JP2002528502A - チプラナビルの薬物動態を改善する方法 - Google Patents

チプラナビルの薬物動態を改善する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明はチプラナビルの薬物動態を改善する新規な方法に関し、治療上の有効量のチプラナビルまたはその医薬上許容される塩と、治療上の有効量のリトナビルまたはその医薬上許容される塩との組合せを、かかる治療を必要とするヒトに投与することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、チプラナビル(tipranavir)の薬物動態を改善する新規な方法に関
するものであり、治療上の有効量のチプラナビルまたはその医薬上許容される塩
と、治療上の有効量のリトナビルまたはその医薬上許容される塩との組合せを、
かかる治療を必要とするヒトに投与することを特徴とする。
【0002】 発明の背景 この十年間の初期部分において当該疾病が最初に記載されて以来、後天性免疫
不全症候群(AIDS)およびその壊滅的な結果は、専門でないおよび科学的な
出版物の双方における連続的でかつ強度の報道の主題であった。その疾病および
ウィルスに関する論文は、完全な引用を許さないほど既に非常に広範囲である。
【0003】 ヒト免疫不全ウィルス(HIV)は、AIDSの原因病原体と長期間認識され
てきたが、反対の少数意見が示されてきた(例えば、Duesberg, Proc. Natl. Ac
ad. Sci, USA, 86:755-764(1989))。いくつかの伝染性および
非伝染性のHIV単離物からの完全なゲノムの配列分析は、感染性種までのその
複製および成熟につき本質的であるウィルスの組立ておよび分子タイプに対して
相当な光を与えてきた。HIVプロテアーゼは、成熟したビリオン蛋白質への、
該ウィルスのgagおよびgag−polのポリペプチドのプロセシングに必須
である。L. Ratnerら, Nature, 313:277-284(1985);L.H. Pea
rlおよびW.R. Taylor, Nature, 329:351(1987)。HIVは、他の
レトロウィルスにおいて見られたのと同一のgag/pol/env構成を示す
。L. Ratnerら、前記;S. Wain-Hobsonら, Cell, 40:9-17(1985);
R. Sanchez-Pescadorら, Science, 227:484-492(1985);およ
び M. A Muesingら, Nature, 313: 450-458(1985)。
【0004】 逆転写酵素(RT)はレトロウィルスに特有の酵素であり、それは、二本鎖D
NAへのウィルスRNAの変換を触媒する。AZT(ジドブジン)のごとき、伸
長できない異常型のデオキシヌクレオシド三燐酸による転写プロセスの間のいず
れかの点での遮断は、ウィルスの複製に対して劇的な結果を有するであろう。R
T標的に関する多くの研究は、AZTのようなヌクレオシドが細胞に容易に送達
されるという事実に大いに基づき進行中である。しかしながら、三燐酸塩に対す
る燐酸化工程の非効率性、および特異性の欠如および必然的な毒性は、AZT、
および遮断されたか、喪失した3'ヒドロキシル基を有する類似のヌクレオシド
の使用に主な欠点を構成する。
【0005】 また、HIVに対するT4細胞受容体(いわゆるCD4分子)は、さらにAI
DS治療における介入点として目標とされてきた。R.A. Fisherら, Nature, 3
31:76-78(1988);R.E. Husseyら, Nature, 331:78-81(
1988);および K.C. Deenら, Nature, 331:82-84(1988)。
この膜貫通蛋白質の外側部分の371個のアミノ酸(sCD4)の分子は、チャ
イニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞において発現され、Genentech(D.H.
Smithら, Science, 238: 1704-1707(1987))は、1987年
秋以来ずっと臨床試験において製品を有してきた。CD4は野生型ウィルスに対
して狭いスペクトルの活性を有することが示され、これまでヒトにおけるHIV
感染症を制御しなかった。Schinazi, MeadおよびFeorino, 963頁。CD4ベ
ースの治療の背後の考えは、T4およびそれらの表面上にCD4を発現する他の
細胞へのウィルス付着を干渉することによって、該分子がHIVを中和できると
いうものである。このテーマ上の変形は、特定の結合のためにCD4に細胞毒素
を付着させて、次いでそれらの表面に糖タンパク質gp−120を示す感染細胞
へ送達することである。M.A. Tillら, Science, 242:1166-1168(
1988);およびV.K. Chaudharyら, Nature, 335:369-372(19
88)。
【0006】 AIDSにおけるもう1つの治療標的には、HIV融合ポリペプチド前駆体を
プロセシングするのに不可欠であるウィルス・プロテアーゼ(あるいはプロテイ
ナーゼ)の阻害が含まれる。HIVおよび他のいくつかのレトロウィルスにおい
て、gagおよびgag/pol融合ポリペプチドの蛋白質分解性成熟(伝染性
ウィルス粒子の生成につき不可欠であるプロセス)は、それ自体がウィルスゲノ
ムのpol領域によってコードされるプロテアーゼによって媒介されることが示
されている。Y. Yoshinakaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82:1618-
1622(1985);Y. Yoshinakaら, J. Virol., 55:870-873(1
985);Y. Yoshinakaら, J. Virol., 57:826-832(1986);お
よび K von der Helm, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 74:911-915(
1977)。プロテアーゼの阻害は、Tリンパ球における哺乳類細胞およびHI
V複製のHIV p55のプロセシングを阻害することが示されている。T.J. Mc
Quadeら, Science, 247:454(1990)。
【0007】 99個のアミノ酸だけからなるプロテアーゼ(またはプロテイナーゼ)は、公
知の最小の酵素に属し、それはペプシンおよびレニンのごときアスパルチル・プ
ロテアーゼに相同性を示し(L.H. PearlおよびW.R. Taylor, Nature, 329:
351-354(1987);および I. Katohら, Nature, 329:654-6
56(1987))、その後実験的に確かめられた酵素の三次元構造および機序
に関する推論に導いた(L.H. PearlおよびW.R. Taylor、前記)。活性なHIV
プロテアーゼは、細菌において発現され(例えば、P.L. Darkeら, J. Biol. Che
m., 264:2307-2312(1989)参照)、化学合成され(J. Schnei
der およびS.B. Kent, Cell, 54:363-368(1988);および R.F.
