JP2003014829A - 二次電池の寿命判定装置、寿命判定方法、及び、寿命判定プログラム - Google Patents

二次電池の寿命判定装置、寿命判定方法、及び、寿命判定プログラム

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JP2003014829A
JP2003014829A JP2001194705A JP2001194705A JP2003014829A JP 2003014829 A JP2003014829 A JP 2003014829A JP 2001194705 A JP2001194705 A JP 2001194705A JP 2001194705 A JP2001194705 A JP 2001194705A JP 2003014829 A JP2003014829 A JP 2003014829A
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毅 亀田
信 大▲崎▼
泰輔 竹内
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、複数の単電池を直列接続して
成る二次電池の寿命を迅速かつ正確に判定する装置、及
び、寿命の判定方法を提供する。 【解決手段】 複数の単電池を直列接続して成る二次電
池の寿命判定装置であって、上記二次電池を構成する複
数の単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1つの
直列回路の開回路電圧Vocの値に基づいて寿命の判定
を行う判定手段を備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の単電池(単
セルともいうが、以下、単電池と統一して使用する)を
直列接続して1個の電池として使用するいわゆるモノブ
ロック型の二次電池や組電池の寿命判定装置、当該装置
において実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを
寿命判定装置として機能させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、充放電を繰り返し利用するこ
との出来る種々のタイプの二次電池が知られている。例
えば、鉛蓄電池は、汎用性が高く、しかも、安価で製造
し易いといった利点を持つ二次電池である。このため、
鉛蓄電池は、自動車、ハイブリッド自動車等のエンジン
始動、加速及び種々の電装品に対する電力供給用、通信
機、電気自動車等のサイクル用や無停電電源装置(UP
S)などの停電補償のためのトリクル用の電池として広
く利用されている。
【0003】鉛蓄電池等の二次電池は、充放電を繰り返
すことにより徐々に性能が劣化してゆく。具体的には、
内部抵抗が増えて損失電力が増加し、満充電しても規定
の出力が得られず、かつ使用できる時間が短くなる。劣
化した電池を使用し続けることは、誤動作等のトラブル
の発生原因となり好ましくない。
【0004】上記鉛蓄電池等の二次電池の寿命の判定
は、一旦、満充電した後に完全放電して実際に使用可能
な容量を確認するのが一番正確である。しかし、当該方
法では、大型の放電装置が必要になると同時に、実際に
放電完了するまでに長時間を必要とする。例えば、自動
車のバッテリとして実装されている鉛蓄電池の場合、寿
命の判定はエンジン始動時に短時間で実行できるのが好
ましい、このため判定に長時間を要する上記手法は適当
でない。また、鉛蓄電池の使用年数から寿命を判定する
手法も考えられるが、当該手法は実際の鉛蓄電池の劣化
状況を判断しないため極めて精度が悪い。そこで、従来
より、鉛蓄電池等の二次電池の寿命を迅速かつ正確に判
定するための手法が種々提案されている。
【0005】例えば、特開平10−92472号公報、
特開平11−204150号公報、及び、特開平11−
23680号公報等には、鉛蓄電池を短時間に比較的大
きな電流で所定時間、数回放電させ、放電後の出力電圧
や電圧降下量に基づいて鉛蓄電池の寿命の判定を行う手
法が提案されている。この他、鉛蓄電池の内部インピー
ダンスを測定し、当該測定値に基づいて寿命を判定する
手法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】例えば、自動車のバッ
テリとして使用されるタイプの鉛蓄電池は、出力2Vの
単電池を6つ直列接続して出力12Vとしたモノブロッ
ク電池である。また、ハイブリッド自動車用やUSP用
の電池は、上記自動車用の電池以上に多くの単電池を直
列に接続した組電池の構成を採用する。このように、複
数の単電池を直列に接続して1個の電池として取り扱う
タイプの二次電池の場合、各単電池の劣化の程度には使
用環境によりばらつきが生じる。
【0007】図17は、自動車のバッテリとして使用さ
れる鉛蓄電池500の構成を示す図である。当該電池5
00は、出力2Vの6つの単電池501〜506を接続
端子507〜511により直列接続して、陽極端子A及
び陰極端子C間の電位差を12Vとするものである。
【0008】各単電池の寿命は、環境温度による影響を
受けることが知られている。例えば、単電池501は、
壁520、壁521、及び、壁522の3つの壁により
放熱することができるが、単電池502は、壁523、
及び、壁524の2つの壁でしか放熱できない。このた
め、単電池501と単電池502とでは劣化の程度に差
が生じる。
【0009】なお、実際には、各単電池の劣化の程度に
は、上記放熱効率の他、電解液や電極板の劣化等、種々
の要因によりばらつきが生じることが知られている。
【0010】従来の鉛蓄電池の寿命判定手法は、何れも
劣化により生じる鉛蓄電池の陽極端子Aと陰極端子C間
の電位差の変化に基づいて判定を行うものである。この
ため、上記自動車のバッテリとして使用する鉛蓄電池5
00のように、複数の単電池を直列に接続して成る二次
電池では、ある単電池が大きく劣化している場合であっ
ても残りの正常な単電池の出力により当該劣化した単電
池の出力不足分が補填され、本来寿命であると判定され
るべきものが使用可能であると誤って判定される場合が
生じ得る。当該現象は、寿命判定用の電位検出端子間に
挟まれる単電池の数が多いほど発生しやすい。このよう
な寿命判定の誤りを防止するには、寿命であると判定す
る基準電位を下げる必要があるが、当該基準電位を下げ
た場合、全体的にほぼ均一に劣化してはいるが未だ十分
に使用可能な電池を寿命であると誤判定する場合が増加
