JP2002357186A - 圧縮機および該圧縮機の製造方法 - Google Patents

圧縮機および該圧縮機の製造方法

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JP2002357186A
JP2002357186A JP2001165086A JP2001165086A JP2002357186A JP 2002357186 A JP2002357186 A JP 2002357186A JP 2001165086 A JP2001165086 A JP 2001165086A JP 2001165086 A JP2001165086 A JP 2001165086A JP 2002357186 A JP2002357186 A JP 2002357186A
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projection
welding
compressor
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JP2001165086A
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Osamu Hiramatsu
修 平松
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masaki Ota
太田  雅樹
Takenori Sawa
武憲 澤
Hirohiko Tanaka
洋彦 田中
Naoki Usui
直樹 臼井
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機において、プロジェクション溶接によ
って接合された溶接接合部材の接合状態を良好に維持す
るのに有効な技術を提供する。 【解決手段】 斜板形可変容量圧縮機100において、
回転斜板10を構成する斜板本体11とスイングアーム
19、また、ローター30を構成する回転盤31と支持
アーム34は、それぞれプロジェクション溶接によって
接合されている。スイングアーム19と斜板本体11と
の接合部は、貫通孔11bを介して回転斜板10の外部
と連通され、支持アーム34と回転盤31との接合部
は、貫通孔31bを介してローター30の外部と連通さ
れている。これにより、接合部に密閉されたガスが残留
するおそれがなく、従って、運転時における高温環境下
であっても、残留ガスの膨張によって接合部の接合状態
に支障をきたすのを回避することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両空調装置等に
用いられる圧縮機およびその製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平11−264371号公報には、
車両空調用に用いられる斜板形の可変容量圧縮機が開示
されている。この圧縮機において、駆動軸のトルクは、
該駆動軸に固着されたローターからヒンジ機構を介して
回転斜板に伝達される。この回転斜板にはシューを介し
てピストンが連結され、該ピストンが回転斜板の回転移
動に伴ってシリンダボア内を往復運動することにより、
吸入冷媒が圧縮され高圧化されて吐出される。また、回
転斜板は、駆動軸上をスライド移動可能、且つ駆動軸に
対し傾動可能に構成されている。この回転斜板が収容さ
れるクランク室内の圧力を容量制御弁によって変化(増
減)させることにより、駆動軸に対する回転斜板の傾斜
角度が変更され、ピストンのストローク量および冷媒の
吐出容量が変更される。
【0003】上記のような圧縮機において、例えば回転
斜板は斜板本体に、ヒンジ機構を構成するアーム部が鋳
造によって一体に成形されている。このような鋳造によ
る成形方法では、複雑な形状や薄肉形状に形成すること
ができないため、例えば、突出して成形されているアー
ム部においては余肉が付くことが避けられず、大型化及
び大重量化を招いていた。そこで、上記のような圧縮機
において、回転斜板の軽量化及びコスト低減を図ること
を目的として、回転斜板を構成する斜板本体およびアー
ム部を、それぞれプレス成形によって形成したのち、そ
れらをプロジェクション溶接によって接合するという考
え方が提案されている。プロジェクション溶接は、一方
の部材に突起(プロジェクション)を設け、この突起を
他方の部材に押し当てた状態で電流を流すことで、突起
を溶解させて溶接を行うのが一般である。このようなプ
ロジェクション溶接を用いて回転斜板の成形を行う場
合、斜板本体とアーム部との位置決め精度を確保する必
要性から、一方の部材の突起に対応する形状の凹部を他
方の部材に設け、突起と凹部とを嵌合させた状態で電流
および圧力を付与し溶接を行うのが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなプロジェクション溶接は、斜板本体とアーム部と
