JP2002542439A - エネルギー案内チェーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 エネルギー案内チェーンは、ケーブル、ホース等を、２つの接続点のうち少なくとも１つは移動可能である、一方の接続点から他方の接続点に案内するのに役立つ。このエネルギー案内チェーンは、互いに関節結合式に接続された多数のプラスチックチェーンリンクからなり、各プラスチックチェーンリンクは、２つの側部継板および２つのクロス部材を有し、このクロス部材のうち少なくとも１つは、前記側部継板に対し着脱式に接続され、またクロス部材の各端部に設けたスナップ張出部と相互作用するスナップ機構を備えている。またスナップ機構を手で容易に解放させるため、この機構は、それぞれのクロス部材を取り付けた時にクロス部材の中心に配置されて、クロス部材の外表面を突き出る結果、手による接近が可能になる弾性フックとして設計されている。このフックの前の領域にあるクロス部材の外表面には、スナップ張出部からチェーンリンクの中心に向かって伸びるグリップがある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、ケーブル、ホース等を、２つの接続点のうち少なくとも一つは移動
可能である、一方の接続点から他方の接続点まで案内するエネルギー案内チェー
ンに関する。このエネルギー案内チェーンは、互いに関節結合式に接続されるか
または関節結合式に接続され得る多数のプラスチックチェーンリンクで構成され
ている。各プラスチックチェーンリンクは、２つの側部継板および２つのクロス
部材を有する。前記クロス部材のうち少なくとも一つは、前記側部継板に対し着
脱式に接続されるかまたは着脱式に接続され得る。前記クロス部材の両側には、
互いに平行に配列され、該クロス部材の縦方向に伸びる複数の突起があり、これ
らの突起は、横方向の円柱状支持ピンを備えている。前記側部継板は、前記クロ
ス部材の突起によって係合する２つの平行なスリットと、支持ピンのスナップ係
合が可能な下部切込み付き溝形支持領域と、前記クロス部材の各端部に設けたス
ナップ張出部と相互作用するスナップ機構とを有する。 ＤＥ４３１３０７５Ｃ２に記載された公知のタイプのエネルギー案内チェーン
は、極めて効果的であることが証明されている。これら公知のエネルギー案内チ
ェーンでは、側部継板とクロス部材との接続は、スクリュードライバーに類似し
た道具を用いて行わなければならない。

【０００２】 本発明の目的は、クロス部材も手で容易に開放できるように、エネルギー案内
チェーンを改良することである。 本発明によれば、この目的は、それぞれのクロス部材を取り付けた時に前記突
起間の中心に配置され、この２つの突起間の空間を通過して、外側から手で接近
可能となる弾性フックとして、前記スナップ機構を設計したことで解決される。 本発明の設計により、操作者は、回動上昇させるクロス部材を手で掴み、次い
でフックを親指で解放して、クロス部材をそれぞれの側で回動上昇させることで
、エネルギー案内チェーンの手による開放が極めて容易になる。 取扱いをさらに容易にするため、クロス部材を取り付けた時、フックはクロス
部材の外表面を突き出ることができるので、フックを親指で作動させるのは容易
である。 フックは、弾性タブの端部に配置することが好ましい。このような設計の結果
、フックを極めて容易に作動させることができるので、操作者は接続を開放する
のに何ら大きな力を必要としない。

【０００３】 フックの幅は、クロス部材上に設けた２つの突起間の内部空間と同程度にする
と便利である。このようにして、フックはその大きな可とう性にも拘わらず、比
較的幅広く、したがってかなり安定にすることができる。 スナップ張出部は、クロス部材の外表面に面したスナップ表面を備えると便利
である。このスナップ表面は、所定の位置でスナップ係合させた時、フックによ
り上から係合される。解放するには、フックを押し下げてスナップ表面から離す
だけでよく、短い移動路しか必要としない。 さらにスナップ張出部は、フックに面した横方向傾斜表面を持つことができる
。この傾斜表面は、クロス部材を押し下げた時、フックがスナップ張出部のスナ
ップ表面上にスナップ係合するまでフックを反らせる。このような設計により、
他の公知の設計と同様、それぞれのクロス部材上で押し下げることにより、フッ
クを係合させるのが容易になる。 クロス部材の材料は、スナップ張出部に直接対向した側に下部切込みを持つこ
とができる。これにより、接続を解放するため、必要ならば、スクリュードライ
バーのような道具を利用してフックを反らせることも可能になる。道具の使用は
任意であるが、非常に多くの部材を取り外す必要のある場合および／または操作
者が手を怪我している場合に使用される。

【０００４】 クロス部材の外表面には、スナップ張出部からチェーンリンクの中心に向かっ
て伸びるグリップを有することが好ましい。クロス部材を開放するには、グリッ
プの中に親指を入れ、次いでフックを押圧する。このような設計の結果、フック
を短くでき、したがってユーザーの使い易さを損なうことはない。 グリップの幅は、２つの突起間の内部空間よりも大きくすることができるので
、それぞれの親指を入れるのに充分な余地がある。 突起の外側に支持ピンを設けると便利である。このような設計の結果、支持ピ
ンを備えた突起は幅広くなるので、全体の設計をさらに安定にすることができる
。

