JP2003044810A - Ic実装体 - Google Patents

Ic実装体

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JP2003044810A
JP2003044810A JP2001230541A JP2001230541A JP2003044810A JP 2003044810 A JP2003044810 A JP 2003044810A JP 2001230541 A JP2001230541 A JP 2001230541A JP 2001230541 A JP2001230541 A JP 2001230541A JP 2003044810 A JP2003044810 A JP 2003044810A
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circuit
conductor circuit
resin
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Toshikazu Nagura
敏和 名倉
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて製造コストを大幅に低減できる
IC実装体を提供することを目的とする。 【解決手段】 このインレットシートは、フィルム状支
持体1の一方の表面にループアンテナを含む回路パター
ン4が形成され、支持体2にはICモジュール6が設け
られ、回路パターン4の導線が支持体1,2を突き抜け
て反対面に設けた端子7に接合することにより、電気的
に接続されている。ICモジュール6は支持体1の穴6
aに嵌め込まれて裏面側から表面側に突出し、支持体1
の表面側に設けられた金属線の回路パターン4の一部が
支持体1に陥没し、支持体1を貫いて金属端子7に接続
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のIC実装体は、銀行
カード、ポイントカード等に使用される接触型ICカー
ドと呼ばれるもの、乗車券、テレホンカード、荷物タグ
等に使用されデータの交信等を外部電波で行なう非接触
型ICカードと呼ばれるもの、及び接触型と非接触型の
両方の機能を併せ持つコンビ型ICカードと呼ばれるも
の等に関するものである。これらのIC実装体はいわゆ
るデータキャリアとも呼ばれており、通称ICカードと
呼ばれるが、必ずしもカード形態をとるものだけでな
く、物に貼り付けられるシート状のものや容器に封入さ
れたものも含んでいる。この明細書でもICカードをカ
ード状以外の形態のものも含むIC実装体の意味で使用
している。
【0002】
【従来の技術】接触型ICカードは金銭のやり取りなど
セキュリティーが高く、本人が使用する意志を確認する
のに適している。非接触型及びコンビ型はデータのやり
取りを電波で行なうことができるため、例えば従来の切
符、定期券等、磁気記録層が片面に設けられている乗車
券に代わる記録媒体として注目されている。特に荷物、
部品を移動しながら非接触で管理したり、改札通過の際
に一々乗車券を取り出すことなく定期入れや鞄等の中か
らでも情報交換できたりするため、利便性が大きく向上
するものと期待されている。
【0003】ICカードと呼ばれている新しい情報記録
媒体は、現在市場に広く出回っているクレジットカー
ド、銀行カード、ポイントカード、テレホンカード等カ
ード状又はシート状の形状のものを初めとして、種々の
形態をとるが、その中にICが組み込まれているものを
総称している。ICカードは大きく分けて接触型、非接
触型及び両方の機能をもったコンビ型の3種類に分けら
れる。接触型とはカード表面に端子が設けられており、
その端子を通じて信号のやり取りを行なうものである。
現在使い捨てタイプはヨーロッパ等でテレホンカードと
して広く流通している。また、情報の書換え可能なタイ
プをマネーカードとして、使用する実験が各国で行なわ
れており、金融関係で使用されるカードとして注目され
ている。
【0004】1チップ型の接触型ICカードは、プラス
チックカードにモジュール化されたICチップ1個を搭
載した単純な構造となっている。プラスチックカード
は、ICモジュールが搭載される部分に予めICモジュ
ールが入る大きさと深さの穴を開けておく方法と、イン
ジェクションによって成形する方法がある。穴を開ける
方法は1枚物のプラスチックカードにザグリ機で彫る方
法や、2枚のシートのうちの1枚に貫通穴を開け貼り合
わせる方法がある。
【0005】現在1チップ型が主流であるが、機能別に
複数チップや部品を含んでいる接触型ICカードもあ
る。複数部品を含んでいる接触型ICカードでは、部品
間の接続や特殊な端子等との接続のために回路パターン
が使用されている。
【0006】一方、非接触型ICカードは、電池内蔵の
ものと、外部からの電磁波で電力を得て動作するタイプ
にさらに分けられる。電池内蔵のものは、非接触型IC
カードから発信する電波の出力が大きい。これに対し
て、外部から電磁波により電力を得て駆動するタイプの
非接触型ICカードは、カードからの発信出力が小さ
く、通信距離を最大にするためには、リーダ・ライタと
のマッチングを最適化する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】IC実装体の1つの形
態として、支持体上に電子部品を搭載したインレットシ
ートを備えたIC実装体が使用されている。その支持体
上には、電子部品のほか、必要な導体回路も作成されて
