JP2002519263A - 生物薬剤学的流体製品を包含する袋を輸送するための剛性コンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、１つの下部壁及び単数又は複数の側壁（１、２、３、４）で構成された、５０リットル以上の体積を有した生物薬剤学的流体を輸送する可撓性袋のための剛性コンテナにおいて、その上部部分が袋を圧縮するために高さが調節可能である袋を保持するプレート（５）を具備する剛性コンテナに関する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、生物薬剤学的流体製品の袋を輸送するための剛性コンテナに関する
。 米国特許出願第５３５００８０号明細書は、細胞培地に使用することが可能な
袋並びにその剛性輸送コンテナを記載している。 広い意味での生物薬剤学業は、培地、細胞培養株、緩衝溶液、人工栄養液、血
液製剤又は血漿のような血液派生物のようなこの産業で使用される流体を輸送す
るために２０から２０００リットル以上の範囲の容量を有した可撓性の袋、特に
生物学的適合性のある袋を使用することが多くなってきている。

【０００２】 時として、このような袋に包含された製品は、袋が充填された場所から何千キ
ロメートルも離れたところで使用される。これらの製品は、往々にして、金銭的
な点で極めて高い価値をもち、さらには、例えば人間の使用に向けた薬剤を製造
することができることから、往々にして個人の健康の点でも極めて高い価値をも
つ。従って、これらの袋にとっては、袋に当初充填された液体で満たされた状態
でコンタミネーション（汚染）を起こすこと無くそれらの目的地に無事に到達す
ることが非常に重要となる。

【０００３】 ところが、これらの可撓性の袋は、その輸送中、加速、制動、揺れ、震動、振
動などといった数多くの応力、ひいては、特に折り目のような敏感な箇所でその
構成要素であるフィルムを劣化させる傾向をもつ剪断力を含めた数多くの力を受
ける。従って、これらの応力は、往々にして、これらの袋の脆弱化、破断又は穴
あきを引き起こす。

【０００４】 上述の液体製品及び培地を包含する目的をもつこれらの袋が、本来、例えばそ
の中味の充てん、抜取り、混合などを可能にする幾つかのアクセスポート（出入
口）と、通常はこれらのアクセスポートの一部又は全部に設置された幾つかの管
とを備えているという点も喚起しておかなければならない。これらの管は、多く
の場合、それ自体、袋が長距離にわたって輸送されるときに袋の上側部分の摩耗
に寄与し得る弁又はクランプ（絞め具）のような単数又は複数の剛性材料装置を
具備している。袋の上面に穴があくことは、例えば無菌の中味を輸送する場合、
他の部分と同様に重大なことになり得る。

【０００５】 このような理由から、かかる液体の長距離にわたる確実な輸送を可能にする５
０リットル以上の体積の生物薬剤学的液体の袋を輸送するための剛性コンテナが
利用できることが望ましい。 さらに、かかるコンテナは、ひとたびその袋が出され空になったならば、その
もとの目的地へ戻る際にコンテナが占有する体積を低減させるべく、袋の輸送中
にコンテナが占める体積よりも小さい体積を有していなければならない。同様に
、コンテナは、効力との間で妥協することなく、作製が簡単で安価でなくてはな
らない。

【０００６】 このような理由から、本出願の目的は、１つの下部壁と単数又は複数の側壁と
から構成された、５０リットル以上の体積の生物薬剤学的流体を輸送するための
可撓性袋のための剛性コンテナであって、その上部部分が前記袋を圧縮するため
に高さを調節可能な袋保持プレートを備えていることを特徴とする剛性コンテナ
にある。

【０００７】 ここで、保持プレートが２つの機能を果たすという点に留意されたい。すなわ
ち、一方ではこの保持プレートは、圧力によりしっかりと、コンテナ内に配置さ
れた袋を維持し、他方では、袋のに設けられたポートに設置された管や弁のよう
な接続要素の摩擦に起因する摩耗から袋の上部を保護する。 保持プレートは、多少の差こそあれ前記袋を強く圧迫するように調節可能とな
っている。本発明の実施の好ましい条件下では、この調節は連続的に実施される
。

【０００８】 この連続的調節は、例えば、膨張可能な袋やコンテナの上部部分に配置された
カバー又は縦貫材に支持される機械式又は油圧式ジャッキを利用する空気圧シス
テムを用いてなされることができるが、非常に好ましい実施条件下では、この調
節はネジジャッキ装置によってなされる。これらジャッキの数は、１つ以上であ
り、好ましくは３つ又は４つである。

