JP2003024487A

JP2003024487A - ゴルフ用パター

Info

Publication number: JP2003024487A
Application number: JP2001218378A
Authority: JP
Inventors: Seizo Iwayama; 精三岩山
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2001-07-18
Filing date: 2001-07-18
Publication date: 2003-01-28

Abstract

(57)【要約】【課題】フェイス面とストローク軌道の方向との２要素
を同時に厳密にコントロールする必要がなく、さらにデ
ィンプルに起因する不可避的なミスパットを防止でき
る。【解決手段】ヘッド１のフェイス面１１に設けられた凹
部１４に、ゴム質材料から形成される板状の軟質打球部
材２を装着したものである。そして、この軟質打球部材
２は、その硬度がゴルフボールの表面硬度より軟質に設
定したものが好ましい。さらには、厚さを少なくとも３
ｍｍとし、かつその硬度が３０〜６５の範囲内のものに
設定したものがより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、打球の方向性を改
善したゴルフ用パターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ゴルフ競技において、パッティン
グはティーショットやアプローチショットに劣らず重要
なショットとして認識されていた。例えば、３００ヤー
ドが１打なら、３０センチのショートパットも１打であ
る、と言われていて、パッティングクラブには、他のク
ラブにはないような多数のモデルが存在しており、パッ
ティングの難しさを如実に表している。

【０００３】ところで、最良のパッティングは、次のよ
うに説明されている。先ず第１に、パッティングクラブ
のヘッドのフェイス面をボールの目標打ち出し方向に直
角にセットする。フェイス面がずれていれば、現実の打
球はそのずれた方向に打ち出されることになる。

【０００４】第２に、ヘッドがボールに当たるときのス
トローク方向は、ボールの目標打ち出し方向に一致させ
る必要がある。このストローク方向がボールの目標打ち
出し方向からずれていれば、例えば、アウトサイドイン
にストローク方向が向いていると、仮にフェイス面をボ
ールの目標打ち出し方向に直角にセットしていても、ボ
ールはスライス回転が与えられ、目標打ち出し方向から
ずれた打球軌跡をたどることとなり、所期のパットライ
ンが実現しない。

【０００５】このように、パッティングにおいては、こ
のフェイス面とストローク方向との２要素を厳密にコン
トロールする必要があり、このためのテクニックを習得
するための厳しい訓練が必要であるとされていた。とこ
ろが、このフェイス面とストローク方向との二つの方向
要素を厳密にセットしたにも関わらず、打球が思わぬ方
向に打ち出されてしまうという、意外な現象がしばしば
観察されるのである。

【０００６】このような現象は、ゴルフボールが表面平
滑な真球体でないことに起因する。すなわち、ゴルフボ
ールの表面には、２００〜数百個に及ぶディンプルと呼
ばれる小円形凹部が密集状態に形成されているから、ボ
ールを打ち出すためにフェイス面がボール表面に接触し
たとき、ディンプルに起因する真球形状からずれた傾斜
部分にフェイス面が当たれば、ある確率で思わぬ方向に
打ち出されてしまうことになるのである。このようにし
て、従来のパッティングクラブとボールを使用した場
合、厳しい訓練が必要であるうえ、それでもなおかつ、
ある確率でミスが発生するという問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、フェイス面と
ストローク方向との２要素を同時に厳密にコントロール
する必要がなく、さらにディンプルに起因する不可避的
なミスパットを防止できるゴルフ用パターを提供する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の問題は、ヘッドの
フェイス面に軟質打球部材を装着したことを特徴とする
本発明のゴルフ用パターによって、解決することができ
る。この本発明のゴルフ用パターは、軟質打球部材がゴ
ム質材料からなり、その硬度がゴルフボールの表面硬度
より軟質である形態のもの、または軟質打球部材がゴム
質板材料からなり、厚さが少なくとも３ｍｍであり、そ
の硬度が３０〜６５の範囲内のものである形態に具体化
される。

【０００９】また、上記の問題は、ヘッドのフェイス面
に、所定のストロークテストによる打球方向がフェイス
面の垂線方向とストローク方向の範囲内の方向となるよ
うな軟質打球部材を装着したことを特徴とする本発明の
ゴルフ用パターによって、解決することができる。