いる。電子部品を導体回路が作成されている支持体上に
搭載したものを作成する方法としては、熱可塑性支持体
上に金属線を加熱して配置していくことによって金属線
をその支持体に直接接合させて回路を作成していくとと
もに、その支持体の同一平面上に電子部品を設け、回路
の作成と同時に電子部品に接続する方法が提案されてい
る(特許第2810547号公報参照)。
【0008】その提案の方法は、製造工程が少なく合理
的であるが、複雑な構成や耐久性が要求される場合には
適用しにくく、また電子部品と回路が同一平面上に設け
られているので接続部分が剥がれやすく、後の製造工程
における慎重な取扱いが必要になる。
【0009】共通の支持体上に回路を作成し、電子部品
を搭載する方法は外にもあるが、いずれにしても回路の
作成、電子部品の搭載、及び回路と電子部品の接続を共
通の支持体上で行なわなければならないため、製作が簡
単でない場合が多く、そのことがIC実装体のコストを
引き上げる要因になっている。そこで、本発明は、従来
のIC実装体に比べて製造コストを低減することのでき
るICカードを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るIC実装体
は、電子部品を搭載したインレットシートを備えたIC
実装体であって、前記インレットシートは電気絶縁性フ
ィルム状支持体上に予め導体回路が作成されたものと、
別の電気絶縁性フィルム状支持体上に前記電子部品が搭
載されたものとが、前記フィルムの少なくとも一方を挟
んで電気的に接続する部分が位置的に対向するように配
置され、前記導体回路の一部が間に介在する前記支持体
中に陥没し貫通して前記電子部品と電気的に接続されて
いるものである。
【0011】本発明で使用する、フィルム状支持体上に
予め導体回路が作成されたものは、種々の方法によって
作成することができる。1つの方法は、実公昭63−1
1760号公報などに記載されている方法で、その方法
では加熱した金属線によって熱可塑性支持体上に回路を
描いていき、その支持体上に直接接合された回路を作成
していく。他の方法は、線状導体をミシンによる縫着に
より支持体に結び付けて固定していくことによって回路
を作成していく方法である。さらに他の方法は、溶剤系
接着剤を塗布してある導線に溶剤を塗布しながら支持体
上に接着させていって回路を作成していく方法である。
本発明で使用する導体回路は、どのような方法で作成し
たものであってもよい。
【0012】本発明では、支持体上に予め導体回路が作
成されたものと、別の支持体上に電子部品が搭載された
ものとを別々に作成しておき、その後両支持体をあわせ
て導体回路と電子部品とを電気的に接続することにより
IC実装体とするので、製作が簡単になり、製作コスト
を低減することができる。
【0013】また、本発明では導体回路が設けられた支
持体と電子部品が設けられた支持体を別々に設けること
で、支持体の材質や厚さを任意に選択することが可能と
なる。組み合わせ方によっては耐熱性、カール、意匠性
も向上させることができるようになる。さらに、層構成
も任意に選ぶことが可能となり、厚さ方向に複雑になる
コンビカードなどで使用しているチップの使用も容易に
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で使用される支持体はシー
ト状であればどのようなものでも使用可能である。金属
線と支持体の接着に接着剤を使用しない場合、支持体が
APET(アモルファス・ポリエチレンテレフタレー
ト)系、ABS(アクリルニトリル−ブタジエン−スチ
レン)系、PC(ポリカーボネート)系、塩化ビニル系
及びポリマーアロイ系等の比較的熱に対して容易に変形
する樹脂の中から選択された少なくとも1種の樹脂製で
あると、金属線の一部を支持体中に陥没させ支持体を貫
通させて別の支持体上に設けられた電子部品との電気的
接続を行なうことが容易であり、好ましい。
【0015】ここで、APETについて述べておくと、
APETは熱可塑性樹脂の一種である非結晶変性ポリエ
ステル樹脂であり、PET−Gの名称で市場に流通し、
その樹脂製プラスチックシートが注目され使用されてい
る。この樹脂は正式には少なくともエチレングリコー
ル、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールの3成分を重合した変性ポリエステル樹脂である。
【0016】本発明は接触型、非接触型、コンビ型のど
のICカードにおいても使用可能であるが、なかでも本
発明を使用する上で好適な非接触型カードとその中に使
用される回路基材について説明する。
【0017】まず、回路基材からインレットシートの形
成までを説明する。 1.回路基材からインレットシートの形成までの材料及
び工程 回路パターンの形成された回路基材の平面図及び断面図
をそれぞれ図1及び図2に示した。図1は回路基材の平
面図であり、図2はそのA−A’断面図である。支持体
1の表面にアルコール可溶性接着剤により金属線が支持
体1上に回路4のパターンを形成するように接着されて
いる。また、別の支持体2にはICチップや必要に応じ
てコンデンサなども含む電子部品6が搭載されている。
【0018】支持体1,2、回路4及び電子部品6を含
み、支持体1上の回路4と、別の支持体2に搭載したI
Cチップやコンデンサなどの電子部品6とを電気的に接
続したシート状のものを「インレットシート」と呼ぶ。
このインレットシートを図3、図4に示した。図3はイ
ンレットシートの平面図であり、図4はそのB−B’断
面図である。図5,図6は図4に示した円部分のIC搭
