JP2003049785A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JP2003049785A
JP2003049785A JP2001238006A JP2001238006A JP2003049785A JP 2003049785 A JP2003049785 A JP 2003049785A JP 2001238006 A JP2001238006 A JP 2001238006A JP 2001238006 A JP2001238006 A JP 2001238006A JP 2003049785 A JP2003049785 A JP 2003049785A
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rectangular cross
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Hiroaki Bito
宏明 尾藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 渦巻体の加工と同じ工具で加工でき、しか
も、連通路の断面積を最小限に抑えることによって、安
価に圧縮効率を向上させる。 【解決手段】 一方(たとえば旋回側)のスクロール端
板から立設された渦巻体の基部に形成されている応力集
中を分散させるR加工部と旋回状態で噛み合うよう他方
(たとえば固定側)のスクロール端板から立設された渦
巻体9bの先端部に、2段の矩形断面切欠部9gを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば空気調和
装置や冷凍装置に使用されるスクロール圧縮機等のスク
ロール型流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スクロール圧縮機などのスク
ロール型流体機械においては、固定スクロール、旋回ス
クロール及び自転阻止機構を具備することでスクロール
圧縮機構を構成している。このスクロール圧縮機構にお
いて、一方の固定スクロールは、吸入管及び吐出管を接
続したハウジング内に固定支持された不動のスクロール
である。他方の旋回スクロールは、固定スクロールと上
下または左右方向に噛み合わされた状態で配置され、自
転阻止機構により自転を阻止されると共に、電動モータ
などの駆動源と連結されて、固定スクロールに対し公転
旋回運動を行うものである。この旋回スクロールは、固
定スクロールと複数の接触点で接触して三日月状の圧縮
室を形成し、同圧縮室が外周側より容積を減少させなが
ら内側へ移動することにより、吸入・圧縮・吐出を同時
に行うことができる。
【0003】また、上述した固定スクロール及び旋回ス
クロールにおいては、特に軽量化の面で有利になるアル
ミニウム製の固定スクロール及び旋回スクロールが採用
されることにより、それぞれの端板から突設されたラッ
プ(渦巻体)の基部に応力集中を分散させるための部分
が設けられることが多くなってきている。図7に示す渦
巻体の従来構造において、図中の符号9は固定スクロー
ル、9aは端板、9bは固定側渦巻体である。固定側渦
巻体9bの基部には、歯元への応力集中を分散させるこ
とによって疲労強度を向上させる目的で、R加工部9d
のような応力集中分散構造を設けたものがある。すなわ
ち、端板9aの面(歯底)から垂直に立設された固定側
渦巻体9bの面(歯元)まで、角部になだらかな円弧状
断面等の曲線を描くように加工することで、直角のよう
に急激な角度変化をする角部に作用するような応力集中
の分散を図っている。なお、このような応力集中分散構
造は、通常は強度的に最も厳しい状況となるスクロール
中央部、すなわち、圧縮された流体の吐出ポートに近い
部分のみに設けられ、また、固定スクロール9と同様
に、旋回スクロール11の旋回側渦巻体11bにも採用
されている。
【0004】図8は、ダブルプロファイルと呼ばれる渦
巻体90の中央部先端形状を示したもので、図中の符号
91は上部渦巻体、92は下部渦巻体、93及び95は
R加工部、94は端板を示している。ダブルプロファイ
ルの渦巻体90は、少なくとも渦巻体90の一部に対し
て、好適には中央部先端側の一部に対して高さ方向の段
差面STが形成され、該段差面STを境にして上部渦巻
