JP2003049556A - 建物の制振構造 - Google Patents

建物の制振構造

Info

Publication number
JP2003049556A
JP2003049556A JP2001237354A JP2001237354A JP2003049556A JP 2003049556 A JP2003049556 A JP 2003049556A JP 2001237354 A JP2001237354 A JP 2001237354A JP 2001237354 A JP2001237354 A JP 2001237354A JP 2003049556 A JP2003049556 A JP 2003049556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
building
vibration damping
vibration
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001237354A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kimura
毅 木村
Hirofumi Mizoshima
浩文 溝島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2001237354A priority Critical patent/JP2003049556A/ja
Publication of JP2003049556A publication Critical patent/JP2003049556A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 架設作業性の著しい改善及び架設後の性能の
安定確保が図れるのはもとより、一種類の端部ダンパー
で、いかなるスパンの部位に使用しても所定の耐震性
能、制振性能を確実に発揮させることができるようにす
る。 【解決手段】 建物の骨組体3の接合部位4,4´に固
定のガゼットプレート11,11´間に亘って傾斜姿勢
に架設される制振ダンパー装置5を、ブレース本体5A
と、互いに平行状に対向するプレート6A,6B間に粘
弾性体7を挟在させてなり、かつ、ブレース本体5Aの
長手方向の端部に固定連結される端部ダンパー5Bとに
分離構成するとともに、その端部ダンパー5Bをガゼッ
トプレート11´にピン接合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として軸組工法
による木造もしくは鉄骨造りの戸建て住宅等の新設ある
いは既設の建物の耐震性能及び制振性能を高めるため
に、柱と梁等のような相対変位可能な二つの部材同士の
接合部位間に亘って、地震や風力などによる二つの部材
の相対変位エネルギーを吸収可能な制振ダンパー装置を
傾斜姿勢に架設してなる建物の制振構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】戸建て住宅等の建物を耐震性能、制振性
能に優れた制振構造とするために、従来一般に、特開平
9−268802号公報、特開平9−158539号公
報、特開平9−279683号公報等に開示されている
ように、例えば柱と梁との間もしくは柱と梁との接合部
位間に亘って架設されるブレースや方杖の全体あるいは
その大部分を粘性ダンパー、粘弾性ダンパー、オイルダ
ンパー等のダンパーに構成してなる一体型制振ダンパー
装置が知られている。
【0003】しかし、上記のごとくブレースや方杖の全
体あるいはその大部分がダンパーに構成されてなる一体
型制振ダンパー装置を接合部位間に亘って架設してなる
従来一般の制振構造の場合は、ブレースや方杖を含む一
体型制振ダンパー装置自体の重量が非常に重くなり、そ
の重量の重いものを建物の相対変位部材もしくは部位間
に亘って架設しなければならないので、架設に多くの作
業員を必要とするばかりでなく、重い制振ダンパー装置
を支えながらその両端を柱及び梁もしくはその接合部位
に結合するといった多大な手間及び労力を要し、架設作
業性が非常に悪いばかりでなく、自重の大きい装置自体
の重みによって架設作業時に制振ダンパー装置における
エネルギー吸収部材であるゴムや粘弾性体等が不測に変
形してしまい、その結果、架設後において所定どおりの
耐震性能、制振性能を十分に発揮させることができない
事態を招きやすいという問題があった。
【0004】そこで、本出願人は、ブレース等の装置本
体フレームと、粘弾性体等の変位エネルギー吸収部材を
対向プレート間に挟在させてなり、本体フレームの長手
方向の端部に固定連結される端部ダンパーとを独立分離
させて、本体フレームの架設と端部ダンパーとの架設と
を各別に行なえるようにした分離型の制振ダンパー装置