【０００９】 上述の調節装置は、有利には、コンテナの下部壁に対し好ましくは平行に設置
されている着脱可能な縦貫材に支持される。これらの縦貫材を設置する単純且つ
効果的な手段は、コンテナの上部部分、例えば平行六面体形状のコンテナの対向
する２つの側壁に、前記縦貫材の端部が挿入されることを可能にする通過スリッ
トを形成することからなる。異なる体積の袋のために同じコンテナを使用できる
ようにするべく、異なる水準（高さ）にこのようなスリットが設けられることが
可能である。このとき、保持の微調節は、調節装置、特に上述のジャッキのよう
な連続的な調節装置によってなされる。コンテナの形状はさまざまであってよく
、特に筒形状にすることもできる。このような場合には、縦貫材は、有利には、
直径と平行に設置される。縦貫材の数は例えば２つ又は３つである。本発明によ
る好ましいコンテナは、概略平行六面体の形状を有する。

【００１０】 輸送されるべき袋が袋の上部に設けられたポート及び接続具が具備される可能
性があるかぎりにおいて、本発明の好ましい実施条件下では、保持プレートには
、袋の上部に設置された単数又は複数のポートのための通過用オリフィスが具備
される。単数又は複数の通過用オリフィスの数は、袋の上部に設置されたポート
装置に対応するものである。かくして、保持プレートは、ポートそして場合によ
っては管の通過を可能にし、これによってこれらのものが袋に直接接触すること
を予防し、摩耗及びその結果による破断の危険性を全面的に減少させている。

【００１１】 本発明の他の好ましい実施条件においては、上述の単数又は複数の保持用オリ
フィスには、袋の上部に設置されたポートを係止するための調節可能なギロチン
形要素が具備されている。この調節可能なギロチン形要素は、袋の寸法及び場所
に合わせて調整することができ、ひとたび装置が所定の位置に配置されたならば
、滑動用滑動経路に対するギロチン形要素の単数又は複数の滑動部分をネジ込ん
だ後で係止される保持プレートに対して垂直に設置されたネジのような単純な手
段によって、係止されることができる。

【００１２】 保持プレートは、好ましくは、その表面を概略平坦なコンテナの内部に向けら
れており、剛性コンテナの側壁により限定された内部表面の表面積の８０％以上
、好ましくはこの表面積の９０％以上、特に９５％以上、さらに特別には９８％
以上の表面積を有している。かくして、保持プレートの縁部のあそびは、剛性コ
ンテナの側面との関係において非常に制限されている。

【００１３】 非常に好ましい実施条件においては、保持プレートは、概略、コンテナの対応
する内部寸法に合わせて調整された状態になっている。 コンテナの内部に向けられた保持プレートの隆起部は、好ましくは、その輸送
中に袋を損傷させる危険性を回避するために丸くされている。 本発明の他の好ましい実施条件においては、コンテナは、詳細には低い高さの
平行六面体形状となるように、折畳み又は分解されることができる。折畳みされ
得る場合には、好ましくは、平行六面体のコンテナを実現し、好ましくはより小
さい表面積を有した、対向する２つの側面が取り外し可能となっており、一方、
好ましくはより大きい表面積を有する、他の２つの側壁は下部壁と結合した状態
を維持して、互いの上に折畳み可能となっている。

【００１４】 他の好ましい実施条件においては、上述のコンテナが分解可能であり、例えば
、３つの別々な側面と、接合した状態に維持された１つの側面を有した基部とを
得ることができる、又は、４つの別々な側面と基部とを得ることができる。 本発明のさらに別の好ましい実施条件においては、コンテナの底面は平坦では
なく、排出の終期に袋の底面に向かって液体が流れることを容易にするために上
方に向かって僅かに広がっている。

【００１５】 同様に本発明の他の好ましい実施条件においては、コンテナの底面には、好ま
しくはその中央付近に、コンテナに対する袋の正しい位置調整を少なくとも可能
にする１つのオリフィスが具備されている。このため、筒状ではない袋の場合、
このオリフィスは、好ましくは、楕円形、三角形、方形、六角形など丸形以外の
任意の形状を有し、袋の底面と相補的な形状を有し且つ袋の底面に対応した位置
設定を有した突出部と協働することによって、充填に先立ってこの袋を正確に位
置調整し同時にコンテナの底面に対する係留点を構成することを可能にし、輸送
の質を改善させる。このオリフィスはさらに、例えば袋の突出部が、例えば排出
用の、栓の台座で構成されている場合、流体の循環のために利用することができ
る。

