JP2002508657A - 2つのヒトgタンパク質共役型レセプター:ebv誘導性gpcr2(ebi−2)およびedg−1様gpcr - Google Patents

2つのヒトgタンパク質共役型レセプター:ebv誘導性gpcr2(ebi−2)およびedg−1様gpcr

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Abstract

(57)【要約】 2つのヒトGタンパク質共役型レセプターポリペプチド、およびこのようなポリペプチドの各々をコードするDNA(RNA)、およびこのようなポリペプチドを組換え技術によって産生するための手順が開示される。このようなポリペプチドに対するアンタゴニストおよびアゴニストを同定するためにこのようなポリペプチドを利用するための方法がまた開示される。Gタンパク質共役型レセプターの各々の核酸配列における変異を検出するための診断方法がまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 2つのヒトGタンパク質共役型レセプター:EBV誘導性 GPCR2(EBI-2)およびEDG−1様GPCR 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチド によりコードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチドおよびポリペプ チドの使用、ならびにこのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に 関する。より詳細には、本発明のポリペプチドは、ヒトEBV誘導性Gタンパク 質共役型レセプター(EBI-2)およびヒトEDG−1様Gタンパク質共役型 レセプターであり、時折、本明細書において単独で「GBR」または「GPCR 」と、そして集合的に「GBRs」という。本発明はまた、このようなポリペプ チドの作用を阻害することに関する。 少なくとも9つの遺伝子が、同定され、それらは明らかにエプスタイン-バー ウイルス(EBV)感染に応答して、活性化される。そのようなEBV感染の研 究においてまた同定された2つの新規遺伝子のうち1つは、新規のGPCR様cD NA分子であり、EBV誘導性Gタンパク質共役型レセプター(EBI)-1と命 名される。 さらに、PMA刺激したヒト内皮細胞より得られた内皮分化遺伝子(EDG) は、以前に同定された。EDG−1のラットおよびヒツジのホモログは、同定さ れており、これらはまた、Gタンパク質共役型レセプターである。 多数の医学的に重要な生物学的プロセスが、Gタンパク質および/またはセカ ンドメッセンジャー(例えば、cAMP)を含むシグナル伝達経路に関与するタンパ ク質により媒介されることは、十分に確立されている(Lefkowltz,Nature,351 :353-354(1991))。本明細書中では、これらのタンパク質を、Gタンパク質を用 いた経路に関与するタンパク質またはPPGタンパク質という。これらのタンパク 質のいくつかの例としては、GPCレセプター(例えば、アドレナリン作用性薬剤 およびドーパミンに対するGPCレセプター(Kobllka,B.K.ら,PNAS,84:46-50(1 987);Kobilka,B.K.ら,Science,238:650-656(1987);Bunzow,J.R.ら,N ature,336:783-787(1988)))、Gタンパク質それ自体、エフェクタータンパク 質(例えば、ホスホリパーゼC、アデニルシクラーゼ、およびホスホジエステラ ーゼ)、ならびにアクチュエータータンパク質(actuator protein)(例えば、 プロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼC)(Simon,M.I.ら,Science ,252:802-8(1991))が挙げられる。 例えば、シグナル伝達の1つの形態では、ホルモン結合の効果は、細胞内にお ける酵素アデニル酸シクラーゼの活性化である。ホルモンによる酵素の活性化は 、ヌクレオチドGTPの存在に依存し、そしてGTPはまた、ホルモン結合に影響を与 える。Gタンパク質は、ホルモンレセプターをアデニル酸シクラーゼに連結させ る。Gタンパク質は、ホルモンレセプターにより活性化されると、GTPを結合型G DPと交換することが示された。次いで、GTPを有する形態は、活性化されたアデ ニル酸シクラーゼに結合する。GTPのGDPへの加水分解は、Gタンパク質それ自体 により触媒され、Gタンパク質をその基底の不活性な形態に戻す。従って、Gタ ンパク質は、シグナルをレセプターからエフェクターに中継する中間物として、 およびシグナルの持続時間を制御する時計としての2つの役割を果たす。 Gタンパク質共役型レセプターの膜タンパク質遺伝子スーパーファミリーは、 7つの推定上の膜貫通ドメインを有するものとして特徴づけられている。これら のドメインは、細胞外または細胞質ループにより結合された膜貫通αヘリックス を表すと考えられている。機能するGタンパク質は三量体であり、非常により密 接に結合した定常的なβおよびγサブユニットに結合した可変的なαサブユニッ トよりなる。広範なリガンド(20を越える)が、GPCRを介して機能すると して同定された。一般的に、適切なリガンドのGPCRへの結合は、レセプター の活性化をもたらす。Gタンパク質共役型レセプターは、ホルモン、ウイルス、 増殖因子および神経レセプターのような広範囲の生物学的に活性なレセプターを 含む。そのような活性化されたレセプターは、Gタンパク質の調節サイクルを開 始する。このサイクルは、GTPのGDPとの交換、αおよびβ/γサブユニッ トの解離、GTPとGタンパク質αサブユニットとの複合体によるセカンドメッ センジャー経路の活性化、ならびにGタンパク質αサブユニットの固有のGTP アーゼ活性を介するGTP加水分解による静止状態への復帰、よりなる。 Gタンパク質共役型レセプターは、少なくとも8つの分岐した親水性ループを 結合する、約20〜30アミノ酸のこれらの7つの保存された疎水性の範囲を含むも のとして特徴づけられている。共役型レセプターのGタンパク質ファミリーの例 として、ドーパミンレセプターが挙げられる。これらは、精神病的および神経学 的障害を処置するために使用される神経弛緩性薬物に結合する。このファミリー のメンバーの他の例としては、カルシトニン、アドレナリン作用性、エンドセリ ン、cAMP、アデノシン、ムスカリン様、アセチルコリン、セロトニン、ヒスタミ ン、トロンビン、キニン、卵胞刺激ホルモン、オプシンおよびロドプシン、臭気 物質、サイトメガロウイルスレセプターなどが挙げられる。 大部分のGPRは、機能的なタンパク質構造を安定化させると考えられているジ スルフィド結合を形成する最初の2つの細胞外ループの各々において単一の保存 されたシステイン残基を有する。7つの膜貫通領域は、TM1、TM2、TM3、TM4、TM 5、TM6、およびTM7と命名されている。TM3はまたシグナル伝達に関連付けられて いる。 システイン残基のリン酸化および脂質化(パルミチル化またはファルネシル化) は、いくつかのGPRのシグナル伝達に影響を与え得る。大部分のGPRは、第3の細 胞質ループおよび/またはカルボキシ末端内に潜在的なリン酸化部位を含有する 。いくつかのGPR(例えば、β-アドレノレセプター)について、プロテインキナ ーゼAおよび/または特異的なレセプターキナーゼによるリン酸化は、レセプタ ー脱感作を媒介する。 GPRのリガンド結合部位は、いくつかのGPR膜貫通ドメインにより形成される親 水性受口(socket)を含有すると考えられており、この受口はGPRの疎水性残基に より囲まれている。各GPR膜貫通ヘリックスの親水性側は内側に向いており、そ して極性リガンド結合部位を形成すると仮定されている。TM3は、リガンド結合 部位(例えば、TM3のアスパラギン酸残基を含む)を有するとして、いくつかのG PRにおいて関連付けられている。さらに、TM5のセリン、TM6のアスパラギン、お よびTM6のまたはTM7のフェニルアラニンまたはチロシンはまた、リガンド結合に 関連付けられている。 GPRは、ヘテロ三量体のGタンパク質により種々の細胞内の酵素、イオンチャ ンネルおよびトランスポーターに細胞内で共役され得る(Johnsonら、Endoc.,Re v.,10:317-331(1989)を参照のこと)。異なるGタンパク質のαサブユニットは 、細胞内で種々の生物学的機能を調節するための特定のエフェクターを優先的に 刺激する。GPRの細胞質残基のリン酸化は、いくつかのGPRのGタンパク質共役の 調節のための重要な機構として同定されている。 Gタンパク質共役型レセプターは、哺乳動物宿主内の多数の部位において見出 されている。例えば、ドーパミンは中枢神経系における重要な神経伝達物質であ り、そしてGタンパク質共役型レセプターのリガンドである。 本発明の1つの局面によれば、新規のポリペプチド、ならびにそれらのアンチ センスアナログ、および生物学的に活性で、かつ診断または治療に有用なフラグ メントおよび誘導体が提供される。本発明のポリペプチドはヒト起源である。 本発明の別の局面によれば、単離された核酸分子が提供され、この核酸分子は 、mRNA、DNA、cDNA、ゲノムDNA、ならびにそれらのアンチセンスアナログ、およ び生物学的に活性で、かつ診断または治療に有用なそれらのフラグメントを含む 。 本発明のさらなる局面によれば、本発明のレセプターポリペプチドをコードす る核酸配列を含む組換え原核生物宿主細胞および/または組換え真核生物宿主細 胞を、前記ポリペプチドの発現およびその後の前記タンパク質の回収を促進する 条件下で、培養する工程を包含する組換え技術によってこのようなポリペプチド を産生するためのプロセスが提供される。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチドに対する抗体が 提供される。 本発明の別の実施態様によれば、本発明による1つ以上のレセプターを使用し 、レセプターアンタゴニストおよび/またはアゴニストおよび/またはレセプタ ーリガンドをスクリーニングするプロセスが提供される。 本発明のなお別の実施態様によれば、そのようなアゴニストを使用して、本発 明のポリペプチドの過小発現に関連する状態を処置するために本発明のポリペプ チドを活性化するプロセスが提供される。 本発明の別の局面によれば、本発明のポリペプチドの過剰発現に関連する状態 の処置のために本発明のポリペプチドを阻害するためにそのようなアンタゴニス トを使用するプロセスが提供される。 本発明のさらに別の局面によれば、非天然に存在する合成の、単離されたおよ び/または組換えポリペプチドが提供され、これは、フラグメント、コンセンサ スフラグメントおよび/または少なくとも1つの膜貫通ドメインに保存的アミノ 酸置換を有する配列であり、その結果、本発明ポリペプチドは、リガンドに結合 し得るか、あるいは本発明のポリペプチドへのリガンド結合を定性的または定量 的に調節し得る。 本発明のさらに別の局面によれば、合成のまたは組換えポリペプチド、その保 全的置換の誘導体、抗体、抗イディオタイプ抗体、組成物ならびに方法が提供さ れる。これらは、リガンドへの結合またはリガンド結合の調節(これは、診断、 治療および/または研究への適用において有用であり得る、その予想される生物 学的特質に起因する)による、Gタンパク質共役型レセプター機能の潜在的なモ ジュレーターとして有用であり得る。 本発明の別の目的によれば、レセプターのタイプおよびサブタイプとしての種 々のGPRまたはそのフラグメントを阻害または模倣するように設計される、合 成の、単離された、または組換えポリペプチドが提供される。 本発明のさらに別の目的によれば、本発明のポリペプチドをコードする核酸配 列における変異に関連した疾患または疾患への感受性を検出する診断アッセイを 提供する。 本発明のこれらおよび他の局面は、本明細書の教示より当業者にとって明らか であろう。 以下の図面は、本発明の実施態様を説明するが、請求の範囲によって包含され る本発明の範囲を限定する意図ではない。 図1は、本発明のEBV誘導性Gタンパク質共役型レセプターのcDNA配列(配 列番号1)、および対応する推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。ポリヌク レオチド配列は、2249ヌクレオチド配列を含み、これは、342アミノ酸ORFを コードする。図1において、推定アミノ酸配列を説明するために、アミノ酸の標 準1文字略語を使用する。配列決定を、373自動DNAシーケンサー(Applied Biosy stems,Inc.)を用いて行った。配列決定の正確性は、97%を超える正確性であ ると予想される。 図2は、EBV誘導性(EBI−2)Gタンパク質共役型レセプター(上の配 列、配列番号2を参照のこと)およびヒトEBI−1Gタンパク質共役型レセプ ター(下の配列、配列番号17を参照のこと)の間のアミノ酸配列の比較である 。図示するアミノ酸配列のアミノ酸残基を示すために、標準1文字略語を使用す る。本発明によるEBI−2ポリペプチドは、約350アミノ酸ストレッチにわ たり、EBI−1遺伝子のアミノ酸配列に対し、約25%同一性および約49% 類似性を示す。 図3は、本発明のEDG-1様Gタンパク質共役型レセプターのcDNA配列(配 列番号3)、および対応する推定アミノ酸配列(配列番号4)を示す。ポリヌク レオチド配列は、1637ヌクレオチド配列を含み、これは、260アミノ酸ORFを コードする。図3において、推定アミノ酸配列を説明するために、アミノ酸の標 準1文字略語を使用する。配列決定を、373自動DNAシーケンサー(Applied Biosy stems,Inc.)を用いて行った。配列決定の正確性は、97%を超える正確性であ ると予想される。 図4は、EDG-1様Gタンパク質共役型レセプター(上の配列、配列番号4 を参照のこと)およびヒトEDG−1オーファンGタンパク質共役型レセプター (下の配列、配列番号18を参照のこと)の間のアミノ酸配列の比較である。図 示するアミノ酸配列のアミノ酸残基を示すために、標準1文字略語を使用する。 本発明によるEDG-1様ポリペプチドは、2つの領域の約120アミノ酸にわ たり、ヒトEDG−1オーファンGタンパク質共役型レセプター遺伝子のアミノ 酸配列に対し、約54%同一性および約73%類似性を示す。 本発明の1つの局面によれば、図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有す る成熟ポリペプチド、または1997年4月28日にATCC受託番号第209003号として寄 託されたクローンのcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードする単離 された核酸(ポリヌクレオチド)が提供される。 本発明のEBI-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、臍静脈内皮細 胞、好中球白血球、および脳梁(corpus colosum)細胞由来のcDNAライブラリー に見出され得る。本発明のポリヌクレオチドは、臍静脈内皮細胞由来のcDNAライ ブラリーにおいて発見された。上記のように、これは構造的にGタンパク質共役 型レセプターファミリーに関連する。これは、343アミノ酸残基のタンパク質を コードするオープンリーディングフレームを含む。 本発明の1つの局面によれば、図3(配列番号4)の推定アミノ酸配列を有す る成熟ポリペプチド、または1997年4月28日にATCC受託番号第209004号として寄 託されたクローンのcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードする単離 された核酸(ポリヌクレオチド)が提供される。 本発明のEDG-1様Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドをコードするポ リヌクレオチドは、活性化好中球cDNAライブラリー、シクロヘキシルアミン(cy clohexamine)処理Raji細胞、RSR;11骨髄細胞株、活性化T細胞、扁桃、およびC D34陽性臍帯血細胞に見出され得る。ノーザンブロット分析は、EDG-1様レセプタ ー遺伝子が主に白血球で発現されるが、発現はまた、胎盤、脾臓、胸腺、肺、お よび膵臓の組織において観察され得ることを示す。本発明のポリヌクレオチドは 、活性化好中球由来のcDNAライブラリーにおいて発見された。上記のように、こ れは構造的にGタンパク質共役型レセプターファミリーに関連する。これは、26 1アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む 。 