するといった別の問題を生じる。
【0011】なお、各々の単電池の電位差を検出して、
各単電池に対して上記寿命の判定方法を適用することも
考えられるが、当該手法を採用した場合、寿命判定装置
の規模が大きくなり実用的でない。
【0012】本発明は、簡単な構成で、複数の単電池を
直列接続して成る二次電池(モノブロック型の二次電
池、及び、組電池の双方を含む。)の寿命を迅速かつ正
確に判定する装置、及び、寿命の判定方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の寿命判定
装置は、複数の単電池を直列接続して成る二次電池(モ
ノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含
む。)の寿命判定装置であって、上記二次電池を構成す
る複数の単電池の内の一部の単電池で成る少なくとも1
つの直列回路の開回路電圧Vocの値に基づいて寿命の
判定を行う判定手段を備えることを特徴とすることを特
徴とする。
【0014】本発明の第2の寿命判定装置は、上記第1
の寿命判定装置であって、上記判定手段は、放電処理に
よる開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値から特定さ
れるしきい値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Voc
との比較により寿命の判定を行うことを特徴とする。
【0015】本発明の第3の寿命判定装置は、上記第2
の寿命判定装置であって、上記判定手段は、上記直列回
路の単電池の数に応じて特定される寿命判定式に従い、
上記放電処理による電圧降下量ΔVocの値より特定さ
れるしきい値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Voc
との比較により寿命の判定を行うことを特徴とする。
【0016】本発明の第4の寿命判定装置は、上記何れ
かの寿命判定装置であって、上記判定手段は、上記二次
電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る
複数の直列回路の放電処理前の開回路電圧Voc、上記
放電処理による開回路電圧の降下量ΔVocの値、並び
に、上記開回路電圧Voc及び電圧降下量ΔVocの内
の少なくとも一方のばらつきに基づいて寿命の判定を行
う判定手段を備えることを特徴とする。
【0017】本発明の第1の寿命判定方法は、複数の単
電池を直列接続して成る二次電池(モノブロック型の二
次電池、及び、組電池の双方を含む)の寿命判定方法で
あって、上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一
部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の放電処理
前の開回路電圧Vocの値に基づいて寿命の判定を行う
ことを特徴とする。
【0018】本発明の第2の寿命判定方法は、上記第1
の寿命判定方法において、上記寿命判定は、放電処理に
よる開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値から特定さ
れるしきい値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Voc
との比較により行うことを特徴とする。
【0019】本発明の第3の寿命判定方法は、上記第2
の寿命判定方法は、上記寿命判定は、直列回路の単電池
の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処
理による電圧降下量ΔVocの値より特定されるしきい
値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較に
より行うことを特徴とする。
【0020】本発明の第4の寿命判定方法は、上記何れ
かの寿命判定方法において、上記寿命判定は、上記二次
電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る
複数の直列回路の放電処理前の開回路電圧Voc、上記
放電処理による開回路電圧の降下量ΔVocの値、並び
に、上記開回路電圧Voc及び電圧降下量ΔVocの内
の少なくとも一方のばらつきに基づいて行うことを特徴
とする。
【0021】本発明の第1のプログラムは、コンピュー
タにより読み取り可能なプログラムであって、当該コン
ピュータを、複数の単電池を直列接続して成る二次電池
(モノブロック型の二次電池、及び、組電池の双方を含
む)の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回路の
開回路電圧Vocの値に基づいて寿命の判定を行う判定
手段として機能させることを特徴とする。
【0022】本発明の第2のプログラムは、上記第1の
プログラムにおいて、上記判定手段が放電処理による開
回路電圧Vocの降下量ΔVocの値から特定されるし
きい値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比
較により寿命の判定を行うように、コンピュータを機能
させることを特徴とする。
【0023】本発明の第3のプログラムは、上記第2の
プログラムにおいて、上記寿命判定が直列回路の単電池
の数に応じて特定される寿命判定式に従い、上記放電処
理による電圧降下量ΔVocの値より特定されるしきい
値電圧と上記放電処理前の開回路電圧Vocとの比較に
より寿命の判定を行うように、コンピュータを機能させ
ることを特徴とする。
【0024】本発明の第4のプログラムは、上記何れか
のプログラムにおいて、上記寿命判定が上記二次電池を
構成する複数の単電池の内の一部の単電池で成る複数の
直列回路の放電処理前の開回路電圧Voc、上記放電処
理による開回路電圧の降下量ΔVocの値、並びに、上
記開回路電圧Voc及び電圧降下量ΔVocの内の少な
くとも一方のばらつきに基づいて行うように、コンピュ
ータを機能させることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】(1)発明の概要 本発明の二次電池の寿命判定装置は、例えば、6つの単
電池を直列に接続して成る二次電池(モノブロック型の
二次電池、及び、組電池の双方を含む)の寿命判定を行
う際に、6つの単電池の内の一部の単電池で成る少なく
とも1つの直列回路の開回路電圧Vocを検出し、当該
検出される1以上の直列回路の開回路電圧Vocに基づ