Nuttら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:7129-7133(1988)
)。部位特異的突然変異(P.L. Darkeら、前記;およびN.E. Kohlら, Proc. Nat
l. Acad. Sci., USA, 85:4686-4690(1988))およびペプスタ
チン阻害剤(P.L. Darkeら, J. Biol. Chem., 264:2307-2312(1
989); S. Seelmeierら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:6612-
6616(1988); C.-Z. GiamおよびI. Borsos, J. Biol. Chem., 263
:14617-14720(1988);およびJ. Hansenら, EMBO J., 7:1
785-1791(1988))は、アスパルチル・プロテアーゼとしてのHI
Vプロテアーゼの機序的な機能についての証拠を提供した。ある研究は、その領
域が、ウィルス成熟中に、gagおよびpol前駆体蛋白質において酵素によっ
て実際に切断された後に作成されたペプチドにおいて期待された部位にて切断す
ることを示した。P.L. Darkeら, Biochem. Biophys. Res. Communs., 156:
297-303(1988)。HIVプロテアーゼのX線結晶解析(M.A. Navia
ら, Nature, 337:615-620(1989))、およびラウス肉腫ウィル
スからの関連するレトロウィルス酵素(M. Millerら, Nature, 337:576-
579(1989))は、他のアスパルチル・プロテアーゼにおいて見られたも
のと同一であるプロテアーゼ二量体中の活性部位を明らかとし、かくして、HI
V酵素が二量体として活性であるという推測(L.H. PearlおよびW.R. Taylor、
前記)を支持した。また、Joseph A. Martin, 「Recent Advances in the Desig
n of HIV Proteinase Inhibitors」, Antiviral Research, 17(1992
) 265-278を参照されたし。
【0008】 HIV感染症についての現在の治療は、ウィルスのライフ・サイクルにとって
必須である前記のウィルス酵素の活性を阻害することに注目する。現在使用され
ている抗−レトロウィルス剤は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、
非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)およびプロテアーゼ抑制剤(P
I)と命名された3つのクラスに分けられる。現在、組合せ治療、すなわち、「
薬物カクテル」を作成するために一緒になった2以上の抗レトロウィルス剤の選
択は、HIV感染症の好ましい治療法である。組合せ治療は、日和見感染の発生
率を低下させ、生存期間を増加させることが示されている。典型的には、その薬
物カクテルは、複製プロセスにおけるいくつかの段階でウィルスを攻撃するよう
に、異なるクラスからの薬物を組み合わせる。このアプローチは、所与の薬物ま
たはあるクラスの薬物に耐性であるウィルス形態の発生の見込みを低下させるこ
とが示されている。
【0009】 典型的には、薬物カクテルは、NRTIからの2つの選択物、およびPIクラ
スからの1以上の選択物を含むであろう。組み合せるべき薬物の選定には、ある
種の薬物組合せの相乗効果、ならびに組合せをほとんど有効でないか、または危
険としかねない他の種類の薬物−薬物相互作用を考慮しなければならない。
【0010】 組合せ治療の開発する場合に考慮されなければならない問題のうちの1つは、
処方された方式での患者のコンプライアンスの見込みがあることである。各々が
何回または何時(食事前もしくは後、またはある種のタイプの食物と共に)取ら
れなければないないかに関してある種の制限を有するいくつかの薬物の使用の結
果、大部分の錠剤が取る薬物治療スケジュールおよび要求を複雑にする。さらに
、各薬物は、様々な副作用に関連し、一般には、それらは投薬レベルと関係があ
る。
【0011】 かくして、HIV感染を阻害し、一方、治療法を単純化し、患者によって経験
される副作用を低下させ、それによって、後天性免疫不全症候群(AIDS)の
ごときかかるウィルスによって惹起された疾患を有効に治療するのに十分に有効
でかつ安全な手段についての調査は続いている。
【0012】 参考文献 WO 97/01349 WO 98/22106 Chong, K-T.,および P.J. Pagano, 「In vitro Combination of PNU-14069
0, a Human Immunodeficiency Virus Type 1 Protease Inhibitor, with Rito
navir against Ritonavir Sensitive and -Resistant Clinical Isolates」, Ant
imicrobial Agents and Chemotherapy 41(11): 2367-2374(Nov
ember 1997).
【0013】 発明の要約 本発明は、チプラナビルの薬物動態を改善する新規な方法を提供し、治療上の
有効量のチプラナビルまたはその医薬上許容される塩と、治療上の有効量のリト
ナビルまたはその医薬上許容される塩との組合せを、かかる治療を必要とするヒ
トに投与することを特徴とする。また、本発明は、チプラナビルのヒト血中レベ
ルを増加させる方法を提供し、治療上の有効量のチプラナビルまたはその医薬上
許容される塩と、治療上の有効量のリトナビルまたはその医薬上許容される塩と
の組合せを、かかる治療を必要とするヒトに投与することを特徴とする。
【0014】 詳細な記載 定義:以下の記号および標準的な薬物動態学用語の略語は、後記の詳細な記載お
よび実施例の全体にわたり用いられる。 λz 見掛けの最終消失速度定数 τ 投与間隔 At 時間tまでに吸収された薬物量 Ae 尿中排泄された薬物量 AUC0-t 時間0から時間tまでの濃度−時間曲線下面積 AUC0-t(最後) 時間0から最終的に検出可能な血清中濃度までの 濃度−時間曲線下面積 AUC0-τ 投与間隔内の濃度−時間曲線下面積 AUC0-∞ 時間0から無限大までの濃度−時間曲線下面積 AUCIV IV薬物投与後の濃度−時間曲線下面積 AUCPO 薬物の経口投与後の濃度−時間曲線下面積 AUCPO(0-24) 経路および時間間隔を示す濃度−時間曲線下面積 AUMC0-t 時間0から時間tまでのモーメント曲線下面積 AUMC0-t(最後) 時間0から最終的に検出可能な血清中濃度までの モーメント曲線下面積 AUMC0-∞ 時間0から無限大までのモーメント曲線下面積 C0 時間0の薬物濃度 CL 全身性クリアランス CLPO 経口的クリアランス CLNR 非腎臓クリアランス CLR 腎臓クリアランス Cmax 最大血清/血漿中薬物濃度 Cmin 最小血清/血漿中薬物濃度 Cav 平均血清/血漿中薬物濃度(AUC0−t/τとして計算) Ct 時間tでの薬物濃度 Ct(最後) 最終の検出可能な時間での薬物濃度 Css 定常状態の血清/血漿中濃度 DPO 薬物の経口用量 DIV 薬物の静脈内用量 F 絶対的生物学的利用性 fe% 用量の%として表示された尿中に回収された薬物の割合 ka 一次吸収速度定数 MRT 平均滞留時間 tlag 吸収の遅延時間 tmax Cmaxの発生時間 t1/2 見掛けの最終半減期 Vss 分布容積(定常状態) Vss/F 非IV投与に基づく定常状態の分布容積 Vz/F 最終半減期から決定された分布容積(別にVarea、 Vβとして知られる)
【0015】 本発明は、チプラナビル([R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒ
ドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イ
ル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミ
ド)の薬物動態を改善する新規な方法に関するものであり、治療上の有効量のチ
プラナビルまたはその医薬上許容される塩と、治療上の有効量のリトナビル((
2S,3S,5S)-5(N-(N-((N-メチル-N-((2-イソプロピル-4-チアゾイル
)メチル)アミノ)カルボニル)-L-バリニル)アミノ)-2-(N-((5-チアゾ
リル)メトキシカルボニル)アミノ)-1,6-ジフェニル-3-ヒドロヘキサン)
またはその医薬上許容される塩との組合せをかかる治療を必要とするヒトに投与
することを特徴とする。チプラナビルの構造は:
【0016】
【化1】
【0017】 である。 「医薬上許容される」とは、医薬/毒性学上の観点から患者に、および組成、
処方、安定性、患者認容性および生物学的利用性に関して物理/化学的観点から
製薬化学者に許容されるそれらの特性および/または物質をいう。
【0018】 実施例1および2に後記するごとく、チプラナビルは、リトナビルの血中レベ
ルを低下させることが示された。かくして、リトナビルのレベルがあまりにも低
いので、チプラナビル血漿中濃度に対する効果を有しないことが期待されるだろ
う。しかしながら、驚くべきことには、リトナビルとチプラナビルとの同時投与
の結果、リトナビルの血中レベルを低下させるが、低用量のチプラナビルがさら
に高用量のチプラナビル単独と同一の処置効果を有する程度までチプラナビルの
血漿中濃度を上昇させることが示された。デラビルジンに対するチプラナビルの
効果が考慮される場合、この結果は特に驚くべき結果である(実施例3を参照)
。リトナビルのように、デラビルジン(delavirdine)はチトクロムP450(
CYP3A)を阻害し、したがって、クリアランスを遅らせることが期待され、
チプラナビルのごとくCYP3Aにより代謝される薬物の血中レベルを増加させ
る。しかしながら、チプラナビルは、(それがリトナビルの血中レベルを低下さ
せるようにまさに)デラビルジンの血中レベルを低下させるが、デラビルジンは
チプラナビル血漿中濃度に影響しない。
【0019】 組み合せて投与される場合、チプラナビルおよびリトナビルは、同時投与され
る別々の組成物として処方できるか、またはチプラナビルおよびリトナビルは、
単一組成物として投与できる。
【0020】 本発明方法は、レトロウィルスのプロテイナーゼを阻害し、かくして、ウィル
スの複製を阻害するようにリトナビルとチプラナビルとの同時投与を提供する。
かくして、本発明方法は、後天性免疫不全症候群(AIDS)および/または関
連疾患を生じるヒト免疫不全ウィルス(HIV−1株またはHIV−2株)また
はヒトT細胞白血病ウィルス(HTLV−IまたはHTLV−II)のごときヒ
ト・レトロウィルスに感染した患者を治療するのに有用である。かくして、本発
明方法は、ヒトにおけるHIVプロテアーゼを阻害するのに有用であり、ヒトに
おけるHIV感染症またはAIDSの阻害、治療または予防にも有用である。
【0021】 HIVプロテアーゼを阻害するための化合物の能力は、PCT出願番号WO9
4/14436に開示された方法により証明できる。
【0022】 好ましい具体例において、本発明は、チプラナビルのヒト血中レベルを増加さ
せる方法を提供し、治療上の有効量のチプラナビルまたはその医薬上許容される
塩と、治療上の有効量のリトナビルまたはその医薬上許容される塩との組合せを
、かかる治療を必要とするヒトに投与することを特徴とする。
【0023】 ヒト・レトロウィルス(HRV)なる用語には、ヒト免疫不全ウィルスI型、
ヒト免疫不全ウィルスII型、またはその株、ならびにヒトT細胞白血病ウィル
ス1および2(HTLV−1およびHTLV−2)または同一もしくは関連する
ウィルスファミリーに属し、種々のヒト・レトロウィルスとしてヒトにおいて同
様の生理学的効果を引き起こすことが当業者に明確である株が含まれる。
【0024】 治療されるべき患者は以下の個人であろう:1)血清中の測定可能なウィルス
の抗体または抗原のいずれかの存在によって決定されるごとき1以上の株のヒト
・レトロウィルスに感染した個人、および2)HIVの場合には、i)播種性ヒ
ストプラズマ症、ii)イソプソリアージズ(isopsoriasis)、iii)ニューモシ
スティス肺炎を含めた気管支および肺のカンジダ症、iv)非ホジキンリンパ腫、
またはv)カポジ肉腫のごとき無症候性HIV感染症または症候性AIDS規定
感染症のいずれかを有し、かつ60歳未満である個人;または末梢血における5
00/mm未満の絶対的CD4+リンパ球数を有する個人。治療は、患者にお
いて本発明により用いた化合物の阻害レベルを維持することよりなり、別の症候
性ADIS規定感染症の発生が別法の治療を必要とすることを示すまで継続され
るであろう。
【0025】 より詳細には、1つのかかるヒト・レトロウィルスの例は、ヒト免疫不全ウィ
ルス(HIV、またHTLV−IIIまたはLAVとしても知られる)であり、そ
れはヒト後天性免疫不全症候群(AIDS)における原因病原体として認識され
ている(P. Duesberg, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:755(1989
))。HIVは、レトロウィルスをコードするプロテアーゼであるHIV−Iプ
ロテアーゼを含有し、それは融合ポリペプチドを成熟ウィルス粒子の機能性蛋白
質に切断する(E.P. Lillehojら, J. Virology, 62:3053(1988);
C. Debuckら, Proc. Natl. Acad. Sci., 84:8903(1987))。本酵
素のHIV−Iプロテアーゼは、アスパルチル・プロテアーゼとして分類され、
レニンのごとき他のアスパルチル・プロテアーゼに対して相同性が証明されてい
る(L. H. Pearlら,Nature 329:351(1987);I. Katohら, Nature
329:654(1987))。HIV−Iプロテアーゼの阻害は、HIVの複
製をブロックし、かくして、ヒトAIDSの治療に有用である(E.D. Clerq, J.
Med. Chem. 29:1561(1986))。HIV−Iプロテアーゼの阻害剤
は、無症候性または徴候性のAIDSであるHIV感染した個人の治療に有用で
ある。
【0026】 かくして、本発明の組合せのチプラナビル/リトナビル治療は、その結果、チ
プラナビルの薬物動態を改善し、ヒト後天性免疫不全症候群(AIDS)のごと
きレトロウィルスによって引き起こされた疾病を治療するのに有用である。
【0027】 リトナビル((2S,3S,5S)-5(N-(N-((N-メチル-N-((2-イソプロピ
ル-4-チアゾイル)メチル)アミノ)カルボニル)-L-バリニル)アミノ)-2-
(N-((5-チアゾリル)メトキシカルボニル)アミノ)-1,6-ジフェニル-3-
ヒドロヘキサン)の製法は、1994年7月7日に公開されたPCT特許出願番
号WO94/14436および1995年6月6日に出願された米国特許出願シ
リアル番号08/469,965に記載され、それらの内容をここに出典明示し
て本明細書の一部とみなす。チプラナビル([R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-
ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2
H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジ
ンスルホンアミド)の製法は、1995年11月16日に公開されたPCT特許
出願番号WO95/30670に記載され、その内容をここに出典明示して本明
細書の一部とみなす。
【0028】 本発明方法に用いたチプラナビルおよびリトナビル化合物は、遊離形態または
1以上の残りの(従前に保護されていない)カルボキシル、アミノ、ヒドロキシ
、または他の反応基にて保護された形態のいずれでもよい。保護基は、当該技術
分野において知られたいずれのものでもよい。窒素および酸素の保護基の例は、
T. W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York,(
1981); J. F. W. McOmie編 Protective Groups in Organic Chemistry, P
lenum Press(1973);および J. FuhrhopおよびG. Benzlin, Organic Synt
hesis, Verlag Chemie(1983)に記載されている。窒素保護基中には、t−
ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル、アセチル、アリル
、フタリル、ベンジル、ベンゾイル、トリチル等が含まれる。
【0029】 本発明の方法は、チプラナビルおよびリトナビルの薬理学上許容される塩およ
び/または水和物の使用につき提供する。薬理学的に許容される塩とは、製薬化
学者ならば、処方、安定性、患者認容性および生物学的利用性のごとき特性にお
いて親化合物と同等であることが明確であろうそれらの塩をいう。リトナビルお
よびチプラナビルの塩には、ビス−ナトリウム、ビス−カリウムおよびビス−カ
ルシウム塩のごときビス−塩を含み、ビス−ナトリウム塩が最も好ましい。
【0030】 本発明方法は、後天性免疫不全症候群(AIDS)および関連する疾患を生じ