体91と下部渦巻体92とに分割されている。このよう
なダブルプロファイル形状の渦巻体90においても、固
定スクロール及び旋回スクロール共に、特に強度的に厳
しい条件の部分、すなわち吐出ポートと近い部分の渦巻
体基部にR加工部93を設け、さらに、段差面STから
立設された上部渦巻体91の基部にR加工部95を設け
て、応力集中の分散を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したR
加工部9d,93,95を設けると、旋回によって噛み
合う相手方の渦巻体は、その先端部になんらかの逃げを
設けておかないと、突出部となるR加工部と干渉するこ
とになる。そこで、図9に示すように渦巻体の先端角部
を面取りしたり、あるいは、図11に示すように先端角
部に矩形状の切欠部を設けることで、R加工部との干渉
を回避することが考えられる。
【0006】図9に示す平面図は、図7に示した通常の
渦巻体9bに面取り加工を施した例を示している。この
例では、渦巻体9bの先端角部に対し、旋回時に相手方
のR加工部と干渉する位置を斜めに切り欠いて、面取部
9eを設けてある。図10は、図9に示した固定スクロ
ール9側の渦巻体9bと相手方となる旋回スクロール1
1側の渦巻体11bとが噛み合う様子を示したものであ
る。この場合、切欠部として設けられた面取部9eが旋
回によって相手方のR加工部11dと噛み合う角度とな
った時には、図10(b)に示すように、隣接する圧縮
室間を連通状態とする連通路S1が形成される。このよ
うな連通路S1はせっかく圧縮した高圧流体を低圧側へ
逃がすため、圧縮効率を低下させる原因となる。
【0007】このような面取り加工による切欠部は、連
通路S1の断面積を小さくできるという利点がある反
面、渦巻体9bの加工に利用するのと同様の工具を用い
て加工することができない。すなわち、一般的にはエン
ドミルのような加工工具を使用して渦巻体9bの加工を
実施するが、先端角部に面取部9eを形成するためには
工具交換が必要となるので、作業工数の増加により生産
性が低下したりコストアップになるという問題がある。
【0008】一方、図11に示すような矩形断面の切欠
部9fを先端角部に形成した場合、たとえばエンドミル
のような加工工具を用い、工具交換することなく渦巻体
9bと同時加工が可能である。しかしながら、図11
(b)に示すように、切欠部9fが旋回によって相手方
のR加工部11dと噛み合う角度となった時には、隣接
する圧縮室間を連通状態とする連通路S2が形成され
る。このような連通路S2は、上述した面取部9eとの
間に形成される連通路S1より断面積が大きくなる(S
1<S2)ため、圧縮した高圧流体が低圧側へ逃げる量
も増加してより一層圧縮効率を低下させるという問題が
生じる。
【0009】さらに、図12にはダブルプロファイルと
呼ばれる渦巻体に係る従来例が示されており、図中の符
号91,91Aは上部渦巻体、92,92Aは下部渦巻
体、93,93Aは渦巻体基部のR加工部、94,94
Aは端板、95,95Aは上部渦巻体基部のR加工部、
96′,96A′は上部渦巻体先端部の矩形断面切欠
部、97′,97A′は下部渦巻体先端部の面取部、S
T,STAは段差面、S3〜S6は連通路である。この
場合も、図示したような面取加工による切欠部を採用す
ると同一工具による加工が困難になり、また、矩形断面
の切欠部(図示省略)とすれば加工の問題は解消される
ものの、連通路の断面積が大となって低圧側への逃げ量
が増し、圧縮効率の低下を招くという問題が生じる。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、渦巻体の加工と同じ工具で加工でき、しかも、連
通路の断面積を最小限に抑えることによって、安価に圧
縮効率を向上させることができるスクロール型流体機械
の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
スクロール型流体機械は、閉空間を形成し吸入管及び吐
出管を接続したハウジングと、該ハウジング内に固定支
持された固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合
わされ、同固定スクロールに対し自転を阻止されて公転
旋回運動を行う旋回スクロールと、該旋回スクロールの