を特願平11− 号で既に提案している。
【0005】上記構成の本出願人による既提案の分離型
制振ダンパー装置では、互いに独立分離されている本体
フレーム及び端部ダンパーを共に小型軽量化して取扱い
やすいものとすることが可能であるから、架設作業性の
著しい改善を図ることができるとともに、架設作業時に
重みによる余分な力で粘弾性体が変形することも抑制し
て架設後も所定の耐震性能、制振性能を安定よく確保す
ることができ、既述した従来一般の制振構造が有する問
題点を解消することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本出願
人による既提案の分離型制振ダンパー装置においては、
本体フレームから分離された端部ダンパーを構成する対
向プレートのうち一方のプレートを、柱と梁等の相対変
位可能な二つの部材同士の接合部位に溶接あるいはボル
ト・ナットを介して固定接合する構成が採用されていた
ために、次のような点で未だ改善の余地が残されてい
た。すなわち、建物内には、隣接する柱間の距離、すな
わち、スパンの異なる部位が存在している。一般的に
は、900mmスパンを最小単位とし、部屋の大きさや
形態等によって最小単位の2倍の1800mmスパン、
3倍の2700mmスパンといった異なるスパンの部位
が混在しており、これら各スパンの部位それぞれに所定
の制振機能を持たせるためには、各スパンに対応した複
数種類の端部ダンパーを準備してそれらを使い分ける必
要がある。そのために、数種のスパンが混在する一つの
建物の各部位に所定の制振構造を施工するには、多種類
の端部ダンパーを準備しなければならないというコスト
上の問題のほかに、実際の架設作業時にそれら多種類の
端部ダンパーを各部位に応じて使い分けるといった煩わ
しい作業が必要となる問題がある。
【0007】また、特定のスパンを持つ部位に適応する
一種の端部ダンパーのみを用意し、これを異なるスパン
を持つ部位の端部ダンパーにも転用使用することも考え
られるが、この場合は、異なるスパンを持つ部位に転用
使用したとき、その端部ダンパーへのエネルギー入力方
向が相違することから、粘弾性体等の変位エネルギー吸
収部材によるエネルギー吸収性能が特定スパンを持つ部
位に使用したときの吸収性能よりも低下することは避け
られず、全てのスパンの部位に一様な耐震性能、制振性
能を発揮させることが非常に難しい。それゆえに、上述
のようなコスト上及び架設作業上の問題を有しながら
も、各スパンに対応した複数種類の端部ダンパーを準備
してそれらを使い分けしているのが現状であり、本出願
人による既提案の制振ダンパー装置はこの点で未だ改善
の余地が残されているといえる。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、本体フレームと端部ダンパーとの独立分離による架
設作業性の著しい改善及び架設後の性能の安定確保を図
ることができるのはもとより、一種類の端部ダンパーで
複数のスパンを持つ部位のダンパーへの転用使用を可能
としつつ、いかなるスパンを持つ部位に使用する場合も
所定の耐震性能、制振性能を確実に発揮させることがで
きる建物の制振構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る建物の制振構造は、建物の相対変位可
能な二つの部材同士の接合部位に固定された固定プレー
ト間に亘って、建物の変形に伴う二つの部材の相対変位
エネルギーを吸収する制振ダンパー装置を傾斜姿勢に架
設してなる建物の制振構造であって、上記制振ダンパー
装置が、本体フレームと、互いに平行状に対向するプレ
ート間に弾性体もしくは粘弾性体を挟在してなり、本体
フレームの長手方向の少なくとも一端部に固定連結され
る端部ダンパーとに分割して構成されており、この制振
ダンパー装置の端部ダンパーを上記固定プレートにピン
接合していることを特徴とするものである。
【0010】上記構成の本発明によれば、建物の相対変
位可能な二つの部材同士の接合部位に固定の固定プレー
ト間に亘って架設される制振ダンパー装置を、ブレース
等の本体フレームと、変位エネルギー吸収部材である弾
性体もしくは粘弾性体を対向プレート間に挟在してなる
端部ダンパーとに独立分離させることによって、両者を
共に小型軽量化して制振ダンパー装置全体の架設作業性
を著しく改善することが可能であるとともに、架設作業
時に弾性体もしくは粘弾性体が重みに起因する余分な力
で不測に変形されることを防いで、架設後の弾性体もし
くは粘弾性体による耐震性能、制振性能を安定よく保持
することが可能である。
【0011】その上、制振ダンパー装置の端部ダンパー
と固定プレートとをピン接合することにより、スパンに
対応して複数種類の端部ダンパーを準備する必要がな
く、一種類の端部ダンパーを、互いに異なる複数のスパ
ンを持つ部位の固定プレート間に亘って架設される本体