上記のように、現在請求される発明のようなGPCR分子に起因し得る多くの重要 性は、それらが関与する生物学的機能の多様性に存在する。例えば、αサブユニ ットからの放出の際に、β/γサブユニットはまた、ホスホリパーゼA2の活性 化を介するアラキドン酸シグナル伝達経路を活性化することによりシグナル伝達 の調節において機能的役割を果たし得ると考えられる。さらに、GPCR分子および それらの関連するGタンパク質は、cGMPホスホジエステラーゼに対する可視的色 素のカップリング、ホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転、アデニリルシ クラーゼシグナルチャンネル、および輸送体タンパク質に対する他の内在性膜酵 素に関連付けられている。結果として、新規なGPCR分子が、調査および開発を含 む広範な種々の薬学的適用において有用であると判明し得ることが明らかである 。例えば、低分子および他のこのような薬理学的に有用な因子についての標的に 基づくスクリーニングは、所定のGPCRを活性化することに基づき得る。短いペプ チド(レセプタ模倣物(receptomimetic)と呼ばれる)が、GPCRを模倣すること に より機能し得ることもまた観察されている。さらに、このような因子に対して惹 起されたモノクローナル抗体は、多くの能力において治療物として有用であると 判明し得る。このような因子の潜在的な治療および/または診断適用は、心臓病 、精神病、ガン、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、アルツハイマー病、パーキ ンソン病および多数の他のもののような多様な臨床提示を含み得る。 従って、本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形態またはDNA(このDNAは、cDN A、ゲノムDNA、および合成DNAを含む)の形態であり得る。DNAは二本鎖または一 本鎖であり得、そして一本鎖の場合には、コード鎖または非コード(アンチセン ス)鎖であり得る。成熟EBI-2ポリペプチドをコードするコード配列は、図1( 配列番号1)に示すコード配列または寄託したクローンのコード配列と同一であ り得るか、あるいはそのコード配列が、遺伝コードの重複または縮重の結果とし て、図1(配列番号1)のDNAまたは寄託したcDNAと同じ成熟ポリペプチドをコ ードする異なるコード配列であり得る。同様に、成熟EDG-1様Gタンパク質共役 型レセプターポリペプチドをコードするコード配列は、図3(配列番号3)に示 すコード配列または寄託したクローンのコード配列と同一であり得るか、あるい はそのコード配列が、遺伝コードの重複または縮重の結果として、図3(配列番 号3)のDNAまたは寄託したcDNAと同じ成熟ポリペプチドをコードする異なるコ ード配列であり得る。 (a)図1(配列番号2)の成熟EBI-2ポリペプチドもしくは寄託したcDNAにより コードされる成熟EBI-2ポリペプチド、または(b)図3(配列番号4)の成熟EDG- 1様Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドもしくは寄託したcDNAによりコ ードされる成熟EDG-1様Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドのいずれか をコードするポリヌクレオチドは、以下を含み得る:成熟ポリペプチドのコード 配列のみ;成熟ポリペプチドのコード配列およびリーダー配列もしくは分泌配列 またはプロタンパク質配列のようなさらなるコード配列;成熟ポリペプチドのコ ード配列(および必要に応じてさらなるコード配列)ならびに非コード配列(例 えば、イントロンまたは成熟ポリペプチドのコード配列の5'側および/もしくは3 '側の非コード配列)。 従って、用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペプチ ドのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列およ び/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを含む。 本発明はさらに、(a)図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有するポリペ プチドもしくは寄託したクローンのcDNAによりコードされるポリペプチド、また は(b)図3(配列番号4)の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは寄 託したクローンのcDNAによりコードされるポリペプチドの、フラグメント、アナ ログ、および誘導体をコードする本明細書中上記のポリヌクレオチドの改変体に 関する。これらの2つのポリヌクレオチドのいずれかの改変体は、そのポリヌク レオチドの天然に存在する対立遺伝子改変体またはそのポリヌクレオチドの天然 に存在しない改変体であり得る。 従って、本発明は、図1(配列番号2)に示すものと同じ成熟ポリペプチド、 または寄託したクローンのcDNAによりコードされるものと同じ成熟ポリペプチド をコードするポリヌクレオチド、ならびにこのようなポリヌクレオチドの改変体 を含む。この改変体は、図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託したクロ ーンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘導体、またはア ナログをコードする。このようなヌクレオチド改変体は、欠失改変体、置換改変 体、および付加または挿入改変体を含む。 同様に、本発明は、図3(配列番号4)に示すものと同じ成熟ポリペプチド、 または寄託したクローンのcDNAによりコードされるものと同じ成熟ポリペプチド をコードするポリヌクレオチド、ならびにこのようなポリヌクレオチドの改変体 を含む。この改変体は、図3(配列番号4)のポリペプチドまたは寄託したクロ ーンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘導体、またはア ナログをコードする。このようなヌクレオチド改変体は、欠失改変体、置換改変 体、および付加または挿入改変体を含む。 本明細書中上記で示したように、ポリヌクレオチドは、図1(配列番号1)に 示すコード配列または寄託したクローンのコード配列の天然に存在する対立遺伝 子改変体であるコード配列を有し得る。また、本明細書中上記で示したように、 ポリヌクレオチドは、図3(配列番号3)に示すコード配列または寄託したクロ ーンのコード配列の天然に存在する対立遺伝子改変体であるコード配列を有し得 る。当該分野で公知なように、対立遺伝予改変体は、コードされるポリペプチド の機能を実質的に変化させない、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付 加を有し得るポリヌクレオチド配列の別の形態である。 本発明はまた、ポリヌクレオチドを含み、ここで成熟ポリペプチドについての コード配列は、同じリーディングフレーム内で、宿主細胞からのポリペプチドの 発現および分泌を補助するポリヌクレオチド配列(例えば、細胞からのポリペプ チドの輸送を制御する分泌配列として機能するリーダー配列)に融合され得る。 リーダー配列を有するポリペプチドは、プレタンパク質であり、そして宿主細胞 により切断されてポリペプチドの成熟形態を形成するリーダー配列を有し得る。 ポリヌクレオチドはまた、成熟タンパク質およびさらなる5'アミノ酸残基である プロタンパク質をコードし得る。プロ配列を有する成熟タンパク質はプロタンパ ク質であり、そしてタンパク質の不活性形態である。一旦プロ配列が切断される と、活性な成熟タンパク質が残存する。従って、例えば、本発明のポリヌクレオ チドは、成熟タンパク質、またはプロ配列を有するタンパク質、またはプロ配列 およびプレ配列(リーダー配列)の両方を有するタンパク質をコードし得る。 本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製を可能にする マーカー配列にインフレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー配列 は、細菌宿主の場合には、マーカーに融合された成熟ポリペプチドの精製を提供 する、pQE-9ベクターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであり得る。ある いは、例えばマーカー配列は、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞)が使用され る場合は、赤血球凝集素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフルエンザ赤血 球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する(Wilson,I.ら、Cell,37 :767(1984))。 用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖を産生することに関与するDNAのセグメン トを意味し;これは、コード領域の前および後(リーダーおよびトレイラー(tra iler))の領域ならびに個々のコードセグメント(エキソン)の間の介在配列( イントロン)を含む。 本発明の全長遺伝子のフラグメントは、全長DNAを単離するため、およびこの 遺伝子に対する高い配列類似性または類似した生物学的活性を有する他のDNAを 単離するために、cDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーのハイブリダイゼ ーションプローブとして使用され得る。このタイプのプローブは、好ましくは、 少なくとも10、好ましくは少なくとも15、そしてさらにより好ましくは少なくと も30塩基を有し、そして例えば、少なくとも50塩基以上を含み得る。実際、少な くとも150塩基以上までを有するこのタイプのプローブが好ましくは利用され得 る。プローブはまた、全長の転写物に対応するDNAクローンならびにゲノムクロ ーン、または調節およびプロモーター領域、エキソン、ならびにイントロンを含 む完全な遺伝子を含有するクローンを同定するために使用され得る。スクリーニ ングの例は、既知のDNA配列を使用し、オリゴヌクレオチドプローブを合成する ことにより、遺伝子のコード領域を単離することを含む。本発明の遺伝子の配列 または遺伝子配列の一部に相補的または同一の配列を有する標識されたオリゴヌ クレオチドは、ゲノムDNAのライブラリーをスクリーニングして、ライブラリー のどのメンバーにプローブがハイブリダイズするかを決定するために使用される 。 このようなプローブが、プローブの同定を容易にするために、分析的に検出可 能な試薬で標識され得、そしてこのような試薬で標識されることが好ましいこと もまた認識される。有用な試薬は、放射能、蛍光染料、または検出可能な産物の 形成を触媒し得る酵素を含むがこれらに限定されない。従って、プローブは、他 の供給源からDNAの相補的なコピーを単離するため、またはこのような供給源を 関連する配列についてスクリーニングするために有用である。 本発明はさらに、配列間に少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、およ びより好ましくは95%の同一性が存在する場合、本明細書中上記の配列にハイブ リダイズするポリヌクレオチドに関する(上記のように、70%同一性は、このよ うな定義内に、例えば、100bpのポリヌクレオチドから採取した70bpのフラ グメントを含む)。本発明は特に、本明細書中上記のポリヌクレオチドにストリ ンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書 中で用いられる用語「ストリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーションが 、配列間に少なくとも95%、そして好ましくは少なくとも97%の同一性が存在す る場合のみに生じることを意味する。好ましい実施態様において、本明細書中上 記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、図1および3 (それぞれ、配列番号2および4)のDNAによりコードされる成熟ポリペプチド と実質的に同じ生物学的機能または活性のいずれかを保持する酵素をコードする 。ハイブリダイゼーションの場合に同一性を言及することにおいて、当該分野で 公知のようにこのような同一性はポリヌクレオチドセグメントの相補性をいう。 あるいは、このポリヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドの任意の部分 にハイブリダイズし、本明細書中上記したように、それに対して同一性を有し、 そして活性を保持してもよいかまたはしなくてもよい、少なくとも15塩基、好ま しくは少なくとも30塩基、そしてより好ましくは少なくとも50塩基を有し得る。 例えばそのようなポリヌクレオチドは、配列番号1および3のポリヌクレオチド のためのプローブとして(例えば、このポリヌクレオチドの回収のためのプロー ブ、または診断用プローブ)あるいはPCRプライマーとして用いられ得る。 従って、本発明は、配列番号2のポリペプチドまたは配列番号4のポリペプチ ドのいずれかをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも70%同一性、好 ましくは少なくとも90%の同一性およびより好ましくは少なくとも95%の同一性 を有するポリヌクレオチドならびにそれらのフラグメント(このフラグメントは 、少なくとも15塩基、好ましくは少なくとも30塩基、より好ましくは少なくとも 50塩基、そして最も好ましくは少なくとも150以上の塩基を有するフラグメント を有し、このフラグメントは、本発明のポリヌクレオチドの任意の部分に少なく とも90%同一、好ましくは少なくとも95%同一、そして最も好ましくは少なくと も97%同一である)に関する。 本明細書中でいう寄託物は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関す るブダペスト条約の下に維持される。これらの寄託物は、当業者に対する便宜と して提供されるにすぎず、そして米国特許法第112条の下で寄託が必要とされる ことを認めたわけではない。寄託物に含まれるポリヌクレオチドの配列、ならび にそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考と して援用され、そして本明細書中の配列の任意の記載とのいかなる対立の場合に も管理している。寄託物を製造し、使用し、または販売するためには実施許諾が 必要とされ得、そしてそのような実施許諾は本明細書によって与えられるわけで はない。 本発明はさらに、図1および3(それぞれ、配列番号2および4)の推定アミ ノ酸配列を有するポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドのフラグメン ト、アナログおよび誘導体に関する。 用語「フラグメント」、「誘導体」、および「アナログ」は、(a)図1(配列 番号2)のポリペプチドもしくは寄託したcDNAにコードされるポリペプチド、ま たは(b)図3(配列番号4)のポリペプチドをいう場合、そのようなポリペプチ ドと実質的に同じ生物学的機能または活性(すなわち、Gタンパク質共役型レセ プターとしての機能)を保持するか、あるいは、ポリペプチドがGタンパク質共 役型レセプターとして機能しないとしても、リガンドまたはレセプターを結合す る能力を保持するか(例えば、このレセプターの可溶性形態)のいずれかである ポリペプチドを意味する。 本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然のポリペプチドまたは合 成ポリペプチドであり得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。 (a)図1(配列番号2)のポリペプチドもしくは寄託したcDNAによりコードさ れるポリペプチド、または(b)図3(配列番号4)のポリペプチドのいずれかの フラグメント、誘導体、またはアナログは、(i)1つ以上のアミノ酸残基が保存 的アミノ酸残基または非保存的アミノ酸残基(好ましくは保存的アミノ酸残基) で置換され、そしてこのような置換されるアミノ酸残基は遺伝コードによりコー ドされ得るアミノ酸残基であってもよく、またはそうでなくてもよいもの、ある いは(ii)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含有するもの、あるいは(iii)成熟 ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチ レングリコール)のような別の化合物と融合されているもの、あるいは(iv)その 中でさらなるアミノ酸が成熟ポリペプチドに融合されているもの、あるいは(v) ポリペプチドのフラグメントが可溶性であるもの(すなわち、膜に結合しないが 、なお膜結合型レセプターに対するリガンドを結合する)であり得る。このよう なフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書中の教示から、当業者の範 囲内にあると考えられる。 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは、単離された形 態で提供され、そして好ましくは均質に精製される。 用語「単離された」は、物質がその本来の環境(例えば、天然に存在する場合 は、天然の環境)から取り出されていることを意味する。例えば、生存する動物 の中に存在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離され ていないが、天然の系において共存する物質の幾らかまたは全てから分離されて いる同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。このような ポリヌクレオチドはベクターの一部であり得、そして/またはこのようなポリヌ クレオチドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり得、かつそのようなベク ターまたは組成物がその天然の環境の一部ではない点で、なお単離されている。 本発明のポリペプチドは、配列番号2および4のポリペプチド(特にそれぞれ の成熟ポリペプチド)ならびに少なくとも70%の類似性(好ましくは少なくとも 70%の同一性)を配列番号2のポリペプチドまたは配列番号4のポリペプチドの いずれかに対して有し、そしてより好ましくは少なくとも90%の類似性(より好 ましくは少なくとも90%の同一性)を配列番号2のポリペプチドまたは配列番号 4のポリペプチドに対して有し、そしてなおより好ましくは少なくとも95%の類 似性(なおより好ましくは90%の同一性)を配列番号2または配列番号4のポリ ペプチドに対して有するポリペプチドを含み、そしてまた一般に少なくとも30の アミノ酸およびより好ましくは少なくとも50アミノ酸を含むこのようなポリペプ チドの部分を有するこのようなポリペプチドの部分を含む。 当該分野で公知なように、2つのポリペプチド間の「類似性」は、1つのポリ ペプチドのアミノ酸配列およびその保存されたアミノ酸置換を第2のポリペプチ ドの配列と比較することにより決定される。 本発明のポリペプチドのフラグメントまたは部分は、ペプチド合成により対応 する全長ポリペプチドを産生するために使用され得る。従って、このフラグメン トは全長ポリペプチドを産生するための中間体として使用され得る。本発明のポ リヌクレオチドのフラグメントまたは部分は、本発明の全長ポリヌクレオチドを 合成するために使用され得る。 本発明はまた、例えば、EBI-2 Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドを コードするポリヌクレオチドのプローブを利用することにより、またはEBI-2 G タンパク質共役型レセプターに特異的な抗体を利用することにより、細胞、組織 、 または細胞もしくは組織のクラスを同定および/または単離するための方法に関 する。本発明によるEBI-2 Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドは静脈内 皮細胞、好中球白血球、および脳梁細胞に生じるので、例えば、上記のプローブ または抗体を利用してこのような細胞、組織、または細胞もしくは組織のクラス を同定および/または単離し得る。 本発明はさらに、例えば、EDG-1様Gタンパク質共役型レセプターポリペプチ ドをコードするポリヌクレオチドのプローブを利用することにより、またはEDG- 1様Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドに特異的な抗体を利用すること により、細胞、組織、または細胞もしくは組織のクラスを同定および/または単 離するための方法に関する。本発明によるEDG-1様Gタンパク質共役型レセプタ ーポリペプチドは白血球、扁桃、胎盤、胸腺、肺、および膵臓の組織に生じるの で、例えば、上記のプローブまたは抗体を利用してこのような細胞、組織、また は細胞もしくは組織のクラスを同定および/または単離し得る。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクター を用いて遺伝子操作される宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプ チドの産生に関する。 宿主細胞は、本発明のベクター(これは、例えば、クローニングベクターまた は発現ベクターであり得る)を用いて遺伝子操作される(形質導入されるか、ま たは形質転換されるか、またはトランスフェクトされる)。ベクターは、例えば 、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であり得る。操作された宿主 細胞は、プロモーターを活性化するか、形質転換体を選択するか、またはGタン パク質共役型レセプター遺伝子を増幅するために適切に改変した従来の栄養培地 中において培養され得る。培養条件(例えば、温度、pHなど)は、発現のために 選択される宿主細胞に以前使用された条件であり、そして当業者には明らかであ る。 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によりポリペプチドを産生するため に用いられ得る。従って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現す るための種々の発現ベクターのいずれか1つに含まれ得る。このようなベクター は、染色体DNA配列、非染色体DNA配列、および合成DNA配列を包含する。このよ うなベクターは、例えば、SV40の誘導体;細菌性プラスミド;ファージDNA;バ キュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドおよびファージDNAの組み合わせ に由来するベクター、ウイルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏 痘ウイルス、および仮性狂犬病)である。しかし、宿主において複製可能で、か つ存続可能である限り、他の任意のベクターが使用され得る。 適切なDNA配列は、種々の手順によりベクターに挿入され得る。一般に、DNA配 列は、当該分野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入さ れる。このような手順および他の手順は、当業者の範囲内であると考えられる。 発現ベクター中のDNA配列は、mRNAの合成を指示する適切な発現制御配列(プ ロモーター)に作動可能に連結される。このようなプロモーターの代表的な例と しては、以下が挙げられ得る:LTRまたはSV40プロモーター、E.coli lacまたはt rp 、λファージPLプロモーター、および原核生物細胞もしくは真核生物細胞また はそれらのウイルス内で遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモ ーター。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写 ターミネーターを含有する。ベクターはまた、発現を増幅するための適切な配列 を含有し得る。 さらに、発現ベクターは、好ましくは、形質転換された宿主細胞の選択のため の表現型特性(例えば、真核細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダクターゼも しくはネオマイシン耐性、または例えばE.coliにおけるテトラサイクリン耐性も しくはアンピシリン耐性)を提供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を含有する 。 本明細書中上記のような適切なDNA配列ならびに適切なプロモーター配列また は制御配列を含有するベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタンパク質 を発現させるために用いられ得る。 適切な宿主の代表的な例としては、以下が挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coliStreptomycesSalmonella typhimurium);真菌細胞(例えば酵母); 昆虫細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9);動物細胞(例えば 、CHO、COSまたはBowes黒色腫);アデノウイルス;植物細胞など。適切な宿主 の選択は、本明細書中の教示から当業者の範囲内であると考えられる。 より詳細には、本発明はまた、上記で広範に記載される1つ以上の配列を含む 組換え構築物を含む。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス ベクター)を含み、これらには本発明の配列が、正方向または逆方向に挿入され ている。本実施態様の好ましい局面において、構築物はさらに制御配列を含み、 例えば、配列に作動可能に連結されるプロモーターを含む。多数の適切なベクタ ーおよびプロモーターが当業者に公知であり、そして市販されている。以下のベ クターは、例として提供される。細菌性:pQE70、pQE60,pQE-9(Qiagen)、pbs 、pD10、phagescript、psiX174、pbluescript SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH1 8A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Ph armacia)。真核生物性:pWLNE0、pSV2CAT、p0G44、pXT1、pSG(Stratagene)、 pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかし、任意の他のプラスミドまたは ベクターが、それらが宿主中で複製可能かつ存在可能である限り使用され得る。 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベク ターまたは選択マーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子 から選択され得る。2つの適切なベクターは、PKK232-8およびPCM7である。特に よく知られた細菌性プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR、PLおよ びtrpを包含する。真核生物プロモーターは、CMV即時型、HSVチミジンキナーゼ 、初期SV40および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスメタロチ オネインIを包含する。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に当 業者のレベル内である。 さらなる実施態様では、本発明は上記の構築物を含有する宿主細胞に関する。 宿主細胞は、高等真核生物細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核生物細 胞(例えば、酵母細胞)であり得るか、あるいは宿主細胞は原核生物細胞(例え ば、細菌細胞)であり得る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムト ランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、またはエ レクトロポレーションにより達成され得る(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,I.,B asic Methods in Molecular Biology,(1986))。 宿主細胞中の構築物を従来の方法で用いて、組換え配列によりコードされる遺 伝子産物を産生し得る。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来のペプチド合 成機により合成的に産生され得る。 成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞中で適切なプ ロモーターの制御下で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA構築物 に由来するRNAを使用して、このようなタンパク質を産生するために用いられ得 る。原核生物宿主および真核生物宿主で使用される適切なクローニングベクター および発現ベクターは、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual ,第2版,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1989)(この開示は、本明細書中に参考 として援用される)に記載されている。 本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、ベクタ ーにエンハンサー配列を挿入することにより増大される。エンハンサーはDNAの シス作用エレメントであり、通常は約10〜約300bpであり、これはプロモーター に作用してその転写を増大させる。例として、複製起点のbp100〜270の後期側の SV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複 製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサー が挙げられる。 一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞の形質転換を可能とする複製起点お よび選択マーカー(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevisi ae のTRP1遺伝子)、ならびに下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子由来 のプロモーターを含有する。このようなプロモーターは、中でも解糖酵素(例え ば、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK))、α因子、酸性ホスファターゼ、ま たは熱ショックタンパク質などをコードするオペロンに由来し得る。異種構造配 列は、翻訳開始配列および翻訳終結配列、ならびに好ましくは、翻訳タンパク質 を細胞周辺腔または細胞外培地への分泌を指向し得るリーダー配列と適切な相内 で組立てられる。必要に応じて、異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された 組換え産物の安定化または簡略化された精製)を与えるN末端同定ペプチドを含 む融合タンパク質をコードし得る。 細菌の使用に有用な発現ベクターは、機能的なプロモーターと作動可能な読み 取り相で、適切な翻訳開始シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に所望のタンパ ク質をコードする構造DNA配列を挿入することにより構築される。ベクターは、 1つ以上の表現型選択マーカー、およびベクターの維持を確実にし、かつ所望さ れる場合は宿主内での増幅を提供するための複製起点を含有する。形質転換のた めに適切な原核生物宿主は、E.coliBacillus subtilisSalmonella typhimur ium 、ならびにPseudomonas属、Streptomyces属、およびStaphylococcus属内の種 々の種を包含するが、他の種もまた選択対象として用いられ得る。 