駆動手段とを具備し、前記固定スクロールと前記旋回ス
クロールとが複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室
を形成し、該圧縮室が外周側より容積を減少させながら
内側へ移動して吸入・圧縮・吐出を同時に行うスクロー
ル型流体機械において、一方のスクロール端板から立設
された渦巻体の基部に形成されている応力集中を分散さ
せる部位と旋回状態で噛み合う他方のスクロール端板か
ら立設された渦巻体の先端部に、2段以上の矩形断面切
欠部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】このようなスクロール型流体機械によれ
ば、スクロール加工と同様の工具を用いて矩形断面の切
欠部を加工成形することができる。そして、2段階以上
の矩形断面切欠部としたので、一方の渦巻体に設けた矩
形断面切欠部と他方の渦巻体の基部に形成されている応
力集中部との間に形成される連通路面積を最小限に抑え
ることができる。
【0013】請求項2記載のスクロール型流体機械は、
請求項1記載のスクロール型流体機械において、前記ス
クロール端板から立設された前記渦巻体の少なくとも一
部に高さ方向の段差面を設けてダブルプロファイルと
し、前記段差面の一方から立設された上部渦巻体の基部
に形成されている応力集中を分散させる部位と旋回状態
で噛み合う他方の下部渦巻体の先端角部に、2段以上の
矩形断面切欠部を設けたことを特徴とするものである。
【0014】このようなスクロール型流体機械によれ
ば、ダブルプロファイルの段差面から立設される上部渦
巻体の基部に設けられている応力集中を分散させる部位
との干渉を避けるための矩形断面切欠部についても、ス
クロール加工と同様の工具を用いて矩形断面の切欠部を
加工成形することができる。そして、2段階以上の矩形
断面切欠部としたので、一方の渦巻体に設けた矩形断面
切欠部と他方の渦巻体の基部に形成されている応力集中
部との間に形成される連通路面積を最小限に抑えること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスクロール型
流体機械の一実施形態を図面に基づいて説明する。ここ
で、スクロール型流体機械の一実施形態として、密閉縦
型のスクロール圧縮機の構成及び圧縮流体の経路を図3
ないし図5に基づいて説明する。図示のスクロール圧縮
機1は密閉型と呼ばれているものである。このスクロー
ル圧縮機1は、有底筒形状のハウジング2と、該ハウジ
ング2内部の上部にフレーム3で支持されたスクロール
圧縮機構4と、該スクロール圧縮機構4の下方、すなわ
ちハウジング2内部の下部にフレーム3で支持して配設
された駆動手段のモータ5とを備え、該モータ5の回転
シャフト6が、スクロール圧縮機構4の下部に連結され
ている。
【0016】前記ハウジング2は、筒部2aの下端及び
上端が底部2b及び蓋部2cでそれぞれ閉塞状態とさ
れ、筒部2aには吸入管7が内部と貫通状態に接続され
るとともに、蓋部2cには吐出管8が内部に突出状態に
接続された閉空間を形成している。前記スクロール圧縮
機構4は、フレーム3に固定された固定スクロール9
と、フレーム3と固定スクロール9との間にスラスト軸
受10を介して公転旋回運動が可能に支持された旋回ス
クロール11と、該旋回スクロール11の外面に設けら
れ旋回スクロール11の公転旋回運動を許容しながらそ
の自転を阻止する周知のオルダムリンク等よりなる自転
阻止機構12とを備えている。
【0017】前記固定スクロール9は、固定側端板9a
と、該固定側端板9aの内面に立設された渦巻き状の固
定側渦巻体(ラップ)9bと、固定側端板9aの周縁部
に形成された円筒状の周壁部9cとを備え、該固定側渦
巻体9bの先端面には、チップシール13が嵌装されて
いる。前記固定側端板9aには、その中央部に吐出ポー
ト14が上下に貫通状態に形成されるとともに、その上
面には吐出ポート14を開閉する吐出弁機構15が設け
られている。
【0018】また、前記周壁部9cの上端には、キャビ
ティ蓋部16が機密状態に固定されて、内部に吐出キャ
ビティ17が形成されている。キャビティ蓋部16に
は、吐出管8の開口端が貫通状態に固定され、吐出管8
と吐出キャビティ17とが接続されている。また、周壁
部9cには、固定側端板9a内面側とハウジング2側と