フレームの端部ダンパーとして転用使用することが可能
であり、これによつて、一種類の端部ダンパーの量産化
による制振ダンパー装置のコストダウン及び架設作業の
単一簡略化が図れる。また、いかなるスパンを持つ部位
の固定プレート間に架設する場合も、端部ダンパーへの
エネルギー入力方向は同一に保ち、所定の耐震性能、制
振性能を確実に発揮させることが可能である。
【0012】上記構成の本発明に係る建物の制振構造に
おいて、制振ダンパー装置の端部ダンパーと固定プレー
トとのピン接合部としては、請求項2に記載のように、
ピン(ボルト)のタップへのネジ締め手段が構造的にも
接合作業の面からも最も単純であるが、これ以外にも、
ピン(ボルト)とナットとを用いて緩みのないよう両側
から強く締め付ける手段、ピン(ボルト)とダブルナッ
トを用いて緩み防止が強化された締め付け手段、軸受を
介在させて端部ダンパーと固定プレートの回転自由度を
高めつつピン(ボルト)とナットを用いて緩みのないよ
う両側から締め付ける手段、のいずれを採用してもよ
い。
【0013】また、上記建物の制振構造における制振ダ
ンパー装置としては、本体フレームの長手方向の一端部
にのみ端部ダンパーを固定連結し、この端部ダンパーを
一方の固定プレートにピン接合した構成であっても、請
求項3に記載したように、本体フレームの長手方向の両
端部にそれぞれ端部ダンパーを固定連結し、これら両端
部ダンパーを両固定プレートにピン接合した構成であっ
てもよい。これら一端ピン接合及び両端ピン接合は、建
物の形態や架設対象部位の位置等によって適宜使い分け
ることにより、建物形態や架設対象部位の位置等に適応
した耐震性能、制振性能を発揮させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る建物の制振
構造を示す正面図の一例であり、900mmのスパーン
L1(柱芯間の距離)を隔てて隣接する柱1,1´と上
下の梁2,2´とにより建物の骨組体3が構成されてお
り、この建物の骨組体3を構成する柱1,1´と梁2,
2´とは地震等により建物に変形力が加わったときに相
対変位する二つの部材である。骨組体3を構成する一方
の柱1と上部梁2の接合部位4及び他方の柱1´と下部
梁2´の接合部位4´という骨組体3の対角方向の位置
にはそれぞれガゼットプレート11,11´が固定され
ている。これら対角方向に位置する上下のガゼットプレ
ート11,11´間に亘って、建物の変形に伴う柱1,
1´と梁2,2´の相対変位エネルギーを吸収するため
の制振ダンパー装置5が骨組体3の中に傾斜姿勢に架設
されている。
【0015】上記制振ダンパー装置5は、上記骨組体3
の対角方向に位置する両ガゼットプレート11,11´
間に亘る寸法よりも短い長さを有する装置本体フレー
ム、すなわち、ブレース本体5Aとこのブレース本体5
Aの長手方向の下端部に固定連結される端部ダンパー5
Bとに分割して構成されており、ブレース本体5Aの長
手方向の上端部をピン(ボルト)12を介して上部のガ
ゼットプレート11に接合する一方、端部ダンパー5B
の下端部を下部のガゼットプレート11´にピン接合
(詳細は後述する)した後、ブレース本体5Aの長手方
向の下端部と端部ダンパー5Bの上端部とを複数のボル
ト・ナット13を介して固定連結することにより、上記
制振ダンパー装置5の全体を上下両ガゼットプレート1
1,11´間に亘って傾斜姿勢に架設して所定どおりの
建物の制振構造が完成される。
【0016】上記端部ダンパー5Bは、図1に示すよう
に、略正方形状の二枚のプレート6A,6Bをそれらの
対角線方向にずらせて互いに平行状に重合対向させてそ
の重合対向面間に変位エネルギー吸収部材としての粘弾
性体7を挟在(両面をプレート6A,6Bの対向面に接
着している)させているとともに、重合対向していない
一方(上部)のプレート6Aの一つの角部分6aが上記
ブレース本体5Aの長手方向の下端部と端部ダンパー5
Bとの固定連結部に形成されてあり、かつ、二枚のプレ
ート6A,6Bの重合対向面の中央部間には上記相対変
位方向、つまり、ブレース本体5Aの長手方向に向けて
両プレート6A,6Bの一定範囲内での相対移動を許容
し案内する相対移動案内機構8が形成されている。
【0017】上記相対移動案内機構8は、図2に明示す
るように、平行状に重合対向する両プレート6A,6B
の中央部分に上記ブレース本体5Aの長手方向に可動す
るように形成されたルーズホール8a,8bと両プレー
ト6A,6B間に粘弾性体7挟在用の一定の間隔を確保
するように両プレート6A,6B間に挟み保持された短
筒状の間隔保持部材8cとこの間隔保持部材8c及びル
ーズホール8a,8bにブレース本体取付用プレート6
A側からワッシャ8dを介して貫通させたボルト8eと
このボルト8eにガゼットプレート接合用プレート6B
側でワッシャ8fを介して螺合させたナット8gとから
