JP2002524523A - デンドリマーを用いる毒性物質の抑制 - Google Patents

デンドリマーを用いる毒性物質の抑制

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JP2002524523A JP2000569823A JP2000569823A JP2002524523A JP 2002524523 A JP2002524523 A JP 2002524523A JP 2000569823 A JP2000569823 A JP 2000569823A JP 2000569823 A JP2000569823 A JP 2000569823A JP 2002524523 A JP2002524523 A JP 2002524523A
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Abstract

(57)【要約】 ヒトまたは非ヒト動物患者における毒性物質の予防的または治療的抑制法であって、多数の末端基を持ちそれら末端基の少なくとも一つがそれに結合または連結された陰イオンまたは陽イオン含有部分を有するデンドリマーの有効量を前記患者に投与することからなる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は毒素および他の毒性物質の抑制に関し、特に本発明は毒性ペプチド、
タンパク質またはポリアミン類および他の毒性物質の結合剤としてのデンドリマ
ーの使用に関する。
【0002】 (背景技術) デンドリマーは多数の表面末端基を特徴とする低多分散性の三次元ポリマー物
質である。また、これらの物質を製造する方法により、大きさ、形状および表面
基の数とタイプの厳密な制御が可能である。樹状物質は治療用物質としての使用
に役立ついくつかの特徴、すなわち、生物学的表面および受容体との相互作用に
使用される大きくて明確な表面を呈する固定された形状、および生物学的標的と
の多重的な相互作用を可能にする多数の末端基を有する。
【0003】 国際特許出願番号PCT/AU95/00350(WO95/34595)およびPCT/AU97/00447(WO98
/03573)には、多数の末端基を持ちそれら末端基の少なくとも一つがそこに結合
または連結された陰イオンまたは陽イオン含有部分を有する、ポリアミドアミン
デンドリマーまたはポリリジンデンドリマーなどのデンドリマーが開示されてい
る。これらの国際特許出願公開の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】 本発明は、ヘビ、サソリ、クモおよびハチ毒などの毒素または毒性ペプチドお
よび細菌またはウイルス感染時に放出される毒性ペプチドまたは他の毒性物質の
抑制に樹状高分子を使用するものである。
【0005】 (発明の要約) 本発明によれば、ヒトまたは非ヒト動物患者における毒性物質の予防的または
治療的抑制法であって、多数の末端基を持ちそれら末端基の少なくとも一つがそ
れに結合または連結された陰イオンまたは陽イオン含有部分を有するデンドリマ
ーの有効量を前記患者に投与することからなる方法が提供される。
【0006】 本発明の方法での使用に特に好ましい化合物は、その末端基に連結されたスル
ホン酸含有部分、カルボン酸含有部分、リン酸もしくはホスホン酸含有部分、ボ
ロン酸含有部分、ノイラミン酸もしくはシアル酸含有部分または修飾ノイラミン
酸もしくはシアル酸を含有する部分、1級、2級、3級または4級アミノ含有部分、
ピリジニウム含有部分、グアニジウム含有部分、アミジニウム含有部分、フェノ
ール含有部分、酸性または塩基性水素を有する複素環、両性イオン含有部分、ま
たは上述した部分の混合物を有するデンドリマーである。
【0007】 本発明の方法で使用される化合物を、ここではポリイオン性デンドリマーと呼
び、この用語は、特許請求の範囲を含む本明細書の全体を通して、デンドリマー
そのものだけではなく、医薬的または獣医学的に許容できるそれらの塩(例えば
ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩などのアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩)および医薬的に許容できる陰イオン(例えばフッ化物イオン、塩化
物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、クエン酸イオン、酢酸イオン、p-ト
ルエンスルホン酸イオンなど)も包含する用語として使用される。
【0008】 (発明の詳細な説明) 本発明に従って使用される好ましい化合物には、一般式I:
【化5】 [式中、 Iは開始コア、 Zは内部分岐単位、 nはそのデンドリマーの世代数を表わす整数、 Aは随意の連結基Xを介して内部分岐単位Zに連結されてもよい陰イオンまた
は陽イオン含有部分である] のポリイオン性デンドリマーが包含される。
【0009】 デンドリマーは、最初のコア分子から始まって「世代」ごとに連続的な層また
は段(stage)が付加されて三次元的な高度に規則正しいポリマー化合物を構築
する一連の反復反応によって形成される高度に分岐した高分子化合物である。デ
ンドリマーは、i)開始コア(I)(これは1または複数の反応部位を持ちうるも
ので、点状であってもよいし、デンドリマーの最終的トポロジーが達成されるよ
うに有意な大きさであってもよい)、ii)開始コアに結合した分岐反復単位(Z
)の層、iii)デンドリマーの表面に結合(随意に連結基(連結基Xなど)を介
した結合であってもよい)した官能性末端基(A部分など)を特徴とする。本発
明では樹状構造をイオン部分結合用の骨組みとして使用する。本発明はここに詳
述する球状デンドリマーに限定されるわけではなく、任意の樹状構造に基づくこ
とができる。形状と構造の両面でデンドリマーの多様性は当業者によく知られて
いる。
【0010】 デンドリマーの製造法はよく知られており、例えば米国特許第4,289,872号お
よび第4,410,688号(リジン単位の層に基くデンドリマーが記載されている)や
、米国特許第4,507,466号、第4,558,120号、第4,568,737号および第4,587,329号
(ポリアミドアミンを含む他の単位に基くデンドリマーまたはPAMAMデンドリマ
ーが記載されている)などに記載されている。これらの米国特許に開示されてい
るデンドリマーは、表面修飾剤、金属キレート剤、解乳化剤または油/水エマル
ジョン、製紙における湿潤紙力増強剤、および塗料などの水性配合物での粘度調
節剤などとしての使用に適すると記載されている。また米国特許第4,289,872号
と同第4,410,688号には、リジン単位に基くデンドリマーを医薬製造用の基剤と
して使用できることが示唆されている。
【0011】 国際特許公開番号WO 88/01178、WO 88/01179およびWO 88/01180には、デンド
リマーがもう1つの物質(例えば担持された医薬用または農業用物質)と結合ま
たは会合している複合体が開示されている。また国際特許公開番号WO 95/24221
には、生物学的反応修飾物質になりうる担体物質と会合した少なくとも一つのデ
ンドリマーからなり、随意に標的指向因子を含んでもよい樹状ポリマー複合体が
開示されている。これらの特許公開公報は上記の米国特許と共に様々なデンドリ
マーとその製造法を広く開示しており、これら各刊行物の開示は参照により本明
細書に組み込まれる。
【0012】 本明細書で使用する「デンドリマー」という用語は最も広義に解釈されるべき
ものであり、特許公開番号WO 88/01178、WO 88/01179およびWO 88/01180に開示
されるようなこれらデンドリマーの全ての形態および組成物が、その範囲に包含
されるべきである。またこの用語は、これらの特許公開公報に開示されるような
連結または架橋型デンドリマーも包含する。
【0013】 本発明の好ましいデンドリマーは、少なくとも2つの樹状分岐に共有結合した
多価コアを含み、好ましくは少なくとも二世代にわたって広がっているものであ
る。とりわけ好ましいデンドリマーはポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー
、PAMAM(EDA)デンドリマー、ポリ(プロピレンイミン)(PPI)デンドリマーおよ
びポリリジンデンドリマーである。
【0014】 本発明では、デンドリマーの表面にある末端基のうち少なくとも一つ、好まし
くは相当数が、それに共有結合した陰イオンまたは陽イオン含有部分を有する。
デンドリマーの分岐は、後に陰イオンまたは陽イオン部分と反応させることがで
きるアミノ基または他の官能性反応基(例えばOH、SHなど)を末端に持ちうる。
デンドリマーの末端基がアミン基である場合、陰イオンまたは陽イオン含有部分
はアミド結合およびチオウレア結合などの様々な官能基によってデンドリマーに
連結できる。デンドリマーの末端基に結合させうる好ましい陰イオンまたは陽イ
オン含有部分としては、スルホン酸含有部分、カルボン酸含有部分(ノイラミン
酸およびシアル酸含有部分、修飾ノイラミン酸およびシアル酸含有部分を含む)
、ボロン酸含有部分、リン酸およびホスホン酸含有部分(エステル化されたリン
酸およびホスホン酸含有部分を含む)および1級、2級、3級または4級アミノ含有
部分、ピリジニウム含有部分、グアニジウム含有部分、アミジニウム含有部分、
フェノール含有部分、酸性または塩基性水素を有する複素環、両性イオン含有部
分、または上記部分の混合物が挙げられる。
【0015】 アミノ基または他の末端基に結合または連結できる好適な陰イオンおよび陽イ
オン含有部分としては、例えば次の基が挙げられる(式中、nはゼロまたは正の
整数、より具体的にはnはゼロまたは1〜20の整数である): -NH(CH2)S03 、-(CH2)SO3 、-Ar(S03 )、-CH2CH(S03 )COOH、-CH(S03 )CH2COOH、-ArX(CH2)SO3 [X=O、S、NH]、-(CH2)NMe3、-Ar(NMe3 )、-Ar(CH2NMe3)
【化6】 -ArXP(=0)(OR)2 [X=0、CH2、CHF、CF2;R=アルキル、アリール、H、Na]、
-ArXP(=O)(OR1)(NR2R3) [X=0、CH2、CHF、CF2;R1=アルキル、アリール、H
、Na;R2,R3=アルキル、アリール]、-Ar[P(=0)(OR)2] [R=アルキル、
アリール、H、Na;n=1〜3]、-Ar[B(OH)2] [n=1〜3]、-Ar[COOH] [n
=1〜3]、
【化7】
【化8】 [R=アルキルまたはアリールアルキル;R1,R2,R3(これらは同一でも異なっ
てもよい)=アルキルまたはアリールアルキル]。
【0016】 上記の部分の他に、様々なノイラミン酸もしくはシアル酸含有部分または修飾
ノイラミン酸もしくはシアル酸含有部分も、本発明に従ってデンドリマーに結合
または連結することができる。これらの部分としては、ノイラミン酸の様々なN-
およびO-置換誘導体、特にN-アセチル、O-アセチルおよびN-グリコリル誘導体な
どのN-およびO-アシル誘導体ならびにノイラミン酸基が修飾されてなる部分など
がある。好適な修飾ノイラミン酸基としては、4位がアミノ、アミド、シアノ、
アジドまたはグアニジノ基で置換されている基および不飽和ノイラミン酸基が挙
げられる。これらの部分は2-、7-、9-または5-NAc位を介してデンドリマーに連
結できる。
【0017】 一般式Iのポリイオン性デンドリマーでは、nが1〜20または20より大きい整数
であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。また、デンド
リマーが少なくとも3つまたはそれ以上の末端基を含むことも好ましい。
【0018】 デンドリマーと部分Aの間にスペーサーとして存在してもよい随意の連結基は
、アルキル鎖(置換アルキル鎖または分岐アルキル鎖であってもよい)、アルコ
キシ、ポリアルコキシ、アルキルチオまたはポリアルキルチオ鎖(置換されてい
てもよい)またはアルケニル、多価アルケニル(multiple alkenyl)、アルキニ
ル、多価アルキニル(multiple alkynyl)鎖(置換されていてもよい)からなり
うる。好適なスペーサー鎖には、式-(CH2)-Z-(CH2)-の基[式中、Zは-CH2-
、-CH=CH-、-C≡C-、-O-または-S-、mは1〜15の整数である]が含まれる。
【0019】 本発明の陰イオンまたは陽イオンデンドリマーは、当業者によく知られている
標準的な化学的方法によって製造できる。好適な方法を下記の実施例に例示する
【0020】 先に述べたように本発明の陰イオン性または陽イオン性デンドリマーは、毒性
物質を抑制することが見出された。本明細書で使用する「毒性物質(toxic mate
rials or substances)」という用語は、特に、生物学的(動物、植物、微生物
またはウイルス)起源を持つ毒素を指し、例えばヘビ、サソリ、クモおよびハチ
毒などの動物毒素または毒性ペプチド、毒性ポリアミン、および細菌感染時(細
菌内毒素および外毒素など)または原虫、真菌またはウイルス感染時に放出され
る毒性ペプチドまたは他の物質を包含するが、これらに限るわけではない。
【0021】 「抑制」という用語は、ここでは最も広い意味で、ヒトまたは非ヒト動物患者
における毒性物質の毒性効果の完全なまたは部分的な抑制または抑止を包含する
ものとして使用される。またこの用語は予防的処置と治療的処置の両方を包含す
るものとして使用される。
【0022】 したがって本発明はもう一つの側面として、上に概論したデンドリマーを、少
なくとも1つの医薬的または獣医学的に許容できる担体または希釈剤と共に含有
する、ヒトまたは非ヒト動物患者における毒性物質の予防的または治療的抑制用
の医薬組成物または獣医用組成物を提供する。
【0023】 このような組成物の処方は当業者にはよく知られている。好適な医薬的に許容
できる担体および/または希釈剤には、従来のあらゆる溶媒、分散媒、充填剤、
固形担体、水溶液、剤皮、抗細菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などが
包含される。医薬活性物質用のこのような媒体および薬剤の使用は当技術分野で
はよく知られており、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences(第18版、M
ack Publishing Company、米国ペンシルヴァニア州)などに記載されている。従
来のどの媒体または薬剤もその活性成分とは不適合である場合を除き、本発明の
医薬組成物にはそれらの使用が考えられる。補助的な活性成分を本組成物に組み
込むこともできる。
【0024】 投与を容易にし投与量を均一にするには、組成物を投与単位剤として製剤化す
ることがとりわけ有利である。本明細書にいう投与単位剤とは、処置されるヒト
対象への1回投与量として適当な物理的に分離した単位を指し、各単位は所望の
治療効果を生むように計算された所定の活性成分量を必要な医薬担体および/ま
たは希釈剤と共に含有する。本発明の新規投与単位剤の仕様は(a)その活性成
分に特有の特徴と、達成しようとする治療効果、および(b)その活性成分をそ
の特定の処置のために調合する技術に固有の制限事項によって決定され、それら
に直接依存する。
【0025】 さらにもう一つの側面として本発明は、毒性物質の抑制によるヒトまたは非ヒ
ト動物患者の予防的または治療的処置に、またはそのような予防的または治療的
処置用の医薬の製造に、上に概論したデンドリマーの有効量を使用するものであ
る。
【0026】 様々な投与経路を利用できる。選択される方法は、当然、治療される状態と治
療効果に必要な投与量とに依存するだろう。本発明の方法は、一般的には、医学
的に許容できる任意の投与法、すなわち臨床上許容できない有害作用を引き起こ
すことなく治療レベルの本発明活性成分をもたらす任意の方法を使って実施する
ことができる。そのような投与法には、経口、直腸、局所、経鼻、吸入、経皮ま
たは非経口(例えば皮下、筋肉内および静脈内)経路が含まれる。経口投与用製
剤にはカプセル剤、錠剤、ロゼンジなどの独立した単位剤が含まれる。他の経路
としては、髄液への直接的な髄腔内投与、当業者によく知られている種々のカテ
ーテルおよびバルーン血管形成装置などによる直接導入、および標的領域への実
質内注射が挙げられる。
【0027】 本組成物は単位用量剤として提供すると好都合であり、製薬技術分野でよく知
られる任意の方法で製造できる。そのような方法には、活性成分を1または複数
の補助成分を構成する担体と混合する段階が含まれる。一般に本組成物は、活性
