JP2002359396A - 半導体発光装置 - Google Patents
半導体発光装置Info
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Abstract
型の半導体発光装置を提供する。 【解決手段】 支持基板の主面上に、発光積層構造が形
成されている。発光積層構造は、半導体材料からなる下
部クラッド層、活性層、及び上部クラッド層の3層を含
む。下部クラッド層及び上部クラッド層のバンドギャッ
プが活性層のバンドギャップよりも大きい。発光積層構
造の上に電流拡散層が配置されている。電流拡散層のバ
ンドギャップは、上部クラッド層のバンドギャップより
も小さく、活性層の発光波長に対応するエネルギよりも
大きい。電流拡散層の上面のうち一部の領域上に第1の
電極が形成されている。第1の電極は、電流拡散層にキ
ャリアを注入する。第2の電極が、第1の電極から注入
されるキャリアとは反対の電荷を有するキャリアを活性
層内に注入する。
Description
関し、特に光の取り出し効率を高めるのに適した面発光
型の半導体発光装置に関する。
光感度が高い赤外波長領域(波長920nm以下の赤外
領域)の光を出力する面発光型素子として、Znドープ
のGaAs層をAlGaAs層で挟んだダブルへテロ型
発光ダイオードが知られている。このGaAs層のZn
濃度を高めることにより、発光ダイオードの遮断周波数
を高めることができる。ところが、Zn濃度を高める
と、発光出力が低下してしまう。
体層が薄いと、電極が配置された部分に電流が集中し、
その部分に偏って発光が生ずる。電極直下の部分で発生
した光は、電極によって遮蔽されるため、外部に取り出
されない。このため、光の取り出し効率が低下する。電
極と発光層との間に挿入された半導体層の電気抵抗を下
げれば、電流が面内方向に拡散しやすくなり、発光領域
が広がる。半導体層の電気抵抗を下げるためには、不純
物濃度を高めればよいが、この方法では十分な光取り出
し効率を得ることが困難であることがわかった。
り出し効率を高めることが可能な面発光型の半導体発光
装置を提供することである。
と、半導体材料からなり、物理的支持力を有する支持基
板と、前記支持基板の主面上に形成され、半導体材料か
らなる下部クラッド層、活性層、及び上部クラッド層の
3層を含み、該下部クラッド層及び上部クラッド層のバ
ンドギャップが該活性層のバンドギャップよりも大きい
発光積層構造と、前記発光積層構造の上に配置され、前
記上部クラッド層のバンドギャップよりも小さく、前記
活性層の発光スペクトルのピークを与える波長に対応す
るエネルギよりも大きなバンドギャップを有する半導体
材料で形成された電流拡散層と、前記電流拡散層の上面
のうち一部の領域上に形成され、該電流拡散層にキャリ
アを注入する第1の電極と、前記第1の電極から注入さ
れるキャリアとは反対の電荷を有するキャリアを、前記
活性層内に注入するための第2の電極とを有する半導体
発光装置が提供される。
層にキャリアが注入される。電流が電流拡散層内を流れ
るとき、基板の面内方向に拡散する。このため、活性層
の広い領域にキャリアが注入され、広い領域で発光が生
ずる。このため、第1の電極に遮光されることなく、外
部に取り出される光が増加し、光取り出し効率を高める
ことができる。
導体発光装置の断面図を示す。高濃度層2と低濃度層3
との2層から支持基板4が構成されている。支持基板4
は、Znがドープされたp型のAl0.2Ga0.8Asで形
成されている。高濃度層2のZn濃度は1×1018cm
-3であり、低濃度層3のZn濃度は5×1017cm-3で
ある。また、高濃度層2の厚さは40μmであり、低濃
度層3の厚さは150μmである。
長(MOCVD)により、AlGaAsバッファ層5か
らGaAsコンタクト層12までの各層が形成されてい
る。バッファ層5は、Znがドープされたp型のAl
0.2Ga0.8Asで形成され、その厚さは0.2μm、そ
のZn濃度は1×1018cm-3である。
p型のAl0.32Ga0.68Asで形成され、その厚さは
0.5μm、そのZn濃度は1×1018cm-3である。
下部キャリア閉込層(CCL層)7は、不純物を意図的
にドープしていないAl0.18Ga0.82Asで形成され、
その厚さは2〜190nmである。下部キャリア閉込層
7のZnのバックグラウンド濃度は5×1016〜1×1
017cm-3であった。
sで形成され、その厚さは2.4〜15nm、In組成
比は0.12〜0.25である。上部キャリア閉込層9
は、不純物を意図的にドープしていないAl0.18Ga
0.82Asで形成され、その厚さは2〜190nmであ
る。上部キャリア閉込層9のSiバックグラウンド濃度
は5×1016〜1×1017cm-3であった。上部クラッ
ド層10は、Siがドープされたn型のAl0.32Ga
0.68Asで形成され、その厚さは5.5μm、そのSi
濃度は1×1018cm-3である。
型のAl0.18Ga0.82Asで形成され、その厚さは4.