るヒト免疫不全ウィルス(HIV)に感染した患者を治療するのに有用である。
この指標について、チプラナビルおよびリトナビルは、後記の用量における経口
的、経鼻的、経皮的、皮下的および(筋肉内および静脈内を含めた)非経口的な
経路によって投与できる。
【0031】 各々、100mgないし500mgの範囲にあり、1日2回(BID)投与さ
れるリトナビル用量は、リトナビルおよびチプラナビルの臨床的薬物−薬物相互
作用において調べられた。試験されたリトナビルの全用量は、チプラナビルの血
漿中濃度を上昇させるか、または増強することによって、チプラナビルに対して
実質的でかつかなりの効果を有することが示された。さらに、血漿中チプラナビ
ル濃度は、チプラナビル用量を変更することによって変更できた。これらの結果
は、標的血漿中チプラナビルがリトナビルの種々であるがよく規定された用量組
合せを通して達成できることを示す。この薬物動態の薬物相互作用は、多数の理
由のために潜在的に非常に臨床的に重要であり、以下を含む: −抗ウィルス活性は血漿中薬物レベルの程度に依存するので、チプラナビルの
より大きな抗ウィルス活性 −投与されたチプラナビル用量を低下させる可能性、それは抗ウィルス治療に
対する患者のコンプライアンスを強化できる −チプラナビルは所望の抗ウィルス効果を獲得するのにほとんど必要ないので
可能に改善された安全プロフィール。
【0032】 試験されたリトナビルの最小用量の100mgの1日2回投与は、これが商業
上入手可能なリトナビルの入手可能な錠剤強度であることに基づいて選択された
。この用量レベルにて、リトナビルは、血漿中チプラナビル濃度を約10倍増加
させた。リトナビル100mg(1日2回)と組み合せて測定された最低の中間
トラフ・チプラナビル濃度は、3μMを超え、それはチプラナビルにつき報告さ
れた1μMのIC90より3倍大きい。
【0033】 血漿中チプラナビル濃度を増強するためのリトナビルの効果は、投与されたリ
トナビル用量の大きさにほぼ比例するので、リトナビル30mg(1日2回)の
用量は、標的最小治療閾値の1μMまでチプラナビル濃度を上昇させ、それはリ
トナビルの不存在下にて観察されたチプラナビルの中間トラフより約3倍高いで
あろう。
【0034】 リトナビル投与についての上限を規定する際には、血漿中チプラナビル濃度を
上昇させるリトナビルの最大またはプラトーの効果は、リトナビル500mg(
1日2回)用量レベルにて達成されず、かくして高用量のリトナビルの結果、チ
プラナビル濃度が比例して高くなる。例えば、チプラナビルの固定用量(600
mg(1日2回)または900mg(1日2回))にて、リトナビル500mg
(1日2回)の同時投与の結果、トラフ・チプラナビル濃度が増加し、それはリ
トナビル100mg(1日2回)について観察されたものより約5倍大きかった
。さらに、500mg(1日2回)の固定されたリトナビル用量でのトラフ血漿
中チプラナビル濃度は、チプラナビル用量の大きさに比例して依存した。例えば
、各々がリトナビル500mg(1日2回)と共に同時投与されたチプラナビル
1350mg(1日2回)でのトラフ・チプラナビル濃度は、チプラナビル60
0mg(1日2回)のものより約2倍大きかった。治療についての1つの選択は
、チプラナビル用量を最小化することであるので、それらの結果は、チプラナビ
ル1350mg(1日2回)/リトナビル500mg(1日2回)を用いて確認
されたトラフ血漿中チプラナビル濃度が、チプラナビル600mg(1日2回)
/リトナビル1000mg(1日2回)を用いて達成できることを示唆する。こ
の分析から、リトナビル1000mgの用量と共に投与された低用量のチプラナ
ビルの結果、リトナビルおよびチプラナビルを組み合せる試験において最高のチ
プラナビル濃度が達成され、かくして、1000mgのリトナビルについての上
限を支持したであろうと結論される。
【0035】 同様の分析を行い、チプラナビルの上限を低下させることを支持できる。これ
らの試験(500mg)において試験されたリトナビルの最高用量を用いた結果
に基づいて、試験されたチプラナビルの最低用量(600mg)は、3μMを超
えるトラフ濃度を生じた。トラフ血漿中チプラナビル濃度を投与されたチプラナ
ビル用量の大きさに依存するので、これらの結果は、200mgと同じくらい低
いチプラナビル用量が、1μMの最小治療濃度をうまく達成することを示唆する
。試験されたリトナビルの最低用量(100mg)基づき、および試験された最
高用量の組合せ(チプラナビル1350mg(1日2回)/リトナビル500m
g(1日2回))について観察されたものと同等である標的トラフ・チプラナビ
ル濃度が望ましいと仮定して、6750mg(5×1350mg)のチプラナビ
ル用量が必要であると期待されるであろう。
【0036】 かくして、チプラナビルおよびリトナビルに関連する薬物動態の薬物−薬物相
互作用を調べるために用いた臨床試験のこれらの合わせた結果は、投与の以下の
制限を支持する:
【0037】 約30mgと約1000mgとの間のリトナビル用量および約200mgと約
6750mgとの間のチプラナビル用量の1日2回投与。同様に、チプラナビル
/リトナビル組合せは、以下の1日1回投与でもよい:約30mgと約2000
mgとの間のリトナビル用量および約200mgと約13500mgとの間のチ
プラナビル用量。
【0038】 当業者ならば、本発明の化合物を適当な医薬投与形態に製剤化する方法を知っ
ているであろう。投与形態の例には、錠剤またはカプセル剤のごとき経口製剤ま
たは無菌溶液のごとき非経口製剤が含まれる。
【0039】 固体または流体の投与形態のいずれもが、経口投与のために調製できる。固体
組成物は、本発明の化合物とタルク、ステアリン酸マグネシウム、燐酸二カルシ
ウム、珪酸アルミニウムマグネシウム、硫酸マグネシウム、デンプン、ラクトー
ス、アラビアゴム、メチルセルロース、または機能的に類似する医薬上の希釈剤
および担体のごとき通常の成分とを混合することによって調製される。カプセル
剤は、本発明の化合物と不活性医薬希釈剤とを混合し、適当なサイズの硬ゼラチ
ンカプセルに混合物を入れることによって調製される。軟ゼラチンカプセル剤は
、植物油または軽質流動パラフィンのごとき許容される不活性油と共に本発明の
化合物のスラリーの機械カプセル化によって調製される。シロップ剤は、水性ビ
ヒクル中に本発明の化合物を溶解し、糖、芳香性矯味剤および保存剤を添加して
調製される。エリキシル剤は、エタノールのごとき水性アルコールビヒクル、糖
またはサッカリンのごとき適当な甘味剤および芳香性矯味剤を用いて調製される
。懸濁剤は、アラビアゴム、トラガカントまたはメチルセルロースのごとき水性
ビヒクルおよび懸濁化剤で調製される。
【0040】 好ましい具体例において、用いた投与形態は、自己乳化薬物送達システム(S
EDDS)マイクロエマルジョン製剤である。SEDDSについての詳細は、P
CT特許出願の、1999年2月11日に公開された国際公開番号WO99/0
6044およびWO99/06043において見出される。SEDDS製剤は、
チプラナビルを過剰に高濃度とするが、同時に、改善された生物学的利用性を達
成するのを可能とする。この製剤によって得られた大きく増強された吸収は、チ
プラナビルを可溶化する能力のためだけではなく、サブミクロン粒子中の薬物の
放出および分散のためでもある。また、臨床試験は、チプラナビルの吸収におけ
る界面活性剤/乳化剤の重要性を示唆した。
【0041】 生物学的利用性の増大は、現行製剤に要求される多数の投与単位を1/2のフ
ァクターだけ有効に低下する可能性を有し、患者のコンプライアンスに対してポ
ジティブな衝撃を有し得る。また、この製剤における遊離酸形態を利用するさら
なる利点は注意されるべきである。
【0042】 本発明の化合物が非経口投与される場合、それらは注射または静脈内注入によ
って与えることもできる。非経口的液剤は、水性ビヒクル中に本発明の化合物を
溶解し、溶液を濾過滅菌し、適当な密封バイアルまたはアンプルに入れることに
よって調製される。非経口懸濁剤は、滅菌懸濁剤を用い、本願の化合物をエチレ
ンオキシドまたは適当な気体で滅菌した後、該ビヒクルに懸濁させる以外は実質
的に同様の方法にて調製される。
【0043】 正確な投与経路、用量または投与回数は、当業者によって容易に決定され、治
療されるべき患者に特定の年齢、体重、一般的身体状態または他の臨床症状に依
存するであろう。
【0044】 チプラナビルと多数のよく知られたNRTI、nNRTIおよびPisとの間
の臨床的に有意な薬物−薬物相互作用についての可能性を表1に与える。
【0045】 本発明を一般的に記載すれば、同一物は以下の実施例を参照して容易に理解さ
れ、これは例示的に提供され、限定を意図するものではない。