成分を液状担体、固形担体微粒子またはその両方と均一かつ完全に混合した後、
必要であればその生成物を成形することによって製造される。
【0028】 経口投与に適した本発明の組成物は、各々所定量の活性成分を含有するカプセ
ル剤、カシェ剤、錠剤またはロゼンジなどの独立した単位として、またはリポソ
ームに封入して、またはシロップ剤、エリキシル剤またはエマルジョンなどの水
性もしくは非水性液体中の懸濁液として提供できる。
【0029】 非経口投与に適した組成物は、活性成分の滅菌水性製剤(好ましくは受容者の
血液と等張性のもの)からなることが好都合である。この水性製剤は、適当な分
散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、既知の方法に従って製剤できる。滅
菌注射用製剤は、例えばポリエチレングリコール溶液などの無毒性で非経口的に
許容できる希釈剤または溶剤を使った滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよ
い。使用可能な許容できる賦形剤および溶剤には、水、リンゲル液、等張食塩溶
液などがある。また滅菌固定油も溶剤または懸濁媒として便利である。この目的
には、合成モノグリセリドや合成ジグリセリドを含めて任意の無刺激固定油を使
用できる。またオレイン酸などの脂肪酸も注射剤の製造に利用できる。
【0030】 活性成分が鼻腔内にまたは吸入によって、例えば活性成分を含有する微細分散
エアロゾルなどとして投与される系での送達が可能なように、活性成分を調剤す
ることもできる。
【0031】 他の送達系には徐放送達系がある。好ましい徐放送達系は、徐放性ペレットま
たは徐放性カプセル中の本発明の活性成分の放出に備えうる系である。様々なタ
イプの徐放送達系を利用できる。それらには(a)活性成分がマトリックスに含
まれている浸食系および(b)活性成分が制御された速度でポリマーを通して浸
透する拡散系などがあるが、これらに限るわけではない。またポンプ型ハードウ
ェア送達系も使用でき、それらには植込みに適するものもある。
【0032】 活性成分は予防的または治療的に有効な量で投与される。予防的または治療的
に有効な量とは、所望の効果を少なくとも部分的に達成するのに必要な量、また
は処置される状態の発生を遅らせ、その進行を抑制し、またはその発生もしくは
進行を完全に停止させるのに必要な量を意味する。そのような量は当然、処置さ
れる状態、その状態の重症度、および年齢、体調、大きさ、体重および併用され
る処置を含む個々の患者のパラメーターに依存するだろう。これらの因子は当業
者にはよく知られており、日常的な実験だけで対処することができる。一般的に
は最大量(すなわち妥当な医学的判断による最高安全量)を使用することが好ま
しい。しかし医学的理由、心理学的理由または他の事実上任意の理由から、より
低い用量または許容量を投与できることは、当業者には理解されるだろう。
【0033】 活性成分の経口一日量は一般的には約0.01mg/kg/日〜1000mg/kg/日になるだろ
う。最初は少量(0.01〜1mg)を投与し、その後、最大約1000mg/kg/日まで用量
を増やすことができる。対象の反応がそれらの用量では不十分である場合は、患
者の耐性が許す範囲で、さらに高い用量(またはより限局的な別の送達経路によ
るより高い有効量)を使用してもよい。化合物の全身レベルを適切な値にするた
めに、一日あたり複数回の投与を行なうことが考えられる。
【0034】 本発明の活性成分は、例えば当技術分野の従来の方法によって製造できる獣医
用組成物の形でも提供できる。そのような獣医用組成物の例としては、 (a)例えば水薬(例:水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤または巨
丸剤、飼料添加用の散剤、顆粒剤またはペレット、舌塗布用のペーストなどの経
口投与、外用に適したもの、 (b)例えば滅菌溶液または懸濁液としての皮下、筋肉内または静脈内注射など
による非経口投与、または(しかるべき場合は)乳房内注射(この場合、懸濁液
または溶液を乳頭から乳房中に導入する)による非経口投与に適したもの、 (c)例えば皮膚に適用されるクリーム剤、軟膏もしくは噴霧剤などといった局
所外用に適したもの、または (d)例えば膣坐薬、クリーム剤またはフォームなどの腟内投与に適したもの が挙げられる。
【0035】 本明細書と本願特許請求の範囲では、文脈上別段の必要がない限り、「含む(
含有する、からなる)」という用語とその活用形(「含んでいる」など)は、明
記した事物(integer)または事物の群の包含を意味するが、その他の事物また
は事物の群の除外を意味するわけではないと理解される。
【0036】 本発明のさらなる特徴は下記の実施例から明らかになるだろう。これらの実施
例は発明の限定ではなく例示のために記載するものである。下記の実施例におい
てPAMAMデンドリマーとは米国特許第4,507,466号、第4,558,120号、第4,568,737
号および第4,587,329号に詳述されているようなアンモニアコアに基くポリアミ
ドアミンデンドリマーを指し、PAMAM(EDA)デンドリマーとはエチレンジアミンコ
アに基くポリアミドアミンデンドリマーを指し、またBHAlyslyslysデンド
リマーとは米国特許第4,289,872号と第4,410,688号に記載されているようなベン
ズヒドリルアミンコアとリジン分岐単位に基くポリリジン非対称デンドリマーを
指す。ポリアミドアミンデンドリマーPAMAM1.0、PAMAM2.0、PAMAM3.0、PAMAM4.0
、PAMAM5.0またはそれ以上の世代、PAMAM4.0(EDA)、およびポリリジンデンドリ
マーBHAlyslys2、BHAlyslys2lys4、BHAlyslys2lys4lys8およびBHAlyslys2lys4ly
s8lys16、BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32、BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32lys64 またはそれ以上の世代は、上記米国特許第4289872号、第4410688号、第4507466
号、第4558120号、第4568737号および第4578239号ならびに国際特許公開番号WO
88/01178、WO 88/01179、WO 88/01180およびWO 95/24221に記述されているよう
に製造される。
【0037】 (実施例) 実施例1 スルホン酸末端デンドリマーを与える樹状ポリマーと2-アクリルアミド-2-メ
チルプロパンスルホン酸との反応 A.PAMAM1.0 2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(0.41g、2.0mmol)の水(3ml
)溶液を撹拌したものに、炭酸ナトリウム固体(0.13g、1.0mmol)をゆっくり加
えた。気体の発生が停止した後の溶液のpHは8.0だった。次にその溶液にPAMAM1.
0(0.12g、0.33mmol)の水(1ml)溶液を添加し、続いて水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウムの40%水溶液を4滴加えた。次にその溶液を窒素下に60°で3日
間加熱した後、濃縮した。残渣をゲルろ過(セファデックスG10、水)で精製し
た後、凍結乾燥したところ、スルホン化PAMAM1.0デンドリマーが灰白色固体(0.
51g)として得られた。1Hおよび13C NMRスペクトルによりジアルキル化およびモ
ノアルキル化PAMAM1.0デンドリマーの混合物(約70:30)が確認された。13C nm
r(D2O):δ31.0、31.1、37.1、37.7、41.3、48.6、51.5、53.1、53.4、55.6、
56.2、61.2、61.5、178.3、179.0、179.8。
【0038】 B.PAMAM2.0 上記と同様にしてPAMAM2.0を2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸
と反応させた。粗生成物をゲル濾過(セファデックスG10、水)で精製した後、
凍結乾燥したところ、灰白色固体を得た。1Hおよび13C NMRスペクトルによりジ
アルキル化およびモノアルキル化PAMAM2.0デンドリマーの混合物(約65:35)が
確認された。13C nmr(D2O):δ31.0、31.1、37.1、37.7、41.3、48.7、51.5、
53.4、55.6、56.2、61.2、61.5、178.4、179.0、179.1、179.6。 水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムを省いて上記の反応を繰返したところ、
同様の結果が得られた。
【0039】 C.PAMAM3.0 BRI2783 わずかに過剰の炭酸ナトリウムを使用した点と水酸化ベンジルトリメチルアン
モニウムを省いた点以外は上記と同様にして、PAMAM3.0を2-アクリルアミド-2-
メチルプロパンスルホン酸と反応させた。1Hおよび13C NMRスペクトルによりジ
アルキル化およびモノアルキル化PAMAM3.0デンドリマーの混合物(約50:50)が
確認された。13C nmr(D2O):δ31.0、31.1、36.9、37.4、41.1、48.6、51.5、
53.4、55.7、56.2、61.1、61.5、178.2、178.9、179.0、179.8。
【0040】 D.PAMAM4.0 BRI2784 PAMAM3.0について記述したように、PAMAM4.0を2-アクリルアミド-2-メチルプ
ロパンスルホン酸と反応させた。1Hおよび13C nmrスペクトルによりジアルキル
化およびモノアルキル化PAMAM4.0デンドリマーの混合物(約35:65)が確認され
た。13C nmr(D2O):δ31.0、31.1、36.9、37.3、41.1、48.5、51.5、53.5、55
.7、56.2、61.1、61.5、178.1、178.9、179.0、179.8。
【0041】 実施例2 スルホアセトアミドナトリウム末端デンドリマーの製造 A.PAMAM1.0 PAMAM1.0(0.18g、0.5mmol)のDMF(3ml)溶液を撹拌したものに、ブロモ酢酸
4-ニトロフェニル(0.40g、1.5mmol)の乾燥DMF(1ml)溶液を加えた。得られた
黄色溶液を室温で20時間撹拌してからニンヒドリン試験を行なったところ、結果
は陰性だった。その溶液を濃縮(30°/0.1mmHg)したところ黄色油状物を得た。
この油状物を水とクロロホルムに分配し、その水層を分離し、クロロホルムで洗
浄(2回)し、最後に酢酸エチルで洗浄した。その水溶液を濃縮(35°/25mmHg)
したところ、ブロモアセチル化されたPAMAM1.0デンドリマーが黄色油状物(0.36
g、100%)として得られた。13C nmr(D2O):δ32.8、33.3、43.0、43.5、54.4
、174.5、176.4。
【0042】 上記ブロモアセチル化PAMAM1.0デンドリマー(0.36g、0.5mmol)の水(5ml)
溶液に亜硫酸ナトリウム(0.2g、1.6mmol)の水(1ml)溶液を加え、その溶液を
室温で11日間放置した。その黄色溶液を濃縮したところ帯黄色固体(0.60g)を
得た。13C nmr(D2O):δ34.4、43.1、43.4、54.0、61.7、171.3、177.2。
【0043】 上記の一連の反応は、ブロモアセチル化デンドリマーを単離することなく、単
に第一反応で得た粗製水性抽出物に亜硫酸ナトリウム溶液を添加することによっ
ても行なうことができるだろう。
【0044】 B.PAMAM2.0 方法1: PAMAM2.0(0.10g、0.1mmol)のDMF(3ml)溶液を撹拌したものに、ブロモ酢酸
4-ニトロフェニル(0.18g、0.7mmol)の乾燥DMF(1ml)溶液を加えた。得られた
黄色溶液を室温で20時間撹拌してからニンヒドリン試験を行なったところ、結果
は陰性だった。次にその溶液をかき混ぜながら水(150ml)に加え、その混合物
をクロロホルム(3回)と酢酸エチルで抽出した。その粗製ブロモアセチル化デ
ンドリマー溶液に亜硫酸ナトリウム(0.1g、0.8mmol)の水(1ml)溶液を加え、
その混合物を室温で3日間放置した。次にその黄色溶液を濃縮したところ黄色の
固体残渣が得られ、それをゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製すること
により、スルホアセトアミドナトリウム末端PAMAM2.0デンドリマー(103mg)を
得た。13C nmr(D2O):δ33.0、35.7、36.0、37.7、40.3、43.0、43.2、53.4、
53.7、56.0、61.6、171.2、174.6、178.5。
【0045】 方法2: アセチルチオ酢酸スクシンイミジル固体(67mg、0.33mmol)をPAMAM2.0(52mg
、0.05mmol)の乾燥DMF(2ml)溶液に加え、得られた溶液を室温で2日間撹拌し
た。次にその混合物を濃縮(30°/10−3mmHg)して油状残渣を得た。その残渣を
水とクロロホルムに分配し、水層を分離して濃縮したところ粘稠な油状物(117m
g)を得た。1Hおよび13C nmrにより、その油状物はアシル化デンドリマーとN-ヒ
ドロキシスクシンイミドの混合物であることがわかった。ゲルろ過(セファデッ
クスG10、水)によってアセチルチオアセトアミド末端PAMAM2.0デンドリマーの
純粋な試料(29mg)を得た。13C nmr(D2O):δ34.0、34.2、37.3、43.0、43.1
、43.3、53.5、54.0、56.3、175.4、177.2、177.5。
【0046】 次に、40%ギ酸水溶液(7ml)に溶解した上記官能化デンドリマーを、ギ酸(2
ml)中に新たに調製した過ギ酸(1.6ml)の氷冷溶液に加えた。その混合物を0°
で1時間撹拌した後、室温で20時間撹拌した。次に過剰の過酸を分解するために
少量の活性炭を加え、その混合物を30分間撹拌した後、濾過し濃縮して粘稠な油
状物を得た。
【0047】 その粗生成物を水に溶解し、重炭酸ナトリウム水溶液でpHを9.0に調節し、そ
れをセファデックスG10のカラムに通すことによって脱塩した。凍結乾燥によっ
て得た白色固体(20mg)は、分光光学的に、方法1で得た物質と本質的に同じも
のだった。13C nmr(D2O):δ33.0、38.7、42.9、43.0、43.1、53.9、54.3、56
.5、61.6、171.2、176.4、177.0。
【0048】 実施例3 スルホスクシンアミド酸ナトリウム末端デンドリマーの製造 A.PAMAM1.0 PAMAM1.0(0.12g、0.33mmol)の乾燥DMF(3ml)溶液を撹拌したものに、無水
マレイン酸固体(0.11g、1.1mmol)を加えた。この混合物は無水物が溶解するに
つれて少し温かくなり褐色を帯びた。得られた溶液を室温で終夜撹拌した。次に
その溶液を濃縮(30°/10−4mmHg)したところ粘稠な油状物を得た。1Hおよび13 C nmr(D2O)によりPAMAM1.0のトリスアミドへの完全な変換が若干量のマレイン
酸と共に確認された。13C nmr(D2O):δ33.1、42.8、43.1、54.3、135.0、137
.1、169.1、171.9、173.3。
【0049】 次にその粗製トリスアミドを水(4ml)に溶解し、亜硫酸ナトリウム固体(0.2
0g、1.6mmol)を加えた。得られた溶液を室温で4日間放置した後、濃縮した。1H
および13C nmr(D2O)により、位置異性スルホスクシンアミド酸ナトリウム末端
PAMAM1.0デンドリマーの1:1混合物が、若干量のスルホコハク酸と共に確認され
た。この粗生成物をゲルろ過(セファデックスG10、水)で精製してスルホスク
シンアミド酸ナトリウム末端PAMAM1.0デンドリマーの試料(107mg)を得た。13C
nmr(D2O):δ33.3、39.6、40.0、42.9、43.1、54.0、67.9、69.4、173.8、17
6.3、177.6、181.8。
【0050】 B.PAMAM 2.0 位置異性スルホスクシンアミド酸ナトリウム末端PAMAM2.0デンドリマーの混合
物を上記のように製造した。13C nmr PAMAM2.0マレインアミド酸誘導体(D2O)
:δ32.8、33.0、38.7、42.9、53.8、54.3、56.5、135.2、136.8、169.2、171.9
、173.5、174.6。13C nmr PAMAM2.0スルホスクシンアミド酸ナトリウム誘導体(
D2O):δ37.0、40.1、41.1、43.0、43.2、43.9、53.0、53.3、55.5、68.0、69.
