JP2002529070A - 胚性幹細胞 - Google Patents

胚性幹細胞

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JP2002529070A JP2000581162A JP2000581162A JP2002529070A JP 2002529070 A JP2002529070 A JP 2002529070A JP 2000581162 A JP2000581162 A JP 2000581162A JP 2000581162 A JP2000581162 A JP 2000581162A JP 2002529070 A JP2002529070 A JP 2002529070A
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リュービノフ,ベンジャミン・イーサン
ペラ,マーティン・フレデリック
イー,フォン・チュイ
トローンソン,アラン・オズボーン
ボンソ,アリフェン
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モナシュ・ユニヴァーシティ
ナショナル・ユニヴァーシティ・オヴ・シンガポール
ハダシット・メディカル・リサーチ・サーヴィシーズ・アンド・デヴェロップメント・カンパニー・リミテッド
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    • C12N2506/02Differentiation of animal cells from one lineage to another; Differentiation of pluripotent cells from embryonic cells

Abstract

(57)【要約】 本発明は、未分化のヒト胚性幹細胞と、培養および増殖する方法と、分化した細胞の作製とに関し、詳細には、in vitroで分化した体細胞性幹細胞を作製することができるヒトESを作製することと、成熟した体細胞を生ずることができる前駆細胞と、それらの使用とに関する。本発明の一態様において、in vitroで増殖することができる未分化のヒト胚性幹細胞の精製された調製物が提供される。別の態様において、未分化の胚性幹細胞からin vitroで分化した体細胞が提供される。成熟した体細胞を生じることができる前駆細胞も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、未分化のヒト胚性幹細胞と、培養および増殖する方法と、分化した
細胞の作製とに関し、詳細には、インビトロ(in vitro)で分化した体細胞を生じ
ることができるヒトESの作製と、成熟した体細胞を生じることができる前駆細胞
と、それらの使用とに関する。
【0002】 未分化の状態で維持することができる、またはin vitroで胚外もしくは体細胞
系統への分化を受けることができるヒト胚性幹細胞を作製することによって、早
期ヒト発生の細胞生物学および分子生物学の検討、機能的ゲノム科学、移植また
はin vitroにおける薬物スクリーニングおよび薬物の発見に使用するための幹細
胞から分化した細胞の作製が可能になる。
【0003】 一般に、幹細胞は、一連の成熟した機能的細胞を生じることができる未分化の
細胞である。例えば、造血幹細胞は、最終分化した異なる種類の血液細胞のいず
れかを生ずることができる。胚性幹細胞(embryonic stem cell; ES細胞)は胚
から誘導され、多分化能を有するので、任意の器官、細胞種もしくは組織種また
は少なくともおそらく完全な胚に発生する能力を有する。
【0004】 1981年のマウスES細胞の開発(Evans and Kaufman, 1981; Martin, 1981)に
より、ヒトES細胞の開発のための例および技術の多くを提供した。ES細胞の開発
は、乱れた様式で並列する体細胞組織の塊であるマウス奇形癌腫(テラトカルシ
ノーマ)(数種の生殖腺に生ずる腫瘍)に関する研究から発展した。奇形癌腫に
関する典型的な研究は、マウスにおける生殖細胞由来の起源を確立し、腫瘍にお
いて見出される多数の型の組織を生ずると思われる幹細胞(胎性癌(embryonal c
arcinoma)またはEC細胞)の概念を提供した(Kleismith and Pierce, 1964; rev
iew, Stevens, 1983)。EC幹細胞の非凡な発生能力がEC細胞の胚盤胞注射による
キメラマウスの形成により明らかになったので、奇形癌腫の研究分野は70年代に
かなり広がり(review, Martin, 1980)、研究者は、哺乳類の発生のモデルとし
て腫瘍由来の培養細胞系統の有用性の可能性を現実化し始めた。しかし、EC細胞
には限界があった。それらは染色体異常を含有していることが多く、多数の組織
型に分化する能力に限界があることが多かった。
【0005】 奇形癌腫は、異所性部位に胚盤胞を移植することによっても誘導しうるため、
Gail MartinおよびMartin Evansによって独立に1981年に実施されたように、腫
瘍からではなく、胚盤胞から直接多分化能細胞系統を誘導することができる可能
性があることが理由づけられた。結果は、生殖細胞を含む成体の全ての組織を形
成することができる安定な二倍体細胞系統であった。奇形癌腫はまたいくつかの
マウス株の始原生殖細胞から自然に発生し、または異所性部位への始原生殖細胞
の移植により発生し、1992年に、Hoganらはマウス始原生殖細胞からの直接的なE
G細胞の誘導を報告した(Matsui et al., 1992)。これらのEG細胞は、ES細胞に
非常に類似した発生能を有する。
【0006】 精巣奇形癌腫はヒトにおいて自然に発生し、これらからも多分化能細胞系統が
開発された(総説、Andrews, 1988)。2つの研究グループが、in vitroでニュー
ロンおよび他の細胞種に分化することができるヒト奇形癌腫からクローニングし
た細胞系統の誘導を報告した(Andrewら、1984、Thompsonら、1984)。その後、
3種の胚の胚葉全てを代表する組織に分化することができる細胞系統を開発した
(Pera ら、1989)。ヒトEC細胞の特性の分析が進行するにつれて、それらは必
ず異数体であり、体細胞への自然分化能力に通常(必ずではないが)かなり限定
され、マウスES細胞またはEC細胞とは表現型が異なることが明らかになった。
【0007】 Peraら(1989)によって開発された多分化能細胞系統の特性は以下のようであ
る。 ・SSEA-3、SSEA-4、TRA 1-60、GCTM-2、アルカル性ホスファターゼ、Oct-4を発
現する。 ・明確な細胞境界を有する平坦なコロニーとして増殖する ・全ての三胚葉の誘導物に分化する。 ・支持細胞依存的、すなわち、指示細胞のコンディションドメディウム(おふる
の培地)から、または支持細胞からの支持細胞細胞外基質によって再構成されな
い増殖に対する支持細胞の影響 ・単一の細胞への解離にかなり感受性があり、支持細胞層上でもクローン形成の
高率悪い ・白血病抑制因子に応答しない。
【0008】 ヒトEC細胞のこれらの検討は、本質的に、霊長類の多分化能幹細胞の表現型を
規定した。
【0009】 アカゲザル胚盤胞からの霊長類ES細胞の誘導および後のマーモセットの胚盤胞
からの誘導(Thomsonら、1995、1996)が記載されている。これらの霊長類細胞
系統は二倍体細胞であったが、そうではないにしても、それらは最も近い対応物
であるヒトEC細胞に近似していた。サルの研究およびヒトEC細胞の研究の意味す
るものは、マウスES細胞とは表現型が異なる多分化能幹細胞がヒト胚盤胞から誘
導することができるということであった。
【0010】 Bongsoら(1994)は、in vitroにおける受精させたヒト胚の細胞の短期間培養
および維持を報告した。Bongsoらが単離した細胞は多分化能細胞に期待される形
態を有したが、これらの早期検討は支持細胞支持細胞層を使用せず、培養物の長
期維持を実施することはできなかった。
【0011】 Lames Thomsonら(1998)は、不妊症の治療を受けている夫婦によって提供さ
れた余剰の胚盤胞からES細胞を誘導した。使用した方法は、マウスES幹細胞を誘
導するために17年前に使用した方法と全く異ならなかった。ES細胞確立に抑制作
用を示すと考えられる栄養外胚葉を免疫的手術(immunosurgery)によって除去
し、内部細胞塊をマウス胚胚盤胞の支持細胞層上で平板培養し、短期間の付着お
よび増殖後に、得られた増殖物を解離して、別の支持細胞層で再度平板培養した
。培地または培養システムの他の局面においてマウスESプロトコールから大きな
逸脱はなく、比較的高い成功率が得られた。細胞の表現型は、PeraらのヒトEC検
討において上記したものと類似していた。
【0012】 ThomsonらのサルおよびヒトES細胞に関する検討では、細胞がin vitroで体細
胞分化する能力を示すという証拠はなかった。in vitroにおける分化の証拠は、
栄養膜および内胚葉形成(ヒト胎盤性性腺刺激ホルモンおよびα-胎児タンパク
質の産生)を特徴とするマーカーの発現に限定された。α-胎児タンパク質を産
生する細胞が胚外性(卵黄嚢)内胚葉または確定的な(胚)内胚葉を発現するか
どうかは記述することが不可能であるが、前者がかなり可能性がある。従って、
実際に使用される任意のヒトES細胞系統の本質的な特徴、すなわちヒトEC細胞の
以前の検討において見られるようなin vitroにおける分化した体細胞の作製はサ
ルまたはヒトES細胞の検討では実証されていなかった。
【0013】 本発明の目的は、従来技術の問題のいくつかを克服するまたは少なくとも改善
することである。
【0014】発明の開示 本発明の一態様において、in vitroで増殖することができる未分化のヒト胚性
幹細胞の精製された調製物が提供される。
【0015】 別の態様において、未分化の胚性幹細胞からin vitroで分化した体細胞が提供
される。成熟した体細胞を生じることができる前駆細胞も提供される。
【0016】 好ましくは、分化条件にさらされたとき、未分化細胞は胚外性系統および胚(
体細胞)系統に分化する可能性を有する。
【0017】 さらに好ましくは、未分化細胞は、線維芽細胞支持細胞層上で培養するとき、
未分化状態を維持することができる。
【0018】 本発明の別の態様において、SSEA-4、GCTM-2抗原、TRA1-60を含むヒト多分化
能幹細胞のためのマーカーに対して免疫反応性である未分化のヒト胚性幹細胞が
提供される。好ましくは、細胞は、RT-PCRによって実証するとき、転写因子Oct-
4を発現する。さらに好ましくは、細胞はin vitroにおける長期培養中で二倍体
細胞核型を維持する。
【0019】 本発明のさらに別の態様において、未分化のヒト胚性幹細胞を作製する方法で
あって、 in vitroで受精させたヒト胚を入手して、発生の胚盤胞期まで胚を発生させる