載部分の拡大断面図であり、図5は接続前の状態、図6
は接続されてインレットシートとなった状態である。
【0019】図5,図6において、ICチップは樹脂封
止され、金属端子7を備えたICモジュール6となった
ものを使用するとして説明する。その樹脂封止されたI
Cモジュール6はその支持体である基材2に配置されて
いる。インレットシートとなった図6の状態では、IC
モジュール6は支持体1の穴6aに嵌め込まれて裏面側
から表面側に突出し、支持体1の表面側に設けられた金
属線の回路パターン4の一部が支持体1に陥没し、支持
体1を貫いて金属端子7に接続されている。ここで図5
に示したように回路パターン4の金属線と端子7との間
は、ACF(異方導電性フィルム)、ACP(異方導電
性ペースト)、低融点金属や合金、例えば、スズ、はん
だ、それらの金属を使用しためっきなどで作製される接
合材15を介して接合している。金属線の回路パターン
4はアンテナ回路である。このような接合材があると回
路パターン4と金属端子の接続がより円滑に行えるので
好ましい。もちろん、このような接合材がない場合であ
っても溶接等により直接接合することができることはい
うまでもない。
【0020】以下、本発明の回路基材からインレット
シートまでの製造工程を中心に、順を追って説明し、そ
の後ICカードの組立てについて説明する。まず回路
基材を構成している金属線、支持体及び熱融着について
詳細に説明する。
【0021】〔金属線〕回路として使用する金属線の材
質は、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、錫、ニッケル、
亜鉛、チタン、タングステン、ハンダ、合金などの一般
的に使用されるものや、非金属に金属を蒸着、メッキ、
貼り合わせなどにより形成したものなど、どのようなも
のでも構わないが、一般に工業的に安く多く使用されて
いるのは銅系又はアルミニウム系の金属線である。
【0022】金属線は、裸線と、エナメル線などと呼ば
れる被覆線と、被覆線の周りに接着剤層を設けた自己融
着線に分けることができる。被覆線はJISで耐熱温度
が規定されているように、表面にウレタン等の耐熱性樹
脂を設ける。また自己融着線は被覆線の上に接着剤を設
けることによってモーターやトランスなどに使用する密
巻きされたコイルを製造することができる。使用される
接着剤はホットメルト系と溶剤系がある。金属線の中で
も銅線は電源コンセントなどにも使用される最も一般的
な材料であり、品質が安定しており、種類も多く、安価
な材料である。
【0023】アルミニウムは銅に比較すると1.5倍程
度比抵抗値が高くなるが、アルミニウム線は、表面に酸
化膜が生じ保護膜として機能するので、特別な表面処理
を行なわなくても使用が可能である。アルミニウムは銅
と比較して融点が低く、熱による電気的接合に適してい
るので、低抵抗が要求されない分野では高コストの金ワ
イヤーに代わって半導体のワイヤーボンディングに使用
されている。本発明では金属線が電気的に絶縁される被
覆線又は裸線のどちらも使用可能であるが、複雑な回路
や線間が少ないときは被覆線を使用するのが好ましい。
【0024】〔支持体〕本発明で使用される支持体は絶
縁性のシート状であれば基本的にどのようなものでも使
用できる。例えば高分子フィルム、不織布、布、紙など
が使用できる。接着性のない支持体と金属線を接着する
場合は、金属線の表面に接着剤が塗布されている金属線
を使用するのがコストや作業性の面から考えて好まし
い。
【0025】金属線と支持体に接着剤を使用しない場合
は、支持体は熱融着性を有する電気絶縁性の熱可塑性樹
脂から選択されるのが好ましい。樹脂は高分子化合物の
集合体である。樹脂は、室温では部分的に高分子の一部
が規則的に折りたたまれた結晶構造と、結晶構造をもた
ないアモルファス状態から構成されている。高分子同士
は弱い分子間力で結合されているため、高分子の構造や
分子量に依存して樹脂の熱的な挙動が決定される。樹脂
の温度が高くなることで高分子の集合構造が緩み、柔ら
かくなるものを熱可塑性高分子と定義している。
【0026】一方高分子鎖に熱により反応する官能基を
含む高分子は、熱により官能基が反応し高分子に網目構
造が生じ、高分子間は強い結合が生まれるため、温度を
上昇させても流動化することは難しい。このような高分
子を熱硬化型高分子と定義されている。また紫外線や電
子線を用いてこのような網目構造を形成する線硬化高分
子もある。
【0027】フィルム状支持体は無延伸、1軸延伸、2
軸延伸等の製造方法で製造されているが、一般に延伸さ
れると樹脂の分子配向方向が揃うため、丈夫なフィルム
が得られることが知られている。しかしながら、ある温
度条件で配向し、室温で使用する場合には問題ないとし
ても、別のある温度以上になる環境で使用すると配向し
ていた分子が元に戻ろうとするのでフィルムの収縮が発
生しカールなどのトラブルとなる可能性が高い。
【0028】本発明では、支持体に熱可塑性樹脂を用い
るのが好ましい。樹脂は一見同じような固体であるが、
実際は水と油の様に単純には混ざり合わない組合わせが
多い。同種の樹脂であれば熱融着する可能性があるが、
凝集エネルギーの異なる樹脂同士は相溶、即ち熱融着す
るのはかなり難しい。
【0029】本発明での支持体に使用するフィルムは、
熱と圧力で容易に貫通する絶縁材料であればどのような
フィルムでもよい。本発明での支持体用フィルムの厚さ
は回路パターン導体回路が貫通しやすく、更にカールを
生じない様に導体回路の厚さより薄いことが好ましい。
図5,6のように2層の支持体用フィルム1,2を貫通
