネート(II)におい
て、1分子中のNCO基の数は、少なくとも1個のNC
O基を有していればよく、好ましくは1個以上、さらに
好ましくは1または2個有することが望ましい。
【0022】このようなアニオン性イソシアネート(I
I)は、前記イソシアネート(a)と前記アニオン性活
性水素化合物(b)とを反応させて得られる。アニオン
性イソシアネート(II)の合成方法に特に限定はな
く、アニオン性イソシアネート(II)はボードに用い
るイソシアネートを直接アニオン変性したものでも、あ
らかじめアニオン変性させたイソシアネートを添加して
もよい。たとえば、アニオン性イソシアネート(II)
がボードに用いるイソシアネートを直接アニオン変性し
た場合は、イソシアネート(a)をアニオン性活性水素
化合物(b)に対して化学量論的に過剰にして活性水素
化合物と一括してブレンドまたはどちらか一方を先に仕
込み、他方を後から添加して60〜120℃にて1時間
〜15時間反応することにより得られる。反応を速める
ために、3級アミン等の公知の触媒を添加して反応させ
製造してもよい。
【0023】前記イソシアネート(a)のアニオン性活
性水素化合物(b)に対する使用量は、具体的には、N
CO/H(活性水素)(モル比)で、好ましくは2.1
〜120、さらに好ましくは4.0〜60であることが
望ましい。NCO/Hが2.1より小さいと得られるア
ニオン性イソシアネート(II)の残存するNCO基が
少なくなってイソシアネート成分(I)中での他のイソ
シアネートとの相容性が低下することがあり、120を
超えると分子中のアニオン基の含有量が少なくなり歩留
まり性が低下することがある。
【0024】なお、変性されていない未反応のイソシア
ネート(a)を未反応イソシアネート(c)と記す。イソシアネート成分(I) 本発明で用いられるイソシアネート成分(I)は、前記
アニオン性イソシアネート(II)を特定量含有してい
ればよく、前記アニオン性イソシアネート(II)以外
の成分を含有していてもよい。たとえば、前記未反応イ
ソシアネート(c)を含有していてもよい。この未反応
イソシアネート(c)は、反応に用いたものと同様のイ
ソシアネートであってもよいし、反応に用いなかったイ
ソシアネートでもよい。
【0025】前記アニオン性イソシアネート(II)以
外の成分としては、芳香族イソシアネートを好ましく用
いることができ、芳香族イソシアネートのうちでは、ポ
リメリックMDIおよび/またはその変性体をより好ま
しく用いることができ、これらのうちではポリメリック
MDIを用いることが特に好ましい。(II)以外の成
分としては、アニオン変性に用いたイソシアネートと同
一のイソシアネート骨格を有する化合物を用いることが
好ましく、それによりイソシアネート同士の相容性が向
上し、ボードの形成において、水分を吸引して濾過する
場合にも、濾液中へのイソシアネート類の抜け落ちを抑
制することができ、ボード中の鉱物質繊維へのイソシア
ネート類の歩留まりを向上させることができる。
【0026】さらに、イソシアネート成分(I)は、イ
ソシアネート成分(I)の水への分散性、乳化性を高め
るため、界面活性作用を有する非イオン性化合物を含有
していてもよい。界面活性作用を有する非イオン性化合
物としては、たとえば、各種非イオン性界面活性剤ある
いは、前記イソシアネート(a)が、ノニオン性活性水
素化合物で変性され、前記アニオン性活性水素化合物で
変性されていないイソシアネート(d)(以下本明細書
において「ノニオン性イソシアネート(d)」とい
う。)を含有していてもよい。
【0027】界面活性作用を有する非イオン性化合物と
しては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアリ
ルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポ
リマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキ
ルエーテルなどのエーテル型非イオン性界面活性剤;グ
リセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソル
ビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビ
トールエステルのポリオキシエチレンエーテルなどのエ
ーテルエステル型非イオン性界面活性剤;ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリ
グリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレン
グリコールエステル、ショ糖エステルなどのエステル型
非イオン性界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、ポ
リオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンア
ルキルアミンなど含窒素型非イオン性界面活性剤;前記
イソシアネート(a)と、アルキル基末端ポリエチレン
グリコールなどのノニオン性活性水素化合物とを反応さ
せて得られる自己乳化型の前記ノニオン性イソシアネー
ト化合物などが挙げられる。
【0028】これらのうちでは、界面活性作用を有する
非イオン性化合物としては、前記ノニオン性イソシアネ
ートが好ましく、前記アニオン性イソシアネート(I
I)を誘導するイソシアネート(a)と同一のイソシア
ネート骨格を有する前記ノニオン性イソシアネート化合
物がさらに好ましい。前記アニオン性イソシアネート
(II)のイソシアネート成分(I)中の含有量は、全
イソシアネート成分(I)に対して、0.1質量%以
上、好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは
2〜6質量%の量であることが望ましい。
【0029】アニオン性イソシアネート(II)が、イ
ソシアネート成分(I)に対して上記範囲でイソシアネ
ート成分(I)に含有されていると、ボードの形成にお
いて、水分を吸引により濾過する場合にも、濾液中にイ
ソシアネート類の抜け落ちを抑制することができ、ボー
ド中の鉱物質繊維へのイソシアネート類の歩留まりを向
上させることができる。
【0030】これは、アニオン性イソシアネート(I
I)をイソシアネート成分(I)に含有させることによ
り、イソシアネート成分(I)を乳化して得られるイソ
シアネート成分(I)の粒子表面上に現れたアニオン性
官能基が、カチオン系凝集剤と結合し易くなり、カチオ
ン系凝集剤と鉱物質繊維への相互作用と相まって、該カ
チオン系凝集剤を介在してイソシアネート成分(I)の
鉱物質繊維に対する相互作用が高まるため、イソシアネ
ート成分(I)のボード中への歩留まりが向上したもの
であると推測される。
【0031】本発明では、前記イソシアネート成分
(I)は、水を添加して乳化分散させた場合に、乳化分
散したイソシアネート成分(I)粒子の有する表面電荷
量が一定の範囲にある。具体的には、イソシアネート成
分(I)を含有する乳化分散液について、pHが5以上
7以下の範囲における流動電位法によるポリ塩化ジアリ
ルメチルアンモニウム溶液の滴定量が、1〜50μe
q、好ましくは5〜40μeq、さらに好ましくは10
〜30μeqの範囲にあることが望ましい。
【0032】なお、前記滴定量は、イソシアネート成分
(I)の表面電荷量を示すもので、該表面電荷量は、イ
ソシアネート成分(I)中に含まれるアニオン性イソシ
アネート(II)のアニオン性官能基により発現される
イソシアネート成分(I)におけるアニオンの電荷量で
ある。流動電位法による滴定は、公知の方法により行う
ことができる。なお、流動電位法による滴定とは、粒子
の表面電荷量を測定する方法であって、電荷を有する目
的粒子を有する試料溶液に、カウンターイオンを有する
滴定液を添加し、流動電位がゼロmVとなる点に到達す
るのに要した滴定液の消費量から目的化合物の電荷量を
測定するものである。
【0033】本明細書においては、流動電位法によるイ
ソシアネート(I)の表面電荷量の測定は、MuTEC
社の「PCD(Particle Charge Detector:粒子表面電
荷量測定装置)03」を用いて測定した。標準溶液とし