代表的な、しかし限定しない例として、細菌の使用に有用な発現ベクターは、 周知のクローニングベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝的エレメントを含む市販 のプラスミドに由来する選択マーカーおよび細菌性の複製起点を含有し得る。こ のような市販のベクターは、例えば、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals,Upp sala,Sweden)およびGEM1(Promega Biotec,Madison,WI,USA)を含む。これら のpBR322「骨格」部分は、適切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と 組み合わされる。 適切な宿主株の形質転換および適切な細胞密度までの宿主株の増殖に続いて、 選択されたプロモーターは適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘導) により誘導され、そして細胞はさらなる期間培養される。 細胞は、代表的には遠心分離により回収され、物理的手段または化学的手段に より破砕され、そして得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持される。 タンパク質の発現において用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音 波処理、機械的破砕、または細胞溶解剤の使用を包含する任意の便利な方法によ り破砕され得る。このような方法は当業者に周知である。 種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換えタンパク質を発現するために用い られ得る。哺乳動物発現系の例には、Gluzman,Cell,23:175(1981)に記載され るサル腎臓線維芽細胞のCOS-7株、および適合性のベクターを発現し得る他の細 胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞株)が含まれる。哺乳動 物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、ならび に任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部 位およびスプライスアクセプター部位、転写終結配列、ならびに5'隣接非転写 配列をまた含有する。SV40スプライス部位に由来するDNA配列、およびポリアデ ニル化部位は、必要な非転写遺伝的エレメントを提供するために使用され得る。 Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタ ノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホ セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニ ティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよび レクチンクロマトグラフィーを含む方法により組換え細胞培養物から回収および 精製され得る。タンパク質再折畳み工程は、成熟タンパク質の立体配置の完全化 において必要に応じて使用され得る。最終的には、高速液体クロマトグラフィー (HPLC)が、最終精製工程について使用され得る。 本発明のポリペプチドは、天然から精製された産物、または化学的合成手順の 産物、または原核生物宿主もしくは真核生物宿主から(例えば、培養中の細菌、 酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞により)組換え技術により生成された 産物であり得る。組換え産生手順で使用される宿主に依存して、本発明のポリペ プチドは、グリコシル化されてもよいし、グリコシル化されなくてもよい。本発 明のポリペプチドはまた、開始メチオニンアミノ酸残基を含み得る。 本発明のGタンパク質共役型レセプターは、レセプターについてのアンタゴニ ストおよび/またはアゴニストのスクリーニングのプロセスにおいて使用され得 る。 一般的に、このようなスクリーニング手順は、その表面でレセプターを発現す る適切な細胞を提供することを含む。特に、本発明のレセプターをコードするポ リヌクレオチドは、細胞をトランスフェクトし、それにより、Gタンパク質共役 型レセプターを発現させるのに用いられる。このようなトランスフェクションは 、本明細書の上記のような手順により達成され得る。 1つのこのようなスクリーニング手順は、本発明のGタンパク質共役型レセプ ターを発現するためにトランスフェクトされるメラニン保有細胞の使用を含む。 このようなスクリーニング技術は、PCT WO 92/01810(1992年2月6日公開)に 記載されている。 従って、例えば、このようなアッセイは、レセプターリガンドおよびスクリー ニングされるべき化合物の両方と、Gタンパク質共役型レセプターをコードする メラニン保有細胞とを接触させることにより、レセプターアンタゴニストについ てスクリーニングするために使用され得る。リガンドにより生じるシグナルの阻 害は、化合物がこのレセプターの潜在的なアンタゴニストであること、すなわち 、 レセプターの活性化を阻害することを示す。 このスクリーニングは、このような細胞とスクリーニングされる化合物とを接 触させ、そしてこのような化合物がシグナルを生じるか、すなわち、このような 化合物がレセプターを活性化するかを決定することによりアゴニストを決定する ために用いられ得る。 他のスクリーニング技術は、例えば、Science、第246巻、181〜296頁(1989年 10月)に記載されるように、レセプターの活性化により引き起こされる細胞外の pH変化を測定する系において、Gタンパク質共役型レセプターを発現する細胞( 例えば、トランスフェクトしたCHO細胞)の使用を含む。例えば、潜在的なアゴ ニストまたはアンタゴニストは、Gタンパク質共役型レセプターを発現する細胞 と接触され得、そしてセカンドメッセンジャー応答(例えば、シグナル伝達また はpH変化)は、潜在的アゴニストまたはアンタゴニストが有効であるか否かを決 定するために測定され得る。 別のこのようなスクリーニング技術は、Gタンパク質共役型レセプターをコー ドするRNAをXenopus卵母細胞に導入し、一時的にこのレセプターを発現させるこ とを含む。次いでそのレセプター卵母細胞は、アンタゴニストをスクリーニング する場合にはレセプターリガンドおよびスクリーニングされる化合物と接触され 得、続いて、カルシウムシグナルの阻害の検出が行われる。 別のスクリーニング技術は、レセプターがホスホリパーゼCまたはDと連結し ているGタンパク質共役型レセプターの発現を包含する。このような細胞の代表 例としては、内皮細胞、平滑筋細胞、胎児腎細胞などが挙げられ得る。アンタゴ ニストまたはアゴニストのスクリーニングは、本明細書中上記のように、ホスホ リパーゼの2次シグナルからの、レセプターの活性化またはレセプターの活性化 の阻害の検出により達成され得る。 別の方法は、細胞表面にレセプターを有する細胞への標識リガンドの結合の阻 害を決定することによる、アンタゴニストについてのスクリーニングを包含する 。このような方法は、細胞がその表面にレセプターを発現するようにGタンパク 質共役型レセプターをコードするDNAで真核生物細胞をトランスフェクトする工 程、および標識形態の既知のリガンドの存在下で細胞と潜在的なアンタゴニスト とを 接触させる工程を包含する。リガンドは、例えば、放射能により標識され得る。 標識リガンドがレセプターに結合する量は、例えば、レセプターの放射能の測定 により測定される。レセプターに結合する標識リガンドの減少により決定される ように潜在的なアンタゴニストがレセプターに結合する場合、標識リガンドのレ セプターへの結合は阻害される。 本発明はまた、Gタンパク質共役型レセプターに結合し得ることが知られてい ないリガンドが、このようなレセプターと結合し得るか否かを決定するための方 法を提供し、この方法は、Gタンパク質共役型レセプターへのリガンドの結合を 許容する条件下でリガンドとGタンパク質共役型レセプターを発現する哺乳動物 細胞とを接触させる工程、レセプターと結合するリガンドの存在を検出する工程 、およびそれによりリガンドがGタンパク質共役型レセプターに結合するか否か を検出する工程を包含する。アゴニストおよび/またはアンタゴニストを決定す ることについて本明細書中で上記で記載される系もまた、レセプターに結合する リガンドを決定するために使用され得る。 一般に、スクリーニング手順により決定されるGタンパク質共役型レセプター に対するアンタゴニストは、種々の治療目的に用いられ得る。例えば、このよう なアンタゴニストは、高血圧、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、精 神病、うつ病、片頭痛(migraine)、嘔吐、発作、摂食障害、片頭痛(migraine headaches)、ガン、および良性前立腺肥大の処置のために用いられている。 Gタンパク質共役型レセプターに対するアゴニストはまた、治療目的(例えば 、喘息、パーキンソン病、急性心不全、低血圧、尿停留(urinary retention) 、および骨粗鬆症の治療)のために有用である。 Gタンパク質共役型レセプターアンタゴニストの例は、抗体、またはいくつか の場合には、オリゴヌクレオチドを含む。それらは、Gタンパク質共役型レセプ ターに結合するが、Gタンパク質共役型レセプターの活性が妨げられるように、 セカンドメッセンジャー応答を惹起しない。抗体は、一般に抗体の抗原結合部位 に会合する独特の決定基を認識する抗イディオタイプ抗体を包含する。潜在的な アンタゴニストもまた、Gタンパク質共役型レセプターのリガンドに密接に関連 するタンパク質、すなわち、リガンドのフラグメントを含み、これは生物学的機 能を欠失しており、そしてGタンパク質共役型レセプターに結合するときに応答 を惹起しない。 潜在的なアンタゴニストはまた、アンチセンス技術の使用によって調製された アンチセンス構築物を含む。アンチセンス技術は、三重らせん形成またはアンチ センスDNAもしくはRNAを介して遺伝子発現を制御するために用いられ得、これら の方法の両方は、ポリヌクレオチドがDNAもしくはRNAに結合することに基づいて いる。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の 5'コード部分は、長さが約10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチド を設計するために用いられる。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝 子の領域に相補的であるように設計され(三重らせん−Leeら、Nucl.Acids Res .,6:3073(1979);Cooneyら、Science,241:456(1988);およびDervanら、Science ,251:1360(1991)を参照のこと)、それにより、転写およびGタンパク質共役型 レセプターの産生を妨げる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでm RNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子のGタンパク質共役型レセプターへの 翻訳をブロックする(アンチセンス−Okano、J.Neurochem.,56:560(1991);Oli godeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression,CRC Press ,Boca Raton,FL(1988))。上記のオリゴヌクレオチドはまた、細胞に送達され 得、それによって、アンチセンスRNAまたはDNAが、Gタンパク質共役型レセプタ ーの産生を阻害するためにインビボで発現され得る。 別の潜在的なアンタゴニストは、Gタンパク質共役型レセプターに結合する小 分子である。これは、正常な生物学的活性が妨げられるようにGタンパク質共役 型レセプターのリガンドへの接近を不可能にする。小分子の例は、小ペプチドま たはペプチド様分子を含むが、これらに限定されない。 潜在的なアンタゴニストはまた、可溶性形態のGタンパク質共役型レセプター (例えば、このレセプターのフラグメント)を含む。これはリガンドに結合し、 そしてこのリガンドが膜結合Gタンパク質共役型レセプターと相互作用すること を妨げる。 Gタンパク質共役型レセプター、およびアンタゴニストまたはアゴニストは、 適切な薬学的キャリアと組み合わせて用いられ得る。このような組成物は、治療 的有効量のポリペプチド、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含 む。このようなキャリアとしては、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロ ース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが挙げられる が、これらに限定されない。処方は、投与の様式に合わせるべきである。 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つまたはそれ以上の成分で満たされ た1つ以上の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。このような容器 (単数または複数)に関して、薬剤または生物学的製品の製造、使用、または販 売を統制する政府機関により規定された形式の製品表示をし得、この製品表示は 、ヒトへの投与についての製造、使用、または販売における機関による認可を表 す。さらに、薬学的組成物は、他の治療化合物と併用して用いられ得る。 薬学的組成物は、例えば、局所、静脈内、腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、 または皮内経路による便利な様式で投与され得る。薬学的組成物は、特定の微候 の処置および/または予防に有効な量で投与される。一般に、薬学的組成物は少 なくとも約10g/kg体重の量で投与され、そして多くの場合、それらは1日に約8 mg/kg体重を超えない量で投与される。多くの場合、投薬量は、1日に約10g/kg 体重から約1mg/kg体重であり、投与経路、症状などが考慮される。 Gタンパク質共役型レセプターポリペプチド、およびアンタゴニストまたはア ゴニスト(これらはポリペプチドである)は、本発明に従って、インビボでのこ のようなポリペプチドの発現により用いられ得る。これはしばしば「遺伝子治療 」と呼ばれる。 従って、例えば、患者由来の細胞は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオ チド(DNAまたはRNA)を用いてエキソビボで操作され得、次いで、操作された細胞 はこのポリペプチドで処置されるべき患者に提供される。このような方法は当該 分野で周知である。例えば、細胞は、本発明のポリペプチドをコードするRNAを 含有するレトロウイルス粒子の使用により、当該分野で公知の手順によって操作 され得る。 同様に、細胞は、インビボでのポリペプチドの発現のために、例えば、当該分 野で公知の手順によりインビボで操作され得る。当該分野で公知のように、本発 明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレトロウイルス粒子を産生するた めのプロデューサー細胞は、インビボで細胞を操作するため、およびインビボで のポリペプチドの発現のために患者に投与され得る。このような方法により本発 明のポリペプチドを投与するためのこれらの方法および他の方法は、本発明の教 示から当業者には明らかなはずである。例えば、細胞を操作するための発現ビヒ クルは、レトロウイルス以外のもの(例えば、アデノウイルス)であり得る。こ れは、適切な送達ビヒクルと組み合わせた後、インビボで細胞を操作するために 使用され得る。 本明細書中上記のレトロウイルスプラスミドベクターが由来し得るレトロウイ ルスとしては、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫 ウイルスのようなレトロウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、ニワトリ白血症ウイ ルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全症ウイルス、アデノウイルス、 骨髄増殖性肉腫ウイルス、および哺乳動物腫瘍ウイルスが挙げられるが、これら に限定されない。