構成されている。
【0018】また、端部ダンパー5Bを構成する二枚の
プレート6A,6Bのうち、互いに平行状に重合対向し
ていない他方(下部)のプレート6Bの一つの角部分6
bは、図1に示すように、下部のガゼットプレート11
´に重合対向されている。その重合対向箇所には、図3
に明示するように、スペーサー用ワッシャ9が挟み保持
されているとともに、プレート6Bの角部分6bに重合
対向するガゼットプレート11´の角部分11a´には
タップ10が形成されており、プレート6B側からワッ
シャ14を介して孔15及び上記スペーサー用ワッシャ
9に貫通させたボルト(ピン)16を上記ガゼットプレ
ート11´のタップ10にネジ締めすることにより、端
部ダンパー5Bの下端部を下部のガゼットプレート11
´にピン接合させている。
【0019】上記のような制振ダンパー装置5をスパー
ンがL1の骨組体3に組込み設置するにあたっては、先
ず、ブレース本体5Aの上端部をピン(ボルト)12を
介して上部のガゼットプレート11に接合する一方、端
部ダンパー5Bの下端部、つまり、プレート6Bの角部
分6bをボルト(ピン)16のタップ10へのネジ締め
により下部のガゼットプレート11´にピン接合する。
しかる後、ブレース本体5Aの長手方向の下端部と端部
ダンパー5Bにおけるプレート6Aの角部分6aとを複
数のボルト・ナット13を介して固定連結することによ
り、上下のガゼットプレート11,11´間に亘って制
振ダンパー装置5の全体を図1に示すような傾斜姿勢に
架設し、これによって、建物の制振構造を完成する。
【0020】このように、制振ダンパー装置5がブレー
ス本体5Aと変位エネルギー吸収用の粘弾性体7を対向
プレート6A,6B間に挟在させてなる端部ダンパー5
Bとに独立分離されているために、それぞれを小型軽量
化することが可能であり、一人の作業員であっても楽に
取扱えてダンパー装置5全体の架設作業性の著しい改善
を図ることが可能であるばかりでなく、架設作業時に粘
弾性体7に重みに起因する余分な力をかけないですむた
めに、架設後に建物の変形に伴いブレース本体5Aに圧
縮や引張り力が加わったとき、端部ダンパー5Bにおけ
る対向プレート6A,6Bが粘弾性体7を介して相互に
平行移動して粘弾性体7にせん断変形を加え、相対変位
エネルギーを良好に吸収するといった本来の耐震性能、
制振性能を安定よく保持することが可能である。
【0021】加えて、端部ダンパー5Bとガゼットプレ
ート11´との接合形態をピン接合とすることによっ
て、図4に示すように、スパンL2が1800mmの骨
組体3である場合や、図5で示すように、スパンL3が
2700mmの骨組体3である場合等にも、制振ダンパ
ー装置5を構成する一方のブレース本体5Aとして、そ
れぞれの骨組体3のスパンL2,L3に対応する長さの
ものに取り替えるだけでよく、端部ダンパー5Bとして
は、図1に示すように、スパンL1が900mmの骨組
体3で使用したものと同一のものを転用使用することが
可能である。これによつて、スパンL1,L2,L3が
異なる複数の骨組体3が混在する建物の各骨組体3に制
振ダンパー装置5を架設するにあたっても、一種類の端
部ダンパー5Bを複数個準備すればよくなり、制振ダン
パー装置5のコストダウンが図れるとともに、各スパン
L1の骨組体3への架設作業の単一簡略化が図れる。
【0022】また、いかなるスパンL1,L2,L3の
骨組体3に架設した場合も、図1、図4、図5で明らか
なように、端部ダンパー5Bとブレース本体5Aとの相
対姿勢は一定で、端部ダンパー5Bへのエネルギー入力
方向を同一に保つことが可能であるから、スパンの大小
に関係なく所定の耐震性能、制振性能を確実に発揮させ
ることが可能となる。
【0023】図6及び図7は制振ダンパー装置5におけ
る端部ダンパー5Bの変形例を示す要部の拡大正面図及
び要部の拡大側面図である。この実施例では、端部ダン
パー5Bを構成する二枚のプレート6A,6Bの重合対
向面間に挟在させている粘弾性体7の全外周部を、例え
ばスポンジゴム等の耐候性、気密・水密性に優れた被覆
材20で包囲させたものである。
【0024】上記のように粘弾性体7の全周を被覆材2
0で包囲することにより外気や水分が粘弾性体挟在層に
侵入することによる粘弾性体7の経年劣化を防ぐととも
に、粘弾性体7の変形や流出を防ぐといった保護効果が
得られるだけでなく、被覆材20として比較的剛性の高
い材料のものを用いることによって、二枚のプレート6
A,6Bの平行度を保ち、その間に挟在されている粘弾
性体7に余分な力をかけないですみ、粘弾性体7本来の
エネルギー吸収性能を安定よく維持することが可能であ
る。
【0025】なお、上記各実施の形態では、制振ダンパ
ー装置5の端部ダンパー5Bとガゼットプレート11´
とのピン接合部として、図3に示すように、ボルト16
をガゼットプレート11´側に形成のタップ10にネジ
