JP2002534538A - 狭い組成分布と高融点を有するエチレンコポリマーおよびその製法 - Google Patents

狭い組成分布と高融点を有するエチレンコポリマーおよびその製法

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Abstract

(57)【要約】 エチレンと少なくとも4個の炭素原子を含むコモノマー少なくとも1種とのコポリマーは、2より大きい多分散性、示差走査熱量計により測定した広い融点遷移および狭い組成分布を有することを特徴とする。エチレン/C4+コポリマーは、同じモノマー単位組成のランダムコポリマーの融点より高い少なくとも1つの融点をも示す。このようなコポリマーは、適当な流動構造触媒系の存在下、重合条件下に、エチレンとコポリマーとを接触させることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、熱可塑性ポリオレフィンに関する。より詳細には、本発明は、類似
のモノマー組成を有する対応するランダムコポリマーにおいて測定されるピーク
融点より高いピーク融点により示されるブロック構造を典型的には含むエチレン
とC4+オレフィンモノマーとのコポリマー、および流動性(fluxional;流動構
造)メタロセン触媒を使用したその製法に関する。
【0002】 (背景技術) 熱可塑性オレフィンポリマーは、毎年数百万トンの生産および販売量があり、
世界中で非常に重要なマーケットを築いている。エチレンとC4+モノマーとのコ
ポリマーは、特にフィルムとして使用される全世界のオレフィンポリマー生産の
重要な部分を占めている。エチレンポリマーのバルクは熱可塑性であるが、エラ
ストマー性熱可塑性オレフィンポリマーに対する需要が増している。
【0003】 エチレンと高級(C4+)オレフィンモノマーとのコポリマーは、この技術分野
では周知であり、よく使用される。このようなコポリマーの中でも、直鎖低密度
ポリエチレンは、従来からのツィーグラナッタ触媒系を用いて、エチレンと1−
ブテンまたは1−オクテンとのコポリマーとしてこれまで製造されている。これ
らの物質は、典型的には、広い多分散性および広い組成分布を有している。 このようなエチレン−C4+コポリマーは、エラストマーとしてとりわけ広い範
囲の用途を有している。一般に、そのようなコポリマーから製造されたエラスト
マーには3つの種類がある。1つの種類は、飽和化合物であって、最適には低結
晶化度を有し、優れた弾性特性を達成するにはラジカル発生剤による加硫を必要
とするエチレン−プロピレンコポリマー(EPR)である。別の種類のエラスト
マーは、少量の非共役ジエン、例えばエチリデンノルボルネンを含む、最適には
低結晶化度のエチレン−プロピレンターポリマー(EPDM)である。ジエンタ
ーモノマーからもたらされる残留不飽和により、硫黄による加硫が可能であり、
それによって優れたエラストマー性特性が得られる。
【0004】 第3の種類は、加硫しなくても優れたエラストマー性特性を有する狭い組成分
布のエチレン−α−オレフィンコポリマーである。例えば、米国特許第5278
272号(Dow)は、狭い組成分布および優れた加工性を有する実質的に直鎖
状のポリオレフィンコポリマーエラストマーを記載している。これらコポリマー
は、通常のメタロセン型触媒系により製造され、狭い多分散性、狭い組成分布お
よびランダムコポリマーに対応した融点範囲を有している。このようなメタロセ
ンコポリマーの代表例は、Exxson ChemicalからExactのブランド名で販売されて
いるエチレン/1−ブタジエンコポリマー、Dow ChemicalからEngageのブランド
名で販売されているエチレン/1−オクテンコポリマーである。後者の種類のエ
ラストマーの制限の1つは、高温特性を限定する低い融点である。
【0005】 (発明の開示) 本発明は、熱可塑性ポリマーまたはエラストマーであり得るエチレンとC4+
レフィンモノマーとのコポリマーに関する。とりわけ、このようなコポリマーは
、典型的には、ブロック構造に一致した性質を作りだす流動性触媒系により生成
される。ブロック構造を有するポリマー鎖は、異なる組成的ミクロ構造のセグメ
ントを含む。従って、本発明のエチレン/ヘキセンコポリマーにおいては、証拠
によれば、エチレンホモポリマーブロックが、エチレン/ヘキセンコポリマーの
隣接セグメントを有するポリマー鎖中に分散されていることが示される。エチレ
ンホモポリマーセグメントは、ポリエチレン結晶性の領域を形成し、一方、エチ
レン/ヘキセンコポリマーセグメントは無定形となるから、ポリマーは全体とし
て、ランダムに分散されたコモノマーとエチレンのコポリマーにおいて見られる
よりも大きい程度で、無定形領域に挟まれたポリエチレン結晶性の領域を含む。
典型的には、本発明のコポリマーの上限ピーク融点は、対応するランダムコポリ
マーのものより高いが、融解遷移(melting transition)は、比較的広く、典型
的に多峰または2峰融点ピークを有する。このデータは、本発明のポリマーが、
ランダムエチレンポリマー中に存在するよりも、より大きく、熱力学的により安
定な結晶を含み、より長いエチレン連鎖を含んでいることを示している。
【0006】 同じ分岐のランダムポリマーよりも高い融点側に広がる本発明のコポリマーが
示す広い融点範囲は、本発明のコポリマーが結晶化してより広い範囲の結晶型(
高融点および低融点)を与えることを示している。高融点結晶は、ランダムコポ
リマーで生じるよりも長いエチレンホモポリマー連鎖の形成を可能にする非ラン
ダムコモノマーの混入の結果である。ヘキセンのようなコモノマーは、結晶化を
妨害し、従って、ポリマー鎖が結晶化してできる最も大きく、最も安定は結晶は
、存在する最も長いエチレン単位の連続長さにより規定される。
【0007】 さらに、本発明のコポリマーは、結晶性または分子量により分離されたフラク
ションの中で、狭い組成分布を示す。本発明のコポリマーは、狭い組成分布から
生じる、改良された光学特性、例えばフィルムにおける透明性および低いヘーズ
を有している。また、本発明のコポリマーは、比較的広い多分散性、すなわち優
れた加工性に結びつく性質を示す。
【0008】 本発明の別の態様では、本発明のオレフィンコポリマーは、低いガラス転移温
度、約90℃より高い融点、高い分子量、および鎖間の狭い組成分布を特徴とす
る。本発明のコポリマーは、異なる結晶化度のフラクションに連続して分別され
得る新規反応器ブレンドである。しかしながら、これらフラクションは、元の反
応器ブレンドからは15%未満でしか異ならないコモノマー組成を示す。また、
本発明は、各状態が異なる共重合特性を有する、すなわち、各状態が成長してい
るコモノマー鎖へ所定のエチレンまたはC4+モノマーを挿入する異なる相対速度
および特定の反応条件下で異なるモノマーに対する優先的な選択性を有する状態
間で相互に変換できる未架橋流動(構造)性メタロセン触媒を用いて、上記のよ
うなコポリマーを製造する方法にも関する。
【0009】 本発明の重要な目的は、商業的に重要な物理的特性、すなわち分子量分布Mw
/Mn>2、狭組成分布</=15%、高融点インデックス、約90℃より高く
、代表的には同じモノマー単位組成を有するランダムコポリマーの融点より高い
融点を有する新規なポリオレフィンコポリマーを製造する方法を提供することで
ある。本発明のさらなる目的は、狭い組成分布を有し、融点が約90℃より高い
、結晶性の新規高融点ポリオレフィンコポリマーを製造することである。本発明
の他の目的は、ポリマーの融点は約90℃より高い、狭い組成分布を有する、新
規な結晶性高融点ポリオレフィンコポリマーを製造することである。本発明の別
の目的は、高融点、マルチブロック、ブレンドおよびマルチブロック/ブレンド
ポリオレフィンコポリマーエラストマーを製造することである。これらの新規ポ
リマーは、熱可塑性物質として、また他のポリオレフィンブレンドの相溶化剤と
して有用である。
【0010】 本発明のコポリマーは、最初に米国特許第5594080号に記載された新し
い種類の流動性(流動構造)メタロセン型触媒を用いて製造される。このような
触媒は、ポリマー鎖中にブロック構造を形成し、フィルムを含む多様な用途にと
って有利である性質の組み合わせを有するポリマー生成物を生じる。このような
性質の組み合わせには、狭い組成分布、広い多分散性、および典型的には同じモ
ノマー単位組成のランダム分散コポリマーよりも高い上限融点を持つ広い融点遷
移が含まれる。
【0011】 本発明のコポリマーから製造される物品は、改良されたポリマー加工性、高温
特性範囲および均一性から、有利である。用途には、フィルム(熱シール性フィ
ルムを含む)、および成形品が含まれる。フィルムについて更に記述すると、低
いヘーズおよび改良された透明性のような改良された光学的性質を有するフィル
ムを製造することができる。
【0012】 本発明のコポリマーは、2より大きい多分散性、示差走査熱量計により測定し
た広い融点遷移(melting point transition)、および狭い組成分布を有する、
エチレンと少なくとも4個の炭素原子を有するコモノマー少なくとも1種とのコ
ポリマーとして特徴付けることができる。本発明のエチレン/C4+コポリマーは
、同じモノマー単位組成のランダムコポリマーのピーク融点より高い少なくとも
1つのピーク融点も示し得る。このようなコポリマーは、適当な流動性メタロセ
ン触媒系の存在下、重合条件下に、エチレンおよびコモノマーを接触させること
により製造される。
【0013】 (発明を実施するための最良の形態を含む詳細な説明) 以下の詳細な記述により、本発明を例として説明するが、それは本発明を限定
するものではない。この記述により、当業者は、本発明を実施し、使用すること
ができ、この時点で本発明を実施するために最良であると考えられる形態を含め
て、本発明の幾つかの態様、適応、変形、変更および利用を説明する。 これに関して、本発明を、幾つかの実施例により説明するが、多くの様相、相
互関係およびそれらのサブコンビネーションは、1つの実施例では完全には説明
できない。明瞭さおよび簡潔さのために、実施例の幾つかは、本発明の特定の要
件の様相または本発明の原理のみを示しており、その様相にとって本質的でない
または例示的なものは省略されている。従って、1つの様相または要件のベスト
モード態様は、1つの実施例または試験の中に示されているかもしれず、異なる
様相のベストモードは、1つまたはそれ以上の他の実施例、試験、構造、式また
は議論の中に集められているであろう。 本明細書中に引用された文献、特許および出願は、個々の文献、特許および出
願があたかも明示的に記載されているように、ここに引用して組み込まれる。
【0014】 発明者らは、未架橋流動性メタロセンをオレフィン重合用触媒として用いるこ
とにより、狭い組成分布の高融点ポリオレフィンを製造できることを、予想外に
も見出した。 便宜のために、本明細書を通じて、幾つかの用語は以下のように定義する。 記号「</=」および「>/=」は、それぞれ「と等しいまたはより小さい(
少ない)」および「より大きい(多い)またはと等しい」を意味する。 「マルチブロック」ポリマーまたはコポリマーは、所定の連鎖の構造または組
成が隣接する連鎖の構造または組成と異なっている、モノマー単位の複数のブロ
ック連鎖からなるポリマーを意味する。さらに、ここに規定するマルチブロック
コポリマーは、各ポリマー鎖中に少なくとも2回所定の連鎖を含むことがある。 「組成分布」は、異なるポリマー鎖間のコモノマー組成における変化であり、
所定の重量割合の分別試料の平均モルパーセント組成からの差(モル%表示)と
して記述される。分布は、中央値に対して対称である必要はなく、数値(例えば
10%)で表した場合、その数値は、中央値から分布が大きい方を示す。
【0015】 「エラストマー性(elastomeric)」は、延伸後に形状を回復する傾向がある
物質、例えば、100、200および300%延伸の後、正の回復力を示すよう
な物質を示す。 「融点インデックス」(MPI=Tm/Xcとも記載する)は、コポリマーの融
点Tmの結晶性成分のモル分率Xcに対する比を意味する。 「結晶性成分」とは、そのホモポリマーが結晶性ポリマーであるモノマー成分
を言う。例えば、ポリエチレン結晶性を示すエチレンコポリマーでは、結晶性成
分はエチレンである。 融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した場合に、融解吸熱
の最大値として得られる。DSCサーモグラムに2以上の極大値があれば、ポリ
マーは、2以上のTmを有し得る。
【0016】 本発明のコポリマーは、DSCサーモグラムにおいて示される広い融解範囲、
結晶性または分子量により分離されるフラクションにおける狭い組成分布、およ
び比較的広い分子量分布(または多分散性)により特徴付けられる。このような
特性の組み合わせにより、顕著で、商業的に有用な特性を有するエチレンコポリ
マー生成物を製造することができる。
【0017】 本発明のコポリマーは、エチレンと、4〜約20個、代表的には4〜約10個
の炭素原子を含むオレフィンモノマー(本明細書では、「C4+モノマー」と略記
する。)とから形成される。好ましいコモノマーは、4〜8個の炭素原子を含む
。代表的なコモノマーには、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デセンが含まれる。ブテン、ヘキ
セン、オクテンモノマーが好ましく、ヘキセンが最も好ましい。コモノマーの混
合物も使用することができる。
【0018】 本発明のコポリマーに含まれるコモノマーの量は、所望の性質により変化する
。典型的には、本発明のコポリマーは、50モル%まで(好ましくは40モル%
まで)のコモノマーを含む。代表的なコポリマーは、30モル%まで、または1
0モル%までのコモノマーを含むことができる。 より高い密度の高結晶性ポリマーの場合、本発明のコポリマーは、10モル%
まで、好ましくは5モル%までのコモノマーを含むことができる。典型的には、
本発明で使用されるコモノマーの最少量は、エチレンホモポリマーの性質を変え
るのに必要とされるコモノマー量に依存する。この量は、代表的には、約1モル
%より多く、多くの場合、約2モル%より多い。
【0019】 本発明に従って製造されたコポリマーの性質は、エラストマー性から熱可塑性
まで変化し得る。約10モル%を超えるコモノマーを含む本発明のコポリマーは
、典型的にはエラストマー特性を有する。しかし、重合反応に水素を添加すると
、水素を添加しない場合にはエラストマーであるコポリマーと同じモノマー組成
を有するプラストマー(plastomer)を製造することができる。
【0020】 本発明のエチレンコポリマー生成物は、典型的には、広い範囲の結晶融解を伴
う2峰または多峰結晶融点遷移を示す。結晶融点Tmは、図3に示すようなDS
Cサーモグラムにおける最も高い温度ピークに帰属し得るが、本発明のコポリマ
ーは、典型的には、広い融点範囲および低温融点ピークを示す。DSCサーモグ
ラムにおける広い融点範囲は、異なる大きさの結晶の分布および熱力学的安定性
、従って、ポリマー鎖中の結晶性連鎖の分布を示している。サーモグラム中のピ
ークは、同じ安定性の結晶の濃度増加を示している。ある場合には、分離した2
峰融点範囲が存在する。これは、ポリマー鎖のほとんどが、高および低融点結晶
のより高い濃度、並びに中間温度で融解する結晶の低い濃度を有していることを
示している。
【0021】 表に示された融点データは、複数の結晶融点を含んでいる。このような場合(
特に、95モル%未満のエチレンを有するコポリマーについて)、報告された最
も高いTmは、同じ量のランダム分布コモノマーを有するコポリマーについて予
測される融点よりも高い。非常に高いエチレン含量のコポリマー(約95モル%
を超えるエチレン)の場合、ランダムコポリマーの融点は、本発明のブロックコ
ポリマーにおいて観察される最も高いTmに近づくか、または実験誤差範囲内に
あるであろう。しかしながら、本発明のコポリマーは、最も高いエチレン含量に
おいてさえ、広い、ある場合には多峰融点ピークを示し、従って、明かにランダ
ムコポリマーとは異なる性質を有する。
【0022】 本発明のポリマーは、最低融点から最高融点までが50℃を超え、150℃ま
たはそれ以上にわたる広い融点範囲を示す。好ましくは、75℃を超え(多くの
場合、100℃より高い)、約150℃範囲までの融点範囲を有し得る。このよ
うな広い範囲内でのDSCサーモグラムに、多峰、通常2峰極大値(Tmとして
報告される)が存在し得る。
【0023】 分子量分布(または多分散性)は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)法に
より測定された、重量平均分子量を数平均分子量で割った値(Mw/Mn)とし