【０００５】

【実施例】

本発明の一例を図面に示し、これらの図面に基づいて以下に詳細に説明する。 エネルギー案内チェーンは、多数のチェーンリンクを互いに関節結合の状態で
接続して組み立てられる。 図１、図５および図６では、単独のチェーンリンク１は、２つの側部継板２、
３を互いに２つのクロス部材４、５で接続して構成される。図１に断面を示した
底部クロス部材４は、２つの側部継板２、３と一緒に、ある程度の弾性を示すプ
ラスチックから単独の射出成形部品として製造される。頂部クロス部材５は別個
の部品として設計し、スナップ機構６により２つの側部継板２、３上に取り付け
ることができる。なお、底部クロス部材４についてもこれに対応して設計したス
ナップ機構により、２つの側部継板２、３に接続されることは想像できよう。 別途に設計した上部クロス部材５は、エネルギー案内チェーンの開閉を可能に
するため、スナップ機構６により２つの側部継板２、３に接続されるもので、両
端に互いに平行でクロス部材５の縦方向に伸びる突起７、８を備えた長尺部品で
ある。突起７、８の外側には、横方向の円柱状支持ピン９が設けてある。 これら２つの突起７、８間の空間１０の底部には、スナップ機構６と相互作用
するスナップ張出部１１が配置されている。

【０００６】 特に図１、図２および図３から明らかなように、スナップ機構６は、弾性フッ
ク１２からなる。フックの幅は、２つの突起７、８間の空間１０に完全に合って
いる。フック１２はスナップ張出部１１と相互作用する。フック１２の弾性は、
フックを弾性タブ１３の端部に配置することで得られる。弾性タブ１３は、複数
の横方向スリット１４および後方空間１５により、残りの材料から分離されるの
で、図２に示した断面中のフック１２は左右に移動可能である。 ２つの凹部１６は、フック１２の両側の領域に配置され、組み立てた状態でク
ロス部材５の突起７、８を収容するのに役立つ。なお、支持ピン９は、最終位置
では下部切込み１８の後ろにスナップ係合することにより、横方向案内溝１７と
係合する。 クロス部材５頂部の各端部には、スナップ張出部１１のすぐ次にグリップ１９
が設けてある。グリップ１９の幅は、突起７、８間の内部空間１０よりも若干大
きい。

【０００７】 図２〜図４に示すように、上部クロス部材５の一方の側が、まず上から鋭角で
その収容領域に挿入され、そこで突起７、８は凹部１６と係合し、また２つの支
持ピン９は下部切込み１８の後ろにスナップ係合するまで、案内溝１７中に挿入
される。図３に示すように、クロス部材５は次に水平の閉鎖位置に回動され、そ
こでフック１２は、クロス部材の外表面に面したスナップ張出部１１のスナップ
表面２０上にスナップ係合する。このスナップ係合方法を図７〜図１０に詳細に
示す。いったんクロス部材５の支持ピン９を初期の開放状態で案内溝１７に挿入
して、クロス部材５を図７の矢印で示す方向に回動降下させる。この動作中、ス
ナップ張出部１１上に設けた傾斜表面２１は、特に図８に明確に見られるように
、図９に示す位置に達するまでフック１２に沿って滑動する。この位置に達した
後、フック１２はスナップ張出部１１上にスナップ係合してスナップ張出部１１
のスナップ表面２０と接触し、この位置で固定される。反対側のクロス部材につ
いては図面に示さなかったが、クロス部材５は、同様な方法でその固定状態にス
ナップ係合する。但し、クロス部材５がほぼ平行な位置になる時は、同時に支持
ピン９とフック１２とが係合する。

【０００８】 クロス部材５を開放する場合は、フック１２は、矢印の方向に圧力をかけるこ
とにより、図１１に示す位置から図１２に示す位置に反らさなければならない。
この位置では、スナップ張出部１１はもはやフック１２で係合されていない。こ
れは、クロス部材５を前記地点で上昇させて、支持ピン９を案内溝１７から解放
できることを意味する。図１２に示す矢印の方向に、例えば操作者の親指で圧力
をかけることができる。その間、他の指はクロス部材５を握るのに用いる。 指２２を用いたフック１２への圧力印加を、本発明の変形構成を例示した図１
３に示す。この構成では、スナップ張出部１１と直接対向した側のクロス部材５
の材料に下部切込み２３が設けてある。また、この構成では、例えば形状がスク
リュードライバーに類似した（図１４に示すような）道具２４を用いてフック１
２に圧力をかけることができる。なお、このスクリュードライバーの先端を下部
切込み２３の後ろに挿入し、図１４の道具２４を左の方に回動して、フック１２
を解放位置まで押すことにより、スナップ張出部１１は開放され、クロス部材５
をこの側で上昇させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】チェーンリンクの側部継板の内面図。