4、173.8、177.6、179.1、179.5、179.8、182.3。
【0051】 C.PAMAM4.0 BRI6038 PAMAM4.0(51mg、0.01mmol)の乾燥DMF(2ml)溶液を撹拌したものに無水マレ
イン酸固体(60mg、0.6mmol)を加えた。その混合物はまず濁ったが、すぐに透
明な溶液になった。その透明溶液を室温で終夜撹拌した。次にその溶液を濃縮(
35°/10−4mmHg)したところ粘稠な油状物を得た。1Hおよび13C nmr(D2O)によ
り、PAMAM4.0のポリアミドへの完全な変換が、若干量のマレイン酸と共に確認さ
れた。次にその粗製ポリアミドを水(2ml)に溶解し、亜硫酸ナトリウム(126mg
、1.0mmol)の水(2ml)溶液を加えた。得られた溶液を室温で2日間放置した後
、濃縮した。1Hおよび13C nmr(D2O)により、位置異性スルホスクシンアミド酸
ナトリウム末端PAMAM4.0デンドリマーの混合物と、若干量のスルホコハク酸が確
認された。その粗生成物をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製すること
により、24個の位置異性スルホスクシンアミド酸基を末端に持つPAMAM4.0(90mg
)の試料を得た。1H nmr(D2O):δ2.4-2.6、2.7-3.1、3.2-3.4、3.9-4.0。13C
nmr(D2O):δ36.2、39.8、40.5、43.0、43.2、53.5、55.8、68.1、69.5、173
.8、177.4、178.7、182.3。
【0052】 実施例4 N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナトリウム末端デンドリマーの製造 a)N-(2-スルホエチル)スクシンアミド酸テトラブチルアンモニウムの製造 2-アミノエチルスルホン酸テトラブチルアンモニウム(1.83g、5.0mmol)の乾
燥ジクロロメタン(30ml)溶液を撹拌したものに無水コハク酸固体(0.5g、5.0m
mol)を加えた。無水コハク酸はゆっくり溶解し、生成した混濁液を室温で終夜
撹拌した。その混合物を濾過し、濾液を濃縮したところ粘稠な油状物(2.41g)
を得た。13C nmrにより、所望のモノアミドへの完全な変換が、少量のコハク酸
と共に確認された。大過剰のジエチルエーテルへのジクロロメタン溶液の滴下に
よる生成物の沈殿を繰返すことにより、N-(2-スルホエチル)スクシンアミド酸テ
トラブチルアンモニウムを白色固体(1.763g、76%)として得た。融点125〜127
℃。1H nmr(CDCl3):δ0.86(t,12H,4×CH3)、1.28(m,8H,4×CH2)、1.
50(m,8H,4×CH2)、2.33(m,2H,CH2COOH)、2.44(m,2H,CH2CONH)、2.7
6(m,2H,CH2NHCO)、3.12(m,8H,4×CH2N)、3.50(m,2H,CH2SO3 )、7.
53(br t,1H,NH)。13C nmr(CDCl3):δ13.5、19.5、23.8、30.1、30.9、35
.6、50.0、58.5、172.0、174.1。
【0053】 b)N-(2-スルホエチル)スクシンアミド酸4-ニトロフェニルエステルテトラブ
チルアンモニウムの製造 N-(2-スルホエチル)スクシンアミド酸テトラブチルアンモニウムのジクロロメ
タン(2ml)溶液を撹拌したものに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(45mg、0
.22mmol)の乾燥ジクロロメタン(1ml)溶液を加え、その混合物を室温で終夜撹
拌した。得られた懸濁液を濾過し、濾液を濃縮することによって粗製活性エステ
ルを得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0054】 A.N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナトリウム末端PAMAMデンドリマーの
製造 PAMAM4.0 BRI2786 50%DMF水溶液(3ml)に溶解したPAMAM4.0(51.5mg、0.01mmol)の溶液を撹拌
したものに、粗製N-(2-スルホエチル)スクシンアミド酸4-ニトロフェニルエステ
ルテトラブチルアンモニウム(0.30mmol)の乾燥DMF(1ml)溶液を加え、得られ
た黄色溶液を室温で終夜撹拌した。次にその混合物を濃縮(35°/10−5mmHg)し
、その黄色残渣を水とクロロホルムに分配した。水層を分離し、クロロホルム(
2回)と酢酸エチルで洗浄した後、濃縮したところ黄色油状物(134mg)を得た。
その粗生成物をアンバーライトIR120(Na)のカラムに通すことによってナトリ
ウム塩に変換し、85mgの生成物を得た。この物質をさらにゲルろ過(セファデッ
クスLH20、水)で精製することにより、N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナト
リウム末端PAMAM4.0デンドリマー(45mg)を得た。13C nmr(D2O):δ33.2、33
.6、35.5、39.0、39.5、42.8、43.2、53.8、54.1、54.4、56.6、176.5、176.9、
177.2、178.9、179.4。
【0055】 N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナトリウム基を末端に持つ類似のPAMAM1.0
デンドリマーとPAMAM3.0(BRI2785)デンドリマーも同様に製造した。 13C nmr PAMAM3.0誘導体(D2O):δ33.4、35.5、39.0、39.5、42.9、42.3、5
3.8、54.1、54.3、56.5、176.4、176.9、177.4、178.9、179.4。 13C nmr PAMAM1.0誘導体(D2O):δ34.9、35.5、39.5、42.9、43.1、53.7、5
4.1、179.0、179.1、179.3。
【0056】 B.N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナトリウム末端ポリリジンデンドリマ
ーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16 BRI2789 乾燥ジクロロメタン(1ml)に懸濁したBHAlyslys2lys4lys8DBL16(36.5mg、5.
0μmol)にトリフルオロ酢酸(1ml)を加え、得られた溶液を窒素下に室温で2時
間撹拌した後、濃縮した。残渣を乾燥DMSO(2ml)に溶解し、トリエチルアミン
でpHを8.5に調節した。次に、粗製N-(2-スルホエチル)スクシンアミド酸4-ニト
ロフェニルエステルテトラブチルアンモニウム(約0.2mmol)のDMSO(1ml)溶液
を滴下し、その混合物を室温で終夜撹拌した。次にその黄色溶液を濃縮(50°/1
0−5mmHg)し、その黄色残渣を水とクロロホルムに分配した。水層を分離し、ク
ロロホルム(3回)と酢酸エチルで洗浄した後、濃縮したところ油状物(99mg)
を得た。その粗生成物をアンバーライトIR120(Na)のカラムに通すことによっ
てナトリウム塩に変換し、81mgの物質を得た。この物質をゲルろ過(セファデッ
クスLH20、水)でさらに精製して、N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナトリウ
ム末端BHAlyslys2lys4lys8lys16デンドリマー(39mg)を得た。13C nmr(D2O)
:δ27.0、32.3、35.2、35.3、35.6、35.7、39.5、43.5、54.1、58.5、131.5、1
32.0、133.3、145.1、177.8、178.0、178.4、178.8、178.9、179.2、179.7、179
.8。
【0057】 N-(2-スルホエチル)スクシンアミドナトリウム基を末端に持つ類似のBHAlysly
s2、BHAlyslys2lys4(BRI2787)およびBHAlyslys2lys4lys8(BRI2788)も同様に
製造した。 13C nmr BHAlyslys2lys4lys8誘導体(D2O):δ26.9、32.3、35.1、35.6、35.
7、39.5、43.5、54.1、58.5、131.6、131.9、132.2、132.3、133.2、133.3、145
.0、145.2、177.2、177.8、177.9、178.0、178.2、178.3、178.6、178.7、178.8
、178.9、179.2、179.3、179.7、179.8。 13C nmr BHAlyslys2lys4誘導体(D2O):δ26.9、32.3、35.1、35.4、35.7、3
5.8、39.5、43.5、54.1、58.5、61.8、131.7、132.0、132.2、132.3、133.2、13
3.3、145.0、145.1、177.3、178.0、178.3、178.4、178.7、178.9、179.0、179.
3、179.7、179.8。 13C nmr BHAlyslys2誘導体(D2O):δ26.9、27.1、32.2、32.3、34.7、34.8
、35.1、35.3、35.6、35.7、39.5、43.4、54.1、58.6、61.8、131.7、131.9、13
2.2、132.3、133.3、144.9、145.0、177.7、178.4、178.8、179.0、179.3、180.
0。
【0058】 実施例5 4-スルホフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 A.PAMAM4.0 BRI2791 PAMAM4.0(300mg、0.0582mmol)の水(10ml)溶液に固体の4-スルホフェニル
イソチオシアネートナトリウム一水和物(500mg、1.96mmol)を加え、得られた
溶液を窒素下に53°で2時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その黄
色固体残渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した。純粋な画分を合
わせて凍結乾燥したところ、4-スルホフェニルチオ尿素ナトリウム末端PAMAM4.0
デンドリマーが綿毛様白色固体(370mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ2.
28、2.52、2.69、3.15、3.27、3.60、7.32(d,J=9Hz)、7.72(d,J=9Hz)。13 C nmr(D2O):δ36.9、41.1、43.1、48.3、53.6、55.8、129.0、131.1、144.
4、178.5、179.1、184.4。
【0059】 それぞれ3、6、12および48個の4-スルホフェニルチオ尿素ナトリウム基を末端
に持つ類似のPAMAM1.0、PAMAM2.0(BRI2790)、PAMAM3.0およびPAMAM5.0(BRI29
91)デンドリマーも同様に製造した。
【0060】 B.PAMAM4.0(EDA) BRI6045 PAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)の水(4ml)溶液に固体の4-スルホフェニル
イソチオシアネートナトリウム一水和物(130mg、0.5mmol)を加え、得られた溶
液を窒素下に53°で2時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その固体
残渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した。純粋な画分を合わせて
凍結乾燥したところ、32個の4-スルホフェニルチオ尿素ナトリウム基を末端に持
つPAMAM4.0が綿毛状白色固体(136mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ2.30
、2.50、2.70、3.18、3.62、7.35(d,J=9Hz)、7.72(d,J=9Hz)。13C nmr
(D2O):δ36.8、41.0、43.1、48.4、53.6、55.7、128.9、131.0、144.3、178.
5、179.0、184.5。
【0061】 C.BHAlyslys2lys4lys8lys16 BRI2792 窒素下で乾燥ジクロロメタン(4ml)に懸濁したBHAlyslys2lys4lys8DBL16(0.
73g、0.1mmol)にトリフルオロ酢酸(4ml)を加えた。激しい気体の発生が短時
間観察された。得られた溶液を室温で2時間撹拌した後、濃縮した。シロップ状
の残渣を水(5ml)に溶解し、その溶液をアンバーライトIRA-401(OH)のカラム
に通し、濾液を濃縮したところ、BHAlyslys2lys4lys8lys16が粘稠な油状物(0.4
9g)として得られた。その油状物を水(5ml)に再溶解し、N,N-ジメチル-N-アリ
ルアミン緩衝液(pH9.5、3ml)を加えた。次に固体の4-スルホフェニルイソチオ
シアネートナトリウム一水和物(1.30g、5.1mmol)を加え、得られた溶液を窒素
下に53°で2時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その帯褐色固体残
渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した。純粋な画分を合わせ、ア
ンバーライトIR120(Na)のカラムに通し、凍結乾燥したところ、4-スルホフェ
ニルチオ尿素ナトリウム末端BHAlyslys2lys4lys8lys16デンドリマーが綿毛状白
色固体(374mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ1.40、1.72、3.08、3.42、
4.24、4.60、7.30、7.40(d,J=9Hz)、7.78(d,J=9Hz)。13C nmr(D2O):
δ27.3、32.5、35.9、43.7、48.9、58.6、63.3、128.8、131.0、143.7、144.7、
145.1、177.7、178.1、183.8、185.2。
【0062】 それぞれ16、64および128個の4-スルホフェニルチオ尿素ナトリウム基を末端
に持つ類似のBHAlyslys2lys4lys8、BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32(BRI2992)
およびBHAlyslys2lys4lys8lys16lys32lys64(BRI2993)デンドリマーも同様に製
造した。
【0063】 実施例6 3,6-ジスルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 A.PAMAM4.0 BRI2923 PAMAM4.0(51mg、0.01mmol)の水(3ml)溶液に固体の3,6-ジスルホナフチル
イソチオシアネートナトリウム(160mg、0.41mmol)を加え、得られた溶液を窒
素下に53℃で2時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その褐色固体残
渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した。純粋な画分を合わせて濃
縮したところ、3,6-ジスルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端PAMAM4.0デンドリ
マーが帯褐色固体(73mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ2.30、2.60、2.7
4、3.20、3.57、7.75、7.86、8.28。13C nmr(D2O):δ35.0、39.9、43.1、48.