5μm、そのSi濃度は1×1018cm-3である。コン
タクト層12は、Siがドープされたn型のGaAsで
形成され、その厚さは0.1μm、そのSi濃度は2×
1018cm-3である。
に、下から順番にNi層、Ge層、及びAu層が積層さ
れたn側電極15が形成されている。n側電極15は、
リフトオフ法により所望の平面形状とされる。n側電極
15の平面形状については、後に図2を参照して説明す
る。支持基板4の一部を構成する高濃度層2の表面上
に、支持基板4側から順番にAu層とAuZn合金層と
が積層されたp側電極16が形成されている。p側電極
16は、リフトオフ法により例えばハニカム形状とされ
る。
置の平面図を示す。基板の法線に沿って見たときの半導
体発光装置の形状は、ほぼ正方形である。コンタクト層
12の上面に、n側電極15が形成されている。n側電
極15は、コンタクト層12のほぼ中央に配置された円
形部15A、及び円形部15Aから正方形の頂点に向か
って延びた4本の直線部15Bにより構成される。
置の平面図の他の例を示す。図2(B)に示した例で
は、円形部のみによってn側電極15が構成される。
び図2(B)のいずれを採用するかは、光の取り出し効
率の観点から決定され得る。例えば、図2(A)の電極
形状は、図2(B)のものに比べて、歪量子井戸層8で
発生し、n側電極15側に向かって伝搬する光を遮蔽し
てしまう面積が大きくなるが、電流を面内方向に拡散さ
せるという点では、図2(B)のものよりも優れてい
る。なお、n側電極15を、図2(A)及び(B)に示
した平面形状以外の形状にしてもよい。
半導体発光装置に用いられている下地基板4の製造方法
について説明する。
基板1を準備する。仮の基板1の主面は、GaAsの
(100)面である。また、仮の基板1にはZnがドー
プされてp型導電性が付与されており、その濃度は2〜
5×1019cm-3である。
ル成長(LPE)により、Al0.2Ga0.8Asからなる
厚さ40μmの高濃度層2及び厚さ150μmの低濃度
層3を順番に成長させる。この2層が支持基板4とな
る。LPEには、主として温度差法と徐冷法があるが、
ここでは、温度差法を採用する。温度差法を採用するこ
とにより、支持基板4のAl組成比をほぼ均一にするこ
とができる。成長装置として、例えばスライドボート型
のものを用いることができる。高濃度層2及び低濃度層
3には、それぞれZn濃度が1×1018cm-3及び5×
1017cm-3になるように、成長中にZnがドープされ
る。
s、Al及びZnを溶解させたものである。メルト槽内
に満たされた成長用溶液の上下方向の温度勾配は、約5
℃/cmであり、種結晶が接触する成長用溶液下部の温
度が約830〜850℃である。なお、成長用溶液下部
の温度及び温度勾配は、成長中ほぼ一定に保持される。
説明する。図3(A)に示したGaAsの仮の基板1を
エッチングして除去する。これにより、支持基板4のみ
が残る。GaAsからなる仮の基板1は、アンモニア水
と過酸化水素水とを体積比で20:1に混合したエッチ
ング液を用いてエッチングすることができる。なお、ア
ンモニア水の濃度は28重量%であり、過酸化水素水の
濃度は31重量%である。
少なくする。さらに、研削された表面を研磨して加工ダ
メージを除去した後、化学機械研磨(CMP)による最
終仕上げを行う。一般に、温度差法で成長させた半導体
層は、徐冷法で成長させた半導体に比べて、表面の平坦
性が悪い。CMPによる最終仕上げを行うことにより、
表面の平坦性を高めることができる。ここまでの工程
で、支持基板4が得られる。
向バイアスを印加し、歪量子井戸層8にキャリアを注入
することにより、赤外領域(波長800〜920nm)
の発光を生じさせることができる。
持基板4が、物理的支持力を有する基板となるととも
に、MOCVDの種結晶となる。基板材料としてGaA
sを用いていないため、図1に示したコンタクト層12
側からのみならず、支持基板4側からも光を取り出すこ
とができる。なお、コンタクト層12は、後のチップ化
工程における酸処理で除去されるため、光の取り出しの
障害にはならない。歪量子井戸層8の発光スペクトルの
ピークを与える波長が、仮の基板1を形成する半導体材
料のバンドギャップに相当する波長よりも短い場合に、
特に、仮の基板1を除去する効果が高い。
層8及び上部キャリア閉込層9がMOCVDで形成され
ている。このため、これらの層をLPEで形成する場合