して回路パターン4と金属端子7を接合する場合には、
それらのフィルム1,2の厚さの合計が導体回路の厚さ
より薄いことが好ましい。
【0030】本発明のフィルム状の支持体は透明、半透
明又は不透明のいずれでもよく、また色は無色、有色又
は白色のいずれでもよい。これらのフィルムを使用用途
によって使い分けることができる。半透明フィルム及び
不透明なフィルムは通常、樹脂の中に無機顔料や有機顔
料を配合したものがある。配合される無機顔料の代表的
なものとしては、単独又は複数混合で酸化チタン、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどがあり、有機顔
料はフィルム樹脂の種類によって色々なものが用いられ
ているが、基本的にはフィルム樹脂とは相溶しない種類
で可視光線を乱反射する大きさと屈折率をもつ樹脂が選
ばれるのが好ましい。透明フィルムも透明性を損なわな
い量の顔料を配合しているものもある。フィルム中には
上記顔料以外にも可塑剤、帯電防止剤等、各種添加剤が
配合されている。支持体表面は、接合加工の脱気のため
にエンボス加工等を行なうことも好ましい。もちろん接
着性のある支持体に表面に接着剤を塗布した金属線を使
用することも可能である。
【0031】〔金属線の接着〕本発明は金属線と支持体
を接着剤や糊を使用して接着した回路基材を用いたもの
だけでなく、接着剤や糊を使用せずに熱と圧力によって
直接接着した回路基材を用いたものも含んでいる。
【0032】<接着剤で金属線を接着する方法>金属線
を接着する方法としては、ヒートシール性接着剤と溶剤
系接着剤を使用する方法が一般的である。接着剤や糊を
使用して接着する場合、接着剤や糊としては、ポリエス
テル、ポリウレタン、アクリル、フェノール、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、デンプン、ポリビニルアルコール、S
BR(スチレンブタジエンゴム)、塩化酢酸ビニル等、
金属線とフィルムを接着できるものであればいかなるも
のも用いることができる。
【0033】接着剤はフィルム表面に設けてある場合も
あるが、一般的に金属線の表面に設けられているものを
使用するのがコストの面や取り扱いの面で好ましい。ヒ
ートシール性接着剤を用いる場合は、熱風による加熱や
金属線に電気を流し発生するジュール熱により接着する
方法があり、溶剤系接着剤を使用する場合は溶剤を湿し
たフェルトやブラシなどの間に金属線を通して接着性を
発現させる方法がある。接着剤を使用しないで金属線を
フィルムと接着する場合は、低温の熱により変形の大き
い材質のフィルムを使用するのが好ましい。
【0034】<金属線とフィルム状支持体を接着する方
法>フィルム状支持体を使用し、フィルム上に金属線を
熱圧着することができる。熱、圧力及び時間の接着条件
は使用するシートによって異なるが、本発明で使用する
熱可塑性樹脂シートが200℃以下の温度で変形するも
のを使用することが好ましい。その場合、各シートのも
つ融点よりあまり高い温度条件で接着を行なうと、シー
トが大きく変形して穴が開いたり、樹脂が流れてしまっ
たりすることがあるので注意を要する。接着後の回路基
材は、支持体の材質及び接着条件によりカールを生じる
場合がある。カールを防止するためには、接着条件や支
持体の熱処理又は金属線の種類を選ぶことで解決するこ
とが可能である。
【0035】[インレットシート]以上のようにして支
持体と金属線を接着して得られた回路基材に、図3、図
4に示したように、支持体2に設けたICモジュール6
を支持体を貫いてはんだづけ、ACF、溶接等により回
路に接続してインレットシートを得ることができる。イ
ンレットシートは以下に説明する非接触型ICカードで
は組立て時の心臓部品となる。
【0036】熱と圧力によって支持体を貫通させて回路
と電子部品を導通させる方法としては、半田ごてなどの
ヒーターや高周波などの一般的に使用されている加熱方
法を用いることで金属同士の熱圧着、溶接や導電性材料
を間に挟んだ導通が可能となる。さらに好ましくは抵抗
溶接によって局部的に瞬間だけ熱を加えることで支持体
の変形を最小限にすることができるので、耐熱性の低い
材料を使用するには都合がよい。抵抗溶接の方式は、
対向した電極で被溶接物を貫いて電流を流して溶接する
方式、並列に並べた電極間で電流を流して溶接する方
式、電極の先端が狭い幅で繋がっており、その部分で
抵抗発熱が起こる方式、との複合形式がある。ま
た、電気の制御の仕方も交流、コンデンサ、トランジス
ター、直硫インバーター、交流インバーターなどの方式
がある。
【0037】回路4を接続する方法を図9,図10を参
照して更に詳細に説明する。ここで使用する電極5は、
電極の先端が狭い幅で繋がり、その部分で抵抗発熱する
方式のものである。抵抗溶接機からの電流8は図9,図
10で示されるように電極5の一方から他方に流れて電
極5の先端の細くなった部分が抵抗発熱し、この熱と電
極に加えられた圧力により回路パターン4を通して基材
を溶融し、回路パターン4とICモジュール6の金属端
子7が接触し溶接される。なお、両面回路パターン4の
接合は、製造工程によっては、チップ実装面と反対側か
ら行なってもよいし、両面から行なってもよい。また、
CO2ガスレーザーやYAGレーザーを用いて溶接する
方法も適用することができる。
【0038】以下、インレットシート製作に係るIC等
の部品についてそれぞれ簡単に説明する。 [IC]本発明で使用されるICチップは135KH
z、4.9MHz、6.5MHz、13.56MHz、2.
