JP2003045000A - 微角交差滑走路による増発着制御システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は空港滑走路の新設又は増設に際し、
一本強の滑走路設置スペースにターミナルの片側に平行
して二本設置する場合以上、さらに両側に二本設置した
ものとほぼ同等の離着陸回数を確保でき、その上より安
全性の高い空港滑走路の実用化を課題とする。 【解決手段】 その解決手段として、Ｘ状に微角で交差
する二本の滑走路を図に示したように設置し、ターミナ
ル側にあるそれぞれの滑走路の端部からは、離陸発進ま
たは着陸後の移動のみを行い、他端からは離陸上昇およ
び進入着陸のみとして、航空機の滑走路端の横断を無く
す。また各滑走路の交差部近くに航空機の通過確認装置
を設け、一方の航空機が交差部を通過した直後に、他方
の滑走路での離着陸を可能にし、発着回数を平行した二
本の滑走路の場合と同程度確保出来るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、航空機の発着回数
を安全に増加させる滑走路の構造と、その制御システム
に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】一本の滑走路による航空機の発着数は、
制御技術および安全確保等の理由により一定の限度があ
る。より発着数の増加が必要な場合には滑走路を増やす
事によって解決している。この場合ターミナルの反対側
に十分な間隔を置いて滑走路を設ければ、それぞれを離
陸・着陸専用として利用可能で、二倍或いはそれ以上の
発着数を確保できる。しかしその為には広大な土地が必
要となり、また既設の空港では拡張不可能な場合も多
く、更に用地費や建設費等も当然膨大になる。またター
ミナルの片側に平行して二本の滑走路を設ける場合も、
安全上一定の間隔が必要でその分当然必要な用地も広大
なものとなる。しかしこの場合それぞれを離陸・着陸専
用としても、ターミナル側の滑走路端を横切るときの安
全確保等の為に、横断待ち時間を十分に取る必要があ
り、発着数は必ずしも二倍とはならない。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、用地確保上
或いは建設費用等の制限から、二本の平行した滑走路と
同等又はそれに近い発着数を確保できる滑走路を、ほぼ
一本分強の滑走路スペースに設置し、さらに安全性をよ
り高めた空港とする事を課題とする。 【０００４】 【課題を解決する為の手段】その為に本発明では図１，
図２に示したように、二本の滑走路を微角度でＸ状に交
差して設置し、それぞれを原則として離陸および着陸専
用とする。またターミナル側の滑走路端は離陸開始と着
陸後の移動のみに利用し、外側の滑走路端は離陸上昇と
進入着陸のみに使用される。さらに滑走路の交差部７の
両側に航空機の通過確認装置を設置する等を課題解決の
手段とした。 【０００５】 【発明の実施の形態】図１は新設の本発明の微角交差滑
走路による増発着制御システムの一例を示したもので、
図２は既にある滑走路１４に、Ｘ状に微角交差させた滑
走路１３を増設した例を示している。図１例に基づいて
説明すると、滑走路１と２はＸ状に微少角度で交差（本
例では８°）して設置され、発着方向は風向きなどで変
更されるが，発着は下方から上方に行われる場合につい
てのみ説明する。逆方向からの発着制御等も全く同様に
行われるのでその説明は省略する。また発着を交互に行
う場合が最も発着回数を増やす事が難いので、その場合
を想定して説明する。ターミナル６前の駐機場５から出
発する航空機（以後の説明に於いては機と略称する）
は、誘導路４を通って滑走路２の下端部付近で離陸を待
ち、コントロールタワーの指示さらに必要な場合には、
誘導装置１１Ｂ等に設置した離陸許可の信号等を確認し
て、同滑走路２より発進し通常の離陸を行う。離陸の確
認は滑走路１、２の外側の確認装置１１Ａ，１２Ａの適
当なセンサー等によって確実に通過を感知できるが、本