いて当該二次電池の寿命を判定することを特徴とする。
これにより、一部の単電池の劣化による出力低下が他の
良好な単電池の出力により補填される量を減らし、正確
な寿命判定を行う。
【0026】また、上記検出される開回路電圧Vocが
所定の基準値に満たない場合だけでなく、放電処理によ
る電圧降下量ΔVocが所定の基準値を超えた場合に二
次電池の寿命であると判定する。上記手法により、単に
放電前の出力電位、又は、所定の放電処理後の電圧降下
量のみに基づいて寿命を判断する場合に比べて正確な寿
命判定を行うことができる。
【0027】また、複数の直列回路の開回路電圧Voc
を検出する場合、当該電圧Vocのばらつき、及び、放
電処理による当該開回路電圧Vocの降下量ΔVocに
基づいて二次電池の寿命であると判定する。これにより
一部の単電池だけが劣化しているような場合であっても
他の良好な単電池により当該単電池の劣化がもみ消され
ることなく、二次電池の寿命を正確に判定することがで
きる。以下、上記種々の特徴を具備する本発明の二次電
池の寿命判定装置の実施の形態に付いて添付の図面を参
照しつつ説明する。
【0028】(2)実施の形態 図1は、6つの単電池を直列に接続して成るモノブロッ
ク型の二次電池である鉛蓄電池200用の寿命判定装置
100の構成を示す図である。鉛蓄電池200は、出力
2Vの単電池を6個直列に接続して成り、陽極端子A及
び陰極端子Cの他、1の単電池の電極に接続されるセン
サ端子Sを備える。
【0029】判定装置100は、中央演算処理装置(以
下、CPUという)1を中心に、寿命判定処理プログラ
ムを格納したROM2、寿命判定処理プログラムの実行
時に作業領域として利用するRAM3、鉛蓄電池200
の陽極端子Aとセンサ端子S間の電位差Voc1を測定
し、測定値をCPU1に出力する電圧計4、鉛蓄電池2
00の陰極端子Cとセンサ端子S間の電位差Voc2を
測定し、測定値をCPU1に出力する電圧計5、鉛蓄電
池200の陽極端子Aと陰極端子C間に接続して放電処
理を実行するための0.2Ωの負荷6、寿命判定処理の
結果、寿命であると判定された場合にランプを点灯して
報知処理を行う報知部9、及び、寿命判定を行う鉛蓄電
池200の環境温度を測定する温度計10とで構成され
る。
【0030】上記温度計10は、できるだけ鉛蓄電池2
00近くに設けることが好ましい。周知のように、鉛蓄
電池に限らず、電池の出力は、外部環境温度により変化
する。CPU1は、以下に説明する寿命判定処理におい
て測定する開回路電圧Voc、及び、所定の放電処理に
よる電圧降下量ΔVocの全てを、外部環境温度25℃
の状態における値に補正した後に寿命判定処理に使用す
る。上記修正は、例えば、寿命判定対象の電池の環境温
度に対する出力値の変化についての統計値に基づいて行
う。
【0031】なお、上記ROM2に格納する寿命判定処
理プログラムは、寿命判定装置100に接続可能なハー
ドディスク等の外部記憶装置に、CPU1により読み出
し可能な状態で記録しておく構成を採用しても良いし、
CD等の記録媒体に記録しておき、寿命判定装置100
に接続可能なCD−ROMドライブ等の対応する読取装
置により必要に応じて読み取る構成を採用しても良い。
【0032】なお、鉛蓄電池200の陽極端子Aは、電
圧計4の正極端子4a及び負荷6の正極端子6aに選択
スイッチ7を介して接続されている。選択スイッチ7
は、CPU1からの”High”の選択信号に応じて上
記陽極端子Aを電圧計4の正極端子4aに接続し、”L
ow”の選択信号に応じて上記陽極端子Aを負荷6の正
極端子6aに接続する。なお、電圧計4の負極端子4b
には、鉛蓄電池200のセンサ端子Sが接続されてい
る。
【0033】一方、鉛蓄電池200の陰極端子Cは、電
圧計5の負極端子5b及び負荷6の負極端子6bに選択
スイッチ8を介して接続されている。選択スイッチ8
は、選択スイッチ7に入力される”High”の選択信
号に応じて上記陰極端子Cを電圧計5の負極端子5bに
接続し、”Low”の選択信号に応じて上記陰極端子C
を負荷6の負極端子6bに接続する。なお、電圧計5の
正極端子5aには、鉛蓄電池200のセンサ端子Sが接
続されている。
【0034】なお、本実施の形態では、選択スイッチ
7,8により電圧計4,5と負荷6の接続を切換えてい
るが、両極端子A,Cと電圧計4,5、及び、両極端子
A,Cと負荷6をそれぞれ別の接続線で接続する構成を
採用しても良い。
【0035】図2は、鉛蓄電池200の構成を示す図で
ある。鉛蓄電池200は、出力2Vの6つの単電池20
1〜206を接続端子207〜211により直列接続し
て、陽極端子A及び陰極端子C間の開回路電圧Vocを
12Vとしたものである。センサ端子Sは、接続端子2
09に接続されている。寿命判定装置100は、後に説
明する当該鉛蓄電池200の寿命判定処理において、陽
極端子Aとセンサ端子Sとの間の電位差を、3つの単電
池201〜203を直列接続して成る回路の開回路電圧
Voc1として検出し、センサ端子Sと陰極端子Cとの
間の電位差を、3つの単電池204〜206を直列接続
して成る回路の開回路電圧Voc2として検出する。
【0036】図3は、寿命判定装置100のCPU1が
実行する鉛蓄電池200の寿命判定処理のフローチャー
トである。以下、当該フローチャートに従い、鉛蓄電池
200の寿命判定処理の手順について説明する。
【0037】まず、開回路電圧Vocの計測を行う(ス
テップS1)。具体的には、CPU1は、選択スイッチ
7,8に”High”の選択信号を出力して鉛蓄電池2
00の陽極端子Aを電圧計4の正極端子4aに接続する
と共に、陰極端子Cを電圧計5の負極端子5bに接続す
る。これにより、電圧計4は、陽極端子Aとセンサ端子
Sとの間の電位差Voc1を測定し、測定値をCPU1
に出力する。電圧計5は、センサ端子Sと陰極端子Cと
の間の電位差Voc2を測定し、測定値をCPU1に出
力する。なお、当該計測は、例えば、鉛蓄電池200が
自動車のバッテリとして使用されている場合、エンジン
始動時に実行する。
【0038】次に放電処理として負荷テストを行う(ス
テップS2)。具体的には、CPU1は、選択スイッチ
7,8に”Low”の選択信号を1秒間だけ出力して鉛
蓄電池200の陽極端子Aを負荷6の正極端子6aに接
続すると共に、陰極端子Cを負荷6の負極端子6bに接
続する。負荷6は、0.2Ωの抵抗であり、上記選択ス
イッチ7,8により当該負荷6が鉛蓄電池200に接続
されることで60Aの電流が流れ、1秒間で720Wの
放電を行う。
【0039】なお、負荷6の代わりに、内部に1秒間だ