締めするという最も構造の単純な構成のもので説明した
が、これ以外にも、図8に示すように、ボルト16とナ
ット17を用いて緩みのないよう両側から強く締め付け
る構成や、図9に示すように、ボルト16とダブルナッ
ト18を用いて緩み防止を一層強化した締め付け構成、
あるいは、図10に示すように、プレート6Bとガゼッ
トプレート11´との間にスペーサー用ワッシャ9に代
えて回転自由度の高い軸受19を挟在させるとともに、
ボルト16とナット17を用いて緩みのないよう両側か
ら強く締め付ける構成のいずれを採用してもよい。
【0026】また、上記実施の形態では、制振ダンパー
装置5として、端部ダンパー5Bをブレース本体5Aの
長手方向の一端部にのみ固定連結してなるもので示した
が、ブレース本体5Aの長手方向の両端部にそれぞれ端
部ダンパー5Bを固定連結してなるものであってもよ
い。
【0027】さらに、上記実施の形態では、骨組体3の
対角方向の両接合部位4,4´に固定のガゼットプレー
ト11,11´間に亘って架設されるブレースに適用し
てもので説明したが、一方の柱1と上梁2の接合部位4
と下梁2´との間に亘って架設されるブレースや、上梁
2の途中部位と柱1または1´の途中部位との間に亘っ
て架設される方杖に適用しても上記実施の形態の場合と
同様な作業性及び性能を得ることが可能である。
【0028】さらにまた、上記実施の形態では、変位エ
ネルギー吸収部材として粘弾性体7を使用したが、これ
に代えて高減衰ゴム等の弾性体を使用してもよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、建物の
相対変位可能な二つの部材同士の接合部位に固定の固定
プレート間に亘って架設される制振ダンパー装置が、ブ
レース等の本体フレームと変位エネルギー吸収部材であ
る弾性体もしくは粘弾性体を対向プレート間に挟在して
なる端部ダンパーとに独立分離されているために、両者
を共に小型軽量化して制振ダンパー装置全体の架設作業
性を著しく改善することができるとともに、架設作業時
に弾性体もしくは粘弾性体が重みに起因する余分な力で
不測に変形されることを防いで、架設後の弾性体もしく
は粘弾性体による耐震性能、制振性能を安定よく保持す
ることができる。
【0030】その上、制振ダンパー装置の端部ダンパー
と固定プレートとの接合形態としてピン接合を採用する
ことにより、一種類の端部ダンパーを、互いに異なる複
数のスパンを持つ部位の固定プレート間に亘って架設さ
れる本体フレームの端部ダンパーに転用使用することが
でき、これによつて、スパンに対応して複数種類の端部
ダンパーを準備する必要がなく、一種類の端部ダンパー
の量産化による制振ダンパー装置のコストダウン及び架
設作業の単一簡略化を図ることができる。しかも、いか
なるスパンを持つ部位の固定プレート間に架設する場合
も、端部ダンパーへのエネルギー入力方向を同一に保っ
て、所定の耐震性能、制振性能を確実に発揮させること
ができるという効果を奏する。
【0031】特に、請求項2に記載のように、制振ダン
パー装置の端部ダンパーと固定プレートとのピン接合部
として、ピン(ボルト)のタップへのネジ締め手段を採
用することにより、ピン接合部を構造的に非常に簡単か
つ安価に構成できるとともに接合作業も非常に単純にし
て制振ダンパー装置の架設作業性を一層容易なものとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建物の制振構造の完成状態の一例
を示す正面図である。
【図2】同構造の主要部である制振ダンパー装置におけ
る端部ダンパーの要部を一部破断して示す拡大側面図で
ある。
【図3】同上制振ダンパー装置における端部ダンパーと
ガゼットプレートとの接合部の構造を示す拡大側面図で
ある。
【図4】本発明に係る建物の制振構造の完成状態の他の
例を示す正面図である。
【図5】本発明に係る建物の制振構造の完成状態のもう
一つの例を示す正面図である。
【図6】本発明に係る建物の制振構造の主要部である制
振ダンパー装置における端部ダンパーの変形例を示す要
部の拡大一部省略正面図である。
【図7】同上端部ダンパー変形例の要部の拡大側面図で
ある。
【図8】本発明に係る建物の制振構造の主要部である制
振ダンパー装置における端部ダンパーとガゼットプレー
トとの接合部の変形構造を示す拡大側面図である。
【図9】同上接合部の他の変形構造を示す拡大側面図で
ある。
【図10】同上接合部のもう一つの変形構造を示す拡大
側面図である。