【００１６】 すでに示したように、本発明のコンテナは、プラスチック材料から作製された
可撓性の袋と共に使用される。 このため、本発明は同様に、好適にはひとたび袋が満たされると概略直方体の
形状を呈する蛇腹式袋である、５０リットル以上の生物薬剤学的液体を輸送する
ための袋を備えた上述のコンテナを目的としている。

【００１７】 本発明の他の好ましい条件においては、上述の袋は有利には多層単一フィルム
袋である。 この多層単一フィルム袋は、好ましくは３層、特に４層、そして特に好ましく
は、ＰＥＴ（ポリエステル）／ポリアミド／ＥｖＯＨ（エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体）／ＰＥ（ポリエチレン）タイプである。

【００１８】 以下、本発明が添付の図面を参照してより詳細に説明される。 図１では、本発明に従った直方体の形をした剛性コンテナの側壁１、２、３、
４が識別できる。これらの側壁１、２、３、４の間には、側壁１、２、３、４の
間で利用可能な表面の９８％以上にわたって設置された保持プレート５が設置さ
れている。２つの縦貫材６、７が、互いに平行に、且つコンテナの底部及び上部
部分に対して平行に、且つ側壁２及び４に対して平行に、設置されている。これ
らの縦貫材６、７の端部は、コンテナの正反対側に位置するより大きな側壁１、
３の中に設けられたスリットの中に挿入されている。これらの縦貫材６、７は、
各々、前述の縦貫材６、７に対して直角に交わる形で、垂直に設置された保持ネ
ジ８を締めつけることを可能にする２つのネジ山を含んでいる。この保持ネジ８
には、その締めつけを容易にするために一方の端部にハンドルが具備されている
。その他方の端部は保持プレート５上に支持されている。このハンドルはネジの
軸線の各々の側に延びるアーム９を含み、同アーム９はそれと直角を成して滑動
するクランクピン１０を備え、このクランクピン１０はネジを締めつけるとき及
び弛めるときには概略アームの上方に位置し、輸送の際にはここで図示されるよ
うに概略アームの下方に位置するようになっている。クランクピン１０は、輸送
の際に縦貫材７に当接するに十分な長さをもつものである。このような条件下で
は、クランクピンのアームの回転変位が必ず１８０°未満となるため、偶発的な
ネジのゆるみは全く不可能となる。この図には、唯一のクランクピンのみが表わ
されている。これに対し、４つのクランクピンの回転円を図示した。

【００１９】 この図１には同様に、２つの部分１２、１３からなるギロチン形要素１２、１
３を用いることによって効果的に係止された４つのポートの台座１１も見られる
。ギロチン形要素の２つ部分１２、１３は、ポートが退出することを許容するプ
レートに設けられた窓部よりも広い表面積を有する。これらの部分は案内がなさ
れておらず、単に袋と保持プレート５との間に設置されており、こうしてここで
例示された実施形態上では保持プレート５に対し平行にギロチン形要素の２つの
部分１２、１３が自由に移動できることになる。かかるシステムは、この水準で
の揺動の可能性を最大限に制限することによってポートの効果的な係止、固定を
可能にする。ギロチン形要素の２つの部分１２、１３は、より詳細には、袋を保
護する発泡材プレートと保持プレート５の間に設置される。

【００２０】 ポートに設置された管及びその付属物は、ここでは図示されていない。ただし
、管及びその付属物は、いかなる場合でも、保持プレート５によって完全に保護
された袋の上部部分をこすることはあり得ない。 図２には、図１の調節装置の実施形態の詳細を例示した。Ｏリング１４によっ
て保持された滑動するクランクピン１０が中に配置されているハンドルのアーム
９をその上端部に備えた調節ネジ８が識別できる。調節ネジ８の他方の端部は、
保持プレート５の上部に設けられた凹所１５の中に支えられる。保持プレート５
の下部には、袋をより良く保護するために発泡材プレート１６が具備されている
。コンテナの側壁１、３内にはスリット１７が設けられ、そこに縦貫材６、７の
端部を挿入するようになっている。コンテナには同様に、ふた１８も具備されて
いる。

【００２１】 図３では、ハンドルが取っ手に置換されたことがわかる。偶発的なネジの緩み
は、変形可能な座金を利用することによって防止される。さらに、厚さ約１５mm
の発泡材プレート１６及び、縦貫材６、７の端部を動かしてスリット１７にそれ
らを挿入するレバー１８も見られる。 図２を参照すると、所定の場所に配置された袋を効果的に係止するために、以
下のように作業を行なうことができる。