ては、ポリ塩化ジアリルメチルアンモニウム溶液を用
い、該標準溶液のpHを5〜7の範囲に設定して実施し
た。
【0034】アニオン性イソシアネート(II)が、イ
ソシアネート成分(I)中に上記範囲の滴定量に相当す
る量で含有されていると、ボードの形成において、水分
を吸引により濾過する場合にも、濾液中にイソシアネー
ト類の抜け落ちを抑制することができ、ボード中の鉱物
質繊維へのイソシアネート類の歩留まりを向上させるこ
とができる。その理由は、前述と同様である。
【0035】また、前記滴定量が1μeq/gより小さ
いと、イソシアネート類の歩留まりの向上を図ることが
難しくなる。さらに、前記滴定量が50μeq/gより
大きいと、イソシアネート成分(I)の親水性が高くな
って得られるボードの吸水率が高くなり、ボードの寸法
安定性あるいは強度が悪化することがある。イソシアネ
ート成分(I)の使用量は、前記滴定量が1〜50μe
qの範囲となるようにして決定されるが、通常、鉱物質
繊維、さらに必要に応じ用いられる無機質粉状体の合計
量に対して、好ましくは3〜15質量%、さらに好まし
くは5〜10質量%の量であることが望ましい。
【0036】乳化分散液(C) 本発明に係るボードの製造方法においては、前記イソシ
アネート成分(I)は、水と混合させ、乳化分散液
(C)を調製して他の成分と配合する。乳化分散液
(C)は、前記イソシアネート成分(I)を水と混合攪
拌して得ることができる。
【0037】イソシアネート成分(I)に対する水の量
は、鉱物質繊維の水スラリー(A)中の水の含有量によ
り異なり限定されないが、通常、イソシアネート成分
(I)100質量部に対して、水を100〜1000質
量部混合して、乳化することが好ましい。鉱物質繊維の水スラリー(A) 本発明で用いられる鉱物質繊維の水スラリー(A)は、
鉱物質繊維を含んでおり、さらに、必要に応じ、無機質
粉状体を含んでいてもよい。
【0038】鉱物質繊維としては、たとえば、ロックウ
ール、スラグウール、ミネラルウール、ニッケルウー
ル、および、ガラス繊維などが挙げられる。これらは1
種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することがで
きる。鉱物質繊維の含有量は、得られるボード全体の2
0〜60質量%となるよう調製することが好ましい。鉱
物質繊維の含有量が20質量%未満であると、所望の曲
げ強度が得られない場合があり、60質量%を超えると
相対的に無機質粉状体の割合が減少するため所望の表面
硬度が確保できない場合がある。
【0039】前記無機質粉状体としては、たとえば、炭
酸カルシウム、硅砂、マイクロシリカ、スラグ、水酸化
アルミニウム等を挙げることができる。これらは、1種
単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。こ
のような無機質粉状体を混合することにより、防火性を
維持しつつ、硬度を高めてネジ止め性能を高めることが
できる。
【0040】無機質粉状体の含有量は、得られるボード
全体の40〜70質量%となるよう調製することが好ま
しい。含有量が40質量%未満であると所望の表面硬度
が得られない場合があり、70質量%を超えると強度を
付与する鉱物質繊維の割合が少なくなり、所望の曲げ強
度が得られない場合がある。本発明に係るボードの製造
方法においては、前記鉱物質繊維、さらに無機質粉状体
は、水と混合させて水中に分散させた水スラリー(A)
として用いる。
【0041】鉱物質繊維と、必要に応じ用いる無機質粉
状体に対する水の量は、通常、鉱物質繊維と必要に応じ
用いる無機質粉状体の合計100質量部に対して、水を
2000〜20000質量部用いることが望ましい。カチオン系凝集剤(B) 本発明において使用されるカチオン系凝集剤(B)は、
ロックウールなどの鉱物質繊維、フェノール樹脂等およ
びイソシアネート成分(I)等のバインダー成分を水中
で凝集させて固形分を有するスラリーとするために用い
るものであり、得られた固形分を含むスラリーを公知の
抄造機等に導いてボードを形成させる。この場合、カチ
オン系凝集剤を用いることにより、アニオン性イソシア