【符号の説明】 1,1´ 柱(相対変位部材の一方) 2,2´ 梁(相対変位部材の他方) 3 建物の骨組体 4,4´ 接合部位 5 制振ダンパー装置 5A ブレース本体(本体フレームの一例) 5B 端部ダンパー 6A,6B 対向プレート 7 粘弾性体 10 タップ 11,11´ ガゼットプレート(固定プレート) 16 ボルト(ピン)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月9日(2001.8.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】そこで、本出願人は、ブレース等の装置本
体フレームと、粘弾性体等の変位エネルギー吸収部材を
対向プレート間に挟在させてなり、本体フレームの長手
方向の端部に固定連結される端部ダンパーとを独立分離
させて、本体フレームの架設と端部ダンパーとの架設と
を各別に行なえるようにした分離型の制振ダンパー装置
を特願2000−16889号で既に提案している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/08 F16F 15/08 D Fターム(参考) 2E001 DG01 EA05 EA08 FA01 FA02 GA01 GA10 GA12 GA42 GA59 GA63 HB02 HE01 KA03 LA01 LA11 LA18 3J048 AA03 AB01 AC01 BA11 BD08 BG06 DA05 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の相対変位可能な二つの部材同士の
    接合部位に固定された固定プレート間に亘って、建物の
    変形に伴う二つの部材の相対変位エネルギーを吸収する
    制振ダンパー装置を傾斜姿勢に架設してなる建物の制振
    構造であって、 上記制振ダンパー装置が、本体フレームと、互いに平行
    状に対向するプレート間に弾性体もしくは粘弾性体を挟
    在してなり、本体フレームの長手方向の少なくとも一端
    部に固定連結される端部ダンパーとに分割して構成され
    ており、 この制振ダンパー装置の端部ダンパーを上記固定プレー
    トにピン接合していることを特徴とする建物の制振構
    造。
  2. 【請求項2】 上記制振ダンパー装置の端部ダンパーと
    上記固定プレートとのピン接合部が、ピンのタップへの
    ネジ締めにより構成されている請求項1に記載の建物の
    制振構造。
  3. 【請求項3】 上記制振ダンパー装置は、本体フレーム
    の長手方向の両端部にそれぞれ端部ダンパーを固定連結
    して構成され、これら両端の端部ダンパーが上記固定プ
    レートにそれぞれピン接合されている請求項1または2
    に記載の建物の制振構造。
  4. 【請求項4】 上記二つの部材が、軸組工法による木造
    もしくは鉄骨建物の柱と梁であり、上記制振ダンパー装
    置の本体フレームがブレースもしくは筋違いである請求
    項1ないし3のいずれかに記載の建物の制振構造。
JP2001237354A 2001-08-06 2001-08-06 建物の制振構造 Withdrawn JP2003049556A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237354A JP2003049556A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 建物の制振構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237354A JP2003049556A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 建物の制振構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003049556A true JP2003049556A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19068449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001237354A Withdrawn JP2003049556A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 建物の制振構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003049556A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336260A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Bando Chem Ind Ltd 制振金物および木造住宅の接合部の構造
JP2007132108A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Nippon Eisei Center:Kk 制震ブレース構造
