JP2003008030A - 半導体整流素子およびその製造方法ならびに非接触型icカードの電源用整流回路 - Google Patents

半導体整流素子およびその製造方法ならびに非接触型icカードの電源用整流回路

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JP2003008030A
JP2003008030A JP2001183727A JP2001183727A JP2003008030A JP 2003008030 A JP2003008030 A JP 2003008030A JP 2001183727 A JP2001183727 A JP 2001183727A JP 2001183727 A JP2001183727 A JP 2001183727A JP 2003008030 A JP2003008030 A JP 2003008030A
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conductivity
conductivity type
well
impurity
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Masaru Miyashita
勝 宮下
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウェルの不純物濃度の高濃度化に伴う逆方向耐
電圧の低下を防止できる半導体整流素子とその製造方法
および非接触型ICカードの電源用整流回路を提供す
る。 【解決手段】n型の不純物が導入された領域Anw2と
p型の不純物が導入された領域Apw2とが所定の間隔
の境界領域Adを空けて形成されるので、これらの領域
が隣接して形成される場合に比べてダイオードの接合部
における不純物濃度が低下する。これにより、ダイオー
ドの逆方向耐電圧が高くすることができる。またn型お
よびp型の不純物の導入条件や、ウェル形成時における
半導体基板1の加熱条件が予め決まっている場合でも、
境界領域Adの間隔を調節することでダイオードの逆方
向耐電圧を任意に設定できるので、通常のCMOSプロ
セスでのウェル形成工程を用いてダイオードを形成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体整流素子とそ
の製造方法、および非接触型ICカードの電源用整流回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば非接触型ICカード用のLSIに
おける電源用の整流回路のように、比較的大きな電流容
量を有しながらなるべく安価に形成できるダイオードが
必要な回路においては、CMOSプロセスで半導体基板
上に形成されるn型ウェルやp型ウェルを利用してダイ
オードを形成する場合がある。
【0003】図9は、CMOSプロセスにおいて半導体
基板上に形成されるウェルを利用した従来のダイオード
の構造を示す図であり、図9Aは断面図を、図9Bは平
面図をそれぞれ示す。なお図9Aは、図9Bの線A−
A’に沿って半導体基板1を切断した断面を示す。
【0004】図9Aの断面図に示すように、半導体基板
1上にn型ウェル2が形成された領域Anw1とp型ウ
ェル3が形成された領域Apw2とが隣接して形成され
ている。また、図9Bの平面図に示すように、半導体基
板1上に正方状に形成されたn型ウェル2を取り囲ん
で、p型ウェル3が正方状に形成されている。
【0005】このn型ウェル2およびp型ウェル3は、
半導体基板1上に形成される他のウェルと同一の製造工
程で形成されるため、これを形成するための専用の製造
工程は不要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LSIの処
理の高機能化や高速化、LSI内部に搭載されるメモリ
の容量の増大化などに伴って、CMOSプロセスのデザ
インルールは年々微細化する傾向にある。デザインルー
ルが微細化すると、トランジスタの短チャネル効果の影
響によってしきい値電圧やドレイン−ソース間耐圧が低
下してしまうので、これを防ぐために、ウェルの不純物
濃度を高くする必要がある。
【0007】しかしながら、ウェルを利用したpn接合
