JP2003027127A - 低発煙アルミニウム含有物 - Google Patents

低発煙アルミニウム含有物

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JP2003027127A JP2001220213A JP2001220213A JP2003027127A JP 2003027127 A JP2003027127 A JP 2003027127A JP 2001220213 A JP2001220213 A JP 2001220213A JP 2001220213 A JP2001220213 A JP 2001220213A JP 2003027127 A JP2003027127 A JP 2003027127A
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敏一 福田
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価であり、どのような鋼種に対し
ても使用することができ且つ炉や取鍋への投入時に炉や
取鍋から立ち昇る白煙が少なくて反応有効性の高い溶鋼
・溶銑の脱酸・改質助剤の開発。 【解決手段】 金属アルミニウム成分(1)を含有す
る粒状物(2)或いは塊状物と、前記粒状物(2)或いは塊状
物の表面に形成された生石灰を主成分とするコーティン
グ層(3)とで構成されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価で、白煙が少
なく反応有効性に優れた溶鋼・溶銑或いはスラグの脱酸
・改質助剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶鋼・溶銑或いはスラグの脱
酸・改質には金属アルミニウム分を含む脱酸・改質助剤
の炉或いは取鍋への投入が行われている。この脱酸・改
質助剤としては、主として再生アルミニウム製造時にお
いて発生するアルミニウム含有物質(アルミニウムの溶
融時に発生して溶湯の表面に浮遊する、アルミ灰と称す
る粉状のアルミドロス類、アルミスクラップを溶解した
ときにアルミスクラップが熱のために丸まってその表面
が酸化し、中心部に金属アルミニウム分が残留している
粒状或いは塊状の「搗実(ツキミ)アルミ」と称される
もの等)、金属アルミショット(粒)、金属アルミスク
ラップ類(空缶シュレッド屑、サッシ類の切断品、その
他)、溶解アルミニウム精製用の使用済みアルミナ製濾
過フィルタ(ストレーナ)の粉砕物その他金属アルミニ
ウム成分を含む材料が使用されている。前記アルミニウ
ム含有物質の成分は、アルミニウムとアルミナを主成分
とし、他にシリカ、マクグネシア、金属アルミニウム分
を含む。
【0003】前記アルミニウム含有材物質の炉や取鍋へ
の投入形式としては、粉のままのアルミ灰を炉や取鍋へ
直接インジェクションする場合や、前記アルミ灰を押し
固めて造粒物(ブリケット)としたり或いは押出し成形や
転動造粒にてペレットとしたり、またバインダ或いは必
要とするその他原料を混入してペレットとしてバンカー
投げ込み使用とする場合、シュレッドしたスクラップ屑
を圧縮成形したもの或いは溶解アルミ精製フィルター残
骸を破砕した粒状物或いは塊状物を投入する場合など様
々な方法がとられている。
【0004】このような金属アルミニウムを含む脱酸・
改質剤(例えば、アルミショット、アルミ灰、搗実の場
合)を炉や取鍋に投入する場合、炉或いは取鍋内の約千
数百℃の溶鋼・溶銑から立ち昇る高熱のために全体が高
温に加熱され、溶鋼・溶銑の上に浮かぶスラグに達する
前に大半の金属アルミニウム分が大気中の酸素と反応し
て酸化し、微細アルミナを生成してしまい、これがもう
もうたる白煙となって炉や取鍋から立ち昇る。特に、取
鍋のような開放容器においては、周囲一面に微細アルミ
ナ白煙を撒き散らす結果となり、作業環境の悪化のみな
らず、目視出来なくなる事により操業が出来ない位にな