ステップと、 胚から内部細胞塊(inner cell mass; ICM)細胞を取り出すステップと、 胚外性分化を誘導せず、未分化の細胞の増殖を促進する条件下でICM細胞を培
養するステップと、 幹細胞を回収するステップと を含む方法が提供される。
【0020】 本発明のさらに好ましい態様において、未分化のヒト胚性幹細胞を作製する方
法であって、 in vitroで受精させたヒト胚を入手するステップと、 胚から内部細胞塊(ICM)細胞を取り出すステップと、 線維芽細胞支持細胞層上でICM細胞を培養して、胚性幹細胞を増殖させるステ
ップと、 支持細胞層から幹細胞を回収するステップと を含む方法が提供される。
【0021】 本発明の好ましい態様において、本発明は、内部細胞塊細胞を取り出すステッ
プの前に、 胚を処理して、胚の栄養外胚葉またはその一部を除去するステップと、 胚をG2またはS2(スカンジナビアン-2培地)のような適当な胚盤胞培養培地で
洗浄して、栄養外胚葉またはその一部を除去するステップと、 胚の内部細胞塊を入手するステップと をさらに含む。
【0022】 好ましくは、胚の処理は、栄養外胚葉の表面のエピトープに反応性の抗体また
は抗血清で処理することを含む。さらに好ましくは、抗体または抗血清による処
理は補体による処理と組み合わせられる。最も好ましくは、抗体と補体の組み合
わせは抗胎盤アルカル性ホスファターゼ抗体をベビーウサギ補体と組み合わせた
もの、または抗ヒト血清抗体をモルモット補体と組み合わせたものである。胚を
処理して栄養外胚葉またはその一部を除去するために、抗体および補体を一緒ま
たは別個に使用してもよい。
【0023】 本発明のさらに別の態様において、本発明の方法は、 線維芽細胞支持細胞層の幹細胞を別の線維芽細胞支持細胞層に移すステップと
、 形態的に未分化の幹細胞を増殖させるのに十分な期間、幹細胞を培養するステ
ップと をさらに含む。
【0024】 本発明のよりさらに別の態様において、本発明の方法は、未分化の幹細胞を増
殖するステップをさらに含む。増殖方法は、最初、細胞コロニーから未分化の幹
細胞群を取り出すことを含む。これは、好ましくは、化学的または機械的手段に
よって実施される。さらに好ましくは、細胞を化学的に処理し、PBSで洗浄する
か、または機械的にコロニーから分離するか、または2つの方法を組み合わせる
【0025】 本発明の別の態様において、幹細胞の分化を誘導する方法が提供される。本発
明の方法は、幹細胞再生を制限するが、幹細胞死または胚外内胚葉などの胚外系
統への一方向分化を生じない条件下での培養を含む。本発明の方法はまた、多分
化能は有さないが、成熟した体細胞を生ずることができる前駆細胞系への誘導を
促進する。好ましくは、本発明の方法は胚性幹細胞から体細胞を誘導することを
提供する。
【0026】 本発明のさらに別の態様において、大量の分化および未分化の細胞を作製する
方法が提供される。
【0027】 別の態様において、本発明の方法によって作製される未分化の細胞系統が提供
される。
【0028】 好ましくは、未分化の細胞系統は、凍結保存などの保存方法によって保存され
る。好ましくは、凍結保存の方法は、ガラス化などの胚に使用するのに非常に効
率的な方法である。最も好ましくは、本発明の方法はOpen Pulled Straw(OPS)
ガラス化方法を含む。
【0029】本発明の詳細な説明 本発明の一態様において、in vitroで増殖することができる未分化のヒト胚性
幹細胞の精製された調製物が提供される。
【0030】 in vitroでの増殖は、長期細胞培養を含むことができる。細胞は実質的に未分
化状態で維持される。好ましくは、細胞は、細胞死または胚外性分化を誘導しな
い条件下で維持される。
【0031】 好ましくは、細胞は、線維芽細胞の支持細胞層上で好ましくは非分化条件下で
培養するとき、未分化状態を維持することができる。好ましくは、線維芽細胞支
持細胞層は胚外性分化を誘導しない。
【0032】 さらに好ましくは、細胞は、分化条件に曝されるとき、in vitroで分化する可
能性を有する。最も好ましくは、細胞は、多種多様の体細胞系統にin vitroで分
化する能力を有する。
【0033】 一方ではin vitroで未分化状態で維持することができ、他方では胚外および体
細胞系統にin vitroで分化することができる幹細胞を促進することにより、移植
または薬物スクリーニングおよびin vitroにおける薬物発見に使用するための、
早期ヒト発生の細胞生物学および分子生物学、機能的ゲノム科学、幹細胞から分
化する細胞の作製に関する研究が可能になる。
【0034】 細胞は未分化状態で維持されると、成熟した機能的細胞に分化することができ
る。胚性幹細胞は胚から誘導され、多分化能を有し、任意の器官または組織種に
発生する能力を有する。好ましくは、組織種は、血液細胞、ニューロン細胞また
は筋肉細胞を含む群から選択される。
【0035】 本発明の別の態様において、SSEA-4、GCTM-2抗原およびTRA 1-60を含む、ヒト
多分化能幹細胞のためのマーカーに対し免疫反応性である未分化のヒト胚性幹細
胞が提供される。好ましくは、細胞は、RT-PCRまたは異なる遺伝子の発現の分析
方法、マイクロアレー分析または関連技法によって実証するとき、Oct-4などの
特異的な転写因子を発現する。さらに好ましくは、細胞は、in vitroで長期培養
中で二倍体細胞核型を維持する。
【0036】 好ましくは、幹細胞は未分化の幹細胞系統の精製された調製物を構成する。さ
らに好ましくは、幹細胞系統は、上記に示した特徴づけによって識別される永久
細胞系統である。幹細胞は、好ましくは、正常な核型および上記に示した特徴を
有する。このように特性の規定を組み合わせることにより、それらを単離するた
めの方法にかかわらず、本発明の細胞系統が識別される。
【0037】 これらの特徴を同定する方法は当業者に周知のいかなる方法によってもよい。
間接的免疫蛍光または免疫細胞化学的染色(これらに限定されない)などの方法
をES細胞のコロニーに実施し、従来の固定プロトコールで固定し、次いで幹細胞
特異抗体に対する抗体を使用して染色し、不溶性の着色した生成物を生成するこ
とができる、蛍光染料または酵素に結合した二次抗体を使用して可視化される。
または、幹細胞からRNAを単離し、RT-PCRまたはノーザンブロット分析を実施し
て、Oct-4などの幹細胞特異的遺伝子の発現を求めることができる。
【0038】 好ましい実施態様において、未分化の細胞は、免疫喪失(immunodeprived)SC
IDマウスの精巣に注射されるとき、腫瘍を形成する。これらの腫瘍は3つの胚葉
全てを代表する分化した細胞を含む。胚葉は、好ましくは、内胚葉、中胚葉およ
び外胚葉を含む。好ましくは、腫瘍が確立されると、それらは分離可能であり、
特異的な分化した細胞種を当業者に利用可能である任意の方法によって同定また
は選択することができる。例えば、系統特異的なマーカーを、蛍光活性化細胞選
別(fluorescent activated sell sorting; FACS)または他の選別方法を使用す
ることによって、または関心のある組織の直接的な顕微解剖によって使用するこ
とができる。これらの分化した細胞は任意の方法で使用することができる。それ
らはin vitroで培養されて、例えば移植または薬物スクリーニングに使用されう
る大多数の分化した細胞を形成することができる。
【0039】 別の好ましい実施態様において、未分化の細胞はin vitroで分化して体細胞を
形成する。
【0040】 別の態様において、未分化の胚性幹細胞からin vitroで分化した体細胞が提供
される。また、成熟した体細胞を生じることができる前駆細胞も提供される。
【0041】 細胞はin vitroで分化を受けて、体細胞および胚外細胞を形成することができ
、このような分化は、免疫細胞化学またはRNA分析によって実証するとき、特異
的な系統を特徴とする新規遺伝子発現によって特徴づけられる。特徴は、多分化
能細胞または特定の系統に特徴的な遺伝子の発現を使用することによって得るこ
とができる。好ましくは、Oct-4の識別的な発現を使用して、分化した細胞から
幹細胞を同定することができる。それ以外には、多分化能幹細胞または他の系統
に特徴的な他の遺伝子の発現の有無にはGenesis、GDF-3またはCriptoを含んでも
よい。これらの遺伝子発現の分析により、ES細胞、前駆細胞または任意の種類の
成熟した分化細胞の分子的な表現型を規定する遺伝子発現プロフィールを作製す
ることができる。ES培養物由来の規定された細胞集団における特異的遺伝子発現
のこのような分析はサイトミクス(cytomics)と呼ばれる。遺伝子発現プロフィ
ールの分析方法にはRT-PCR、識別的遺伝子発現方法(differential gene express
ion)、マイクロアレー分析または関連技法が含まれる。
【0042】 分化中の幹細胞の培養物は、培養上清に実施した酵素結合免疫吸着アッセイに
よって測定したとき、培養培地にHCGおよびAFPを分泌する。従って、これもまた
、分化した細胞を同定する手段として働くことができる。
【0043】 体細胞を形成する分化した細胞はまた、分化中の細胞に特徴的な発現マーカー
によって特徴づけることができる。in vitroで分化した細胞培養物は1つの体細
胞種に分化することができ、また多数の体細胞系統に分化することができる。こ
れらの多数の系統は、神経細胞接着分子、神経フィラメントタンパク質、デスミ
ンおよび平滑筋アクチン(action)などの分子を検出することによっても同定す
ることができる。
【0044】 本発明のさらに別の態様において、未分化のヒト胚性幹細胞を作製する方法で
あって、 in vitroで受精させたヒト胚を入手して、胚盤胞の発生期まで胚を成長させる
ステップと、 胚から内部細胞塊(ICM)細胞を取り出すステップと、 胚外性分化および細胞死を誘発せず、未分化の幹細胞の増殖を促進する条件下
でICM細胞を培養するステップと、 幹細胞を回収するステップと を含む方法が提供される。
【0045】 本発明のさらに別の好ましい態様において、未分化のヒト胚性幹細胞を作製す
る方法であって、 in vitroで受精させたヒト胚を入手するステップと、 胚から内部細胞塊(ICM)細胞を取り出すステップと、 線維芽細胞支持細胞層上でICM細胞を培養して、未分化の幹細胞を増殖させる
ステップと、 支持細胞層から幹細胞を回収するステップと を含む方法が提供される。
【0046】 胚性幹細胞(ES細胞)は胚から誘導される。これらの細胞は未分化で、種々の
細胞種に分化する能力を有する。「胚」は、受精後8週までの受精後の任意の段
階と規定される。胚は反復細胞分裂から発生し、外側の栄養外胚葉および内部細
胞塊(ICM)を含む胚盤胞段階の発生段階を含む。
【0047】 本発明の方法に必要な胚はin vitroで受精させた胚であっても、またはヒトも
しくはヒト以外の起源の除核卵母細胞に体細胞核を導入し、次いで活性化して胚
盤胞段階に発生させることによって誘導される胚であってもよい。