【0046】 実施例 実施例1:試験1:チプラナビルおよびリトナビルの薬物動態学的薬物−薬物相
互作用 材料および方法: プロテアーゼインヒビターのチプラナビルとリトナビルとの間の潜在的な薬物
動態学的薬物−薬物相互作用を評価するために多回用量の単一処置群を試験した
。チプラナビルは、賦形剤と共に、チプラナビルの二ナトリウム塩の150mg
の遊離酸同等物を含有する硬充填(hard-filled)カプセル剤(HFC)として投
与し、リトナビルは、100mg市販製品(Norvir)として投与した。用量は、
チプラナビルの1350mg(1日2回)およびリトナビルの500mg(1日
2回)であった。各薬物についてのベースラインの薬物動態学的データは、投与
7日後の定常状態下にて得られた。次いで、10日間同時投与され、その後、各
薬動力学を再評価し、ベースラインデータと比較した。試験は、29.9歳の平
均年齢(21.3〜43.9歳の範囲)、174.4cmの平均身長(162.6〜
185.4cmの範囲)、および76.5kgの平均重量(65.1〜88.2kg
の範囲)を持つ、14名の健康志願者(13名の男性および1名の女性)にて行
った。12名の対象が白人であり2名がアフリカ人家系であった。10名の対象
は、その試験の全ての態様を完了した。薬物動態学的分析は、これらの対象にお
いて得られた結果に基づいた。
【0047】 分析方法: ヒト血漿中チプラナビル: ヒト血漿中チプラナビルの定量は、感度がよくかつ選択的な高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)法を用いて行った。血漿検体(0.200ml)は、内
部標準(IS)のPNU−109011を含有するアセトニトリル溶液に加えた
。変性蛋白質は、遠心によって分離し、上清のアリコートを注入用バイアル中で
0.15%トリフルオロ酢酸(TFA)と混合した。該アリコート(0.150m
l)を、分析用カラムのZorbax RX−C8カラムにカラム切替用バル
ブを介して連結した短いZorbax RX−C8カラムに最初に注入した。
移動相は、アセトニトリル:メタノール:水中の0.1%TFA(40:35:
25、容積/容積)よりなった。検出は、260nmでのUV吸光度によった。
チプラナビルおよびISの保持時間は、各々、約9.9および13.0分間であっ
た。チプラナビルおよびISについての平均回収率は、各々、約96.6%およ
び95.0%であった。
【0048】 ヒト血漿中リトナビル: 血漿試料は、検証され、感度がよくかつ特異的なアイソクラティックHPLC
−UV法を用いてリトナビル(A−84538)につきアッセイした。リトナビ
ルおよび内部標準(IS)は、酢酸エチル混合での液体−液体抽出によってヒト
血漿から抽出した。主要分析物の保持時間は、約8.1分間(リトナビル)およ
び約12.1分間(IS)であった。リトナビルおよびISについての平均回収
率は、各々、101%および91.4%であった。
【0049】 薬物動態学的および統計学的な方法: AUC、Cmax、tmax、経口クリアランスおよび最終半減期のごとき薬
物動態学的パラメータは、標準的なノンコンパートメント手法を用いて決定した
。薬物動態学的パラメータに対する処置効果は、ウィルコクソンの符号付き順位
検定(Wilcoxon's Signed Rank Test)を用いて評価した。
【0050】 結果: チプラナビルに対するリトナビルの効果: チプラナビル単独投与およびリトナビルと共に組み合せた投与後の平均(SD
)血漿中チプラナビル濃度を表1に示す。個々の対象のデータから誘導された薬
物動態学的推定値は表2に供する。中間チプラナビルCmax値は、リトナビル
の存在下にて約5.6倍増大したが、中間チプラナビルCminは、約45倍に
増大した。平均では、平均定常状態血漿中チプラナビル濃度(Css)は、リト
ナビルと共に投与した後に12倍に増大した。注意すべきは、チプラナビル濃度
における増大は、消失半減期(t1/2)の延長によって達成されなかったこと
である。これは、血漿中チプラナビル濃度を増加させるリトナビルの効果が部分
的には、プレ−全身的な機序を含む可能性を示唆する。推論的には、これはP−
糖蛋白質に対するリトナビルの阻害効果のためであり、その結果、チプラナビル
吸収および/または腸壁チプラナビル代謝のリトナビルの阻害が増強され得る。
【0051】 リトナビルに対するチプラナビルの効果: リトナビル単独投与およびチプラナビルと共に組み合せた投与後の平均(SD
)血漿中リトナビル濃度を表2に示す。個々の対象データから誘導された薬物動
態学的推定値は表3に供する。リトナビルの500mgのみの1日2回毎日用量
は、健康志願者のこの試験において投与したが、リトナビル単独での投与後観察
された血漿中リトナビル濃度は、リトナビル600mgの1日2回用量を受けた
HIV感染患者において報告されたものよりわずかに高かった。この結果は、こ
の試験に使用した用量の後のリトナビル曝露のクリアランス比較を支持する。
【0052】 チプラナビルおよびリトナビルの投与の組合せの結果、リトナビル単独投与に
比較した平均定常状態リトナビル濃度を約5倍減少させた。チプラナビルとの同
時投与後に中間リトナビルCmax値を3.8倍減少させた。短い見掛けの半減
期と関連して、中間リトナビルCmin濃度は、リトナビル単独投与と比較して
、リトナビルがチプラナビルと共に投与された場合の10倍未満の低下であった
。比較の目的では、この試験におけるチプラナビルと共に投与後に観察された血
漿中リトナビル濃度がHIV感染患者に1日2回投与されるリトナビル300m
g用量についての公開された値より低いことを注意することに注目すべきである
。リトナビル濃度の減少および消失半減期(t1/2)が短くなるのは、チプラ
ナビルに起因する従前の代謝誘導と一致する。
【0053】 考察: この試験の結果は、チプラナビルおよびリトナビルの双方を含む実質的な薬物
動態学的相互作用を明らかとする。リトナビルは、チトクロームP450 3A
(CYP3A)基質(CYP3Aはチプラナビルの第I相代謝についての主要な
P450イソ形態である)である薬物代謝を阻害し、P−糖蛋白質阻害を介する
吸収に影響することが示されている。同様に、血漿中リトナビル濃度は、代謝を
誘導することが知られた化合物(例えば、リファンピン(rifampin))によって
低下されることが示されている。
【0054】 しかしながら、これらの組合せ特性を有する2つの薬物が同時投与される場合
には、定量的効果の予測は非常に明確ではない。この結果は、各々投与された用
量を含めた多くの因子に依存する。これらの警告を与えると、この試験に使用さ
れたより低用量のリトナビルは血漿中チプラナビル濃度を実質的に増大させるの
に十分であろうと期待されるのは妥当のようである。例えば、Abbott L
absによって開発中の新しいプロテアーゼインヒビターであるABT−378
の濃度は、50mgと同じくらい低い用量でのリトナビルの同時投与後の大きさ
のオーダーを超えて増加する。
【0055】 実施例2:試験2:チプラナビルおよびリトナビルの薬物動態学的薬物−薬物相
互作用 材料および方法: 対象の人口統計: 多回用量の無作為化した2つの治療群を試験して、さらにプロテアーゼ・イン
ヒビターのチプラナビルおよびリトナビル間の薬物動態学的薬物−薬物相互作用
の可能性を調査した。リトナビルは、賦形剤と共に、チプラナビルの二ナトリウ
ム塩の150mg遊離酸同等物を含有する硬充填カプセル剤(HFC)として投
与し、かつリトナビルは、100mgの市販製品(Norvir)として投与した。処
理されたとともに、チプラナビルが処理された。チプラナビルの2の固定用量レ
ベル、600mg(1日2回)および900mg(1日2回)を評価した。両群
は、試験期間を通じてチプラナビルのそれらの指定された用量を連続的に受けた
【0056】 各用量群内では、リトナビルの同時投与は、チプラナビルが単独で与えられた
6日後に100mg(1日2回)の用量で開始された。リトナビルの用量は、予
め規定された期間後に300mg(1日2回)および500mg(1日2回)ま
で段階的に各群においてさらに増加した。ベースラインの薬物動態学的データは
、単独で与えられた6日後に、次いで、100mgまたは500mgのリトナビ
ルと同時投与された場合の定常条件下にて、チプラナビルにつき得た。チプラナ
ビルと同時投与した場合のリトナビルの薬物動態学的データを500mg(1日
2回)用量につき得た。リトナビルと同時投与された場合のチプラナビルの薬物
動態を評価し、ベースラインデータと比較し、一方、リトナビルのデータはヒス
トリカルデータと比較した。
【0057】 試験は、30歳の平均年齢(19〜52歳の範囲)、177.1cmの平均身
長(162.6〜190.5cmの範囲)、および76.7kgの平均重量(57.