る場合が多い。このように、従来の助剤の場合、投入材
のアルミニウム成分の多くが大気中の酸素との反応によ
り燃焼してしまい、溶鋼、溶銑の脱酸反応やスラグ改質
に寄与する割合が非常に小さくなる。
【0005】そこで上記発煙問題解決のため、本発明者
らは溶解アルミ精製用のアルミナ製フィルタの粉砕物を
主成分とする助剤を開発しこれをスラグの脱酸或いはス
ラグ改質に使用してきた。このものは前述のように溶融
アルミニウムの精製に用いられるもので、セラミック
(アルミナ)を主成分とする使用済みの多孔質濾過フィ
ルタであり、その孔の中に多量の金属アルミが残ってい
る。
【0006】この使用済みのアルミナ製多孔質濾過フィ
ルタの粉砕物を主成分とする助剤を使用すると、この助
剤は前述のアルミ灰のような助剤と異なり、投入時の急
激な温度上昇に曝されてもフィルタを構成するアルミナ
によって孔内の大半の金属アルミニウム分は大気中の酸
素と接触せずその燃焼反応が抑制される。そして、孔内
の金属アルミニウム分の反応が起こるまでに前記フィル
タを原料とする助剤がスラグ等の脱酸や改質反応を期待
する物質中に入り込み、助剤内に大量に残留していた金
属アルミニウム分が前記物質内で反応を起こし、期待さ
れていた脱酸作用や改質作用が行われることになる。
【0007】従って、前記使用済みのアルミナ製多孔質
濾過フィルタの粉砕物を主成分とする助剤を使用する
と、前述のようにアルミ灰を助剤として使用した場合と
異なり、大気中における酸素との急激な燃焼反応が押さ
えられて白煙が著しく少なくなり且つ本来の目的とする
溶解スラグ等との有効な反応性が向上し少ない量で効果
的なスラグ還元に寄与するようになった。
【0008】しかし、このように発煙問題や反応性向上
に対して極めて効果の高い使用済みのアルミナ製多孔質
濾過フィルタの粉砕物を主成分とする助剤にも次のよう
な問題がある。即ち、高強度のアルミナに高粘性の金属
アルミニウムを含有した蜂の巣状の固形物を破砕するの
は非常に困難で費用がかさむ点や、前記フィルタによる
濾過対象の溶融アルミニウムに添加されている微量成分
を助剤として使用する前にフィルタから除く事は出来な
いので、当該微量成分(例えば、ボロン、銅)が炉内や
取鍋内の溶鋼・溶銑内に混入し、溶製鋼種によっては前
記助剤を使用できないこともある。(なお、アルミ圧延
材においてはその結晶微細化のためにボロンを用いる事
が多く、その結果として上記使用済みフィルタにも0.
01〜1%程度の量でボロンが残留することになる。)
【0009】
【課題を解決するための手段】「請求項1」は本発明に
かかる低発煙アルミニウム含有物(A)の第1実施例で
「金属アルミニウム成分(1)を含有する粒状物(2)或いは
塊状物と、前記粒状物(2)或いは塊状物の表面に形成さ
れた生石灰を主成分とするコーティング層(3)とで構成
された」ことを特徴とし、「請求項2」はその第2実施
例で「アルミニウム成分(1)を含有する粒状物(2)或いは
塊状物と、前記粒状物(2)或いは塊状物の表面に形成さ
れた生石灰とマグネシアの混合物を主成分とするコーテ
ィング層(3)とで構成された」ことを特徴とする。
【0010】これによれば、助剤(A)としてコーティン
グ粒状物或いは塊状物を炉や取鍋に投入すると、炉や取
鍋から立ち昇る高熱によって生石灰或いは生石灰とマグ
ネシアを主成分とするコーティング層(3)が溶け、金属
アルミニウム分(1)を含む粒状物(2)あるいは塊状物の表
面を覆う。その結果、粒状物(2)あるいは塊状物内の金
属アルミニウム分の大気中の酸素との接触が抑制され、
白煙の原因となる微細アルミナの生成が妨げられる。そ
して、前記助剤(A)は大量の金属アルミニウム分(1)を含
有したままスラグ表面に至り更にはスラグ中に入り込ん
でいく。そして、スラグ中の酸素や溶鋼・溶銑中の酸素
と前記金属アルミニウム分(1)が酸化反応し、スラグや
溶鋼・溶銑の脱酸・改質を行う。
【0011】スラグに石灰含有量の多い場合は、スラグ