【0048】 胚は、利用可能な任意のin vitroの方法によって受精することができる。例え
ば、胚は、従来の受精または細胞質内精子注射を使用することによって受精する
ことができる。任意の胚培養方法を使用することが好ましいが、高品質(良好な
形態等級)胚盤胞を作製する方法を使用することが最も好ましい。胚の高品質は
形態学的基準によって評価することができる。最も好ましくは、内部細胞塊が十
分に形成されている。これらの基準は当業者によって評価することができる。
【0049】 受精後、胚を胚盤胞段階まで培養することができる。この段階の胚の品質は、
ICM細胞を誘導するのに好適な胚を決定するために評価することができる。胚は
、生存を維持し、胚盤胞発生を増強する任意の培地において培養することができ
る。
【0050】 好ましくは、胚は、IVF-50またはScandinavian 1(S1)またはG1.2培地(Scan
dinavian IVF)中で事前に平衡化した滅菌鉱物油による小滴中で培養される。好
ましくは、インキュベーションは2日間である。IVF-50またはS-1を使用する場合
には、3日めに、IVF-50とScandinavian-2の1:1混合物培地(Scandinavian IVF)
などの適当な培地を使用することができる。少なくとも4日め以降に、G2.2また
はScandinavian-2(S2)培地などの好適な培地を単独で使用して、胚盤胞段階ま
で胚を増殖させることができる。好ましくは、4日め以降はG2.2培地だけを使用
する。
【0051】 好ましい実施態様において、透明帯またはその一部を除去するために、胚盤胞
に酵素消化を実施する。好ましくは、約6日ぐらいの増殖した胚盤胞段階におい
て胚盤胞に消化を実施する。一般に、これは受精後約6日である。
【0052】 胚盤胞から透明帯またはその一部を消化するために任意のタンパク質酵素を使
用することができる。例には、プロナーゼ、酸性タイロード溶液およびレーザー
分割などの機械的方法が含まれる。
【0053】 好ましくは、プロナーゼが使用される。プロナーゼはPBSおよびG2またはS2培
地に溶解されてもよい。好ましくは、PBSおよびScandinavian-2培地を1:1に希釈
する。胚盤胞からの透明帯の消化には、約10単位/mlのプロナーゼを、透明帯を
除去するのに十分な期間使用することができる。好ましくは、約1〜2分、さらに
好ましくは1〜1.5分を使用する。
【0054】 胚(増殖した胚盤胞)をG2.2またはS2培地で洗浄し、透明帯を溶解するために
さらにインキュベーションすることができる。好ましくは、さらなる消化ステッ
プを使用して、透明帯を完全に溶解することができる。さらに好ましくは、胚を
15秒間プロナーゼ溶液中でさらにインキュベーションする。それによって、透明
帯が除去されて栄養外胚葉が露出される。
【0055】 本発明の好ましい態様において、本発明の方法は、 胚を処理して、胚の栄養外胚葉またはその一部を除去するステップと、 胚をG2.2またはS2培地で洗浄して、栄養外胚葉またはその一部を除去するス
テップと、 胚の内部細胞塊を入手するステップと を含む、内部細胞塊を入手するためのステップをさらに含む。
【0056】 透明帯を除去すると、ICMおよび栄養外胚葉に接近しやすくなる。好ましくは
、栄養外胚葉をICMから分離する。ICMから栄養外胚葉を分離するために任意の方
法を使用することができる。好ましくは、胚(または透明帯を除去した胚盤胞)
に免疫的手術(immunosurgery)を実施する。好ましくは、胚を、栄養外胚葉の
表面のエピトープに反応性の抗体または抗血清で処理する。さらに好ましくは、
胚の処理(好ましくは、透明帯を除去した胚盤胞段階の胚)に補体による処理を
組み合わせる。抗体および/または抗血清と補体による処理は別個または一緒に
使用してもよい。抗体および/または抗血清と補体の好ましい組み合わせには抗
胎盤アルカル性ホスファターゼとベビーウサギ補体(Serotec)または抗ヒト血
清抗体(Sigma)にモルモット補体(Gibco)を組み合わせるものが含まれる。
【0057】 好ましくは、抗体および補体をG2.2またはS2培地で希釈する。抗胎盤アルカル
性ホスファターゼ(抗-AP)を除いた抗体および補体を1:5希釈するが、抗-AP抗
体はS-2培地で1:20希釈する。
【0058】 好ましくは、胚または胚盤胞(好ましくは、透明帯が除去されている)に抗体
を接触させてから、補体に接触させる。好ましくは、胚または胚盤胞は約30分間
抗体中で培養される。
【0059】 抗体への暴露後に、胚を洗浄することが好ましい。好ましくは、胚はG2.2また
はS2培地中で洗浄される。次いで、好ましくは、胚または胚盤胞に、好ましくは
約30分間補体に接触させる。
【0060】 透明帯またはその一部を除去するために、好ましくは、G2.2またはS2(Scandi
navian-2)培地を使用して胚または胚盤胞を洗浄する。除去は機械的手段によっ
てもよい。好ましくは、除去は、小孔径ピペットで吸引することによる。
【0061】 次いで、ICM細胞を露出し、取り出しおよび培養を容易にすることができる。I
CM細胞の培養は線維芽細胞支持細胞層上で実施される。線維芽細胞支持細胞層が
存在しない場合には、細胞は分化する。白血病抑制因子(leucemia inhibitory
factor; LIF)はいくつかの場合において支持細胞層にかわって、細胞を未分化
状態に維持することが示されている。しかし、これは、マウス細胞に対してのみ
作用すると思われる。ヒト細胞では、高濃度LIFでも、線維芽細胞支持細胞層が
存在しないと、細胞を未分化状態に維持することができなかった。
【0062】 胚外性分化および細胞死を誘導しない条件は、胚外性分化および細胞死を誘導
しない線維芽細胞支持細胞層上で胚性幹細胞を培養することを含みうる。
【0063】 好ましくは、マウスまたはヒト線維芽細胞を使用する。それらは別個または組
み合わせて使用することができる。ヒト線維芽細胞は幹細胞の支持となるが、不
均一で、ときには安定でない支持細胞層を形成する。しかし、最適に幹細胞を増
殖させ、分化を阻止するために、それらをマウス線維芽細胞と効果的に組み合わ
せることができる。
【0064】 線維芽細胞層の細胞密度は安定性および性能に影響を与える。約25,000/cm2
ヒト細胞密度および70,000/cm2のマウス細胞密度が最も好ましい。マウス線維芽
細胞は単独で75,000〜100,000/cm2で使用される。好ましくは、支持細胞層は、E
S細胞の添加の6〜48時間前に形成される。
【0065】 好ましくは、マウスまたはヒト線維芽細胞は継代数が低い細胞である。線維芽
細胞の品質は、幹細胞を支持する能力に影響を与える。胚性幹細胞が好ましい。
マウス細胞では、それらは13.5日齢の胎仔から得ることができる。ヒト線維芽細
胞は胚組織または妊娠終了した胎児組織から誘導することができ、標準的な細胞
培養プロトコールを使用して培養することができる。
【0066】 マウス胚線維芽細胞を取り扱う指針には、トリプシン消化の使用の最低限にす
ることおよび培養の過剰に密集化させないことが含まれる。適宜に取り扱われな
い胚線維芽細胞は未分化ES細胞の増殖を支持することができない。新たに誘導さ
れたマウス胚線維芽細胞の各バッチは、幹細胞の支持および維持の好適さを確認
するために試験される。
【0067】 幹細胞再生を支持する際には、凍結融解した線維芽細胞と比較して、新鮮な初
代胚線維芽細胞が好ましい。にもかかわらず、反復凍結および融解後でも支持能
力を維持しているバッチもある。従って、ES細胞再生を支持する際に効率的であ
ることが証明されている各新鮮なバッチを、凍結および融解後に再試験する。凍
結および融解後に能力を保持するバッチが、最も好ましくは、使用される。
【0068】 マウス株には、他の株よりも幹細胞維持に好適である胚性幹細胞を形成するも
のがある。例えば、近交系129/SvもしくはCBAマウスまたは129/SvとC57/BI6の交
雑系から誘導される線維芽細胞は幹細胞維持にかなり好適であることが証明され
ている。
【0069】 単離したICM塊を平板培養し、ヒト幹細胞に好適な培養条件で増殖することが
できる。
【0070】 支持細胞は増殖を停止するように処理されることが好ましい。いくつかの方法
が利用可能である。それらは、照射される、または増殖を停止するマイトマイシ
ンCなどの化学物質で処理されることが好ましい。最も好ましくは、線維芽細胞
支持細胞はマイトマイシンC(Sigma)で処理される。
【0071】 線維芽細胞支持細胞層は、一般にゼラチン処理した培養皿で平板培養すること
ができる。好ましくは、組織培養皿は0.1%ゼラチンで処理される。
【0072】 線維芽細胞支持細胞層はまた改変された線維芽細胞を含有してもよい。例えば
、幹細胞再生に必須の組換え膜結合因子を発現する線維芽細胞を使用することが
できる。このような因子は、例えば、ヒト多分化能幹細胞因子を含んでもよい。
【0073】 内部細胞塊は線維芽細胞支持細胞層で培養することができ、ES培地で維持する
ことができる。好適な培地は、20% FBS(Hyclone, Utah)、(βメルカプtペタ
ノール-0.1mM(GIBCO)、非必須アミノ酸-NEAA 1%(GIBCO)、グルタミン2mM(G
IBCO)およびペニシリン50μ/ml、ストレプトマイシン50μg/ml(GIBCO)を補給
したDMEM(GIBCO、ピルビン酸ナトリウムを含有しないが、グルコース4500mg/L
を含有する)である。ES細胞培養の早期段階では、培地はヒト組換え白血病抑制
因子hLIFを好ましくは2000μ/ml補給してもよい。しかし、LIFは、一般に、必須
ではない。ES細胞を支持することができる任意の培地を使用することができる。
【0074】 ES培地に、細胞増殖または生存を促進するか、または幹細胞の分化を阻止する
可溶性増殖因子をさらに補給してもよい。このような因子の例にはヒト多分化能
幹細胞因子または胚性幹細胞再生因子が含まれる。
【0075】 単離したICMは少なくとも6日間培養することができる。この段階では、細胞の
コロニーが発生している。このコロニーは、主に、未分化の幹細胞を含む。それ
らは分化した細胞の上面に存在することができる。未分化細胞の単離は、化学的
または機械的手段または両方によって実施することができる。好ましくは、機械
的単離およびマイクロピペットによる取り出しを使用する。機械的単離は、Ca2+ /Mg2+不含PBS培地またはディスパーゼ(dispase)などの、細胞の分離の助けと
するための化学的処理または酵素的処理と組み合わせてもよい。
【0076】 本発明のさらに別の態様において、本発明の方法は、 線維芽細胞支持細胞層の幹細胞を別の線維芽細胞支持細胞層で再度平板培養す
るステップと、 形態的に未分化の幹細胞を増殖させるのに十分な期間幹細胞を培養するステッ
プと をさらに含む。
【0077】 未分化の幹細胞のさらなる平板培養を実施する。最初の線維芽細胞支持細胞層
から単離した細胞集団を、上記と同じ培地で新鮮なヒト/マウス線維芽細胞支持
細胞層上で平板培養することができる。