ネート(II)との相互作用が大きくなるため、イソシ
アネート成分(I)のボード中への歩留まりを向上させ
ることができる。
【0042】前記カチオン系凝集剤(B)としては、ポ
リアミド系、ポリアクリルアミド系、アクリルアミド
系、ポリアミン系、ポリエチレンイミン、ポリアクリル
酸エステル系、ポリメタクリ酸エステル系、ポリエチレ
ンイミン系、カチオン系アクリルエマルジョン(ラテッ
クス)等の有機系の他に、硫酸バンド、ポリ塩化アルミ
ニウム、アルミン酸ソーダ、水酸化アルミニウム、ポリ
水酸化アルミニウム、塩化第二鉄等が挙げられる。
【0043】これらのうちでは、ポリ塩化アルミニウ
ム、ポリアクリルアミド系化合物を好ましく用いること
ができる。カチオン系凝集剤(B)の使用量は、鉱物質
繊維、イソシアネート成分(I)、さらに無機質粉状体
の合計量に対して、好ましくは0.1〜3質量%、さら
に好ましくは0.5〜2質量%の量であることが望まし
い。
【0044】樹脂(D) 本発明で用いられる樹脂(D)は、フェノール樹脂およ
びアミノ樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であ
る。このような樹脂は、ボードのバインダーとして用い
られる。前記フェノール樹脂は、フェノール、レゾルシ
ノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA
等のフェノール類を一種または二種以上と、ホルムアル
デヒド等のアルデヒド類とを反応させたオリゴマーおよ
び/またはポリマーである。
【0045】このようなフェノール樹脂は、ホルムアル
デヒドとフェノール類のモル比(F/P)が1.0〜
3.0であることが好ましい。モル比が1.0未満では
ホルムアルデヒド放散量低減という目的にはより有利で
あるが、バインダーとして硬化させた場合、硬化が遅い
ばかりか、硬化反応後三次元的な架橋構造をとりにく
く、硬化物の強度や耐水性が低くなり、ひいては無機質
軽量成型体の生産性、強度、耐水性を失う可能性があ
る。
【0046】また、モル比が3.0を超えると、もはや
生産性、強度、耐水性がより向上する可能性は低く、む
しろホルムアルデヒド放散量増大が問題となりやすい。
前記フェノール樹脂は1種または二種類以上のフェノー
ル類を混合して用いてもよい。また、フェノール樹脂製
造時種々の特性を付与させるためポリビニルアルコー
ル、セルロース誘導体等他のポリマー類と混合してもよ
く、使用に際し必要に応じて、硬化剤、溌水剤、難燃剤
等を混合してもよい。
【0047】さらに、本発明に用いるフェノール類樹脂
の製造方法や性状は、特に限定するものではなく、通常
適用される製造方法を用いることができる。前記アミノ
樹脂としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ユリアメラ
ミン共縮合樹脂などが挙げられる。これらは何れも公知
の方法を用いて製造することができ、あるいは市販品を
好適に用いることができる。たとえば、前記ユリア樹脂
は、ユリア1モルに対して、ホルムアルデヒドが1〜3
モルの割合で、アルカリ触媒及び必要に応じて酸触媒を
添加し反応させて得ることができる。また、前記メラミ
ン樹脂は、メラミン1モルに対し、ホルムアルデヒドを
1〜6モルの割合で反応させて得ることができ、該反応
時に触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、アンモニア水等のアルカリ性化合物(ア
ルカリ触媒)及び必要に応じて塩酸、酢酸等の酸(酸触
媒)を添加してもよい。
【0048】本発明では前記フェノール樹脂およびアミ
ノ樹脂の少なくとも1種をバインダー樹脂として用いる
ことができる。前記フェノール樹脂とアミノ樹脂とを併
用する場合には、これらの使用割合は特に限定されな
い。これらの樹脂のうちでは前記フェノール樹脂を用い
ることが好ましく、前記フェノール樹脂を用いると、触
媒の使用、加熱により高分子化し、部分的に架橋した硬
化物を形成することにより高硬度のバインダー層とする
ことができ、得られる成型体の曲げ強度や剛性を向上さ