の位置決め精度の確保には有効であるものの、溶接後の
接合部において溶解した突起と凹部との間に密閉空間が
形成され、この密閉空間にガスが残留する。そして、こ
の残留ガスは、圧縮機の運転時の高温環境下において温
度上昇により膨張し、この膨張によって接合部の接合状
態に支障をきたすおそれがある。
【0005】そこで、本発明は、以上のような点に鑑み
てなされたものであり、その課題とするところは、圧縮
機において、プロジェクション溶接によって接合された
溶接接合部材の接合状態を良好に維持するのに有効な技
術を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の圧縮機は、請求項1および2に記載の通り
に構成される。また、本発明の圧縮機の製造方法は、請
求項3に記載の通りである。これら請求項に係る発明
は、圧縮機の溶接接合部材において、プロジェクション
溶接用の突起に対して接合された接合部に、該接合部と
溶接接合部材外部とを連通する連通部を設けることで、
接合部の接合状態を良好に維持するようにした技術であ
る。
【0007】請求項1に記載した圧縮機では、プロジェ
クション溶接によって接合された溶接接合部材が設けら
れている。例えば、2つの部材がプロジェクション溶接
によって接合され、溶接接合部材が形成されている。プ
ロジェクション溶接は、一方の部材に突起(プロジェク
ション)を設け、この突起を他方の部材に押し付けた状
態で、この突起に圧力および電流を集中させることで突
起を溶解させ、両部材を接合するものである。そして、
溶接接合部材において、突起に対応して形成された接合
部には連通部が設けられている。この連通部は、接合部
と溶接接合部材外部とを連通するものである。例えば、
一方の部材に設けられた突起に対応して、この突起が嵌
まり込む連通部を他方の部材に設けることができる。こ
の場合、接合部は、外部と連通しているため密閉された
空間を形成することがない。この連通部は、所定の部材
を板厚方向に貫通して形成されるものが好ましい。これ
により、プロジェクション溶接後に、接合部にガスが密
閉されて残留することがない。従って、圧縮機運転時の
高温環境下であっても接合部の接合状態に支障をきたす
ことがない。以上のように、請求項1に記載の圧縮機に
よれば、接合部と溶接接合部材外部とを連通する連通部
を設けることで、プロジェクション溶接によって接合さ
れた溶接接合部材の接合状態を良好に維持することがで
きる。なお、本発明でいう「圧縮機」は、斜板形の可変
容量圧縮機、固定容量圧縮機、スクロール型圧縮機等を
広く含むものとする。
【0008】請求項2に記載した圧縮機では、駆動軸、
回転斜板、ヒンジ機構、ピストン等が設けられている。
この駆動軸は、例えば車両エンジンからクラッチ機構を
介して伝達されるトルクによって回転するようになって
いる。回転斜板は、駆動軸を挿通する挿通孔を有し、こ
の挿通孔が駆動軸と摺接する。この回転斜板は、駆動軸
に取り付けられた状態で駆動軸に対し傾動できるように
なっている。ヒンジ機構は、ローターと回転斜板とを連
結するようになっている。このヒンジ機構は、駆動軸の
回転トルクを回転斜板に伝達する一方、駆動軸に対する
回転斜板の傾斜角度を変更するものである。ピストン
は、シリンダボアに収容され、回転斜板に連結されてい
る。そして、回転斜板の回転移動にともなってこのピス
トンがシリンダボア内を往復動し、冷媒の吸入、圧縮お
よび吐出移動を行うようになっている。更に、駆動軸に
対する回転斜板の傾斜角度は、ヒンジ機構を介して変更
され、これによりピストンのストローク量および冷媒の
吐出容量が変更されるようになっている。また、請求項
2に記載した圧縮機では、回転斜板とローターのうちの
少なくとも一方は、プロジェクション溶接によって接合
された溶接接合部材によって構成されている。すなわ
ち、回転斜板とローターの両方、あるいはいずれか一方
はプロジェクション溶接によって接合された構成を有す
る。回転斜板自体やローター自体が溶接接合部材であっ
てもよいし、あるいは、回転斜板を構成する部材やロー
ターを構成する部材が溶接接合部材であってもよい。そ
して、回転斜板やローターを構成する溶接接合部材にお
いて、突起に対応して形成された接合部には連通部が設
けられている。この連通部は、接合部と溶接接合部材外
部とを連通するものである。すなわち、接合部は、外部
と連通しているため密閉された空間を形成することがな
い。これにより、プロジェクション溶接後に、接合部に
ガスが密閉されて残留することがない。従って、圧縮機
運転時の高温環境下であっても接合部の接合状態に支障
をきたすことがない。以上のように、請求項2に記載の
圧縮機によれば、接合部と溶接接合部材外部とを連通す
る連通部を設けることで、プロジェクション溶接によっ