【００１０】さらに、本発明は、前記形態のゴルフ用パ
ターにおいて、ヘッドのフェイス面に設けられた、上下
が開放し、側部が上方にまたは下方に末広がり形状をな
す凹部に、前記凹部の深さと同じ厚さで、側部が前記末
広がり形状と同じ傾斜の末広がり形状をなす軟質打球部
材を、挿入して嵌着させた構造のゴルフ用パターとし
て、好ましく具体化される。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明のゴルフ用パターに
係る実施形態について、図１〜４を参照しながら説明す
る。本発明の第１の実施形態のゴルフ用パターは、ヘッ
ド１のフェイス面１１に設けた凹部１４に、ゴム質材料
から形成される板状の軟質打球部材２を装着したもので
ある。そして、この軟質打球部材２は、その硬度がゴル
フボールの表面硬度より軟質に設定したものが好まし
い。さらにより好ましくは、その厚さを少なくとも３ｍ
ｍとし、かつその硬度を３０〜６５の範囲内に設定した
ゴム質板材料が適当である。なお、ヘッド１には、スト
ローク操作のためのシャフト３が取り付けられている。

【００１２】このような軟質打球部材２を装着したゴル
フ用パターの作用を説明すると、グリーン上のボール４
がヘッド１のフェイス面１１に装着された軟質打球部材
２によって打ち出されるときの挙動を細かく観察する
と、先ず、板状軟質打球部材２が凹状に変形してボール
４が食い込んだ状態となり、次いでボール４と軟質打球
部材２とが接触した状態のまま、ある距離だけグリーン
上を一緒に移動し、その後、ボール４は軟質打球部材２
から押し出され単独でグリーン上を転がることになる。
すなわち、本発明では、ボール４と軟質打球部材２との
接触時間が、従来のパターにおける瞬間的な反発時間よ
り格別に長時間となるところに特徴がある。

【００１３】このように、言わばボール４はヘッド１の
軟質打球部材２に食い付いたまま押し出されるので、フ
ェイス面１１の向きがストローク方向からずれていて
も、ヘッド１のストローク方向に打ち出されることにな
るのである。この点を図２によって説明すると、フェイ
ス面１１の垂線方向Ｙがヘッド１のストローク方向Ｘと
一致しない状態のまま、ボール４を打ち出すケースで
は、従来のパターの場合には、ボール４は瞬間的に弾か
れるので、垂線方向Ｙより外側に超えた方向Ｙ２に打ち
出され、目標ラインから大幅にずれてしまう。ところ
が、本発明においては、このような場合でも、ボールの
現実の打ち出し方向はストローク方向に打ち出されるの
で、従来のような大幅なずれは生じることがない。さら
に、ディンプルに起因する打ち出し方向のブレも解消さ
れ不可避的なミスパットを防止できる

【００１４】そして、このようなフェイス面１１の垂線
方向Ｙとヘッド１のストローク方向Ｘとが不一致でも、
ボール４をストローク方向Ｘに打ち出すようにする作用
は、軟質打球部材２の硬度によって大幅に変化する。す
なわち、その硬度が大であると瞬間的な反発力が作用す
るようになるので、ボール４はフェイス面１１の向いた
方向に打ち出されるようになり、本発明の利点が減少す
る。そして、本発明では、この観点から、使用する軟質
打球部材２は、前述の通り、その硬度がゴルフボールの
表面硬度より軟質に設定したゴム質板材が好ましく、さ
らには、その厚さを少なくとも３ｍｍとし、かつその硬
度がＪＩＳ・Ａ型硬度計で測定して３０度以上、６５度
以下の範囲内のものに設定したゴム質板材がより好まし
いのである。硬度が過大の場合は打球の方向安定性が不
充分となり、過小の場合は打球感が不自然になり、プレ
ーヤに違和感を与えるからである。

【００１５】次に、本発明の好ましい第２の実施形態の
ゴルフ用パターを説明すると、それは、ヘッド１のフェ
イス面１１に、所定のストロークテストによる打球方向
がフェイス面の垂線方向Ｙとストローク方向Ｘの範囲内
の方向を指向するような硬度の軟質打球部材２を装着し
たものである。この場合は、本発明の板状軟質打球部材
２の硬度を後記の通り実践的な手法で規定するものであ
り、このようなゴルフ用パターを用いれば、いわゆるワ
ンピンの距離の入ったパッティングのカップインの確率
は大幅に改善される利点が得られるのである。