3〜95.0kgの範囲)を持つ、19名の健康志願者(16名の男性および3
名の女性)にて行った。18名の対象が白人であり1名が黒人であった。13名
の対象は、その試験の全ての態様(7/600mgのチプラナビルおよび6/9
00mgのチプラナビル)を完了した。薬物動態学的分析は、ベースライン評価
および付随する薬物投与の少なくとも1の期間を完了したそれらの対象に基づい
た。
【0058】 分析方法: ヒト血漿中チプラナビル: ヒト血漿中チプラナビルの定量は、感度がよくかつ選択的な高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)法を用いて行った。血漿検体(0.200ml)は、内
部標準(IS)のPNU−109011を含有するアセトニトリル溶液に加えた
。変性蛋白質は、遠心によって分離し、上清のアリコートを注入用バイアル中で
0.15%トリフルオロ酢酸(TFA)と混合した。該アリコート(0.150m
l)を、分析用カラムのZorbax RX−C8カラムにカラム切替用バル
ブを介して連結した短いZorbax RX−C8カラムに最初に注入した。
移動相は、アセトニトリル:メタノール:水中の0.1%TFA(40:35:
25、容積/容積)よりなった。検出は、260nmでのUV吸光度によった。
チプラナビルおよびISの保持時間は、各々、約11.0および14.5分間であ
った。チプラナビルおよびISについての平均回収率は、各々、約96.6%お
よび95.0%であった。
【0059】 ヒト血漿中リトナビル: 血漿試料は、検証され、感度がよくかつ特異的なアイソクラティックHPLC
−UV法を用いてリトナビル(A−84538)につきアッセイした。リトナビ
ルおよび内部標準(IS)は、酢酸エチル混合での液体−液体抽出によってヒト
血漿から抽出した。主要分析物の保持時間は、約7.0分間(リトナビル)およ
び約10.0分間(IS)であった。リトナビルおよびISについての平均回収
率は、各々、101%および91.4%であった。
【0060】 薬物動態学的および統計学的な方法: AUC、Cmax、tmax、経口クリアランスおよび最終半減期のごとき薬
物動態学的パラメータは、標準的なノンコンパートメント手法を用いて決定した
【0061】 結果: リトナビルに対するチプラナビルの効果: リトナビル500mg(1日2回)と、チプラナビル600mg(1日2回)
または900mg(1日2回)のいずれかとの投与後の中間血漿中リトナビル濃
度を図3に示す。個々の対象のデータから誘導されたリトナビルの薬物動態は表
4にまとめた。比較の目的のために、単独で投与した場合のリトナビルの薬物動
態は、この表中に含まれる。この試験におけるリトナビルおよびチプラナビルの
組合せの結果、単独投与したリトナビルに比較して定常状態の血漿中リトナビル
濃度が約4倍減少した。リトナビルがチプラナビルと共に投与された場合に、中
間リトナビルCmax値は2倍を超えてより低く、Cminは10倍を超えてよ
り低かった。血漿中リトナビル濃度における減少および消失半減期の短縮は、チ
プラナビルに起因する代謝誘導と一致する。
【0062】 チプラナビルに対するリトナビルの効果: チプラナビル600mg(1日2回)単独投与、およびリトナビル100mg
(1日2回)またはリトナビル500mg(1日2回)と共に組み合せた投与後
の中間血漿中チプラナビル濃度を図4に示す。個々の対象のデータから誘導され
たチプラナビルの薬物動態パラメータは表5に供した。チプラナビルの血漿中濃
度に対するリトナビルの定量的な効果は用量関連した。チプラナビルの中間AU
C値は、リトナビル100mg(1日2回)の平行(concomitant)投与後に約
9倍、リトナビル500mg(1日2回)投与では約14倍増加した。中間トラ
フ・チプラナビル濃度は、リトナビル100mg(1日2回)投与後に約9倍、
リトナビル500mg(1日2回)投与では約40倍増加した。単独投与したチ
プラナビル600mg(1日2回)と比較して、中間Cmax値は、リトナビル
100mgおよび500mg(1日2回)の平行投与後に、各々、5倍および7
倍増加した。チプラナビル1350mg(1日2回)およびリトナビル500m
g(1日2回)の薬物動態学的薬物−薬物相互作用を評価した従前の試験におい
てのごとく、チプラナビルの見掛けの最終半減期の延長が平行投与後に観察され
なかった。
【0063】 チプラナビル900mg(1日2回)単独投与、およびリトナビル100mg
(1日2回)またはリトナビル500mg(1日2回)と共に組み合せた投与後
の中間血漿中チプラナビル濃度を図5に示す。個々の対象のデータから誘導され
たチプラナビルの薬物動態的パラメータを表5に供する。チプラナビル600m
g(1日2回)データから観察されるごとく、チプラナビルの血漿中濃度に対す
るリトナビルの定量的効果は用量関連した。チプラナビルの中間AUC値は、リ
トナビル100mg(1日2回)の平行投与後に約8倍、リトナビル500mg
(1日2回)投与では約20倍に増加した。中間トラフのチプラナビル濃度は、
リトナビル100mg(1日2回)投与後に約7倍、リトナビル500mg(1
日2回)投与では約45倍に増加した。単独投与したチプラナビル600mg(
1日2回)と比較して、中間Cmax値は、リトナビル100mgおよび500
mg(1日2回)の平行投与後に、各々、5倍および10倍に増加した。チプラ
ナビルの見掛けの最終半減期の延長は、平行投与後に観察されなかった。
【0064】 考察: リトナビルおよびチプラナビルの双方に影響する有意な薬物動態学的薬物−薬
物相互作用は、チプラナビル1350mg(1日2回)およびリトナビル500
mg(1日2回)が平行投与される従前の試験において示された。この薬物相互
作用の薬物動態学的態様は、リトナビルおよびチプラナビルの用量を組み合せて
利用するこの試験においてさらに調べられた。リトナビル濃度は、試験されたリ
トナビルの最低用量(600mg、1日2回)の同時投与後にかなりおよび実質
的に低下した。この発見は、従前の試験の結果に一致し、それはチプラナビルが
広い用量範囲にわたってそれ自体の代謝を誘導することを示す。
【0065】 さらに、血漿中リトナビル濃度を低下するチプラナビルの効果は、600ない
し1350mg(1日2回)の範囲のチプラナビルの用量につき類似し、これは
、、チプラナビルの酵素誘導が、実質的であるが、600mg(1日2回)以下
にて生じるプラトー効果に達するようであることを示す。リトナビルを用いるこ
の相互作用試験および従前の相互作用試験の結果は、リトナビルの治療上の相対
的濃度がチプラナビルとの同時投与後に達成できないようであるという結論を支
持する。
【0066】 平行したチプラナビル投与後に観察された血漿中リトナビル濃度における約4
倍の低下にも拘らず、リトナビルは、血漿中チプラナビル濃度を実質的におよび
かなり増加させた。重要なことには、HIV感染の治療において用いられるより
6倍低いリトナビルの100mg用量は、チプラナビル単独投与の同一用量に比
較してチプラナビル濃度を約10倍増加した。CY3A受容体に対する競合的阻
害から主として生じるようである相互作用と一致して、リトナビル用量が増加す
る程、チプラナビル濃度はさらに増強された。他方、リトナビルの固定用量にて
、チプラナビルは、チプラナビル用量が増加する程、チプラナビル濃度は増加し
た。この試験とリトナビル500mg(1日2回)投与後のプロトコールM/3
342/0009につき得られたものとを組み合せて、例えば、中間トラフのチ
プラナビル濃度は、チプラナビルの用量が600ないし1350mg(1日2回
)に増加すると14.3ないし42μMに増加した。かくして、標的のチプラナ
ビル濃度は、チプラナビルおよびリトナビルが同時投与される場合の多数の方法
において達成でき、チプラナビルまたはリトナビルのいずれかの用量の大きさに
依存する。
【0067】 実施例3:チプラナビルおよびデラビルジンの薬物動態学的薬物−薬物相互作用
材料および方法: 対象の人口統計: この試験の目的は、チプラナビルの薬物動態に対するデラビルジン投与の効果
、およびデラビルジンの薬物動態に対するチプラナビル投与の効果を評価するこ
とである。チプラナビル製剤は、チプラナビルの二ナトリウム塩の300mgの
遊離酸同等物を含有するカプセル中のバルク薬物であり、デラビルジン製剤は、
100mgの市販錠剤(RESCRIPTORR錠)であった。チプラナビルは1日2回で
与える1200mg用量にて投与し、デラビルジンは400mg(1日3回)に
て投与した。各薬物のベースラインの薬物動態学的データは、7日間の投与後の
薬物動態学的定常状態条件下にて得た。次いで、各薬物は、10日間同時投与さ
れ、その時点にて、各薬物動態を再評価し、ベースラインデータと比較した。試
験は、40.7歳の平均年齢(26.3〜53.9歳の範囲)、169cmの平均
身長(158〜179cmの範囲)、および70.2kgの平均重量(59.9〜
82.6kgの範囲)を持つ、8名の健康志願者(6名の男性および2名の女性
)にて行った。全ての対象が白人であった。6名の対象は、その試験の全ての態
様を完了した。薬物動態学的分析は、これらの対象において得られた結果に基づ
いた。