て接合された回転斜板やローターの接合状態を良好に維
持することができる。とりわけ、軽量化、コスト低減、
加工精度の要請の高い、回転斜板やローター、またこれ
らを構成する部材をプロジェクション溶接によって接合
するのに有効である。
【0009】請求項3に記載の圧縮機の製造方法は、請
求項1,2に記載した圧縮機をプロジェクション溶接に
よって製造する方法である。この圧縮機の製造方法で
は、溶接接合部材を構成する第1および第2の部材にお
いて、第1の部材にプロジェクション溶接用の突起(プ
ロジェクション)を設ける。第2の部材に、突起と対応
する位置に連通部を設ける。また、突起と連通部との係
合関係によって、第1の部材と第2の部材とを相互に位
置決めする。これにより、プロジェクション溶接用の突
起を用いて第1の部材と第2の部材の位置決めを行うこ
とができるため合理的である。そして、第1および第2
の部材に電流および圧力を付与する。電極プラテンによ
って両部材を押し付けた状態で、突起に電流および圧力
を集中させる。これにより、第1の部材と第2の部材と
が相互に位置決めされた状態で、突起が溶解し両部材を
接合することができる。プロジェクション溶接後は、接
合部は連通部を通じて外部と連通されるため、接合部に
ガスが密閉されて残留することがなく、従って、圧縮機
運転時の高温環境下であっても接合部の接合状態に支障
をきたすことがない。以上のように、請求項3に記載の
圧縮機の製造方法によれば、とりわけ、軽量化、コスト
低減、加工精度の要請が高い圧縮機の構成部材を、プロ
ジェクション溶接を用いて製造するのに有効である。ま
た、プロジェクション溶接によって接合された溶接接合
部材の接合状態を良好に維持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態を
図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、吸入
冷媒を圧縮して高圧化し吐出する車両空調用としての斜
板形の可変容量圧縮機について説明する。ここで、図1
は第1実施の形態の斜板形可変容量圧縮機100の縦断
面図である。
【0011】図1に示すように、本発明における圧縮機
としての斜板形可変容量圧縮機(以下、「圧縮機」とい
う)100は、シリンダブロック1、該シリンダブロッ
ク1の前端(図中の左側)に締結されたフロントハウジ
ング2、シリンダブロック1の後端(図中の右側)にバ
ルブプレート6を介して締結されたリヤハウジング5を
備えている。リヤハウジング5は、冷媒を吸入する吸入
室3、吸入室3から吸入され圧縮された圧縮冷媒を吐出
する吐出室4を有している。バルブプレート6には、吸
入弁3bを介して吸入室3とシリンダボア1aとを連通
する吸入ポート3a、吐出弁4bを介して吐出室4とシ
リンダボア1aとを連通する吐出ポート4a等が設けら
れている。また、バルブプレート6には、フロントハウ
ジング2内のクランク室9と吸入室3とを連通する抽気
通路16が設けられている。
【0012】シリンダブロック1およびフロントハウジ
ング2には、外部駆動源としての車両エンジンに電磁ク
ラッチ等のクラッチ機構(図示省略)を介して連結され
た駆動軸8が挿通されている。従って、駆動軸8は、車
両エンジンの起動状態においてクラッチ機構を介して回
転駆動される。また、この駆動軸8は、シリンダブロッ
ク1およびフロントハウジング2に設けられたベアリン
グ機構によって回転可能に支持されている。
【0013】クランク室9には、円板状の回転斜板10
が収容されている。この回転斜板10は、斜板本体11
とスイングアーム19とによって構成されている。すな
わち、斜板本体11とスイングアーム19とは、斜板本
体11のボス部11cをスイングアーム19の挿入部1
9dに嵌め込んだ状態で、後述するプロジェクション溶
接によって接合されている。この回転斜板10が本発明
における溶接接合部材に対応している。本実施の形態で
は、回転斜板10自体が溶接接合部材となっている。ス
イングアーム19は、斜板本体11の反シリンダブロッ
ク1側の2箇所にローター30に向かって延在され、そ
の先端部にはガイドピン19aが圧入固定されている。
また、スイングアーム19は、斜板本体11との接合部
に、プロジェクション溶接時に突起(プロジェクショ
ン)が溶解して形成された凸部19cを有する。斜板本
体11は、その中央位置に挿通孔12を有し、この挿通
孔12に駆動軸8が挿通されている。また、斜板本体1
1には、その板厚方向に貫通する貫通孔11bが設けら
れている。この貫通孔11bが本発明における連通部に
対応している。これにより、スイングアーム19と斜板
本体11との接合部は、貫通孔11bを介して回転斜板
10の外部と連通されることとなる。貫通孔11bは、
スイングアーム19の凸部19c側が凹状に形成されて
いる。この貫通孔11bと凸部19cとが係合する箇所
が、本発明における接合部に対応している。
