JP2003055390A - Cvd用の有機ルテニウム化合物の製造方法及びcvd用の有機ルテニウム化合物 - Google Patents

Cvd用の有機ルテニウム化合物の製造方法及びcvd用の有機ルテニウム化合物

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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 高精度、高性能のルテニウム又はルテニ
ウム化合物薄膜を製造可能なビス(シクロペンタジエニ
ル)ルテニウム誘導体の製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 本発明は、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ルテニウム誘導体からなるCVD用の有機ルテニウ
ム化合物の製造方法において、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ルテニウム誘導体を合成する工程と、合成された
ビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテニウム誘導
体と水添触媒又は還元剤のいずれかよりなる改質剤とを
接触させる工程を含むCVD用の有機ルテニウム化合物
の製造方法である。ここでの水添触媒としては、白金触
媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネーニッケル
触媒のいずれかが適用できる。また、還元剤としては、
水素化ホウ素ナトリウム、リチウムアルミニウムハイド
ライド、カルシウムハイドライド、ジメチルアミンボラ
ン、トリメチルアミンボラン、ヒドラジンのいずれかが
使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学気相蒸着法に
よりルテニウム又はルテニウム化合物薄膜を製造するた
めの有機金属化合物の製造方法に関する。また、この方
法により製造される有機金属化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、DRAM(Dynamic RA
M)等の半導体デバイスの薄膜電極材料としてルテニウ
ム又はルテニウム化合物の適用が検討されている。これ
は、これらの材料は比抵抗が低く、電極としたときに優
れた電気的特性を有することによるものであり、上記D
RAMにおいてはキャパシタの蓄積電極用の材料として
の利用が検討され、その高密度化に大きく寄与できるも
のと考えられている。そして、ルテニウム薄膜は、今
後、薄膜電極の中心材料の一つになるものと注目されて
いる。
【0003】ルテニウム又はルテニウム化合物薄膜の製
造方法としては、スパッタリング法の他、化学気相蒸着
法(Chemical Vapor Depositi
on法:以下CVD法という。)が用いられることが多
い。これは、CVD法は、均一な薄膜を製造し易く、特
に、ステップカバレッジ(段差被覆能)がスパッタリン
グ法に比べて優れているからである。そのため、CVD
法は、近年の回路、電子部材に対するより一層の高密度
化に対応できる、今後の薄膜電極製造プロセスの主流に
なるものと考えられている。
【0004】ここで、CVD法によるルテニウム膜及び
ルテニウム化合物膜の原料物質としては、次式で示され
るビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体の使
用が近年検討されている。このビス(アルキルシクロペ
ンタジエニル)ルテニウム誘導体は、ビス(シクロペン
タジエニル)ルテニウムの一方又は双方のシクロペンタ
ジエン環の1の水素をアルキル基で置換したものであ
る。このビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導
体は、低融点であり常温で液体であることから取り扱い
が容易であり、また、蒸気圧が高いため薄膜の製造効率
に優れることからCVD原料として適格であるとされて
いる。
【0005】
【化2】 (式中、R1、R2は、少なくともいずれかがアルキル
基である。)
【0006】そして、これらビス(シクロペンタジエニ
ル)ルテニウム誘導体の製造方法としては種々の物が知
られている。例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ル
テニウムの双方のシクロペンタジエン環にアルキル基を
導入した、ビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテ
ニウムの製造方法としては、3塩化ルテニウム(RuC
)と、次式で示されるアルキルシクロペンタジエン
とをアルコール溶媒中で亜鉛粉と共に還元反応させる方
法が知られている(この製造方法の詳細については、特