に比べて、膜厚の均一性を高めることができ、高い発光
効率を実現することが可能になる。なお、MOCVDの
代わりに分子線エピタキシャル成長(MBE)を用いて
もよい。
ッキングカーブの半値幅と出力維持率との関係を示す。
横軸はX線ロッキングカーブの半値幅を単位「逆セカン
ト(arc sec)」で表し、縦軸は出力維持率を単
位「%」で表す。出力維持率は、初期状態の光出力を基
準としたときの、1000時間通電後の光出力の相対値
である。
は、支持層4の研削、研磨、及びCMP条件によって変
動する。例えば、研削時のグラインダ粒度を細かくする
と、研削による結晶性の低下を抑制することができる。
に従って出力維持率が低下していることがわかる。一般
的に、出力維持率70%以上を確保することが望まれ
る。このために、支持層4の(400)面のX線ロッキ
ングカーブの半値幅の逆セカントが100以下になるよ
うにすることが好ましい。
l組成比の分布を示す。横軸は、支持層4の表面からの
深さを単位「μm」で表し、右縦軸はAl組成比を表
す。なお、上記実施例では、支持層4のAlの組成比を
0.2としたが、図5(A)に示されている試料は、A
l組成比が0.28になるように制御されたものであ
る。温度差法で成長させると、成長最表面の温度がほぼ
一定に保たれるため、Al組成比をほぼ一定にすること
ができる。
クトルの一例を示す。縦軸は波長を表し、その目盛は、
右図の縦軸のAl組成比を有するAlGaAsのバンド
ギャップ相当の波長に対応する。横軸は発光強度を表
す。発光スペクトルのほとんどの部分が、支持層4のA
l組成比0.28に対応する波長よりも長波長側に位置
する。このため、活性層4で発光した光は、支持層4に
ほとんど吸収されることなく、支持層4を透過する。こ
のため、支持層4側に光を効率的に取り出すことができ
る。
lGaAs層を成長させた場合のAl組成比の分布を示
す。徐冷法を用いると、成長最表面の温度が変動するた
め、Al組成比も変動する。ある温度まで低下した後再
加熱すると、Al組成比が不連続に変化する。このた
め、Al組成比の分布が三角波状になる。このため、例
えばAl組成比が0.28になるように制御しても、組
成比が0.28以下になる部分も現れる。Al組成比が
0.28以下の部分は、活性層8から放出された光のう
ち一部(図5(B)の発光スペクトルのLの部分)を吸
収してしまう。このため、支持層4側への光の取り出し
効率が低下してしまう。
に、ポテンシャルの低い領域が現れ、ここにキャリアが
蓄積される。この蓄積されたキャリアは、高速動作を阻
害する要因になる。さらに、Al組成比の大きな領域
は、相対的に電気抵抗が高くなるため、素子全体の抵抗
を高くしてしまう。
基板として使用する支持層4は、厚さ方向におけるAl
組成比の変化が小さく、相対的に素子全体の抵抗を下げ
ることが可能な温度差法で成長させることが好ましい。
長させる前に、支持基板4に自然酸化膜除去処理を施す
ことが、素子全体の抵抗を下げるうえで好ましい。自然
酸化膜除去処理として、上記の実施例では、厚さ方向に
おけるAl組成比の変化がほとんどないように作製した
高濃度層2を設けた支持基板4を用い、前述したCMP
による最終仕上げを行った後に次のような処理を行っ
た。
水洗、濃塩酸による洗浄、及び水洗を順番に行う。硫酸
と過酸化水素水と水とが、体積比で5:1:1に混合さ
れた水溶液に支持基板4を浸漬させ、表面のダメージ層
を除去する。なお、用いた硫酸は濃度96重量%、過酸
化水素水は濃度31重量%のものである。
面に形成されている自然酸化膜除去処理を行う。なお、
下記の手順は、窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気にされた
グローブボックス中で行われる。
1分間浸漬させる。これにより、支持基板4の表面に形
成されている自然酸化膜が除去されると考えられる。な
お、塩酸に浸漬させる代わりに、支持基板4の酸化物を
除去することができる雰囲気に支持基板4を晒してもよ
い。例えば、塩酸以外のハロゲン化水素の水溶液に浸漬
させてもよいし、水素プラズマやアルゴンプラズマに晒
してもよい。
することなく、支持基板4の表面に残っている塩酸を、
イソプロピルアルコール等のアルコール類で置換する。
支持基板4の表面に窒素ガスを吹き付け、アルコールを
除去する。
属化学気相成長(MOCVD)の成長炉内に配置する。
成長炉内に水素ガスを満たし、圧力を0.1気圧とし、