【0014】駆動軸8には、この駆動軸8と一体に回転
するローター30が固着されている。このローター30
は円形の回転盤31を有し、この回転盤31に支持アー
ム34、バランスウエイト部33等を備えている。ま
た、回転盤31には駆動軸8を挿入する挿入孔31aが
設けられている。このローター30は、回転盤31と支
持アーム34とによって構成されている。すなわち、回
転盤31と支持アーム34とは、回転盤31のボス部3
1cを支持アーム34の挿入部34dに嵌め込んだ状態
で、後述するプロジェクション溶接によって接合されて
いる。このローター30が本発明における溶接接合部材
に対応している。本実施の形態では、ローター30自体
が溶接接合部材となっている。支持アーム34は、スイ
ングアーム19側のガイドピン19aに対応した形状の
支持孔34aを有している。また、支持アーム34は、
回転盤31との接合部にプロジェクション溶接時に突起
(プロジェクション)が溶解して形成された凸部34c
を有する。回転盤31には、その板厚方向に貫通する貫
通孔31bが設けられている。この貫通孔31bが本発
明における連通部に対応している。これにより、支持ア
ーム34と回転盤31との接合部は、貫通孔31bを介
してローター30の外部と連通されることとなる。貫通
孔31bは、支持アーム34の凸部34c側が凹状に形
成されている。この貫通孔31bと凸部34cとが係合
する箇所が、本発明における接合部に対応している。
【0015】ローター30は、ヒンジ機構20を介して
回転斜板10と連結されている。すなわち、ローター3
0側の支持アーム34と、回転斜板10側のスイングア
ーム19とが、支持孔34aおよびガイドピン19aを
介して係合する係合構造によってヒンジ機構20が構成
されている。すなわち、ガイドピン19aが支持孔34
aに挿入された状態で、支持アーム34がガイドピン1
9aを支持する一方、ガイドピン19aは支持孔34a
内を摺動可能になっている。従って、このヒンジ機構2
0は、支持アーム34とスイングアーム19とが係合し
た状態で、駆動軸8の回転トルクを回転斜板10に伝達
する一方、回転斜板10の傾動を可能とする。すなわ
ち、回転斜板10は、駆動軸8に対し摺動可能かつ傾動
可能になっている。
【0016】ローター30とフロントハウジング2との
間には、回転盤31の前面に当接するスラストベアリン
グ40が設けられている。そして、ピストン15の往復
移動によって生じる圧縮反力は、ピストン15、シュー
14、回転斜板10、ヒンジ機構20およびスラストベ
アリング40を介して、フロントハウジング2で受け止
められるようになっている。
【0017】シリンダブロック1には、円周方向に所定
間隔で配置された所定数のシリンダボア1aが設けられ
ている。各シリンダボア1a内にはそれぞれピストン1
5が摺動可能に収容されている。また、ピストン15の
背面側は、シュー14を介して回転斜板10に連結され
ている。従って、回転斜板10が駆動軸8の回転に伴っ
て回転運動すると、この回転運動に伴って各ピストン1
5は各シリンダボア1a内を往復動するように構成され
ている。このようにピストン15が往復動することによ
り、例えば吸入工程を行うシリンダボア内に冷媒が吸入
され、吐出工程を行うシリンダボア内から、圧縮され高
圧化された圧縮冷媒が吐出される。
【0018】圧縮機100の吐出容量は、ピストン15
のストローク量(ピストンの上死点から下死点までの距
離)によって定められ、ピストン15のストローク量は
回転斜板10の傾斜角度によって定められるように構成
されている。すなわち、駆動軸の軸線Lに対する回転斜
板10の傾斜角度θが大きいほどピストン15のストロ
ーク量および吐出容量が大きくなり、一方回転斜板10
の傾斜角度θが小さいほどピストン15のストローク量
および吐出容量が小さくなる。また、運転中における回
転斜板10の傾斜角度θは、シリンダボア1a内とクラ
ンク室9内との圧力差によって決定され、この差圧は容
量制御弁18によって調節されるように構成されてい
る。
【0019】この容量制御弁18は、シリンダブロック
1およびリヤハウジング5にわたり、吐出室4とクラン
ク室9とを連通する給気通路17に設けられている。こ
の容量制御弁18は電磁弁であり、給気通路17の開度
を容量制御弁18によって調整するようになっている。
給気通路17の開度を調整することによって、クランク
室9の圧力が変更され、シリンダボア1a内の圧力とク
ランク室9内の圧力との圧力差が調整される。その結
果、駆動軸8に対する回転斜板10の傾斜角度θが変更
され、ピストン15のストローク量が変更されて、吐出
容量が調整されることとなる。
【0020】次に、回転斜板10を構成する斜板本体1
1とスイングアーム19とをプロジェクション溶接によ
って接合する方法、すなわち回転斜板10の製造方法に
ついて図2〜図4を参照しながら説明する。ここで、図