上層面は融点が高くて固体であることが多いが、コーテ
ィング層(3)にマグネシアが含まれている場合、溶けた
コーティング層とスラグのこれに接触している部分とが
多元系の酸化物を構成してその融点が下がり、前記コー
ティング層(3)近傍部分が溶融することとなり、次第に
金属アルミニウム分(1)を含んだ粒状物(2)あるいは塊状
物がスラグ内に入り込むので、それらに含まれる酸素等
との直接的な反応が起こる事となる。更に、この時の反
応が液相で行われるので、反応性が大きく向上する事に
なる。
【0012】「請求項3」は、請求項1または2に記載
の低発煙アルミニウム含有物(A)の石灰量に関し「石灰
量の範囲が粒状物或いは塊状物も合わせた全体の0.1
%以上である」ことを特徴とするもので、石灰量が前述
の範囲以上あれば、炉或いは取鍋に投入された時に溶解
して粒状物(2)あるいは塊状物の表面全体を十分覆い尽
くすことができ、大気中での金属アルミニウム分(1)の
酸化を防ぐことができる。
【0013】「請求項4」は、請求項1〜3のいずれか
に記載の低発煙アルミニウム含有物(A)の粒状物(2)或い
は塊状物の大きさに関し「粒状物(2)或いは塊状物の大
きさは平均粒径で直径1〜30mmである」ことを特徴と
するもので、平均粒径で直径1mm以下の場合は小さ過
ぎて炉或いは取鍋から立ち昇る高熱により瞬時に昇温し
てしまい、表面の溶けたコーティング層による被覆効果
が働かず、内部の金属アルミニウム分(1)が大気中の酸
素と反応し燃焼してしまう。これに対して、直径が30m
m以上であれば逆に大き過ぎてスラグ内で溶け切れず長
時間残留して無駄になるばかりか、場合によっては後処
理に悪影響を及ぼす事態にもなる。
【0014】「請求項5」は請求項1〜4のいずれかに
記載の低発煙アルミニウム含有物(A)の粒状物(2)或いは
塊状物の種類に関し「粒状物(2)或いは塊状物が、搗実
である」ことを特徴とするもので、搗実を使用した場
合、その大きさが適当である事に加え、表面が粉状のア
ルミ灰等と比べて厚い酸化膜(アルミナ)に覆われている
事、その形状が不定形で内部に空隙が存在する事が多い
ことによってスラグ中での溶解が徐々に進むことになり
反応を進める上で好ましい。また、搗実においても、飲
料缶のような薄いアルミニウムを再溶解した時に発生す
る物は形状がいびつになり空隙(4)を有する割合が高く
なり易く更に好ましい。
【0015】「請求項6」は、請求項1〜4に記載の低
発煙アルミニウム含有物(A)を更に限定したもので「粒
状物(2)或いは塊状物中に空隙(4)が形成されている」こ
とを特徴とする。前記空隙(4)は搗実の空隙と同様断熱
作用を示し、粒状物(2)あるいは塊状物のスラグ中での
溶解が徐々に進むことになり脱酸反応を進める上で好ま
しい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示実施例に従っ
て詳述する。(2)はアルミニウム成分(1)を含有する粒状
物或いは塊状物で、表面に生石灰或いは生石灰とマグネ
シアの混合物を主成分とするコーティング層(3)が形成
されて本発明の低発煙アルミニウム含有物(A)となる。
前記粒状物(2)或いは塊状物は、平均粒径で直径1〜30m
mのもので、アルミ灰類を押し固めた造粒物、押出し成
形や転動造粒にて形成したペレット、またバインダ或い
は必要とするその他原料を混入してペレットとしたも
の、又は搗実などが用いられる。
【0017】前記搗実とは、アルミスクラップを溶解し
て溶融アルミニウムを造る時に発生する滓の内、アルミ
灰と称する粉状の物と異なり1mm以上の大きさで残っ
た粒状物をいう。これは飲料缶の様に薄いスクラップや
酸化膜の厚いスクラップなどから出来る滓であったり、
溶解作業が十分に行われなかった場合に発生するもので
ある。これらは、比較的アルミニウミの含有率が高い場
合が多く、且つ表面が厚い酸化物で覆われている場合が
多い。更にまた、その形状は不定形であり、特に薄いス