【0078】 好ましくは、細胞は7〜14日間培養する。この期間のあと、未分化の幹細胞の
コロニーを観察することができる。幹細胞は形態的に同定することができ、好ま
しくは、核/細胞質の高い比、優先的な核および緻密なコロニー形成によって識
別することができる。細胞の境界は明確なことが多く、コロニーはマウスES細胞
より扁平であることが多い。コロニーは、GCT 27 X-1などの多分化能ヒト胎生期
癌によって形成されるものに類似している。
【0079】 本発明のよりさらに別の態様において、本発明の方法は未分化の幹細胞を増殖
するステップをさらに含む。増殖方法は、最初に細胞コロニーから未分化の幹細
胞の集団を取り出すステップを含むことができる。分散は、好ましくは、化学的
または機械的手段または両方による。さらに好ましくは、細胞はCa2+/Mg2+不含P
BSで洗浄されるか、またはコロニーから機械的に分離される、または2つの方法
の組み合わせる。両方の方法において、細胞は約7日ごとに約100細胞の集団とし
て増殖することができる。
【0080】 最初の方法では、Ca2+/Mg2+不含PBS培地を使用して、細胞と細胞との接着を低
下させることができる。約15〜20分後に、細胞は単層および互いから徐々に解離
し始め、望ましいサイズの集団を単離することができる。細胞の解離が部分的で
ある場合には、ピペットの鋭い先端を使用した機械的な解離を集団の切断および
単離の助けとすることができる。
【0081】 別の化学的な方法には酵素の使用を含むことができる。酵素は単独または機械
的な方法と併用して使用することができる。好ましくは、酵素はディスパーゼ(
dispase)である。
【0082】 別の方法は、コロニーを機械的に切断し、次にディスパーゼによるサブコロニ
ーを単離する組み合わせた使用を含む。コロニーの切断はCa2+およびMg2+を含有
するPBS中で実施することができる。マイクロピペットの鋭い先端を使用して、
コロニーを約100細胞の集団に切断することができる。ピペットを使用して、コ
ロニーの領域をこすり取ることができる。PBSを、好ましくは、ディスパーゼ(G
ibco)10 mg/mlを含有する通常の平衡化したヒト幹細胞培地に変更し、5% CO2
含有する湿潤な雰囲気下で37℃において約5分間インキュベーションする。集団
が解離したら、広口マイクロピペットによってそれらを回収し、Ca2+およびMg2+ を含有するPBS中で洗浄し、新鮮な線維芽細胞支持細胞層に移すことができる。
【0083】 線維芽細胞支持細胞層は上記のようであってもよい。
【0084】 未分化の胚性幹細胞は、上記のような特徴的な形態を有する。幹細胞を同定す
る他の手段は細胞マーカーによっても、または多分化能細胞に特徴的な遺伝子の
発現を測定することによってもよい。
【0085】 多分化能細胞または特定の系統に特徴的な遺伝子の例には、それぞれ、幹細胞
および神経前駆細胞のマーカーとしてOct-4およびPax-6またはネスチン(nestin
)を含む(が、それらに限定されない)。幹細胞に特徴的な他の遺伝子にはGene
sis、GDF-3およびCriptoを含んでもよい。このような遺伝子発現のプロフィール
は、RT-PCR、識別的遺伝子発現方法、マイクロアレーまたは関連技法を含む任意
の方法によって実施することができる。
【0086】 好ましくは、幹細胞は、SSEA-4、GCTM-2抗原、TRA1-60を含むヒト多分化能幹
細胞のマーカーに対して免疫反応性であることによって識別することができる。
好ましくは、細胞は転写因子Oct-4を発現する。細胞はまた二倍体細胞核型を維
持する。
【0087】 細胞は任意の単離段階においてさらに改変することができる。それらは、Oct-
4などの幹細胞特異的プロモーターの制御下において選択可能なマーカーを発現
するベクターを導入することによって遺伝的に改変することができる。胚性幹細
胞のいくつかの分化した子孫には、幹細胞再生または生存に阻害的である産物を
産生することができるものがある。従って、このような分化した細胞の選択は、
上記のものなどの構築物の導入によって容易にされるが、幹細胞の増殖を促進し
、分化を防止することができる。
【0088】 幹細胞は、マーカーが任意の段階の培養時まで運ばれるように、任意の段階に
おいてマーカーで遺伝的に改変することができる。マーカーを使用して、任意の
培養段階において分化または未分化の幹細胞集団を精製することができる。
【0089】 幹細胞の進行および分化または未分化の段階でのそれらの維持は、培養培地中
に分泌される幹細胞特異的産物を測定することによって、またはELISAもしくは
関連技術を使用して細胞の固定した調製物中で定量的にモニターすることができ
る。このような幹細胞特異的産物には、CD30抗原またはGCTM-2抗原の可溶性型を
含んでもよく、または細胞マーカーもしくは遺伝子発現を使用して上記のように
モニターすることができる。
【0090】 本発明の別の態様において、in vitroで幹細胞の分化を誘導する方法が提供さ
れる。
【0091】 本発明の分化した細胞系統は、分化シグナルが与えられるまで、無限に培養す
ることができる。
【0092】 分化信号が出現していると、適性な条件下にある未分化のES細胞は胚葉(内胚
葉、中胚葉、外胚葉)の誘導物および/または胚外組織に分化する。この分化過
程を制御することができる。
【0093】 胚性幹細胞から体細胞の分化した培養物を入手するための条件は、幹細胞再生
を可能にしないが、幹細胞を殺さないか、または主に胚外系統に分化させるもの
である。幹細胞増殖の最適条件を徐々に変更すると体細胞分化を生ずる。幹細胞
は、最初、未分化状態にあり、分化するように誘導することができる。一般に、
線維芽細胞支持細胞層が存在すると、これらの細胞を未分化状態で維持すること
ができる。これは、マウスおよびヒトES細胞の培養の場合に見出されている。し
かし、理論に制限されることなく、線維芽細胞支持細胞層の種類および取り扱い
が細胞を未分化状態に維持するため、または幹細胞の分化を誘導するために重要
であることがここで明らかになる。
【0094】 ES細胞系統のin vitroにおける体細胞分化は、継代培養後の培養期間、培養物
の密度および線維芽細胞支持細胞層の関数である。体細胞分化は、(継代培養後
の早期経過時点において、迅速な体細胞増殖が生じている、コロニー辺縁部など
の支持細胞層の隣接領域とは異なって)支持細胞層に直接接触部から離れたコロ
ニー領域において、または集密化に到達している培養物において上記の通常の継
代培養の約14日後には形態的に明らかであり、免疫化学的に実証可能であること
が見出されている。マウス胚線維芽細胞の調製および取り扱いの方法、線維芽細
胞が誘導されるマウス株および特定のバッチの品質に応じて、幹細胞再生、胚外
性分化または体細胞分化を実施することができる。
【0095】 先に記載したように、マウス胚線維芽細胞を取り扱う指針は継代中のトリプシ
ン消化の使用を最低限にすることおよび過剰に培養物を密集させないことを含む
。適宜取り扱われないマウス胚線維芽細胞は、ヒトES細胞の主に胚外系統への分
化を誘導する。
【0096】 調製直後の初代胚線維芽細胞の各バッチは、幹細胞再生の支持の好適性、体細
胞分化の誘導または胚外性分化の誘導を求めるために定期的に試験される。
【0097】 幹細胞再生および/または体細胞分化の誘導を支持する際には、凍結融解した
線維芽細胞と比較して、新鮮な初代胚線維芽細胞が好ましい。にもかかわらず、
反復凍結および融解後でも支持能力を維持しているバッチもある。従って、ES細
胞再生を支持する際に効率的であることが証明されている各新鮮なバッチを、凍
結および融解後に再試験する。凍結および融解後に能力を保持するバッチが、最
も好ましくは、使用される。
【0098】 任意のマウス株を使用することができるが、129/SvとC57/BL6株の交雑種また
は近交系129/SvまたはCBAマウスがさらに好ましくは使用される。
【0099】 好適な線維芽細胞系統が選択されたら、未分化の幹細胞を体細胞系統または多
数の体細胞系統に分化することを誘導するために、分化誘導性線維芽細胞支持細
胞層として使用することができる。これらは、上記のようにマーカーまたは遺伝
子発現を使用することによって同定することができる。好ましくは、線維芽細胞
支持細胞層は胚外性分化および細胞死を誘導しない。
【0100】 線維芽細胞支持細胞層を適当に使用することによる幹細胞増殖の調節および培
養条件の操作は、従って、一例であり、それによって、広範な細胞死または胚外
性分化を誘導することなく、幹細胞再生の制限と同時にin vitroで体細胞分化を
誘導することができる。
【0101】 幹細胞死または一方向的な胚外性分化を生ずることなく、幹細胞再生を停止す
るために培養条件の他の操作を使用して、体細胞の分化を実施することができる
【0102】 分化は、着床後のヒトの発生期に類似した構造物を形成するように単層で高密
度までまたは半透過性膜上で培養する、またはこの方法の任意の改良法によって
も分化を誘導することができる。脊椎動物の胚(例えば、内胚葉細胞または正常
な胚または悪性腫瘍組織から誘導される細胞)または成人の組織(例えば、骨髄
間質調製物)における増殖および分化を調節することが周知のものを代表する細
胞種の存在下における培養も、特定の細胞系統を樹立するように、特定の細胞系
統内で分化を調節または細胞の成熟を誘導することができる。
【0103】 化学的な分化も分化を誘導するために使用することができる。骨形態形成タン
パク質-2またはこのような因子の拮抗薬などの脊椎動物の胚細胞の分化を調節す
ることが周知の可溶性または膜結合因子の存在下における増殖を使用することが
できる。
【0104】 出願人らは、Oct-4は幹細胞内で発現され、分化中にダウンレギュレーション
されることを見出し、これは、Oct-4プロモーターによって駆動される薬物耐性
遺伝子を使用した幹細胞の選択がヒトES細胞を操作するための有用な道筋である
ことを強く示している。増殖因子を使用した定方向的な分化または増殖因子増強
を組み合わせた系統選択の補完的な方法によって、本明細書に記載するように作
製された自然に分化する細胞から純粋な前駆細胞の集団を選択することができる
だろう。
【0105】 幹細胞の遺伝的改変または上記の遺伝的に改変された幹細胞のさらなる改変を
使用して分化の誘導を制御することができる。特定の細胞系統においてのみ発現
されるプロモーターの制御下において選択可能なマーカーを含有する構築物を導
入するように幹細胞を遺伝的に改変し、次に上記のような細胞の処理およびプロ
モーターが活性である細胞のその後の選択を使用することができる。
【0106】 本発明の別の態様において、本発明の方法によって作製される、自身の再生ま
たは1つまたは少数の体細胞系統への分化をすることができる前駆細胞および成
熟した分化した細胞が提供される。
【0107】 細胞が分化するように誘導されたら、上記の手段によって同定される、種々の
細胞種を分離し、選択的に培養することができる。