開平11−35589号公報参照。)。
【0007】
【化3】 (式中R1はアルキル基である。)
【0008】また、ビス(シクロペンタジエニル)ルテ
ニウムの一方のシクロペンタジエン環にアルキル基を導
入した、アルキルシクロペンタジエニル(シクロペンタ
ジエニル)ルテニウムの製造方法としては、リン酸触媒
の存在下でルテノセンと化4で示されるアルキルカルボ
ン酸無水物とを反応させて化5で示されるアルキルアシ
ルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ルテ
ニウムとし、更にこれを還元させてアルキルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ルテニウムとする
方法がある。
【0009】
【化4】 (式中R1はアルキル基である。)
【0010】
【化5】 (式中R1は、上記と同義である。)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の各種
電子デバイスの高密度化、高性能化への要求は凄まじ
く、薄膜電極にもこれまで以上に高精度、高性能なもの
が求められている。一般に、薄膜の精度を示す尺度とし
てはモルホロジー(表面粗さ)があり、薄膜電極の性能
は、その電気特性、例えば比抵抗値等により評価され
る。
【0012】従来の製造方法により製造されるビス(シ
クロペンタジエニル)ルテニウム誘導体は、その反応雰
囲気を制御し反応条件を適切とし合成を行うことにより
高純度の化合物とすることができ、これにより高精度、
高性能の薄膜電極が製造可能であると考えられる。しか
しながら、上記したように薄膜の高精度化、高性能化へ
の要求はより高いレベルにあり、これに十分に答えるた
めには従来のビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム
誘導体の製造工程に改良の余地があるはずである。
【0013】本発明は、以上のような背景の下になされ
たものであり、従来以上に高精度、高性能のルテニウム
又はルテニウム化合物薄膜を製造可能なビス(シクロペ
ンタジエニル)ルテニウム誘導体の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の製
造方法により製造されたビス(アルキルシクロペンタジ
エニル)ルテニウムについて調査検討を行なった。その
結果、上記従来の製造方法により製造されたビス(アル
キルシクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体には極微
量ではあるが、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム
にビニル基やブテン基等のオレフィン類が導入されたオ
レフィン錯体が不純物として存在することが判明した。
このオレフィン錯体は、ビス(アルキルシクロペンタジ
エニル)ルテニウム誘導体が空気と接触することにより
一部が酸化(脱水素)することによるものと考えられ
る。例えば、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニ
ウムの製造においては、次式のような反応が生じる。
【0015】
【化6】
【0016】このオレフィン錯体は酸素との反応性が高
いことから、これらが混入したビス(シクロペンタジエ
ニル)ルテニウム誘導体をCVD原料として用いた場
合、CVD装置中で反応ガスである酸素によりオレフィ
ン基が導入された有機ルテニウム化合物が反応し次式で
示される有機酸化合物が生成する。例えば、上記したビ
ス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムの場合、次
式のような反応が生じる。
【0017】
【化7】
【0018】そして、この有機酸化合物は気化、分解し
にくく、有機酸化合物を含んだ状態で薄膜を製造すると
薄膜中に残留することとなるが、これにより薄膜のモホ
ロジーが悪化したり、残留炭素として存在することによ
り薄膜の電気特性(抵抗値)を悪化させることとなる。
【0019】このように、合成されたビス(シクロペン
タジエニル)ルテニウム誘導体中にオレフィン錯体が混
入している場合、製造される薄膜性状の悪化が懸念され
る。そして、薄膜電極のモルホロジーはナノメートルオ
ーダーの単位で評価されていることから、極微量の不純
物であっても薄膜電極の場合はその影響はかなり大きい
ものといえる。また、不純物混入による電気特性への影
響についても同様であり、薄膜電極に対する電気特性の
悪化(例えば、比抵抗値の増大)は僅かであっても、デ
バイス全体に与える影響は大きくなる。従って、従来以
上に高精度、高性能の薄膜電極を製造するための原料と
しては、これら僅かな不純物であっても除去できること
が望ましいといえる。
【0020】そこで、本発明者は、合成されたビス(シ