て記述される。典型的なメタロセン触媒によって製造したポリマーでは、多分散
性は狭い(Mw/Mn=2)。典型的には、より広い多分散性は、加工装置中で
のポリマーの加工性を高め、多くの場合、工程でのポリマーの生産量をより高く
する。生産量を高める能力は、付加的な装置を導入することなしにプロセスユニ
ットの生産力を増すことができるので、経済的に大きな利点である。
【0024】 本発明のコポリマーは、典型的には、2を超える、通常3を超える分子量分布
(Mw/Mn)または多分散性を有している。有用は多分散性は、12までまた
はそれ以上であり得る。好ましい本発明のコポリマーは、約3〜約10、より好
ましくは約4〜約9の範囲の多分散性を有している。
【0025】 本発明の別の特徴は、結晶性または分子量により分離された生成物フラクショ
ンにおいて、モノマー単位組成の分布が狭いことである。通常は結晶性によりポ
リマー鎖を分離する溶媒分別された生成物の場合、コモノマー組成分布の範囲は
、典型的には約15モル%未満、好ましくは約12モル%未満、より好ましくは
8〜10モル%未満で変化する。これらフラクションについて組成分布は狭いが
、DSCにより測定された融点遷移は、溶媒フラクション間で実質的に変化し得
る。分別に使用される溶媒には、還流条件でのジエチルエーテル(エーテル)、
ヘキサン(飽和C6異性体)およびn−ヘプタンが含まれる。他の適した溶媒も
使用できる。
【0026】 本発明のポリマーは、典型的には、超臨界プロパン分別法により分子量によっ
て分離されたフラクション内で、非常に狭い組成分布も示す。McHughおよびKruk
onisにより "Supercritical Fluid Extraction: Principles and Practice", 第
2版(Butterworth-Heinemann)(1994)に記載されているように、臨界条件に
おける流体、例えばプロパンへのポリマーの溶解性は、圧力の関数である。従っ
て、超臨界流体分別は、分子量および短鎖分岐度に従って直鎖低密度ポリエチレ
ンのフラクションを分離するために、使用することができる。超臨界流体、例え
ば液状プロパンを用いた異なる分子量の本発明ポリマーのフラクションは、典型
的には、5%未満、好ましくは約3%未満の狭い組成分布を示す。
【0027】 本発明のコポリマーの特に好ましい(現在のところベストモードである)態様
は、以下の特性を有する: (a)30〜99%の結晶性成分モル分率Xc; (b)2を超える(>2)典型的な分子量分布Mw/Mn;および (c)約90℃を超える融点。 かつ、このコポリマーは、エーテル可溶性フラクション0〜70重量%、約12
5℃までの融点範囲を示し得るヘキサン可溶性フラクション0〜95%、および
約142℃までの融点範囲を示し得るヘキサン不溶性フラクション0〜95%を
含む。
【0028】 1つの好ましい態様での本発明のコポリマーは、異なる結晶化度および異なる
融点のフラクションに分別できる反応器ブレンド(reactor blends)に特徴があ
る。しかしながら、コポリマーの種々のフラクションのコモノマー組成は全て、
反応器中で製造されたポリマー生成物の組成の15%内にある。
【0029】 本発明のコポリマーの融点は高く、典型的には90℃を超え、融点インデック
スTm/Xcも高く、典型的には80℃を超え、好ましくは115℃を超える。個
々のフラクションも、高い融点インデックスを示す。例えば、本発明のコポリマ
ーから、115℃程度の高い融点および160℃程度の高い融点インデックスを
示すヘキサン可溶性フラクションを単離することができる。コポリマーのガラス
転移点(Tg)は低く、典型的には−20℃未満、好ましくは−50℃未満であ
る。
【0030】 本発明のポリマーの分子量は、非常に高くてよく、重量平均分子量Mwが1,
000,000を超えるものを容易に得ることができ、2,000,000のよう
な高い分子量も観察される。ポリマー製品の分子量は、場合により、当業者によ
く知られているように、温度の制御により、または水素若しくはアルキル金属の
ような連鎖移動剤を添加することにより、制御することができる。
【0031】 いかなる理論にも束縛されることを欲するものではないが、本発明の製法にお
いて、流動性触媒の異なる活性種は、コポリマー鎖の形成中、平衡状態にある。
このことは、本発明において、重合プロセス中に異なる共重合特性を有する状態
間、即ち、各状態が、特定の反応条件下で、成長しているコポリマー鎖の中にエ
チレンまたはC4+モノマーを挿入する異なる相対速度および異なるモノマーに対
して優先的選択性を有している状態間で、異性化できる未架橋メタロセンの種類
により提供される。従って、本発明の方法は、ブレンドのブロックまたは成分が
異なるモノマー組成を有しているマルチブロックコポリマーまたはコポリマーブ
レンドを与える。
【0032】 本発明において使用される触媒は、平均して単一ポリマー鎖の形成速度の数桁
の大きさ(several orders of magnitude)内の速度で構造が変化できる未架橋
非剛直(流動構造)メタロセンからなる。本発明によれば、相互変換および形成
の相対速度は、特定のコモノマーに対して異なる選択性を有する異なる配位構造
の状態間で構造が変化できるように、シクロペンタジエニル配位子上の置換基の
選択(存在しない場合も含む)により、制御することができる。
【0033】 本発明の1つの態様は、配位構造が異なっている状態間で相互変換できるメタ
ロセン触媒を包含する。従って、本発明は、2つの状態の相互変換速度が単一ポ
リマー鎖の形成速度の数桁の大きさ内であるようにメタロセンシクロペンタジエ
ニル配位子の置換基を選択することを含む。すなわち、触媒の状態間の相互変換
速度riが、平均して、個々のポリマー鎖の形成速度rfよりも大きいなら、本発
明の方法および触媒を使用して得られるポリマーは、(先に定義した)マルチブ
ロックとして特徴付けられる。相互変換速度が形成速度より小さい場合、得られ
るのはポリマーブレンドである。両速度がバランスされている場合、ポリマーは
、ブレンドとマルチブロックとの混合物として特徴付けられる。これら3つの典
型の間に、広い範囲の変形および中間状態が存在し得る。
【0034】 シクロペンタジエニル配位子上の置換基の性質は、重要である。シクロペンタ
ジエニル配位子の置換パターンは、2つ(またはそれ以上)の状態(図1参照)
でエチレンおよび他のα−オレフィンに対する異なる反応性を与えるように配位
構造は異なり、触媒の状態の相互変換速度が単一鎖の形成速度の数桁の大きさ内
であるようにしなければならない。いかなる理論にも束縛されることを欲するも
のではないが、立体性を要求するシクロペンタジエニル置換基、例えば3,5−
ジ置換アリール基は、2つの状態間の最適化された相互変換速度を与える。
【0035】 別の態様は、配位構造が異なっている3以上の間での相互変換が可能なメタロ
セン触媒を含む。これは、触媒の3以上の安定状態が異なっている配位構造を有
するように置換されたシクロペンタジエニル型配位子を有するメタロセンにより
、提供される。例えば、4つの構造を持つ触媒の1例を、図2に示す。
【0036】 本発明によれば、コポリマーの性質は、触媒上のシクロペンタジエニル単位の
種類;触媒中の金属原子の種類の1つまたはそれ以上を変化させることにより、
および方法条件を変化させることにより、例えばコモノマーの種類;コモノマー
の供給比;温度の変化、水素の存在および/または他の通常の方法条件の制御に
より、制御することができる。
【0037】 本発明のコポリマーを製造するのに有用な触媒系は、典型的には、適当な共触
媒の存在する遷移金属成分メタロセンを含む。広い範囲において、遷移金属化合
物は、式:
【化2】 (式1) (式中、Mは、3、4または5族の遷移金属、ランタニドまたはアクチニドであ
り、XおよびX'は、同一または異なって、ユニネガティブ配位子、例えばハイ
ドライド、ハロゲン、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、アミン、アミドま
たはボロハイドライド置換基(好ましくは、ハロゲン、アルコキシドまたはC1
−C7ヒドロカルビル)であり(ただし、これらに限定されない)、LおよびL'
は、同一または異なって、多核ヒドロカルビル、シラ(sila)ヒドロカルビル、
ホスファ(phospha)ヒドロカルビル、アザヒドロカルビル、アルセニ(arseni
)ヒドロカルビルまたはボラ(bora)ヒドロカルビル環であり、代表的には、置
換シクロペンタジエニル環またはヘテロシクロペンタジエニル環である。) を有し、適当な共触媒と組み合わせられる。好ましい遷移金属の例には、チタン
、バナジウム、より好ましくはジルコニウムまたはハフニウムが包含される。3
族金属の例はイットリウムであり、ランタニドの例はサマリウムであり、アクチ
ニドの例はトリウムである。
【0038】 好ましくは、LおよびL'は、式:
【化3】 (式2) (式中、R1、R2、R3、R9およびR10は、同一または異なって、水素、1〜約
30の炭素原子を有する、アルキル、アルキルシリル、アリール、アルコキシア
ルキル、アルコキシアリール、アルコキシシリル、アミノアルキル、アミノアリ
ール、若しくは置換アルキル、アルキルシリルまたはアリール基である。) を有する。
【0039】 この一般式の配位子は、置換シクロペンタジエンを含む。エチレンコポリマー
を製造するための式2の他の配位子LおよびL'は、一般式:
【化4】 (式3) (式中、R2〜R10は、上記のR1、R2、R3、R9およびR10の定義と同じであ
る。) で示される置換シクロペンタジエンを含む。
【0040】 好ましい式1のLおよびL'は、R1がアリール基、例えば置換フェニル、ビフ
ェニルまたはナフチル基であり、R2およびR3が3またはそれ以上の炭素原子を
有する環の一部として結合されている式2の配位子である。本発明のコポリマー
を製造するために特に好ましい式1〜3のLまたはL'は、置換インデニル配位
子、とりわけ式:
【化5】 (式4) (式中、R4〜R14は、同一または異なって、水素、ハロゲン、アリール、ヒド
ロカルビル、シラヒドロカルビルまたはハロヒドロカルビル基である。) の2−アリールインデンである。即ち、式2のR1がR4〜R8−置換ベンゼンで
あり、R2およびR3が6員環となってインデン基を形成している。
【0041】 好ましい2−アリールインデンには、R5およびR7が水素以外の置換基(例え
ば、約12までの炭素原子を有する、アリール、ヒドロカルビル、シラヒドロカ
ルビル、アルキルシリルまたはハロヒドロカルビルである配位子が包含される。
置換基の例には、C1〜C6アルキル(好ましくは、C3〜C6分岐アルキル、例え
ば、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソアミル)、ハロ
ゲン化アルキル、およびアルキルシリルが含まれる。特に好ましい置換基は、嵩
高い基、たとえばt−ブチル、トリフルオロメチルおよびトリメチルシリルであ
る。
【0042】 他の好ましい配位子は、非水素R9またはR10置換基を含む。好ましい置換基
には、低級(C1〜C6)アルキル、例えばメチルまたはエチルが含まれる。典型
的には、R9またはR10置換基を含む系が、3以上の回転対称状態を含む流動性
メタロセン触媒系を創造する。
【0043】 本発明の他の好ましい態様において、流動性触媒系は、上記のような必須の相
互変換状態を提供する予め選択された置換基を有する2つの異なる置換基を含む
メタロセン成分を含んでいる。
【0044】 本発明の流動性メタロセン触媒の製造に有用な2-アリールインデンには、次の
ものが包含される: 2-(3,5-ジメチルフェニル)インデン; 2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデン; 1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデン; 2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデン; 1-メチル-2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデン; 2-(3,5-ビス-トリメチル- シリルフェニル)イデン; 1-メチル-2-(3,5-ビス-トリメチルシリルフェニル)インデン; 2-(4-フルオロフェニル)インデン; 2-(2, 3, 4, 5-テトラフルオロフェニル
)インデン; 2-(2, 3, 4, 5, 6-ペンタフルオロフェニル)インデン; 2-(1-ナフチル)インデン; 2-(2-ナフチル)インデン; および 2-[(4-フェニル)フェニル]インデン; および2-[(3-フェニル)フェニル]
インデン。
【0045】 本発明に有用である代表的な流動性メタロセンには、次のものが包含される: ビス[2-(3,5-ジメチルフェニル)インデニル] ジルコニウムジクロライド; ビス[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ジルコニウム
ジクロライド; ビス[2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデニル] ジルコニウムジクロライ
ド; ビス[2-(3,5-ビス-トリメチルシリルフェニル)インデニル] ジルコニウムジ
クロライド; ビス[2-(4-フルオロフェニル)インデニル] ジルコニウムジクロライド; ビス[2-(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)インデニル] ジルコニウムジク
ロライド; ビス(2-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)インデニル])ジルコニウムジ
クロライド; ビス[2-(1-ナフチル)インデニル] ジルコニウムジクロライド; ビス(2-(2-ナフチル)インデニル])ジルコニウムジクロライド; ビス(2-[(4-フェニル)フェニル]インデニル])ジルコニウムジクロライド
; ビス[2-[(3-フェニル)フェニル]インデニル] ジルコニウムジクロライド; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ジ
ルコニウムジクロライド; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ジルコニウム
ジクロライド; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ジ
ルコニウムジメチル; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ジルコニウム
ジメチル; (シクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ジルコニウムジ
クロライド; (シクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド
; (シクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ジルコニウムジ
メチル; (シクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル; (1-メチル-2-フェニルインデニル)(2-フェニルインデニル)ジルコニウムジ
クロライド; (1-メチル-2-フェニルインデニル)[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニ
ル)インデニル] ジルコニウムジクロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル](2-フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル][2-(3,
5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ジルコニウムジクロライド
; および (1-メチル-2-フェニルインデニル)[2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデ
ニル] ジルコニウムジクロライド。
【0046】 本発明に有用である代表的な流動性メタロセンには、次のような対応するハフ
ニウム化合物が包含される: ビス[2-(3,5-ジメチルフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド; ビス[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ハフニウムジ
クロライド; ビス[2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド
; ビス[2-(3,5-ビス-トリメチルシリルフェニル)インデニル] ハフニウムジク
ロライド; ビス[2,(4-フルオロフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド; ビス[2-(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)インデニル] ハフニウムジクロ
ライド; ビス[2-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)インデニル] ハフニウムジク
ロライド; ビス[2-(1-ナフチル)インデニル] ハフニウムジクロライド; ビス[2-(2-ナフチル)インデニル] ハフニウムジクロライド; ビス(2-((4-フェニル)フェニル)インデニル])ハフニウムジクロライド; ビス[2-[(3-フェニル)フェニル]インデニル] ハフニウムジクロライド; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ハ
フニウムジクロライド; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ハフニウムジ
クロライド; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ハ
フニウムジメチル; (ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ハフニウムジ
メチル; (シクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ハフニウムジク
ロライド; (シクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ハフニウムジクロライド; (シクロペンタジエニル)(1-メチル-2-フェニルインデニル)ハフニウムジメ
チル; (シクロペンタジエニル)(2-フェニルインデニル)ハフニウムジメチル; (1-メチル-2-フェニルインデニル)(2-フェニルインデニル)ハフニウムジク
ロライド; (1-メチル-2-フェニルインデニル)[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニ
ル)インデニル] ハフニウムジクロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル](2-フェ
ニルインデニル)ハフニウムジクロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル][2-(3,
5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド; (1-メチル-2-フェニルインデニル)[2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデ
ニル] ハフニウムジクロライドなど。
【0047】 特に好適なメタロセン成分には、次のものが包含される: ビス[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ハフニウムジ
クロライド; ビス[2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド
; ビス[2-(3,5-ビス-トリメチルシリルフェニル)インデニル] ハフニウムジク
ロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル](2-フェ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル][2-(3,
5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ジルコニウムジクロライド
; ビス[2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ハフニウムジ
クロライド; ビス[2-(3,5-ビス-t-ブチルフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド
; ビス[2-(3,5-ビス-トリメチルシリルフェニル)インデニル] ハフニウムジク
ロライド; [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル](2-フェ
ニルインデニル)ハフニウムジクロライド; および [1-メチル-2-(3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル][2-(3,
5-ビス-トリフルオロメチルフェニル)インデニル] ハフニウムジクロライド。
【0048】 実施例は、高収量でメタロセンを製造するための方法を開示する。一般に、メ
タロセンは、常法に従い、インデニルリガンド(配位子)を形成し、次いで金属
テトラハライドで金属化して、錯体を形成することによって製造される。
【0049】 好適な共触媒には、アルキルアルミニウム化合物、メルチアルミノキセン、ま
たは変性メルチアルミノキセンが包含される〔U.S. 特許 4,542,199、 Kaminsky
, et al.; Ewen, J. Am. Chem. Soc., 106(1984), p. 6355; Ewen, et al., J
. Am. Chem. Soc. 109(1987)p. 6544; Ewen, et al., J. Am. Chem. Soc. 110
(1988), p. 6255; Kaminsky, et al, Angew. Chem., Int. Ed. Eng. 24(1985
), p. 507〕。他の有用な共触媒には、 ルイス酸またはプロトン酸、例えば B
(C6F53または(PhNMe2H)+B(C6F54 -が包含され、これらは、アルキルアル
ミニウム化合物の存在下または不存在下に、相溶性の非配位性アニオンと共に、
カチオン性メタロセンを生成する。カチオン性第4群メタロセンと、相溶性の非
配位性アニオンとを用いる触媒系は、次の文献に開示されている: U.S. 特許5,
198,119, 5,198,401, および5,223,467; Marks, et al., J. Am. Chem. Soc., 1
13(1991), p. 3623; Chien, et al., J. Am. Chem. Soc., 113(1991), p. 8
570; Bochmann et al., Angew. Chem. Intl., Ed. Engl. 7(1990), p. 780; a
nd Teuben et al., Organometallics, 11(1992), p. 362、これらの開示をも
って本明細書の記載とする。
【0050】 多数の具体例の1つによれば、これらの触媒系は、好適な担体に担持でき、例
えばシリカ、アルミナまたは他の金属酸化物、マグネシウムハライド、例えばMg
Cl2 などが例示される。これら触媒は、溶液相、スラリー相、気相またはバルク
モノマー中で使用することができる。バッチ式および連続式重合法を実施するこ
とができる。溶液重合法の好適な溶媒には、液化モノマー, および脂肪族または
芳香族溶媒、例えばトルエン、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテ
ル、並びにハロゲン化脂肪族または芳香族溶媒、例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼンまたは他の好適な溶媒が包
含される。液体炭化水素の使用が好適であって、例えば、ヘキサンまたはヘプタ
ンが例示され、これにより、廃液流のハロゲン化を回避することができる。水素
、シランおよび金属アルキル、例えばジエチル亜鉛を含め、種々の薬剤を添加し
て、分子量を制御することができる。
【0051】 本発明のコポリマーは、エチレンおよび少なくとも1つのコモノマーを、前記
触媒系と、好適な重合条件下に接触させて、製造される。このような条件には、
重合または共重合および時間, モノマー圧、触媒汚染の回避、スラリー重合法に
おける重合または共重合溶液、ホモポリマーまたはコポリマーの分子量を制御す
るための添加剤の使用および当業者に既知の他の条件が包含される。
【0052】 代表的には、選択した反応系および処理条件に対し、十分な量の触媒または触
媒成分が使用される。触媒量は、選択した特定の触媒の活性に依存する。
【0053】 用いた重合法または共重合法に拘らず、重合または共重合は、合理的な重合/
共重合速度を確保し、かつ不当に長い反応器残留時間を回避するのに十分に高い
温度で実施すべきである。しかし、反応温度は、触媒の不活化またはポリマーの
崩壊を引き起こすほどに高くすべきではない。一般に、約0〜約120℃の温度範囲
であり、好適には、良好な触媒性能および高い生産効率を達成するための見地か
ら、約20〜約95℃の温度範囲である。本発明の好適な重合温度範囲は、約50〜約
80℃である。
【0054】 本発明によれば、オレフィン重合/共重合法は、ほぼ大気圧またはそれ以上の
モノマー圧力で実施する。一般に、モノマー圧力は、約20〜約600 psi(140〜4,
100 kPa)であるが、気相重合/共重合法では、モノマー圧力は、重合/共重合
されるα-オレフィンの重合/共重合温度での蒸気圧未満の圧力とすべきではな
い。
【0055】 重合/共重合時間は、一般に、バッチ式では約0.5時間〜数時間で、連続式で
は対応する平均滞留時間である。約1〜約4時間の重合/共重合時間が、オートク
レーブタイプの反応では代表的である。スラリー法では、重合/共重時間は、所
望により制御することができる。連続スラリー法では、約0.5時間〜数時間の共
重合時間で、十分である。
【0056】 本発明の触媒または触媒成分を使用しうる、気相重合/共重合法の例には、撹
拌床反応器および流動床反応器システムが包含される〔U.S.特許 3,957,448; 3,
965,083; 3,971,786; 3,970,611; 4,129,701; 4,101,289; 3,652,527; および4,
003,712, これらの開示をもって本明細書の記載とする〕。代表的な気相オレフ
ィン重合/共重合反応器系は、オレフィンモノマーおよび触媒成分が添加される
少なくとも1つの反応器を備え、この反応器は、ポリマー粒子形成用の撹拌床を
備える。代表的には、触媒成分は、単一または第1反応器における、1またはそ
れ以上のバルブ制御入口を介し、一緒にまたは別々に添加される。代表的には、
オレフィンモノマーは、再循環ガスシステムを介して反応器に供給し、この再循
環ガスシステムによって、未反応モノマーを排ガスとして除去し、かつ新鮮な原
料モノマーを反応器内に噴射して混合する。液体モノマーは、クエンチング液体
として使用でき、この液体を重合/共重合工程に、再循環ガス系を介して添加し
て、温度を制御することができる。
【0057】 重合/共重合法に拘らず、重合/共重合法は、触媒毒として作用しうる、酸素
や水などの物質を排除するような条件下に実施される。また、本発明によれば、
重合/共重合法は、ポリマー/コポリマーの分子量を制御しうるような添加剤の
存在下に、実施することができる。このためには、通常水素を常法で用いる。通
常は必要ではないが、重合/共重合の完結によるか、または、重合/共重合を緩
和または終了させるか、または少なくとも、本発明の触媒または触媒成分を不活
化することが望ましい場合、触媒を、水、アルコール、二酸化炭素、酸素、アセ
トンなどの適切な触媒不活性剤と、常法で接触させることができる。
【0058】 本発明のオレフィンの重合は、オレフィンを、遷移金属流動性成分を含んでな
る触媒系と、好適な触媒、例えばアルミノキサン、ルイス酸、例えばB(C6F53 またはプロトン酸並びに非配位対イオン、例えばB(C6F54 -の存在下に、接触
させて、実施される。
【0059】 本発明のメタロセン触媒系は、エチレンおよびC4+α-オレフィンコモノマーの
重合並びにα-オレフィンモノマー混合物を重合して、新規な熱可塑性特性、プ
ラストマー特性、およびエラストマー特性を形成するのに、特に有用である。エ
ラストマーの特性は、いくつかの物性値よって特徴付けられる。引張り残留歪(
TS)は、モノマーサンプル任意の伸び率(例えば、100%または300%)で伸長し、
回復させた後、当該ポリマーサンプル中に残留した伸びである。残留歪が小さけ
れば、伸びによる回復は、より高い。応力緩和は、試験片を所定の伸び率で保持
して、所定の期間(例えば、30 sec.または5 min.)の間に低下した応力(力)
の減少として、測定される。反復した伸長の間にヒステリシスを記録するため、
種々の方法がある。本発明では、保持力は、50%伸びの応力(第2回復サイクル
)/100%伸びの初期応力(同じサイクル)についての比率として測定される。
より高い保持力およびより低い応力緩和は、強力な回復力を意味する。より良好
な、一般的エラストマー(ゴム弾性)回復特性は、低い残留歪、高い保持力およ
び低い応力緩和によって示される。
【0060】 本発明のメタロセン触媒は、リガンドL およびL'をシクロペンタジエニル環に
よって置換した、図1の一具体例によって示すことができる。図1に示すように、
状態Aでは、シクロペンタジエニル置換基R1、R2およびR6 およびR7がリガンド X
=X'を超えて突出する一方、状態Bでは、シクロペンタジエニル置換基R1, R2
よびR8 およびR9がリガンドX=X'を超えて突出する。本発明の方法において示さ
れるように、置換基R6 およびR7が 置換基R8およびR9 とは異なっているような
、メタロセンから得られた触媒は、状態A(rEA)において、状態B(rEB)とは異
なったエチレン反応比率を示すことができる。
【0061】 本発明の別の好適な一具体例によれば、ハフニウムを組み込んだ、流動性メタ
ロセン触媒は、エチレンの重合反応性(rE)に比し、より高分子量のオレフィン
コポリマー(例えばヘキセンコポリマー)に対する増加した反応性(rH)を示す
ことができる。
【0062】 本発明の別の具体例は、図2に示したもので、ここでは、リガンドL およびL'
は、メタロセンが、異なる配位形態を有する4つの状態の間で相互に変換しうる
ような、異なる置換2-アリールインデニルリガンドである。図1に示すように、
2つの状態では、メチル基は、オレフィン挿入用の配位部位(円によって図示)
を超えて、突出し、別の2つの状態では、メチル基は、オレフィン挿入用の配位
部位から、離れるように突出する。
【0063】 実施例 次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定
されるものではない。
【0064】 全ての有機金属反応は、標準シュレンクおよびドライボックス法を用いて行っ
た。元素分析は、E+R Microanalytical Laboratoryによって行った。特に断らな
い限り、試薬は、全て市販のもので、さらに精製することなく用いた。2-フェニ
ルインデン、1-メチル-2-フェニルインデン、2-(ビス(3',5'-トリフルオロメ
チル)フェニルインデン、ビス(2-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロラ
イド, rac- およびmeso-ビス(1-メチル-2-フェニルインデニル)ジルコニウム
ジクロライド, エチレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド, およ
びビス(2-(ビス(3',5'-トリフルオロメチル)フェニルインデニル)-ジルコ
ニウムジクロライドは、文献記載の方法で製造した〔Kravchenko, R.; Waymouth
, R. M. Macromolecules 1998, 31, 1-6.〕。有機金属合成に用いたヘキサン、
ペンタンおよび塩化メチレンは、窒素雰囲気下、水素化カルシウムから蒸留した
。テトラヒドロフランは、窒素雰囲気下、ナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留
した。トルエン、エチレンおよびプロピレンは、活性化アルミナおよび担持銅触
媒を充填した、2つの精製カラムに通した。1-ヘキセンおよびクロロホルム-d3
は、水素化カルシウムから蒸留し、ベンゼン-d6は、ナトリウム/ベンゾフェノン
から蒸留した。
【0065】 メタロセン1〜3 エチレン-ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド(メタロセン1): この錯体は、文献記載の方法で製造した〔Wild, F. R. W. P.; Wasiucionek, M.