ダイオードにおいてウェルの不純物濃度が高くなると、
接合部における不純物濃度が高くなるためにダイオード
の逆方向耐電圧が低下してしまう問題がある。
【0008】また、pn接合ダイオードのためにウェル
の不純物濃度を調節したウェルを形成させるためには専
用のマスクを用いた製造工程が必要になってしまい、製
造コストを高くしてしまう問題がある。
【0009】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、ウェルの不純物濃度の高濃度化に
伴う逆方向耐電圧の低下を防止できる半導体整流素子と
その製造方法を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、ウェルの不純物濃度の高濃度化に伴う逆方向
耐電圧の低下を防止できる非接触型ICカードの電源用
整流回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係る半導体整流素子は、半導
体基板上に形成されたアノードとなる第1導電型ウェル
とカソードとなる第2導電型ウェルとを有する半導体整
流素子であって、上記第1導電型ウェルと上記第2導電
型ウェルとが所定の間隔を空けて形成される。好適に
は、上記第1導電型ウェルと上記第2導電型ウェルとの
間隔は、それぞれのウェルから相互に拡散した不純物の
濃度が等しくなる領域の不純物濃度が所定の濃度となる
間隔に設定される。また、好適には、上記第1導電型ウ
ェルと上記第2導電型ウェルとの間隔は、上記第1導電
型ウェルと上記第2導電型ウェルとの間の逆方向耐電圧
特性が所定の特性に適合する間隔に設定される。
【0011】本発明の第1の観点に係る半導体整流素子
によれば、第1導電型ウェルと第2導電型ウェルとが所
定の間隔を空けて形成されるので、各ウェルが隣接して
形成される場合に比べて、それぞれのウェルから相互に
拡散した不純物の濃度が等しくなる領域の不純物濃度が
低下する。これにより、半導体整流素子の逆方向耐電圧
が高くなる。
【0012】本発明の第2の観点に係る半導体整流素子
の製造方法は、半導体基板上の第1の領域に、第1導電
型の不純物を導入する工程と、上記第1の領域に対して
所定の間隔だけ離間された半導体基板上の第2の領域
に、第2導電型の不純物を導入する工程とを有する。好
適には、上記第1導電型の不純物および上記第2導電型
の不純物が導入された半導体基板を加熱する工程を有す
る。
【0013】本発明の第2の観点に係る半導体整流素子
の製造方法によれば、第1導電型の不純物が導入された
第1の領域と、第2導電型の不純物が導入された第2の
領域とが所定の間隔を空けて形成されるので、上記第1
の領域と上記第2の領域とが隣接して形成される場合に
比べて、製造される半導体整流素子の接合部における不
純物濃度が低下する。これにより、半導体整流素子の逆
方向耐電圧が高くなる。また、第1導電型および第2導
電型の不純物の導入条件や、半導体基板の加熱条件が一
定の場合においても、上記第1の領域と上記第2の領域
とを離間する間隔を調節することによって、半導体整流
素子の逆方向耐電圧を任意に設定できる。
【0014】本発明の第3の観点に係る非接触型ICカ
ードの電源用整流回路は、第1の信号入力端子および第
2の信号入力端子と、上記第1の信号入力端子と上記第
2の信号入力端子との間に直列に接続されたキャパシタ
および半導体整流素子とを有し、上記半導体整流素子
は、半導体基板上に形成されたアノードとなる第1導電
型ウェルとカソードとなる第2導電型ウェルとを有し、
上記第1導電型ウェルと上記第2導電型ウェルとが所定
の間隔を空けて形成される。好適には、上記第1導電型
ウェルと上記第2導電型ウェルとの間隔は、それぞれの
ウェルから相互に拡散した不純物の濃度が等しくなる領
域の不純物濃度が所定の濃度となる間隔に設定される。
また、好適には、上記第1導電型ウェルと上記第2導電
型ウェルとの間隔は、上記第1導電型ウェルと上記第2
導電型ウェルとの間の逆方向耐電圧特性が所定の特性に
適合する間隔に設定される。
【0015】本発明の第3の観点に係る非接触型ICカ
ードの電源用整流回路によれば、第1導電型ウェルと第
2導電型ウェルとが所定の間隔を空けて形成されるの