け回路を閉じるようなタイマを備える構成の負荷回路を
採用しても良い。この場合、CPU1は、1秒以上”L
ow”の選択信号を出力し、例えば、上記タイマの動作
完了に応じて選択信号を”High”に復帰させる構成
を採用すれば良い。
【0040】上記負荷テストの完了後、電圧計4,5の
出力に基づいて電圧降下量ΔVocの計測を行う(ステ
ップS3)。具体的には、CPU1は、選択スイッチ
7,8に再び”High”の選択信号を出力して鉛蓄電
池200の陽極端子Aを電圧計4の正極端子4aに接続
すると共に、陰極端子Cを電圧計5の負極端子5bに接
続する。これにより電圧計4,5で測定される電圧Vo
c1’,Voc2’より負荷テストによる電圧降下量Δ
Voc1,ΔVoc2の値を求める。
【0041】上記ステップS1〜S3において計測した
Voc1,Voc2,ΔVoc1,ΔVoc2に基づい
て、鉛蓄電池200の寿命判定を行う(ステップS
4)。具体的には、CPU1は、まず、Voc1,Vo
c2,ΔVoc1,ΔVoc2の各値を倍にしてそれぞ
れ6個の単電池の出力値に正規化する。当該正規化処理
の後、以下に表される寿命判定式「数1」にΔVoc1
を代入して求められるVoc1thとVoc1を比較す
ると共に、ΔVoc2を代入して求められるVoc2
thとVoc2を比較する。
【数1】Vocth=f(ΔVoc)=0.281×Δ
Voc+11.743 (但し、ΔVoc<ΔVth=3.0の関係を満た
す。) Vocth=∞ (但し、ΔVoc≧ΔVth=3.0の関係を満た
す。)
【0042】上記寿命判定式「数1」は、満充電時にお
ける開回路電圧Vocが十分高出力であり、かつ、所定
の放電処理後における電圧降下量ΔVocが少ない(具
体的には3Vに満たない)か否か、即ち、内部抵抗が低
く抑えられているか否かの判断を行うためのしきい値V
octhを求める式である。満充電時における開回路電
圧Voc1,Voc2が上述するf(ΔVoc)の式よ
り求められる値Voc th1,Vocth2よりも共に
高出力である場合、当該鉛蓄電池200は未だ使用可能
であると判断する。一方、Voc1,Voc2の少なく
とも一方が上記求められた値Voc1th,Voc2
th以下の場合、当該鉛蓄電池200の寿命であると判
断する。なお、「数1」で表される寿命判定式の特定手
順については、後に説明する。
【0043】次の図4は、上記「数1」の寿命判定式f
(ΔVoc)のグラフを示すものである。斜線で示す領
域が寿命であると判断する領域である。Voc1及びV
oc2が、例えば●印で示す位置にある場合、即ち、上
記「数1」にΔVoc1,ΔVoc2を代入して求めら
れるVoc1th、Voc2thよりもVoc1,Vo
c2が共に高い値である場合、鉛蓄電池200は未だ使
用可能であると判断する。また、使用に伴う経時劣化に
より、開回路電圧Voc1又はVoc2が例えば矢印で
示す○印の位置に移動した場合、即ち、上記「数1」に
ΔVoc1,ΔVoc2を代入して求められるVoc1
th、Voc2thよりもVoc1及びVoc2の何れ
か一方の値が低くなった場合には、鉛蓄電池200が寿
命であると判断する。
【0044】上記ステップS4の寿命判定処理の結果、
寿命であると判断された場合には(ステップS5でYE
S)、報知部9を作動させて報知処理を行う(ステップ
S10)。
【0045】また、未だ使用可能であると判断された場
合には(ステップS5でNO)、更に、開回路電圧Vo
cのばらつきに基づく寿命判定処理を実行する(ステッ
プS6)。当該寿命判定処理は、単電池201〜203
(以下、第1単電池群という)、又は、単電池204〜
206(以下、第2単電池群という)の内の一部の単電
池が劣化しており、第1単電池群の開回路電圧Voc1
と第2単電池群の開回路電圧Voc2に所定値以上のば
らつきが生じた場合に鉛蓄電池200の寿命であると判
断するものである。
【0046】具体的には、開回路電圧Voc1と開回路
電圧Voc2の差がしきい値Vth1(=0.15V)
以上にばらついている場合には、6つの単電池201〜
206の内の一部の単電池が大きく劣化していると判断
して鉛蓄電池200の寿命であると判断する。他方、V
oc1とVoc2との差がしきい値Vth1に満たない
場合には、鉛蓄電池200は未だ使用可能であると判断
する。なお、上記しきい値Vth1は、0.05V〜
0.15Vの範囲内の値とするのが好ましい。
【0047】上記ステップS6の寿命判定処理の結果、
劣化しており寿命であると判断された場合(ステップS
7でYES)、報知部9を作動させて報知処理を行う
(ステップS10)。
【0048】また、未だ使用可能であると判断された場
合には(ステップS7でNO)、更に、電圧降下量ΔV
ocのばらつきに基づく寿命判定処理を実行する(ステ
ップS8)。当該寿命判定処理は、単電池201〜20
3よりなる第1単電池群、又は、単電池204〜206
よりなる第2単電池群の内の一部の単電池が大きく劣化
しており、第1単電池群の電圧降下量ΔVoc1と第2
単電池群の電圧降下量ΔVoc2に一定値以上のばらつ
きが生じた場合に鉛蓄電池200の寿命であると判断す
るものである。
【0049】具体的には、ΔVoc1とΔVoc2の差
がしきい値Vth2(=1.0V)以上にばらついてい
る場合には、6つの単電池201〜206の内の一部の
単電池が大きく劣化していると判断して鉛蓄電池200
の寿命であると判断する。他方、ΔVoc1とΔVoc
2との差がしきい値Vth2に満たない場合には、鉛蓄
電池200は未だ使用可能であると判断する。なお、上
記しきい値Vth2は、0.5V〜2.0Vの範囲内の
値とするのが好ましい。
【0050】上記ステップS8の寿命判定処理の結果、
寿命であると判断された場合(ステップS9でYE
S)、報知部9を作動させる(ステップS10)。
【0051】また、上記ステップS8の寿命判定処理の
結果、未だ使用可能であると判断された場合には(ステ
ップS9でNO)、鉛蓄電池200は未だ使用可能であ
るとの最終判断をしてこのまま処理を終了する。
【0052】(3)寿命判定式の特定 以下、図3を用いて説明した寿命判定処理(ステップS
4)で使用する寿命判定式「数1」の特定について、次
の(3-1)〜(3-4)の順に説明する。 (3-1)全ての単電池が均等劣化する場合の寿命判定式 (3-2)一部の単電池の劣化を考慮する場合の寿命判定式 (3-3)寿命判定用の電位検出を行う端子間に挟む単電池