【0108】 選択的培養は、好ましくは、幹細胞増殖に好ましくない条件下で出現する混合
集団から特定の系統の始原細胞または成熟した分化した細胞を単離し、これらの
特定の系統をその後増殖することを意味する。選択的培養を使用して、成熟細胞
の集団または特定の前駆細胞系統の集団を単離することができる。単離は、以下
を単独または併用して含む細胞生物学の種々の技法によって実施することができ
る。すなわち、顕微解剖;特定の系統の分化した細胞によって発現されるエピト
ープに対する抗体で標識してからの、蛍光顕微鏡下での直接単離、パニング、免
疫磁気的選択またはフローサイトメトリーによる選択による免疫学的選択;特定
の増殖もしくは細胞外基質因子への暴露または細胞-細胞接着などの特定の細胞
系統の増殖または接着を実施する選択的条件;密度などの細胞の生物物理的な特
性に基づいた分離;細胞の混合集団を分離してからの、単離および別個の培養容
器における小細胞集団または1つの細胞の培養並びに形態、マーカータンパク質
の分泌、抗原発現、増殖特性または遺伝子発現に基づいた選択;選択可能なマー
カーまたは他のレポーターを駆動する系統特異的なプロモーター構築物を使用し
た系統選択である。
【0109】 例えば、図3に示す神経細胞群を生ずることが予定されている細胞領域は、位
相コントラストまたは立体顕微鏡下で同定される特徴的な形態特徴によって高密
度集団で同定することができる。これらの細胞領域を単離し、無血清培地で再度
平板培養することができ、それらは球体構造物を形成する。これらの球体中の細
胞は、最初、中間フィラメントタンパク質ネスチンおよび転写因子Pax-6などの
原始神経外胚葉のマーカーを発現する。適当な基質上で平板培養するとき、分化
した細胞はこれらの前駆細胞から単層として増殖し、成熟した神経に特徴的な形
態および160 kd神経フィラメントタンパク質およびMap-2ABなどのマーカーの発
現を獲得する。神経系統の細胞についてのこれらの観察は、前駆細胞および完全
に分化した細胞のどちらも、記載されている技法を使用して胚性幹細胞培養物か
ら単離し、特徴づけることができるという原則を確立している。
【0110】 別の態様において、本発明の方法によって作製される未分化の細胞系統が提供
される。
【0111】 特定の細胞系統HES-1およびHES-2は上記の技法によって単離され、上記の特性
を有する。
【0112】 本発明の別の態様において、好ましくは、本発明の方法によって作製される分
化した、または未分化のヒト細胞と担体を含む細胞組成物が提供される。
【0113】 担体は、細胞を維持する生理学的に許容されうる任意の担体であってもよい。
担体はPBSまたはES培地であってもよい。
【0114】 分化した細胞または未分化細胞を、生物材料の保存に好適な任意の方法によっ
て保存または維持することができる。生物材料のガラス化は、従来の低速凍結方
法を上回る好ましい方法である。
【0115】 ES細胞の効果的な保存は、多数の将来の用途のために細胞の持続的な保存を可
能にするので、非常に重要である。細胞系統の凍結保存に普通に使用されている
従来のゆっくりした凍結方法は、未分化細胞または分化細胞を凍結保存するため
に使用することができるが、このような方法の生きているヒト未分化ES細胞の回
収効率は非常に低い。多分化能細胞は胚盤胞から誘導され、培養時に胚の特性を
保持するので、ES細胞系統は他の細胞系統とは異なる。従って、胚に効率的であ
る方法を使用した凍結保存が最も適当である。胚の凍結保存に効率的である任意
の方法を使用することができる。好ましくは、ガラス化法を使用する。さらに好
ましくは、以前にVajta, G. ら(1998)Molecular Reproduction and Developme
nt, 51, 53-58に記載されているオープンプルドストロー(Open Pulled Straw)
ガラス化法を未分化細胞を凍結保存するために使用する。さらに好ましくは、Va
jta, Gら(1998)Cryo-Letters, 19, 389-392によって記載されている方法を使
用する。一般に、この方法は胚を凍結保存するためだけに使用されている。
【0116】 分化または未分化細胞を、増殖因子、分化因子または組織再生をコントロール
する因子を含むが、それらに限定されない新規遺伝子産物を単離または同定する
ための起源として使用することができ、またはそれらを新規エピトープに対する
抗体を形成するために使用することができる。細胞系統を先天性疾患を診断、予
防または治療する手段の開発に使用することもできる。
【0117】 最近、生物学および医学における幹細胞の可能な用途に多くの関心が払われて
いる。多分化能性および不死性という特性はES細胞に独自で、それによって研究
者はヒトの生物学および医学における多くの問題に初めて立ち向かえる。ES細胞
は、おそらく、移植手法、特に別の培養系では必要な前駆細胞の増殖を支持する
ことができない場合に使用するドナー組織の不足に対処することができる。ES細
胞は、発生学的研究、機能的ゲノム科学、新規増殖因子の同定および薬物発見並
びに毒性学などの分野におけるヒト医学において多数の未達成の用途を有する。
【0118】 本発明は、本明細書において、以下の実施例を参照してさらに詳細に記載され
る。しかし、以下の記載は例示的にすぎず、いかなるようにでも、上記の本発明
の一般性を制限するものと考えるべきではないことが理解されるべきである。
【0119】参考文献 Evans, M.J. and Kaufman, M. Establishment in culture of pluripotent stem
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【0120】実験プロトコール 1. ES細胞の誘導および増殖。 受精した卵母細胞を、標準的な共存培養物不含プロトコール(Fong C. Y.,お
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r in sequential culture media with and without co-culture. Hum. Reprod.
14, 774-781(19999))により、連続的な培地で胚盤胞段階(受精後6日)まで
培養した。プロナーゼ(pronase)(Sigma, St. Louis, MO)による透明帯の消
化後(Fong C. Y. Ongoing pregnancy after transfer of zona-free blastocys
ts: implications for embryo transfer in the human. Hum. Reprod. 12, 557-
560(1997))、ICMを抗ヒト血清抗体(Sigma)を使用し、次にモルモット補体
(Life Technologies, Gaithersburg, MD)に暴露することによって、免疫学的
手術によって単離した(Solter D., およびKnowles, B. Immunosurgery of mous
e blastocyst. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 72, 5099-5102(1975)。次い
で、ICMを、ゼラチンコーティングした組織培養皿でマイトマイシンCにより有糸
分裂を不活性化したマウス胚線維芽細胞支持細胞層で培養した(75,000細胞/cm2
)。培養培地は、20%ウシ胎仔血清(Hyclone, Logan, Utha)、0.1mMのβ-メル
カプトエタノール、1%の非必須アミノ酸、2mMのグルタミン、50u/mlのペニシリ
ンおよび50μg/mlのストレプトマイシン(Life Technologies)を補給したDMEM
(Gibco、ピルビン酸ナトリウムを含有しないが、グルコース4500mg/Lを含有す
る)であった。単離およびES細胞培養の早期段階において、培地に2000u/mlのヒ
ト組換え白血病抑制因子hLIF(Amrad, Melbourne, Australia)を供給した。最
初の平板培養の6〜8日後に、ICM様の集団をマイクロピペットによって分化した
細胞増殖物から機械的に取り出し、新鮮な支持細胞層上で再度平板培養した。得
られたコロニーをさらに約100個の幹細胞様細胞の集団で、マウス支持細胞層上
で約7日ごとに増殖させた。集団を機械的に解離させるか、または機械的スライ
ス化に続くディスパーゼ(dispase)(10mg/ml, Life Technologies)に暴露す
ることと組み合わせた方法によって解離した。
【0121】 (a)胚の培養 受精後、胚をIVF-50培地(Scandinavian 2培地)で事前平衡化した滅菌した鉱
物油による小滴法で2日間培養した。
【0122】 3日めにIVF-50とScandinavian 2培地の1:1混合物を使用した。
【0123】 4日め以降、Scandinavian 2培地だけを使用して、卵割期の胚を胚盤胞まで増
殖させた。
【0124】 (b)透明帯消化 透明帯消化は6日めに増殖した胚盤胞段階で実施した。
【0125】 消化溶液はPronase(Sigma, TC試験ずみ)10uをPBSに加えたものおよびScandi
navian 2培地(1:1)を含んだ。
【0126】 胚をプロナーゼ(pronase)溶液で1〜1.5分間インキュベーションし、Scandin
avian 2培地で洗浄し、30分間インキュベーションした。透明帯が完全に溶解さ
れたら、胚をプロナーゼ(pronase)溶液でさらに15秒間インキュベーションし
た。
【0127】 (c)ヒト幹細胞培養 ヒト幹細胞をMMC処理した線維芽細胞支持細胞層上で増殖した。線維芽細胞は
ゼラチン処理した皿で平板培養した。ヒトおよびマウスから誘導した線維芽細胞
の組み合わせを1 cm2あたり、それぞれ、約25,000個および70,000個の細胞の密
度で使用した。線維芽細胞を48時間平板培養してから、幹細胞を培養した。マウ
ス線維芽細胞だけが幹細胞の増殖を支持することができた。しかし、ヒト線維芽
細胞も幹細胞を支持することができたが、それらは不均一で、不安定な支持細胞
層を形成した。従って、増殖のためのよりよい支持および分化の防止を増加し、
達成するためにヒト線維芽細胞はマウス線維芽細胞と組み合わせた。
【0128】 ヒト幹細胞の増殖に使用した培地は、20%FBS(Hyclone, Utha)、β-メルカ
プトエタノール-0.1 mM(GIBCO)、非必須アミノ酸-NEAA 1%(GIBCO)、グルタ
ミン 2mM(GIBCO)、ペニシリン50u/ml (GIBCO)およびストレプトマイシン50μg
/ml(GIBCO)を補給したDMEM(GIBCO, ピルビン酸塩を含有せず、グルコース450
0mg/Lを含有する)であった。幹細胞の最初の単離時に、培地にhLIF 2000u/mlを
供給した。LIFは必要ないことが後に示された。
【0129】 (d)ヒト幹細胞増殖: 平板培養後、単離したICHを接着し、6時間培養した。その段階において、分化