クラップから発生する場合は丸まってしまって内部に空
洞(4)を有することが多い。これによって、高温におい
ても反応がゆっくりと進む。従って、炉または取鍋への
助剤(A)として投入されたとき、大気中の酸素との急激
な反応が抑制されるので、このような用途においては好
適である。
【0018】炉または取鍋への助剤(A)として投入され
る前記粒状物(2)或いは塊状物の平均粒径は、直径で1〜
30mmのものが好ましいが、平均粒径が1mm以下の場
合は小さ過ぎて取鍋等への投入時に大気中において直ぐ
に中心まで昇温して酸化してしまい、従来と同様、効果
がない。30mm以上の場合には逆に大き過ぎて、溶鋼や
溶銑中に入り込んだり、スラグ中で溶け残ったりして金
属アルミニウム分(1)を残留させることになり好ましく
ない。
【0019】粒状物(2)或いは塊状物の表面に形成され
るコーティング層(3)の主成分は、「生石灰」或いは
「生石灰とマグネシアの混合物」である。前記「生石
灰」の量は、全体に対して0.1%以上、好ましくは1
〜5%である。「生石灰」の量が全体に対して0.1%
以上あれば、投入時の高温によって生石灰が溶けた時に
粒状物(2)或いは塊状物の表面を十分に被覆して大気中
の酸素との接触を妨げることができ、粒状物(2)或いは
塊状物内の大気中での酸化を妨げることができる。マグ
ネシアは多元性酸化物スラグを形成してスラグの流動性
を高める。その作用については後述する。
【0020】前記コーティング層(3)は、粒状物(2)或い
は塊状物の全面を覆っている必要もなければ均一にコー
ティングされている必要もなく、投入時の高温で溶けた
場合に粒状物(2)或いは塊状物の表面を覆うことができ
ればよいので、投入前の粒状物(2)或いは塊状物に対す
る状態では概略これらに付着していれば足る。また、コ
ーティングに供する生石灰やマグネシアは粉である必要
はなく、ある程度粒状物(2)或いは塊状物に付着できる
ようなものであればよく、勿論、粒状のようなものでも
よい。コーティングの状態は、前述のように粒状物(2)
或いは塊状物の表面に概略付着していればよいので、単
に混合機で両者を混ぜ合わせ、生石灰或いは生石灰とマ
グネシアの混合物を前記粒状物(2)または塊状物の表面
に付着させる程度で良い。生石灰は柔らかいので、前記
のように混ぜ合わせるだけでその粉化した物が粒状物
(2)または粒状物の表面に表面に付着する。
【0021】アルミ灰のような粉状物を助剤(A)として
使用する場合には、ブリケット(豆炭の様な形状に圧縮
成形したもの)加工により粒状物(2)或いは塊状物とし
て使用する。その場合、アルミ灰単独をブリケット加工
してもよいし上記生石灰または生石灰とマグネシアとの
混合物をブリケット加工してもよく、その場合でも前記
ブリケット加工にて形成した粒状物(2)または塊状物の
表面に生石灰または生石灰とマグネシアの混合物をコー
ティングすることになる。
【0022】次に、本発明の作用について説明する。生
石灰や生石灰とマグネシアのコーティング層(3)を有す
る助剤(A)を炉や取鍋に投入すると、炉や取鍋から立ち
昇る熱気によって助剤(A)の表面温度は、炉や取鍋内の
千数百℃の溶鋼の上に浮遊しているスラグ温度(溶鋼温
度近い)まで急激に加熱され、助剤(A)のコーティング層
(3)が溶融する。コーティング層(3)が溶融すると溶融皮
膜を形成し、粒状物(2)或いは塊状物の表面全体を覆
い、これにより大気中の酸素との接触を妨げる。その結
果、粒状物(2)或いは塊状物中の金属アルミニウム分の
燃焼反応が抑制される。その間に助剤(A)は落下してス
ラグに到達し、続いてその大半はスラグ中に入り込み、
スラグ中或いは溶鋼や溶銑中の酸素等と反応して溶鋼や
溶銑の脱酸或いはスラグの改質などが行われる。
【0023】また、前記助剤(A)がスラグ内に入り込ま
ず、スラグ表面に止まっている場合でも前述と同様、表
面のコーティング層(3)の溶融被膜とその近傍の溶融ス
ラグが粒状物(2)或いは塊状物の表面に溶融被膜を形成