1つの実施態様において、レトロウイルスプラスミドベクター は、モロニーマウス白血病ウイルスに由来する。 ベクターは、1つ以上のプロモーターを含む。使用され得る適切なプロモータ ーとしては、レトロウイルスLTR;SV40プロモーター;およびヒトサイトメガロ ウイルス(CMV)プロモーター(Millerら、Biotechniques、第7巻、第9号、980- 990(1989)に記載)、または他の任意のプロモーター(例えば、細胞プロモータ ー(例えば、真核生物細胞プロモーター(ヒストン、pol III、およびβ-アクチ ンプロモーターを含むが、これらに限定されない)))が挙げられるが、これら に限定されない。使用され得る他のウイルスプロモーターとしては、アデノウイ ルスプロモーター、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、およびB19パルボウイ ルスプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。適切なプロモーター の選択は、本明細書中に含まれる教示から当業者に明らかである。 本発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、適切なプロモーターの制御下 にある。使用され得る適切なプロモーターとしては、アデノウイルスプロモータ ー(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター);または異種プロモーター (例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター);RSウイルス(RSV)プロモ ーター;誘導性プロモーター(例えば、MMTプロモーター、メタロチオネイン プロモーター);熱ショックプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAIプ ロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウイルスチミジンキナーゼプロモータ ー(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター);レトロウイルスLT R(本明細書上記に記載の改変レトロウイルスLTRを含む);βアクチンプロモー ター:およびヒト成長ホルモンプロモーターが挙げられるが、これらに限定され ない。プロモーターはまた、ポリペプチドをコードする遺伝子を制御する天然の プロモーターであり得る。 レトロウイルスプラスミドベクターは、パッケージング細胞株に形質導入し、 プロデューサー細胞株を形成するために使用される。トランスフェクトされ得る パッケージング細胞の例としては、のPE501、PA317、ψ-2、ψ-AM、PA12、T19-1 4X、VT-19-17-H2、ψCRE、ψCRIP、GP+E-86、GP-envAm12、およびDAN細胞株(Mi ller、Human Gene Therapy、第1巻、5-14頁(1990)(その全体が参考として本明 細書中に援用されるに記載)が挙げられるが、これらに限定されない。ベクター は、当該分野で公知の任意の手段によりパッケージング細胞を形質導入し得る。 このような手段としては、エレクトロポレーション、リポソームの使用、および CaPO4沈澱が挙げられるが、これらに限定されない。1つの代替として、レトロ ウイルスプラスミドベクターは、リポソームにカプセル化され得るか、または脂 質に結合され得、次いで宿主に投与され得る。 プロデューサー細胞株は、ポリペプチドをコードする核酸配列(単数または複 数)を含む感染性レトロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、このような レトロウイルスベクター粒子は、インビトロまたはインビボのいずれかで、真核 生物細胞を形質導入するために使用され得る。形質導入された真核生物細胞は、 ポリペプチドをコードする核酸配列(単数または複数)を発現する。形質導入さ れ得る真核生物細胞としては、胚幹細胞、胚肉腫細胞ならびに造血幹細胞、肝細 胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチノサイト、内皮細胞、および気管支上皮細胞 が挙げられるが、これらに限定されない。 Gタンパク質共役型レセプターは、哺乳動物宿主において遍在し、そして多く の病理学を含む多くの生物学的機能を担う。従って、Gタンパク質共役型レセプ ターを刺激する化合物、およびGタンパク質共役型レセプターを拮抗する化合物 を見出すことが所望される。 本発明はさらに、細胞の表面上のヒトGタンパク質共役型レセプターと特異的 に相互作用し、そして結合する化合物を同定する方法を提供する。この方法は、 Gタンパク質共役型レセプターをコードする単離されたDNA分子を含有する哺乳 動物細胞と複数の化合物とを接触させる工程、哺乳動物細胞に結合するこれらの 化合物を決定する工程、そしてそれによって本発明のヒトGタンパク質共役型レ セプターと特異的に相互作用し、そして結合する化合物を同定する工程を包含す る。 本発明はまた、Gタンパク質共役型レセプターをコードするmRNAの存在を検出 することにより、細胞の表面におけるGタンパク質共役型レセプターの発現を検 出する方法を提供する。この方法は、細胞から全mRNAを得る工程、およびそのよ うに得られたmRNAと、ヒトGタンパク質共役型レセプターをコードする核酸分子 の配列内に含まれる配列と特異的にハイブリダイズし得る少なくとも15ヌクレオ チドの核酸分子を含有する核酸プローブとを、ハイブリダイズする条件下で接触 させる工程、プローブにハイブリダイズした・RNAの存在を検出する工程、およ びそれによって細胞によるGタンパク質共役型レセプターの発現を検出する工程 を包含する。 本発明はまた、変異したGタンパク質共役型レセプター遺伝予の存在に関連す る疾患または疾患に対する感受性を検出するための診断アッセイの一部としての Gタンパク質共役型レセプター遺伝子の使用に関する。このような疾患は、細胞 の形質転換(例えば、腫瘍およびガン)に関連する。 ヒトGタンパク質共役型レセプター遺伝子における変異を有する個体は、種々 の技術によりDNAレベルで検出され得る。診断のための核酸は、患者の細胞(例 えば、血液、尿、唾液、組織生検物質、および剖検物質)より得られ得る。ゲノ ムDNAは、検出のために直接使用され得るか、または分析前にPCRを用いることに より酵素的に増幅され得る(Saikiら、Nature、324:163-166(1986))。RNAまた はcDNAもまた、同じ目的のために使用され得る。例として、Gタンパク質共役型 レセプタータンパク質をコードする核酸に相補的なPCRプライマーが、Gタンパ ク質共役型レセプター変異を同定および解析するために使用され得る。例えば、 欠失および挿入は、正常な遺伝子型との比較における増幅された産物のサイズの 変化により検出され得る。点変異は、放射性標識されたGタンパク質共役型レセ プターRNAまたは、あるいは、放射性標識されたGタンパク質共役型レセプター アンチセンスDNA配列に、増幅されたDNAをハイブリダイズさせることにより同定 され得る。完全に対合した配列は、RNaseA消化または融解温度の差により、誤 対合した二本鎖と区別され得る。 DNA配列の差異に基づいた遺伝子試験は、変性剤を含むかまたは含まないゲル におけるDNAフラグメントの電気泳動移動度における変化の検出により達成され 得る。小さな配列欠失および挿入は、高分解能ゲル電気泳動によって視覚化され 得る。異なる配列のDNAフラグメントは、変性ホルムアミド勾配ゲルにおいて区 別され得る。ここでゲル中の異なるDNAフラグメントの移動度は、それらの特異 的融解温度または部分的融解温度に従って異なる位置にゲル内で遅延される(例 えば、Myersら、Science,230:1242(1985)を参照のこと)。 特定の位置での配列の変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ(例えば、RNas e保護およびS1保護または化学的切断法(例えば、Cottonら、PNAS、USA、85:439 7-4401(1985)))により明らかにされ得る。 従って、特定のDNA配列の検出は、ハイブリダイゼーション、RNase保護、化学 的切断、直接的なDNA配列決定、または制限酵素の使用(例えば、制限断片長多 型(RFLP))およびゲノムDNAのサザンブロッティングのような方法によって達成 され得る。 より慣習的なゲル電気泳動およびDNA配列決定に加えて、変異はまたインサイ チュ分析により検出され得る。 本発明はまた、種々の組織における本発明のレセプターポリペプチドの可溶性 形態の変化したレベルを検出するための診断アッセイに関する。宿主に由来する サンプル中の可溶性レセプターポリペプチドのレベルを検出するために使用され るアッセイは、当業者に周知であり、そして放射イムノアッセイ、競合結合アッ セイ、ウェスタンブロット分析、および好ましくはELISAアッセイを含む。 ELISAアッセイは、Gタンパク質共役型レセプターポリペプチドの抗原に特異 的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を調製する工程を最初に含む。さらに 、 このモノクローナル抗体に対するレセプター抗体が調製される。放射能、蛍光、 またはこの実施例において西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素のような検出可能な 試薬がレセプター抗体に付着される。ここでサンプルは、宿主から取り出され、 そして固体支持体(例えば、サンプル中のタンパク質に結合するポリスチレンデ ィッシュ)上でインキュベートされる。次いで、ディッシュ上の任意の遊離のタ ンパク質結合部位は、非特異的タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)とイ ンキュベートすることにより被覆される。次いで、モノクローナル抗体は、ディ ッシュ内でインキュベートされ、この間、モノクローナル抗体は、ポリスチレン ディッシュに付着された任意のGタンパク質共役型レセプタータンパク質に付着 する。全ての非結合モノクローナル抗体は、緩衝液により洗い流される。ここで 西洋ワサビペルオキシダーゼに連結されたレセプター抗体はディッシュ内に入れ られ、これによりGタンパク質レセプターに結合した任意のモノクローナル抗体 へレポーター抗体が結合する。次いで、付着されなかったレポーター抗体は洗い 流される。次いで、ペルオキシダーゼ基質は、ディッシュに添加され、そして所 定の期間における発色量が、標準曲線と比較した場合の所定容量の患者サンプル に存在するGタンパク質共役型レセプターの測定値である。 本発明の配列はまた、染色体の同定に有益である。この配列は、個々のヒト染 色体上の特定の位置を特異的に標的化し、そしてその位置にハイブリダイズし得 る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する必要性がある。現在、染色 体位置の標識化に利用可能な実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標 識化試薬はほとんどない。本発明のDNAの染色体へのマッピングは、これらの配 列と疾患に関連する遺伝子との相関における重要な第1工程である。 簡潔に述べれば、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは15〜25bp)を 調製することにより染色体にマッピングされ得る。cDNAのコンピューター解析が 、ゲノムDNA内で1より多いエキソンにまたがらず、従って増幅プロセスを複雑 化するプライマーを迅速に選択するために使用される。次いで、これらのプライ マーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使 用される。プライマーに対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみが増幅フラ グメントを生じる。 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定のDNAを割り当て るための迅速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを本発明と共に 使用して、特定の染色体由来のフラグメントのパネルまたは類似の様式の大きな ゲノムクローンのプールを用いて、部分的局在性の決定(sublocalization)が達 成され得る。染色体にマッピングするために同様に使用され得る他のマッピング ストラテジーは、インサイチュハイブリダイゼーション、標識化フロー選別した (flow-sorted)染色体を用いるプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAラ イブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによる予備選択を包含する 。 cDNAクローンの中期染色体スプレッドへの蛍光インサイチュハイブリダイゼー ション(FISH)は、1工程で正確な染色体位置を提供するために使用され得る。こ の技術は、50または60塩基という短いcDNAを用いて使用され得る。この技術の総 説については、Vermaら,Human Chromosomes:a Manual of Basic Techniques,P ergamon Press,New York(1988)を参照のこと。 一旦配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上での配列の物理 的な位置を遺伝子地図のデータと相関させ得る。このようなデータは、例えば、 V.McKusick,Mendelian Inheritance in Man(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)において見出される。次い で、同じ染色体領域にマッピングされる遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析 (物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。 次に、罹患個体と非罹患個体との間のcDNA配列またはゲノム配列における差異 を決定する必要がある。変異がいくつかまたは全ての罹患個体に観察されるが、 いずれの正常な個体にも観察されない場合、この変異はおそらく疾患の原因因子 である。 物理的マッピング技術および遺伝子マッピング技術の現在の解像度では、疾患 に関連する染色体領域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500との間の潜在的 原因遺伝子の1つであり得る。(これは、1メガ塩基のマッピング解像度、およ び20kbあたり1遺伝子と仮定する)。 このポリペプチド、そのフラグメントまたは他の誘導体、またはそれらのアナ ログ、あるいはそれらを発現する細胞は、それらに対する抗体を産生させるため の免疫原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、 またはモノクローナル抗体であり得る。本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗体、 およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメント、またはFab発現ライブラリーの産 物を包含する。当該分野で公知の種々の手順が、このような抗体およびフラグメ ントの産生のために使用され得る。 本発明の配列に対応するポリペプチドに対して生成される抗体は、動物へのポ リペプチドの直接注射により、または動物へのポリペプチドの投与により得られ ることができる。この動物は、好ましくは非ヒトである。次いで、このようにし て得られた抗体は、ポリペプチド自体に結合する。このようにして、ポリペプチ ドのフラグメントのみをコードする配列でさえも、天然のポリペプチド全体に結 合する抗体を生成するために使用され得る。次いで、このような抗体は、そのポ リペプチドを発現する組織からポリペプチドを単離するために使用され得る。 