の数を減らした場合の寿命判定式 (3-4)更に、開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocの
ばらつきに基づいて寿命判定を行う場合の寿命判定式
「数1」の特定
【0053】なお、以下の説明で使用する開回路電圧V
oc、及び、放電処理後の電圧降下量ΔVocの測定値
は、全て環境温度25℃の雰囲気における単電池6個分
の出力値に換算(正規化)したものを用いる。例えば、
3個の単電池で成る単電池群の劣化を調べる場合、同じ
劣化状態の3個の単電池群があと1組あるとしてVo
c,ΔVocの値をそれぞれ2倍にした値を測定値とし
て用いる。また、2個の単電池で成る単電池群の劣化を
調べる場合、同じ劣化状態の2個の単電池群があと2組
あるとしてVoc,ΔVocの値をそれぞれ3倍にした
値を測定値として用いる。
【0054】(3-1) 全ての単電池が均等劣化する場合の
寿命判定式 図5は、鉛蓄電池200と同じタイプの鉛蓄電池であっ
て、センサ端子Sを備えていない従来の鉛蓄電池であっ
て、公称電圧12V、公称容量12AH(20時間放電
容量)の鉛蓄電池300について、当該鉛蓄電池300
を構成する6つ全ての単電池を均等に段階的に劣化させ
た場合の環境温度25℃における開回路電圧Vocと、
60Aの電流を1秒間放電する放電処理の実行による電
圧降下量ΔVocの関係を表す図である。
【0055】本図において、●印は、60Aの電流を1
秒間流して行う放電処理(以下、当該内容の放電処理を
単に放電処理という)後、終止電圧を9Vとした場合に
30Aで1040秒〜1240秒間放電できるだけの残
存容量を有している状態の鉛蓄電池300の開回路電圧
Vocと電圧降下量ΔVocを表す。▲印は、放電処理
後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで840秒〜1
040秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔ
Vocの関係を表す。■印は、放電処理後、終止電圧を
9Vとした場合に30Aで640秒〜840秒放電でき
る状態の鉛蓄電池300のVoc,ΔVocの関係を表
す。◆印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合に
30Aで540秒〜640秒放電できる状態の鉛蓄電池
300のVocとΔVocの関係を表す。○印は、放電
処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで340秒
〜440秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocと
ΔVocの関係を表す。△印は、放電処理後、終止電圧
を9Vとした場合に30Aで240秒〜340秒放電で
きる状態の鉛蓄電池300のΔVocとΔVocの関係
を表す。□印は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場
合に30Aで140秒〜240秒放電できる状態の鉛蓄
電池300のVocとΔVocの関係を表す。アスタリ
スク”*”は、放電処理後、終止電圧を9Vとした場合
に30Aで100秒〜120秒放電できる状態の鉛蓄電
池300のVocとΔVocの関係を表す。×印は、放
電処理後、終止電圧を9Vとした場合に30Aで10秒
〜20秒放電できる状態の鉛蓄電池300のVocとΔ
Vocの関係を表す。
【0056】本図より、鉛蓄電池の開回路電圧Vocの
値は、劣化に伴い低下し、放電処理による電圧降下量Δ
Vocの値は、劣化に伴い増加することが理解される。
当該特性は、以下に参照する開回路電圧Vocと放電処
理による電圧降下量ΔVocの関係を示す図において共
通する。また、本図より、6つの単電池が均等に劣化す
る場合には、実線で示すように、定数項Cが11.74
3Vの寿命判定式:f(ΔVoc)=0.281×ΔV
oc+11.743に基づいて鉛蓄電池の寿命判定を行
えばよいことが解る。具体的には、開回路で電圧Voc
が、上記寿命判定式に放電処理による電圧降下量ΔVo
cを代入し、特定される値Vocth以下の場合に寿命
であると判断する。
【0057】なお、当該寿命判定式の傾きKは、開回路
電圧Vocが高くとも放電処理による電圧降下量ΔVo
cの増加した電池は寿命であると判断する考えに基づき
設定するものであり、その値(K=0.281)は、定
数項C=11.743と同様に実験的に特定される値で
ある。
【0058】(3-2)一部の単電池の劣化を考慮する場合
の寿命判定式 図6は、鉛蓄電池200を構成する6つの単電池の内の
一部が劣化した場合における陽極端子Aと陰極端子C間
の開回路電圧Vocと、放電処理として60Aの電流を
1秒間放電した場合における電圧降下量ΔVocの関係
を表す図である。図7の(a)〜(d)は、直列接続さ
れている6つの単電池の内、劣化している単電池の位置
を示す図である。
【0059】図6において、○印は、図7の(a)に斜
線で示す1箇所の単電池が段階的に劣化した場合のVo
cとΔVocを表し、△印は、図7の(b)に斜線で示
す2箇所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔ
Vocを表し、□印は、図7の(c)に斜線で示す3箇
所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔVoc
の推移を表し、×印は、図7の(d)に斜線で示す4ヶ
所の単電池が段階的に劣化した場合のVocとΔVoc
を表す。また、図6には、図5で説明した6つの単電池
全てが均等に劣化する場合に使用する寿命判定式:f
(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.743を
実線で示す。
【0060】本図より、1つの単電池が劣化した場合に
正確に寿命の判定をするには、図中に点線で示すよう
に、寿命判定式の定数項Cの値を12.647Vと高め
に設定する必要があることが解る。しかし、再び図5を
参照すれば理解できるように、全ての単電池が均等に劣
化している場合において、定数項C=12.647Vに
設定すると、ほとんど劣化していない電池、例えば、6
0Aの電流を1秒間放電した後、終止電圧を9Vとした
場合に30Aで540秒〜640秒放電できる,未だ十
分に使用可能な電池を寿命であると誤判定してしまう。
【0061】(3-3)寿命判定用の電極端子間に挟む単電
池の数を減らした場合の寿命判定式 一部の単電池が劣化した場合に、当該単電池の出力低下
