JP2002357056A - 移動式パネルにおける遮蔽構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動式パネル上方からガイドレール下端にか
けて形成される隙間空間を支持軸周りも含めて確実に遮
蔽するとともに、容易に取り付けることが可能な移動式
パネルにおける遮蔽構造を提供すること。 【解決手段】 上部が天井に架設したガイドレール３に
案内部材８により案内され、下部が床面に走行自在のキ
ャスタにより支持された移動式パネル１の遮蔽構造にお
いて、前記パネル１は案内部材８から下方に延出した支
持軸７により上下方向に移動可能に支持され、パネル１
上端とガイドレール３下端とで形成された間隙を前記支
持軸７周りを含めて一つの弾性変形可能な遮蔽部材１０
で遮蔽すること。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上部が天井に架設
したガイドレールに案内部材により案内され、下部が床
面に走行自在のキャスタにより支持された室内空間を仕
切る移動間仕切り用のパネルや衝立、展示パネル等とし
て使用することができる移動式パネルにおける遮蔽構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば移動間仕切に用いられる従来の移
動式パネルは、上方に設けられた支持軸によって、天井
に設けられたガイドレールに吊支されながら移動するよ
うになっているものが殆どであった。

【０００３】そのため、ガイドレールにはパネルの全重
量が加わり、特にモータ等の駆動機構を備える自走式の
パネルにおいては、その重量がかなり大となるため、ガ
イドレールに作用する荷重も極めて大きくなってしまっ
ていた。

【０００４】そこで本願の出願人は、ガイドレールに作
用する負荷を軽減するために、図７（ａ）に示すよう
な、間仕切り用の移動式パネルを開発した。この開発し
た移動式パネル０１は、上端部から上方に向かって設け
られた支持軸０７を有し、この支持軸０７先端には案内
部材であるガイドローラ０８が設けられている。ガイド
ローラ０８は移動式パネル０１を案内するために天井０
２に架設したガイドレール０３に摺動可能に支持されて
いる。部屋を間仕切るには、各移動式パネル０１を壁面
０５に向かって床面０４上をキャスタ０１５により１枚
ずつ移動し、隣接する移動式パネル０１の側端面に形成
された凹溝と凸条（いずれも図示略）同士を嵌合させる
ようにして、天井０２と床面０４との間に立設させてい
た。

【０００５】そして移動式パネル０１の斜視図である図
７（ｂ）に示すように、各移動式パネル０１のサイドフ
レーム０１２の上端部内に固着された支持ブロック０６
には、支持軸０７が、上下に摺動自在に貫通して保持さ
れ、その上端部には、上記ガイドレール０３内を転動す
るガイドローラ０８が、回転自在に取付けられている。

【０００６】支持軸０７の下端部は、支持ブロック０６
の下端より所定長さ突出させてあり、下端部には抜け止
めリング（図示せず）が嵌合固定されているので、サイ
ドフレーム０１２と外装板０１１からなるパネル部は抜
け落ちることがない。

【０００７】また図７（ａ）に示すように、各移動式パ
ネル１の下端部は横長箱状となりその下面は開口してい
る。この横長箱状内には上下動可能な可動板が収容され
ており、また可動板下面の前後両端部付近には、走行自
在のキャスタ０１５，０１５が横長箱状内に収容可能に
取付けられている。

【０００８】したがって移動式パネル０１をガイドレー
ル０３に沿って移動させる際は、上記両キャスタ０１５
により支持されて移動式パネル０１が移動するので、ガ
イドレール０３に荷重が加わるのを防止され、強度の小
さい安価なガイドレール０３の使用を可能とするととも
に、既存の建物の天井０２にも容易に取付けられる。そ
して、利用者は移動式パネル０１を希望する位置に移動
した後、可動板を押し上げてキャスタ０１５を引き上
げ、パネルの下端面が床面０４に設置されるよう押し下
げることにより、移動式パネル０１の移動が床面０４で
拘束される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した移動
式パネルにおいても、次のような解決すべき課題が残さ
れていた。すなわち、移動式パネル０１設置持にパネル
が床面に向かって下方に移動するので、その移動した
分、天井０２に取付けられたガイドレール０３の下端と
移動式パネル０１上端との隙間が広がってしまい、移動
式パネル０１の背面側の空間（間仕切りされた隣の部
屋）から光や音が隙間から漏れてしまうので、この隙間
を閉塞するために矩形状の２枚の遮蔽板０１９を外装板
０１１の前面側と背面側からそれぞれ取り付けることが
案出されているが、取付けに手間がかかるばかりでな
く、支持軸周りまで完全に遮蔽するものではなかった。