【００２２】 ネジ８が上昇位置にある状態で、コンテナの側壁１、３内に設けられたスリッ
ト１７にその端部を挿入することにより縦貫材６、７を設置する。この例示とは
反対に、高い位置に設置されたクランクピン１０を用いて、このときに、保持プ
レート５の凹所１５の底部と接触するように各々のネジジャッキ８を締めつけ、
保持プレート５で袋に圧力を作用させる。次に、ギロチン形要素の２つの部分１
２、１３がそれらをポートを係止する位置に滑動させることによって調節される
。このとき、最終的圧力が樹立され、所望される通りに平衡化させられる。この
調節が終わると、クランクピン１０が図２に示されている位置まで再び下げられ
、かくして、ネジジャッキ８の偶発的な緩みを防止するようにする。図３に表わ
された変化形態では、偶発的な緩みに対する保護を確保するには、変形可能な座
金を利用することで充分である。縦貫材上に取っ手が係止されるまで、徹底的に
ネジ締めを行なう。図２には、コンテナの側壁１内に一つのスリット１７しか表
わされていない。しかしながら、異なる高さの袋に対して本発明に従った装置を
利用できるようにするために、可能性があるあらゆる寸法に適合するよう重なり
合った所定数のスリットを設けることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ２つの縦貫材により支持されており且つ上部に並んで設置された４つのアクセ
スポートを備えた袋上の保持プレートの圧力を連続的に調節するための装置を有
した、本発明による剛性コンテナの平面図である。

【図２】 図１のＡＡ′に沿った部分的な破断図を表わす。

【図３】 ネジを作動させるためのシステムの一変化形態を伴った、図１の斜視図を表わ
す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，Ｚ Ａ，ＺＷ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １つの下部壁及び単数又は複数の側壁（１、2 、３、４）で
   構成された、５０リットル以上の体積の生物薬剤学的流体を輸送するための可撓
   性袋のための剛性コンテナであって、該剛性コンテナの上部部分に、コンテナの
   内部の方に向いた表面が実質的に平坦である袋保持プレート（５）が具備されて
   いることと、前記保持プレート（５）が前記袋を圧縮するために高さを調節可能
   であることと、前記剛性コンテナが折畳み可能且つ分解可能であることとを特徴
   とするコンテナ。
2. 【請求項２】 前記袋圧縮調節装置がネジジャッキ装置（８）を含むことを
   特徴とする、請求項１に記載のコンテナ。
3. 【請求項３】 前記袋圧縮調節装置が、着脱可能な縦貫材（６、７）に支持
   されていることを特徴とする、請求項１及び請求項２のいずれか１項に記載のコ
   ンテナ。
4. 【請求項４】 前記保持プレート（５）には、前記袋の上部に設置された単
   数又は複数のポート（１１）のための単数又は複数の通過用オリフィスが具備さ
   れていることを特徴とする、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の
   コンテナ。
5. 【請求項５】 前記袋保持プレート（５）は、前記袋を圧縮するために連続
   的に調節可能であることを特徴とする、請求項１から請求項４までのいずれか１
   項に記載のコンテナ。
6. 【請求項６】 単数又は複数の通過用オリフィスには、前記袋の上部に設置
   された前記ポート（１１）を係止するための調節可能なギロチン形要素（１２、
   １３）が具備されていることを特徴とする、請求項４及び請求項５のいずれか１
   項に記載のコンテナ。
7. 【請求項７】 前記保持プレート（５）の表面が前記剛性コンテナの前記側
   壁（１、２、３、４）によって限定されている内部表面の面積の９０％以上であ
   ることを特徴とする、請求項１から請求項６までのいずれか１項に記載のコンテ
   ナ。
8. 【請求項８】 前記コンテナの底面には、前記袋の底面と相補的な形状を有
   し且つ該袋の底面と対応する位置設定を有する突出部と協働することによって前
   記コンテナに対する前記袋の優れた位置調整を可能にする少なくとも１つのオリ
   フィスが具備されていることを特徴とする、請求項１から請求項７のいずれか１
   項に記載のコンテナ。
9. 【請求項９】 ひとたび満たされると概略直方体の形状を呈する蛇腹式袋で
   ある、５０リットル以上の生物薬剤学的液体を輸送するための袋が具備されてい
   る、請求項１から請求項８のいずれか１項に記載のコンテナ。
10. 【請求項１０】 前記袋が、多層単一フィルム袋であることを特徴とする、
    請求項１から請求項９のいずれか１項に記載のコンテナ。