が他の良好な単電池の出力により補填されるのを低減す
るため、図8に示すように直列接続されている6つの単
セルのうち、第3及び第4番目の単電池を接続する箇所
にセンサ端子Sを備え、各々3つの単電池よりなる第1
単電池群と第2単電池群に分割し、第1単電池群及び第
2単電池群に対して別々に寿命判定を行う。これによ
り、一部の単電池の劣化が他の良好な単電池により補填
される程度を軽くし、寿命であると判定されるべき電池
が未だ使用可能であると誤判定されることを防止する。
【0062】図9は、図8に示す位置にセンサ端子Sを
設け、各々3つの単電池で成る第1単電池群及び第2単
電池群に分割した場合において、第1単電池群又は第2
単電池群を構成する3つの単電池の内の1又は2の単電
池が段階的に劣化した場合の開回路電圧Vocと、放電
処理として60Aの電流を1秒間だけ放電させた場合の
電圧降下量ΔVocとの関係を表す図である。なお、V
oc,ΔVocの値は、何れも6個の単電池の場合に換
算して正規化した値である。
【0063】本図より理解されるように、センサ端子S
を備える鉛蓄電池200の寿命を判定する寿命判定式
は、f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+12.1
99となる。このように、寿命判定用の電位を検出する
端子間に挟む単電池の数を減らすことで、図6を用いて
説明したように、6つの単電池間の電位差を検出する場
合に比べて、寿命判定式の定数項Cの値を12.647
Vから12.199Vへと下げることができる。定数項
Cの値を下げることで、全ての単電池が均一に劣化した
場合であって未だ十分に使用可能であるにもかかわら
ず、寿命であると誤判断される場合を減らし、より正確
な寿命の判定が可能になる。
【0064】なお、図10に示すように2つのセンサ端
子Sを用いて単電池群を構成する単電池の数を3個から
2個に変更すれば、一部の単電池(2個の単電池の内の
1つ)が劣化した場合に残りの良好な単電池により当該
劣化が補填されることをより効果的に防止することがで
きる。
【0065】図11は、2個の単電池の内、1つが段階
的に劣化した場合の開回路電圧VOCと放電処理後の電
圧降下量ΔVocを表す図である。本図より理解される
ように、この場合、寿命判定式の定数項Cの値を6つの
単電池が均等に劣化する場合の寿命判定式の定数項Cの
値よりも更に低い11.835Vへと大幅に下げること
ができる。これにより、鉛蓄電池200を無駄なく使い
切ることができる。
【0066】(3-4)開回路電圧Vocと電圧降下量ΔV
ocのばらつきに基づいて寿命判定を行う場合の寿命判
定式「数1」の特定 寿命判定用の電位を検出する端子間に挟む単電池の数を
減らすと共に、2以上得られる端子電圧Voc及び電圧
降下量ΔVocのばらつきを寿命判定に考慮する。具体
的には、鉛蓄電池200において、陽極端子Aとセンサ
端子Sとの間の電圧Voc1、及び、センサ端子Sと陰
極端子Cとの間の電圧Voc2のばらつき、並びに、所
定の放電処理による前記電圧Voc1の降下量ΔVoc
1及び電圧Voc2の降下量ΔVoc2のばらつきが、
それぞれ所定のしきい値Vth1,Vth2を超えた場
合に一部の単電池が劣化していると判断する。
【0067】一部の単電池が劣化した場合に、鉛蓄電池
200において測定される開回路電圧Voc1、Voc
2のばらつきがしきい値Vth1以上となったり、放電
処理による電圧降下量ΔVoc1,ΔVoc2のばらつ
きがしきい値Vth2を超える場合は、開回路電圧Vo
cが比較的高い領域で発生することが解っている。そこ
で、当該ばらつきによる寿命判定のできる領域を除く領
域に対して寿命判定式を設定する。これにより、寿命判
定式の定数項Cの値を下げることができる。
【0068】図12は、しきい値Vth1=0.15
V、Vth2=1.0Vに設定した場合に開回路電圧V
ocと電圧降下量ΔVocのばらつきにより寿命判定を
行える領域を実線の枠で囲み、この場合に適用する寿命
判定式を表すものである。寿命判定用の電位を検出する
端子間に挟む単電池の数を減らすと共に、2以上得られ
る端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVocのばらつきを
寿命判定に考慮することで、寿命判定式の定数項Cの値
を11.743にまで下げることができ、6つの単電池
が均等に劣化すると想定した場合に使用できる寿命判定
式(図5を参照)と同じ式を用いて正確に寿命の判定を
行うことができるようになる。このように、2以上得ら
れる端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVocのばらつき
を寿命判定に考慮するにより、全ての単電池が均一に劣
化した場合と同じ寿命判定式を用いつつも、一部の単電
池が劣化した場合について正確に判定することができる
ようになる。
【0069】上記特定した寿命判定式:f(ΔVoc)
=0.281×ΔVoc+11.743に、電圧降下量
ΔVocが3.0Vを超えた場合には、開回路電圧Vo
cの値によらず寿命であると判定するという条件を付加
したものが上記寿命判定装置100で使用する寿命判定
式「数1」である。
【0070】寿命判定装置100では、寿命判定用の電
位を検出する端子間に挟む単電池の数を減らすと共に、
2以上得られる端子電圧Voc及び電圧降下量ΔVoc
のばらつきを寿命判定に考慮することで、全ての単電池
が均等に劣化すると仮定した場合に使用する寿命判定式
と同じ式、又は、略同じ式を利用しつつも、一部の単電
池が劣化した場合の寿命についても正確に検出すること
ができる。これにより、全ての単電池が均等に劣化する
場合を含み、鉛蓄電池の寿命を正確に判定することがで
きる。
【0071】(4)応用例 図13に示すように、モノブロック電池に2つのセンサ
端子Sを設け、6つの単電池を2個、3個、1個の組に
分割する場合を考える。この場合の寿命判定処理は、各
組で検出される開回路電圧Vocと放電処理による電圧
降下量ΔVocの値を単電池6個分の出力(12V)に
換算して正規化した値に基づいて、寿命判定を行う。具
体的には、3つの単電池から成る組の1又は2の単電池
が劣化した場合を検出するには、上記「数1」を使用す
る。また、2つの単電池から成る組の1の単電池が劣化
した場合を検出するには、以下に説明するように、寿命
判定式「数1」の定数項Cの値を11.274にまで下
げた寿命判定式「数2」を使用する。
【0072】図14は、2つの単電池から成る組の1の