せることもできる。
【0049】樹脂(D)の使用量は、鉱物質繊維、さら
に無機質粉状体の合計量に対して、好ましくは1〜10
質量%、さらに好ましくは3〜6質量%の量であること
が望ましい。その他の添加剤 本発明に係るボードの製造方法では、ボードはスラリー
から湿式抄造するため、必要に応じてサイズ剤、凝集
剤、消泡剤等の抄造用添加剤を添加してもよい。
【0050】ボードの製造方法 本発明に係るボードの製造方法としては、たとえば、前
記イソシアネート成分(I)を水と混合して得た乳化分
散液(C)、前記鉱物質繊維の水スラリー(A)、カチ
オン系凝集剤(B)、樹脂(D)、その他の抄造用添加
剤を攪拌機に所定量供給し、固形成分を凝集させてスラ
リー状にする。該固形成分は、イソシアネート成分
(I)、鉱物質繊維、必要に応じ無機質粉状体、カチオ
ン系凝集剤(B)、樹脂(D)からなる。
【0051】次いで、攪拌機において混合されたスラリ
ー状混合物を抄造機に供給して抄造した後、濾過(脱
水)して、固形成分からなる板状の湿潤マットを得るこ
とができる。抄造機としては、丸網式抄造機、長網式抄
造機などが挙げられる。このような湿潤マットを形成さ
せる場合、その後に行う乾燥工程での乾燥負荷の軽減の
ため、前記濾過を充分に行う必要があり、通常前記濾過
は、吸引装置を用いて実施する。
【0052】本発明では、前記濾過後の濾液中に流出し
たイソシアネート成分(イソシアネート成分(II
I))の含有量は、濾過前の全イソシアネート成分
(I)に対して好ましくは30質量%以下、さらに好ま
しくは1〜20質量%の範囲にあることが望ましい。本
発明では、イソシアネートとして、特定量あるいは特定
の滴定量のアニオン性イソシアネート(II)が含まれ
たイソシアネート成分(I)用いているので、上記のよ
うに、イソシアネート成分の湿式マット中への歩留まり
を高め、濾液に流出するイソシアネート成分を著しく低
減することができる。
【0053】このようにして得られた湿潤マットは、加
熱、乾燥等の工程を経て、所望のボードとすることがで
きる。通常、加熱、乾燥は、好ましくは80〜250℃
程度の温度範囲で、30分〜5時間程度行う。加熱乾燥
の方法は、熱風による乾燥、ヒーター、バーナーによる
乾燥などが挙げられる。
【0054】具体的には、たとえば、前記湿潤マットを
上中下の3層構造のボードの上下層部分に適用する場合
には、たとえば、前記湿潤マットの表面に均一に中層部
用の混合物を塗布、堆積させて中層部を形成し、その上
に、上部層となる前記湿潤マットを積層して積層体と
し、これを圧締一体化した後、加熱、乾燥することによ
り、3層構造のボードを製造することができる。なお、
前記中層部用の混合物としては、たとえば、パーライ
ト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体など
の公知の無機発泡体と、ゾノトライト、ワラストナイ
ト、セピオライト、合成ワラストナイトなどの公知の繊
維状微粒子およびエポキシ樹脂等の結合剤などからなる
混合物が挙げられる。
【0055】なお、前記圧締一体化、加熱、乾燥工程に
代えて、熱圧一体化すると同時に、あるいは、その後に
乾燥するようにしてもよい。また、前記湿潤マットは、
得られたマットを加熱、乾燥し、硬化させて、単一層の
ボードとすることもできる。このようにして得られるボ
ードの吸水率(20℃の水中で24時間浸せき後の吸水
率)は、好ましくは55%以下、さらに好ましくは50
%以下であることが望ましい。
【0056】本発明に係るボードの製造方法では、前記
アニオン性イソシアネート(II)を含むイソシアネー
ト成分(I)が、前記滴定量が50μeq/g以下の範
囲にあるので、ボードの実用性に優れた吸水率にするこ
とができる。このため、本発明の方法により製造された
ボードは、強度、寸法安定性にも優れている。このよう
なボードは、必要に応じ、所望の寸法に切断し、表面加
工、実加工、塗装などを経て、建築材料など最終製品と
して各種用途に用いることができる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係るボードの製造方法では、バ