で、各ウェルが隣接して形成される場合に比べて、それ
ぞれのウェルから相互に拡散した不純物の濃度が等しく
なる領域の不純物濃度が低下する。これにより、電源用
整流回路に用いられる半導体整流素子の逆方向耐電圧が
高くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1〜図8を参照して説明する。図1は、非接触型
ICカード用の半導体装置10を説明するための概略的
なブロック図である。図1に示す非接触型ICカード用
の半導体装置10は、アナログ部20、デジタル部30
およびキャパシタCiを有する。
【0017】キャパシタCiは、端子CPおよび端子C
Mの間に接続される図示しないアンテナ部と共振回路を
形成するキャパシタである。
【0018】アナログ部20は、上述したアンテナ部に
おいて受信されたAM(amplitudemodulation)信号を
入力し、この受信信号に含まれるデータ成分から受信信
号wdを復調してデジタル部30に出力する。また、デ
ジタル部30からの送信信号rdに応じて端子CP−端
子CM間にAM信号を重畳し、上述したアンテナ部から
この信号を送信させる。さらに、この送信信号rdを監
視するための信号rtを端子T2に出力する。また、受
信したAM信号から電源電圧Vddを生成し、これをデ
ジタル部30および端子T1に出力する。さらに、この
生成した電源電圧Vddのレベルを監視し、電源電圧V
ddのレベル状態に応じたリセット信号rstおよびフ
ラグ信号f1を生成してデジタル部30に出力する。ま
た、受信したAM信号に含まれるキャリア成分からクロ
ック信号clkを抽出して、これをデジタル部30に出
力する。
【0019】デジタル部30は、アナログ部20におい
て復調された受信信号wdをクロック信号clkに同期
して処理し、受信されたデータの解釈を行い、この解釈
結果に応じて種々のデータ処理を行なう。例えば、デジ
タル部30は内部に不揮発性のメモリを備えており、上
述の解釈結果に応じてこのメモリにデータを書き込む処
理やデータの読み出し処理を行なう。さらに、受信した
データに応答する送信信号rdを、例えば上述のメモリ
から読み出したデータなどに基づいて生成し、これをア
ナログ部20に出力する。また、リセット信号rstに
応じてデジタル部30の処理を初期化するとともに、フ
ラグ信号f1に応じて不揮発性メモリの書き込みを行な
うために必要な電源電圧レベルにあるか否かを判断し、
必要なレベルに達している場合にのみ不揮発性メモリへ
の書き込み処理を行なう。また、例えば上述した受信信
号wdやクロック信号clk、リセット信号rst、フ
ラグ信号f1、送信信号rdなど、デジタル部30を制
御するための信号Scontを端子T3から入出力す
る。また、例えば不揮発性メモリの内容を検査する場合
などにおいて使用される検査用の信号Stestを端子
T4から入出力する。
【0020】なお、アナログ部20およびデジタル部3
0の接地ラインは、ともに共通の端子Vssに接続され
ている。
【0021】次に、アナログ部20の詳細な内部構成に
ついて、図2を参照して説明する。図2は、図1に示し
た半導体装置10のアナログ部20の構成を示す概略的
なブロック図である。図2に示すアナログ部20は、ダ
イオードDr、平滑キャパシタCr、過電圧保護回路2
01、変調回路202、基準電圧出力回路203、復調
回路204、電圧レギュレータ205、電源電圧検出回
路206、およびクロック信号抽出回路207を有す
る。また、その他、図1と図2の同一符号は同一の構成
要素を示す。
【0022】ダイオードDrは、アノードが接地ライン
に、カソードが端子CMにそれぞれ接続されている。平
滑キャパシタCrは、一方の端子が端子CPに接続さ
れ、他方の端子が接地ラインに接続されている。
【0023】過電圧保護回路201は、端子CPと接地
ラインとの間に発生する電圧のレベルが所定の最大レベ
ルを超えないようにクランプする回路である。例えば図
2に示すように、抵抗R1と複数のダイオードD1とが
端子CPと接地ラインとの間に直列に接続された構成を
有する。
【0024】変調回路202は、デジタル部30から出
力される送信信号rdに応じて端子CPと接地ラインと
の間をスイッチングする回路である。例えば図2に示す