を連通する吸入通路18が形成され、該吸入通路18
は、固定スクロール9と旋回スクロール11との間に形
成される吸入室19に接続される。
【0019】前記旋回スクロール11は、前記固定側端
板9aに対向状態に配された旋回側端板11aと、該旋
回側端板11aの内面に立設された固定側渦巻体(ラッ
プ)9bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体11
bとを備え、該旋回側渦巻体11bの先端面にもチップ
シール13が嵌装されている。前記旋回側端板11aに
は、その外面に円筒形状のボス20が軸線を同じくして
立設され、該ボス20の内部には、ブッシュ21が旋回
軸受22を介して回転可能に嵌装されている。また、該
ブッシュ21には、その内部に軸線から偏心した貫通孔
21aが形成されている。
【0020】固定スクロール9と旋回スクロール11と
は、図4に示すように、互いに所定の距離だけ偏心した
状態で、固定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11bとの互
いの側面が複数個所で線接触するように180度の位相
差をもって噛み合わされている。また、この状態で、固
定側渦巻体9b及び旋回側渦巻体11bのチップシール
13がそれぞれ旋回側端板11a及び固定側端板9aの
内面に密接して、固定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11
bの中心に対して点対称の位置関係となる複数個所に密
閉空間となる圧縮室Pが形成される。なお、旋回スクロ
ール11は、周知のオルダムリンク23を備えた自転阻
止機構12によって、フレーム3及び同フレーム3に固
定された固定スクロール9に対して、自転が阻止された
状態で公転旋回運動可能に配されている。
【0021】また、固定スクロール9の固定側渦巻体9
bは、図5に示すように、特に圧縮された流体の出口で
ある吐出ポート14側の中央先端部、すなわち圧力が高
く強度的に最も厳しい吐出ポート14と近い位置に、基
部への応力集中を分散させる目的でR加工部9dが設け
られている。このように応力集中を分散させる部位とな
るR加工部9dは、歯元となる固定側渦巻体9bの面か
ら歯底となる端板9aの面まで、急激な角度変化をしな
いよう断面形状を曲面に加工した部分である。このよう
なR加工部9dは、直交する端板9a及び固定側渦巻体
9bの面より外側へ突出した部分であり、従って、旋回
時にこのR加工部9dと干渉するのを防止するために
は、対応する相手方の渦巻体、すなわち旋回側渦巻体1
1bの先端部に、後述する逃げ部となる空間(切欠部)
を形成しておく必要がある。なお、このような応力集中
の分散を図る部分については、必ずしもR加工部9dの
ような凹曲面(フィレット)に限定されることはなく、
また、旋回スクロール11の旋回側渦巻体11bについ
ても同様のR加工部が設けられている。
【0022】前記モータ5の回転シャフト6は、フレー
ム3の内周面に配された上部軸受24及び下部軸受25
に軸支され、軸線から所定量偏心された偏心ピン26が
上端に突出状態に設けられている。偏心ピン26は、ブ
ッシュ21の貫通孔21aに挿入され、ブッシュ21を
回転可能に支持している。さらに、偏心ピン26の下部
には、旋回スクロール11及びフレーム3との間に形成
された室27内にバランスウエイト28が固定されてい
る。
【0023】偏心ピン26及び回転シャフト6には、こ
れらを上下に貫通する油通路29が形成されるととも
に、回転シャフト6の下端には潤滑油ポンプ30が設け
られており、油通路29の下端に接続されている。ま
た、ハウジング2の底部2bには、潤滑油31が貯留さ
れており、該潤滑油31内に回転シャフト6の下端が配
されている。さらに、フレーム3には、室27とフレー
ム3下部とを連通する排油孔3bと、フレーム3外周部
に配されフレーム3上部と下部とを連通する通路3cと
が形成されている。
【0024】次に、上記構成のスクロール圧縮機1にお
けるガス(流体)の圧縮方法について説明する。モータ
5を駆動することにより、回転シャフト6の回転が偏心
ピン26、ブッシュ21、旋回軸受22及びボス20を
介して旋回スクロール11に伝達されるとともに、旋回
スクロール11が自転阻止機構12によって自転が阻止