インダー成分としてイソシアネート成分を含み、該イソ
シアネート成分が、イオン性を有するイソシアネート成
分を特定量含有しているので、イソシアネート成分の鉱
物質繊維への歩留まりを向上させ、最小限の添加量で、
ボードの強度、寸法安定性に関し従来と同等の効果を得
ることができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中「部」とは「質量部」を
意味する。
【0059】
【製造例1】1リットルのセパラブルフラスコにポリメ
リックMDI(三井武田ケミカル(株)製、商品名:コ
スモネートM−50)953部と、メトキシ末端ポリエ
チレングリコール(日本油脂(株)製、商品名:ユニオ
ックスM550)35部、および乳酸(和光純薬(株)
製)12部を投入し、窒素気流下で内温を80℃にして
2時間混合攪拌した。得られた反応物(以下「A−1」
と記す)は粘度330mPa・s/25℃で、NCO含
有量は28.9%であった。
【0060】(A−1)を蒸留水中に1%濃度となるよ
うに投入し、ホモディスパー(特殊機化工業(株)製)
を用いて、1200rpmで1分間攪拌し、乳化液を得
た。pHは6.8であった。この乳化液を流動電位方式
のコロイド滴定装置MuTEC製MODEL PCD−
03を用いて表面電荷の測定を行った。このときの1/
400Nポリ塩化ジアリルメチルアンモニウム溶液の滴
定量は11.2μeq/gであった。このことは乳化粒
子表面の電荷がアニオンであることを示している。
【0061】
【実施例1】ロッククール50部、水酸化アルミニウム
10部、炭酸カルシウム30部を900部の水中に懸濁
させスラリーとした。さらに、レゾール型フェノール・
ホルムアルデヒド共縮合樹脂((株)サンベーク製、商
品名:PL−222)3部、タピオカでんぷん2部、
(A−1)を5部投入し、攪拌操作によって乳化、分散
を行った。
【0062】次いで、ポリ塩化アルミニウム(住友化学
(株)製)をAl23換算で、0.9部投入した。この
ときのスラリーのpHは9.2であった。このスラリー
を抄造装置に投入し、60メッシュの網で濾過操作を行
った。得られたマットを上下濾紙ではさみ、10kg/
cm2の圧力でプレスし、搾水した。その後マットを出
来上がりのボードの密度が780kg/m3となるよう
にスペーサーを入れ、90℃で5分間、20kg/cm
2の圧力で熱圧プレスを行った。次いで、このマットを
200℃にセットした熱風乾燥器中に入れ、120分間
乾燥し、ボードを得た。
【0063】得られたボードを以下の評価に供した。ま
ず、ボードの一部を切断し、ケルダール窒素分析法によ
り窒素含有量を求め、次式に従いポリメリックMDIの
ボード中への歩留まりを計算した。
【0064】
【数]1】
【0065】この結果(A−1)の歩留まりは86%で
あった。残りのボードの曲げ強度および20℃の水に2
4時間浸漬後の吸水率(((処理後の重量−処理前の重
量)/処理前の重量)×100(%))をJIS A−
5908の方法を用いて測定した。以上の結果を表1に
示す。
【0066】
【比較製造例1】1リットルのセパラブルフラスコにポ
リメリックMDI(三井武田ケミカル(株)製、商品
名:コスモネートM−200)970部と、メトキシ末
端ポリエチレングリコール(日本油脂(株)製、商品
名:ユニオックスM550)30部を投入し、窒素気流
下で内温を80℃にして2時間混合攪拌した。得られた
反応物(以下「B−1」と記す。)は粘度230mPa
・s/25℃で、NCO含有量は30.2%であった。
【0067】反応物(B−1)を蒸留水中に1%濃度と
なるように投入し、ホモディスパー(特殊機化工業
(株)製)を用いて、1200rpmで1分間攪拌し、
乳化液を得た。pHは6.7であった。この乳化液を流
動電位方式のコロイド滴定装置MuTEC製MODEL
PCD−03を用いて表面電荷の測定を行った。この
ときの1/400Nポリ塩化ジアリルメチルアンモニウ
ム溶液の滴定量は3.5μeq/gであった。このこと
は乳化粒子表面の電荷がカチオンであることを示してい
る。
【0068】
【比較例1】実施例1と同様の操作を行い、乾燥ボード