1、53.8、56.1、128.4、128.6、129.3、131.0、131.3、136.0、136.8、138.2、1
45.5、146.0、177.2、177.8、185.5。
【0064】 3,6-ジスルホナフチルチオ尿素ナトリウム基を末端に持つ類似のPAMAM2.0デン
ドリマーも同様に製造した。
【0065】 B.PAMAM4.0(EDA) BRI6046 PAMAM4.0(EDA)(74mg、0.01mmol)の水(4ml)溶液に固体の3,6-ジスルホナフ
チルイソチオシアネートナトリウム(220mg、0.57mmol)を加え、得られた溶液
を窒素下に53°で2時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その帯褐色
固体残渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した。純粋な画分を合わ
せて濃縮したところ、32個の3,6-ジスルホナフチルチオ尿素ナトリウム基を末端
に持つPAMAM4.0が黄褐色固体(148mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ2.30
、2.80、3.20、3.54、7.74、7.85、8.25。13C nmr(D2O):δ36.0、40.8、43.1
、48.3、53.6、55.9、128.5、129.4、131.0、131.3、136.0、136.8、138.3、145
.5、146.0、178.2、185.6。
【0066】 C.BHAlyslys2lys4lys8lys16 BRI2999 窒素下で乾燥ジクロロメタン(2ml)に懸濁したBHAlyslys2lys4lys8DBL16(73
mg、0.01mmol)にトリフルオロ酢酸(2ml)を加えた。激しい気体の発生が短時
間観察された。得られた溶液を室温で2時間撹拌した後、濃縮した。シロップ状
の残渣を水(5ml)に溶解し、その溶液をアンバーライトIRA-401(OH)のカラム
に通し、その濾液を濃縮したところ、BHAlyslys2lys4lys8lys16が粘稠な油状物
として得られた。その油状物を水(5ml)に再溶解し、N,N-ジメチル-N-アリルア
ミン緩衝液(pH9.5、3ml)を加えた。次に固体の3,6-ジスルホナフチルイソシア
ネートナトリウム(234mg、0.60mmol)を加え、得られた溶液を窒素下に53°で2
時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その帯褐色固体残渣をゲルろ過
(セファデックスLH20、水)によって精製した。純粋な画分を合わせ、アンバー
ライトIR120(Na)のカラムに通し、凍結乾燥したところ、32個の3,6-ジスルホ
ナフチルチオ尿素ナトリウム基を末端に持つBHAlyslys2lys4lys8lys16が綿毛状
灰白色固体(119mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ1.0-2.0、3.18、3.43
、4.31、7.22、7.80、7.89、8.25。13C nmr(D2O):δ27.2、32.4、35.3、43.7
、49.0、58.5、63.6、128.4、129.1、131.4、136.1、136.6、138.6、139.0、145
.1、145.6、178.4、184.8、186.7。
【0067】 実施例7 4-スルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI2997 PAMAM4.0(51mg、0.01mmol)の水(5ml)溶液に固体の4-スルホナフチルイソ
チオシアネートナトリウム(180mg、0.5mmol)を加え、その混合物を窒素下に53
°で2時間加熱した後、冷却した。得られた懸濁液から水を減圧下に蒸留し、そ
の灰白色固体残渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した。純粋な画
分を合わせて凍結乾燥したところ、4-スルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端PA
MAM4.0デンドリマーが綿毛状白色固体(60mg)として得られた。1H nmr(D2O)
:δ2.20、2.60、3.14、3.48、7.23、7.47、7.56、7.77、7.93(d,J=6Hz)、8
.56(d,J=6Hz)。13C nmr(D2O):δ35.8、40.5、43.1、48.4、53.6、55.9、
127.6、128.6、130.3、131.9、132.5、133.5、134.7、140.5、142.7、177.8、17
8.0、185.4。
【0068】 実施例8 3,5-ジスルホフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI6039 PAMAM4.0(63mg、0.012mmol)の水(3ml)溶液に固体の3,5-ジスルホフェニル
イソチオシアネートナトリウム(110mg、0.32mmol)を加え、得られた溶液を窒
素下に53°で2時間加熱した後、冷却した。その溶液を濃縮し、その帯褐色固体
残渣をゲルろ過(セファデックスG25、水)で精製した。純粋な画分を合わせて
濃縮したところ、24個の3,5-ジスルホフェニルチオ尿素ナトリウム基を末端に持
つPAMAM4.0が灰白色固体(110mg)として得られた。1H nmr(D2O):δ2.53、3.
08、3.36、3.66、7.90、7.95。13C nmr(D2O):δ34.8、41.0、43.1、48.0、53
.7、56.2、124.1、128.6、143.5、148.8、177.6、185.0。
【0069】 実施例9 3,6,8-トリスルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI2998 水(2ml)に溶解したPAMAM4.0(51mg、0.01mmol)とN,N-ジメチル-N-アリルア
ミン緩衝液(pH9.5、1ml)に、固体の3,6,8-トリスルホナフチルイソチオシアネ
ートナトリウム(250mg、0.5mmol)を加え、その混合物を窒素下に53°で2時間
加熱した後、冷却した。その混合物を減圧下に濃縮したところ橙色の固体が得ら
れた。その残留固体を水(2ml)に溶解し、短いアンバーライトIR-120(Na)カ
ラムに通した。次に濾液を濃縮して、その残渣をゲル濾過(セファデックスLH20
、水)で精製した。純粋な画分を合わせて凍結乾燥したところ、3,6,8-トリスル
ホナフチルチオ尿素ナトリウム末端PAMAM4.0デンドリマーが灰白色固体(102mg
)として得られた。1H nmr(D2O):δ2.65、3.02、3.30、3.66、8.05、8.42、8
.59、8.67。13C nmr(D2O):δ33.2、38.7、43.2、43.7、47.8、54.0、54.3、5
6.7、131.0、131.3、131.9、135.9、138.0、139.6、143.8、144.1、145.6、176.
2、176.5、186.0。
【0070】 同様にして、対応する3,6,8-トリスルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端デン
ドリマーBHAlyslys2lys4lys8lys16 BRI7011を製造した。
【0071】 実施例10 4-(スルホメチル)ベンズアミドナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI6040 PAMAM4.0(70mg、0.014mmol)の乾燥DMSO(4ml)溶液に4-(クロロメチル)安息
香酸4-ニトロフェニル固体(200mg、0.68mmol)を加え、得られた黄色溶液を室
温で2時間撹拌した。次にその溶液を濃縮(10−4mmHg、40°)し、残渣を水とジ
クロロメタンの混合物(1:1)で抽出した。残った固体物質をDMSO(5ml)に溶
解し、亜硫酸ナトリウム(130mg、1mmol)の水(3ml)溶液を加えた。その結果
生成したわずかに濁った混合物を4日間放置した後、さらに水(2ml)を加えたと
ころ、透明で均一な黄色溶液が得られた。次にその溶液をまず40°/25mmHgで濃
縮し、次いで50°/10−4mmHgで濃縮することにより、粗生成物を得た。その粗生
成物をゲルろ過(セファデックスG25、水)で精製したところ、24個の4-(スルホ
メチル)ベンズアミドナトリウム基を末端に持つPAMAM4.0(24mg)が得られた。1 H nmr(D2O):δ2.25、2.66、3.08、3.20、3.33、3.38、4.01、7.40(br d)、
7.62(br d)。13C nmr(D2O):δ36.7、40.9、43.0、43.6、53.5、55.5、61.0
、131.6、135.0、137.2、140.4、174.5、178.6、179.2。
【0072】 実施例11 4-スルホベンズアミド末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) BRI6116 0.1Mホウ酸緩衝液(pH8.5、5ml)に溶解したPAMAM4.0(EDA)(35mg、0.005mmol
)に固体の4-スルホ安息香酸N-ヒドロキシスクシンイミジルエステルナトリウム
(100mg、0.3mmol)を加え、その溶液を室温で2時間撹拌した。得られた乳状の
溶液はこの段階でpHが4.5だった。次に1M炭酸ナトリウム溶液(1ml)を加えて透
明な溶液とし、それを濃縮することにより、粗生成物を白色固体として得た。そ
の粗生成物をゲルろ過(セファデックスG25、水)で精製して、32個の4-スルホ
ベンズアミドナトリウム基を末端に持つPAMAM4.0(EDA)を得た(47mg)。1H nmr
(D2O):δ2.25、2.42、2.63、3.05、3.18、3.31、3.38、7.72(d,J=8Hz)、
7.78(d,J=8Hz)。13C nmr(D2O):δ36.0、40.4、43.0、43.7、53.7、55.8
、130.2、132.2、140.4、150.1、173.6、178.0、178.5。
【0073】 実施例12 N-(4-スルホフェニル)プロパンアミドナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) BRI6117 PAMAM4.0(EDA)(78mg、0.011mmol)の水(4ml)溶液を撹拌したものに、固体
のN-(4-スルホフェニル)アクリルアミドナトリウム(250mg、1mmol)および炭酸
ナトリウム固体(106mg、1mmol)を順次加えた。得られた溶液を窒素下で4日間
撹拌した後、凍結乾燥したところ、綿毛状の白色固体が得られた。その粗生成物
をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製することにより、64個のN-(4-ス
ルホフェニル)プロパンアミドナトリウム基を末端に持つPAMAM4.0(EDA)を得た(
206mg)。13C nmrにより、極微量のモノアルキル化末端アミノ基と思われるもの
が認められた。1H nmr(D2O):δ2.10、2.48、2.58、2.79、3.20、7.42(d,J
=7Hz)、7.65(d,J=7Hz)。13C nmr(D2O):δ36.5、37.9、41.1、53.4、55
.6、124.8、130.9、143.0、144.2、177.4、178.5。
【0074】 実施例13 4-スルホフェニル尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) BRI6115 スルファニル酸ナトリウム(195mg、1mmol)の乾燥DMSO(3ml)溶液を炭酸N,N
'-ジスクシンイミジル(530mg、2mmol)の乾燥DMSO(4ml)溶液に滴下し、得ら
れた帯褐色溶液を室温で20時間撹拌した。乾燥DMSO(1ml)に溶解したPAMAM4.0(
EDA)(75mg、0.011mmol)を加え、その溶液をさらに18時間撹拌した。次にその
溶液を高真空下(10−5mmHg、35°)で濃縮して、帯黄色の半固体を得た。その
粗生成物をDMSO(4ml)に溶解し、その溶液をよく撹拌した酢酸エチル200mlに加
えた。沈殿した白色固体を濾過によって集め、酢酸エチル(2回)とエーテル(2
回)で洗浄した後、乾燥することによって白色粉末(275mg)を得た。この物質
をさらにゲル濾過(セファデックスLH20、水)で精製することにより、32個の4-
スルホフェニル尿素ナトリウム基を末端に持つPAMAM4.0(EDA)を得た(106mg)。1 H nmr(D2O):δ2.31、2.55、2.75、3.19、7.32(d,J=9Hz)、7.63(d,J=
9Hz)。13C nmr(D2O):δ36.3、40.7、43.3、43.8、53.7、55.7、123.3、130.
9、140.9、146.0、161.4、178.2、178.6。
【0075】 実施例14 塩化N,N,N-トリメチルグリシンアミド末端デンドリマーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16 BRI2922 乾燥ジクロロメタン(2ml)に懸濁したBHAlyslys2lys4lys8DBL16(220mg、30
μmol)にトリフルオロ酢酸(4ml)を加え、得られた溶液を窒素下に室温で2時
間撹拌した後、濃縮した。その残渣を乾燥DMSO(5ml)に溶解し、トリエチルア
ミンでpHを8.5に調節した。次に塩化N,N,N-トリメチルグリシン4-ニトロフェニ
ル固体(0.50g、1.8mmol)を加え、その混合物を室温で終夜撹拌した。次にその
混濁液を濃縮(50°/10−5mmHg)し、残渣を水とジクロロメタンに分配した。水
層を分離し、ジクロロメタン(3回)と酢酸エチルで洗浄した後、濃縮して油状
物(1.128g)を得た。その粗生成物をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精
製することにより、N,N,N-トリメチルグリシンアミド末端BHAlyslys2lys4lys8ly
s16デンドリマー(116mg)を得た。13C nmr(D2O):δ25.5、30.5、30.8、33.4
、42.1、56.5、57.1、67.5、68.1、166.7、167.0、167.1、176.0、176.2。
【0076】 実施例15 4-トリメチルアンモニウムベンズアミド末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI6043 ヨウ化4-トリメチルアンモニウム安息香酸(154mg、0.5mmol)の乾燥DMF(4ml
)溶液に1,1'-カルボニルジイミダゾール(85mg、0.52mmol)を加え、その混合
物をアルゴン下に室温で2時間撹拌した。この間に白色固体が溶液から分離した
。次にPAMAM4.0(58mg、0.011mmol)の乾燥DMF(2ml)溶液を加え、その混合物
を室温で終夜撹拌した。これを終えた時点で沈殿物の大半が溶解しており、その
溶液のニンヒドリン試験は陰性だった。その混合物を濃縮(10−4mmHg、30°)
して白色固体残渣を得た。その粗生成物をゲル濾過(セファデックスLH20、10%
AcOH)で精製することにより、24個の4-トリメチルアンモニウムベンズアミド基
を末端に持つPAMAM4.0を酢酸塩(89mg)として得た。1H nmr(D2O):δ1.96、2
.65-2.85、3.25-3.55、3.64、7.92。13C nmr(D2O):δ25.8、33.1、33.5、38.