; Huttner, G.; Brintzinger, H. H. J. Organomet. Chem. 1985, 288, 63-7〕
。 ビス(2-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド(メタロセン2):
この錯体は、文献記載の方法で製造した〔Bruce, M. D.; Coates, G. W.; Haupt
man, E.; Waymouth, R. M.; Ziller, J. W. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 111
74-11182〕。 ビス(2-フェニルインデニル)ハフニウムジクロライド(メタロセン3): この錯体は、文献記載の方法で製造した〔 Bruce, M. D.; Coates, G. W.; Haup
tman, E.; Waymouth, R. M.; Ziller, J. W. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 11
174-11182〕。
【0066】 リガンド A: 2-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデン 凝縮器および滴下ろう斗を備えた500 ml容の三口丸底フラスコに対し、2.62g
(0.11 mol)のMg屑および20 mlの無水ジエチルエーテルを充填した。25.10 g(
0.09 mol)の3,5-ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン溶液(ジエチルエ
ーテル(100 ml))をゆっくり添加し、次いで、30分間還流して、褐色〜灰色溶
液のアリールグリニャール試薬を得た。溶液を室温(RT)に冷却し、セライトプ
ラグに通してろ過し、排気して褐色の油を得た。トルエン(40 ml)を添加し、
懸濁液を0℃に冷却し、2-インダノン(9.22 g, 0.07 mol)の溶液(トルエン(6
0 ml))滴下して、黄褐色〜褐色のスラリーを得た。この混合物を、室温に加温
し、さらに3時間撹拌した。0℃に冷却後、水150 mlでクエンチングし、ヘキサン
(200 ml)を添加し、反応混合物を5M HClで中和した。有機層を分離し、水性相
を50 mlのヘキサンで2回抽出した。合した有機層を、50 mlの塩水で2回洗浄し
、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。セライトによってろ過した後、溶媒を留去
して、21.5 g(89%、2-インダノンを基準)の2-(ビス-3,5-トリフルオロメチル
フェニル)インダノールをオフホワイトの固体として得た。
【0067】1 H NMR(CDCl3, 23℃, 400 MHz): δ 8.05(s, 2H), 7.80(s, 1H), 7.5-7.0
(M, 4H), 3.41(m, 4H), 2.21(s, 1H, OH)
【0068】 アルゴン雰囲気下、このアルコール(21.5 g, 0.06 mol)およびp-トルエン-
スルホン酸一水和物(800 mg)を、トルエン(250 ml)に溶解し、溶液を、6 時
間加熱還流し、14.4 g(70%)の2-(ビス-3,5(トリフルオロメチル)フェニル
)インデンを、ジエチルエーテル/ヘキサン(−18℃)からの再結晶化によって
得た。
【0069】1 H NMR(CDCl3, 23℃, 400 MHz): δ 8.01(s, 2H, Arf), 7.75(s, 1H, Arf
), 7.52(d, J = 7 Hz, 1H), 7.47(d, J = 7 Hz, 1H), 7.43(s, 1H), 7.3
3(dd, 2J = 7 Hz, 1H), 7.27(dd, 2J=7 Hz, 1H), 2.83(s, 2H)13C NMR(C
DCl3 , 23℃, 100 MHz): δ 144.3(s), 143.1(s), 138.0(s), 132.1(q,
2JC-F= 33 Hz), 130.1(d, JC-H= 167 Hz), 127.0(dd), JC-H= 160 Hz, 2J
C-H= 7 Hz), 126.0(dd, JC-H= 159 Hz, 2JC-H= 7 Hz), 125.2(brd, JC-H= 1
62 Hz), 123.9(dd, JC-H= 156 Hz, 2JC-H= 9 Hz), 123.4(q, JC-F= 273 Hz,
CF3), 121.8(dd, JC-H= 160 Hz, 2JC-H= 8 Hz), 120.6(brd, JC-H= 167 Hz
), 38.9(td, JCH= 127 Hz, 2JC-H=7 Hz, CH2)C,H 分析: 実測値(計算値):
C, 62.45(62-20); H 3.01(3.07)
【0070】メタロセン4: ビス(2-(3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル)ジル
コニウムジクロライド N-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5 M、0.850 ml, 2.13 mmol)を、トルエン(
15 ml)中2-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデン(リガンド A)
(648 mg, 1.97 mmol)の溶液に添加した。不均一溶液を、室温で4時間30分間撹
拌して、緑色〜黄色の溶液を得、これを、トルエン(20 ml)中ZrCl4(240 mg,
1.03 mmol)の懸濁液で、カニューレによって処理した。この黄色溶液を、室温
で2.5時間撹拌し、約80℃に加熱し、セライトプラグでろ過した。セライトを熱
トルエンで数回洗浄し(3 x 10 ml)、ろ液を濃縮し、18℃に冷却して、442 mg
(55%)の黄色結晶ビス(2-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニ
ル)ジルコニウムジクロライドを得た。1 H NMR(C6D6, 23℃, 400 MHz): δ 7.67(s, 2H, Arf), 7.55(s, 4H, Arf)
, 7.19(m, 4H, Ar), 6.89(m, 4H, Ar), 5.96(s, 4H, Cp-H)13C NMR(C6D6 , 23℃, 100 MHz: δ 135.6(s), 133.1(s), 131.6(q, 2JC-F= 33 Hz), 12
7.1(brd, JC-H= 161 Hz), 126.8(s), 126.4(dd, JC-H= 161 Hz, 2JC-H= 8
Hz), 125.4(dd, JC-H= 167 Hz), 2JC-H= 5 Hz), 123.8(q, JC-F= 273 Hz, C -F), 121. 8(brd, JC-H= 159 Hz), 102. 5(dd, JC-H=176 Hz, 2JC-H= 7 Hz
, Cp(C-H)C,H分析: 実測値(計算値): C, 49.99(50.01); H 2.32(2.22)
【0071】 メタロセン5: ビス(2-(3,5- トリフルオロメチルフェニル)インデニル)ハ
フニウムジクロライド N-ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン中、2 ml. 3.20 mmol)を、ジエチルエー
テル(10 ml)中、室温で2-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデン
(1.03 g,3.14 mmol)の溶液に滴下した。30分の撹拌後、溶媒を真空下で除去し
、緑色〜黄色の固体を得た。ドライボックスにおいて、HfCl4,(510 mg, 1.59 m
mol)を、リチウム塩に添加した。次いで、固体を−78℃に冷却し、この温度で
、トルエン(45 ml)をゆっくり添加した。フラスコを、室温に達するまで放置
し、懸濁液を、24時間撹拌し、その後、ヒートガンで約80℃に15分間加熱した。
次いで、溶媒を真空下に除去した。固体を、塩化メチレン50 mlで抽出し、溶液
をセライトプラグでろ過した。セライトを塩化メチレンで洗浄し(4×15 ml)、
溶媒をろ液から真空下に除去した。固体を15 mlの塩化メチレンに溶解し、ろ過
し、ろ液に、層を形成するように、ヘキサン40 mlをゆっくり添加した。ビス(2
-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル)ハフニウムジクロライ
ド触媒 Eの結晶をこの層状溶液から、−18℃で得た。
【0072】1 H NMR(C6D6, 23℃, 200 MHz); δ 7.65(s, 2H, Arf), 7.51(s, 4H, Arf)
, 6.7-7.3(m, 8H Ar), 5.63(s, 4H, Cp-H)13C NMR(C6D6 23℃, 100 MHz):
δ 135.8(s), 132.9(s), 131.6(q, 2JC-F= 34 Hz), 127.2(brd, JC-H=
160 Hz), 126.3(dd, JC-H= 161 Hz, 2JC-H= 8 Hz), 126.0(s), 125.6(dd,
JC-H= 167 Hz, 2JC-H= 5 Hz), 123.8(q, JC-F= 273 Hz, CF3), 121.7(brd,
JC-H= 161 Hz), 100.1(dd, JC-H= 176 Hz, 2JC-H= 6 Hz, Cp C-H)C, H分析:
実測値(計算値): C, 45.10(45-18); H, 1.87(2.01)
【0073】 リガンドB-C: 1-メチル-2-(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェニル)イン
デン(リガンドB), および3-メチル-2-(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェ
ニル)インデン(リガンド C) テトラヒドロフラン30 ml中、2-(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェニル)
インデン(リガンド A)(1.819 g, 5.54 mmol)を、−78℃に冷却し、n-ブチル
リチウム(2.5 M、ヘキサン中、2.33 ml, 5.82 mmol)を滴下した。得られた橙
色〜褐色の溶液を室温まで加温し、さらに30分間撹拌した。次いで、ヨウ化メチ
ル(1.20 ml, 19 mmol)を、この溶液に添加し、緑色がかった反応混合物を20時
間、室温で撹拌した。メタノール20 mlを添加し、溶媒を真空下に除去した。得
られた褐色固体を、トルエン30 mlで抽出し、セライトを充填したガラスフリッ
トに通してろ過した。褐色の溶液を、水(2×10 ml)で洗浄し、飽和食塩溶液で
洗浄し(2×10 ml)、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで、蒸発乾固した。ヘ
キサンから結晶化して、黄色結晶のリガンドB(1.073 g)を得た。
【0074】1 H NMR(20℃, CDCl3, 400 MHz): δ 7.87(s, 2H), 7.75(s, 1H), 7.49(d
, 1H, J = 7.3 Hz), 7.42(d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.37(t, 1H, J = 7.3 Hz)
, 7.26(td, 1H, J = 7.3 Hz, J = 1.2 Hz), 3.78(s, 2H), 2.33(s, 3H)元
素分析計算値(実測値)、C18H12F6: C, 63.16(63.12); H 3.53(3.62)
【0075】 ヘキサンからの結晶化を反復して、リガンドB およびC(309 mg)の異性体混
合物を 4 : 1の比率で得た。1 H NMR: 3.14(q, 1H, J = 7.0 Hz), 0.87(d, 3 H, J = 7.1 Hz), 総収量1.0
73 g, 73%
【0076】 (2-フェニルインデニル)ジルコニウムトリクロライド 固体Zr(NMe24(1.280 g, 4.785 mmol)および2-フェニルインデン(0.920
g, 4.785 mmol)を、トルエン(30 ml)と、100 ml容のシュレンク試験官中で合
し、得られた淡黄色の溶液を2.5時間、室温で、わずかに減圧しながら、撹拌し
た。次いで、溶液を蒸発乾固して、黄色の油を得、これを、ペンタン20 mlで抽
出して、二重層のろ紙を装填したカニューレでろ過した。得られたペンタン溶液
を、全容量10 mlに濃縮して、−50℃の冷蔵庫に、一夜入れた。得られた黄色固
体を単離し、真空下に乾燥し、塩化メチレン15 ml中に再溶解した。淡黄色の溶
液を0℃に冷却し、クロロトリメチルシラン(2 ml, 15.8 mmol)をシリンジによ
って添加した。輝黄色の溶液を室温まで加温し、1時間撹拌した。次いで、溶液
を蒸発乾固して、黄色/橙色で、泡沫状の固体を得た。トルエン30 mlを添加し
、混合物を48時間撹拌し、レモンイエローの粉末を得、これを、単離して真空乾
燥した(1.098 g, 59% 収量)この混合物は、さらに精製せずに用いた。
【0077】 メタロセン6:(2-フェニルインデニル)( 1-メチル-2-フェニルインデニル)
ジルコニウムジクロライド ブチルリチウム(2.5 M、ヘキサン中, 0.43 ml, 1.08 mmol)を、シリンジに
よって、1-メチル-2-フェニルインデニル(212 mg, 1.029 mmol)の溶液(ジエ
チルエーテル(25 ml))に、−78℃で添加した。得られた淡黄色の溶液を室温
に加温し、さらに30分間撹拌した。エーテルを真空下に除去して、白色粉末状の
固体を得、これを、固体の(2-フェニルインデニル)ジルコニウムトリクロライ
ド(400 mg, 1.029 mmol)およびトルエン(50 ml)と、合した。得られた懸濁
液を、24時間、室温で撹拌した。固体は、徐々に溶解して、黄色の不透明溶液を
得た。混合物を、セライトを充填したガラスフリットに通してろ過し、次いで蒸
発乾固した。得られた黄色固体を、ペンタン30 ml積層塩化メチレン10 mlから、
−50℃で再結晶化して、メタロセン6、181 mg, 収率31 %を得た。
【0078】1 H NMR(20℃, C6D6, 400 MHz): δ 7.41(d, 2H, J = 11.2 Hz), 7.30(d, 2
H, J = 10.8 Hz), 7.24-6.80(m, 13H), 6.73(d, 1H, J = 11.2 Hz), 6.50
(d, 1H, J = 3.2 Hz), 6.26(d, 1H, J = 3.3 Hz), 5.98(s, 1H), 2.42(s
, 3H)13C {1H} NMR(20℃, CDCl3, 125 MHz): δ 133.75(C), 133.10(C),
132.38(C), 131.41(C), 129.54(C), 129.06(C-H), 128.90(C-H), 12
8.70(C-H), 128.67(C-H), 128.14(C-H), 126.95(C), 126.72(C-H), 1
26.58(C-H), 126.56(C-H), 126.43(C-H), 126.26(C-H), 125.58(C-H)
, 125.05(C), 124.90(CH), 124.56(C), 124.35(C-H), 123.68(C-H),
121.43(C), 104.34(C-H, Cp), 100.70(C-H, Cp), 99.00(C-H, Cp), 12.