54GHz帯である。ICは、チップの回路面を上向き
にして貼り付けてある金属板電極にワイヤーボンディン
グした上にエポキシ樹脂等で封止されたモジュールとい
われる形態と、チップにバンプを設けただけのベアチッ
プの形態がある。一般にモジュールはコストが高いが、
電極や封止樹脂で保護されているため機械的な力に対し
て信頼性が高い。
【0039】それに対し、ベアチップは接続部分の加工
が簡素化されているので、コストは低いが信頼性が劣
る。図5に示したIC6はモジュール化されたICであ
る。ベアチップに用いられるバンプは金、はんだ等の金
属系又は導電性ペーストによって構成されていることが
好ましい。金バンプは、ワイヤーボンダーの技術を応用
した方法、メッキ法、スパッタ法がある。金バンプは製
法によって形状に特徴がある。メッキ、スパッタ法では
丸又は円柱状であり、ワイヤーボンダーで製造したバン
プの形状はワイヤーを途中で切るため、独特の形をして
いる。また導電性ペーストによる樹脂バンプは、スクリ
ーン印刷、ディスペンサー等によりチップ上に形成され
る。
【0040】モジュールは抵抗溶接、ハンダ付け、ワイ
ヤーボンディング、カシメなどでアンテナ回路と接続す
る。ベアチップの場合、ハンダボールACF、ACP等
の上からチップを押さえつけて硬化させる方法が採られ
る。
【0041】[ACF/ACP]ACFは異方導電性フ
ィルムの略号であり、熱硬化性樹脂の中に導電性粒子が
分散した構造である。ACPはACFの樹脂がペースト
状のものである。導電性粒子として、金属粉はもとよ
り、銀粒子に樹脂をコーティングした粒子、樹脂粒子に
金メッキされたものも使用されている。ACFはアンテ
ナ回路の接点部分に片面を接合した後、表面のセパレー
ターを剥がし、その上からベアチップを貼付けること
で、バンプがない部分は導電粒子が疎であるため電気的
に導通が難しく、バンプとアンテナ回路が導電性粒子を
通して導電性を得ることができる。
【0042】[はんだ]はんだは鉛-錫等を主成分とす
る比較的低融点の合金であり、電気回路の接続では最も
一般的な材料である。現在はんだは大きく分けて共晶は
んだ、低温はんだ、環境問題対策の銀などを使用した鉛
フリーはんだがあり、その中でも合金比率を変更して用
途別に細分化されている。はんだは材料の品種だけでな
く、その形状も多種多様である。例えば線はんだ、棒は
んだ、球状はんだ、特殊な用途にはリング状、テープ
状、シート状などもあり、太さ、厚さ、大きさが異なる
ものがある。またクリームはんだと呼ばれる、粉体のは
んだとフラックスを練りこんだはんだもあり、印刷用や
ディスペンサー用として利用されている。
【0043】はんだの塗布方法は、半田ごてによるも
の、はんだ槽によるもの、印刷によるもの、ディスペン
サーによるもの、はんだボールのマウンターによるもの
などが挙げられる。半田ごてによるもの、はんだ槽によ
るもの以外は、リフロー、熱線など後工程で熱を加えて
溶解させる。
【0044】最近の電子回路は高密度化が進み、細密パ
ターンが多くなってきている。したがって、はんだ量の
制御も重要となってきており、細密パターンを接続する
には、はんだ量が精密に制御されている、はんだボール
が適している。はんだボールの製造はアトマイズ法等で
行なわれる。アトマイズ法とは、溶解したはんだを霧状
に噴霧し、はんだの表面張力で球状になったところで固
化させるものであり、その後分級する。また最近では線
はんだを正確に切り取り、溶融させて球状にする方法も
開発されている。
【0045】2.ICカード化材料・工程 本発明の回路基材を使用したインレットシートから最終
製品のカードになるまでに使用される材料・工程を以下
に述べる。図7は本発明のICカードの一実施例の断面
図である。回路基材からなるインレットシート(支持体
1,2、金属線の回路4、IC6、端子7から構成され
ている)の両面に接着層10又は中間層11を介して被
覆層3a、3bが接合されている。被覆層3a、3bに
は通常、印刷層14、その外側に保護層13が設けられ
ている。目視可能情報記録層12は、使用される表示方
法によって保護層13の上面又は下面に適宜設けること
が可能である。
【0046】図8にも本発明のICカードの別の例の断
面図を示した。この例では、構造部材がインレットシー
トと被覆層3a,3bだけからなる最も簡単なICカー
ドの構成となっている。本発明では図8のような単純な
構成でもICカードとして問題なく使用することが可能
であり、大幅なコストダウンが可能となった。
【0047】〔被覆層〕被覆層3a、3bは完成したI
Cカードの最外殻の構造的な強度が要求される基材であ
り、印刷、磁気層、保護層等を設けることができる。フ
ィルム状もしくはシート状のポリエステル、ポリカーボ
ネート、ABS、APET、塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチ
レン、ポリマーアロイ、エンジニアリングプラスチック
等のプラスチックフィルム、銅、アルミニウムなどの金
属板、紙、網などの単体又は複合体、ガラス繊維や紙を
エポキシ樹脂等で含浸した基材等が使用できる。また、
カードの積層構成によっては、支持体を兼ねることもあ
る。被覆層は用途によって透明、半透明、不透明のもの
が使用できる。半透明、不透明のプラスチックフィルム
は、流通しているほとんどのものが酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、有機顔料などの白色顔料が樹脂中に練り込ま
れているか、表面に印刷や塗工が設けられている。
【0048】被覆層3a,3bは接着層10を使用すれ
ば、ほとんどの材質に貼り合わせることができる。しか