ように、一方の端子が端子CPに接続された抵抗R2
と、この抵抗R2の他方の端子にドレインが接続され、
ソースが接地ラインに接続され、ゲートに送信信号rd
が入力されたn型MOSトランジスタTrとにより構成
される。
【0025】基準電圧出力回路203は、端子CP−端
子CM間に入力される信号がダイオードDrにより整流
され、平滑キャパシタCrにより平滑化されて生成され
た電圧を受けて、所定の基準電圧refを生成する回路
であり、例えばバンドギャップ回路などが用いられる。
【0026】復調回路204は、基準電圧出力回路20
3から出力される一定の基準電圧refと、受信される
信号に応じて脈動する端子CPの電圧との比較から、デ
ジタルの受信信号wdを生成する。
【0027】電圧レギュレータ205は、端子CPの脈
動する電圧を受けて、この脈動電圧を電圧降下させた電
源電圧Vddを出力する。また、電源電圧Vddのレベ
ルを、基準電圧refを基準として一定レベルに制御す
る。
【0028】電源電圧検出回路206は、電圧レギュレ
ータ205において一定に制御された電源電圧Vddの
レベルを監視し、このレベルがシステムの動作が可能な
所定の最低レベルより低下した場合、デジタル回路30
を初期化させるリセット信号rstを生成してデジタル
部30に出力する。また、このレベルがデジタル部30
の不揮発性メモリの書き込みが可能な所定の最低レベル
より小さい場合、不揮発性メモリの書き込みを禁止する
フラグ信号f1を生成してデジタル部30に出力する。
【0029】クロック信号抽出回路207は、端子CP
−端子CM間に入力される受信信号に含まれる高周波の
キャリア成分からクロック信号clkを抽出する。例え
ば図2に示すように、一方の端子が端子CMに接続され
た低周波成分除去用のキャパシタC1と、このキャパシ
タC1の他方の端子が入力端子に接続され、入力端子−
接地ライン間の電圧に応じてハイレベルまたはローレベ
ルにデジタル化されたクロック信号clkを出力するバ
ッファ回路Qと、バッファ回路Qの入力端子にアノード
が接続され、電源電圧Vddにカソードが接続されたダ
イオードD2と、バッファ回路Qの入力端子にカソード
が接続され、接地ラインにアノードが接続されたダイオ
ードD3とにより構成される。ダイオードD2およびダ
イオードD3は、キャパシタC1を介してバッファ回路
Qに入力される信号の電圧レベルを電源電圧Vddと接
地ラインルとの間の電圧レベルにクランプする回路を構
成している。
【0030】次に上述した構成を有する非接触型ICカ
ード用の半導体装置10の動作について説明する。端子
CP−端子CM間に接続される図示しないアンテナ部に
受信されたAM信号によって、端子CP−端子CM間に
交流電圧が発生する。端子CPの電圧が端子CMより高
くなる極性においてダイオードDrが導通し、平滑キャ
パシタCrに電荷が充電される。また、逆の極性におい
てダイオードDrは非導通状態となるため、平滑キャパ
シタCrに電荷は充電されない。これにより、平滑キャ
パシタCrの両端には直流の電圧が発生する。この平滑
キャパシタCrの直流電圧から、基準電圧出力回路20
3において基準電圧refが、電圧レギュレータ205
において電源電圧Vddがそれぞれ生成される。
【0031】電源電圧Vddは電源電圧検出回路206
において監視されており、所定の電圧レベルより小さく
なった場合に上述したリセット信号rstやフラグ信号
f1が生成され、これらの信号に応じて、デジタル部3
0の初期化処理や不揮発性メモリに対する書き込み処理
が行なわれる。
【0032】端子CPの電圧レベルは受信されるAM信
号のデータ成分に応じて脈動しており、この脈動成分に
応じた受信信号wdが復調回路204において復調され
る。また、AM信号のデータ成分がキャパシタC1によ
って除去されたキャリア成分がバッファ回路Qにおいて
デジタル化されて、クロック信号clkが抽出される。
【0033】復調された受信信号wdは、デジタル部3
0においてクロック信号clkに同期して処理され、受
信データの解釈、およびこの解釈結果に応じた種々のデ
ータ処理が行なわれるとともに、受信データに応答する
送信信号rdが生成される。例えば、不揮発性メモリに
記憶されたデータが読み出されて、これに対応する送信
信号rdが生成される。変調回路202において、端子