54(CH3)元素分析計算値(実測値): C31H24Cl2Zr: C 66.65(66.92); H 4.3
3(4.36)
【0079】 メタロセン7:(2-フェニルインデニル)( 1-メチル-2-(ビス-3',5'-トリフル オロメチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロライド ブチルリチウム(2.5 M、ヘキサン中、0.43 ml, 1.08 mmol)を、1-メチル-2-
(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェニル)インデン(352 mg, 1.029mmol)(
ジエチルエーテル(20 ml)中)の淡黄色溶液に、−78℃で、シリンジによって
添加した。得られた黄色溶液を、室温まで加温し、さらに30分間撹拌した。エー
テルを、真空下に除去し、淡黄色の固体を得、これを、ペンタン20 mlで洗浄し
、固体の(2-フェニルインデニル)ジルコニウムトリクロライド(400 mg, 1.02
9 mmol)およびトルエン(50 ml)と、合した。得られた懸濁液を、24時間、
室温で撹拌した。固体は、徐々に溶解して、黄色の不透明溶液を得た。この溶液
を、セライトを充填したガラスフリットに通してろ過し、次いで蒸発乾固した。
得られた黄色の固体を、ペンタン20 ml積層塩化メチレン10 mlから、−50℃で再
結晶化して、メタロセン7(245 mg, 34 %)を得た。
【0080】1 H NMR(20℃, C6D6, 400 MHz): δ 7.67(s, br, 1H), 7.64(s, br, 2H),
7.30-6.78(m, 13H), 6.43(d, 1H, J = 2.4 Hz), 6.19(d, 1H, J = 2.4 Hz
), 5.59(s, 1H), 5.32(s, 1/3 H, CH2Cl2), 2.24(s, 3H)13C {1H} NMR(
20℃, CDCl3, 125 MHz): δ 135.91(C-H), 133.59(C), 132.58(C), 131.
47(C-CF3, 2JC-F = 33 Hz), 130.76(C), 130.51(C), 129.02(C-H), 128
.98(C-H), 128.80(C-H), 126.87(C-H), 126.81(C-H), 126.77(C-H),
126.62(C-H), 126.52(C-H), 126.25(C-H), 126.21(C), 125.34(C-H),
125.05(C), 124.09(C-H), 123.86(C), 123.23(CF3, JCF = 273 Hz), 1
23.17(C), 121.24(C-H, br), 119.25(C), 102.70(C-H, Cp), 101.76(C
-H, Cp), 99.30(C-H, Cp), 12.12(CH3)、元素分析計算値(実測値):C33H 22 Cl2F6Zr x 1/6.CH2Cl2: C 55.86(56.20); H 3.37(3.18)
【0081】 3〜4週間、ドライボックス中透明バイアルで貯蔵後、黄色化合物は、緑色に変
色した。1H NMRスペクトルの変化は、変色によって検出されなかった。
【0082】 (2-(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェニル)インデニル)ジルコニウム
トリクロライド MeSiNMe2 固体のZr(NMe24(1.260 g, 4.713 mmol)および1-メチル-2-(ビス-3',5'-
トリフルオロメチルフェニル)インデン(1.505 g, 4.58 mmol)を、トルエン(
30 ml)と、100 ml容のシュレンク試験官中で合し、得られた緑色がかった溶液
を2.5時間、室温で、わずかに減圧しながら、撹拌した。次いで、溶液を蒸発乾
固して、緑色〜褐色の固体を得、これを、ペンタン30 mlで抽出して、二重層の
ろ紙を装填したカニューレでろ過した。得られたペンタン溶液を、全容量8 mlに
濃縮して、−50℃の冷蔵庫に、一夜入れた。緑色〜褐色の結晶が形成した。これ
を、単離し、真空下に乾燥し、塩化メチレン20 mlに再溶解させた。得られた溶
液を0℃に冷却し、クロロトリメチルシラン(2 ml, 15.8 mmol)をシリンジによ
って添加した。不透明黄色の溶液を室温まで加温し、1時間撹拌し、全容量1 ml
に濃縮し、次いでトルエン30 mlで希釈した。得られた懸濁液を24時間撹拌した
。レモンイエローの粉末固体を単離し、真空下に乾燥した(1.390 g, 46 %)。
【0083】1 H NMR(20℃, CDCl3, 400 MHz): δ 8.19-8.17(br, 1H), 8.10(br, 2H),
7.99(br, 1H), 7.83(br, 1H), 7.77(br, 1H), 7.61(br, 2H), 7.53(乏
しい解析能として出現、 dd, 2H), 7.44-7.38(br, 1H), 7.30(br, 2H), 7.
20(m, 1H), 7.03(br, 2H), 6.95(s, 1H), 6.83(br, 1H), 2.45(br, 6H
), 0.41(s, 9H)
【0084】 芳香族域のブロードピークは、二量体化またはオリゴマー化形態の(ビストリ
フルオロメチルフェニル)ZrCl3の存在を示すものと思われる。加えて、2つの
各2-ビス(3',5'-トリフルオロメチル)フェニルインデニル当たり、1つのNMe2 基(2.45 ppm)および1つのSiMe3基(0.41 ppm)は、金属に対する配位の存在
を示すものと思われる。この物質は、さらに精製することなく、用いた。
【0085】 メタロセン8:(2-(3',5'-トリフルオロメチルフェニル)インデニル)(1-メ チル-2-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド ブチルリチウム(2.5 M、ヘキサン中、0.55 ml, 1.38 mmol)を、シリンジに
よって、1-メチル-2-フェニルインデニル(277 mg, 1.31 mmol)の溶液(ジエチ
ルエーテル(25 ml))に、−78℃で添加した。得られた淡黄色溶液を室温に加
温し、さらに15分間撹拌した。エーテルを真空下に除去して、白色粉末状の固体
を得、これを、0℃で、固体の(2-(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェニル)
インデニル)ジルコニウムトリクロライド.Me3SiNMe2(695 mg, 1.31 mmol)お
よびトルエン(40 ml)と、合した。得られた暗緑色の溶液を、室温まで加温し
、40時間、室温で撹拌した。この間に、溶液の色彩は、徐々に、レモンイエロー
に変色した。不透明溶液を、セライトを充填したガラスフリットに通してろ過し
、次いで蒸発乾固した。−50℃で貯蔵した塩化メチレン5 ml/ペンタン5 ml溶液
から、橙色の結晶を得た(200 mg, 28 %)。
【0086】1 H NMR(20℃, CDCl3, 500 MHz): δ 7.84(s, 2H, br), 7.82(s, 1H, br),
7.52(t, 2H, J = 7.5 Hz), 7.43(m, 3H), 7.36(m, 2H), 7.29(m, 2H),
7.20(t, 1H, J = 6.0 Hz), 7.08(q, 2H, J = 7.0 Hz), 6.68(d, 1H, J =
2 Hz), 6.38(d, 1H, J = 2 Hz), 5.99(s, 1H), 5.32(s, 1/3 H, CH2Cl2)
, 2.53(s, 3H)13C {1H} NMR(20℃, CDCl3, 125 MHz): δ 135.48(C), 133
.20(C), 132.23(C), 132.20(C), 131.62(C-CF3, 2JC-F = 34 Hz), 130.
23(C), 129.03(CH), 128.61(CH), 128.44(C-H), 126.87(C-H), 126.7
1(C-H), 126.70(C-H), 126.54(C-H), 126.45(C-H), 126.24(C-H), 12
5.90(C), 125.17(C-H), 125.01(C), 124.43(C), 124.15(C-H), 124.1
3(C-H), 123.22(CF3, JC-F = 272 Hz), 121.70(C-H, br), 102.09(C-H,
Cp), 101.20(C-H, Cp), 98.51(C-H, Cp), 12.39(CH3)元素分析計算値(
実測値):C33H22Cl2F6Zr x 1/6.CH2Cl2: C 56.20(56.11); H 3.18(3.09)
【0087】 メタロセン9:(2-(3',5'-トリフルオロメチルフェニル)インデニル)(1-メ チル-2-(ビス-3',5'-トリフルオロメチルフェニル)インデニル)ジルコニウム ジクロライド ブチルリチウム(ヘキサン中2.5 M、0.40 ml, 1.00 mmol)を、ジエチルエー
テル(30 ml)中、2-(ビス-3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデン(リガ
ンド B)(328 mg, 0.958 mmol)の溶液に、−78℃で、シリンジによって添加し
た。得られた淡黄色溶液を室温に加温し、さらに2.5時間撹拌した。エーテルを
真空下に除去して、灰色粉末状の固体を得、これを、ペンタンで洗浄し、ろ過し
、真空下に乾燥した。次いで、固体を、固体の(2-(ビス-3',5'-トリフルオロ
メチルフェニル)インデニル)ジルコニウムトリクロライド.Me3SiNMe2(508 mg
, 0.958 mmol)およびトルエン(50 ml)と、合した。反応混合物を、室温で40
時間撹拌した。不透明溶液を、セライトを充填したガラスフリットに通してろ過
し、次いで蒸発乾固した。得られた固体を、塩化メチレン10 mlで抽出した。黄
色の塩化メチレン溶液を−50℃の冷蔵庫に一夜入れると、黄色の沈殿物が形成し
た(100 mg, 13 %)。
【0088】 1H NMR(20℃, C6D6, 500 MHz): δ 7.56(s, 2H, br), 7.48(s, 2H, br)
, 7.29(d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.08(m, 2H), 6.90(m, 2H), 6.83(t, 2H,
J = 7.0 Hz), 6.66(t, 1H, J = 7.5 Hz), 6.00(d, 1H, J = 2.5 Hz), 5.73
(d, 1H, J = 2.5 Hz), 5.48(s, 1H), 2.14(s, 3H)19F NMR(20℃, C6D6,
282 MHz): d 63.65(s, 3F), 63.57(s, 3F)13C {1H} NMR(20℃, CDCl3, 12
5 MHz): δ 135.61(C), 133.85(C), 132.66(C), 131.64(C-CF3, 2JC-F
= 33 Hz), 131.44(C-CF3, 2JC-F = 33 Hz), 130.78(C), 129.03(CH), 12
9.00(CH), 127.85(C), 126.79(CH), 126.63(CH), 126.57(CH), 126.3
5(CH), 125.91(CH), 124.95(CH), 124.74(C), 124.59(CH), 124.28(
CH), 123.50(CF3, JC-F = 273 Hz), 123.15(CF3, JC-F = 273 Hz), 122.83
(C), 122.09(C), 121.89(CH, br), 121.42(CH, br), 118.74(C), 103
.28(CH, Cp), 100.28(CH, Cp), 99.57(CH, Cp), 12.17(CH3)元素分析計
算値(実測値):C35H20Cl2F12Zr: C 50.61(50.90); H 2.43(2.72)
【0089】 メタロセン10: ビス(2-(ビス-3,5-t-ブチル-4-メトキシフェニル)インデニ ル)ジルコニウムジクロライド 5.584 g(40 mmol)の炭酸カリウムおよび6.3 ml(100 mmol)のヨードメタン
のサンプルを、2.554 g(10 mmol)のビス-3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸
と、反応させ、45℃で30 時間加熱した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラ
フィーにかけ(シリカゲル、ヘキサン中7.5%エーテル)、次いで、ヘキサンか
ら、−20℃で再結晶化して、メチル-ビス-3,5-t-ブチル-4-メトキシベンゾエー
トを得た(収量: 2.213 g(7.95 mmol, 80%))。
【0090】1 H NMR(CDCl3): d 1.42(s, 18H), 3.68(s, 3H), 3.87(s, 3H), 7.93(s
, 2H); 13C NMR(CDCl3): d 31.91, 35.86, 51.93, 64.40, 124.35, 128.24,
144.01, 163.84, 167.45
【0091】 メチルエステル(8 mmol)を、65 mlのテトラヒドロフランに、滴下ろう斗を
用いて溶解し、o-キシレンジクロライド溶液のジグリニャール溶液に、−78℃で
約60分間にわたり、添加した。滴下の間、温度を−70未満の温度に一定に維持し
た。反応混合物を、0℃に1〜2時間で加温し、80 mlの蒸留水を、滴下ろう斗を介
して15〜30分間添加した。反応混合物を、室温まで加温した後、テトラヒドロフ
ランを反応混合物から完全に除去した。残った懸濁液を、pH=1に酸性化し、
塩化メチレンで抽出した。合した有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥し、0.300
g(1.57 mmol)のp-トルエンスルホン酸一水和物と共に、1時間、室温で、撹拌
した。蒸留水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、粗製インデン生成物を
シリカゲルに移し、フラッシュクロマトグラフィーで精製した(収量2.346 g(7
.01 mmol, 87%))
【0092】1 H NMR(CD2Cl2): δ 1.47(s, 18H), 3.71(s, 3H), 3.79(s, 2H), 7.14
(s, 1H), 7.15(td, J = 7.0 Hz, J = 0.8 Hz), 1H), 7.25(t, J = 7.5 Hz
, 1H), 7.37(d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.62(d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.54(s, 2
H); 13C NMR(CD2Cl2): δ 32.18, 36.09, 39.47, 64.65, 120.88, 123.89, 1
24.41, 124.68, 125.36, 126.87, 130.67, 143.53, 144.24, 146.05, 147.55, 1
59.94
【0093】 1.5 mmolの2-(ビス-3,5-t-ブチル-4-メトキシフェニル)インデン生成物の試
料を、50 mlのジエチルエーテル中に溶解した。溶液を、0℃に冷却し、0.6 ml(
1.5 mmol)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5 M)を、シリンジによって滴下
した。冷却浴をはずし、混合物を室温で10時間撹拌し、排気して乾固した。ジル
コニウムテトラクロライド175 mg(0.75 mmol)および100 mlのトルエンを添加
し、反応混合物を25℃で3日間、激しく撹拌した。トルエンを真空下に除去し、
50 mlの塩化メチレンを添加した。懸濁液を、アルゴン雰囲気下、セライト上、
シュレンクフリットに通してろ過し、塩化メチレンで、ろ過液体が無色になるま
で洗浄した。得られた透明溶液の容量は、1/4〜1/5に減少し、ペンタン、ヘキサ
ンまたはジエチルエーテルの相を、慎重に適用した。相状溶液を、−80℃で保存
して、生成物を結晶化した(収量: 293 mg(0.353 mmol, 36%)、黄色固体)。
【0094】1 H NMR(CD2Cl2): δ 1.56(s, 36H), 3.82(s, 6H), ), 6.64-6.68(m, 4H
), 6.72(s, 4H), 6.98-7.01(m, 4H), 7.63(s, 4H); 13C NMR(CD2Cl2):
δ 32.16, 36.13, 64.67, 104.50, 124.32, 125.48, 126.11, 126.40, 127.03,
129.51, 144.65, 160.45. 元素分析計算値 :C48H58Cl2O2Zr: C, 69.54; H, 7.