【００１０】また、パネル０１を下方に移動しないよう
に、キャスタを引っ込めないタイプのものも案出されて
いるが、それでもガイドレール下面とパネル上面の間に
形成される隙間を完全になくすことはできなかった。

【００１１】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、移動式パネル上方からガイドレール下端に
かけて形成される隙間空間を支持軸周りも含めて確実に
遮蔽するとともに、容易に取り付けることが可能な移動
式パネルにおける遮蔽構造を提供することを目的として
いる。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の移動式パネルにおける遮蔽構造は、上部が
天井に架設したガイドレールに案内部材により案内さ
れ、下部が床面に走行自在のキャスタにより支持された
移動式パネルにおける遮蔽構造であって、前記パネルは
前記案内部材から下方に延出した支持軸により上下方向
に移動可能に支持され、前記パネル上端とガイドレール
下端とで形成された間隙を前記支持軸周りを含めて一つ
の弾性変形可能な遮蔽部材で遮蔽することを特徴として
いる。この特徴によれば、遮蔽部材が弾性変形可能な部
材からなるので、移動パネルの上下動に対しても緩衝機
能として対応でき、かつ遮蔽しにくい支持軸周りの間隙
の遮蔽することができるので、確実な遮光及び遮音効果
を得ることができる。

【００１３】上記移動式パネルにおける遮蔽構造におい
て、前記支持軸が前記パネルの両端部に設けられ、前記
遮蔽部材の両端部は前記支持軸を挿通する円筒部材で構
成されているのが好ましい。このようにすると、円筒部
材を支持軸に挿通するだけで遮蔽部材の装着でき、遮蔽
部材の取付けに手間がかからない。

【００１４】上記移動式パネルにおける遮蔽構造におい
て、前記遮蔽部材は前記両端部と該両端部と連結した２
つの矩形板で構成されているいるのが好ましい。このよ
うにすると、たとえガイドレールに矩形板が当接したと
しても、矩形板の柔軟性により移動式パネルの移動に対
する抵抗が小さいものとなる。

【００１５】上記移動式パネルにおける遮蔽構造におい
て、前記矩形板は上方側に櫛状のブラシが設けられてい
るのが好ましい。このようにすると、ガイドレールに矩
形板が当接したとしても、櫛状のブラシにより移動式パ
ネルの移動に対する抵抗がより小さいものとなる。

【００１６】上記移動式パネルにおける遮蔽構造におい
て、前記両端部はその外周が前記パネルの側端部より僅
かに突出しているのが好ましい。このようにすると、隣
り合う移動パネルの両支持軸間も遮蔽部材の突出してい
るところを互いに押し潰して確実に遮蔽できる。

【００１７】上記移動式パネル装置における遮蔽構造に
おいて、前記遮蔽部材は組み付け可能な分割体で構成さ
れているのが好ましい。このようにすると、遮蔽部材を
容易に取り付けや取り外しができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１９】図１は本発明の移動式パネルを示す正面図
であり、移動式パネル１は室内空間を仕切る仕切体であ
って、各移動式パネル１は両側面側に、例えばアルミ等
の硬質軽量の部材であるサイドフレーム１２が取付けら
れ、この両サイドフレーム１２は表面と裏面に並列した
外装板１１の両端側を挟み込むように連結固定され、両
サイドフレーム１２の上方には棒状の支持軸７が突出し
て設けられており、外装板１１の下部には移動式パネル
１を支持し、かつ床面４を走行自在に移動するためのキ
ャスタ１５が２個取り付けられている。

【００２０】また前記支持軸７の上方には案内部材とし
てのガイドローラ８が支持軸７を軸にして回動自在に取
り付けられている。このガイドローラ８は天井２に取り
付けられたガイドレール３の長さ方向に摺動可能に嵌合
されることにより案内部材として、移動式パネル１をガ
イドローラ８に沿って移動させることができる。

【００２１】次に遮蔽部材１０の斜視図である図２と、
図１のＩ−Ｉ線の断面を示す部分拡大側断面図である図
３と、図１の移動式パネル１の上方付近の斜視図である
図４を併せもちいて移動式パネル１の遮蔽構造を詳述す
る。