クロペンタジエニル)ルテニウム誘導体より、不純物で
あるオレフィン基を含む有機ルテニウム化合物を除去す
る方法を確立すべく鋭意検討を行なった結果、合成直後
のビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体と水添
触媒又は還元剤とを接触させて、不純物であるオレフィ
ン錯体を水添又は還元することによりこれをビス(シク
ロペンタジエニル)ルテニウム誘導体に戻すのが適切で
あるとして本発明を想到するに至った。
【0021】即ち、本願発明は、次式で示されるビス
(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体からなるC
VD用の有機ルテニウム化合物の製造方法において、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体を合成す
る工程と、合成されたビス(アルキルシクロペンタジエ
ニル)ルテニウム誘導体と水添触媒又は還元剤のいずれ
かよりなる改質剤とを接触させる工程を含むCVD用の
有機ルテニウム化合物の製造方法である。
【0022】
【化8】 (式中、R1、R2は、少なくともいずれかがアルキル
基である。)
【0023】本発明によれば、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ルテニウム誘導体の純度を確実に高めることがで
きる。本発明においてオレフィン錯体をビス(シクロペ
ンタジエニル)ルテニウム誘導体に転換するという操作
を行なうのは、この方法がビス(シクロペンタジエニル)
ルテニウムの高純度化に最も適切だからである。即ち、
一般に不純物を含有する化合物の精製方法としては、蒸
留法、抽出法等もあるが、本発明で分離対象となるオレ
フィン錯体は、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウ
ム誘導体の1種であることから、沸点等が近似してい
る。従って、これらの分離方法ではオレフィン錯体の分
離が困難であり、これらの方法ではビス(シクロペンタ
ジエニル)ルテニウムの高純度化は図れないからであ
る。
【0024】ここで、オレフィン錯体を水添又は還元す
る、水添触媒としては、一般に水添触媒又は還元剤とし
て知られているものを適用できるが、水添触媒として
は、白金触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ラネ
ーニッケル触媒のいずれかを用いるのが好ましい。ま
た、還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaB
)、リチウムアルミニウムハイドライド(LiAl
)、カルシウムハイドライド(CaH)、ジメチ
ルアミンボラン(CNBH)、トリメチルアミ
ンボラン(CNBH)、ヒドラジン(NH
)を用いるのが好ましい。
【0025】また、この水添又は還元反応の条件として
は、反応温度は室温程度とするのが好ましく、反応時間
としては1〜2時間程度とさほど長時間を要するもので
はない。
【0026】尚、本発明においてはビス(シクロペンタ
ジエニル)ルテニウム誘導体の合成方法については特に
限定されない。従って、例えば、アルキル誘導体の合成
方法としては、ビス(アルキルシクロペンタジエニル)
ルテニウムについては、塩化ルテニウムとアルキルシク
ロペンタジエンとをアルコール溶媒中で亜鉛粉と共に還
元反応させる方法があるがこの合成方法に限定されるも
のではない。また、アルキルシクロペンタジエニル(シ
クロペンタジエニル)ルテニウムの合成方法も、まずア
ルキルアシルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエ
ニル)ルテニウムを製造し、更にこれを還元させる方法
があるがこの合成方法に限定されるものではない。
【0027】以上説明した本発明に係るビス(シクロペ
ンタジエニル)ルテニウムの製造方法によれば、従来以
上に高純度のビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム
誘導体を製造することができる。そして、このビス(シ
クロペンタジエニル)ルテニウム誘導体をCVD法に適
用することで高精度、高性能のルテニウム又はルテニウ
ム化合物薄膜を製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
比較例と共に説明する。
【0029】第1実施形態:本実施形態では、ビス(シ
クロペンタジエニル)ルテニウムとして、2つのシクロ
ペンタジエン環の水素がエチル基で置換された、ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウムを製造した。
窒素置換したフラスコ中にエチルアルコール200ml
とエチルシクロペンタジエン40gと亜鉛粉末(純度9
9.999%、200メッシュ)7gとを入れ混合し