温度750℃で5分〜1時間の成長前熱処理を行う。こ
の熱処理により、支持基板4の表面に残っている自然酸
化膜が除去されると考えられる。なお、水素の代わり
に、アルシン等の他の還元性雰囲気中で成長前熱処理を
行ってもよい。
除去手順を種々変更して、試料#1〜#6を作製した。
なお、電流拡散層11を含む他の発光積層構造の構成は
実施例と同一である。
た自然酸化膜除去手順、及び各試料の残留酸素面密度及
び光出力維持率を示す。試料#6が、上述の実施例の手
順を採用したものである。試料#5は、成長炉中での成
長前熱処理を行わなかったものである。試料#4は、自
然酸化膜除去処理を大気中で行い、かつ成長前熱処理を
行わなかったものである。
した後、アルコール置換を行う前に水洗し、成長前熱処
理を行わなかったものである。試料#2は、試料#3の
自然酸化膜除去処理と同一の処理を大気中で行ったもの
である。試料#1は、自然酸化膜除去処理を行わなかっ
たものである。
000時間通電後の光出力の比である。なお、各試料
は、一辺が370μmの正方形状であり、バイアス電流
は100mAとした。
前に、図7を参照して、残留酸素面密度の計算方法を説
明する。
の2次イオン質量分析(SIMS)結果を示す。横軸は
深さ方向の位置を単位「μm」で表し、左縦軸は、炭素
原子、酸素原子、及び塩素原子の濃度を単位「原子/c
m3」で表し、右縦軸は、Alの2次イオン強度を単位
「カウント/秒」で表す。なお、図2に示した実施例で
は、図2(A)に示したGaAs仮基板1は既に除去さ
れているが、図7の測定対象試料には、GaAs仮基板
が残されている。
イオン強度が急峻に立ち上がっている。この位置が、G
aAs基板と、その表面上にLPEにより成長されたA
l0. 37Ga0.63As支持層との界面に相当する。深さ
1.38μmの位置に、Alの2次イオン強度の立ち下
がりが観測される。この位置が、AlGaAs支持層
と、その上にMOCVDにより成長されたAl0.2Ga
0.8As層との界面に相当する。支持層とAl0.2Ga
0.8As層との界面に、酸素濃度のピークが現れてい
る。残留酸素面密度は、この界面の酸素濃度のピーク波
形の面積で表される。次に、図8を参照して、ピーク波
形の面積の求め方を具体的に説明する。
横軸は深さxを単位「cm」で表し、縦軸は酸素濃度を
単位「原子/cm3」で表す。酸素濃度のバックグラウ
ンドレベルをC0とし、酸素濃度のピークと、バックグ
ラウンドレベルとの交点を、x1及びx2(x1<x2)と
する。酸素濃度のピーク波形が関数C(x)で表される
場合、残留酸素面密度σは、
は、横軸を残留酸素面密度とし、縦軸を光出力維持率と
した場合の6個の試料の散布図を示す。通常、光出力維
持率は0.7以上とすることが望まれる。従って、残留
酸素面密度を1×1014cm-2以下とすることが好まし
い。なお、残留酸素面密度が2.2×1013cm-2以上
になると、光出力維持率が急激に低下してしまう。この
ため、残留酸素面密度を2.2×1013cm-2以下とす
ることがより好ましい。
を塩酸に浸漬させた後アルコール置換を行う前に、水洗
を行うと、残留酸素面密度が多くなることがわかる。こ
れは、水洗により、支持基板の表面に新たに自然酸化膜
が形成されてしまうためと考えられる。従って、アルコ
ール置換前に水洗を行わないことが好ましい。
然酸化膜除去処理を窒素雰囲気中で行う方が、大気中で
行う場合に比べて、残留酸素面密度を低減できることが
わかる。また、試料#5と#6とを対比すると、AlG
aAs層をMOCVDでエピタキシャル成長させる前
に、水素雰囲気中で成長前熱処理を行うことにより、残
留酸素面密度をさらに低減できることがわかる。なお、
アルシン等の水素ガス以外の還元性ガス雰囲気中で熱処
理を行ってもよい。この場合には、熱処理温度を、水素
の解放が始まる温度(例えば、アルシンでは約400
℃)以上とし、大量のガスを供給するとよい。また、成
長前熱処理の効果をより高めるために、水素等の還元性
雰囲気中での熱処理温度をMOCVDによる成長温度よ
りも高くすることが好ましい。特に、支持基板4とその
上に再成長させる層との界面の残留酸素濃度密度を1×
1014cm-2以下とすると、素子全体の抵抗を下げ、寿
命を長くすることが可能になる。
好ましい構成について説明する。図2に示した半導体発
光装置の平面図の面積、すなわち基板法線に沿って見た