05. 実測値: C, 69.41; H, 7.24
【0095】メタロセン11および12 ビス[2-(ビス-3,5-tert-ブチルフェニル)インデニル]ジルコニウム・ジク
ロリド(メタロセン11)およびビス[2-(ビス-3,5-トリメチルシリルフェニル
)インデニル]ジルコニウム・ジクロリド(メタロセン12)をSRIインターナシ
ョナルから入手した。
【0096】 一般的重合操作 エチレン−ヘキセン共重合 メタロセンの一部を、N2乾燥ボックス中のトルエン(25mL)に溶解した。
メチルアルミノキサン(MAO)(Akzoタイプ4修飾MAO)を1-ヘキセン(35m
L)に溶解した。このMAO溶液を150mLの2末端注入管に入れた。一方、
300mLのステンレススチールParr反応器を、100mトルまで排気し、Ar
を再充填した。この反応器に、50psig(450kPa)のArを3回流し、次い
で129psig(990kPa)のエチレンを流した。MAO溶液をこの反応器に導
入し、所望の頭部圧力のエチレン下で30分間平衡化させた。1-ヘキセン(3.
2mL)およびメタロセン貯蔵溶液の一部(1.8mL)を25mLの2末端注入管
に導入した。エチレン供給を反応器からはずし、圧力を10psi(70kPa)ま
で排気した。メタロセン溶液を所望の頭部圧力のエチレン下で注入し、反応を開
始させた。エチレン供給を直ちに反応器に再結合した。エチレングリコール/水
の冷却ループにより、反応中の温度を18℃に制御した。1時間後に、Ar圧力
下にメタノールを注入することによって反応を停止させた。反応器を排気し、コ
ポリマーを集め、酸性化したメタノールとともに一晩撹拌した。次いで、このコ
ポリマーをメタノールですすぎ、40℃の真空オーブン中で一定重量になるまで
乾燥した。
【0097】エチレン単独重合 単独重合操作は、共重合に用いた操作と同じであった。しかし、反応溶媒とし
て1-ヘキセンの代わりにヘキサンを用いた。
【0098】エチレン-1-ヘキセンコポリマーの特性化 数および重量平均分子量(MnおよびMw)を、Watersの150C高温クロマトグ
ラフを用いて得た。1,2,4-トリクロロベンゼン中、139℃で、2つのPolym
er Laboratories PL GEL Mixed-Bカラムを用いて、1mL/分の流速で、試料を
測定した。分子量を高密度ポリエチレン標準に対して報告した。粘度はテトラリ
ン中にて130℃で測定した。
【0099】 コポリマー組成およびモノマー配列分布を、13C NMRスペクトルを用いて
測定した。コポリマー試料 (180〜300mg)を、10mm試験管中の2.5
mLのo-ジクロロベンゼン/10容量%d6-ベンゼンに溶解した。13C NMR
スペクトルを、10mm試験管を用いて100℃にて、Varian UI300スペ
クトロメーターにより75.425MHzで記録した。試料を、約0.5mLのd6 -ベンゼンおよび約5mgのクロム(III)アセチルアセトネートを含む1,2-ジク
ロロベンゼン中で調製して、T1スピン緩和時間を減少させた。5秒のパルス反
復間隔およびゲート化(gated)プロトン減結合を用いてスペクトルを得た。
【0100】 モノマー供給速度(Xe/Xh)を、1-ヘキセン中のエチレンの溶解性について
、Spitzら[Eur. Polym. J., 1979, v.85, pp441-4]により報告されている式を用
いて計算した。コポリマー組成(モル%E)および配列分布の測定は、Cheng [Pol
ym. Bull., 1991, v.26, 325]の方法を用いて行った。市販エラストマー(ENGAGE TM 8200およびEXACTTM 4033)の3元分布は、Randall [Macromol. Sci.
Rev. Macromol. Chem. Phys., 1989, v.C29, pp201-317]により示された方法に
よって計算した。
【0101】 ガラス転移、融点および融解熱は、Perkin-Elmer DSC-7を用いる示差走査熱
量法を用いて測定した。初めにコポリマー試料を200℃で10分間加熱し、こ
れを20℃/分で20℃まで冷却し、室温で24時間エージングし、次いで20
℃/分で0℃から200℃まで再加熱することによって、DSCスキャンを得た
。表中の全てのDSC値は再加熱値である。ガラス転移温度を測定するためのス
キャンは、試料を−150℃まで冷却し、次いで40℃/分で0℃まで加熱する
ことによって得た。各ポリマーの2つの試料を測定して、DSC測定が再現性あ
ることを確実にした。密度は勾配カラム法によって測定した(この方法において
は、成形試料片をイソプロピルアルコール/水のカラムにおいて平衡レベルまで
沈降させる)。試料片の浮き(フロート)レベルを、既知密度のガラスビーズの浮
きレベルと比較した。
【0102】 引張および回復試験は、圧縮成形シートからダイ切断したASTM D-170
8 ダンベル試験片(0.9インチのゲージ長さ)を用いて行った。クロスヘッド分
離速度は、3サイクルの100%歪試験に対しては25.4cm/分であり、他
の全ての試験に対しては51cm/分であった。弾性の引張モジュラスは、最低
歪における正接(タンジェント)スロープとして測定した。破断後伸び(破断後の
%伸び)は、試験片の中心10mm部分の直後残留歪として標線から測定した。
3サイクルの100%歪試験は、3回の伸長および回復の連続サイクルにおいて
最初のゲージ長さの2倍まで試験片を伸ばし、100%伸びのところで30秒間
保持し、サイクル間のクロスヘッド回復後に60秒間保持することによって行っ
た。この試験において、最初の2サイクル後の累積歪を、応力(または力)が第3
サイクルにおけるベースラインを越える伸びとして測定する。
【0103】 動的機械分析(DMA)を、1Hzの周波数の張力モードで、Seiko Instruments
のDMS200装置を用いて行った。温度を、2℃/分の速度で−150℃から
+175℃までスキャンした。D1708型試験片の末端タブをトリミングする
ことによって、長方形の試験片を調製した(同じ試験片を引張および回復試験用
に調製した)。中心の1.0cm長さを、DMA装置におけるグリップ間のゲージ
長さとして用いた。試験片の幅は0.5cmであり、厚みは0.05〜0.10c
mであった。
【0104】実施例1〜18:実施A〜V エチレンおよび1-ヘキセンの共重合を、上記のようにメタロセン1、2、3
、4、5、9および10を用いて行った。重合条件を表1にまとめる。得られた
ポリマーのデータおよび特徴を表2にまとめる。
【0105】 表2に示すように、架橋メタロセン1を用いて行った比較実施A〜Eは、ラン
ダムエチレン/ヘキセンコポリマーを生成した。54〜69モル%エチレンを含
むこのメタロセンを用いて調製したポリマーは無定形であり、溶融範囲およびT
m欄に「なし」と示すように、DSC分析によって融点を示さなかった。対照的
に、本発明のメタロセン4は、26〜130℃の範囲の融点を有する55〜70
%エチレンを含むポリマーを生成した。
【0106】 エチルおよびヘキセン挿入のための反応性比rEおよびrHを、13C NMRデ
ータにおける2元分布から計算した。遷移金属としてハフニウムを導入した触媒
3から調製したコポリマーについては、rEおよびrHは、それぞれ2.5±0.2
および0.24±0.03である。これらの値は、表2にまとめた他の触媒から調
製したポリマーについての通常のrE値5〜18およびrH値0.03〜0.18に
匹敵する。即ち、ハフニウム含有のメタロセン触媒は、比較されるジルコニウム
含有のメタロセン触媒において観察される割合よりも大きい割合で優先的に1-
ヘキセンを挿入する。
【0107】 実施例5および6のエチレン/ヘキセンコポリマーの性質を、表3にまとめる
が、これら性質は代表的な他の比較ポリオレフィンエラストマーのものに匹敵す
る。比較実施Tは、Dowから入手した市販のエチレン/オクテンエラストマー (E
ngage 8200TM)であり、比較実施Uは、Exxonから入手したエチレン/ブテン
エラストマー (Exact 4033TM)であり、比較実施Vは、Waymouthら(米国特許
No.5,594,080)が記載しているポリプロピレンエラストマーである。
【0108】
【表1】
【0109】 表1の注: a:1=エチレンビスインデニルジルコニウム・ジクロリド(架橋); 2=ビス(2-フェニルインデニル)ジルコニウム・ジクロリド; 3=ビス(2-フェニルインデニル)ハフニウム・ジクロリド; 4=ビス[2-(3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル]ジルコニウ
ム・ジクロリド; 9=[2-(3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル][1-メチル-2-(
3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル]ジルコニウム・ジクロリド (4
つの回転状態); 10=ビス[2-(3,5-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)インデニル]ジルコ
ニウム・ジクロリド; 11=ビス[2-(3,5-トリメチルシリルフェニル)インデニル]ジルコニウム
・ジクロリド; 12=ビス[2-(3,5-tert-ブチルフェニル)インデニル]ジルコニウム・ジク
ロリド; b:t=重合時間; c:T=重合温度; d:反応に使用したMAOの量(Akzoタイプ4); e:Pe=エチレン圧力(絶対); f:Vhxe=重合に使用した1-ヘキセンの量; g:Vhxa=反応に使用したヘキサン希釈剤の量; h:Vtotal=重合に使用した合計容量:Vtotal−[V(ヘキセン)+V(ヘキサン
)]=使用したメタロセン貯蔵溶液の容量(トルエン中); f:ジルコニウム濃度(μモル)。
【0110】
【表2】
【0111】 表2の注: a:1=エチレンビスインデニルジルコニウム・ジクロリド(架橋); 2=ビス(2-フェニルインデニル)ジルコニウム・ジクロリド; 3=ビス(2-フェニルインデニル)ハフニウム・ジクロリド; 4=ビス[2-(3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル]ジルコニウ
ム・ジクロリド; 9=[2-(3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル][1-メチル-2-(
3,5-トリフルオロメチルフェニル)インデニル]ジルコニウム・ジクロリド (4
つの回転状態); 10=ビス[2-(3,5-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)インデニル]ジルコ
ニウム・ジクロリド; 11=ビス[2-(3,5-トリメチルシリルフェニル)インデニル]ジルコニウム
・ジクロリド; 12=ビス[2-(3,5-tert-ブチルフェニル)インデニル]ジルコニウム・ジク