を得た。得られたボードを実施例1と同様の評価に供
し、実際に得られたボードの密度、ポリメリックMDI
の歩留まり、曲げ強度、吸水率を測定した。結果を表1
に示す。
【0069】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G052 GA11 GA21 GA25 4J034 BA02 BA03 BA08 CA03 CA04 CA13 CA22 CA31 CB02 CB03 CB04 CB05 CB07 CB08 CC03 CC05 CC08 CC12 CC61 CC62 CC65 CD04 CD08 CD09 DJ08 DJ09 HA01 HA02 HA04 HA06 HA07 HA11 HA13 HC12 HC13 HC22 HC33 HC34 HC35 HC46 HC52 HC64 HC67 HC71 HC73 JA42 JA43 JA44 JA45 JA46 MA01 QC03 QC08 QD03 QD06 RA10 SA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも鉱物質繊維の水スラリーとイ
    ソシアネート成分(I)と凝集剤とを混合して固形成分
    を凝集させた後、得られた混合物を濾過し、前記固形成
    分を加熱、乾燥して無機ボードを製造する方法におい
    て、 前記イソシアネート成分(I)中に、アニオン性イソシ
    アネート(II)が、全イソシアネート成分(I)に対
    して、0.1質量%以上含有され、 前記凝集剤が、カチオン系凝集剤であり、 前記濾過後の濾液中のイソシアネート成分(III)の
    含有量が、全イソシアネート成分(I)に対して30質
    量%以下であることを特徴とするボードの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アニオン性イソシアネート(II)
    が、ポリメリックMDIの変性体であることを特徴とす
    る請求項1に記載のボードの製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)鉱物質繊維の水スラリーと、
    (B)カチオン系凝集剤と、(C)pHが5以上7以下
    の範囲における流動電位法によるポリ塩化ジアリルメチ
    ルアンモニウム溶液の滴定量が、1〜50μeq/gで
    あるイソシアネート成分(I)の乳化分散液と、(D)
    フェノール樹脂およびアミノ樹脂から選ばれる少なくと
    も1種の樹脂とからなる混合物を、濾過、加熱、乾燥し
    て、 吸水率(20℃の水中で24時間浸せき後の吸水率)が
    55%以下であるボードを得ることを特徴とするボード
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記鉱物質繊維の水スラリー(A)が、
    鉱物質繊維に加え、さらに無機質粉状体を含む水スラリ
    ーであることを特徴とする請求項3に記載のボードの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記イソシアネート成分(I)が、ポリ
    メリックMDIとアニオン性官能基を有するポリメリッ
    クMDIとを含むことを特徴とする請求項3または4に
    記載のボードの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記吸水率が、50%以下であることを
    特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のボードの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記滴定量が、5〜40μeq/gであ
    ることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のボ
    ードの製造方法。
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