モノクローナル抗体の調製のために、細胞株の連続培養により産生される抗体 を提供する任意の技術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術(Kohle rおよびMilstein,1975,Nature,256:495-497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞 ハイブリドーマ技術(Kozborら,1983,Immunology Today 4:72)、およびヒトモ ノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら,1985,Mono clonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,77-96頁)が挙げら れる。 単鎖抗体を産生するために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を、本発 明の免疫原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を生成するために適合させ得る 。また、トランスジェニックマウスが、本発明の免疫原性のポリペプチド産物に 対するヒト化抗体を発現するために使用され得る。 本発明を以下の実施例を参照にしてさらに記載する;しかし、本発明はこのよ うな実施例に限定されないことが理解されるべきである。すべての部分または量 は、他に明記しない限り重量基準である。 以下の実施例の理解を容易にするために、頻繁に現れる特定の方法および/ま たは用語が記載される。 「プラスミド」は、小文字のpの前および/またはそれに続く大文字および/ または数字を示すことにより明示される。本明細書中の出発プラスミドは、市販 されており、制限無く公的に入手可能であるか、または公開された手順に従って 入手可能なプラスミドから構築され得る。さらに、記載されるプラスミドと等価 のプラスミドが当該分野において公知であり、そして当業者には明らかである。 DNAの「消化」は、DNA中の特定の配列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触 媒反応的に切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制限酵素は、市 販されており、そしてそれらの反応条件、補因子、および他の必要条件は当業者 に公知のものが使用された。分析目的のためには、典型的には1μgのプラスミ ドまたはDNAフラグメントが、約2単位の酵素と共に約20μlの緩衝溶液中で使用 される。プラスミド構築のためのDNAフラグメントを単離する目的のためには、 代表的には5〜50μgのDNAが、20〜250単位の酵素を用いてより大きな容量中で 消化される。特定の制限酵素のための適切な緩衝液および基質量は、製造者によ り特定される。37℃で約1時間のインキュベーション時間が通常使用されるが、 これは供給者の説明書に従って変わり得る。消化後、反応物をポリアクリルアミ ドゲル上で直接電気泳動して所望のフラグメントを単離する。 切断フラグメントのサイズ分離は、Goeddel,D.ら,Nucleic Acids Res.,8:405 7(1980)により記載された8%ポリアクリルアミドゲルを使用して行われる。 「オリゴヌクレオチド」とは、一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2つの 相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかをいい、これらは化学的に合成 され得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、5'リン酸を有さず、従って キナーゼの存在下でATPと共にリン酸を添加しなければ、別のオリゴヌクレオチ ドと連結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていないフラグメ ントに連結する。 「連結」とは、2つの二本鎖核酸フラグメントの間でリン酸ジエステル結合を 形成するプロセスをいう(Maniatis,Tら、前出、146頁)。他に提供しなければ、 連結は公知の緩衝液および条件を使用して、ほぼ等モル量の連結されるべきDNA フラグメント0.5μgあたり10単位のT4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)を用いて達 成され得る。 他に記載しない限り、Graham,F.およびVan der Eb,A.,Virology,52:456-45 7(1973)の方法に記載されるように、形質転換を実施した。 実施例1 EBI-2 の細菌発現および精製 EBI-2をコードするDNA配列(ATCC受託番号209003)を、プロセシングされたEB I-2タンパク質(シグナルペプチド配列を除く)の5'配列、およびEBI-2遺伝子 の3'側のベクター配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて最 初に増幅する。EBI-2に対応するさらなるヌクレオチドを、それぞれ5'および3 '配列に付加した。5'オリゴヌクレオチドプライマーは、配列5'−CCGAG GATCCATGCAAGCCGTCGACAAT3'(配列番号5)を有し、 これはBamHI制限酵素部位、それに続くプロセシングされたタンパク質コド ンの推定末端アミノ酸から始まる18ヌクレオチドのEBI-2コード配列を含む。3' 配列、5'−CCGAGGATCCTTACATTGGAGTCTCTTC3'( 配列番号6)は、BamHI部位に相補的な配列を含み、そして続いてEBI-2の1 8ヌクレオチドを含む。制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE-60(Qiagen,Inc .,Chatworth、CA,91311)上の制限酵素部位に対応する。pQE-60は、抗生物質 耐性(Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTG調節可能プロモーターオペレータ ー(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6-Hisタグ、および制限酵素部位をコ ードする。次いで、pQE-9をBamHIで消化した。増幅した配列をpQE-60内に 連結し、そしてヒスチジンタグおよびRBSをコードする配列とともにインフレー ムで挿入した。次いで、連結混合物を用いて、E .coli株nM15/rep 4(Qiagen I nc.)を、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spr ing Laboratory Press,(1989)に記載の手順により形質転換した。M15/rep4はプ ラスミドpREP4の多数のコピーを含有する。これは、lacIリプレッサーを発現し 、そしてまたカナマイシン耐性(Kanr)をも付与する。形質転換体をLBプレート 上で増殖するそれらの能力により同定する。そしてアンピシリン/カナマイシン 耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを単離し、そして制限酵素分析により 確認した。所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)とKan(25μg/ml )との両方を補充したLB培地中の液体培養で一晩(O/N)増殖させた。O/N培養物 を 用いて1:100〜1:250の比で大規模な培養物に接種する。細胞を、600の光学密度 (O.D.600)が0.4と0.6との間になるまで増殖させた。次いで、IPTG(「イソプ ロピル-B-D-チオガラクトピラノシド」)を加えて1mMの最終濃度にした。IPTG は、lacIリプレッサーを不活性化することにより、P/Oの解放(clear)を誘導し て遺伝子発現の増加を導く。細胞をさらに3〜4時間増殖させた。次いで、細胞 を遠心分離により収集した。細胞ペレットをカオトロピック薬剤6Mグアニジン HCl中で可溶化した。明澄化後、可溶化nSca-2を、6-Hisタグを含有するタンパク 質により強固に結合され得る条件下で、ニッケル−キレートカラムにおけるクロ マトグラフィーによりこの溶液から精製した(Hochuli,E.ら、J.Chromatograp hy 411:177-184(1984))。hSca-2(95%純粋)を6MグアニジンHCl、pH5.0中で カラムから溶出し、そして再生の目的で、3MグアニジンHCl、100mMリン酸ナト リウム、10mMグルタチオン(還元型)、および2mMグルタチオン(酸化型)に調 整した。この溶液中での12時間のインキュベーションの後、タンパク質を10mMリ ン酸ナトリウムに対して透析した。 実施例2 バキュロウイルス発現系を用いるEBI-2のクローニングおよび発現 全長のEBI-2タンパク質をコードするDNA配列(ATCC受託番号第209003号)を、 この遺伝子の5'配列および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマー を用いて増幅した: 5'プライマーは、配列5'−CCGAGGATCCGCCATCATGCAAG CCGTCGACAAT3'(配列番号7)を有し、そしてBamHI制限酵素部位( 太字)、それに続く真核生物細胞における翻訳の開始に効率的なシグナルに類似 する6つのヌクレオチド(Kozak,M.J.Mol.Biol.1987,196,947-950,)、 およびすぐ後ろにこのEBI-2遺伝子の最初の18ヌクレオチド(翻訳の開始コドン 「ATG」に下線を付する)を含有する。 3'プライマーは、配列5'−CCGAGGATCCT−TACATTGGAG TCTCTTC−3'(配列番号8)を有し、そして制限エンドヌクレアーゼBam HIの切断部位およびこのEBI-2の3'翻訳配列の細胞外部分に相補的な18ヌクレオ チドを含む。増幅した配列を、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガロースゲルから単離した。次いで、このフラグ メントをエンドヌクレアーゼBamHIで消化し、次いで1%アガロースゲにおいて 再び精製した。このフラグメントを、F2と呼ぶ。 ベクターpA2(pVL941ベクターの改変体、下記に記載)を、バキュロウイルス 発現系を用いるEBI-2タンパク質の発現のために用いる(総説について、Summers ,M.D.およびSmith,G.E.1987,A manual of methods for baculovirus vector s and insect cell culture procedures,Texas Agricultural Experimental St ation Bulletin No.1555を参照のこと)。この発現ベクターは、Autographa ca lifornica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、 それに続く制限エンドヌクレアーゼBamHIの認識部位を含む。シミアンウイルス (SV)40のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組 換えウイルスを容易に選択するために、E.coli由来のβ-ガラクトシダーゼ遺伝 子をポリヘドリンプロモーター、それに続くポリヘドリン遺伝子のポリアデニル 化シグナルと同方向に挿入する。ポリヘドリン配列を、同時トランスフェクトし た野生型ウイルスDNAの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列に両端で隣 接させる。多くの他のバキュロウイルスベクターが、このように、pA2の代わり に用いられ得る。例えば、5'プライマーが適切に変化されているpRG1およびpA2 -GPは、およびpAc373、pVL941、およびpAcIM1である(Luckow,V.A.およびSumme rs,M.D.、Virology,170:31-39)。 プラスミドを制限酵素BamHIで消化し、次いで当該分野で公知の手順により仔 ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化した。次いで、DNAを、市販のキット (「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガロースゲル から単離した。このベクターDNAをV2と呼ぶ。 フラグメントF2および脱リン酸化したプラスミドV2を、T4 DNAリガーゼを用い て連結した。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、そして酵素BamHIを用い て、EBI-2遺伝子を有するプラスミド(pBac EBI-2)を含む細菌を同定した。ク ローン化フラグメントの配列を、DNA配列決定により確認した。 5μgのプラスミドpBacEBI-2を、リポフェクション法(FelgnerらProc.Nat l.Acad.Sci.USA,84:7413-7417(1987))を用いて、1.0μgの市販の線状化し たバキュロウイルス(「BaculoGold baculovirus DNA」,Pharmingen,San Dieg o,CA.)とともに同時トランスフェクトした。 1μgのBaculoGoldウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBacEBI-2を、50μl の無血清グレース培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含むマ イクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合した。その後、10μlのリポフェ クチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分間イ ンキュベートした。次いで、そのトランスフェクション混合物を、血清を含まな いグレース培地1mlを含有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細 胞(ATCC CRL 1711)に滴下して加えた。プレートを、新たに加えられた溶液を 混合するために、前後に振動させた。次いでプレートを、27℃で5時間インキュ ベートした。5時間後、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そし て10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加した。プレートを インキュベーターに戻し、そして27℃で4日間培養を続けた。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(前出)による記載と同様 にプラークアッセイを行った。改変法として、青く染色されたプラークの容易な 単離を可能にする、「Blue Gal」(Life Technologies Inc.,Gaithersburg)を 有するアガロースゲルを用いた。(「プラークアッセイ」の詳細な記述はまた、 Life Technologies Inc.、Gaithersburgが配布する昆虫細胞培養およびバキュロ ウイルス学の使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。 連続希釈の4日後、ウイルスを細胞に加え、そして青色に染色されたプラーク をエッペンドルフピペットのチップで拾った。次いで、組換えウイルスを含む寒 天を、200μlのグレース培地を含むエッペンドルフチューブ中で再懸濁した。寒 天を、短かい遠心分離により除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清 を用いて、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させた。4日後、これら の培養ディッシュの上清を収集し、次いで4℃で保存した。 Sf9細胞を、10%熱非働化FBSを補充したグレース培地中で増殖させた。細胞を 、感染多重度(MOI)2で、組換えバキュロウイルスV-EBI-2で感染させた。6時 間後、培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900 II培地 (Life Technologies Inc.,Gaithersburg)に置き換えた。42時間後、5μCiの35 S−メチオニンおよび5μCiの35Sシステイン(Amersham)を添加した。