ロリド; b:Prod.=生成ポリマーkg/金属モル/時間で測定した生産性; c:13C NMRスペクトルで測定したモル%E; d:外挿した半Cp; e:高温GPCによって測定; f:nd=検出せず; g:nm=測定せず; h:Vtotal=重合に使用した合計容量; f:触媒9は4つの回転対称状態を示す(図2)。
【0112】
【表3】
【0113】 表3から明らかなように、実施例5、6および8のポリオレフィンエラストマ
ーは、同様の密度および同等のエラストマー特性を有している。しかし、実施例
5および6のコポリマーエラストマーは、特に有用な特性の組合わせを持つ[低
いガラス転移温度(Tg=−70℃)および130℃を越える溶融範囲を包含する]
。実施例5および比較実施TおよびUのコポリマーは、実施例5に由来する融解
熱は比較的低い[EngageおよびExactについては36および50であるのに対し、
ΔHf(J/g)=16.2]が、実施例5のコポリマーの融点は119℃であるこ
とを示す。この高い融点が、非常に低いエチレンのモル%(EngageおよびExactに
ついてはそれぞれ87または89モル%であるのに対し、73モル%)で達成さ
れることは予想外のことである。
【0114】 本発明のポリマーならびに該ポリマーを製造するための重合触媒および方法が
、特に、現在利用可能なエラストマーよりも高い融点を有するエラストマーとし
て、熱可塑性材料として、ならびに、予め選択した性質(例えば、配合物の融点
の上昇)のために他のポリオレフィンと配合するための成分として、工業的に広
い応用分野を有するであろうことが明らかである。表3およびそれに付随する考
察からわかるように、本発明の代表的なポリマーは、DowのEngage 8200TMおよ
びEXXONの4033TMよりも低い(実施例5、6、8)かまたは同等(実施例20、21
)の結晶度を有しているが、さらに高い温度(例えば、130℃またはそれ以上)
まで広がる比較的広い融点範囲を有している。
【0115】溶媒抽出 本発明のコポリマーの組成的均質性を、沸騰溶媒(例えば、エーテルおよびヘ
キサン)中でコポリマーを抽出することによって調べた。コポリマーを、増加す
る沸点の溶媒中に順番に抽出して、異なる分子量および結晶度の成分を分離した
。ジエチルエーテル、ペンタン、THF、ヘキサン、シクロヘキサンおよびヘプ
タンを用いた。コポリマー(1〜2g)を、抽出筒に入れ、Kumigawa抽出装置にか
けた。ポリマーを、24〜48時間、還流溶媒中に抽出した。溶媒可溶性物質を
、撹拌メタノール中で沈殿させ、次いで40℃の真空オーブン中で乾燥させた。
溶媒不溶性物質は、抽出筒中のまま、真空オーブン中で乾燥させた。次いで、こ
の過程を、全ての物質が溶解するまで、さらに高い沸点の溶媒を用いて、溶媒不
溶性物質について繰返した。表9に挙げた分画実験のために、ヘプタン抽出を最
初に行った。次いで、ヘプタン可溶性物質をジエチルエーテルで抽出した。
【0116】 実施例2および3のコポリマー試料について行った分画実験の結果を、表4に
まとめる。66および71モル%のエチレン単位をそれぞれ含む実施例2および
3において製造したエチレン/ヘキセンコポリマーの一部を、還流エーテルおよ
びヘキサンにより分画した。コポリマー試料を還流エーテル中に抽出し、次いで
、得られた不溶性成分を還流ヘキサンで抽出した。表4に示す結果は、異なる結
晶度の分画に対する組成分布は狭く、平均組成分布の8モル%以内であることを
示す。
【0117】
【表4】
【0118】 コポリマーの種々の分画中のエチレンのモル分画は、全てコポリマー試料のエ
チレンの平均モル%の10%以内であり、これらの物質が狭い組成分布を有する
ことを示した。触媒4を用いて調製した79モル%のエチレンを含むエチレン/
1-ヘキセンコポリマー(実施例7)の試料について、溶媒分画化実験を行った。
コポリマーを、エーテルで48時間抽出し、次いで、エーテル不溶性部分を、ペ
ンタンでさらに48時間抽出した。この操作を、テトラヒドロフラン(THF)、
ヘキサン、シクロヘキサンおよびヘプタンを用いて繰返した。この結果を表5に
示す。これら分画のエチレン含量は、全ポリマーに対して観察された含量の11
モル%以内にあるが、DSCデータにおいて示される分画の結晶度は広範囲に変
化する。
【0119】
【表5】
【0120】超臨界液分画化 通常の有機溶媒中のポリマーの溶解性は、温度および溶媒の種類に依存する。
比較的高い分子量および比較的高い結晶度の成分は、比較的沸点の高い溶媒中で
還流したときに溶解する傾向にある。超臨界液は、ポリマーの溶解性を、系の圧
力によって変えることができるという追加の利点を有する。圧力が増加するにつ
れて、分子量および結晶度が比較的高い成分は溶解するであろう。この超臨界液
の独特の特徴を、ポリオレフィンのホモおよびコポリマーを十分に規定された分
画に分離するために利用することができる。超臨界液分画技術は、短い鎖分岐の
程度および分子量に従って線状低密度ポリエチレンを分画するために、成功裏に
使用されている。
【0121】 90モル%Eを含むエチレン-1-ヘキセンコポリマー(以下の実施例19を参
照)を、超臨界液抽出技術を用いて分画化した。超臨界プロパンを用いるコポリ
マーの分画化を以下のように行った。即ち、コポリマー試料を、小片に切断し、
パッキングを高める表面積を越えて分画チャンバー中に分配した。イルガノック
ス(Irganox)1010(フェノール系の抗酸化安定剤、Ciba)を添加して、実験中
のコポリマーの分解を防止した。コポリマーの融点以上の温度で、超臨界プロパ
ンを用いて、2000psi〜10,000psi(14MPa〜70MPa)の範囲の増
加圧力プロフィールにわたり試料を抽出した。この操作により、分子量による物
質の分画が期待された。この方法は、抽出チャンバーにおいて一定温度(200
℃)を維持しながら、増加圧力(2000〜10000psi;14〜70MPa)で
コポリマーを超臨界プロパン中に抽出することを包含していた。分画化を、コポ
リマーの最高ピーク溶融温度以上で行ったので、分画化は、厳格に分子量に従っ
て起こるものと期待された。
【0122】 この分画化法に従って集めたエチレン-1-ヘキセンコポリマー分画は、極めて
首尾一貫したエチレン含量(モル%E=88±3)を示した。全分画のDSCプロ
フィールは、広い2様式の溶融転移を示した。DSCによって測定した融解熱は
、全ての分画について同等であった(ΔHf=8〜14.5J/g)。代表的な分画
の平均分子量(Mv)を、材料の固有粘度から計算した。コポリマーの抽出に用い
た超臨界液の圧力を用いて、分子量を追跡した(Mv=55,000〜880,00
0)。この結果を表6に示す。
【0123】
【表6】
【0124】実施例19〜21 本発明のコポリマーの一部において示されたエラストマー特性の一部が材料の
高い分子量によるものであるかもしれないので、ポリマー分子量を低下させるで
あろう水素の存在下に共重合を行った。3つの重合を同一条件下で行い、そのう
ちの2つは水素の存在下に行った。
【0125】 分子量制御のための水素の存在下に、10モル%ヘキセンを含むエチレン-1-
ヘキセンコポリマーを調製するために、重合を行った。実施例20および21に
おいて、それぞれ2.5mモルおよび5.0mモルの水素をバッチ重合反応器に添
加したことを除き、MAOと触媒4を用いて上記のように重合を行った。得られ
たコポリマーの特性を表7および表8に示す。バッチ反応器中の水素濃度が重合
中に低下したので、多分散性は高かった。これは、水素濃度が低下するにつれて
、異なる分子量のポリマーが生成するためである。水素の添加により、引張モジ
ュラスの大きな増加から明らかなように、エラストマーというよりむしろプラス
トマーである生成物が得られた。実施例19〜21の生成物の溶媒抽出を、上記
の方法を用いて行った。この結果を表9に示す。ここでも、溶媒分画の間の組成
分布は、狭く、±10%以内であった。
【0126】 予想されたように、コポリマーの分子量は、系に水素を導入したときに劇的に
低下した。コポリマーの多分散性は、水素の存在下に調製した物質については比
較的高かった。DSCによって測定した溶融転移は、3つのコポリマーについて
同等の範囲にあった(Tm=20〜127℃)が、融解熱は大きく異なっていた。
コポリマーの結晶度は、系中の水素量が増加するにつれて大きく増加した。
【0127】 溶融転移の高温成分は、図3に示すように、比較的多量の水素の存在下に行っ
た反応については、比較的シャープになった。トレース(a)はH2を添加しない
ものであり(実施例19);トレース(b)は2.5mモルのH2を添加したものであ
り(実施例20);トレース(c)は5.0mモルのH2を添加したものである(実施
例21)。
【0128】
【表7】
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】凝離分画技術(SFT) エチレン-?-オレフィンコポリマー中の平均の短鎖分岐度を、13C NMR(S
CB/1000C=1000{%O/[n(%O)+2(%E)]};%O=コポリマー
中のα-オレフィンのモル%、n=α-オレフィンの長さ、SCB/1000C=
短鎖分岐の数/1000炭素)によって独立して確かめることができる。
【0132】 エチレン-?-オレフィンコポリマーを、一連の等温結晶化工程(溶融状態で始め
、連続してより低い温度で進める)にかけることによって、DSCによりこの物
質をその場で分画することができる。種々の長さの遮断されていないエチレン配
列は、異なる大きさおよび融点の結晶を形成するので、この操作により、DSC
溶融プロフィールが、一連のピーク(異なる短鎖分岐度を有するポリマーのセク
ションに対応する)に分離される。実施例7のエチレン-1-ヘキセンコポリマー
および表5に示したその選択した分画を、この凝離分画技術(SFT)によって分
析した。初めにコポリマーを溶融(180℃)まで加熱し、次いで120℃まで冷
却した。この物質を、該温度で2時間、等温アニールし、次いで温度を15℃に
より迅速に低下させた。温度が30℃に到達するまで、この操作を繰返した。次
いで、この試料を30℃から180℃までゆっくりと再加熱して、分画化DSC
プロフィールを記録した。
【0133】 実施例4のエチレン-1-ヘキセンコポリマーも、このSFT技術を用いて分画
し、その結果を図4に示した。
【0134】 13C NMRによって測定し、SFTによって概算した短鎖分岐度を、表10
にまとめる。全ポリマーならびにエーテル、ペンタン、THFおよびヘキサン可
溶性成分について、比較的高い短鎖分岐度が、DSCによる概算よりも13C N
MRによって観察された。シクロヘキサンおよびヘプタン可溶性成分については
、DSCによって概算した短鎖分岐の分布は、13C NMRによって測定した分
布と重なる。このSFT法は、ランダムポリマーの短鎖分岐の数を概算するもの
であるので、このデータは塊状(かさばった)ポリマーの指標になる(融点を低下
させるために、より多くの分岐が必要になる).