して金属アルミニウム分(1)が急激に連続燃焼反応を起
こすのを防ぎ、スラグ液層に徐々に溶解して液一液反応
を起こし、含有されている金属アルミニウム分(1)がス
ラグや溶鋼・溶銑中の酸素と脱酸・改質を行っていく。
【0024】前述の反応において、粒状物(2)或いは塊
状物として搗実を使用した場合、搗実が粒状で且つ不定
形、内部に空隙をもった形状であるため、この空隙が断
熱作用を発揮し、この時の溶解及び脱酸・改質が徐々に
進むことになり好ましい。従って、造粒によって形成さ
れた粒状物(2)或いは塊状物の場合でも内部に空隙(4)が
形成されるようにすることが好ましい。
【0025】前述のコーティング層(3)の成分は、炉や
取鍋に投入されたとき炉や取鍋内のスラグが溶融しやす
いような成分に設計することが好ましい。概略、溶鋼の
2次精練用取鍋のスラグは、石灰とアルミナを主成分と
し、酸化マンガン、マグネシア、シリカ、酸化鉄等を含
むが、それに本助剤(A)が投入されてそのコーティング
層(3)が加わってスラグの融点が下がるように設計する
事が望ましい。例えば、一般には前述のスラグは、石灰
含有量が多くスラグ上層面は融点が高いため固体である
ことが多いが、その場合はコーティング層(3)にマグネ
シアを含ませておくことでスラグが多元系の酸化物とな
って融点が下がり、本助剤(A)を投入したときそのコー
ティング層(3)及びスラグの前記コーティング層(3)近傍
部分が溶融することとなり、結果スラグとの反応性が向
上するからである。
【0026】[実施例] 溶鋼取鍋のスラグ改質 転炉から出鋼した溶鋼(キル用のアルミニウムを既に含
有している。)を取鍋に取り、CaOなどからなるフラ
ックスを溶鋼に投入した。溶鋼の上部表面にはCaO、
SiO2、Al23、MgO、MnO、FeOなどを組
成とするスラグが浮いた状態となっている。上記スラグ
の上部に本発明のスラグ改質材と比較例1〜3のスラグ
改質材を投入し、スラグの酸素量の変化と白煙の発生状
況を観察した。なお、取鍋へのスラグ改質材の投入量
は、当該スラグ改質材中の金属アルミニウム量が同じ量
となるように調整した。比較例1として粉状のアルミ
灰、比較例2として(アルミ精製用アルミナフィルタ粉
砕物、比較例3としてアルミ灰を塊状にした造粒物を用
いた。本発明品はコーティング材である。なお、表1
中、改質剤反応効率(改質剤自体の有効割合)は、(反応
した酸素量)/(改質剤中の金属アルミニウムと反応すべ
き酸素量)×100で表される。また、(N数)は試験回
数である。
【0027】
【表1】
【0028】表から、本発明品であるコーティング材の
改質剤の反応効率が40%と非常に高い。これは本発明
品の金属アルミニウムが有効に反応していることを示し
ている。また、白煙の発生も極めて少ない。一方の比較
例1、3では、反応効率で低く大量に投入しなければな
らない。したがって、ますます白煙が増加し熱効率のロ
スが発生することになる。比較例1における白煙発生は
湯面が見えなくなるほど大量であった。比較例2は本発
明品に近いが、既に述べたようにBを含有しているとい
う欠点がある。
【0029】
【発明の効果】本発明に係わる低発煙アルミニウム含有
物は、アルミニウム成分を含有する粒状物或いは塊状物
と、前記粒状物或いは塊状物の表面に形成された「生石
灰」或いは「生石灰とマグネシア」を主成分とするコー
ティング層とで構成されているので、炉や取鍋に投入し
た時、炉や取鍋から立ち昇る高熱によって生石灰を主成
分とするコーティング層が溶け、金属アルミニウム部分
を含む粒状物或いは塊状物の表面を覆う。その結果、粒
状物あるいは塊状物内の金属アルミニウム分の大気中の
酸素との接触が抑制されて微細アルミナの生成が妨げら
れ白煙を生じないだけでなく酸化を免れた大量の金属ア
ルミニウム分を含有した粒状物や塊状物がそのままスラ
グ表面に至り、更にはスラグ中に入り込んでスラグ中の
酸素や溶鋼・溶銑中の酸素と酸化反応し、スラグや溶鋼
・溶銑の脱酸・改質を効果的に行う。