例では滑走路別の通過を確実に感知する為同１０Ａも設
け、滑走路別の通過を確認して、再上昇可能な位置まで
接近させている機に着陸許可を出し、滑走路１の下方の
誘導灯９や確認装置１２Ｂ等に設けられる、着陸許可の
信号等を確認して通常の着陸を行う。同時に先に離陸し
た機が発進した後又は、確認装置１０Ａ，１２Ａ間を通
過した直後に次の機は滑走路２に入り離陸準備を行う。
着陸した機が交差部７を通り確認装置１１Ａ，１０Ａ間
の通過を確認直後、離陸待機中の次機に離陸を許可また
はその指示信号を出し離陸を開始させる。以下この制御
による発着を繰り返して、ターミナル６の片側のみに設
置した二本の平行滑走路以上また、ターミナルの両側に
ある二本の滑走路の場合と同程度の発着回数を確保する
事が可能となる。本発明の微角交差滑走路の場合、着陸
・離陸の完了を待たず各確認装置の通過直後に、他方の
滑走路による離陸・着陸を開始できる。勿論連続して離
陸および着陸も出来るし、必要により離陸、着陸のみを
行う場合は、通路１５を設けてに発着両側の滑走路を使
用し、交差部７の通過後直ちに他側の発着を指示する方
法で解決でき、従来の平行した二本滑走路の空港と同様
に対応できる。その場合は勿論各種設備の追加は必要と
なる。図２は既設の一本の滑走路１４に微交差して二本
目の滑走路１３を設置した場合を示したもので、殆ど用
地を拡大する必要はなく図１例と諸施設や機能は全く同
じなので細部の説明は省略する。図１例と同様に増発着
が可能であり、従来の平行した二本滑走路と比較して建
設費は極端に軽減される。特に片側が市街地や建設に不
向きな場合、或いは増設用の用地確保が困難な場合にも
有効な手段となる。さらに発着方向が外側に向けられる
ので、設置環境例えば海側に設置する場合には騒音対策
としても効果が期待される。またターミナルの両側に微
角交差滑走路を設置した場合も、空港スペースは殆どそ
の儘で４本滑走路と同等の発着数を確保できる。 【０００６】 【発明の効果】本発明による航空機の増発着制御システ
ムの最も大きな効果は、一本強の滑走路スペースに、平
行して二本設けられた滑走路と同等或いはそれ以上の、
発着数を確保できる事である。またターミナル側の滑走
路端からのみの発進、着陸後の移動となり機の滑走路端
の横断は全く必要無く、安全且つ発着の時間短縮効果も
十分期待できる。また発着数増が必要でない場合でも、
安全性をより高める為に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】は本発明の微角交差滑走路１，２による増発着
制御システムによる空港の一例を示した平面図。 【図２】は一本の既設の滑走路１４に追加して、もう一
本滑走路１３を増設した空港を示した適用例の平面図で
ある。 【符号の説明】 １ 滑走路 １０Ａ 確認
装置 ２ 滑走路 １０Ｂ 確認
装置 ３ 誘導路 １１Ａ 確認
装置 ４ 誘導路 １１Ｂ 確認
装置 ５ 駐機場 １２Ａ 確認
装置 ６ ターミナル １２Ｂ 確認
装置 ７ 交差部 １３ 新設
滑走路 ８ 進入禁止マーク １４ 既設
滑走路 ９ 誘導灯 １５ 予備
通路

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】（イ）二本の滑走路１、２を図１のように
   Ｘ状に微角交差させて設置する。 （ロ）各滑走路のターミナル側両端部付近の適当な位置
   に、駐機場５と通ずる誘導路３、４を設ける。 （ハ）風向きの如何に関わらず、ターミナル６側の滑走
   路端からは離陸開始と着陸後の移動のみの専用とし、着
   陸進入を禁止するマーク８の設置やその制御等を行う。
   一方交差部７のターミナル反対側の滑走路は離陸上昇、
   着陸進入のみに使用し、進入機用の誘導灯などの設備や
   必要な制御を行う。 （ニ）滑走路の交差部７に適当な距離を置いて、航空機
   の通過を感知する確認装置１１と１２（ＡＢ共）を、ま
   た通過滑走路を区別する必要がある場合には同１０（Ａ
   Ｂ共）を設置する。以上のように構成された微角交差滑
   走路による増発着制御システム。