【0135】ランダムコポリマーとの比較 本発明のコポリマーの多くは、同一モノマー単位組成のランダムコポリマーに
ついて予想される高い方のピーク溶融温度よりも高いピーク溶融温度を示す。
【0136】 Mandelkernおよび共同研究者は、ある範囲の組成にわたり、種々のランダムエ
チレン-α-オレフィンコポリマーの溶融挙動を調べた。詳細については、Alamo
およびMandelkern [Thermochemica Acta, 1994, v.238, pp.155-201]を参照(こ
の文献は本明細書の一部を構成する)。Tmと組成のプロットは、nが4に等しい
かまたはそれより大きいときには、Cn2nの種類に実質的に影響されないこと
が測定された。しかし、あるエチレン含量を有するコポリマーについては、溶融
温度は、この物質の分子量により影響された。ピーク溶融温度は、コポリマーの
分子量が4500〜500,000に増大するにつれて、7〜8℃低下した。メ
タロセン4を用いて製造したエチレン-1-ヘキセンコポリマーおよびその溶媒分
画を、Mandelkernが記載しているランダムコポリマー(Mw=90,000±20,
000)と比較して、これらの物質が、非ランダム配列分布と矛盾しない溶融挙
動を示すか否かを調べた(図5および図6)。特に、高エチレン含量の低分子量試
料(Mn=3,400、Mw=50,800;実施例19)を、Mandelkernのデータと
比較した。また好ましくは、本発明の生成物とランダムコポリマー(同様の組成
を有する)の高い方のピーク溶融温度も、同様の分子量を有するポリマーを用い
て行った。エーテル不溶性/ヘプタン可溶性の分画は、このコポリマーの60%
を含有した。この溶媒分画は、Mandelkernにより考察されたランダムコポリマー
よりも約20℃高い最大ピーク溶融温度を示す。このことは、この分画が長い結
晶化可能な配列を含むことを示唆する。この分画はヘプタンに可溶性であるので
、この結晶化可能な配列は、エチレンホモポリマーに由来するものではない。こ
れらの結果は、このコポリマーの少なくとも60%が塊状の性質を呈することを
示すものである。
【0137】 また、メタロセン4を用いて調製され、79モル%Eを含む高分子量コポリマ
ー(Mw〜1,000,000;実施例7、表5)を、Mandelkernが報告したランダ
ムコポリマーと比較した(図6)。特に、この物質のヘキサン可溶性部分は、同一
組成を有するランダムコポリマーよりも50℃以上高い最大ピーク溶融温度を示
す。また、このコポリマーのTHFおよびヘプタン可溶性部分は、ランダムコポ
リマーに対して予想される溶融温度よりも高い溶融温度を示す。これらの結果は
、このコポリマーのかなりの部分が塊状の性質であることを示唆する。
【0138】 これらの結果は、予想よりも高い溶融温度を呈するのは、全ポリマーだけでは
ないことを示すものである。上記し、図5および図6に示したように、ある種の
溶媒分画は、同様組成のランダムコポリマーに対して観察されるよりもかなり高
い溶融温度を示す。溶媒抽出を行ったときには、分画された物質は、異なる溶融
温度を有するコポリマーの単純な配合物である可能性は低い。
【0139】
【表10】
【0140】実施例22〜24 上記の重合操作および触媒4を用いて、一連のエチレン/1-ヘキセンコポリ
マーを調製した。この結果を表11に挙げる。
【0141】
【表11】
【0142】 試料をDSCによって分析した。これら本発明のコポリマーは、広い溶融転移
(〜100℃)、比較的高い多分散性(3.5〜3.7)、高い高方ピーク溶融温度、
および狭い組成分布を有するエチレン-1-ヘキセンコポリマーを例示するもので
ある。実施例22および23において、溶融転移は、DSCによって測定される
ように2様式である。
【0143】実施例25−実施W 90℃に加熱し、窒素パージした1Lの撹拌オートクレーブ反応器において、
エチレン-1-ヘキセンコポリマーを調製した。次いで、反応器にイソブタン(7
50mL)およびトリイソブチルアルミニウム(Aldrichから供給されるヘキサン
中の1M溶液を3.7mL)を入れ、温度を70℃に調節した。1時間後に、反応
器に1-ヘキセン(乾燥、脱酸素化;10mL)およびエチレン(7.3バール)を入
れた。グローブボックスにおいて、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル-2-イ
ンデニル)ハフニウム・ジクロリドのトルエン溶液(触媒12;トルエン1mL中
に4.05mg)を、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(Albemarleから供給さ
れる1.78M溶液を2.7mL)と混合した。この混合物を、窒素下に反応器中
に注入し、エチレンを連続的に添加して一定圧力を維持した。1時間後に、反応
器を排気し、20℃まで冷却した。エチレン-ヘキセンコポリマー(16.4g)を
回収した。
【0144】 本発明に従って調製したエチレン-1-ヘキセンコポリマー(実施例25)の試料
ならびに通常のチーグラーLLDPE(実施W)を、150℃でフィルムにプレス
し、次いで急冷した。本発明のコポリマーは、表12に示すように、通常の物質
と比較して、予想外の曇りの減少および透明性の増加を示した。
【0145】
【表12】
【0146】産業上の利用可能性 一般的記載および実施例における特性試験から、本発明のコポリマーは、フィ
ルムおよびファイバーの形成において使用するための広い産業上の利用可能性を
有することが明らかである。これら注型押出され、成形されたプラスチック生成
物は、熱可塑性のプラストマーからエラストマーに至る範囲にわたる。
【0147】 本発明の方法に従って製造したコポリマーを、溶融押出および細断によってペ
レットに成形することができ、次いで、これを用いて押出パイプ、成形された取
付部品および容器などの有用な物品を成形することができる。本発明のコポリマ
ーを、有効量の当分野で既知の通常のポリマー添加剤、例えば、熱およびUV安
定剤、酸化防止剤、酸スカベンジャー、帯電防止剤などと混合することができる
。さらに、このコポリマーを、ガラスファイバーおよびタルクなどの着色剤およ
び充填剤と混合することができる。
【0148】 本発明のコポリマーから製造される生成物は、当分野で既知の技術、例えば、
注型、プレス、吹込成形および押出によって成形することができる。本コポリマ
ーから成形されたフィルムは、約0.1ミル(0.00254mm)〜100ミル(
2.54mm)またはそれ以上の厚み範囲を有することができる。通常のフィルム
厚みは、約0.25ミル(0.00635mm)〜約50ミル(1.27mm)であり
、好ましくは約0.5ミル(0.0127mm)〜20ミル(0.508mm)であろ
う。通常のフィルムは、通常の線状低密度ポリエチレンと比較して、改善された
光学的性質、例えば減少した曇り度および増加した透明度を示す。他の有用な物
品を、成形または押出などの通常の技術により本発明のコポリマーから製造する
ことができる。
【0149】 本発明の思想から逸脱することなく、当業者なら、本発明の範囲内で種々の修
飾を行いうることを理解すべきである。即ち、本出願人は、本発明が添付の請求
の範囲により、必要なら明細書を参照して、また、従来技術が許容する範囲で広
く規定されることを望むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 R1〜R10の位置に異なる置換基を有する本発明で用いられる未
架橋メタロセンの立体異性を示す図であり、矢印は、状態AおよびBの間での相
互変換を示している。2つの状態の間では、エチレンに対する反応性rEおよび
他のα−オレフィンに対する反応性が異なっている。
【図2】 本発明で用いられる未架橋メタロセンについての4つの可能な配
位構造を示す図であり、円は、オレフィン挿入のための配位位置を示している。
【図3】 異なる量の水素を用いて製造したエチレン−1−ヘキセンコポリ
マーの重ね合わせDSCサーモグラムであり、トレース(a)生成物は、H2
添加されず、トレース(b)生成物は、2.5mmolのH2が添加され、トレース
(c)は5.0mmolのH2が添加された。
【図4】 72モル%のエチレンを含むエチレン−1−ヘキセンコポリマー
のDSCプロフィールであり、上方のトレースは、標準DSCであり、下方のト
レースは、SFTトレースである。
【図5】 溶媒分別された実施例19のエチレン−1−ヘキセンコポリマー
(表9参照)についてプロットされた融点対組成の図であり、比較として、ラン
ダムα−オレフィンコポリマーについてのデータもプロットされている。
【図6】 溶媒分別された実施例7のエチレン−1−ヘキセンコポリマー(
表5参照)についてプロットされた融点対組成の図であり、比較として、ランダ
ムα−オレフィンコポリマーについてのデータもプロットされている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AE,AL,A M,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY ,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,H U,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジェニファー・エル・マシージュフスキ・ ペトフ アメリカ合衆国94086カリフォルニア州サ ニーベイル、アノ・ヌエボ・アベニュー・ ナンバー710、395番 (72)発明者 ライサ・エル・クラブチェンコ アメリカ合衆国19803デラウェア州ウィル ミントン、キルバーン・ロード606番 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA15 AA21X AA75 AA80 AA81 AA84 AA87 AA89 AH19 BA01 BB06 BB07 BC01 BC04 BC12 4J028 AA01A AC01A AC02A AC22A AC26A AC27A AC28A AC32A BA01A BA01B BA02A BC01B BC12A BC15B BC25B BC33B CA16C CA27C DB02A DB03A DB05A EC03 FA02 FA09 GA06 GA12 GA18 GA19 GA26 GB01 4J100 AA01Q AA02P AA04Q AA07Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q CA04 CA10 DA00 DA01 DA04 DA19 DA28 DA41 DA47 DA49 FA10 JA00

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと少なくとも4個の炭素原子を含むコモノマー少な
    くとも1種とのコポリマーであって、2より大きい多分散性、示差走査熱量計に
    より測定した広い融点遷移および狭い組成分布を有することを特徴とするコポリ
    マー。
  2. 【請求項2】 コモノマーは、4〜約12個の炭素原子を有する少なくとも
    1種のオレフィンである請求項1に記載のコポリマー。
  3. 【請求項3】 コモノマーは、4〜約8個の炭素原子を有するα−オレフィ
    ンである請求項1に記載のコポリマー。
  4. 【請求項4】 コモノマーは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
    1−オクテン若しくは4−メチル−1−ペンテン又はこれらの混合物である請求
    項1に記載のコポリマー。
  5. 【請求項5】 コモノマーは、1−ヘキセンである請求項1に記載のコポリ
    マー。
  6. 【請求項6】 融点遷移は、約50℃より大きい請求項1に記載のコポリマ
    ー。
  7. 【請求項7】 融点遷移は、約100℃より大きい請求項1に記載のコポリ
    マー。
  8. 【請求項8】 多分散性は、約3より大きい請求項1に記載のコポリマー。
  9. 【請求項9】 多分散性は、約4〜約12である請求項1に記載のコポリマ
    ー。
  10. 【請求項10】 溶媒分別組成分布は、15%またはそれ以下である請求項
    1に記載のコポリマー。
  11. 【請求項11】 溶媒分別組成分布は12%またはそれ以下であり、コモノ
    マーは1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン若しくは4−メ
    チル−1−ペンテン又はそれらの混合物である請求項1に記載のコポリマー。
  12. 【請求項12】 溶媒分別組成分布は、10%またはそれ以下である請求項
    1に記載のコポリマー。
  13. 【請求項13】 コモノマーは1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテ
    ンであり、組成分布は12%未満であり、融点遷移は75℃より大きく、多分酸
    性は3より大きい請求項1に記載のコポリマー。
  14. 【請求項14】 エラストマー性である請求項1に記載のコポリマー。
  15. 【請求項15】 プラストマー性である請求項1に記載のコポリマー。
  16. 【請求項16】 分子量分別組成分布は、約5%未満である請求項1に記載
    のコポリマー。
  17. 【請求項17】 約1〜約50モル%のコモノマーを含む請求項1に記載の
    コポリマー。
  18. 【請求項18】 約40モル%までのコモノマーを含む請求項17に記載の
    コポリマー。
  19. 【請求項19】 約10モル%までのコモノマーを含む請求項1に記載のコ
    ポリマー。
  20. 【請求項20】 約1〜約5モル%のコモノマーを含む請求項1に記載のコ
    ポリマー。
  21. 【請求項21】 コポリマーは、ペレットとして形成されている請求項1に
    記載のコポリマー。
  22. 【請求項22】 該ペレットは、ポリマー安定剤を含む請求項21に記載の
    コポリマー。
  23. 【請求項23】 コポリマーは、成型または押出成形物品として形成されて
    いる請求項1に記載のコポリマー。
  24. 【請求項24】 該物品は、パイプまたは容器である請求項23に記載のコ
    ポリマー。
  25. 【請求項25】 コポリマーは、フィルムに形成されている請求項1に記載
    のコポリマー。
  26. 【請求項26】 該フィルムは、約0.1〜約100milの厚さを有する請
    求項25に記載のコポリマー。
  27. 【請求項27】 厚さは0.5〜20milである請求項26に記載のコポリ
    マー。
  28. 【請求項28】 エチレンと少なくとも4個の炭素原子を含むコモノマー少
    なくとも1種とのコポリマーであって、同じモノマー単位組成のランダムコポリ
    マーの融点よりも高いピーク融点を少なくとも1つ有することを特徴とするコポ
    リマー。
  29. 【請求項29】 少なくとも1種のコポリマーは、6個の炭素原子を含む請
    求項28に記載のコポリマー。
  30. 【請求項30】 エラストマーである請求項28に記載のコポリマー。
  31. 【請求項31】 プラストマーである請求項28に記載のコポリマー。
  32. 【請求項32】 コポリマーは、フィルムとして形成されている請求項31
    に記載のコポリマー。
  33. 【請求項33】 溶媒分別組成分布は、約15%未満である請求項28に記
    載のコポリマー。
  34. 【請求項34】 少なくとも1種のコモノマーは、4〜約10個の炭素原子
    を含むα−オレフィンである請求項33に記載のコポリマー。
  35. 【請求項35】 約1〜約40モル%のコモノマーを含む請求項34に記載
    のコポリマー。
  36. 【請求項36】 溶媒分別組成分布は、約12%未満である請求項35に記
    載のコポリマー。
  37. 【請求項37】 多分散性は、約2〜約12である請求項36に記載のコポ
    リマー。
  38. 【請求項38】 10モル%までのコモノマーを含む請求項37に記載のコ
    ポリマー。
  39. 【請求項39】 1〜約5モル%のコモノマーを含む請求項38に記載のコ
    ポリマー。
  40. 【請求項40】 エチレンおよびコモノマーを、流動性触媒系の存在下、重
    合条件下に接触させる、請求項1に記載のコポリマーの製法。
  41. 【請求項41】 流動性触媒系のメタロセン成分は、3以上の対称状態を有
    する請求項40に記載の製法。
  42. 【請求項42】 流動性触媒系は、置換2−アリールインデニルメタロセン
    成分を含む請求項40に記載の製法。
  43. 【請求項43】 水素が、プラストマーコポリマー生成物を形成するのに十
    分な量の触媒系の成分である請求項40に記載の製法。
  44. 【請求項44】 流動性触媒系のメタロセン成分は、ジルコニウムまたはハ
    フニウムを含む請求項40に記載の製法。
  45. 【請求項45】 流動性触媒系のメタロセン成分は、ハフニウムを含む請求
    項44に記載の製法。
  46. 【請求項46】 流動性触媒系は、式: 【化1】 [式中、R4〜R14は、同一または異なって、水素、ハロゲンまたは12個まで
    の炭素原子を含むアリール、ヒドロカルビル、シラヒドロカルビル若しくはハロ
    ヒドロカルビル基である置換基であってよい。] で示される構造を有する少なくとも1種の配位子を有するメタロセン成分を含む
    請求項40に記載の製法。
  47. 【請求項47】 R5およびR7は、嵩高い置換基である請求項46に記載の
    製法。
  48. 【請求項48】 R5およびR7は、t−ブチル、トリフルオロメチル若しく
    はトリメチルシリル又はこれらの組み合わせである請求項47に記載の製法。
  49. 【請求項49】 エチレンおよびコモノマーを、流動性触媒系の存在下、重
    合条件下に接触させる、請求項28に記載のコポリマーの製法。
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