【００２２】図４において、移動式パネル１のサイドフ
レーム１２の上端と天井２に取り付けられたガイドレー
ル３下端との隙間の間には、遮蔽部材１０がとりつけら
れており、この遮蔽部材１０は図２に示すように、両端
部が支持軸７を挿通する円筒部材１０ａ、１０ａと、こ
の両円筒部材１０ａ、１０ａ連結している２つの矩形板
１０ｂ、１０ｂとで一つの一体化されたものとして構成
されている。

【００２３】遮蔽部材１０は弾性力のあるゴム材により
成型されており、円筒部材１０ａ、１０ａの中心には支
持軸７が貫通可能な挿通孔１０ａ’が設けられているの
で、この挿通孔１０ａ’を支持軸７に挿通させることに
より、移動式パネル１の上部に容易に取り付けることが
できる。これにより、仮に予測しない外力が作用して、
例えば遮蔽部材１０がガイドレールに当接したても、弾
性体で構成されているので、直接移動パネル１に負荷が
かかることなくエネルギーが吸収される。

【００２４】遮蔽部材１０が取り付けられた移動式パネ
ル１は、図３に示されるように、両側端のサイドフレー
ム１２の上端部に固着された支持ブロック６に貫通保持
された支持軸７に対して上下に摺動できるように支持さ
れている。

【００２５】そして支持軸７の下方は、支持ブロック６
の下端より所定長さ突出させてあり、下端部には抜け止
めリング９が嵌合されているので、移動式パネル１は抜
け落ちることがない。そしてサイドフレーム１２と外装
板１１に囲まれた空間内の中心部には移動式パネル１の
強度を高めるために芯材１７が設けられている。この芯
材１７の上端には上部フレーム１３の下端が載置固定さ
れ、左右の外装板１１、１１及び両サイドフレーム１
２、１２と連接して移動パネル１の枠組みを構築してい
る。

【００２６】図５は複数の移動式パネル１の移動連接状
態を示したものであり、移動式パネル１を連接して室内
空間を仕切るには、壁面５に対して垂直になるように架
設されているガイドレール３に沿って壁面５に向けて移
動パネル１を順次キャスタ１５により走行させる。所定
位置にてキャスタ１５を引っ込めるか、そのまま落とし
等を利用して移動式パネル１を固定することにより、室
内を仕切ることができる。

【００２７】そして移動式パネル１を移動中パネル下部
が揺動したり、あるいはキャスタの引っ込め時に、移動
式パネル１が上下動して遮蔽部材１０がガイドレール３
に当接することがあっても、遮蔽部材１０は弾性変形す
ることでそのエネルギーが緩衝される。

【００２８】また一方の移動式パネル１のサイドフレー
ム１２と、他の移動式パネル１のサイドフレーム１２と
を互いに連設する際、遮蔽部材１０は図４にも示される
ようにサイドフレーム１２外端面より若干外方に突出し
ているので、２つの遮蔽部材１０，１０の円筒部材１０
ａ、１０ａ同士の外側面が互いに押し潰しあい支持軸間
を確実に遮蔽できる。

【００２９】図６は上記遮蔽部材１０の変形例を示して
おり、この遮蔽部材１０は矩形板状部１０ｂ’の上部が
上下方向に延びる複数のブラシからなる弾性櫛状部材が
適用されることにより、突状ブラシ部１０ｃが構成され
ている。遮蔽効果を高めるために突状ブラシ部１０ｃを
多少長めに成型し、そのために例えば移動式パネル１を
移動させるときに、ガイドレール３の下端と突状ブラシ
部１０ｃが当接しても、突状ブラシ部１０ｃは柔軟な性
質をもつっているので、抵抗を極力少なくでき、利用者
は所望の位置に移動式パネル１をスムーズに移動させる
ことができる。

【００３０】以上、本発明の実施例を図面により説明し
てきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
や追加があっても本発明に含まれる。例えば、本実施例
では遮蔽部材１０としてゴム部材を用いたが、これに限
ることなく、スポンジ部材やウレタン部材をもちいても
よい。