された状態で固定スクロール9に対して公転旋回運動を
行う。このとき、ガスは、吸入管7からハウジング2内
に供給されるとともにモータ5を冷却し、さらに通路3
c、吸入通路18及び吸入室19を経て圧縮室Pへと供
給される。
【0025】そして、圧縮室P内のガスは、旋回スクロ
ール11の上記公転旋回運動による圧縮室Pの容積縮小
に伴い、圧縮されながら中央部に移送される。このよう
にして、さらに圧縮されたガスは、吐出ポート14から
吐出弁機構15を押し開けて吐出キャビティ17内に排
出され、該吐出キャビティ17から吐出管8によって外
部へと排出される。
【0026】また、底部2bに貯留された潤滑油31
は、潤滑油ポンプ30によって吸い上げられるとともに
油通路29内を通って偏心ピン26先端から出され、偏
心ピン26、ブッシュ21、旋回軸受22、スラスト軸
受10、下部軸受25及び自転阻止機構12等を潤滑す
る。この後、潤滑油31は、室27から排油孔3bを介
してハウジング2の底部2bに戻されて貯留される。
【0027】上述した構成のスクロール圧縮機1に対し
て、本発明では、旋回時においてR加工部のような応力
集中を分散させる突出部位との干渉を避けるため、相手
方となる渦巻体の先端角部に矩形断面切欠部を設けてあ
る。図1に示す第1の実施形態は、本発明の課題を説明
するために使用した図9と対応する図、すなわち一般的
な渦巻体9bの中央先端部形状を示す平面図であり、図
2は、固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせ
た状態の断面(図10(a)のF−F断面)を示した図
10(b)に対応するものである。従って、以下では同
一の部分には同じ符号を付して説明する。なお、ここで
は固定スクロール側の渦巻体を図示して説明することと
し、図中の符号9は固定スクロール、9aは端板、9b
は固定側渦巻体(ラップ)、9dはR加工部、9gは矩
形断面切欠部である。
【0028】この矩形断面切欠部9gは、好ましくは正
方形の矩形断面とした切欠部9g′,9g″を2段階に
連続させて階段状に設けたものであり、その縦壁部分は
いずれも渦巻体9bと同様に端板94に対して垂直な面
になっている。また、切欠部9g′,9g″の底面部
は、いずれも端板94と平行な面となっている。このよ
うな矩形断面切欠部9gは、旋回状態で噛み合う相手方
(旋回側)の渦巻体11dに設けられているR加工部1
1dと、旋回時において噛み合う(接触する)領域に設
けられる。図示の例では、R加工部11d(9d)が渦
巻体11(9)のスクロール中央部側端部に設けられて
おり、これと噛み合う位置、すなわち、高圧が作用する
ため強度的には最も厳しい条件となる渦巻体9のスクロ
ール中央部(吐出ポート14)側に位置する噛み合い部
分の内周面に設けられている。
【0029】このような2段の矩形断面切欠部9gとす
れば、前述した図11の切欠部9fと同様に、渦巻体9
bのスクロール加工と同様の加工工具(エンドミルな
ど)を使用して連続的な加工が可能になる。すなわち、
渦巻体9bと2段の矩形断面切欠部9gとを同じ加工工
具で一体的に連続加工することができるので、工具交換
が不要となるために作業工数の増加がない、あるいは最
小限の作業工数増加として、効率よく製造することがで
きる。また、図2(a)に示すように、2段とした矩形
断面切欠部9gとR加工部11dとが噛み合う旋回角度
では、両者の間に形成される連通路S7の断面積を小さ
くすることができる。すなわち、上述した1段の切欠部
9fと同じ寸法条件とすれば、2段階の矩形断面切欠部
9gの方がハッチング部99hの断面積分だけ小さな連
通路S7を形成することとなり、その分圧縮した流体が
低圧側へ逃げる量を低減できる。
【0030】さて、上述した実施形態では、2段の矩形
断面切欠部9gとしたが、たとえば図2(b)に示すよ
うな3段の矩形断面切欠部9iとすることで、より一層
小さな断面積の連通路S7′となり、そして、3段以上
の多段とすることでさらに断面積の小さい連通路とな
る。従って、矩形断面切欠部9g,9iを多段にすれば
するほど、連通路S7,S7′の断面積が小さくなるの
で、圧縮した流体が低圧側へ流出する量を低減して圧縮
効率を向上させることができる。
【0031】続いて、図6に基づいて、ダブルプロファ
イルの渦巻体90,90Aへの適用例(第2の実施形