2は、斜板本体11とスイングアーム19とを接合する
前の状態を示す断面図である。図3および図4は、いず
れも本実施の形態のプロジェクション溶接による接合過
程を模式的に示す断面図である。
【0021】図2に示すように、接合前のスイングアー
ム19には、突起19b(プロジェクション)が形成さ
れている。この突起19bは、エンボス加工等によって
形成することができる。一方、接合前の斜板本体11に
は、突起19bに対応する位置に、斜板本体11を板厚
方向に貫通する貫通孔11bが設けられている。従っ
て、斜板本体11のボス部11cにスイングアーム19
の挿入部19dを挿入することで、突起19bと貫通孔
11bとが係合し互いに位置決めされるようになってい
る。
【0022】図3に示すように、突起19bと貫通孔1
1bとが係合し互いに位置決めされた状態では、斜板本
体11とスイングアーム19との間に微小なクリアラン
スが形成されるようになっている。すなわち、貫通孔1
1bの突起19b側は、突起19bよりも若干小さい形
状となっている。そして、溶接時に溶解した突起19b
が貫通孔11bへ流入すると、溶接後は斜板本体11と
スイングアーム19との間のクリアランスが埋まり、斜
板本体11とスイングアーム19とが密着するようにな
っている。図3に示す状態において、電極プラテン6
0,62により斜板本体11とスイングアーム19を押
圧しながら、両電極プラテン60,62間に電源64か
ら電流を流す。これにより、突起19bに押圧力が集中
するとともに電流も集中することで、突起19bは溶解
して貫通孔11bへ流入し、図4に示すように、突起1
9bが溶解して形成された凸部19cと貫通孔11bと
が密着した状態で接合されることとなる。このように、
凸部19cは貫通孔11bを通じて斜板本体11の外部
と連通されるため、凸部19cと貫通孔11bとが係合
する接合部に、密閉されたガスが残留するおそれがな
い。なお、ローター30においても、上記プロジェクシ
ョン溶接と同様の手順によって、回転盤31と支持アー
ム34とを接合することができる。これにより、凸部3
4cと貫通孔31bとが係合する接合部に、密閉された
ガスが残留するおそれがない。従って、圧縮機100の
運転時における高温環境下であっても、残留ガスの膨張
によって接合部の接合状態に支障をきたすのを回避する
ことができる。
【0023】以上のように、本実施の形態によれば、斜
板本体11とスイングアーム19との接合部を、斜板本
体11の外部と連通する貫通孔11bを設けることで、
プロジェクション溶接によって接合された回転斜板10
やローター30の接合状態を良好に維持することができ
る。とりわけ、軽量化、コスト低減、加工精度の要請の
高い、回転斜板11やローター30をプロジェクション
溶接によって接合するのに有効である。また、プロジェ
クション溶接用の突起19bを、斜板本体11とスイン
グアーム19との位置決めに用いることができるため合
理的である。
【0024】なお、本発明は上記の実施の形態のみに限
定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられ
る。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実
施することもできる。
【0025】(A)上記本実施の形態では、斜板本体1
1を板厚方向に貫通する貫通孔11bによって、接合部
と斜板本体11の外部を連通する場合について記載した
が、斜板本体11を板厚方向に貫通しない孔を斜板本体
11に設ける構成であってもよい。この別の実施の形態
について図5および図6を参照しながら説明する。図5
および図6は、いずれも本実施の形態のプロジェクショ
ン溶接による接合過程を模式的に示す断面図である。図
5に示すように、この実施の形態では、斜板本体11に
は、本実施の形態の貫通孔11bにかえて、突起19b
に対応した凹部11eおよび、この凹部11eを斜板本
体11のスイングアーム19側とを連通する孔11dが
設けられている。この凹部11eおよび孔11dによっ
て本発明における連通部が構成されている。図5に示す
状態において、電極プラテン60,62により斜板本体
11とスイングアーム19を押圧しながら、両電極プラ
テン60,62間に電源64から電流を流すことで、図
6に示すように、突起19bが溶解して形成された凸部
19cと凹部11eとが密着した状態で接合されること
となる。
【0026】(B)また、上記本実施の形態では、斜板
形の可変容量圧縮機100において、回転斜板11およ
びローター30をプロジェクション溶接によって接合す
る場合について記載したが、圧縮機100を構成する他
の溶接接合部材に本発明を適用することもできる。ま
た、斜板形の可変容量圧縮機100以外の圧縮機、例え
ば固定容量圧縮機、スクロール型圧縮機の溶接接合部材