【００３１】また、本発明では遮蔽部材１０を両端の円
筒部材１０ａと矩形板１０ｂを一体化したものである
が、取付け取り外しを容易にできるように、該円筒部材
１０ａと矩形板１０ｂを組付け可能な分割体にしてもよ
い。例えば２つの円筒部材１０ａ、１０ａを単独でそれ
ぞれの支持軸７に取り付けたのち、矩形板１０ｂを円筒
部材にはめ込んだり、あるいは矩形板をベルト状のもの
で構成して、両円筒部材１０ａを取り巻くようにして取
り付けてもよい。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
ることができる。

【００３３】（ａ）請求項１に記載の発明によれば、遮
蔽部材が弾性変形可能な部材からなるので、移動パネル
の上下動に対しても緩衝機能として対応でき、かつ遮蔽
しにくい支持軸周りの間隙の遮蔽することができるの
で、確実な遮光及び遮音効果を得ることができる。

【００３４】（ｂ）請求項２に記載の発明によれば、円
筒部材を支持軸に挿通するだけで遮蔽部材の装着でき、
遮蔽部材の取付けに手間がかからない。

【００３５】（ｃ）請求項３に記載の発明によれば、た
とえガイドレールに矩形板が当接したとしても、矩形板
の柔軟性により移動式パネルの移動に対する抵抗が小さ
いものとなる。

【００３６】（ｄ）請求項４に記載の発明によれば、ガ
イドレールに矩形板が当接したとしても、櫛状のブラシ
により移動式パネルの移動に対する抵抗がより小さいも
のとなる。

【００３７】（ｅ）請求項５に記載の発明によれば、隣
り合う移動パネルの両支持軸間も遮蔽部材の突出してい
るところを互いに押し潰して確実に遮蔽できる。

【００３８】（ｆ）請求項６に記載の発明によれば、遮
蔽部材を容易に取り付けや取り外しができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す移動式パネルの正面図で
ある。

【図２】移動式パネルに適用される遮蔽部材の斜視図で
ある。

【図３】図１のＩ−Ｉ線の断面を示す部分拡大側断面図
である。

【図４】本発明の移動式パネルの上方付近の部分拡大斜
視図である。

【図５】本発明が適用された移動式パネルの移動・仕切
り状態を示す斜視図である。

【図６】本発明の変形例を示す遮蔽部材の斜視図であ
る。

【図７】（ａ）従来の間仕切り用の移動式パネルの正面
図である。 （ｂ）従来の間仕切り用の移動式パネルの上方部分斜視
図である。

【符号の説明】

１ 移動式パネル ２ 天井 ３ ガイドレール ４ 床面 ５ 壁面 ６ 支持ブロック ７ 支持軸 ８ ガイドローラ（案内部材） ９ 抜け止めリング １０ 遮蔽部材 １０ａ 円筒部材 １０ａ’ 挿通孔 １０ｂ 矩形板 １０ｂ’ 矩形板状部 １０ｃ 突状ブラシ部 １１ 外装板 １２ サイドフレーム １３ 上部フレーム １５ キャスタ １７ 芯材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部が天井に架設したガイドレールに案
   内部材により案内され、下部が床面に走行自在のキャス
   タにより支持された移動式パネルにおける遮蔽構造であ
   って、前記パネルは前記案内部材から下方に延出した支
   持軸により上下方向に移動可能に支持され、前記パネル
   上端とガイドレール下端とで形成された間隙を前記支持
   軸周りを含めて一つの弾性変形可能な遮蔽部材で遮蔽す
   ることを特徴とする移動式パネルにおける遮蔽構造。
2. 【請求項２】 前記支持軸が前記パネルの両端部に設け
   られ、前記遮蔽部材の両端部は前記支持軸を挿通する円
   筒部材で構成されている請求項１に記載の移動式パネル
   における遮蔽構造。
3. 【請求項３】 前記遮蔽部材は前記両端部と該両端部と
   連結した２つの矩形板で構成されている請求項２に記載
   の移動式パネルにおける遮蔽構造。
4. 【請求項４】 前記矩形板は上方側に櫛状のブラシが設
   けられている請求項３に記載の移動式パネルにおける遮
   蔽構造。
5. 【請求項５】 前記両端部はその外周が前記パネルの側
   端部より僅かに突出している請求項２ないし４のいずれ
   かに記載の移動式パネルにおける遮蔽構造。
6. 【請求項６】 前記遮蔽部材は組み付け可能な分割体で
   構成されている請求項１ないし４のいずれかに記載の移
   動式パネルにおける遮蔽構造。