た。そして、この混合溶液を−40℃以下に保持しつつ
塩化ルテニウム25gを滴下して反応させた後、−40
℃で24時間攪拌した。反応後の液相を回収し、この液
相からヘキサンにてビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ルテニウム20gを抽出した。
【0030】この合成直後のビス(エチルシクロペンタ
ジエニル)ルテニウムをガスクロマトグラフィーにて分
析したところ、その純度は99%であった。また、質量
分析を同時に行なったところ、このビス(エチルシクロ
ペンタジエニル)ルテニウムには不純物としてエチルシ
クロペンタジエニル(ビニルシクロペンタジエニル)ル
テニウムが含まれていることが確認された。
【0031】次に、合成されたビス(エチルシクロペン
タジエニル)ルテニウム100gに0.5%パラジウム
触媒(担体:活性炭)を1g添加し、室温にて攪拌し2
時間反応させた。そして、反応後触媒を濾別し、170
℃、17Paで減圧蒸留を行ないビス(エチルシクロペ
ンタジエニル)ルテニウム95gを抽出した。
【0032】このようにして製造されたビス(エチルシ
クロペンタジエニル)ルテニウムについても分析を行な
ったところ、その純度は99.9%と製造直後のものよ
り純度が向上していることが確認された。また、質量分
析の結果からもエチルシクロペンタジエニル(ビニルシ
クロペンタジエニル)ルテニウムの存在は確認されなか
った。
【0033】次に、製造されたビス(エチルシクロペン
タジエニル)ルテニウムを原料としてCVDによりルテ
ニウム薄膜を製造した。この際の薄膜製造条件は次のと
おりである。
【0034】 基板温度 :310℃ チャンバ圧力 :約665Pa(5.0torr) キャリアガス(Ar)流量 :200sccm 反応ガス(酸素)流量 :200sccm
【0035】製造された薄膜についてFE−FEM、A
FM(原子間力顕微鏡)にて膜厚、表面粗さを測定した
ところ、膜厚40nm、表面粗さ4.0nmであった。
また、薄膜中の残留炭素濃度をGD−MSにて測定した
ところ、残留炭素濃度は20〜30ppmであった。
【0036】第2実施形態:本実施形態では、ビス(シ
クロペンタジエニル)ルテニウムとして、1つのシクロ
ペンタジエン環の水素がn−ブチル基で置換された、n
−ブチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ルテニウムを製造した。ビス(シクロペンタジエニル)
ルテニウム300gと無水酪酸1000mlと85%リ
ン酸150mlとを混合し、85℃にて1時間加熱反応
させ、反応物を1規定の水酸化ナトリウムで中和した
後、カラムクロマトグラフィーで分離精製してヘキサン
にて再結晶させてn−ブチルシクロペンタジエニル(シ
クロペンタジエニル)ルテニウム400gを得た。
【0037】そして、この作業を繰り返して得られたn
−ブチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ルテニウム5gをエタノール40ml中に入れ、更
に還元剤を混合、反応させた。反応後、反応液を濾過し
て触媒を除去し、100℃、53.2Paで減圧蒸留し
た結果、n−ブチルシクロペンタジエニル(シクロペン
タジエニル)ルテニウムを得た。
【0038】第1実施形態同様、合成直後のn−ブチル
シクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ルテニ
ウムの純度を分析したところ、その純度は99.3%で
あった。また、0.7%の不純物については質量分析の
結果からn−ブテンルテノセンであることが確認され
た。
【0039】次に、合成されたn−ブチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ルテニウム100g
に0.5%パラジウム触媒(担体:活性炭)を1g添加
し、室温にて攪拌し3時間反応させた。そして、反応後
触媒を濾別し、170℃、17Paで減圧蒸留を行ない
n−ブチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)97gを抽出した。
【0040】そして、この製造されたn−ブチルシクロ
ペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ルテニウムに
ついても分析を行なったところ、その純度は99.9%
と製造直後のものより純度が向上していることが確認さ
れた。
【0041】更に、製造されたn−ブチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ルテニウムを原料と
してCVDによりルテニウム薄膜を製造した。この際の
薄膜製造条件は、第1実施形態と同様である。
【0042】製造された薄膜についてFE−FEM、A