した細胞の上面に幹細胞集団を含むコロニーが発生した。細胞間の接着を低下さ
せるために、Ca/Mg不含PBS培地を使用して、マイクロピペットによって機械的に
ICM集団を単離し、取り出した。単離した集団を新鮮なヒト/マウス線維芽細胞支
持細胞層で再度平板培養した。2週間の培養後、霊長類の多分化能幹細胞の典型
的な形態を有するコロニーが発生した。幹細胞を2つの方法の一方でさらに増殖
させた。両方法では、未分化であると思われた細胞を5〜7日ごとに約100個の細
胞の集団で増殖させた。
【0130】 第一の方法では、細胞間の接着を低下するためにCa/Mg不含PBS培地を使用した
。約15〜20分後、細胞は徐々に分離し始め、望ましいサイズの集団を単離するこ
とができる。細胞の分離が一部である場合には、ピペットの鋭い先端を使用した
機械的な分離が集団の切断および単離の助けとなった。
【0131】 別の方法は、コロニーを機械的に切断し、次にディスパーゼによるサブコロニ
ーを単離する組み合わせた使用を含む。コロニーの切断はCaおよびMgを含有する
PBS中で実施することができる。マイクロピペットの鋭い先端を使用して、コロ
ニーを約100細胞の集団に切断することができる。ピペットを使用して、コロニ
ーの領域をこすり取ることができる。PBSを、ディスパーゼ(Gibco)10 mg/mlを
含有する通常の平衡化したヒト幹細胞培地に変更し、(37℃、5% CO2において)
約5〜10分間インキュベーションする。集団が解離したら、広口マイクロピペッ
トによってそれらを回収し、CaおよびMgを含有するPBS中で洗浄し、新鮮な線維
芽細胞支持細胞層に移すことができる。
【0132】 (e)ヒト幹細胞の凍結保存 早期継代細胞を、弱冠の改良を加えたオープンプルドストロー(open pulled
straw)(OPS)ガラス化方法(Vajtaら、1998)を使用することによって、約100
細胞の集団で凍結保存した。新鮮なミニストロー(250μl、IMV、L'Aigle, Fran
ce)をホットプレートで加熱軟化し、内径が元の直径の約半分に低下するまで手
で引いた。ストローを室温まで冷却させ、次いで、剃刀で最も細いところで切断
した。γ線照射(15〜25 K Gy)によってストローを滅菌した。2種類のガラス化
溶液(VS)を使用した。両者とも、20%ウシ胎仔血清(Hyclone, Logan, Utah)
を補給したHEPES緩衝液(Gibco,ピルビン酸ナトリウムを含有せず、グルコース4
500mg/Lを含有する)を含有するDMEMを含む保持培地に基づいた。第一のVS(VS1
)は10%ジメチルスルホキシド(DMSO, Sigma)および10%エチレングリコール(E
G, Sigma)を含有した。第二のガラス化溶液(VS2)は20%DMSO、20%EGおよび0.5
Mショ糖を含んだ。全ての手法は37℃の加熱ステージ上で実施した。ES細胞の4〜
6集団を最初にVS1で1分間インキュベーションし、次にVS2で25秒間インキュベー
ションした。次いで、それらを20μlのVS2の液滴で洗浄し、1〜2μlのVS2の液滴
内に配置した。毛細管作用によって液滴からストローの狭い端部内に集団を導入
した。狭い端部を速やかに液体窒素に沈めた。ストローを液体窒素中に保存した
。融解も、先に記載した方法にわずかな改良を加えて、37℃の加熱ステージ上で
実施した(Vajtaら、1998)。液体窒素から取り出してから3秒後に、ストローの
狭い端部を0.2Mショ糖を補給したHMに沈めた。1分間のインキュベーション後、
集団を0.1Mショ糖を添加したHM中でさらに5分間インキュベーションし、HM中で
さらに5分間インキュベーションした。
【0133】 2. 幹細胞の特徴づけ 幹細胞表面マーカーGCTM-2、TRA 1-60およびSSEA-1を免疫蛍光により実証する
ためにコロニーを培養皿中で100%エタノールで固定したが、SSEA-4には90%アセ
トン固定を使用した。マーカーを検出するために使用するモノクローナル抗体の
起源は以下のようであった:GCTM-2、本発明者らの研究室;TRA1-60、Peter And
rews氏、University of Sheffieldからの贈呈;SSEA-1(MC-480)およびSSEA-4
(MC-813-70)、Developmental Studies Hybridoma Bank, Iowa, IA。抗体局在
化は、フルオレセインイソチオシアネート(Dako, Carpinteria, CA)に結合し
たウサギ抗マウス免疫グロブリンを使用して実施した。
【0134】 アルカル性ホスファターゼ活性は、以前に記載されているように実証した(Bu
ehr M.and Mclaren A. Isolation and Culture of primordial germ cells. Met
hods Enzymol. 225, 58-76,(1993))。標準的なGバンド技法を核型決定に使用し
た。
【0135】 3. Oct-4発現研究 Oct-4の発現をモニターするために、主に幹細胞からなるコロニー、または先
に記載したように、自発的な分化を受けたコロニーにRT-PCRを実施した。製造業
者の指示により、細胞溶解後にmRNAを磁気ビーズ(Dynal AS, Oslo)に単離し、
固相第一鎖cDNA合成をSuperscript II逆転写酵素(Life Technologies)を使用
して実施した。以下のプライマー、5'-CGTTCTCTTTGGAAAGGTGTTC(順方向)およ
び3'-ACACTCGGACCACGTCTTTC(逆方向)を使用してOCT-4転写物をアッセイした。
mRNA品質の対照として、β-アクチン転写物を同じRT-PCRおよび以下のプライマ
ー、5'-CGCACCACTGGCATTGTCAT-3'(順方向)、5'-TTCTCCTTGATGTCACGCAC-3'(逆
方向)を使用してアッセイした。産物は1.5%アガロースゲルで分析し、臭化エチ
ジウム染色によって可視化した。
【0136】 4. in vitroにおける分化 有糸分裂不活性化したマウス胚線維芽細胞上で集密化までコロニーを培養し(
約3週間)、継代後さらに7週まで培養した。培地は毎日交換した。それぞれ、継
代レベル17および6においてHES-1およびHES-2によって調整した培地のα胎児タ
ンパク質およびβヒト胎盤性性腺刺激ホルモン濃度を測定した。4〜5週の培養後
、最後の培地交換から36時間後にコンディションドメディウムを回収し、特異的
な免疫酵素定量的なアッセイ(Eurogenetics, Tessenderllo, Bergium)および
蛍光定量的な酵素免疫アッセイ(Dade, Miami, FL)によってそれぞれ測定した
。これらの化合物は支持細胞層だけで調整した対照培地には検出されなかった。
【0137】 系統特異的なマーカーの免疫蛍光検出のために、分化した細胞集団を継代の6
〜7週後に固定した(26-HES-1および9-HES-2)。100%エタノールによる固定後、
特異的なモノクローナル抗体を使用して、68 kDa神経フィラメントタンパク質(
Amersham, Amersham U.K.)および神経細胞接着分子(Dako)を検出した。筋特
異的アクチンおよびデスミン(desmin)も、メタノール/アセトン(1:1)による
固定後にモノクローナル抗体によって検出された。抗体の局在化は上記のように
実施した。
【0138】 神経前駆細胞を生ずることが予定される細胞集団は、平板培養の2〜3週間後に
ES細胞コロニーの中央部分の特徴的な形態的特徴によって同定した。細胞集団を
マイクロピペットによって機械的に切断し、血清不含の新鮮な培地で再度平板培
養した。24時間以内に、それらは球体構造物を形成した。転写因子PAX-6の発現
およびこれらの細胞集団による中間フィラメントネスチンは、上記のRT-PCRによ
って実証した。以下のプライマーをPAX-6およびネスチンにそれぞれ使用した。P
ax-6順方向プライマー、5'AACAGACACAGCCCTCACAAACA3';Pax-6逆方向プライマー
、5'CGGGAACTTGAACTGGAACTGAC3';ネスチン順方向プライマー、5'CAGCTGGCGCACC
TCAAGATG3';ネスチン逆方向プライマー、5'AGGGAAGTTGGGCTCAGGACTGG3'。
【0139】 細胞集団をポリD-リジン(Sigma)およびラミニン(Sigma)上で平板培養した
。N-CAM(Dako)の免疫蛍光実証のためにはそれらを90%アセトン水溶液を使用し
て5時間後に固定したが、ネスチンの存在を実証するためには4%パラホルムアル
デヒドのPBS溶液による固定を使用した。平板培養の5日後、NF160KD(Boehringe
r Mannheim Biochemica)の免疫蛍光実証のために細胞集団から増加した分化し
た細胞をメタノールで固定し、MAP 2a+b(Neomaekers, clone AP20)のためには
4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液で固定した。抗体局在化は上記のように実施
した。
【0140】 5. 重症複合免疫不全(Severe Combined immunodeficient; SCID)マウスにお
ける奇形腫の形成 通常の継代時において、未分化形態を有する約200個の細胞の集団を上記のよ
うに回収し、4〜8週齢のSCIDマウスの精巣に注射した(Walter and Eliza HAll
InstituteのCB17株、Melbourne, Australia, 10〜15細胞集団/精巣)。6〜7週後
、得られた腫瘍を中性の緩衝ホルマリン10%中で固定し、パラフィンに包埋し、
ヘマトキシリンおよびエオシン染色後に組織学的に調査した。
【0141】 例 例1-細胞系統HES-1およびHES-2の誘導 外側の栄養外胚葉層を免疫学的手術によって4つの胚盤胞から取り出し、次い
でマウス胚線維芽細胞の支持細胞層上で平板培養した(図3A)。数日のうちに、
小さく密着した細胞群が4つのICMの2つから増殖し始めた。小さい細胞を分化し
た細胞の増殖物から機械的に分離し、平板培養後に、それらはヒトECまたは霊長
類ES細胞の形態的外観を有する細胞の平坦なコロニーを生じた(図3B、C幹細胞
コロニー)。これらのコロニーを機械的な分離によってさらに増殖し、集団を新
鮮な支持細胞層上でさらに再度平板培養した。小さい細胞集団(<10細胞)から
の増殖はこれらの培養条件下では可能ではなかた。早期内胚葉の形態的外観を有
する細胞を形成することが多い自然な分化が通常の細胞継代中に観察されること
が多かった(図3D)。LIFが存在する場合でも、細胞が支持細胞層を除去されて
いると、分化が迅速に生じた(図3E)。細胞系統の早期確立段階中にLIFを使用
したが、確立された培養物の増殖または分化に影響を与えないことがその後見出
された(示していない)。通常の継代中枢神経系のコロニーサイズの平均的な増
加に基づいて、最低約360および90240集団の倍加に対応して、細胞系統HES-1はi