【図２】図１における側部継板の、クロス部材の端部が挿入されるＩＩ−ＩＩ
線部の断面図。

【図３】クロス部材を取り付けた際の図２と同じ断面図。

【図４】図１においてクロス部材が上から挿入されるＩＶ−ＩＶ線部の断面図
。

【図５】クロス部材の上面図。

【図６】図５の頂部クロス部材を除いたチェーンリンクの上面図。

【図７】クロス部材をスナップ係合する際の機構の一詳細図。

【図８】クロス部材をスナップ係合する際の機構の一詳細図。

【図９】クロス部材をスナップ係合する際の機構の一詳細図。

【図１０】クロス部材をスナップ係合する際の機構の一詳細図。

【図１１】クロス部材を取り外す際の機構を示す。

【図１２】クロス部材を取り外す際の機構を示す。

【図１３】クロス部材を取り外すスナップ機構が親指または他の適当な指によ
り作動する本発明の他の実施例を示す。

【図１４】スナップ機構を道具で解放する他は図１４と同じ構成の実施例を示
す。

【符号の説明】

１‥‥チェーンリンク ２、３‥‥側部継板 ４、５‥‥クロス部材 ６‥‥スナップ機構 ７、８‥‥突起 ９‥‥支持ピン １０、１５‥‥空間 １１‥‥スナップ張出部 １２‥‥フック １３‥‥タブ １４‥‥スリット １６‥‥凹部 １７‥‥案内溝 １８、２３‥‥下部切込み １９‥‥グリップ ２０‥‥スナップ表面 ２１‥‥傾斜表面 ２２‥‥指 ２４‥‥道具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ， ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｃ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ， ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，Ｓ Ｌ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ 【要約の続き】

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブル、ホース等を、２つの接続点のうち少なくとも一つは
   移動可能である、一方の接続点から他方の接続点に案内するエネルギー案内チェ
   ーンであって、該エネルギー案内チェーンは、互いに関節結合式に接続されるか
   または関節結合式に接続され得る多数のプラスチックチェーンリンクからなり、
   各プラスチックチェーンリンクは２つの側部継板および２つのクロス部材を有し
   、該クロス部材のうち少なくとも一つは、前記側部継板に対し着脱式に接続され
   るかまたは着脱式に接続され得、前記クロス部材の両側には互いに平行に配列さ
   れ、該クロス部材の縦方向に伸びる複数の突起を有し、これらの突起は横方向の
   円柱状支持ピンを備え、前記側部継板は前記クロス部材の突起によって係合する
   ２つの平行なスリットと、支持ピンのスナップ係合が可能な下部切込み付き溝形
   支持領域と、前記クロス部材の各端部に設けたスナップ張出部と相互作用するス
   ナップ機構とを有するエネルギー案内チェーンにおいて、 前記スナップ機構（６）が、それぞれのクロス部材（５）を取り付けた時に該
   突起（７、８）間の中心に配置され、２つの突起（７、８）間の空間（１０）を
   通過して、外側から手で接近可能になる弾性フック（１２）として設計されてい
   ることを特徴とするエネルギー案内チェーン。
2. 【請求項２】前記クロス部材（５）を取り付けた時、前記フック（１２）が
   クロス部材（５）の外表面を突き出ることを特徴とする請求項１に記載のエネル
   ギー案内チェーン。
3. 【請求項３】前記フック（１２）が、弾性タブ（１３）の端部に配置される
   ことを特徴とする請求項１または２に記載のエネルギー案内チェーン。
4. 【請求項４】前記フック（１２）の幅が、２つの突起（７、８）間の内部空
   間（１０）と同程度であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載
   のエネルギー案内チェーン。
5. 【請求項５】前記スナップ張出部（１１）が、クロス部材（５）の外表面に
   面したスナップ表面（２０）を備え、該スナップ表面は所定の位置でスナップ係
   合する時、上から前記フックと係合することを特徴とする請求項１〜４のいずれ
   か１項に記載のエネルギー案内チェーン。
6. 【請求項６】スナップ張出部（１１）が、前記フック（１２）に面した横方
   向傾斜表面（２１）を有し、該傾斜表面は、クロス部材（５）を押し下げた時、
   該フックがスナップ張出部（１１）のスナップ表面（２０）上にスナップ係合す
   るまで前記フック（１２）を反らせることを特徴とする請求項１〜５のいずれか
   １項に記載のエネルギー案内チェーン。
7. 【請求項７】前記クロス部材（５）の材料が、スナップ張出部（１１）と直
   接対向した側に下部切込み（２３）を持ち得ることを特徴とする請求項１〜６の
   いずれか１項に記載のエネルギー案内チェーン。
8. 【請求項８】前記クロス部材（５）の外表面に、スナップ張出部（１１）か
   ら前記チェーンリンクの中心に向かって伸びるグリップ（１９）を有することを
   特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載のエネルギー案内チェーン。
9. 【請求項９】前記グリップ（１９）の幅が、前記２つの突起（７、８）間の
   内部空間（１０）よりも大きいことを特徴とする請求項８に記載のエネルギー案
   内チェーン。
10. 【請求項１０】突起（７、８）の外側に支持ピン（９）が設けられることを
    特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載のエネルギー案内チェーン。