CP−端子CM間が送信信号rdに応じてスイッチング
され、これにより、図示しないアンテナ部から送信信号
rdに応じたAM信号が送信される。
【0034】次に、上述したアナログ部20におけるダ
イオードDrの構造について説明する。図3は、本発明
に係るダイオードDrの構造を説明するための図であ
り、図3Aは半導体基板1上に形成されたダイオードD
rの断面図を、図3Bは平面図をそれぞれ示す。なお、
図3Aの断面図は、図3Bの線A−A’に沿って半導体
基板1を切断した断面を示す。
【0035】図3Aに示すように、n型ウェル2が形成
された半導体基板1上の領域Anw2とp型ウェル3が
形成された領域Apw2との間には、境界領域Adが設
けられている。また、図3Bの平面図に示すように、半
導体基板1上に正方状に形成されたn型ウェル2を取り
囲んでp型ウェル3が正方状に形成されており、n型ウ
ェル2とp型ウェル3の間に半導体基板1の境界領域A
dが設けられている。
【0036】このように、図3に示すダイオードDrに
おいてn型ウェル2とp型ウェル3との境界領域には、
互いのウェルを離間させる境界領域Ad設けられてお
り、この点において、n型ウェル2とp型ウェル3とが
隣接して形成される図9のダイオードとは構造が異なっ
ている。
【0037】図4は、n型ウェル2およびp型ウェル3
におけるp型およびn型の不純物濃度の分布を模式的に
示す図である。図4Aは、図9に示す従来のダイオード
における不純物濃度の分布を示し、図4Bは、図3に示
す本発明に係るダイオードにおける不純物濃度の分布を
示している。なお、図の縦軸は各不純物の濃度を示し、
横軸は各図の断面図における水平方向の位置を示してい
る。また、曲線CV1および曲線CV3はp型不純物の
濃度分布を示し、曲線CV2および曲線CV4はn型不
純物の濃度分布を示している。
【0038】図4Aおよび図4Bから分かるように、ウ
ェル形成領域の端部において、ウェルの内側から外側の
向かって不純物濃度はなだらかに減少している。これ
は、半導体基板1の表面に導入された不純物が、ウェル
の形成時において半導体基板1内に熱的に拡散させられ
るためである。
【0039】また、図4Aと図4Bを比較して分かるよ
うに、なだらかに減少するn型不純物とp型不純物の濃
度が互いに等しくなるウェルの接合部において、図3の
ダイオードの不純物濃度D2は図9のダイオードの不純
物濃度D1より小さくなっている。
【0040】pn接合ダイオードに逆方向電圧を印加し
た場合、逆方向電圧がある一定の電圧を超えると逆方向
電流が急激に流れるが、一般にこの電圧は、pn接合ダ
イオードの接合部における不純物濃度を低くすることに
より高くすることができる。したがって、図3のダイオ
ードは図9のダイオードよりも逆方向耐電圧が高くな
る。
【0041】ただし、p型不純物領域およびn型不純物
領域の不純物濃度が低下すると一般に抵抗値が高くなる
ため、接合部における不純物濃度が低い図3のダイオー
ドは図9のダイオードよりも順方向の電圧降下が大きく
なる。ダイオードDrの電圧降下が大きくなると、平滑
キャパシタCrに発生する電圧が低下してしまい電源電
圧Vddの生成に支障をきたすため、この電圧降下はな
るべく小さいほうが望ましい。したがって、図3のダイ
オードにおける境界領域Adの幅は、要求される逆方向
耐電圧の仕様を満たす範囲で、なるべく狭いほうが望ま
しい。
【0042】以上説明したように、図3の構造を有する
ダイオードDrによれば、pn接合ダイオードを形成す
るn型ウェル2とp型ウェル3との境界領域に互いのウ
ェルを離間させる境界領域Ad設けられているので、こ
の境界領域の幅に応じてpn接合ダイオードの逆方向耐
電圧と順方向電圧特性を適切に設定できる。これによ
り、デザインルールの微小化に伴ってウェルの不純物濃
度が高濃度化した場合においても、pn接合ダイオード
の逆方向耐電圧を所望の電圧に設定できる。
【0043】次に、上述した図3の構造を有するダイオ
ードDrの製造方法について、図5〜図8を参照して説
明する。
【0044】まず、図5に示すように、n型ウェルを形
成させる領域を開口させたレジスト4を半導体基板1の
上に形成し、この開口部から砒素やリンなどのn型不純
物を半導体基板1上に導入する。これにより、n型不純