n vitroで60継代まで増殖し、HES-2は40継代まで増殖し、両細胞系統は主にES細
胞の形態を有する細胞であった。両細胞系統は凍結保存からの回収が成功した。
【0142】 例2-ヒトES細胞のマー発現および核型 継代レベル5〜7、14〜18、24〜26および44〜46のHES-1並びに継代レベル6〜8
のHES-2についてマーカーおよび核型分析を実施した。ES細胞はアルカリ性ホス
ファターゼ活性を含有した(図4A)。ヒトEC細胞上に見出される細胞表面炭水化
物および関連タンパク質を検出する一連の抗体を使用してES細胞の免疫表現型分
けを実施した。ES細胞は、SSEA-4およびTRA1-60炭水化物エピトープに対する抗
体を用いた間接的な免疫蛍光アッセイで陽性に反応し、染色パターンはヒトEC細
胞に観察されるものと同様であった(図4B、C)。ES細胞は、ヒトES細胞に見出
されるケラチン硫酸/コンドロイチン硫酸細胞辺縁基質プロテオグリカンのタン
パク質コアのエピトープを検出するモノクローナル抗体GCTM-2にも反応する(図
4D)。ヒトEC細胞と同様に、ヒトES細胞は、マウスES細胞のマーカーであるSSEA
-1を発現しなかった。両細胞系統は核型が正常であり、両者は雌の胚盤胞から誘
導された。
【0143】 Oct-4は、POUドメイン転写因子であり、その発現がマウスにおいて多分化能を
有する細胞に限られ、最近の結果は、Oct-4の接合発現は、内部細胞塊の多分化
能幹細胞集団の樹立に必須であることを直接示している。Oct-4はまたヒトEC細
胞において発現され、その発現は、これらの細胞が分化するとき、ダウンレギュ
レーションされる。主に幹細胞からなる単離されたコロニーについてmRNA分析を
実施するためのRT-PCRを使用して、本発明者らは、ヒトES細胞もOct-4を発現す
ることを示した(図5、レーン2〜)。PCR産物をクローニングし、配列決定し、
ヒトOct-4と同一であることを示した(図中に示さず)。
【0144】 例3-in vitroにおけるヒトES細胞の分化 両細胞系統は標準的な培養条件下において自発的な分化を受けたが、自発的な
分化過程はサブオプション的な培養条件によって促進された。支持細胞層を交換
することなく長期間(4〜7週)高密度まで培養することによりヒトES細胞の分化
が促進された。高密度培養物において、幹細胞マーカーOct-4の発現は検出不可
能か、またはハウスキーピング遺伝子βアクチンのレベルと比較してかなりダウ
ンレギュレーションされた(図5、レーン5〜7)。α胎児タンパク質およびヒト
胎1児性性腺刺激ホルモンは、高密度まで増殖させた培養物の上清における免疫
アッセイによって容易に検出された。α胎児タンパク質は内胚葉細胞の特徴的な
産物であり、胚外または胚の内胚葉分化を反映することができる。観察されたレ
ベル(1210〜5806 ng/ml)は存在する広範な内胚葉を示す。ヒト胎盤性性腺刺激
ホルモン分泌は栄養膜分化に特徴的であり、観察されたレベル(6.4〜54.6 IU/
リッター)はこの系統の中程度の分化に一致する。
【0145】 高密度での長期培養後、多層凝集物または小胞構造物が単層面上に形成し、こ
れらの構造の中には、細胞体から延在して、他の細胞と接触したとき網目構造を
形成する細長い突起を有する細胞集団または1つの細胞(図3F)が観察された。
細胞および突起は神経フィラメントタンパク質および神経細胞接着分子に対する
抗体で陽性に染色した(図4EおよびF)。収縮筋は培養物中にまれにしか見られ
なかった。収縮筋はまれにしか見られなかったが、アクチンの筋肉特異的形態に
対する抗体で陽性染色される細胞束およびデスチン(destin)中間フィラメント
を含有するまれな細胞(図6GおよびH)がしばしば観察された。これらの高密度
培養物中では、マウスES細胞凝集物に形成されるまたはマーモッセットES培養物
に散発的に発生するものと同様の胚様体の形成を示す一定の構造組織パターンは
なかった。
【0146】 例4-異種移植片におけるヒトES細胞の分化 早期継代レベル(6;HES 1および2)または後期継代レベル(HES-1、14および
27)のHES-1またはHES-2コロニーをSCIDマウスの精嚢の下側部に接種したとき、
精巣病変が発症し、接種の約5週間後から触知可能となった。全てのマウスが腫
瘍を形成し、ほとんどの場合、両側の精巣が罹患した。剖検時には、淡色の流体
および固形組織領域が充填した嚢胞塊からなる病変が観察された。腹膜腔内の他
の部位に拡散した転移の肉眼的徴候はなかった。組織学的調査は、病変が正常な
精巣と置き換わり、奇形腫の固形領域を含有することを明らかにした。胎生期癌
はいずれの病変にも観察されなかった。全ての奇形腫は、3つの胚葉全てを代表
する組織を含有した。観察された分化組織は軟骨、扁平上皮、原始神経外胚葉、
ガングリオン構造物、筋、骨および腺上皮を含んだ(図6)。胚様体は異種移植
片には観察されなかった。
【0147】 例5. in vitroにおける分化誘導後の神経始原細胞および成熟した神経細胞の
同定および特徴づけ 長期間培養することによって分化を誘導し、神経細胞培養物を生じることが予
定される領域を、位相差顕微鏡または立体顕微鏡下での特徴的な形態によって同
定した。これらの細胞凝集物を単離し、新鮮な血清不含培地で平板培養した。そ
れらは球状構造物を形成した。RT-PCRおよび免疫蛍光分析は、これらの球状構造
物内の細胞は、ネスチン、Pax-6およびポリシアル化N-CAMを含む原始神経外胚葉
のマーカーを発現することを示した。短期間の培養後、細胞は球状から単層に移
行し、ニューロンの形態的外観を獲得した;免疫蛍光分析は、これらの細胞は、
160 kdの神経フィラメントタンパク質およびMAP-2ABを含む成熟したニューロン
マーカーを発現することを明らかにした。
【0148】 例6;ヒトES細胞の凍結保存 従来のゆっくりした凍結プロトコールを使用することによってヒトES細胞を凍
結保存する試みは融解後に良好ではない結果が得られるだけであった。ES細胞は
胚盤胞から誘導され、培養中に胚の特性を保持するので、本発明者らは、胚に効
率的な方法を使用することによる凍結乾燥が有用であると推測した。ヒトES細胞
の早期継代細胞集団を、ウシ胚盤胞の凍結保存にかなり効率的であることが最近
示されているオープンプルドストロー(Open Pulled Straw)(OPS)ガラス化方
法を使用することによって凍結した(Vajtaら、1998)。両細胞系統は融解が成
功し、さらに長期間増殖した。ガラス化手法の成果をさらに細胞系統HES-1につ
いて検討し、この手法による生きている細胞の回収はかなり効率的であることが
見出された。全ての細胞集団(n=25)は手法から生存し、接着し、融解後も増殖
した。ガラス化しなかった対照細胞集団のコロニーと比較したとき、融解の2日
後にガラス化した細胞集団から発生するコロニーサイズが減少することによって
証明されるように、ガラス化は細胞死とやや関連がある。しかし、2日の培養期
間はこの細胞欠損を克服するのに十分であり、平板培養後9日めでは、凍結-融解
細胞集団のコロニーにサイズは7日めの対照コロニーのサイズを超えた。ガラス
化は、融解後では、分化を誘導しなかった。融解した細胞は正常な核型および原
始幹細胞マーカーの発現を保持し、SCIDマウスにおいて奇形腫を形成した。
【0149】 最後に、本明細書に概略する本発明の精神から逸脱することなく、種々の他の
改良および/または変更を加えることができることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 未分化のヒトES細胞系統HES-1のコロニーを示す。
【図2】 分化を受けた同じ細胞系統のコロニーを示す。
【図3】 ES細胞およびそれらの分化した子孫の位相コントラスト顕微鏡写真を示す。A
、平板培養3日後の内部細胞塊。B、ES細胞のコロニー。C、ES細胞コロニーの高
倍率図。D、通常の継代中に自発的な分化を受けたES細胞コロニー図。E、支持細
胞層が不在であるが、2000単位/mlのヒトLIFの存在下において平板培養4日後に
辺縁部が分化を受けたコロニー。F、高密度培養中のニューロン細胞。スケール
バー:AおよびC、25ミクロン;BおよびE、100ミクロン;DおよびF、50ミクロン
【図4】 ES細胞およびそれらの分化した体細胞の子孫におけるマーカーの発現を示す。
A、アルカル性ホスファターゼの組織化学的染色を示すES細胞コロニー。B、SSEA
-4エピトープを認識する抗体MC-813-70で染色したES細胞コロニー。C、抗体TRA1
-60で染色したES細胞コロニー。D、抗体GCTM-2で染色したES細胞コロニー。E、
抗神経フィラメント68kDaタンパク質で染色した細胞の高密度培養、細胞体およ
び突起。F、神経細胞接着分子に対する抗体で染色した細胞の高密度培養、細胞
クラスターおよび細胞から発する突起の網目構造。G、筋肉アクチンに対する抗
体で染色した細胞質フィラメントを示す高密度培養の細胞。H、デスミンに対す
る抗体で染色した細胞質フィラメントを示す高密度培養の細胞。スケールバー:
A、100ミクロン;B-DおよびF、200ミクロン;E、GおよびH、50ミクロン。
【図5】 ES幹細胞におけるOct-4およびβ-アクチンの発現のRT-PCR分析および高密度培
養を示す。臭化エチジウムで染色した1.5%アガロースゲル。レーン1、DNAマーカ
ー。レーン2、幹細胞培養、βアクチン。レーン3、幹細胞培養、Oct-4。レーン4
、幹細胞培養、逆転写酵素を使用しないで実施したOct-4のPCR。レーン5、高密
度培養、βアクチン。レーン、高密度培養、Oct-4。レーン7、高密度培養、逆転
写酵素を使用しないで実施したOct-4のPCR。βアクチンバンドは200 bpであり、
Oct-4バンドは320 bpである。
【図6】 HES-1またはHES-2コロニーの接種後にSCIDマウスの精巣に形成された奇形腫に
見出される分化した構成成分の組織学を示す。A、軟骨および扁平上皮、HES-2。
B、神経ロゼット形成細胞、HES-2。C、神経節、腺および横紋筋、HES-1。D、骨
および軟骨、HES-1。E、腺上皮、HES。F、繊毛円柱上皮、HES-1。スケールバー
:A-E、100ミクロン;F、50ミクロン。
【図7】 分化中の培養物から単離した神経前駆細胞中の原始神経外胚葉マーカーネスチ
ンおよびPax-6の発現のRT-PCR分析を示す。レーン1 100 bpマーカー;レーン2
βアクチン、HX 142神経芽細胞腫陽性対照;レーン3βアクチン、神経始原細胞
試料1;レーンβアクチン神経始原細胞試料2;レーン4ネスチンHX142;レーン5
ネスチン神経始原細胞試料1;レーン6 ネスチンであるが、RTではない、神経
始原細胞試料2;レーン7 ネスチン、神経始原細胞試料2;レーン8、ネスチンで
あるが、RTではない、神経始原細胞試料2;レーン9 Pax-6神経始原細胞試料1;
レーン10 Paxであるが、RTではない、神経始原細胞試料1;レーン11 Pax-6神
経始原細胞試料2;レーン12 Pax-6であるが、RTではない、神経始原細胞試料2