単電池が段階的に劣化した場合の開回路電圧Vocと放
電処理による電圧降下量ΔVocの関係を示す図であ
る。また、本図には、しきい値Vth1=0.15V、
Vth2=1.0Vに設定した場合に開回路電圧Voc
と電圧降下量ΔVocのばらつきにより寿命判定を行え
る領域を実線の枠で示し、この場合に適用する寿命判定
式:f(ΔVoc)=0.281×ΔVoc+11.2
74のグラフを表す。
【0073】図11に示した寿命判定式と比較すればわ
かるように、開回路電圧Vocと電圧降下量ΔVocの
ばらつきによる寿命判定を行うことで、寿命判定式の定
数項Cの値を11.835から11.274に下げるこ
とができる。当該寿命判定式に電圧降下量ΔVocが
3.0Vを超えた場合には、開回路電圧Vocの値によ
らず寿命であると判定するという条件を付加したものが
以下に示す寿命判定式「数2」である。
【数2】Vocth=f(ΔVoc)=0.281×Δ
Voc+11.274 (但し、ΔVoc<ΔVth=3.0の関係を満た
す。) Vocth=∞ (但し、ΔVoc≧ΔVth=3.0の関係を満た
す。)
【0074】また、図15に示すように、センサ端子S
を3つ設け、6つの単電池を2個、2個、1個、1個の
組に分割する場合、及び、図16に示すように、センサ
端子Sを4つ設け、6つの単電池を2個、1個、1個、
1個、1個の組に分割する場合には、各組の開回路電圧
Vocと放電処理による電圧降下量ΔVocの値を6個
の単電池の出力に換算し、その各々のばらつきをしきい
値Vth1,Vth2と比較して寿命判断を行うと共
に、2つの単電池で成る組の1の単電池の劣化を検出す
るために上記「数2」を使用すれば良い。
【0075】
【発明の効果】本発明の第1の寿命判定装置、上記装置
において実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを
上記寿命判定装置として機能させるプログラムは、複数
の単電池を直列に接続して成る二次電池(モノブロック
型の二次電池、及び、組電池を含む。)の寿命を判定す
るために、すくなくとも1つの一部の単電池群の開回路
電圧Vocに基づいて寿命の判定を行う。これにより、
一部の劣化しやすい位置にある単電池について寿命判定
を行うことができるようになり、当該劣化しやすい単電
池の劣化が他の良好な単電池により補填され、本来寿命
であると判断されるべきものが未だ使用可能であると判
定されることを防止することがで、より正確な寿命判定
を行うことができるようになる。
【0076】本発明の第2の寿命判定装置、上記装置に
おいて実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを上
記寿命判定装置として機能させるプログラムは、更に、
放電処理による開回路電圧Vocの降下量ΔVocの値
から特定されるしきい値電圧と、上記放電処理前の開回
路電圧Vocとの比較により寿命の判定を行うことで、
開回路電圧Vocだけ、又は、電圧降下量ΔVocだけ
で寿命の判定を行う場合に比べて、より正確に寿命の判
定を行うことができるようになる。
【0077】本発明の第3の寿命判定装置、上記装置に
おいて実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを上
記寿命判定装置として機能させるプログラムは、更に、
上記直列回路の単電池の数に応じて特定される寿命判定
式に従い、上記放電処理による電圧降下量ΔVocの値
より特定されるしきい値電圧と上記放電処理前の開回路
電圧Vocとの比較により寿命の判定を行うことで、よ
り正確に寿命の判定を行うことができるようになる。
【0078】本発明の第4の寿命判定装置、上記装置に
おいて実行する寿命判定方法、及び、コンピュータを上
記寿命判定装置として機能させるプログラムは、更に、
上記寿命判定が上記二次電池を構成する複数の単電池の
内の一部の単電池で成る複数の直列回路の放電処理前の
開回路電圧Voc、上記放電処理による開回路電圧の降
下量ΔVocの値、並びに、上記開回路電圧Voc及び
電圧降下量ΔVocの内の少なくとも一方のばらつきに
基づいて行うことで、より正確に寿命の判定を行うこと
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 寿命判定装置の構成を示す図である。
【図2】 寿命を判定する鉛蓄電池の構成を示す図であ
る。
【図3】 寿命判定処理のフローチャートである。
【図4】 寿命判処理で用いる寿命判定式のグラフを表
す図である。
【図5】 各単電池が均等に劣化する場合の開回路電圧
と電圧降下量の関係を示す図である。
【図6】 一部の単電池が段階的に劣化する場合の開回
路電圧と電圧降下量の関係を示す図である。
【図7】 (a)〜(d)は、一部の単電池が劣化した
場合のパターンを示す図である。
【図8】 1つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示す
図である。
【図9】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開回
路電圧と電圧降下量の関係、及び、この場合に使用する
寿命判定式のグラフを示す図である。
【図10】 2つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示
す図である。
【図11】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開
回路電圧と電圧降下量の関係と、この場合に使用する寿
命判定式のグラフを示す図である。
【図12】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開
回路電圧と電圧降下量の関係と、この場合に使用する寿
命判定式のグラフを示す図である。
【図13】 2つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示
す図である。
【図14】 一部の単電池が段階的に劣化した場合の開
回路電圧と電圧降下量の関係と、この場合に使用する寿
命判定式のグラフを示す図である。
【図15】 3つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示
す図である。
【図16】 4つのセンサ端子を持つ鉛蓄電池の例を示
す図である。
【図17】 従来の鉛蓄電池の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4,5 電圧