物領域2’が形成される。
【0045】次に、図5のレジスト4を除去したあと、
図6に示すように、p型ウェルを形成させる領域を開口
させたレジスト5を半導体基板1の上に形成し、この開
口部からボロンなどのp型不純物を半導体基板1上に導
入する。これにより、p型不純物領域3’が形成され
る。
【0046】なお、図5および図6の工程において、レ
ジスト4の開口領域とレジスト5の開口領域との間隔
は、最終的に形成されるpn接合ダイオードの逆方向耐
電圧が所定の電圧となるように適切な間隔に設定され
る。また、図5および図6の工程における不純物の注入
条件(導入量や導入エネルギーなど)は、半導体基板1
上に形成される他のウェルの形成条件と同一である。
【0047】次に、図7に示すように、n型不純物領域
2’およびp型不純物領域3’が形成された半導体基板
1を所定の温度および時間で加熱し、導入した不純物を
拡散させて、n型ウェル2およびp型ウェル3を形成す
る。この加熱温度および加熱時間の条件は、半導体基板
1上に形成される他のウェルの形成条件と同一である。
【0048】次に、図8に示すように、半導体基板1の
上に例えばLOCOS(local oxidation of silicon)
法によってフィールド絶縁膜8を形成する。そして、フ
ィールド絶縁膜8に被覆されていないn型ウェル2上に
はウェルよりも高濃度のn型不純物が導入されたn+不
純物領域6を形成し、フィールド絶縁膜8に被覆されて
いないp型ウェル3上にはウェルよりも高濃度のp型不
純物が導入されたp+不純物領域7を形成する。そし
て、ダイオードDrのカソード側の配線コンタクトをn
+不純物領域6上に形成し、アノード側の配線コンタク
トをp+不純物領域7上に形成する。
【0049】以上説明したように、図5〜図8に示すダ
イオードの製造方法によれば、n型不純物およびp型不
純物の導入条件や、半導体基板1の加熱条件が一定の場
合においても、レジスト4の開口領域とレジスト5の開
口領域との間隔を調節することによって、ダイオードの
逆方向耐電圧を任意に設定できる。これにより、各工程
をいずれも通常のCMOSプロセスにおけるウェル形成
工程と同時に行なうことができ、上述したダイオードを
形成するために特別な工程を設ける必要がなくなるの
で、ダイオードを安価に形成することができる。
【0050】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れない。例えば、各ウェルの形成領域の形状は任意であ
り、図3Bの平面図に示すようにn型ウェル2の形成領
域をp型ウェル3の形成領域が取り囲む形状に限定され
ない。したがって、例えば各ウェルを平行に形成しても
良いし、接合面積を増やすために一方のウェル形成領域
の内部に他方のウェル形成領域を複数形成しても良い。
また、例えば図5〜図8の製造工程におけるn型不純物
の導入工程とp型不純物の導入工程の順序は任意であ
り、説明の逆でも良い。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ウェルの不純物濃度の
高濃度化に伴うpn接合ダイオードの逆方向耐電圧の低
下を、ウェルの不純物濃度を調節することなく防止でき
る。また、通常のCMOSプロセスにおけるウェル形成
工程と同じ工程によってpn接合ダイオードを形成でき
るので、ダイオードを安価に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触型ICカード用の半導体装置を説明する
ための概略的なブロック図である。
【図2】図1に示した半導体装置のアナログ部の構成を
示す概略的なブロック図である。
【図3】本発明に係るダイオード構造を説明するための
断面図および平面図である。
【図4】n型ウェルおよびp型ウェルにおけるp型およ
びn型の不純物濃度の分布を模式的に示す図である。
【図5】図3に示すダイオードの製造工程における、n
型ウェル形成領域へのn型不純物導入後の断面図であ
る。
【図6】図5の続きの工程における、p型ウェル形成領
域へのp型不純物導入後の断面図である。
【図7】図6の続きの工程における、半導体基板の加熱
工程後の断面図である。
【図8】図7の続きの工程における、p+不純物領域お