【0068】 分析方法: ヒト血漿中チプラナビル: ヒト血漿中チプラナビルの定量は、感度がよくかつ選択的な高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)法を用いて行った。血漿検体(0.200ml)は、内
部標準(IS)のPNU−109011を含有するアセトニトリル溶液に加えた
。変性蛋白質は、遠心によって分離し、上清のアリコートを注入用バイアル中で
0.15%トリフルオロ酢酸(TFA)と混合した。該アリコート(0.150m
l)を、分析用カラムのZorbax RX−C8カラムにカラム切替用バル
ブを介して連結した短いZorbax RX−C8カラムに最初に注入した。
移動相は、アセトニトリル:メタノール:水中の0.1%TFA(40:35:
25、容積/容積)よりなった。検出は、260nmでのUV吸光度によった。
チプラナビルおよびISの保持時間は、各々、約9.9および13.0分間であっ
た。チプラナビルおよびISについての平均回収率は、各々、約96.6%およ
び95.0%であった。
【0069】 ヒト血漿中デラビルジン: 血漿試料は、検証され、感度がよくかつ特異的なアイソクラティック高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)法:上部濃度範囲用のものおよび低濃度範囲用
のものを用いてデラビルジンにつきアッセイした。デラビルジンおよび内部標準
(IS;PNU−88822)は、アセトニトリルでの蛋白質沈殿によって血漿
から抽出した。上清は緩衝液と混合し、直接的に注入した。クロマトグラフィー
の分離は、Brownleeシアノガードカラムおよび分析用カラムのDuPo
nt Zorbax SB CNを用いて達成した。移動相は、10mM KH PO(pH6.0):アセトニトリル:メタノール(20:7:7)よりなり
、それを1.5ml/分の流速にて行った。分析物は、295nmの励起波長お
よび418nmにて発光フィルターを用いて蛍光により検出した。主要分析物の
保持時間は、約7.5分間(IS)および約8.5分間(デラビルジン)であった
【0070】 薬物動態学的および統計学的な方法: AUC、Cmax、tmax、経口クリアランスおよび最終半減期のごとき薬
物動態学的パラメータは、標準的なノンコンパートメント手法を用いて決定した
。薬物動態学的パラメータに対する処置効果は、ウィルコクソンの符号付き順位
検定を用いて評価した。
【0071】 結果: チプラナビルに対するデラビルジンの効果: 表7に示すごとく、デラビルジンは、チプラナビルの薬物動態に対して効果を
持たなかった。
【0072】 デラビルジンに対するチプラナビルの効果: 対照的に、図6において示され、表8にまとめられるごとく、血漿中のデラビ
ルジン濃度における著しい低下によって反映されるように、チプラナビルの同時
投与の結果、デラビルジンのクリアランスは実質的に増加した。中間トラフのデ
ラビルジン濃度は、デラビルジン単独投与に比較して、チプラナビルと同時投与
した場合に100倍低く;中間デラビルジンAUC値は、20倍低かった。デラ
ビルジンに対するこの効果の程度は、リファンピンおよびデラビルジンの同時投
与につき従前に観察されたものと同様であった。これらの結果は、チプラナビル
投与から起因する酵素誘導と一致し、他のCYP3A基質がチプラナビルと相互
作用することを示す。チプラナビルの薬物動態に対するデラビルジンの効果の欠
如は、部分的に、CYP3Aを阻害するのに期待されるものより十分に下の血漿
中デラビルジン濃度におけるこの実質的な減少によって説明できる。
【0073】 考察: デラビルジンは、HIV−1感染の治療のための適当な抗レトロウィルス剤と
組み合せての使用が賛成された非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である。デラビ
ルジンは、in vitroにてCYP3Aを非競合的に阻害することが示され
た。in vivoでは、200、300および400mg(1日3回)の用量
にてHIV−1感染患者に投与されたデラビルジンは、連続的な息の検査によっ
て評価されるごときCYP3Aの迅速でかつかなりの阻害を生じた。また、デラ
ビルジンは、サキナビルおよびインジナビルのごときCYP3Aによって代謝さ
れる他の薬物のクリアランスを著しく減少させ、デラビルジンに起因する代謝阻
害と一致することが示されいる。反対に、CYP3A活性を誘導する薬物は、デ
ラビルジンのクリアランスを増加させることが示されている。例えば、リファブ
チン(rifabutin)またはリファンピンのいずれかとデラビルジンとの同時投与
は、デラビルジン・クリアランスに著しい減少を生じ、血漿中デラビルジン濃度
における低下に対応する。
【0074】 in vitroおよびin vivoのデータは、チプラナビルが酵素誘導物
質であることを示し;この試験における血漿中デラビルジン濃度を低下させるこ
とに対する同時投与されたチプラナビルの効果は、これらの発見をさらに支持す
る。血漿中デラビルジン濃度の低下が示された。ベースラインのデラビルジン濃
度と比較すると、デラビルジンをチプラナビルと同時投与した場合に、中間トラ
フのデラビルジン濃度は100倍低く、中間デラビルジンAUC値は20倍低か
った。デラビルジンは従前の試験において、CYP3Aによって代謝される薬物
の血漿中濃度にかなりの上昇を生じることが示され、この試験においては、デラ
ビルジンは、定常状態の投与条件下にてチプラナビル濃度に対して効果を持たな
かった。この試験の結果は、特に同一イソ形態を含む場合に、公知の酵素誘導物
質(例えば、チプラナビル)である薬物と(デラビルジンのごとき)公知の酵素
阻害剤である薬物との平行投与の薬物動態学的結果を予測することに関連した複
雑さを強調する。
【0075】 本発明が、これまでの記載および例に特に記載された以外の他の方法で実施で
きることは明らかであろう。本発明の多数の修飾および変形は、前記の教示に徴
して可能であり、従って、本発明の範囲内にある。本明細書に引用した全刊行物
の全開示をここに出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0076】 実施例4:チプラナビルSEDDSおよびリトナビル経口液剤の薬物動態学的薬
物−薬物相互作用
【0077】 材料および方法: 2つの治療群(チプラナビル単独またはチプラナビルおよびリトナビル)を含
む2つの別々の多回用量試験を行い、チプラナビルとネビラピン(nevirapine)
またはエファビレンズ(efavirenz)との間の薬物動態学的薬物−薬物相互作用
の可能性を評価した。各試験の最初の7日間の期間において、チプラナビルの薬
物動態を1250mgのチプラナビル単独または200mgのリトナビルと共に
1日2回(BID)投与した後に評価した。チプラナビルは、250mgのSEDD
S軟弾性のカプセル剤として投与し、リトナビル(Norvir)は市販された80m
g/ml経口液剤として投与した。薬物動態学的プロフィールは、投与7日後の
定常状態条件下にて得た。これらの試験は、32歳の平均年齢(19〜55歳の
範囲)、176cmの平均身長(155〜193cmの範囲)、および77kg
の平均重量(59〜95kgの範囲)を持つ、48名の健康志願者(39名の男
性および9名の女性)にて行った。44名の対象が白人であり、2名が黒人であ
って、2名がアジア人であった。
【0078】 分析方法: ヒト血漿中チプラナビル: ヒト血漿中チプラナビルの定量は、感度がよくかつ選択的な高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)法を用いて行った。血漿検体(0.200ml)は、内
部標準(IS)のPNU−109011を含有するアセトニトリル溶液に加えた
。変性蛋白質は、遠心によって分離し、上清のアリコートを注入用バイアル中で
0.15%トリフルオロ酢酸(TFA)と混合した。該アリコート(0.150m
l)を、分析用カラムのZorbax RX−C8カラムにカラム切替用バル
ブを介して連結した短いZorbax RX−C8カラムに最初に注入した。
移動相は、アセトニトリル:メタノール:水中の0.1%TFA(40:35:
25、容積/容積)よりなった。検出は、260nmでのUV吸光度によった。
チプラナビルおよびISの保持時間は、各々、約11.0および14.5分間であ
った。チプラナビルおよびISについての平均回収率は、各々、約96.6%お
よび95.0%であった。
【0079】 ヒト血漿中リトナビル: 血漿試料は、検出用のトリプル四重質量分析計と連結した、検証され、感度が
よくかつ特異的なHPLCシステムを用いてリトナビル(A−84538)につ
きアッセイした。ヒト血漿(0.200ml)は、内部標準(IS)のインジナ
ビルに加え、緩衝させ、コンディショニングした固相抽出カートリッジに添加し
た。SPEからの溶出後、C−18AR分析用カラムを用いて、クロマトグラフ
ィー分離を行い;移動相はメタノールおよび25mM酢酸アンモニウムの勾配で
あった。該試料は、Heated Nebulizerインターフェイスによって誘導し、複数の
反応をリトナビルでは722(分子イオン)および296m/z(生成物イオン
)にて、ISでは614(分子イオン)および421m/z(生成物イオン)に
てモニターし、ポジティブイオンモードにおいて操作した。保持時間は、約1.