細胞 をさらに16時間インキュベートし、その後細胞を遠心分離により収集し、そして 標識されたタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーにより可視化し た。 実施例3 COS 細胞における組換えEBI-2の発現 プラスミドEBI-2 HAの発現は、以下を含むベクターpcDNAI/Amp(Invitrogen)に 由来する:1)SV40複製起点、2)アンピシリン耐性遺伝子、3)E.coli複製 起点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロン、およびポリアデニル化部位が続 くCMVプロモーター。EBI-2前駆体全体およびその3'末端にインフレームで融合 されたHAタグをコードするDNAフラグメントを、ベクターのポリリンカー領域に クローン化した。それゆえ、組換えタンパク質発現はCMVプロモーター下に支配 される。HAタグは、先に記載された(I.Wilson、H.Niman、R.Heighten、A Ch erenson、M.Connolly、およびR.Lerner,1984,Cell 37,767(1984))ような インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する。標的タン パク質へのHAタグの融合により、HAエピトープを認識する抗体を用いる組換えタ ンパク質の容易な検出が可能になる。 プラスミド構築ストラテジーを以下に記載する: EBI-2(ATCC#209003)をコードするDNA配列を、2つのプライマーを使用するPC Rによって構築した:5'プライマー5'CCGAGGATCCGCCATCATGCAAGCCGTCGACAAT3'(配 列番号9)は、BamHI部位、続いて開始コドンから開始するEBI-2コード配列を含 む;3'配列5'CCGATCTAGATTAATCCCATACGACGTCCCAGACTACGCTCATTGGAGTCTCTTC3'(配 列番号10)は、XbaI部位、翻訳停止コドン、HAタグ、およびEBI-2コード配列(停 止コドンを含まない)に対する相補的配列を含む。それゆえ、PCR産物は、BamHI 部位、EBI-2コード配列、次いで、インフレームで融合したHAタグ、HAタグの次 に翻訳終結停止コドン、およびXbaI部位を含む。PCR増幅したDNAフラグメントお よびベクターpcDNAI/Ampを、BamHIおよびXbaI制限酵素で消化して、連結した。 連結混合物を、E.coli SURE株(Stratagene Cloning Systems,11099 North T orrey Pines Road,La Jolla,CA92037から入手可能)に形質転換し、形質転換した 培養物を、アンピシリン培地プレートに播種し、そして耐性コロニーを選択した 。プラスミドDNAを形質転換体から単離し、そして正確なフラグメントの存在に ついて制限分析によって試験した。組換えEBI-2の発現について、COS細胞をDEAE -DEXTRAN法(J.Sambrook、E.Fritsch,T.Maniatis,Molecular Cloning:A Laborato ry Manual,Cold Spring Laboratory Press,(1989))によって発現ベクターでトラ ンスフェクトした。EBI-2 HAタンパク質の発現を、放射標識および免疫沈降法(E .Harlow,D.Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labora tory Press,(1988))によって検出した。細胞をトランスフェクションの2日後、35 S-システインで8時間標識した。次いで、培養培地を回収し、そして細胞を界 面活性剤(RIPA緩衝液(150mM NaCl,1% NP-40,0.1% SDS,1% NP-40,0.5% DOC,5 0mM Tris,pH7.5))で溶解した(Wilson,I.ら、前出.37:767(1984))。細胞溶解物 および培養培地の両方をHA特異的モノクローナル抗体で沈降させた。沈降させた タンパク質を、15%SDS-PAGEゲルにおいて分析した。 実施例4 遺伝子療法を介しての発現 線維芽細胞を、皮膚生検により被験体から得る。得られた組織を、組織培養培 地中に置き、そして小片に分ける。組織の小塊(small chunk)を、組織培養フ ラスコの湿潤表面に置き、およそ10片をそれぞれのフラスコ中に置く。フラスコ の上下を逆さにし、密閉し、そして室温にて一晩置く。室温にて24時間後、フラ スコを逆さにし、そして組織の塊をフラスコの底に固着したままにし、そして新 鮮な培地(例えば、10%FBS、ペニシリン、およびストレプトマイシンを有するH am's F12培地)を添加する。次いで、これを37℃にておよそ1週間インキュベー トする。この時点で、新鮮な培地を添加し、その後数日毎に取り換える。さらに 2週間培養後、線維芽細胞の単層が出現する。単層をトリプシン処理し、そして より大きなフラスコ中に拡大する。 モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復に隣接するpMV-7(Kirschmeier,P. T.ら,DNA,7:219-25(1988))を、EcoRIおよびHindIIIで消化し、その後仔ウ シ腸ホスファターゼを用いて処理する。線状ベクターをアガロースゲルで分画し 、そしてガラスビーズを用いて精製する。 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、それぞれ5'末端配列および3'末 端配列に対応するPCRプライマーを用いて増幅する。5'プライマーはEcoRI部位 を含み、そして3'プライマーはさらにHindIII部位を含む。T4 DNAリガーゼの存 在下で、等量のモロニーマウス肉腫ウイルスの線状骨格ならびに増幅したEcoRI およびHindIIIフラグメントを一緒に加える。得られた混合物を、2つのフラグ メントの連結に適切な条件下で維持する。連結混合物を用いて細菌HB101を形質 転換し、次いでこれを、ベクターが適切に挿入された目的の遺伝子を有すること を確認する目的のために、カナマイシンを含有する寒天上にプレーティングする 。 アンホトロピックなpA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%仔ウシ血 清(CS)、ペニシリン、およびストレプトマイシンを有するDulbecco改変Eagle 培地(DMEM)中でコンフルエントな密度になるまで組織培養物中で増殖させる。 次いで、遺伝子を含むMSVベクターを培地に添加し、そしてパッケージング細胞 をベクターを用いて形質導入する。この時、パッケージング細胞は、遺伝子を含 有する感染性のウイルス粒子を産生する(この時、パッケージング細胞は、プロ デューサー細胞と呼ばれる)。 新鮮な培地を、形質導入したプロデューサー細胞に添加し、その後、培地を、 コンフルエントなプロデューサー細胞の10cmプレートから収集する。感染性のウ イルス粒子を含有する使用済みの培地を、ミリポアフィルターを通して濾過して 、剥離したプロデューサー細胞を除去し、次いでこの培地を用いて線維芽細胞を 感染させる。培地を、サブコンフルエントな線維芽細胞のプレートから除去し、 そして迅速にプロデューサー細胞からの培地と置き換える。この培地を除去し、 そして新鮮な培地に置き換える。ウイルスの力価が高い場合、実質的に全ての線 維芽細胞が感染し、そして選択は必要ない。力価が非常に低い場合、選択マーカ ー(例えば、neoまたはhis)を有するレトロウイルスベクターを使用することが 必要である。 次いで、操作された線維芽細胞を、単独で、またはcytodex3マイクロキャリア ービーズ上でコンフルエントになるまで増殖させた後のいずれかで宿主に注入す る。この時、線維芽細胞は、タンパク質産物を産生する。 実施例5 EDG-1様ポリペプチドの細菌発現および精製 EDG-1様ポリペプチドをコードするDNA配列(ATCC受託番号第209004号)を、ま ず、プロセシングしたEDG-1様ポリペプチドタンパク質(シグナルペプチド配列を 除く)の5'配列およびEDG-1様ポリペプチド遺伝子に対するベクターの3'配列に 対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。EBI-2に対応する さらなるヌクレオチドを、それぞれ5'および3'配列に付加した。5'オリゴヌク レオチドプライマーは、配列5'-CCGAGGATC-CATGAACGCCACGGGGACC3'(配列番号 11)を有し、そしてBamHI制限酵素部位と、それに続くプロセシングされたタン パク質コドンの推定末端アミノ酸から開始するEDG-1様ポリペプチドコード配列 の18のヌクレオチドを含む。3'配列5'-CCGAGGATCCTCAGATGCTCCGCACGCT3'(配列 番号12)は、BamHI部位に相補的な配列を含み、そしてEDG-1様ポリペプチドの18 ヌクレオチドが続く。この制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE-60(Qiagen,In c.Chatsworth,CA,91311)における制限酵素部位に対応する。pQE-60は、抗生物質 耐性(Ampr)、細菌複製起点(ori)、IPTG調節可能プロモーターオペレーター(P/O) 、リボソーム結合部位(RBS)、6-Hisタグ、および制限酵素部位をコードする。次 いで、pQE-60をBamHIで消化する。増幅した配列を、pQE-60に連結し、そしてヒ スチジンタグおよびRBSをコードする配列にインフレームで挿入した。次いで、 連結混合物を使用して、Sambrook J.ら、Molecular Clonlng:A Laboratory Manu al,Cold Spring Laboratory Press,(1989)に記載の手順によってE.coli M15/rep 4株(Qiagen,Inc.)に形質転換した。M15/rep4は、lacIリプレッサーを発現し、そ してカナマイシン耐性(Kanr)もまた付与するプラスミドpREP4の複数コピーを含 む。形質転換体を、それらがLBプレートにおいて増殖する能力によって同定し、 そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを単 離して、制限分析によって確認した。所望の構築物を含むクローンを、Amp(100 μg/ml)およびKan(25μg/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(O /N)増殖させた。O/N培養物を使用して、1:100〜1:250の割合で大量培養に接 種する。細胞を600nmでの光学密度(0D600)が0.4〜0.6になるまで増殖させた。次 いで、IPTG(「イソプロピル-B-D-チオガラクトピラノシド」)を最終濃度1mMまで 添加した。IPTGは、lacIリプレッサーを不活化することによって、遺伝子発現の 増加を導くP/Oの除去を誘導する。細胞をさらに3〜4時間増殖させた。次いで、 細胞を遠心分離によって回収した。細胞ペレットを、カオトロピック薬剤である 6Mグアニジン-HCl中で可溶化した。明澄化した後、可溶化したEBI-2を、6-Hisタ グを含むタンパク質による固い結合を可能にする条件下で、ニッケルキレートカ ラムにおけるクロマトグラフィーによってこの溶液から精製した(Hochuli,E.ら 、J.Chromatography 411:177-184(1984))。EBI-2(95%純粋)を、6MグアニジンHC l pH5.0でカラムから溶出し、そして再生のために、3MグアニジンHCl,100mM リ ン酸ナトリウム,10mMグルタチオン(還元型),および2mMグルタチオン(酸化型)に 調節した。この溶液中において、12時間インキュベーションした後、タンパク質 を、10mMリン酸ナトリウムに対して透析した。 実施例6 バキュロウイルス発現系を使用するEDG-1様ポリペプチドのクローニングおよび 発現 全長EDG-1様ポリペプチドタンパク質(ATCC受託番号第209004号)をコードするD NA配列を、遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマ ーを用いて増幅した: 5'プライマーは、配列5'GCGAGGATCCGCCAT-CATGAACGCCACGGGGACC3'(配列番号1 3)を有し、そしてBamHI制限酵素部位(太字)、続いて、EDG-1様ポリペプチド遺伝 子の最初の18ヌクレオチド(翻訳開始コドン「ATG」に下線を付した)のちょうど 後にある、真核生物細胞における翻訳開始のための効率的なシグナルに似ている 6ヌクレオチドを含む(Kozak,M.J.Mol.Biol196:947-950(1987))。 3'プライマーは、配列5'CCGAGGATCCTC-AGATGCTCCGCACGCT3'(配列番号14)を有 し、そして制限エンドヌクレアーゼBamHIの切断部位およびEDG-1様ポリペプチド の細胞外部分の3'翻訳配列に相補的な18ヌクレオチドを含む。増幅した配列を市 販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,CA)を使用して1%アガロー スゲルから単離した。次いで、このフラグメントをエンドヌクレアーゼBamHIで 切断して、1%アガロースゲルにおいて再び精製した。このフラグメントを、F2 と呼ぶ。 ベクターpA2(pVL94lベクターの改変体、下記)を、バキュロウイルス発現系 (総説については、Summers,M.D.およびSmith,G.E.、1987、A Manual of method s for baculovirus vectors and insect cell culture procedure,Texas Agricu l tural Experimental Station Buletin No.1555を参照のこと)を用いるEDG-1様 ポリペプチドタンパク質の発現のために用いる。この発現ベクターは、Autograp ha callfornica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモータ ー、それに続く制限エンドヌクレアーゼBamHIの認識部位を含む。シミアンウイ ルス(SV)40のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる 。組換えウイルスを容易に選択するために、E.coli由来のβ-ガラクトシダーゼ 遺伝子をポリヘドリンプロモーターと、それに続くポリヘドリン遺伝子のポリア デニル化シグナルと同方向に挿入する。ポリヘドリン配列を、同時トランスフェ クトした野生型ウイルスDNAの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列に両 端で隣接させる。多くの他のバキュロウイルスベクターが、pA2の代わりに用い られ得る。例えば、pRG1およびpA2-GP(従って、ここで5'プライマーを変化させ る)、ならびにpAc373、pVL941、およびpAcIM1である(Luckow,V.A.およびSumme rs,M.D.、Virology,170:31-39)。 プラスミドを制限酵素BamHIで消化し、次いで当該分野で公知の手順により仔 ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化した。次いで、DNAを、市販のキット( 「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,CA)を使用して1%アガロースゲルから単 離した。このベクターDNAを、V2と呼ぶ。 フラグメントF2および脱リン酸化したプラスミドV2を、T4 DNAリガーゼを用い て連結した。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、そして酵素BamHIを用い て、EDG-1様ポリペプチド遺伝子を有するプラスミド(pBacEDG-1-like polypepti de)を含む細菌を同定した。クローン化フラグメントの配列を、DNA配列決定によ り確認した。 5μgのプラスミドpBacEDG-1-like polypeptideを、リポフェクション法(Fel gnerらProc.Natl.Acad.Sci.USA,84:7413-7417(1987))を用いて、1.0μgの市販 の線状化したバキュロウイルス(「BaculoGold baculovirus DNA」,Pharmingen ,San Diego,CA.)とともに同時トランスフェクトした。 1μgのBaculoGoldウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBac EDG-1-like pol ypeptideを、50μlの無血清Grace培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg ,MD)を含むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合した。その後、10 μlのリポフェクチンおよび90μlのGrace培地を添加し、混合し、そして室温に て15分間インキュベートした。次いで、このトランスフェクション混合物を、血 清を含まないGrace培地1mlを含有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9 昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下して加えた。プレートを、新たに加えられた 溶液を混合するために、前後に振動させた。次いでプレートを、27℃で5時間イ ンキュベートした。5時間後、トランスフェクション溶液をプレートから除去し 、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのGrace昆虫培地を添加した。プレー トをインキュベーターに戻し、そして27℃で4日間培養を続けた。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(前出)による記載と同様 にプラークアッセイを行った。改変法として、青く染色されたプラークの容易な 単離を可能にする、「Blue Gal」(Life Technologies Inc.,Gaithersburg)を 有するアガロースゲルを用いた。(「プラークアッセイ」の詳細な記述はまた、 Life Technologies Inc.、Gaithersburgが配布する昆虫細胞培養およびバキュロ ウイルス学の使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。 ウイルスの連続希釈物を細胞に加えた4日後、青く染色されたプラークをエッ ペンドルフピペットのチップで拾った。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、 200μlのGrace培地を含むエッペンドルフチューブ中で再懸濁した。寒天を、短 かい遠心分離により除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清を、35mm ディッシュに播種されたSf9細胞に感染させるために用いた。4日後、これらの 培養ディッシュの上清を収集し、次いで4℃で保存した。 Sf9細胞を、10%熱非働化FBSを補充したGrace培地中で増殖させた。細胞を、 感染多重度(MOI)2で、組換えバキュロウイルスV-EDG-1-like polypeptideで 感染させた。6時間後、培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除 いたSF900 II培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg)に置き換えた。42 時間後、5μCiの35S-メチオニンおよび5μCiの35Sシステイン(Amersham) を添加した。細胞をさらに16時間インキュベートし、その後細胞を遠心分離によ り収集し、そして標識されたタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィ ーにより可視化した。 実施例7COS 細胞における組換えEDG-1様ポリペプチドの発現 プラスミドEDG-1-like-polypeptide HAの発現は、以下を含むベクターpcDNAI/ Amp(Invitrogen)に由来する:1)SV40複製起点、2)アンピシリン耐性遺伝子 、3)E.coli複製起点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロン、およびポリ アデニル化部位が続くCMVプロモーター。EDG-1様ポリペプチド前駆体全体および その3'末端にインフレームで融合されたHAタグをコードするDNAフラグメントを 、ベクターのポリリンカー領域にクローン化した。それゆえ、組換えタンパク質 発現はCMVプロモーター下に支配される。HAタグは、先に記載された(I.Wilson 、H.Niman、R.Heighten、A Cherenson、M.Connolly、およびR.Lerner、1984 ,Cell 37,767)ようなインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトー プに対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合により、HAエピトープを認識す る抗体を用いる組換えタンパク質の容易な検出が可能になる。 プラスミド構築ストラテジーを以下に記載する: EDG-1様ポリペプチド(ATCC#209004)をコードするDNA配列を、2つのプライマ ーを使用するPCRによって構築した:5'プライマー5'CCGAGGATCCGCCATCATGAACGCC ACGGGGACC3'(配列番号15)は、BamHI部位の次に、開始コドンから開始するEDG-1 様ポリペプチドコード配列を含む;3'配列5'CCGATCTAGATCAATCCCATACGACGTCCCAG ACTACGCTGATGCTCCGCACGCT3'(配列番号16)は、XbaI部位、翻訳停止コドン、HAタ グ、およびEDG-1様ポリペプチドコード配列(停止コドンを含まない)に対する相 補的配列を含む。それゆえ、PCR産物は、BamHI部位T、EDG-1様ポリペプチドコー ド配列、次いで、インフレームで融合したHAタグ、HAタグの次に翻訳終結停止コ ドン、およびXbaIを含む。PCR増幅したDNAフラグメントおよびベクターpc DNAI/Ampを、BamHIおよびXbaI制限酵素で消化して、連結した。連結混合物を、E .coli SURE株(Stratagene Cloning Systems,11099 North Torrey Pines Road,La Jolla,CA 92037から入手可能)に形質転換し、形質転換した培養物を、アンピシ リン培地プレートに播種し、そして耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを 形質転換体から単離し、正確なフラグメントの存在について制限分析によって試 験した。組換えEDG-1様ポリペプチドの発現について、COS細胞をDEAE-DEXTRAN法 (J.Sambrook、E.Fritsch,T.Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Laboratory Press,(1989))によって発現ベクターでトランスフェク トした。EDG-1様ポリペプチドHAタンパク質の発現を、放射標識および免疫沈降 法によつて検出した(E.Harlow,D.Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1988))。細胞をトランスフェクションの2日 後、35S-システインで8時間標識した。次いで、培養培地を回収し、細胞を界面 活性剤(RIPA緩衝液(150mM NaCl,1% NP-40,0.1% SDS,1% NP-40,0.5% DOC,50m M Tris,pH7.5))で溶解した(Wilson,I.ら、Id.37:767(1984))。細胞溶解物およ び培養培地の両方をHA特異的モノクローナル抗体で沈降させた。沈降させたタン パク質を、15%SDS-PAGEゲルにおいて分析した。 実施例8遺伝子療法を介しての発現 線維芽細胞を、皮膚生検により被験体から得る。得られた組織を、組織培養培 地中に置き、そして小片に分ける。組織の小塊を、組織培養フラスコの湿潤表面 に置き、およそ10片をそれぞれのフラスコ中に置く。フラスコの上下を逆さにし 、密閉し、そして室温にて一晩置く。室温にて24時間後、フラスコを逆さにし、 そして組織の塊をフラスコの底に固着したままにし、そして新鮮な培地(例えば 、10%FBS、ペニシリン、およびストレプトマイシンを有するHam's F12培地)を 添加する。次いで、これを37℃にておよそ1週間インキュベートする。この時点 で、新鮮な培地を添加し、その後数日毎に取り替える。さらに2週間培養後、線 維芽細胞の単層が出現する。単層をトリプシン処理し、そしてより大きなフラス コ中に拡大する。 モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復に隣接するpMV-7(Kirschmeier,P. T.ら,DNA,7:219-25(1988))を、EcoRIおよびHindIIIで消化し、その後仔ウシ 腸ホスファターゼを用いて処理する。線状ベクターをアガロースゲルで分画し、 そしてガラスビーズを用いて精製する。 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、それぞれ5'末端配列および3'末 端配列に対応するPCRプライマーを用いて増幅する。5'プライマーはEcoRI部位 を含み、そして3'プライマーはさらにHindIII部位を含む。T4 DNAリガーゼの存 在下で、等量のモロニーマウス肉腫ウイルスの線状骨格ならびに増幅したEcoRI およびHindIIIフラグメントを一緒に加える。得られた混合物を、2つのフラグ メントの連結に適切な条件下で維持する。連結混合物を用いて細菌HB101を形質 転換し、次いでこれを、ベクターが適切に挿入された目的の遺伝子を有すること を確認する目的のために、カナマイシンを含有する寒天上にプレーティングする 。 アンホトロピックなpA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%仔ウシ血 清(CS)、ペニシリン、およびストレプトマイシンを有するDulbecco改変Eagle 培地(DMEM)中でコンフルエントな密度になるまで組織培養物中で増殖させる。 次いで、遺伝子を含むMSVベクターを培地に添加し、そしてパッケージング細胞 をベクターを用いて形質導入する。この時、パッケージング細胞は、遺伝子を含 有する感染性のウイルス粒子を産生する(この時、パッケージング細胞は、プロ デューサー細胞と呼ばれる)。 新鮮な培地を、形質導入したプロデューサー細胞に添加し、その後、培地を、 コンフルエントなプロデューサー細胞の10cmプレートから収集する。感染性のウ イルス粒子を含有する使用済みの培地を、ミリポアフィルターを通して濾過して 、剥離したプロデューサー細胞を除去し、次いでこの培地を用いて線維芽細胞を 感染させる。培地を、サブコンフルエントな線維芽細胞のプレートから除去し、 そして迅速にプロデューサー細胞からの培地と置き換える。この培地を除去し、 そして新鮮な培地で置き換える。ウイルスの力価が高い場合、実質的に全ての線 維芽細胞が感染し、そして選択は必要ない。力価が非常に低い場合、選択マーカ ー(例えば、neoまたはhis)を有するレトロウイルスベクターを使用することが 必要である。 次いで、操作された線維芽細胞を、単独で、またはcytodex3マイクロキャリア ービーズ上でコンフルエントになるまで増殖させた後のいずれかで宿主に注入す る。この時、線維芽細胞は、タンパク質産物を産生する。 本発明の多数の改変および変更が、上記の教示を参照して可能であり、従って 、添付する請求の範囲の範囲内で、本発明は特記した以外の方法で実施され得る 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたポリペプチドであって、以下: (a) 配列番号2のアミノ酸2〜342を含むポリペプチドをコードするポリヌク レオチド; (b) 配列番号4のアミノ酸1〜260を含むポリペプチドをコードするポリヌク レオチド;および (c) (a)または(b)の相補体、 からなる群から選択されたメンバーに対し少なくとも95%の同一性を有するポリ ヌクレオチドを包含する、単離されたポリヌクレオチド。 2.前記メンバーが(a)である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド 。 3.前記メンバーが(b)である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド 。 4.前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1に記載の単離されたポリヌク レオチド。 5.前記ポリヌクレオチドがRNAである、請求項1に記載の単離されたポリヌク レオチド。 6.組換えベクターを作製する方法であって、該方法が、請求項1に記載の単離 されたポリヌクレオチドをベクターに挿入する工程を包含し、ここで該ポリヌク レオチドがDNAである、方法。 7.請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクターであって、こ こで該ポリヌクレオチドがDNAである、組換えベクター。 8.請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する組換え宿主細胞であって、こ こで該ポリヌクレオチドがDNAである、組換え宿主細胞。 9.ポリペプチドを産生するための方法であって、該方法が、請求項8に記載の 組換え細胞から、前記ポリヌクレオチドによってコードされる該ポリペプチドを 発現する工程を包含する、方法。 10.配列番号1のヌクレオチド226から1251を含むポリヌクレオチドを包含す る、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。 11.配列番号3のヌクレオチド2から827を含むポリヌクレオチドを包含する 、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。 12.(a) ATCC受託番号209003のヒトcDNAによってコードされるのと同一のポリ ペプチドをコードするポリヌクレオチド; (b) ATCC受託番号209004のヒトcDNAによってコードされるのと同一のポリペプ チドをコードするポリヌクレオチド;および (c) (a)または(b)の相補体、 からなる群から選択されるメンバーに対し少なくとも95%同一性を有するポリヌ クレオチドを包含する、単離されたポリヌクレオチド。 13.前記メンバーが(a)である、請求項12に記載の単離されたポリヌクレオ チド。 14.前記メンバーが(b)である、請求項12に記載の単離されたポリヌクレオ チド。 15.組換えベクターを作製する方法であって、該方法が、請求項12に記載の 単離されたポリヌクレオチドをベクターに挿入する工程を包含し、ここで該ポリ ヌクレオチドがDNAである、方法。 16.請求項12に記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクターであって 、ここで該ポリヌクレオチドがDNAである、組換えベクター。 17.請求項12に記載のポリヌクレオチドを含有する組換え宿主細胞であって 、ここで該ポリヌクレオチドがDNAである、組換え宿主細胞。 18.ポリペプチドを産生するための方法であって、該ポリヌクレオチドによっ てコードされるポリペプチドを請求項17に記載の組換え細胞から発現する工程 を包含する、方法。 19.単離されたポリペプチドであって、以下: (a) 配列番号2のアミノ酸2から342を含むポリペプチドをコードするポリヌ クレオチド; (b) 配列番号4のアミノ酸1から260を含むポリペプチドをコードするポリヌ クレオチド;および (c) (a)または(b)の相補体、 からなる群から選択されるメンバーに対し少なくとも95%同一であるポリヌクレ オチドによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟ポリペプチド、を包含す る単離されたポリペプチド。 20.請求項19に記載されるポリペプチドに対する抗体。 21.請求項19に記載のポリペプチドに対するアンタゴニスト。 22.請求項19に記載のポリペプチドの過少発現に関連する疾患、またはその 疾患に対する感受性を診断するためのプロセスであって、該プロセスが、該ポリ ペプチドをコードする核酸配列における変異を決定する工程を包含する、プロセ ス。
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