JP2007255147A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Misawa Homes Co Ltd 制振装置
JP2010007249A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Takenaka Komuten Co Ltd ダンパー取付構造
JP2013007227A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Osamura Michiko 制振装置
JP2014034823A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sekisui Chem Co Ltd 建物の制振構造及び緩衝装置
CN104340831A (zh) * 2013-07-31 2015-02-11 株式会社日立制作所 减振装置以及乘客传送设备
CN111877788A (zh) * 2020-06-11 2020-11-03 东南大学 单跨框架的外附钢支撑框架加固结构及配套设计施工方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336260A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Bando Chem Ind Ltd 制振金物および木造住宅の接合部の構造
JP2007132108A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Nippon Eisei Center:Kk 制震ブレース構造
JP2007255147A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Misawa Homes Co Ltd 制振装置
JP2010007249A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Takenaka Komuten Co Ltd ダンパー取付構造
JP2013007227A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Osamura Michiko 制振装置
JP2014034823A (ja) * 2012-08-09 2014-02-24 Sekisui Chem Co Ltd 建物の制振構造及び緩衝装置
CN104340831A (zh) * 2013-07-31 2015-02-11 株式会社日立制作所 减振装置以及乘客传送设备
CN111877788A (zh) * 2020-06-11 2020-11-03 东南大学 单跨框架的外附钢支撑框架加固结构及配套设计施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3629638B2 (ja) 高剛性で損傷制御性に優れた鉄骨構造用の鋼製柱と鋼製梁の接合構造
JP2000328650A (ja) 柱と梁の接合構造及びこれを備えた建築物
KR102001116B1 (ko) 콘크리트 구조물 보강장치 및 그 시공방법
JP2003049556A (ja) 建物の制振構造
JP3608136B2 (ja) 建築物の制振構造
JP3664611B2 (ja) 木造建築物の耐震構造
JP2001207677A (ja) 建物の制振構造
JP3772415B2 (ja) 建物の制振構造
JPH07331923A (ja) 剛性調整壁パネルの構造及び剛性調整壁パネルの取付工法
JP2010276080A (ja) エネルギー吸収部材及び該エネルギー吸収部材を設置した構造物
JP3712178B2 (ja) 耐震架構構造及びその設計方法
JP2014109153A (ja) 建物用制振装置
JPH10131543A (ja) 制震躯体構造
JP3323623B2 (ja) 偏心ブレースダンパーによる建築物の制振装置
JP3974120B2 (ja) 制振構造
JP3448141B2 (ja) 柱の補強装置
JP2004270816A (ja) 制振装置及びそれを用いた制振構造
JP4059634B2 (ja) 空間骨組構造体の制振構造
JPH10280725A (ja) 制振躯体構造
JPH1171934A (ja) 制振構造
JP3209800U (ja) 制振構造及び制振パネル
JP7033019B2 (ja) 建物補強方法
JP2004092156A (ja) 構造物の制震構造
JP3209800U7 (ja)
JP2000110400A (ja) 制振ダンパー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007