7、43.1、43.5、53.5、54.1、56.4、61.2、124.8、133.6、139.9、153.2、173.2
、176.3、176.8、182.6。
【0077】 同様にして、6個の4-トリメチルアンモニウムベンズアミド基を末端に持つ類
似のPAMAM2.0デンドリマーを製造した。
【0078】 実施例16 4-(トリメチルアンモニウムメチル)ベンズアミド末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI6044 PAMAM4.0(52mg、0.01mmol)の乾燥DMSO(3ml)溶液を撹拌したものに4-(クロ
ロメチル)安息香酸4-ニトロフェニル固体(150mg、0.5mmol)を加えた。得られ
た黄色溶液を室温で20時間撹拌してニンヒドリン試験を行なったところ、結果は
陰性だった(pH約8.5)。次にその溶液を濃縮(10−5mmHg、40°)し、水とジク
ロロメタンの混合物(1:1)と共に残渣を振盪した。不溶性のゲル様物質を濾過
によって集め、水(2回)およびジクロロメタン(2回)で洗浄した後、風乾した
。この粗製4-(クロロメチル)ベンズアミド末端デンドリマーを25%トリメチルア
ミン水溶液(20ml)に溶解し、その黄色溶液を終夜放置した。次にその溶液を濃
縮し、残渣を水(5ml)に溶解し、その溶液をアンバーライトIRA-401(OH)のカ
ラムに通した。無色の濾液を濃縮したところ粘稠な油状物が得られ、それをゲル
濾過(セファデックスG10、10%AcOH)で精製することにより、24個の4-(トリメ
チルアンモニウムメチル)ベンズアミド基を末端に持つPAMAM4.0(90mg)を得た
1H nmr(D2O):δ1.88、2.65-2.80、2.98、3.10-3.60、7.52(br d,J=9Hz
)、7.72(br d,J=9Hz)。13C nmr(D2O):δ26.6、33.4、38.8、43.2、43.5
、53.6、54.1、56.8、62.8、73.0、132.1、135.3、137.5、140.0、176.9、183.6
【0079】 実施例17 N-(2-アセトキシエチル)-N,N-(ジメチルアンモニウム)メチルカルボキサミド
末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 臭化N-(2-アセトキシエチル)-N-(カルボキシメチル)-N,N-ジメチルアンモニウ
ム(135mg、0.5mmol)の乾燥DMF(3ml)溶液に1,1'-カルボニルジイミダゾール
固体(85mg、0.52mmol)を加え、得られた溶液を窒素下に2時間撹拌した。次にP
AMAM4.0(60mg、0.012mmol)のDMF(2ml)溶液を加えたところ、直ちに凝集性の
沈殿が生成し、それはゆっくりと再溶解した。その混合物を2日間撹拌した後、
濃縮(10−4mmHg、40°)したところ、粘稠な油状物が得られた。その粗生成物
をゲルろ過(セファデックスG10、10%AcOH)で精製することにより、24個のN-(
2-アセトキシエチル)-N,N-(ジメチルアンモニウム)メチルカルボキサミド基を末
端に持つPAMAM4.0(64mg)を得た。1H nmr(D2O):δ1.93、2.05、2.70、3.10-
3.60、3.28、3.93(m)、4.14、4.48(m)。13C nmr(D2O):δ24.6、26.2、33
.2、38.7、42.8、42.9、53.9、57.4、62.6、67.3、67.5、168.9、176.4、176.8
、177.3、183.2。
【0080】 実施例18 グアニジノ末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI6042 PAMAM4.0(63mg、0.012mmol)と硫酸メチルチオプソイド尿素(170mg、0.61mm
ol)の水(5ml)溶液(pH10.5)を窒素下に80°で2時間加熱した。次にその溶液
を濃縮し、残渣をゲル濾過(セファデックスG10、10%AcOH)で精製することに
より、24個のグアニジノ基を末端に持つPAMAM4.0を酢酸塩(107mg)として得た
1H nmr(D2O):δ2.00、2.80(br t)、3.09(br t)、3.32、3.45(br t)
、3.60(br t)。13C nmr(D2O):δ25.2、33.2、33.4、38.7、41.2、42.6、43
.4、44.7、53.5、54.0、56.3、176.5、176.7、176.9、181.6。
【0081】 同様にして、6個のグアニジノ基を末端に持つ類似のPAMAM2.0デンドリマーを
製造した。
【0082】 実施例19 4-([1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン]メチル)ベンズアミド末端デン
ドリマーの製造 PAMAM4.0 BRI6041 pH7のリン酸緩衝液(10ml)に溶解した1-(4-カルボキシフェニル)メチル-1,4,
8,11-テトラアザシクロテトラデカン四塩酸塩(120mg、0.25mmol)、N-ヒドロキ
シスクシンイミド(60mg、0.52mmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-
エチルカルボジイミド塩酸塩(250mg、1.3mmol)を室温で1時間放置した後、pH7
のリン酸緩衝液(10ml)に溶解したPAMAM4.0(32mg、0.006mmol)を加えた。そ
の混合物を2日間放置した後、濃縮した。残渣をゲル濾過(セファデックスLH20
、10%AcOH)で精製したところ、1H nmrと13C nmrから判断して約12個の4-([1,4
,8,11-テトラアザシクロテトラデカン]メチル)ベンズアミド基を末端に持つPAMA
M4.0(80mg)が得られた。次にその生成物を水に溶解し、アンバーライトIRA-40
1(Cl)樹脂のカラムに通した後、濃縮した。その残渣を水(1ml)に溶解し、濃
塩酸(1ml)を加え、その溶液をエタノール(30ml)で希釈することによって白
色固体を沈殿させた。その固体を濾過によって集めた(68mg)。1Hおよび13C nm
rにより、末端アミノ基はやはり約50%官能化されていることが確認された。1H
nmr(D2O):δ2.17、2.36、2.50、2.78、2.85、3.25、3.40、3.50、3.60、3.62
、4.49、7.63(br d)、7.78(br d)。13C nmr(D2O):δ22.7、23.1、33.2、
38.8、39.9、40.2、40.3、41.0、41.2、42.0、42.9、43.2、43.6、45.5、46.1、
49.1、52.2、53.9、54.3、56.6、62.7、132.5、135.7、137.1、139.7、174.3、1
76.2、176.3、176.7、177.0、178.2、178.5。
【0083】 実施例20 4-カルボキシ-3-ヒドロキシベンジルアミン末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) BRI6119 水(4ml)中のPAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)、4-ホルミル-2-ヒドロキシ
安息香酸(83mg、0.5mmol)および炭酸水素ナトリウム(42mg、0.5mmol)の混合
物にシアノホウ水素化ナトリウム(32mg、0.5mmol)を加えた。その不均一な橙
色の混合物を室温で4時間撹拌したところ均一になった。次にその橙色溶液を濃
縮し、残渣をゲル濾過(セファデックスLH20、水)で精製することにより、約32
個の4-カルボキシ-3-ヒドロキシベンジルアミン基を末端に持つPAMAM4.0(EDA)を
得た(91mg)。1Hおよび13C nmr(D2O)はほとんどの末端アミノ基がモノアルキ
ル化されていることを示すが、ジアルキル化の信号も若干認められ、どちらのス
ペクトルも幅広いピークを示す。13C nmr(D2O):δ37.0、41.1、50.9、53.4、
55.5、55.8、61.5、120.9、122.2、122.4、132.3、132.7、135.0、135.8、163.5
、163.7、169.0、178.6、179.3。1H nmr(D2O):δ2.20、2.35、2.60、3.15、3
.30、3.55、4.25、6.68、7.12、7.55。
【0084】 実施例21 4-カルボキシフェニルアミド末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)の水(20ml)溶液に4-カルボキシフェニル
イソチオシアネート固体(86mg、0.48mmol)を加えた。生成した混濁液のpHをNa
HCO3飽和溶液で9に調節し、室温で24時間撹拌放置した。次にその反応混合物を
濾過し、濾液を濃縮することによって白色固体残渣を得て、それをゲルろ過(セ
ファデックスLH20、水)で精製した後、凍結乾燥することにより、生成物を白色
の綿毛状固体(68mg)として得た。
【0085】 実施例22 3,5-ジカルボキシフェニルアミド末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(70mg、0.01mmol)の水(5ml)溶液に、3,5-ジカルボキシフェ
ニルイソチオシアネート固体(112mg、0.5mmol)を加えた。生成した混濁液のpH
を1M Na2CO3溶液で10に調節し、窒素下に53°で2時間加熱した。次にその反応混
合物を濾過し、濾液を濃縮したところ帯褐色固体残渣が得られ、それをゲルろ過
(セファデックスLH20、水)で精製した後、凍結乾燥することにより、生成物を
淡褐色固体(112mg)として得た。
【0086】 実施例23 4-ホスホノオキシフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)の水(20ml)溶液に固体の4-ホスホノオキ
シフェニルイソチオシアネートナトリウム(251mg)を加えた。得られた溶液(p
H9)を窒素下に室温で24時間撹拌した。次にその反応混合物を濃縮したところ白
色固体残渣が得られ、それをゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製した後
、凍結乾燥することにより、生成物を綿毛状白色固体(86mg)として得た。
【0087】 実施例24 4-(ホスホノメチル)フェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)の水(30ml)溶液に固体の4-(ホスホノメチ
ル)フェニルイソチオシアネートナトリウム(97mg)を加えた。NaHCO3飽和溶液
を断続的に添加することによってpHを8に維持しながら、得られた溶液を窒素下
に室温で3時間撹拌した。次にその反応混合物を濃縮したところ白色固体残渣が
得られ、それをゲルろ過(セファデックスLH20、水)によって精製した後、凍結
乾燥することにより、生成物を綿毛状白色固体(102mg)として得た。
【0088】 実施例25 4-(ホスホノメチル)フェニルチオ尿素エチルエステルナトリウム末端デンドリ
マーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)のDMF(30ml)溶液に固体の4-(ホスホノメ
チル)フェニルイソチオシアネートエチルエステルナトリウム(109mg)を加えた
。NaHCO3飽和溶液を断続的に添加することによってpHを8に維持しながら、得ら
れた溶液を窒素下に室温で17時間撹拌した。次にその反応混合物を濃縮したとこ
ろ白色固体残渣が得られ、それをゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製し
た後、凍結乾燥することにより、生成物を綿毛状白色固体(30mg)として得た。
【0089】 実施例26 Cn-アルキル連結2-チオシアロシド末端デンドリマーの製造 [(8-オクタン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)5-アセトアミド-4,7,8,
9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノ
ヌロピラノシド]オン酸メチルを、以下の方法で製造した。
【0090】 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-2-S-アセチル-3,5-ジデオキシ-2
-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラソン酸メチル(Hasegawaら、198
6)(100mg)の乾燥ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に、8-ブロモオクタン酸
(41mg)とジエチルアミン(280mg)を加え、その溶液を20℃で17時間撹拌した
。溶媒を減圧下に除去し、残渣を酢酸エチルと氷冷5%塩化水素酸に分配した。
有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して残渣(130mg)
を得た。これを酢酸エチル(5ml)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(26m
g)とジシクロヘキシルカルボジイミド(46mg)を加えた。その混合物を20℃で1
7時間撹拌した後、白色の沈殿を濾去した。濾液を濃縮し、酢酸エチルを溶離液
とするシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物
含有画分を合わせて溶媒を留去することにより、白色の泡状物97mgを得た。71%
【0091】 同様にして、以下の化合物を製造した。 [(11-ウンデカン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)5-アセトアミド-4,7
,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-
ノヌロピラノシド]オン酸メチル、 [(酢酸N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル)5-アセトアミド-4,7,8,9-テト
ラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピ
ラノシド]オン酸メチル、 [(4-ブタン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)5-アセトアミド-4,7,8,9-
テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌ
ロピラノシド]オン酸メチル、 [(4-メチル安息香酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)5-アセトアミド-4,
7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2
-ノヌロピラノシド]オン酸メチル。
【0092】 A.PAPAM[EDA]4.0[(8-オクタンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-
チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6112 不活性雰囲気下にあるPAMAM[EDA]4.0(50mg)の乾燥ジメチルスルホキシド(4
ml)溶液に、[(8-オクタン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)5-アセトア
ミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガ
ラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチル(300mg)を加え、その溶液を20℃で6
0時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をメタノール(2ml)に溶解した。
この溶液を、メタノールを溶離液とするセファデックスLH20でのサイズ排除クロ
マトグラフィーにかけた。溶媒を留去したところ、生成物PAMAM[EDA]4.0[[(8-オ
クタンアミド)5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-
チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチル]32が白色粉
末として得られた。182mg。93%。
【0093】 これを以下の方法で遊離のシアロシドに変換した。20℃で窒素下にあるPAMAM[
EDA]4.0[[(8-オクタンアミド)5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-
ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチ
ル]32(182mg)の乾燥メタノール(3ml)溶液に、新たに調製したナトリウムメ
トキシドの0.19Mメタノール溶液(7ml)を加え、その混合物を2.5時間撹拌した
。溶媒を留去し、残渣を水(10ml)に溶解し、3時間撹拌した。この溶液を、水
を溶離液とするセファデックスLH20でのサイズ排除クロマトグラフィーにかけた
。凍結乾燥したところ、PAPAM[EDA]4.0[(8-オクタンアミド)-5-アセトアミド-3,
5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32が淡
いレモン色の粉末として得られた。110mg。77%。
【0094】 同様の方法で以下の化合物の製造した。 PAMAM[EDA]4.0[(11-ウンデカンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チ
オ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6147、 PAMAM[EDA]4.0[(アセトアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グ
リセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6121、 PAMAM[EDA]4.0[(4-メチルベンズアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-
チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6120。
【0095】 B.BHAlyslys2lys4lys8lys16[(8-オクタンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデ
オキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6169 トリフルオロ酢酸(2ml)とジクロロメタン(2ml)の混合物に溶解したBHAlys
lys2lys4lys8lys16(t-Boc)32(20.3mg)を20℃で2時間撹拌した後、溶媒を減圧
下に留去した。残渣をジメチルスルホキシド(1ml)に溶解し、ジイソプロピル
エチルアミン(25mg)と[(8-オクタン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)5
-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ
-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチル(78mg)を加えた。その混合
物をアルゴン下に20℃で60時間撹拌した後、溶媒を減圧下に除去した。残渣を、
新たに調製したナトリウムメトキシドの0.1Mメタノール溶液(2.5ml)に溶解し
、その混合物をアルゴン下に20℃で3時間撹拌した。溶媒を留去し、残渣を水(1
ml)に溶解して、17時間撹拌した。その溶液を、水を溶離液とするセファデック
スLH20でのサイズ排除クロマトグラフィーにかけた。凍結乾燥により、生成物BH
Alyslys2lys4lys8lys16[(8-オクタンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2
-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32が白色粉末として得
られた。44mg。86%。
【0096】 実施例27 シアル酸の4位が修飾されている樹状シアロシドの製造 4-アジド-5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-2-S-アセチル-3,4,5-トリ
デオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノソン酸メチルを、
以下の方法で製造した。4-アジド-5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-2-ク
ロロ-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-β-D-ガラクト-2-ノヌロピラノソン酸メ
チル(Sabesan、1994)(5g)の乾燥ジクロロメタン(150ml)溶液に、チオール
酢酸カリウム微粉末(5.8g)を加え、その懸濁液を20℃で48時間激しく撹拌した
。その混合物を濾過し、溶媒を留去して淡褐色泡状物(5.2g)を得た。必要な生
成物を分取用逆相HPLC[C18、30%アセトニトリル/水]によって白色泡状物(3.