しながら、被覆層3a,3b及び支持体1、2として熱
変形が容易な熱融着性の樹脂を用いると、接着層10を
使用せずに樹脂同士が融着し、ICカードを組み立てる
ことができるのでコストダウンの点から好ましい。
【0049】〔接着層〕接着層10は支持体1と被覆層
3a,3bや、被覆層3a,3bと中間層11等とを接
着して1枚のシートにする機能をもつ層である。接着方
法にはラミネート法とインジェクション法がある。ラミ
ネート法は回路基材作成と同じ方法でフィルムを積層し
ホットプレス等で貼り合わせる方法であり、接着層10
に使用される接着剤樹脂は、ポリエステル、ABS、ア
クリル、ポリウレタン等の一般に使用されているドライ
ラミネート用接着剤や、ホットメルト樹脂で且つ熱硬化
型樹脂、吸湿硬化型樹脂、及び線硬化樹脂が好ましい。
カードを規定の厚さに調整するため、被覆層3a,3b
や支持体1の厚さ調整と共にこれらの樹脂の塗布量を調
整する必要が生じてくる。特にホットメルト接着剤は粘
度が高いため厚塗りに適しており、カードの厚さを稼ぐ
のに好ましい。接着剤は被覆層3a,3bやインレット
シートなどに直接塗布することもできるが、ホットメル
ト樹脂接着剤は室温ではゴム状のシートとして製造する
ことができ、セパレーター紙などの上に予めフィルム状
に形成しておき、そのセパレーター紙などを剥がして使
用するようにすることもできる。接着層は場合によって
はウェットラミネート用接着剤で各フィルムを接着させ
ることも可能である。
【0050】インジェクション法は、被覆層3a,3b
の間に熱溶融した樹脂を注入してカードを成形する方法
であり、被覆層3a,3bと一体化したインレットシー
トを同時に封入することができる。使用される樹脂は被
覆層3a,3bを接着する接着剤となるとともに構成材
ともなることが可能なものである。接着剤に使用する樹
脂はラミネート法で使用される樹脂と同等のものが使用
可能であるが、被覆層3a,3b−支持体1,2間のよ
うな狭い空間を数箇所の樹脂供給口を通して樹脂が広が
るため、ラミネート法のホットメルト接着剤に比較する
と樹脂の溶融粘度が低いことが好ましい。
【0051】〔中間層〕被覆層3a,3bと同様の層を
最外層に使用せず、中間部分に使用する場合、この層を
中間層11と呼ぶ。中間層11も被覆層3a,3bと同
様の材料によって構成することが可能であり、勿論支持
体1と同様の材料も使用可能である。
【0052】〔目視可能情報記録層〕目視可能情報記録
層12は非接触型ICカードの残額、シリアル番号等の
情報を、肉眼で確認できる文字情報として記録する必要
がある場合に設けられる層で、レーザーで物理的に文字
を作成する場合、錫等の蒸着膜を形成しその膜を熱破壊
して記録する場合、ロイコ染料等の感熱発色型の染料を
塗布して記録層を形成し、その層に熱記録するタイプ等
の1回だけ記録するものと、感熱タイプ、樹脂タイプ、
磁気タイプ、電場タイプ等の書換え可能な表示層を設け
ることも可能である。
【0053】〔保護層〕保護層13は通常、印刷や目視
可能情報記録層等を保護するために設けられる層で、各
種印刷、塗工により保護層13を設ける場合と、オーバ
ーレイフィルムを貼り合わせる方法が可能である。印
刷、塗工により保護層13を設ける場合は1種以上のポ
リビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エポキシ樹脂等の樹脂から形成される場合と、こ
れらの樹脂にアルミニウム、酸化チタン等の無機顔料
や、シリコーン、ポリエチレン、ポリスチレン微粒子等
の有機顔料や、潤滑剤等を分散させた塗料、インクから
形成される場合がある。オーバーレイフィルムは透明の
フィルムで、印刷層より厚いので、印刷などの保護は良
好である。
【0054】〔印刷層〕通常、印刷層14は透明な保護
層13の下に施され、カードに装飾性を持たせるための
図柄や、カード使用約款や、機械による読み取りのため
の可視バーコード等を印刷する層である。印刷は、カー
ド状態になってからと、被覆層3a,3bに予め耐熱性
の良好な印刷をしておく場合がある。予め印刷する場合
は、カード成型時の熱によって基材が拡大又は収縮をす
る場合があるので、予め収縮又は拡大した図柄で印刷を
行なったり、予め熱処理などで寸法安定化した基材に印
刷したりするのが好ましい。
【0055】〔成型〕非接触型ICカードの成形はラミ
ネート法と射出成形法がある。ラミネート法は被覆層シ
ート、ICが実装されているインレットシート、シート
糊等を重ねあわせホットプレス等で加熱、圧着すること
ができる。
【0056】この時接着剤を軟化、硬化させるため加熱
するが、成型条件を選ばないと、カードがカールした
り、ICチップを破壊したりする場合がある。中間層、
接着層、インレットシートなどのICチップ部分に穴を
開けてカードの厚みを均一にするのが好ましい。ラミネ
ーターでは成型時に、真空脱泡して成型するのが好まし
い。
【0057】一方、インジェクション法では、型枠の中
にセットされた表裏2枚の被覆層3a,3bの間に溶融
した樹脂を射出して成形することができる。インレット
シートは、予め片側の被覆層3a又は3bに仮止めして
おく。射出される樹脂は小さな穴から高圧で押し出され
るため、一般に注入口がシートの中心にあり、その注入
口から放射状に樹脂の配向が起こる可能性がある。被覆
層3a,3bの厚さ、樹脂の種類、押出速度、溶融粘
度、加熱/冷却条件等を最適化しないとカールが発生す
る可能性がある。
【0058】本発明において被覆層3a,3bに熱融着
性のある樹脂を使用した場合には、回路基材が熱融着性
をもっているため、ヒートプレスを使用して貼り合わせ
る場合、ヒートプレス中でこれらの熱可塑性樹脂が一旦