に本発明を適用することもできる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧縮機において、プロジェクション溶接によって接合さ
れた溶接接合部材の接合状態を良好に維持するのに有効
な技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の斜板形可変容量圧縮機
100の縦断面図である。
【図2】斜板本体11とスイングアーム19とを接合す
る前の状態を示す断面図である。
【図3】本実施の形態のプロジェクション溶接による接
合過程を模式的に示す断面図である。
【図4】本実施の形態のプロジェクション溶接による接
合過程を模式的に示す断面図である。
【図5】別の実施の形態のプロジェクション溶接による
接合過程を模式的に示す断面図である。
【図6】別の実施の形態のプロジェクション溶接による
接合過程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック 2…フロントハウジング 8…駆動軸 9…クランク室 10…回転斜板 11…斜板本体、11b…貫通孔(連通部) 12…挿通孔 19…スイングアーム、19b…突起(プロジェクショ
ン)、19c…凸部 20…ヒンジ機構 30…ローター 31…回転盤、31b…貫通孔(連通部) 34…支持アーム、34a…支持孔、34c…凸部 60,62…電極プラテン 64…電源 100…(斜板形可変容量)圧縮機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 澤 武憲 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 田中 洋彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 臼井 直樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AB07 AC03 CD00 3H076 AA06 BB38 BB50 CC12 CC20 CC31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロジェクション溶接によって接合され
    た溶接接合部材を有する圧縮機であって、 前記溶接接合部材は、プロジェクション溶接用の突起に
    対応して形成された接合部と、該接合部が溶接接合部材
    外部と連通する連通部とを備えていることを特徴とする
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 駆動軸と、該駆動軸に固着されるロータ
    ーと、挿通孔を介して前記駆動軸に取付けられる回転斜
    板と、前記ローターと前記回転斜板とを連結するヒンジ
    機構と、前記回転斜板を介してシリンダボア内を往復動
    するピストンとを有し、前記回転斜板が前記ヒンジ機構
    を介し前記駆動軸に対する傾斜角度が変更されること
    で、前記ピストンのストローク量および冷媒の吐出容量
    が変更される圧縮機であって、 前記回転斜板およびローターのうちの少なくとも一方
    は、プロジェクション溶接によって接合された溶接接合
    部材によって構成され、該溶接接合部材は、プロジェク
    ション溶接用の突起に対応して形成された接合部と、該
    接合部が溶接接合部材外部と連通する連通部とを備えて
    いることを特徴とする圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載した圧縮機をプ
    ロジェクション溶接によって製造する圧縮機の製造方法
    であって、 前記溶接接合部材を構成する第1および第2の部材にお
    いて、前記第1の部材にプロジェクション溶接用の突起
    を設け、前記第2の部材の前記突起と対応する位置に前
    記連通部を設けるステップと、 前記第1の部材と前記第2の部材とを、前記突起および
    連通部を介して相互に位置決めするステップと、 前記第1および第2の部材に電流および圧力を付与する
    ことで、前記突起を溶解させて両部材を接合するステッ
    プとを有することを特徴とする圧縮機の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7504160B2 (en) * 2004-09-15 2009-03-17 Wieland-Werke Ag Sliding body and process for producing a sliding body, and its use

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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