ときの歪量子井戸層8の面積をS[mm2]、電流拡散
層11の厚さをd[mm]としたとき、図9の横軸はd
/Sを表し、縦軸は、規格化光出力を不定単位で表す。
図中の三角記号、四角記号、及び菱形記号は、それぞれ
平面図の一辺の長さが270μm、370μm、及び5
00μmの半導体発光装置の規格化光出力を示す。ここ
で、規格化光出力は、一辺の長さが等しい試料群のうち
d/Sの最も小さな試料の光出力を1としたときの相対
値で表される。なお、支持基板4は、厚さ方向における
Al組成比の変化が上述した図5(B)のようにほとん
ど観察されない温度差法で作製されたものである。ま
た、支持基板4とその上に再成長する層との界面の残留
酸素面密度を1×1014cm-2以下として、上記実施例
と同一の発光積層構造が作製されている。
なるに従って、光出力が大きくなっていることがわか
る。これは、電流拡散層11が厚くなるに従って電流が
より広く拡散し、発光領域が広がったためである。d/
Sが0.01mm-1を超えると、光出力の増加傾向が弱
まる。特に、d/Sが0.03mm-1を超えると、それ
以上電流拡散層11を厚くしても、光出力はほとんど増
加しない。これは、既に電流が十分拡散され、全領域で
十分な強度の発光が生じているためと考えられる。この
ため、d/Sを0.01mm-1以上とすることが好まし
く、0.03mm -1以上とすることがより好ましい。
上部クラッド層10のバンドギャップよりも小さなバン
ドギャップを有する半導体材料で形成した。これによ
り、電流拡散層11の抵抗率が低下し、電流を拡散させ
ることが可能になった。なお、電流拡散層11を、上部
クラッド層10と同一の半導体材料で形成し、その不純
物濃度を高めることによっても低抵抗化を図ることがで
きる。ところが、不純物濃度を高めると、光の透過率が
低下してしまうことがわかった。上記実施例のように、
不純物濃度を高めることなく、電流拡散層11の抵抗率
を低下させることにより、光の取り出し効率を高めるこ
とが可能になる。
的支持力を有する程度の厚さにされている。厚い支持基
板4が電流拡散層として働くため、歪量子井戸層8とp
側電極16との間には、n側の電流拡散層11に相当す
る半導体層を挿入する必要はない。支持基板4の背面
(p側電極16が形成されている面)から歪量子井戸層
8までの厚さが、電流拡散層11の上面から歪量子井戸
層8までの厚さよりも厚い場合に、電流拡散層11を挿
入する効果が高い。
ニカム形状であり、支持基板4の底面のほぼ全面に形成
されている。p側電極は、底面のほぼ全面に形成する必
要はなく、底面の一部の領域に形成し、p側電極の周辺
領域から光を取り出すようにしてもよい。この場合、支
持基板4の背面から歪量子井戸層8までを厚くすること
による効果が大きい。
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
クラッド層と電極との間に、クラッド層よりもバンドギ
ャップの小さな半導体材料で形成された電流拡散層を挿
入することにより、電流を面内方向に拡散させることが
できる。これにより、電極が配置されていない領域まで
発光領域が十分広がり、光の取り出し効率を高めること
ができる。
である。
面図である。
半導体装置の出力維持率との関係を示すグラフである。
持基板のAl組成比の分布、及び発光スペクトルを示す
グラフであり、図5(B)は、比較例による方法で作製
した支持基板のAl組成比の分布、及び発光スペクトル
を示すグラフである。
順、残留酸素面密度、及び光出力維持率を示す図表、及
び横軸を残留酸素面密度とし縦軸を光出力維持率とした
場合の各試料の散布図である。
を成長させ、その上にMOCVDにより他のAlGaA
s層を成長させた積層構造のSIMS分析結果を示すグ
ラフである。
濃度のピークの例を示すグラフである。
きの活性層の面積に対する電流拡散層の厚さの比と、光
出力との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 半導体材料からなり、物理的支持力を有
する支持基板と、 前記支持基板の主面上に形成され、半導体材料からなる
下部クラッド層、活性層、及び上部クラッド層の3層を
含み、該下部クラッド層及び上部クラッド層のバンドギ
ャップが該活性層のバンドギャップよりも大きい発光積
層構造と、 前記発光積層構造の上に配置され、前記上部クラッド層
のバンドギャップよりも小さく、前記活性層の発光スペ