計、6 負荷、7,8 選択スイッチ、9 報知部、1
0 温度計、100 寿命判定装置、200,500
鉛蓄電池、201〜206,501〜506 単電池、
207〜211,507〜511 接続端子、520〜
524 放熱面、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大▲崎▼ 信 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 2G016 CA03 CB06 CB11 CB21 CC01 CC02 CC04 CC06 CC10 CC12 CC27 CC28 CF06 5G003 AA07 BA03 DA07 EA08 FA06 GC05 5H030 AS03 AS06 AS08 FF44

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の単電池を直列接続して成る二次電
    池の寿命判定装置であって、 上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電
    池で成る少なくとも1つの直列回路の開回路電圧Voc
    の値に基づいて寿命の判定を行う判定手段を備えること
    を特徴とする寿命判定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の寿命判定装置におい
    て、 上記判定手段は、放電処理による開回路電圧Vocの降
    下量ΔVocの値から特定されるしきい値電圧と、上記
    放電処理前の開回路電圧Vocとの比較により寿命の判
    定を行う寿命判定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の寿命判定装置であっ
    て、 上記判定手段は、上記直列回路の単電池の数に応じて特
    定される寿命判定式に従い、上記放電処理による電圧降
    下量ΔVocの値より特定されるしきい値電圧と上記放
    電処理前の開回路電圧Vocとの比較により寿命の判定
    を行う寿命判定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    寿命判定装置であって、 上記判定手段は、上記二次電池を構成する複数の単電池
    の内の一部の単電池で成る複数の直列回路の放電処理前
    の開回路電圧Voc、上記放電処理による開回路電圧の
    降下量ΔVocの値、並びに、上記開回路電圧Voc及
    び電圧降下量ΔVocの内の少なくとも一方のばらつき
    に基づいて寿命の判定を行う判定手段を備える寿命判定
    装置。
  5. 【請求項5】 複数の単電池を直列接続して成る二次電
    池の寿命判定方法であって、 上記二次電池を構成する複数の単電池の内の一部の単電
    池で成る少なくとも1つの直列回路の放電処理前の開回
    路電圧Vocの値に基づいて寿命の判定を行うことを特
    徴とする寿命判定方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の寿命判定方法におい
    て、 上記寿命判定は、放電処理による開回路電圧Vocの降
    下量ΔVocの値から特定されるしきい値電圧と上記放
    電処理前の開回路電圧Vocとの比較により行う寿命判
    定方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の寿命判定装置であっ
    て、 上記寿命判定は、直列回路の単電池の数に応じて特定さ
    れる寿命判定式に従い、上記放電処理による電圧降下量
    ΔVocの値より特定されるしきい値電圧と上記放電処
    理前の開回路電圧Vocとの比較により行う寿命判定方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7の何れかに記載の
    寿命判定方法であって、 上記寿命判定は、上記二次電池を構成する複数の単電池
    の内の一部の単電池で成る複数の直列回路の放電処理前
    の開回路電圧Voc、上記放電処理による開回路電圧の
    降下量ΔVocの値、並びに、上記開回路電圧Voc及
    び電圧降下量ΔVocの内の少なくとも一方のばらつき
    に基づいて行う寿命判定方法。
  9. 【請求項9】 コンピュータにより読み取り可能なプロ
    グラムであって、 当該コンピュータを、複数の単電池を直列接続して成る
    二次電池の一部の単電池で成る少なくとも1つの直列回
    路の開回路電圧Vocの値に基づいて寿命の判定を行う
    判定手段として機能させることを特徴とする二次電池の
    寿命判定用プログラム。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のプログラムであっ
    て、 上記判定手段が放電処理による開回路電圧Vocの降下
    量ΔVocの値から特定されるしきい値電圧と上記放電
    処理前の開回路電圧Vocとの比較により寿命の判定を
    行うように、コンピュータを機能させることを特徴とす
    る二次電池の寿命判定用プログラム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のプログラムであっ
    て、 上記寿命判定が直列回路の単電池の数に応じて特定され
    る寿命判定式に従い、上記放電処理による電圧降下量Δ
    Vocの値より特定されるしきい値電圧と上記放電処理
    前の開回路電圧Vocとの比較により寿命の判定を行う
    ように、コンピュータを機能させることを特徴とする二
    次電池の寿命判定用プログラム。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至請求項11の何れかに記
    載のプログラムであって、 上記寿命判定が上記二次電池を構成する複数の単電池の
    内の一部の単電池で成る複数の直列回路の放電処理前の
    開回路電圧Voc、上記放電処理による開回路電圧の降
    下量ΔVocの値、並びに、上記開回路電圧Voc及び
    電圧降下量ΔVocの内の少なくとも一方のばらつきに
    基づいて行うように、コンピュータを機能させることを
    特徴とする二次電池の寿命判定用プログラム。
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