態)を説明する。なお、図6は従来技術の図12に対応
するものであり、図中の符号91,91Aは上部渦巻
体、92,92Aは下部渦巻体、93,93Aは渦巻体
基部のR加工部、94,94Aは端板、95,95Aは
上部渦巻体基部のR加工部、96,96Aは上部渦巻体
先端部の矩形断面切欠部、97,97Aは下部渦巻体先
端部の矩形断面切欠部、ST,STAは段差面をそれぞ
れ示している。
【0032】この場合も、上述した一般的なプロファイ
ルと同様に、端板94,94Aから立設された渦巻体9
0,90A(上部渦巻体91,91A)の基部には、応
力集中を分散させる目的でR加工部93,93Aが設け
られている。この渦巻体90,90Aは、渦巻方向の少
なくとも一部に高さ方向の段差面ST,STAを備え、
段差面より下側の下部渦巻体92(92A)と、段差面
より上側の上部渦巻体91(91A)とに分離されてい
る。また、段差面ST(STA)から立設される上部渦
巻体91(91A)の基部についても、応力集中を分散
させる目的でR加工部95,95Aが設けられている。
【0033】上述した渦巻体90,90Aが旋回状態で
噛み合うと、突出部位であるR加工部93,93A,9
5,95Aが相手方渦巻体の先端角部と干渉するので、
この干渉を避けるため、各渦巻体の先端角部には空間部
として矩形断面切欠部96,96A,97,97Aを設
けてある。具体的に説明すると、上部渦巻体91,91
Aの先端角部には矩形断面切欠部96,96Aが設けら
れ、下部渦巻体92,92Aの先端角部(段差面ST,
STAの角部)には矩形断面切欠部97,97Aがそれ
ぞれ設けられている。ここで、各矩形断面切欠部96,
96A,97,97Aについては、図1及び図2に示し
た第1の実施形態と同様のものを採用できるので、ここ
ではその詳細な説明を省略する。なお、図6に示した実
施形態では2段の矩形断面切欠部96,96A,97,
97Aとしたが、3段またはそれ以上の多段としてもよ
いのは勿論である。
【0034】また、この場合の矩形断面切欠部96,9
6A,97,97Aを設ける領域についても、第1の実
施形態と同様に、旋回状態で相手側のR加工部と噛み合
う範囲となる。図示の例では、スクロール中央部側端部
に設けられているR加工部との干渉を避けるため、これ
と噛み合う位置、すなわち、高圧が作用するため強度的
に最も厳しい条件となる渦巻体90,90Aのスクロー
ル中央部側に位置する噛み合い部分の内周面に設けられ
ている。
【0035】このようなスクロール型流体機械によれ
ば、ダブルプロファイルの段差面ST,STAから立設
される上部渦巻体91,91Aの基部に設けられて応力
集中を分散させる部位との干渉を避けるための矩形断面
切欠部97,97Aについても、上部渦巻体91,91
Aの先端角部に設けた矩形断面切欠部96,96Aと共
に、スクロール加工と同様の工具を用いて矩形断面の切
欠部を加工成形することができる。そして、2段階以上
の矩形断面切欠部97,97Aとすれば、一方の渦巻体
に設けた矩形断面切欠部と他方の渦巻体の基部に形成さ
れている応力集中部との間に形成される連通路S9,S
10の面積を最小限に抑えることができる。すなわち、
渦巻体90,90Aと矩形断面切欠部96,96A,9
7,97Aとを同一工具で加工することができ、かつ、
連通路の断面積S8〜S11を最小にすることで圧縮効
率の低下を抑制することができる。
【0036】なお、本発明の構成は上述した実施形態に
限定されるものではなく、たとえば適用するスクロール
圧縮機が上述した実施形態の密閉縦型に限定されないな
ど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更
することができる。
【0037】
【発明の効果】上述した本発明のスクロール型流体機械
によれば、一方のスクロール端板またはダブルプロファ
イル段差面から立設された渦巻体の基部に形成されてい
る応力集中を分散させる部位(たとえばR加工部)と旋
回状態で噛み合う他方のスクロール端板から立設された
渦巻体の先端部に、2段以上の矩形断面切欠部を設けた
ので、渦巻体の加工と同様の工具を使用して干渉回避構
造の一体的な加工を実施することが可能となる。また、
2段以上の矩形断面切欠部としたため、たとえばR加工
部のような相手方の部位との間に形成される連通部の断