【図8】 ES誘導神経始原細胞およびそれらから誘導された成熟細胞の球体の位相コント
ラスト像、並びにこれらの細胞の原始神経外胚葉および成熟したニューロンを特
徴とするマーカーの間接的な免疫蛍光検出を示す。A、分化中のES細胞の培養物
からの神経始原細胞の単離後の、血清を含まない培地中に形成される球体構造物
の位相コントラスト像;B、このような球体のシアル酸化N-CAM染色;C、球体か
ら単層上で増殖中の細胞のネスチン染色;D、細胞が細胞から発する細長い突起
を有する接着球体のいそうコントラスト形態;E、MAP-2abに対する抗体で染色し
たDと同様の構造;F、神経フィラメント160kdaタンパク質に対する抗体で染色し
たDに示すものと同様の構造;G、β-チューブリンで染色したDに示すものと同様
の構造から誘導される個々の接着細胞。スケールバー;A、100ミクロン;B、100
ミクロン;C、100ミクロン;D、50ミクロン;E、50ミクロン;F、200ミクロン;
G、25ミクロン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 ハダシット・メディカル・リサーチ・サー ヴィシーズ・アンド・デヴェロップメン ト・カンパニー・リミテッド イスラエル国,イェルサレム 91120,ア イン・ケレム(番地なし),ハダサー・ユ ニヴァーシティ・ホスピタル (72)発明者 リュービノフ,ベンジャミン・イーサン イスラエル国,イェルサレム 90805,メ ヴァセレット‐ジオン,ハザミール・スト リート 16 (72)発明者 ペラ,マーティン・フレデリック オーストラリア国ヴィクトリア州3181,プ ラーラン,ハイベリー・グローヴ 53 (72)発明者 イー,フォン・チュイ シンガポール国,シンガポール 128044, ウェスト・コースト・クレセント 16, #01−10 (72)発明者 トローンソン,アラン・オズボーン オーストラリア国ヴィクトリア州3147,ア シュバートン,ビーティ・クレセント 25 (72)発明者 ボンソ,アリフェン シンガポール国,シンガポール 1368686, ドーヴァーパーク・ヴュー,ドーヴァー・ ライズ 32,タワー シー,#02−03 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 GA18 HA20 4B065 AA93X AB01 AC12 BA23 BB23 BC41 CA44

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インビトロで増殖することができる未分化のヒト胚性幹細胞
    の精製された調製物。
  2. 【請求項2】 胚外性分化および細胞死を誘発しない条件下において培養し
    たとき、未分化状態を維持することができる請求項1に記載のヒト胚性幹細胞の
    精製された調製物。
  3. 【請求項3】 条件が、線維芽細胞no支持細胞層で細胞を培養することを含
    む請求項2に記載のヒト胚性幹細胞の精製された調製物。
  4. 【請求項4】 分化条件下においてインビトロで分化することができる請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のヒト胚性幹細胞の精製された調製物。
  5. 【請求項5】 胚性幹細胞が、自己再生し、1つもしくは数種の種類の成熟
    細胞にさらに分化することができる前駆細胞、および成熟した分化細胞を含む群
    から選択される体細胞に分化することができる請求項4に記載のヒト胚性幹細胞
    の精製された調製物。
  6. 【請求項6】 細胞が、SSEA-4、GCTM-2抗原およびTRA 1-60を含むヒトの多
    分化能を有する幹細胞についてのマーカーに対して免疫反応性である未分化のヒ
    ト胚性幹細胞。
  7. 【請求項7】 細胞がOct-4を発現する請求項6に記載の未分化のヒト胚性
    幹細胞。
  8. 【請求項8】 未分化のヒト胚性幹細胞を作製する方法であって、 インビトロで受精させたヒト胚を入手して、発生の胚盤胞期まで胚を成長させ
    るステップと、 胚から内部細胞塊(ICM)細胞を取り出すステップと、 胚外性分化および細胞死を誘発せず、未分化の幹細胞の増殖を促進する条件下
    でICM細胞を培養するステップと、 幹細胞を回収するステップと を含む方法。
  9. 【請求項9】 未分化のヒト胚性幹細胞を作製する方法であって、 インビトロで受精させたヒト胚を入手して、発生の胚盤胞期まで胚を成長させ
    るステップと、 胚から内部細胞塊(ICM)細胞を取り出すステップと、 線維芽細胞の支持細胞層上でICM細胞を培養して、未分化の幹細胞を増殖させ
    るステップと、 支持細胞層から幹細胞を回収するステップと を含む方法。
  10. 【請求項10】 線維芽細胞の支持細胞層が、マウスおよび/またはヒト線
    維芽細胞支持細胞層である請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 線維芽細胞の支持細胞層が、胚線維芽細胞を含む請求項1
    0に記載の方法。
  12. 【請求項12】 線維芽細胞が、胚性幹細胞の増殖を促進できるかどうか、
    および胚外性の分化を制限することができるかどうかについて試験される請求項
    9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 線維芽細胞株が、胚性幹細胞の増殖の促進および胚外性分
    化の阻止におおいに好適である請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 線維芽細胞株が、近交系マウス株129/Sv、CBA、または129
    /SvとC57/BI6の交雑から誘導される請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 線維芽細胞が、ヒト多分化能幹細胞因子を含むヒトの多分
    化能幹細胞再生に必須の組換え膜結合因子を発現する請求項7〜14のいずれか
    1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 ICM細胞の取り出しの前に前処理をさらに含む請求項8〜
    15のいずれか1項に記載の方法であって、前記前処理が、 胚を処理して、胚の栄養外胚葉またはその一部を除去するステップと、 胚をG2.2またはS2(スカンジナビアン-2)培地で洗浄して、栄養外胚葉または
    その一部を除去するステップと、 胚の内部細胞塊を入手するステップと を含む方法。
  17. 【請求項17】 線維芽細胞支持細胞層から別の線維芽細胞支持細胞層の上
    で幹細胞を再度平板培養するステップと、 形態的に未分化の幹細胞を増殖させるのに十分な期間、幹細胞を培養するステ
    ップと をさらに含む請求項8〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 請求項8〜17のいずれか1項に記載の方法によって作成
    される未分化細胞。
  19. 【請求項19】 体細胞分化を誘発する培養条件下で細胞を増殖させるステ
    ップをさらに含み、前記条件は幹細胞を持続的に再生させるのではなく、幹細胞
    を殺さず、また胚外性系統への一方向性の分化を誘発しない請求項8〜17のい
    ずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 培養条件が、分化した体細胞系統または多体細胞系統を誘
    発する分化誘導性の線維芽細胞の支持細胞層上で未分化の幹細胞を長期培養する
    ことを含む請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 分化誘導性の線維芽細胞支持細胞層が、マウスおよび/ま
    たはヒト線維芽細胞支持細胞層である請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 線維芽細胞の支持細胞層が、胚線維芽細胞を含む請求項2
    0または21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 線維芽細胞が、胚性幹細胞増殖を促進するかどうか、およ
    び胚外性分化を制限することができるかどうかについて試験される請求項20〜
    22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 胚線維芽細胞を作製し、胚性幹細胞が体細胞分化すること
    ができるかどうかについて試験する請求項19〜23のいずれか1項に記載の方
    法。
  25. 【請求項25】 培養条件が、体細胞分化を誘発する分化誘導性の線維芽細
    胞支持細胞層の存在下において、長期および/または高密度に細胞を培養するこ
    とを含む請求項19〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 【請求項26】 分化した細胞の培養物から前駆細胞を単離するための方法
    であって、 請求項19〜25のいずれか1項に記載の分化した細胞の培養物を調製するス
    テップと、 培養物から前駆細胞を単離するステップと を含む方法。
  27. 【請求項27】 請求項19〜26のいずれか1項に記載の方法によって作
    製される分化した細胞。
  28. 【請求項28】 自己再生または1つもしくはいくつかの体細胞系統に分化
    することができる前駆細胞、または十分に成熟した分化した体細胞を含む群から
    選択される体細胞である請求項27に記載の分化した細胞。
  29. 【請求項29】 細胞系統HES-1。
  30. 【請求項30】 細胞系統HES-2。
  31. 【請求項31】 胚性幹細胞の増殖促進および胚外性分化の阻害におおいに
    好適である線維芽細胞系統。
  32. 【請求項32】 近交系マウス株129/Sv、CBAまたは129/SvとC57/BI6の交雑
    から誘導される請求項31に記載の線維芽細胞系統。
  33. 【請求項33】 細胞が、ガラス化を受ける分化または未分化の細胞を維持
    する方法。
  34. 【請求項34】 ガラス化がオープンプルドストロー(Open Pulled Straw
    (OPS))ガラス化である請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 先天性疾患を予防および治療する方法であって、 請求項18に記載の未分化の幹細胞を入手するステップと、 先天性疾患に遺伝的改変を導入するステップと、 必要のある患者に移植することができる体細胞系統への分化を誘導するステッ
    プと を含む方法。
  36. 【請求項36】 実施例を参照して本明細書に記載されているヒト胚性幹細
    胞系統。
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