クトルのピークを与える波長に対応するエネルギよりも
大きなバンドギャップを有する半導体材料で形成された
電流拡散層と、 前記電流拡散層の上面のうち一部の領域上に形成され、
該電流拡散層にキャリアを注入する第1の電極と、 前記第1の電極から注入されるキャリアとは反対の電荷
を有するキャリアを、前記活性層内に注入するための第
2の電極とを有する半導体発光装置。 - 【請求項2】 前記支持基板のバンドギャップが、前記
活性層の発光スペクトルのピークを与える波長に対応す
るエネルギよりも大きい請求項1に記載の半導体発光装
置。 - 【請求項3】 前記支持基板の主面とは反対側の背面か
ら前記活性層までの厚さが、前記電流拡散層の上面から
前記活性層までの厚さよりも厚い請求項1または2に記
載の半導体発光装置。 - 【請求項4】 前記発光積層構造が、さらに前記活性層
と下部クラッド層との間に挿入された下部キャリア閉込
層、及び前記活性層と上部クラッド層との間に挿入され
た上部キャリア閉込層とを含み、該下部キャリア閉込層
と上部キャリア閉込層とのバンドギャップが、前記活性
層のバンドギャップよりも大きく、かつ前記下部クラッ
ド層及び上部クラッド層のバンドギャップよりも小さい
半導体材料で形成されている請求項1〜3のいずれかに
記載の半導体発光装置。 - 【請求項5】 前記支持基板の主面の法線方向に沿って
見たときの前記活性層の面積をSとし、前記電流拡散層
の厚さをdとしたとき、d/Sが0.03mm-1以上で
ある請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項6】 前記活性層で発生した光が、前記支持基
板側及び前記電流拡散層側の双方に取り出される請求項
1〜5のいずれかに記載の半導体発光装置。
Priority Applications (1)
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JP2001166741A JP2002359396A (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 半導体発光装置 |
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JP2001166741A JP2002359396A (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | 半導体発光装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7208755B2 (en) | 2003-03-27 | 2007-04-24 | Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. | Light-emitting device and method of fabricating the same |
JP2012069959A (ja) * | 2004-07-27 | 2012-04-05 | Cree Inc | P型窒化物発光デバイス用の極薄オーミックコンタクトおよび形成方法 |
-
2001
- 2001-06-01 JP JP2001166741A patent/JP2002359396A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7208755B2 (en) | 2003-03-27 | 2007-04-24 | Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. | Light-emitting device and method of fabricating the same |
JP2012069959A (ja) * | 2004-07-27 | 2012-04-05 | Cree Inc | P型窒化物発光デバイス用の極薄オーミックコンタクトおよび形成方法 |
US8759868B2 (en) | 2004-07-27 | 2014-06-24 | Cree, Inc. | Ultra-thin ohmic contacts for p-type nitride light emitting devices |
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