よびn+不純物領域形成後の断面図である。
【図9】ウェルを利用した従来のダイオードの構造を示
す断面図および平面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…n型ウェル、3…p型ウェル、
4,5…レジスト、6…n+不純物領域、7…p+不純
物領域、8…フィールド絶縁膜、9…n+不純物領域、
10…ICカード用半導体装置、20…アナログ部、3
0…デジタル部、201…過電圧保護回路、202…変
調回路、203…基準電圧出力回路、204…復調回
路、205…電圧レギュレータ、206…電源電圧検出
回路、207…クロック信号抽出回路、Dr,D1〜D
3…ダイオード、Cr,Ci…キャパシタ、R1,R2
…抵抗、Tr…n型MOSトランジスタ、Q…バッファ
回路、T1〜T4,CP,CM,Vss…端子。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成されたアノードとな
    る第1導電型ウェルとカソードとなる第2導電型ウェル
    とを有する半導体整流素子であって、 上記第1導電型ウェルと上記第2導電型ウェルとが所定
    の間隔を空けて形成された半導体整流素子。
  2. 【請求項2】 上記第1導電型ウェルと上記第2導電型
    ウェルとの間隔は、それぞれのウェルから相互に拡散し
    た不純物の濃度が等しくなる領域の不純物濃度が所定の
    濃度となる間隔に設定された、 請求項1に記載の半導体整流素子。
  3. 【請求項3】 上記第1導電型ウェルと上記第2導電型
    ウェルとの間隔は、上記第1導電型ウェルと上記第2導
    電型ウェルとの間の逆方向耐電圧特性が所定の特性に適
    合する間隔に設定された、 請求項1に記載の半導体整流素子。
  4. 【請求項4】 第1導電型ウェルと第2導電型ウェルと
    の境界領域を被覆する絶縁膜を有する、 請求項1に記載の半導体整流素子。
  5. 【請求項5】 半導体基板上の第1の領域に、第1導電
    型の不純物を導入する工程と、 上記第1の領域に対して所定の間隔だけ離間された半導
    体基板上の第2の領域に、第2導電型の不純物を導入す
    る工程とを有する半導体整流素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1導電型の不純物および上記第2
    導電型の不純物が導入された半導体基板を加熱する工程
    を有する、 請求項5に記載の半導体整流素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1導電型の不純物が導入された上
    記第1の領域と、上記第2導電型の不純物が導入された
    上記第2の領域との境界領域を被覆する絶縁膜を形成す
    る工程を有する、 請求項5に記載の半導体整流素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の信号入力端子および第2の信号入
    力端子と、 上記第1の信号入力端子と上記第2の信号入力端子との
    間に直列に接続されたキャパシタおよび半導体整流素子
    とを有し、 上記半導体整流素子は、 半導体基板上に形成されたアノードとなる第1導電型ウ
    ェルとカソードとなる第2導電型ウェルとを有し、上記
    第1導電型ウェルと上記第2導電型ウェルとが所定の間
    隔を空けて形成された、 非接触型ICカードの電源用整流回路。
  9. 【請求項9】 上記第1導電型ウェルと上記第2導電型
    ウェルとの間隔は、それぞれのウェルから相互に拡散し
    た不純物の濃度が等しくなる領域の不純物濃度が所定の
    濃度となる間隔に設定された、 請求項8に記載の非接触型ICカードの電源用整流回
    路。
  10. 【請求項10】 上記第1導電型ウェルと上記第2導電
    型ウェルとの間隔は、上記第1導電型ウェルと上記第2
    導電型ウェルとの間の逆方向耐電圧特性が所定の特性に
    適合する間隔に設定された、 請求項8に記載の非接触型ICカードの電源用整流回
    路。
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