9g、72%)として単離した。
【0097】 [(8-オクタン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)4-アジド-5-アセトアミ
ド-7,8,9-トリ-O-アセチル-3,4,5-トリデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラ
クト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチルを以下の方法で製造した。
【0098】 4-アジド-5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-2-S-アセチル-3,4,5-トリ
デオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノソン酸メチル(300
mg)の乾燥ジメチルホルムアミド(3.5ml)溶液に、8-ブロモオクタン酸(155mg
)とジエチルアミン(1.26ml)を加え、その溶液を20℃で17時間撹拌した。溶媒
を減圧下に除去し、残渣を酢酸エチルと氷冷10%塩化水素酸に分配した。有機層
を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色泡状物(385mg)
を得た。これを酢酸エチル(20ml)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(95
mg)とジシクロヘキシルカルボジイミド(175mg)を加えた。その混合物を20℃
で17時間撹拌した後、白色沈殿物を濾去した。濾液を濃縮し、分取用逆相HPLC[
C18、30%アセトニトリル/水]で精製することにより、白色の泡状物(340mg,8
3%)を得た。
【0099】 A.PAMAM[EDA]4.0[(8-オクタンアミド)-4-アジド-5-アセトアミド-3,4,5-ト
リデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6
146 不活性雰囲気下にあるPAMAM[EDA]4.0(72mg)の乾燥ジメチルスルホキシド(5
ml)溶液に、[(8-オクタン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)4-アジド-5-
アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-3,4,5-トリデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-
α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチル(318mg)を加え、その溶液を
20℃で60時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をメタノール(2ml)に溶
解した。この溶液を、メタノールを溶離液とするセファデックスLH20でのサイズ
排除クロマトグラフィーにかけた。溶媒の留去により、生成物PAMAM[EDA]4.0[[(
8-オクタンアミド)4-アジド-5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-3,4,5-ト
リデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチ
ル]32を白色の泡状物(225mg、81%)として得た。
【0100】 遊離のシアロシドは次の方法で得た。アルゴン下20℃にあるPMAM[EDA]4.0[[(8
-オクタンアミド)4-アジド-5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-3,4,5-トリ
デオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド]オン酸メチル
]32(215mg)の乾燥メタノール(1ml)溶液に、新たに調製したナトリウムメト
キシドの1Mメタノール溶液(1ml)を加え、その混合物を3時間撹拌した。溶媒を
留去し、残渣を水(2ml)に溶解し、17時間撹拌した。その溶液を、水を溶離液
とするセファデックスLH20でのサイズ排除クロマトグラフィーにかけた。凍結乾
燥により、生成物PAMAM[EDA]4.0[(8-オクタンアミド)-4-アジド-5-アセトアミド
-3,4,5-トリデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸
]32を綿毛状の白色粉末(160mg、90%)として得た。
【0101】 B.PAMAM[EDA]4.0[(8-オクタンアミド)-4-アミノ-5-アセトアミド-3,4,5-ト
リデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32 BRI6
149 ピリジン(40ml)と水(20ml)の混合液に溶解したPAMAM[EDA]4.0[(8-オクタ
ンアミド)-4-アジド-5-アセトアミド-3,4,5-トリデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-
α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32(25mg)に、20℃で5日間にわたって遅
い硫化水素ガスの気流を通過させた。次にその溶液中に窒素を2時間吹込んで過
剰の硫化水素を除去した。その溶液を蒸発乾固し、残渣を水(5ml)に取り出し
、0.45μm膜フィルターに通すことによって硫黄を除去した。凍結乾燥により、
生成物PAMAM[EDA]4.0[(8-オクタンアミド)-4-アミノ-5-アセトアミド-3,4,5-ト
リデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸]32が綿毛
状の白色粉末(23mg、96%)として得られた。
【0102】 実施例28 ボロン酸末端デンドリマーの製造 4-カルボキシフェニルボロン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル 4-カルボキシフェニルボロン酸(500mg)の乾燥ジメチルホルムアミド(5ml)
溶液にN-ヒドロスクシンイミド(380mg)とジシクロヘキシルカルボジイミド(6
80mg)を加えた。その混合物を20℃で64時間撹拌した後、白色沈殿物を濾去した
。溶媒を減圧下に除去し、残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解した。その溶液を
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去したところ白色固体が得られ
、これをアセトニトリル/水から細かい針状物として結晶化した。730mg。92%。
【0103】 PAMAM[EDA]4.0[4-ベンズアミドボロン酸]32 BRI6160 不活性雰囲気下にあるPAMAM[EDA]4.0(69mg)の乾燥ジメチルスルホキシド(5
ml)溶液に4-カルボキシフェニルボロン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル
(130mg)を加え、その溶液を20℃で65時間撹拌した。その濃厚なスラリーに1M
炭酸ナトリウム溶液(1ml)を加え、その透明な溶液をさらに24時間撹拌した。
溶媒を減圧下に除去し、残渣を10%アンモニア溶液(5ml)に溶解した。その溶
液を、10%アンモニア溶液を溶離液とするセファデックスLH20でのサイズ排除ク
ロマトグラフィーにかけた。溶媒の留去により、生成物PAMAM[EDA]4.0[4-ベンズ
アミドボロン酸]32が白色の綿毛状固体として得られた。110mg。94%。
【0104】 実施例29 3,6-ジスルホナフチルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32 BHAlyslys2lys4lys8lys16DBL32(147mg)の乾燥ジクロロメタン(2ml)懸濁液
を撹拌したものにトリフルオロ酢酸(2ml)を加え、得られた溶液を窒素下に室
温で2時間撹拌した後、濃縮した。残渣をN,N-ジメチル-N-アリルアミン緩衝液(
pH9.5、5ml)に溶解した後、3,6-ジスルホナフチルイソチオシアネート固体(40
0mg)を加えた。次にその混合物のpHを1M炭酸ナトリウムの添加によって9.5に調
節し、その溶液を窒素下に53℃で3時間加熱した。その反応混合物を濃縮し、残
渣を水に再溶解し、その溶液をアンバーライトIR120(Na)のカラムに通した。
濾液を濃縮して得た粗生成物をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製する
ことにより、64個の3,6-ジスルホナフチル尿素ナトリウム基を持つBHAlyslys2ly
s4lys8lys16lys32が白色の綿毛状固体(175mg)として得られた。
【0105】 実施例30 3,5-ジスルホフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32 BHAlyslys2lys4lys8lys16DBL32(300mg、0.02mmol)の乾燥ジクロロメタン(3
ml)懸濁液を撹拌したものにトリフルオロ酢酸(3ml)を加え、得られた溶液を
窒素下に室温で2時間撹拌した後、濃縮した。残渣を水に溶解し、その溶液をア
ンバーライトIRA401(OH)のカラムに通し、濾液を濃縮したところ粘稠な油状物
(187mg)が得られた。その油状物をピリジン/水の1:1混合液(8ml)に溶解し
、3,5-ジスルホフェニルイソチオシアネートナトリウム固体(680mg、2mmol)を
加えた。得られた溶液を窒素下に53℃で3時間加熱した。次にその溶液を濃縮し
て白色固体残渣を得た。その粗生成物をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で
精製することにより、64個の3,5-ジスルホフェニル尿素ナトリウム基を持つBHAl
yslys2lys4lys8lys16lys32が白色の綿毛状固体として得られた。
【0106】 実施例31 3,5-ジカルボキシフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32 BRI6741 BHAlyslys2lys4lys8lys16DBL32(300mg、0.02mmol)の乾燥ジクロロメタン(3
ml)懸濁液を撹拌したものにトリフルオロ酢酸(3ml)を加え、得られた溶液を
窒素下に室温で2時間撹拌した後、濃縮した。残渣を水に溶解し、その溶液をア
ンバーライトIRA401(OH)のカラムに通し、濾液を濃縮したところ粘稠な油状物
(186mg)が得られた。その油状物をピリジン/水の1:1混合液(8ml)に溶解し
、3,5-ジカルボキシフェニルイソチオシアネートナトリウム(450mg、2mmol)を
加えた。得られた溶液を窒素下に53℃で13時間加熱した。次にその溶液を濃縮し
て白色固体残渣を得た。その粗生成物をゲル濾過(セファデックスLH20、水)で
精製することにより、64個の3,6-ジカルボキシフェニル尿素ナトリウム基を持つ
BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32が白色の綿毛状固体として得られた。
【0107】 同様にして、対応する3,5-ジカルボキシフェニルチオ尿素ナトリウム末端デン
ドリマーPAMAM4.0(EDA) BRI6195を製造した。
【0108】 実施例32 4-ホスホノオキシフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32 BRI6181 BHAlyslys2lys4lys8lys16DBL32(147mg、0.01mmol)の乾燥ジクロロメタン(2
ml)懸濁液を撹拌したものにトリフルオロ酢酸(2ml)を加え、得られた溶液を
窒素下に室温で2時間撹拌した後、濃縮したところ粘稠な油状物を得た。その油
状物をN,N-ジメチル-N-アリルアミン緩衝液(pH9.5、5ml)に溶解し、4-ホスホ
ノオキシフェニルイソチオシアネート固体(250mg)を加えた。得られた溶液のp
Hを1M炭酸ナトリウムで10に調節し、その混合物を窒素下に53℃で3時間加熱した
。次にその溶液を濃縮したところ白色固体残渣を得た。その残渣を水に再溶解し
、その溶液をアンバーライトIR120(Na)のカラムに通し、濾液を濃縮した。次
に、その残渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製することにより、64
個の4-ホスホノオキシフェニル尿素ナトリウム基を持つBHAlyslys2lys4lys8lys1 6 lys32を白色の綿毛状固体(150mg)として得た。
【0109】 実施例33 4-ホスホノフェニルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 BHAlyslys2lys4lys8lys16lys32 BHAlyslys2lys4lys8lys16DBL32(147mg、0.01mmol)の乾燥ジクロロメタン(2
ml)懸濁液を撹拌したものにトリフルオロ酢酸(2ml)を加え、得られた溶液を
窒素下に室温で2時間撹拌した後、濃縮したところ、粘稠な油状物を得た。その
油状物をN,N-ジメチル-N-アリルアミン緩衝液(pH9.5、5ml)に溶解し、4-ホス
ホノフェニルイソチオシアネート固体(250mg)を加えた。得られた溶液のpHを
炭酸水素ナトリウム飽和溶液で9に調節し、その混合物を窒素下に53℃で3時間加
熱した。次にその溶液を濃縮したところ白色固体残渣を得た。その残渣を水に再
溶解し、その溶液をアンバーライトIR120(Na)のカラムに通し、濾液を濃縮し
た。次に残渣をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製して、凍結乾燥する
ことにより、64個の4-ホスホノフェニル尿素ナトリウム基を持つBHAlyslys2lys4 lys8lys16lys32 BRI6196を白色の綿毛状固体(152mg)として得た。
【0110】 実施例34 4,6-ジホスホノナフチルチオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0 4,6-ジホスホノナフチルイソチオシアネート(165mg)の水(2ml)溶液を、PA
MAM4.0(51mg、0.01mmol)の水(2ml)溶液に加えた。その混合物のpHを炭酸水
素ナトリウム飽和溶液で9.5に調節し、その混合物を室温で1時間激しく撹拌した
後、窒素下に53℃で3時間加熱した。次にその混合物を濾過し、濾液を濃縮した
ところ褐色の固体残渣を得た。その粗生成物をゲル濾過(セファデックスG25、
水)で精製し、凍結乾燥することにより、24個の4,6-ジホスホノナフチルチオ尿
素ナトリウム基を末端に持つPAMAM4.0を褐色固体(81mg)として得た。
【0111】 実施例35 フルオレセインチオ尿素末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(74mg、0.01mmol)の水(3ml)溶液にフルオレセインイソシア
ネート固体(188mg)を加えた。炭酸水素ナトリウム飽和溶液を加えてpHを9に調
節し、得られた均一溶液を室温で終夜撹拌してから濃縮した。その橙色の残渣を
ゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製し、凍結乾燥することにより、21個
のフルオレセインチオ尿素基を末端に持つPAMAM4.0(EDA)を綿毛状の橙色固体
(193mg)として得た。
【0112】 実施例36 (フェニル-3-ボロン酸)チオ尿素ナトリウム末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0(EDA) PAMAM4.0(EDA)(69mg、0.01mmol)の水(5ml)溶液に(フェニル-3-ボロン酸)
イソチオシアネート固体(100mg、0.5mmol)を加えた。1M炭酸ナトリウムを加え
て上記イソチオシアネートを溶解した(pH約10)。次にその混合物を窒素下に53
℃で2時間加熱した後、濾過し、濾液を濃縮したところ帯褐色固体残渣を得た。
その粗生成物をゲルろ過(セファデックスLH20、水)で精製し、凍結乾燥するこ
とにより、32個の(フェニル-3-ボロン酸)チオ尿素基を末端に持つPAMAM4.0(EDA)
を白色の綿毛状固体(87mg)として得た。
【0113】 実施例37 ピリジニウムドデシルカルボキサミド末端デンドリマーの製造 PAMAM2.0デンドリマー BRI-6807 PAMAM2.0世代コア(0.0479mmol、50mg)を0.5mlのMeOH溶液からエバポレート
し、10mlの水に再溶解した。その溶液に、臭化1-N-ピリジニウム12-ドデカン酸
(0.14g、0.384mmol)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物[HOBT](52mg
、0.384mmol)、トリエチルアミン(53μl、0.384mmol)および1-(3-ジエチルア
ミノプロピル-3-エチル)カルボジイミド塩酸塩[EDC](74mg、0.384mmol)を加
えた。その反応混合物を室温で終夜撹拌した。減圧下で体積を三分の一に減らし
、その溶液を、水を溶離液とするLH20カラムでのクロマトグラフィーにかけた。
生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥により、臭化ピリジニウムドデシルカル
ボキサミドPAMAM2.0を綿毛状白色固体として単離した。1H nmr(D2O):δ 1.15
、1.45、1.9、2.15、2.75、2.8、3.15、3.35、3.5、4.55、8.05、8.5、8.8。
【0114】 PAMAM4.0デンドリマー BRI-6809 PAMAM4.0世代コア(0.05mmol、69mg)を1.0mlのMeOH溶液からエバポレートし
、水15mlに再溶解した。その溶液に、臭化1-N-ピリジニウム12-ドデカン酸(0.1
43g、0.4mmol)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物[HOBT](77mg、0.4m
mol)、トリエチルアミン(56μl、0.4mmol)および1-(3-ジエチルアミノプロピ
ル-3-エチル)カルボジイミド塩酸塩[EDC](77mg、0.4mmol)を加えた。その反
応混合物を室温で終夜撹拌した。減圧下で体積を三分の一に減らし、その溶液を
、1%トリエチルアミン水溶液を溶離液とするLH20カラムでのクロマトグラフィ
ーにかけた。生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥により、臭化ピリジニウム
ドデシルカルボキサミドPAMAM4.0を綿毛状白色固体として単離した。少量の生成
物を無水酢酸と反応させて、デンドリマーコアのNH2末端基が完全にキャッピン
グされていることを確認した。1H nmr(D2O):δ 1.10、1.45、1.9、2.1、2.30
、2.5、2.7、3.2、4.5、8.00、8.45、8.80。
【0115】 実施例38 サッカリン末端デンドリマーの製造 PAMAM4.0デンドリマー BRI-6157 エチレンジアミンコアPAMAM4.0デンドリマーコア(275mg、39.8μM)の乾燥ジ
メチルホルムアミド(25ml)溶液に6-(ベンゾスルフィミド)イソチオシアネート
(400mg、1.67mM)を加え、その混合物を室温で24時間撹拌した。炭酸ナトリウ
ムでpHを10〜10.5に調節することによって、その混濁液を透明にした。この溶液
をさらに24時間撹拌し、揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去した。そ
の溶液を大きいセファデックスLH20カラムでのクロマトグラフィーにかけて、前
端画分を集めた。残りの画分を集め、小さいカラムでの再クロマトグラフィーに
かけた。合わせた前端画分をエバポレートし凍結乾燥することにより、サッカリ
ン末端デンドリマー生成物(450mg、78%)を綿毛状白色固体として得た。1H nm
r(D2O):δ 2.20、2.50、3.23、3.46、3.63、7.52、7.87。
【0116】 同様にして、対応するサッカリン末端BHA.Lys.Lys2Lys4.Lys8.Lys16.Lys32...