溶融し、相互に融着し一体となる。このような耐熱性が
低いフィルム状の熱可塑性樹脂をフリーの状態でその融
点以上にすると、原形をとどめないほどフィルムが大き
く変形することがあるが、プレス板の中で加熱される場
合はその形状が維持されるのでより好ましい。
【0059】〔打ち抜き〕成型されたシートからカード
化するには電動、空圧、油圧プレスに取り付けたトムソ
ン刃、雄雌刃で1枚ずつのカードに切断することができ
る。
【0060】〔ICカードの他の構成例〕以上の例では
接着層10を使用してICカードを組立てる例を説明し
た。しかし、被覆層3a,3bや必要に応じて使用する
中間層11に支持体1,2と同様に熱融着性の熱可塑性
樹脂を使用すれば、それらの熱融着性の熱可塑性樹脂製
の層3a,3b,11、支持体1,2間の接合を熱によ
る貼り合せによって行なうことができるのでコストダウ
ンの点で好ましい。また特に、同じ樹脂を使用した場合
はより接着性が高まるのでさらに好ましい。この場合、
各層の熱収縮率や弾性率や色調等まで同じにできるた
め、カードの断面は断層がなくカードの見栄えがよいば
かりでなく、光学的にカードを検出するシステム、例え
ば枚数計での誤作動が起こりにくい。さらに各層の弾性
率が同じになるためか、接着剤層を使用して製造したカ
ードよりカード切断面のつぶれ具合が少なく、機械的に
カードを搬送する場合などに好ましい。
【0061】さらに、支持体1,2、被覆層3a,3
b、必要に応じて使用する中間層11の全てを熱融着性
の熱可塑性樹脂によって構成し、全ての接合を熱による
貼り合せによって行なうことによって大きなコストダウ
ンが可能となる。
【0062】
【実施例】以下に本発明に係るIC実装体製造の具体例
を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。以下の実施例に説明したIC実装体は、実施例
に説明されている以外にカード及びタグの両方に使用が
可能である。
【0063】(実施例1)図8に示したICカードとほ
ぼ同様の断面構造のICカードを作製した。 〔インレットシートの作製〕支持体1として厚さ50μ
mのAPET(PET−G製、熱変形温度67℃、エビ
ロン太平化学社の製品)からなるフィルム基材を使用し
た。この支持体1に、120μmの銅線(東京特殊電線
株式会社製)を温度150℃で加熱し、荷重10Kgの
条件で冶具を使用して連続的に回路を描きアンテナ回路
4とした。
【0064】支持体2として、支持体1と同じ厚さ50
μmのAPETからなるフィルム基材を用い、その支持
体2にモジュールのチップ部分が入るように、チップ部
分より少し大きい穴をあけた。図5〜図7に示されるよ
うに、その穴に、モジュール化され端子7を備えたIC
モジュール(MIFAREチップ/シーメンス社製)6
を嵌め込んだ。
【0065】支持体1に設けた回路パターン4の接続を
行なう端部は、ICモジュール6を実装したもう一つの
支持体2と、電極が互いに接続できる位置に配置してお
き、回路パターン4の銅線が支持体1,2を突き抜けて
反対面に設けたICモジュールの金属端子7に接合する
ように、抵抗溶接機の電極5を使用して接続しインレッ
トシートを得た。
【0066】〔非接触型ICカードの作製〕上記のイン
レットシートと、カード全体の厚さを800μmにする
ため、接着層を使用せずに表裏の層の厚さをそれぞれ3
50μmになるように被覆層3a、3bと重ねあわせ、
ホットプレスを使用して温度150℃、圧力10Kg/
cm 2の条件で両側から貼り合わせて熱融着した。この
被覆層3a,3bはいずれもインレットシート作製にお
いて使用した支持体1,2と同一のAPETを使用し
た。冷却後、カード状に打ち抜き、非接触型ICカード
とした。カードの層間剥離強度はJISX6301に準
拠して測定すると12N/cmであり、6N/cm以上
であった。
【0067】(実施例2) (インレットシートの作製)図7に示されるように、実
施例1と同様にして、ただしここでは支持体1の表面に
下糸として銅線を使用してミシンによりループアンテナ
回路を縫込みパターン4を形成した。
【0068】(非接触ICカード/タグの作製)図11
に示されるように、実施例2のインレットシートを、A
BSの射出成形でできた容器30の中に接着剤32を用
いて固定し、容器30を熱融着で密閉して非接触ICカ
ード/タグとした。
【0069】(実施例3)実施例2のインレットシート
は種々の形態のICカードやタグに使用することができ
る。図12は図11と同様に、インレットシートを容器
に収納して非接触ICカード/タグとする例を示したも
のである。図12(A)は、一端部に開口をもつ偏平な
容器にインレットシートをスライドさせて入れ、その開
口を蓋36で閉じるようにしたものである。図12
(B)は、一端部に開口をもつチューブ38にインレッ
トシートを丸めて入れ、その開口を挟んで閉じるように
したものである。
【0070】(実施例4)図13は実施例2のインレッ
トシートを物品に貼り付けるタグとして使用した実施例
である。図13(A)はこのインレットシートを粘着紙
40に貼り付け、インレットシートの上から剥離紙42
を貼り付けたものである。
【0071】図13(B)も同様であるが、この場合は
ICモジュール6が粘着紙40側になるようにしてイン
レットシートを粘着紙40に貼り付け、インレットシー
トの上から剥離紙42を貼り付けたものである。図13
(A)、(B)のタグは、剥離紙42を剥がし、粘着紙
40の粘着剤によって、インレットシートが内側になる
ように物品に貼り付けて使用する。
【0072】(実施例5)図14は実施例2のインレッ
トシートを他の形態のICカード又はタグとしたもの実