FMにて膜厚、表面粗さを測定したところ、膜厚70n
m、表面粗さ3.8nmであった。また、薄膜中の残留
炭素濃度をGD−MSにて測定したところ、残留炭素濃
度は20〜30ppmであった。
【0043】比較例1:第1実施形態において合成直後
の精製を行なわないビス(エチルシクロペンタジエニル)
ルテニウムを用いてルテニウム薄膜を製造した。このと
きの薄膜製造条件は第1実施形態と同様である。
【0044】そして、製造された薄膜について第1実施
形態と同様、膜厚、表面粗さを測定したところ、膜厚4
0nm、表面粗さ4.5nmであった。また、薄膜中の
残留炭素濃度を測定したところ、残留炭素濃度は80〜
110ppmであった。
【0045】比較例2:第2実施形態において合成直後
の精製を行なわないn−ブチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ルテニウムを用いてルテニウ
ム薄膜を製造した。このときの薄膜製造条件は第2実施
形態と同様である。
【0046】そして、製造された薄膜について第2実施
形態と同様、膜厚、表面粗さを測定したところ、膜厚7
0nm、表面粗さ4.3nmであった。また、薄膜中の
残留炭素濃度を測定したところ、残留炭素濃度は70〜
110ppmであった。
【0047】以上の第1、第2実施形態及び比較例1、
2で製造された薄膜の性状についての測定値を整理した
ものを表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】この表1からわかるように、第1、第2実
施形態で製造されたルテニウム薄膜は、比較例に比べて
表面粗さが低く、残留炭素濃度も低く、特に残留炭素濃
度は約1/3程度になっている。これは、合成後のビス
(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体を精製し、そ
の純度を約1%ではあるが高くしたことによる。尚、表
面粗さについては実施形態と比較例との差は0.5nm
と僅かであるようにみえるが、このような微小な差であ
っても薄膜電極としての用途を考えればその差は大きい
ものといえる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、薄
膜性状に影響を与え得るオレフィン錯体が混入のない高
純度のビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテニウム
を製造することができる。そして、本発明により製造さ
れるビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテニウムに
よれば、モルホロジーの極めて良好で残留炭素濃度の低
いルテニウム又はルテニウム化合物薄膜を製造すること
ができる。これは特に、DRAMのような今後一層の高
密度化が要求される半導体デバイスの薄膜電極に対して
有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式で示されるビス(シクロペンタジエニ
    ル)ルテニウム誘導体からなるCVD用の有機ルテニウ
    ム化合物の製造方法において、 ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム誘導体を合成
    する工程と、合成されたビス(アルキルシクロペンタジ
    エニル)ルテニウム誘導体と水添触媒又は還元剤のいず
    れかよりなる改質剤とを接触させる工程を含むCVD用
    の有機ルテニウム化合物の製造方法。 【化1】 (式中、R1、R2は、少なくともいずれかがアルキル
    基である。)
  2. 【請求項2】水添触媒として、白金触媒、パラジウム触
    媒、ルテニウム触媒、ラネーニッケル触媒のいずれかを
    用いる請求項1記載のCVD用の有機ルテニウム化合物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】還元剤として、水素化ホウ素ナトリウム、
    リチウムアルミニウムハイドライド、カルシウムハイド
    ライド、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラ
    ン、ヒドラジンのいずれかを用いる請求項1記載のCV
    D用の有機ルテニウム化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3記載の方法により製造
    される有機ルテニウム化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534678A (ja) * 2007-07-24 2010-11-11 シグマ−アルドリッチ・カンパニー 化学的相成長工程用の有機金属前駆体
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