面積を最小とし、圧縮効率の低下を最小限に抑えること
が可能となる。従って、安価で効率の高い高性能なスク
ロール型流体機械の提供に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール型流体機械の第1の
実施形態を示しており、(a)は一般的なプロファイル
とした渦巻体に矩形断面切欠部を設けたスクロール中央
側を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図、
(c)は(a)のB−B断面図である。
【図2】 図1の渦巻体が噛み合う状態を示す図で、
(a)は2段階の矩形断面切欠部とした場合の要部断面
図、(b)は3段階の矩形断面切欠部とした場合の要部
断面図である。
【図3】 スクロール型流体機械の一実施形態として、
密閉縦型のスクロール圧縮機を示す断面図である。
【図4】 固定側渦巻体及び旋回側渦巻体の関係を示す
説明図である。
【図5】 固定スクロールを渦巻体側から見た平面図で
ある。
【図6】 本発明に係るスクロール型流体機械の第2の
実施形態として、ダブルプロファイルに適用した例を示
す断面図である。
【図7】 従来よりある通常の固定側渦巻体について、
スクロール中央側を示す斜視図である。
【図8】 ダブルプロファイルとした従来の渦巻体につ
いて、スクロール中央側を示す斜視図である。
【図9】 図7の一般的な渦巻体を示す図で、(a)は
スクロール中央側を示す平面図、(b)は(a)のD−
D断面図、(c)は(a)のE−E断面図である。であ
る。
【図10】 図9の一般的なプロファイルの渦巻体が噛
み合う様子を示す従来例の図であり、(a)はスクロー
ル中央側の断面図、(b)は(a)のF−F断面図(切
欠部が傾斜面)である。
【図11】 他の従来例を示す図で、(a)は渦巻体の
先端角部に設けられた矩形断面の切欠部を示す断面図、
(b)は(a)の噛み合い状態を示す断面図である。
【図12】 ダブルプロファイルとした従来の渦巻体が
噛み合う様子を示す断面図である。
【符号の説明】
9a 端板 9b 固定側渦巻体(ラップ) 9d R加工部(応力集中を分散させる部位) 9g 矩形断面切欠部 90,90A 渦巻体(ラップ) 91,91A 上部渦巻体 92,92A 下部渦巻体 93,93A,95,95A R加工部(応力集中を
分散させる部位) 96,96A,97,97A 矩形断面切欠部 ST,STA 段差面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉空間を形成し吸入管及び吐出管を接
    続したハウジングと、該ハウジング内に固定支持された
    固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされ、
    同固定スクロールに対し自転を阻止されて公転旋回運動
    を行う旋回スクロールと、該旋回スクロールの駆動手段
    とを具備し、前記固定スクロールと前記旋回スクロール
    とが複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成
    し、該圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ
    移動して吸入・圧縮・吐出を同時に行うスクロール型流
    体機械において、 一方のスクロール端板から立設された渦巻体の基部に形
    成されている応力集中を分散させる部位と旋回状態で噛
    み合う他方のスクロール端板から立設された渦巻体の先
    端部に、2段以上の矩形断面切欠部を設けたことを特徴
    とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール型流体機械
    において、 前記スクロール端板から立設された前記渦巻体の少なく
    とも一部に高さ方向の段差面を設けてダブルプロファイ
    ルとし、前記段差面の一方から立設された上部渦巻体の
    基部に形成されている応力集中を分散させる部位と旋回
    状態で噛み合う他方の下部渦巻体の先端角部に、2段以
    上の矩形断面切欠部を設けたことを特徴とするスクロー
    ル型流体機械。
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