施例である。図14(A)はインレットシートをケース
46に入れ、封止用樹脂をその容器に流し込むことによ
ってインレットシートをケース46内に封止したもので
ある。図14(B)は容器を使用せずにインレットシー
トを樹脂49で封止したものである。
【0073】〔カード読み取りテスト手順の概要〕まず
実施例の非接触型ICカード(又はタグ)の共振周波数
を測定した。図15に、この共振周波数測定の状態を示
した。図15はICカードの共振周波数測定状態を示す
概略図である。ネットワークアナライザー101(型式
R3754B/アドバンテスト社の製品)に直径5cm
のループアンテナ102を接続した測定器によってIC
カード9の共振周波数を測定し、13.56MHzであ
ることを確認した。
【0074】次に通信距離を測定した。図16に、この
通信距離測定の状態を示した。図16はICカード9の
通信距離測定状態を示す概略図である。パソコン141
に接続したシーメンス社製リーダ・ライタ142を用い
て90mmの距離から通信できることを確認した。以上
のように、本発明に係るICカードは、カードの層間剥
離強度、共振周波数、通信距離等を満足するICカード
であることが確かめられた。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明に係るIC実装体
は、電気絶縁性で熱可塑性をもつフィルム状支持体上に
設けられたアンテナ回路と、別のフィルム状支持体に搭
載された電子部品が、金属線の一部が支持体中に陥没し
支持体を貫通して電子部品と電気的に接続されたものと
したので、カールが少なく、耐久性に優れ、表面性が良
好で、コンビカード等の複雑な構成を容易にすることが
可能で、インレットシートの製造コストが低いIC実装
体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用される回路基材を示す平面図で
ある。
【図2】 図1の回路基材のA−A’断面図である。
【図3】 接続されたインレットを示す平面図である。
【図4】 図3の接続されたインレットを示すB−B’
断面図である。
【図5】 図4の円部分のIC搭載部分を電気的接続前
の状態で示す拡大断面図である。
【図6】 図5のインレットシートの完成断面図であ
る。
【図7】 本発明のIC実装体の一実施例を示す断面図
である。
【図8】 本発明のIC実装体の他の実施例を示す断面
図である。
【図9】 実施例のインレットシートを完成前の状態で
電気的接続の接合方法とともに示す断面図である。
【図10】 実施例のインレットシートを完成後の状態
で電気的接続の接合方法とともに示す断面図である。
【図11】 同実施例のインレットシートを使用したI
Cカード又はタグを示す断面図である。
【図12】 (A)は同実施例のインレットシートを使
用した他のICカード又はタグを製造途中の状態で示す
断面図、(B)はさらに他のICカード又はタグを製造
途中の状態で示す斜視断面図である。
【図13】 (A)は同実施例のインレットシートを使
用したタグの一例を示す断面図、(B)はタグの他の例
を示す断面図である。
【図14】 (A)は同実施例のインレットシートを使
用したさらに他のICカード又はタグを示す断面図、
(B)はさらに他のICカード又はタグを示す断面図で
ある。
【図15】ICカード/タグの共振周波数測定の状態を
示す概略図である。
【図16】ICカード/タグの通信距離測定の状態を示
す概略図である。
【符号の説明】
1,2 支持体 4 金属線による回路パターン 3a,3b 被覆層 6 ICモジュール 7 端子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を搭載したインレットシートを
    備えたIC実装体であって、 前記インレットシートは電気絶縁性フィルム状支持体上
    に予め導体回路が作成されたものと、別の電気絶縁性フ
    ィルム状支持体上に前記電子部品が搭載されたものと
    が、前記両支持体の少なくとも一方を挟んで電気的に接
    続する部分が位置的に対向するように配置され、前記導
    体回路の一部が間に介在する前記支持体中に陥没し貫通
    して前記電子部品と電気的に接続されていることを特徴
    とするIC実装体。
  2. 【請求項2】 前記導体回路は金属線にてなる請求項1
    に記載のIC実装体。
  3. 【請求項3】 前記導体回路は、前記金属線が接着剤層
    により導体回路用の前記支持体に接着されたものである
    請求項2に記載のIC実装体。
  4. 【請求項4】 前記導体回路は、前記金属線が接着剤層
    を介さずに導体回路用の前記支持体に直接接着されたも
    のである請求項2に記載のIC実装体。
  5. 【請求項5】 前記電子部品は金属端子を持っている請
    求項1から4のいずれかに記載のIC実装体。
  6. 【請求項6】 前記導体回路と前記電子部品との電気的
    接続は、前記導体回路と前記金属端子との間での金属溶
    融接合によるものである請求項5に記載のIC実装体。
  7. 【請求項7】 前記導体回路と前記電子部品との電気的
    接続は、低融点金属、低融点合金、導電性接着剤及び異
    方導電性接着剤のいずれか一つを介在させて接合したも
    のである請求項1から5のいずれかに記載のIC実装
    体。
  8. 【請求項8】 前記両支持体の厚さの合計は前記導体回
    路の厚さより薄い請求項1から7のいずれかに記載のI
    C実装体。
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