【００１６】ここで言う所定のストロークテストとは、
テストすべき軟質打球部材２を装着したパターを用いる
次のテスト方法を言う。スティンプメーターによる転が
り早さを１８０ｃｍに調整した水平なグリーンを使用
し、１８０ｃｍ先の地点におけるフェイス面の垂線方向
Ｙとストローク方向Ｘの離間距離が１０ｃｍになるよう
ヘッドの向きとストローク方向をセットしておいてか
ら、ボールの転がり距離が１８０ｃｍになる強さでボー
ルを打ち出して、打ち出されたボールの打球方向が垂線
方向Ｙとストローク方向Ｘに挟まれた範囲内に止まる
か、垂線方向Ｙの外側に外れるかを計測する。

【００１７】なお、スティンプメータはグリーンの早さ
を測定するための公知の計測装置であり、長さ１ヤード
（９１ｃｍ）のボールガイド溝付シャフト状器具からな
り、これをグリーン面に３０度の傾斜にセットし、ボー
ルを最上部から自然に転がり落として、グリーン上の転
がり距離を計測し、グリーンの転がり早さを測定するも
のである。普通のグリーンの転がり距離は６〜７フィー
ト（１８０〜２１０ｃｍ）程度と言われている。

【００１８】次に、本発明の第３の実施形態のゴルフ用
パターを図３、４を参照して説明すると、前記図１の形
態のゴルフ用パターを前提としているが、図３（Ａ）に
示すように、ヘッド１のフェイス面１１に設けられた、
上下が開放し、側部１３が上下方に末広がり形状をなす
凹部１４に、その凹部１４の深さと同じ厚さで、側部２
２が前記凹部１４の末広がり形状と同じ傾斜の末広がり
形状をなす軟質部材２１（図３（Ｂ）参照）を、挿入し
て嵌着させた構造からなるものである。なお、凹部１４
には適宜な接着剤で固着させた後、図４に示す軟質部材
２１の上下にはみ出した部分２３を切り落とせば、図１
に示す本発明のゴルフ用パターが得られる。

【００１９】この実施形態によれば、末広がり形状の凹
部１４に、同形状の軟質部材２１を下方から押し圧して
嵌め合わせれば、若干の形状誤差は吸収され、合わせ目
に隙間ができたり不揃いになることがないという利点が
得られる。なお、図３の下方に末広がり形状は、上方に
向けて末広がりであっても、同様な作用効果が得られる
ので、いずれの形状も適用できる。

【００２０】

【発明の効果】本発明のゴルフ用パターは、以上説明し
たように構成されているので、フェイス面の向きが多少
ずれていても、ストローク方向にボールを打ち出すこと
ができるので、所期のパッティングラインを実現し易
く、ディンプルに起因する不可避的な打ち出し方向のバ
ラツキを抑制できるから、思わぬミスパットも防止でき
る。また、前述の実施形態によれば、フェイス面に軟質
打球部材を隙間なく嵌着できるという優れた効果があ
る。よって本発明は、従来の問題点を解消したゴルフ用
パターとして、実用的価値はきわめて大なるものがあ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴルフ用パターを示す要部斜視図。

【図２】本発明のゴルフ用パターとボールの関係を示す
平面図。

【図３】第３の実施形態を説明するためのヘッド
（Ａ）、軟質部材（Ｂ）の斜視図。

【図４】同じくヘッドに軟質部材を嵌着した要部斜視
図。

【符号の説明】

１ヘッド、１１フェイス面、１４凹部、２軟質
打球部材、３シャフト、４ボール、Ｘストローク
方向、Ｙ垂線方向、Ｙ２垂線方向Ｙを超えた方向。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘッドのフェイス面に軟質打球部材を装着
したことを特徴とするゴルフ用パター。
【請求項２】軟質打球部材がゴム質材料からなり、その
硬度がゴルフボールの表面硬度より軟質である請求項１
に記載のゴルフ用パター。
【請求項３】軟質打球部材がゴム質板材料からなり、厚
さが少なくとも３ｍｍであり、その硬度が３０〜６５の
範囲内のものである請求項２に記載のゴルフ用パター。
【請求項４】ヘッドのフェイス面に、所定のストローク
テストによる打球方向がフェイス面の垂線方向とストロ
ーク方向の範囲内の方向となるような軟質打球部材を装
着したことを特徴とするゴルフ用パター。
【請求項５】ヘッドのフェイス面に設けられた、上下が
開放し、側部が上方にまたは下方に末広がり形状をなす
凹部に、前記凹部の深さと同じ厚さで、側部が前記末広
がり形状と同じ傾斜の末広がり形状をなす軟質打球部材
を、挿入して嵌着させた請求項１〜４のいずれかに記載
のゴルフ用パター。