【0030】このとき「マグネシア」を含有している
と、溶融したコーティング層と溶融したコーティング層
に接触しているスラグは多元系酸化物となって融点が下
がり、粒状物或いは塊状物のスラグ内での侵入がより容
易となり反応性の向上に繋がる。また、石灰量は溶融時
に粒状物あるいは塊状物の表面を覆うことができる量が
あれば足り、その最少量は0.1%である。また、その
平均粒径が直径1〜30mmであれば、投入中に大気中で
焼損してしまうこともなければ、スラグ中に塊のまま残
留するということもなく、スムーズにスラグ中に溶け込
み円滑な脱酸・改質反応が行われる。
【0031】そして、粒状物あるいは塊状物として搗実
を使用した場合、大きさも適当であり、不定形で内部の
空隙が断熱層として作用し、スラグ中での溶解が徐々に
進むことになりある程度ゆっくりと脱酸反応が進み適正
な反応を進める上で好ましい。粒状物あるいは塊状物内
に空隙を形成した場合も同様の作用を奏することにな
る。なお、フィルタの破砕物を使用していないので、フ
ィルタに多く残留するボロンなどの影響を受ける事なく
どのような溶鋼・溶銑にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるブリケットされた造粒物助剤の
断面図
【図2】本発明にかかる搗実助剤の断面図
【符号の説明】
(1)アルミニウム成分 (2)粒状物(あるいは塊状物) (3)コーティング層 (4)空隙
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月10日(2001.10.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 低発煙アルミニウム含有
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 敏一 兵庫県姫路市広畑区末広町1丁目33番地 フジライト工業株式会社内 (72)発明者 富永 充治 兵庫県姫路市広畑区末広町1丁目33番地 フジライト工業株式会社内 Fターム(参考) 4K013 BA08 CB02 CF01 CF13 EA03 EA19 4K014 AB03 AB21 AC00 AD23 BD08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム成分を含有する粒状物或
    いは塊状物と、前記粒状物或いは塊状物の表面に形成さ
    れた生石灰を主成分とするコーティング層とで構成され
    たことを特徴とする低発煙アルミニウム含有物。
  2. 【請求項2】 アルミニウム成分を含有する粒状物或
    いは塊状物と、前記粒状物或いは塊状物の表面に形成さ
    れた生石灰とマグネシアの混合物を主成分とするコーテ
    ィング層とで構成されたことを特徴とする低発煙アルミ
    ニウム含有物。
  3. 【請求項3】 石灰量の範囲が全体の0.1%以上で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の低発煙
    アルミニウム含有物。
  4. 【請求項4】 粒状物或いは塊状物の大きさは平均粒
    径で直径1〜30mmであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の低発煙アルミニウム含有物。
  5. 【請求項5】 粒状物或いは塊状物が、搗実であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の低発煙
    アルミニウム含有物。
  6. 【請求項6】 粒状物或いは塊状物中に空隙が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4に記載の低発煙
    アルミニウム含有物。
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