デンドリマーBRI-6189を製造した。
【0117】 実施例39 コブラ毒およびハチ毒毒素の抑制 A.材料と方法 サイトセンサーマイクロフィジオメーター法 サイトセンサーマイクロフィジオメーター(Cytosensor Microphysiometer、M
olecular Devices Inc.、カリフォルニア州)は、光アドレッサブルポテンシオ
メトリックセンサー(light addressable potentiometric sensor)に基づく装
置であり、インビトロでの細胞の代謝率の間接的測定に使用できる(Parceら、1
989;McConnellら、1992)。代謝は微量フローチャンバの内側に固定化された細
胞からの酸代謝物産生速度を測定することによって決定される。
【0118】 ヒトCEM細胞を遠心分離し、低緩衝性無血清/無重炭酸塩RPMI1640培地(low-bu
ffered serum-free/bicarbonate-free RPMI 1640 medium、Molecular Devices、
以下「改変培地」という)に再懸濁した。その細胞を60,000〜75,000細胞/カプ
セルの密度で、細胞カプセルカップ(cell capsule cup、Molecular Devices)
のポリカーボネート膜(3μm孔)に接種した。アガロース包括培地(agarose en
trapment medium、Molecular Devices)を使って細胞を固定化した。pHの変化(
したがって細胞代謝の変化)を検出するシリコンセンサーを含有するセンサーチ
ャンバに、接種済カプセルカップを移した。この一連の実験に使用したサイトセ
ンサーシステムは、8つの独立した酸性化速度測定用チャンバを含むものである
。改変培地を100〜120μl/分の速度で細胞越しにポンプで送出した。各細胞チャ
ンバには2つの液溜めの一方から液体が供給された。
【0119】 酸性化速度を測定するために、改変培地の流れを定期的に中断することにより
、排出される酸代謝物(乳酸およびCO2)を蓄積させた。この一連の実験では、
培地の流れを30秒間停止し、その間に、経時的な電圧シグナルの変化に対する最
小二乗フィット傾斜、酸性化速度(μV/sとして測定)を計算した。4つのチャン
バから得られるシグナルの直接比較が可能なように、この速度データを(化合物
添加前の4〜5速度点を用いて)規格化した。酸性化速度の測定は2分毎に行なっ
た。チャンバは37℃に保った。
【0120】 基礎酸性化速度を(何の処置も施さないで)少なくとも30分間モニターした。
その後、毒/ペプチドをある範囲の濃度で最長4時間にわたって細胞にばく露した
。細胞に対して顕著なしかし最大未満の効果を示す毒素の濃度を選択して、ある
濃度範囲のBRI2923によるこの毒性の抑制を試験した。すべての実験で少なくと
も1つのチャンバはどの化合物にもばく露せず、これを陰性対照とした。
【0121】 BRI2923を水に溶解し、pHを7.2に調節した。100μM〜1nMの範囲の濃度を毒/培
地溶液に加え、6分間(この装置で使用できる最短のインキュベーション時間)
〜1時間の範囲の時間、インキュベートした後、細胞に導入した。全ての実験を3
回ずつ繰返した。
【0122】 B.結果 コブラ毒のBRI2923抑制 フォレストコブラ(Naja malenoleuca)の粗毒を試験した。CEM細胞に添加さ
れたコブラ毒は、細胞代謝の初期増加を引き起こし、次に細胞死(細胞溶解)が
起こった。コブラ毒は、これらの細胞にはとりわけ有害で、約80%の代謝の初期
増加を引き起こした後、10分以内に100%細胞死した。この毒液を10、50および1
00μg/mlでまず試験した。50μg/mlによる最大下反応を、ほとんどの実験での試
験用量として選択した。2種類のBRI2923濃度(10−4Mと10−5M)を使用した。
【0123】 50μg/mlの毒液と共に10−5MのBRI2923をインキュベートすると、全てのイン
キュベーション時間(6、30および60分)で、代謝率の初期増加が約80%から約5
%に低下し、細胞死の発生が約15〜20分遅れた。
【0124】 50μg/mlの毒液と共に10−4MのBRI2923をインキュベートすると、この濃度の
毒液のみで見られる代謝率の初期増加とその後の迅速な細胞死がどちらも遮断さ
れた。100μg/mlの毒液と共に10−4MのBRI2923をインキュベートしたところ、や
はり代謝率の初期増加が消失し、細胞は毒液/デンドリマー溶液を洗い流した後
に細胞死を始めた。ヘビ毒は、それぞれが異なる毒作用を持つ数多くの有毒成分
からなる。コブラ毒は、ハチ毒の毒素メリチンと同じように細胞溶解を引き起こ
す細胞毒ペプチドを含有する。Naja malenoleucaから単離される細胞毒のアミノ
酸配列から、この毒素は塩基性(陽イオン性)が高く、したがってBRI2923など
のポリアニオン化合物によって容易に不活化されるであろうことが示される。毒
性低下の根拠としてのこの静電的不活化は、6分間のインキュベーション時間で
も、より長い30〜60分間のインキュベーション時間を使用した時と同じ結果が得
られるという実験結果によって裏付けられる。
【0125】 メリチン(ハチ毒の主要毒素)のBRI2923抑制 メリチンをCEM細胞に10−5M〜10−7Mの範囲のhalf-log量で加えた。最も高い2
用量(10−5Mと5×10−6M)では、細胞の初期活性化が起こることなく15分以内
に全細胞死が起こった。10-6Mでは細胞代謝率が一過性に増加した後、細胞溶解
が起こり、約1時間後に完了した。5×10−7Mでは溶解曲線がさらに右側に移動し
、10−7Mは無効だった。この用量反応決定を繰返し、10−6Mメリチンを最大下濃
度として選択し、BRI2923と共に使用した。ある範囲の濃度のBRI2923を10−6Mメ
リチンと共に20分間インキュベートした。メリチンの毒作用は10−4Mおよび10-5 MのBRI2923によって完全に抑制された。10−6MのBRI2923はメリチン毒性を約30
分間完全に遮断し、ばく露の最後の30分間で代謝率は対照細胞より約10〜15%低
いだけだった。10-7M、5×10−7Mおよび10−8M濃度のBRI2923は毒性を低下させ
たが、防止はしなかった。10−9MのBRI2923は10−6Mのメリチンに影響を及ぼさ
なかった。
【0126】 実施例40 HIV(AIDS)毒素の抑制 序論 Vprはヒト免疫不全症ウイルス(HIV-1)アクセサリー遺伝子産物であり、14kD
aの96アミノ酸タンパク質である。遺伝子vprはHIV-1、HIV-2に高度に保存されて
おり、Vpr遺伝子産物はHIV感染の疾患の進行を最適化する(Cullen(1998)およ
びEmerman & Malim(1998)による総説がある)。その作用の一つとしてVprはヒ
ト細胞と酵母の両方でアポトーシスおよび細胞変性効果を誘発する(Stewartら
、1997;Zhaoら、1996;Macreadieら、1996)。
【0127】 サイトセンサーマイクロフィジオメーターを使う方法 ヒトCEM細胞を1400RPMで7分間遠心分離し、改変RPMI1640培地に再懸濁した。
次に細胞を固定化し、アガロース包括培地を使って固定化し、カプセルカップ(
Molecular Devices Ltd.、カリフォルニア州)のポリカーボネート膜の中央にス
ポットした。約43,000〜75,000細胞/カプセルカップの密度で細胞を接種した。p
Hの変化(したがって細胞の代謝作用の変化)を検出するシリコンセンサーを含
有するセンサーチャンバに、接種済カプセルカップを移した。この一連の実験に
使用したサイトセンサーシステムは、8つの独立した酸性化速度測定用チャンバ
を含むものである。改変培地を100〜120μl/分の速度で細胞越しにポンプで送出
した。各細胞チャンバには、ソフトウェアコマンドを使って交替させることがで
きる2つの液溜めの一方から液体が供給された。細胞を30〜60分間または安定な
代謝率が得られるまでチャンバ内で平衡させた。この一連の実験では、培地の流
れを30秒間停止し、その間に、経時的な電圧シグナルの変化に対する最小二乗フ
ィット傾斜、酸性化速度(μV/sとして測定)を計算した。4つのチャンバから得
られるシグナルの直接比較が可能なように、この速度データを(化合物添加前の
4〜5速度点を用いて)規格化した。酸性化速度の測定は2分毎に行なった。チャ
ンバは37℃に保った。
【0128】 全ての実験で、CEM細胞は、これらの細胞の対数増殖期の初期〜中期に相当す
る1.3×105〜1.3×106細胞/mlで使用した。
【0129】 細胞をマイクロフィジオメーターに設置し、少なくとも30分間の平衡期間後に
細胞チャンバを通してVpr P3ペプチドを灌流した。Vpr P3に使用した濃度範囲は
10−5M〜2×10−5Mである。毒性の効果が完全に現れるには、Vpr P3を2時間以上
細胞と接触させる必要があった。
【0130】 BRI2923によるVprペプチド毒性の抑制を試験する実験では、Vpr P3ペプチドの
培地溶液を適切な濃度にし、BRI2923を加え、その溶液を混合し、20〜30分間放
置して平衡させた後、サイトセンサーに設置した。各抑制実験では、時間対照チ
ャンネルの他に、BRI2823の試験に使用したものと同じ濃度のVpr P3を含有する
陽性対照チャンネルを同じ時間処理した。Vpr P3ペプチド溶液およびVpr P3/BRI
2923溶液を最短2時間30分〜最長4時間にわたって細胞と接触させた。また化合物
を洗い流した後も、細胞の代謝率を短時間(最低6分間)モニターした。
【0131】 結果 サイトセンサーシステムでVPR P3ペプチドを単独で試験すると、代謝率の初期
増加と、それに続く低下が起こり、次いでCEM細胞のアポトーシスによる細胞死
が起こる。
【0132】 図1に示す実験では、VPRペプチドP3(10-5M)を、最終体積1ml(改変RPMI培
地)中で10−4M(最終体積)の化合物BRI2923と共に30分間プレインキュベート
した。次に、溶液を最終体積(25ml)に希釈し、細胞越しに灌流した。10−4Mの
BRI2923溶液(酸性)および培地(中性)のpH差と、BRI2923デンドリマー自体の
固有の緩衝効果とが組み合わさって、BRI2923/Vpr P3チャンバでは代謝率の大き
な初期低下がみられる。この代謝率の低下を説明するために、BRI2923を用いた
全ての結果に補正係数を適用した。使用した補正係数は、a)最初のデータポイ
ントでの初期低下計算値を、それ以降の全データポイントに加えるものであり、
b)同様にして洗浄効果の計算値を、洗浄後の全ポイントから差し引いた。補正
したグラフを図2に示す。この結果は、10−4MのBRI2923が、10−5MのVPR P3に
よって誘導される毒性効果(アポトーシス)に対して完全な保護を与えることを
示している。この実験は4回ずつ行なった。
【0133】 さらに他の濃度のBRI2923を、より高い濃度のVpr P3に対して試験した。その
結果を図3または4に示す。10−5MのBRI2923も、2×10-5MのVpr P3誘導アポト
ーシスの抑制を示した(三重の実験)。10−6MのBRI2923は2×10−5MのVpr P3に
よって生じる効果の有意な低下を示した(三重実験)。2×10-5MのVpr P3毒性に
対して、10−7MのBRI2923は代謝率の低下率を、より少ない程度に減弱した(二
重実験)。時間対照とは異なり、BRI2923を含有するチャンバ内の細胞は、経時
的な代謝率の低下を何ら示さなかった。BRI2923を用いた先のサイトセンサー実
験から、デンドリマーが、VPR P3によって引き起こされるアポトーシスの抑制に
加えて、細胞保護効果も与えうることが示唆された。
【0134】 実施例41 コレラ毒素の抑制を決定するためのカルセイン放出アッセイ 材料 細胞株 ・HPC-8ヒト回盲部癌上皮細胞 カルセインAM ・Molecular Probes、カタログ番号C-1430 ・C46H46N2O23、分子量994.87 ・バイアルあたり100μlの試薬用無水ジメチルスルホキシド(DMSO)に1mgを再
懸濁して10mMの原液濃度にする。 毒素 ・コレラ毒素(Sigmaカタログ番号C8052)−1つのAサブユニットが5つのBサブユ
ニットに囲まれているもの。 阻害剤デンドリマー ・試験デンドリマーBRI2913およびBRI2999。
【0135】 方法 1.対数増殖期のHCP-8(接着性ヒト回盲部癌上皮細胞株)を、PBS(リン酸緩衝
食塩水)による2回の洗浄後に、75cm2フラスコあたり2mlでトリプシン処理(ト
リプシンEDTA)した。 2.細胞をトリプシン溶液と共に5分間インキュベートした。 3.20mlの培養培地をフラスコに加えてトリプシンを不活化した。 4.細胞溶液を50ml遠心管に移し、室温(RT)にて1200PRMで7分間遠心分離した
。 5.細胞をPBS中で洗浄し、RTにて1200RPMで7分間遠心分離した。 6.細胞をPBSに再懸濁し、計数し、RTにて1200RPMで7分間遠心分離し、上清を
捨てた。 7.細胞をPBS 1mlに再懸濁すると共に5μlのカルセインを添加し、37℃で45分
間インキュベートした。 8.PBS(約5〜20ml)中で細胞を洗浄し、最終濃度が5×105細胞/100μlになる
ように、PBSに再懸濁した。 9.96ウェルプレートの使用する各ウェルに、50μlのコレラ毒素(H2Oに溶解し
たもの)および50μlのデンドリマー溶液(DMSO中に10mMの原液を作り、PBSで希
釈)と共に、100μlの細胞溶液(5×105細胞/ウェル)を加えた。各濃度を3回ず
つ繰返した。 10.プレートを5%CO2培養器中37℃で2時間インキュベートした。 11.上清を収集し、蛍光分析を行なった。
【0136】 結果 予備実験を行なった。記載する全ての結果は三重に行なった実験の平均蛍光強
度である。
【表1】 阻害率(%)=100−(FI毒素+デンドリマー/FI毒素×100)
【0137】 (参考文献) Arunagiri, C.K.、Macreadie, LG.、Hewish, D.R.およびAzad, A.A. (1997)「
HIV-1アクセサリータンパク質VprのC末端ドメインはヒトCD4リンパ球の侵入、ミ
トコンドリア機能不全およびアポトーシスに関与する(A C-terminal domain of
HIV-1 accessory protein Vpr is involved in penetration, mitochondrial d
ysfunction and apoptosis of human CD4 lymphocytes)」Apoptosis, 2, 69-76