5分間であった。リトナビルおよびISについての平均回収率は、各々、71.
0%および91.5%であった。
【0080】 薬物動態学的および統計学的な方法: AUC、Cmax、tmax、経口クリアランスおよび最終半減期のごとき薬
物動態学的パラメータは、標準的なノンコンパートメント手法を用いて決定した
【0081】 結果: チプラナビルに対するリトナビルの効果: チプラナビル単独投与(1250mg、1日2回)およびリトナビル(200
mg、1日2回)と共に組み合せた投与後の平均(SD)血漿中チプラナビル濃
度を図7に示す。個々の対象のデータから誘導された薬物動態学的推定値は表9
に供する。チプラナビル単独投与を受けた対象よりもリトナビル経口液剤でチプ
ラナビルを受けた対象において、チプラナビルの中間AUC値は約11倍高く、
中間チプラナビルCmin値は約75倍高かった。中間Cmax値は、リトナビ
ルと共に平行投与した後に約5倍に増加した。チプラナビルHFCおよびリトナ
ビルカプセル剤が同時投与される従前の試験において観察されるごとく、チプラ
ナビルの見掛けの最終半減期は、リトナビルによってかなりには影響されなかっ
た。
【0082】 チプラナビル1250mg(1日2回)と共にリトナビル経口液剤200mg
(1日2回)投与後の中間(範囲)のリトナビル薬物動態学的パラメータは、表
10に与える。リトナビル単独投与の500mg1日2回用量に比較してこの組
合せでは、中間のリトナビルのAUC、CminおよびCmaxは、各々、12
倍、54倍および10倍低かった。また、リトナビルの見掛けの消失半減期は、
単独投与されたリトナビルに対し、減少し、これはチプラナビルによる代謝誘導
と一致した。
【0083】 考察: また、2つの薬物の異なる形態(チプラナビル二ナトリウム塩HFCおよびリ
トナビルカプセル剤)で従前に観察されたチプラナビルの薬物動態に対するリト
ナビルの有意な効果は、チプラナビルSEDDS SECおよびリトナビル経口
液剤の組合せで示された。HIV−1感染の治療に用いられる用量より3倍低い
リトナビルの200mg用量は、単独で与えられたチプラナビルの同一用量(1
250mg、1日2回)と比較してチプラナビル定常状態濃度を10倍増加させ
た。この効果は、チプラナビルの存在下のリトナビル濃度が大きく減少したとい
う事実にも拘らず観察される。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、平均(+SD)血漿中チプラナビル濃度(1350mg(1日2回)
のチプラナビル/500mg(1日2回)のリトナビル)を示すグラフである。
【図2】 図2は、平均(+SD)血漿中リトナビル濃度(1350mg(1日2回)の
チプラナビル/500mg(1日2回)のリトナビル)を示すグラフである。
【図3】 図3は、500mg(1日2回)のリトナビルを600mg(1日2回)のチ
プラナビルまたは900mg(1日2回)チプラナビルと共に同時投与した後の
平均(+SD)血漿中リトナビル濃度を示すグラフである。
【図4】 図4は、600mg(1日2回)のチプラナビルを単独投与、100mg(1
日2回)リトナビルと共に平行投与、または500mg(1日2回)のリトナビ
ルと共に平行投与した後の平均(+SD)血漿中チプラナビル濃度を示すグラフ
である。
【図5】 図5は、900mg(1日2回)のチプラナビルを単独投与、100mg(1
日2回)リトナビルと共に平行投与、または500mg(1日2回)のリトナビ
ルと共に平行投与した後の平均(+SD)血漿中チプラナビル濃度を示すグラフ
である。
【図6】 図6は、平均(+SD)血漿中デラビルジン濃度(400mg(1日3回)の
DLV/1200mg(1日2回)のチプラナビル)を示すグラフである。
【図7】 図7は、平均(+SD)血漿中チプラナビル濃度(1250mg(1日2回)
のチプラナビル/200mg(1日2回)のリトナビル)を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マリー・ティ・ボリン アメリカ合衆国49009ミシガン州カラマズ ー、カーバー・ドライブ4615番 Fターム(参考) 4C086 AA01 BC17 BC82 GA02 GA10 MA02 MA22 NA05 ZB33 ZC55

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チプラナビルの薬物動態を改善する方法であって、治療上の
    有効量のチプラナビルまたはその医薬上許容される塩と、治療上の有効量のリト
    ナビルまたはその医薬上許容される塩との組合せを、かかる治療を必要とするヒ
    トに投与することを特徴とする該方法。
  2. 【請求項2】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約6750mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約1000mgとの間にあることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約900mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リト
    ナビルの約30mgと約500mgとの間にあることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約900mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リト
    ナビルの約30mgと約300mgとの間にあることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約600mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リト
    ナビルの約30mgと約500mgとの間にあることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約600mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リト
    ナビルの約30mgと約300mgとの間にあることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約600mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リト
    ナビルの約30mgと約100mgとの間にあることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 チプラナビルのヒト血液中レベルを増加する方法であって、
    治療上の有効量のチプラナビルまたはその医薬上許容される塩と、治療上の有効
    量のリトナビルまたはその医薬上許容される塩との組合せを、かかる治療を必要
    とするヒトに投与することを特徴とする該方法。
  9. 【請求項9】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約20
    0mgと約6750mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約1000mgとの間にあることを特徴とする請求項8
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約2
    00mgと約900mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約500mgとの間にあることを特徴とする請求項8記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約2
    00mgと約900mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約300mgとの間にあることを特徴とする請求項8記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約2
    00mgと約600mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約500mgとの間にあることを特徴とする請求項8記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約2
    00mgと約600mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約300mgとの間にあることを特徴とする請求項8記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 チプラナビルの該治療上の有効量が、チプラナビルの約2
    00mgと約600mgとの間にあって、リトナビルの該治療上の有効量が、リ
    トナビルの約30mgと約100mgとの間にあることを特徴とする請求項8記
    載の方法。
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