Cullen, B.R. (1998)「HIV-1補助タンパク質:瀕死の細胞との関連づけ(HIV-
1 auxiliary proteins: making connections in dying cells)」Cell, 93, 685
-692 Emerman, M.およびMalim, M.H. (1998)「HIV-1調節/アクセサリー遺伝子:ウ
イルスおよび宿主細胞生物学を解明する鍵(HIV-1 regulatory/accessory genes
: keys to unravelling viral and host cell biology)」Science, 280, 1880-
1883 McConnell, H.K.、Owicki, J.C.、Parce, J.W.、Miller, D.L.、Baxter, G.T.
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ーター:ケイ素テクノロジーの生物学的応用(The cytosensor microphysiomete
r:biological applications of silicon technology)」Science, 257, 1901-19
12 Macreadie, I.G.、Arunagiri, C.K.、Hewish, D.R.、White, J.F.およびAzad,
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の細胞外添加は細胞膜透過化と細胞死を引き起こす(Extracellular addition o
f a domain of HIV-1 Vpr containing the aminoacid sequence motif H(S/F)RI
G causes cell membrane permeabilization and death)」Mol. Microbiol., 19
(6), 1185-1192 Parce, J.W.、Owicki, J.C.、Kercso, K.M.、Sigal, G.B.、Wada, H.G.、Muir
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ffecting agents with a silicon biosensor)」Science, 246, 243-247 Stewart, S.A.、Poon, B.、Jowett, J.B.M.およびChen, I.S. (1997)「ヒト免
疫不全症ウイルス1型Vprは細胞周期停止に続いてアポトーシスを誘導する( Hum
an immunodeficiency virus type 1 Vpr induces apoptosis following cell cy
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酵母(Schizoasaccharomyces pombe)の基本的細胞機能に対するヒト免疫不全症
ウイルス1型プロテインR(Vpr)遺伝子発現の効果(Effect of human immunodeficiency virus type 1 protein R (Vpr) gene expression on basic c
ellular function of fission yeast Schizoasaccharomyces pombe)」J. Virol
, 70, 5821-5826
【図面の簡単な説明】
【図1】 HIV毒性VprペプチドP3画分の抑制に関する様々な濃度のBRI2923
の効果を示す図である。
【図2】 HIV毒性VprペプチドP3画分の抑制に関する様々な濃度のBRI2923
の効果を示す図である。
【図3】 HIV毒性VprペプチドP3画分の抑制に関する様々な濃度のBRI2923
の効果を示す図である。
【図4】 HIV毒性VprペプチドP3画分の抑制に関する様々な濃度のBRI2923
の効果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZA,ZW (72)発明者 カレン・ウェンディ・マーデル オーストラリア3204ビクトリア州オーモン ド、レイラ・ロード59番 Fターム(参考) 4C086 AA02 FA03 MA01 MA04 NA14 ZC37 4J043 PA13 PB08 PB13 PB14 QB05 RA05 RA08 SA02 SA06 YB06 YB08 YB32 YB35 YB37 YB38 YB42 ZB60

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトまたは非ヒト動物患者における毒性物質の予防的または
    治療的抑制法であって、多数の末端基を持ちそれら末端基の少なくとも一つがそ
    れに結合または連結された陰イオンまたは陽イオン含有部分を有するデンドリマ
    ーの有効量を前記患者に投与することからなる方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物が少なくとも2つの樹状分岐に共有結合した多価
    コアを含み、少なくとも二世代にわたって広がっているデンドリマーである請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記デンドリマーがアンモニアコアに基づくポリアミドアミ
    ンデンドリマーである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記デンドリマーがエチレンジアミンコアに基づくポリアミ
    ドアミンデンドリマーである請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記デンドリマーがベンズヒドリルアミンコアまたは他の適
    当なコアに基づくポリリジンデンドリマーである請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記デンドリマーがポリ(プロピレンイミン)デンドリマーで
    ある請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記化合物が一般式I: 【化1】 [式中、 Iは開始コア、 Zは内部分岐単位、 nはそのデンドリマーの世代数を表わす整数、 Aは随意の連結基Xを介して内部分岐単位Zに連結されてもよい陰イオンまた
    は陽イオン含有部分である] のポリイオン性デンドリマーである請求項2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記化合物において、1または複数の前記陰イオンまたは陽
    イオン含有部分がアミド結合またはチオ尿素結合によってアミン、スルフヒドリ
    ル、ヒドロキシまたは他の反応性末端基に結合される請求項1〜7のいずれか一
    項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記化合物において、前記陰イオンまたは陽イオン含有部分
    が、スルホン酸含有部分、カルボン酸含有部分(ノイラミン酸およびシアル酸含
    有部分ならびに修飾ノイラミン酸およびシアル酸含有部分を含む)、ボロン酸含
    有部分、リン酸およびホスホン酸含有部分(エステル化されたリン酸およびホス
    ホン酸含有部分を含む)、1級、2級、3級または4級アミノ含有部分、ピリジニウ
    ム含有部分、グアニジウム含有部分、アミジニウム含有部分、フェノール含有部
    分、酸性または塩基性水素を有する複素環、両性イオン含有部分からなる群より
    選択される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記化合物において、デンドリマーのアミノ末端基または
    他の反応性末端基に結合される1または複数の部分が、以下の基(式中、nは0ま
    たは正の整数である)から選択される請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法
    : -NH(CH2)S03 、-(CH2)SO3 、-Ar(S03 )、-CH2CH(S03 )COOH、-CH(S03 )CH2COOH、-ArX(CH2)SO3 [X=O、S、NH]、-(CH2)NMe3、-Ar(NMe3 )、-Ar(CH2NMe3)、 【化2】 -ArXP(=0)(OR)2 [X=0、CH2、CHF、CF2;R=アルキル、アリール、H、Na]、
    -ArXP(=O)(OR1)(NR2R3) [X=0、CH2、CHF、CF2;R1=アルキル、アリール、H
    、Na;R2,R3=アルキル、アリール]、-Ar[P(=0)(OR)2] [R=アルキル、
    アリール、H、Na;n=1〜3]、-Ar[B(OH)2] [n=1〜3]、-Ar[COOH][n=
    1〜3]、 【化3】 【化4】 [R=アルキルまたはアリールアルキル;R1,R2,R3(これらは同一でも異なっ
    てもよい)=アルキルまたはアリールアルキル]。
  11. 【請求項11】 前記化合物が、 1)アルキルスルホン酸末端デンドリマー、 2)スルホアセトアミド末端デンドリマー、 3)スルホスクシンアミド酸末端デンドリマー、 4)N-(2-スルホエチル)スクシンアミド末端デンドリマー 5)4-スルホフェニルチオ尿素末端デンドリマー、 6)3,6-ジ-スルホナフチルチオ尿素末端デンドリマー、 7)4-スルホナフチルチオ尿素末端デンドリマー、 8)3,5-ジ-スルホフェニルチオ尿素末端デンドリマー、 9)3,6,8-トリ-スルホナフチルチオ尿素末端デンドリマー、 10)4-(スルホメチル)ベンズアミド末端デンドリマー、 11)4-スルホベンズアミド末端デンドリマー、 12)N-(4-スルホフェニル)プロパンアミド末端デンドリマー、 13)4-スルホフェニル尿素末端デンドリマー、 14)N,N,N-トリ-メチルグリシンアミド末端デンドリマー、 15)4-トリメチルアンモニウムベンズアミド末端デンドリマー、 16)4-(トリメチルアンモニウムメチル)ベンズアミド末端デンドリマー、 17)N-(2-アセトキシエチル)-N,N-(ジメチルアンモニウム)メチル-カルボキサミ
    ド末端デンドリマー、 18)グアニジノ末端デンドリマー、 19)4-([1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン]メチル)ベンズアミド末端デ
    ンドリマー、 20)4-カルボキシ-3-ヒドロキシ-ベンジルアミン末端デンドリマー、 21)4-カルボキシフェニルアミド末端デンドリマー、 22)3,5-ジカルボキシフェニルアミド末端デンドリマー、 23)4-ホスホノオキシフェニルチオ尿素末端デンドリマー、 24)4-(ホスホノメチル)フェニルチオ尿素末端デンドリマー、 25)エチル-4-(ホスホノメチル)フェニルチオ尿素末端デンドリマー、 26)(8-オクタンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-
    α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 27)(11-ウンデカンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセ
    ロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 28)(アセトアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-D-
    ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 29)(4-ブタンアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセロ-α-
    D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 30)(4-メチルベンズアミド)-5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-2-チオ-D-グリセ
    ロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 31)(8-オクタンアミド)-4-アジド-5-アセトアミド-3,4,5-トリデオキシ-2-チオ
    -D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 32)(8-オクタンアミド)-4-アミノ-5-アセトアミド-3,4,5-トリデオキシ-2-チオ
    -D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド酸末端デンドリマー、 33)4-ベンズアミドボロン酸末端デンドリマー、 34)3,5-ジカルボキシフェニルチオ尿素末端デンドリマー、 35)4-ホスホノオキシフェニルチオ尿素末端デンドリマー、 36)4-ホスホノフェニルチオ尿素末端デンドリマー、 xxxvii)4,6-ジホスホノナフチルチオ尿素末端デンドリマー、 xxxviii)フルオレセインチオ尿素末端デンドリマー、 xxxix)(フェニル-3-ボロン酸)-チオ尿素末端デンドリマー、 xl)ピリジニウムドデシルカルボキサミド末端デンドリマー、および xll)サッカリン末端デンドリマー、 からなる群より選択される請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記の処置が生物学的起源を持つ毒素および毒性ペプチド
    または細菌、原虫、真菌またはウイルス感染時に放出される毒素および毒性ペプ
    チドの抑制を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか一項に記載の陰イオン性または
    陽イオン性デンドリマーを少なくとも1つの医薬的または獣医学的に許容できる
    担体または希釈剤と共に含む、ヒトまたは非ヒト動物患者における毒性物質の予
    防的または治療的抑制用の医薬組成物または獣医用組成物。
  14. 【請求項14】 ヒトまたは非ヒト動物患者における毒性物質の予防的また
    は治療的抑制用医薬またはその医薬の製造における請求項1〜11のいずれか一
    項に記載の陰イオン性または陽イオン性デンドリマーの使用。
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