JP2002353300A - 新規アニオン交換体を搭載したクリーンボックス - Google Patents

新規アニオン交換体を搭載したクリーンボックス

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JP2002353300A
JP2002353300A JP2001156972A JP2001156972A JP2002353300A JP 2002353300 A JP2002353300 A JP 2002353300A JP 2001156972 A JP2001156972 A JP 2001156972A JP 2001156972 A JP2001156972 A JP 2001156972A JP 2002353300 A JP2002353300 A JP 2002353300A
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JP
Japan
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clean box
clean
anion exchanger
organic polymer
graft
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Application number
JP2001156972A
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English (en)
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Kunio Fujiwara
邦夫 藤原
Kazuisa Takeda
収功 武田
Hideaki Sekiguchi
英明 関口
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着物質の再放出やアミン汚染などの問題を
引き起こすことなく、半導体ウエハを清浄環境で保管・
移送することのできるクリーンボックスを提供する。 【解決手段】 本発明に係るクリーンボックスは、有機
高分子基材の主鎖上に、ハロゲン化アルキル基をベンゼ
ン環上にもつスチレン系化合物から誘導されたグラフト
重合体側鎖を有し、該グラフト重合体側鎖上に、1つの
3級アミノ基と、更に1つ以上の1級、2級又は3級ア
ミノ基及び/又は4級アンモニウム基を有するポリアミ
ン化合物から誘導される官能基が導入されていることを
特徴とするアニオン交換体が搭載されていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハの搬
送や保管に使用される所謂クリーンボックスに関し、よ
り詳しくは、空気中の化学物質を除去することができ且
つ発生ガス成分の少ないイオン交換体を搭載したクリー
ンボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体用のウエハは、品質、歩留まり向
上のため、化学物質等による汚染の少ない環境に保管さ
れ、また次工程へ搬送される必要がある。従来は、半導
体製造用のクリーンルーム全体を清浄化することによっ
てこの課題に対応していたが、最近、省資源・省エネル
ギーの必要性、及びより高度な清浄化の要求などから、
クリーンルーム全体の清浄化よりも、ウエハ周りの小空
間を清浄化しようという傾向が強い。このような背景
で、ウエハを収容して保管・移送するための小空間を形
成する所謂クリーンボックスが採用されるようになって
きた。
【0003】クリーンボックスは、その中にウエハを収
容するものであるので、構成材料からの発生ガスや周辺
環境からの化学物質の混入が極力少ないことが求められ
る。従来、クリーンボックスの構成材料としては、発生
ガスの少ない材料を選定して製造されているが、化学物
質のクリーンボックス内部への持ち込み及びクリーンボ
ックス内部での発生は、少なからず起こるものとの前提
で、クリーンボックス内に空気清浄装置を搭載するのが
普通である。このような空気清浄装置付きクリーンボッ
クスとして、例えば、活性炭や活性炭素繊維を搭載した
もの、またそれらに酸やアルカリなどを添着させたも
の、更には、それらに付け加えてファンや他の強制空気
循環装置を搭載したものなどが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような化学物質除去手段は、化学汚染物質の除去効率が
小さく、また吸着された汚染物質が、環境の変化によっ
て容易に再放出されるなど、問題点が多かった。
【0005】これらの問題が少ない化学汚染物質除去材
として、最近、イオン交換樹脂を充填したクリーンボッ
クスが提案されている。しかしながら、これは、化学汚
染物質の除去速度、イオン交換樹脂を充填するための装
置形状の制限、充填したイオン交換樹脂からの発生ガス
などの問題があり、十分に満足できるものではなかっ
た。特に、上記のような用途においてイオン交換樹脂と
してよく用いられる強塩基性アニオン交換樹脂は、通
常、スチレンの高分子骨格に4級アンモニウム基が付与
された構造を有しており、ホフマン分解によって半導体
の品質に重大な影響を与えるトリメチルアミンなどが発
生する。従来の手法では、このような物質の発生を抑制
する手段は少なかった。例えば、従来ベンジル位に導入
されていた4級アンモニウム基の導入部位を変化させて
安定性を増大させる試みがなされているが、コストが大
きいなどの問題点があった。
【0006】このような状況の下、クリーンボックスの
ような小空間で用いることができるように成形加工する
ことが容易であり、且つ化学汚染物質の除去効果が大き
く、自身からの発生ガスの少ない除去剤を搭載したクリ
ーンボックスが待望されていた。
【0007】イオン交換体として一般的に知られている
ビーズ状のイオン交換樹脂は、スルホン酸基などを有す
る強酸性カチオン交換樹脂、4級アンモニウム基などを
有する強塩基性アニオン交換樹脂、カルボキシル基など
を有する弱酸性カチオン交換樹脂、及び3級アミノ基な
どを有する弱塩基性アニオン交換樹脂に大別される。こ
の中で最も広く利用されるイオン交換樹脂は、強酸性カ
チオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂である。
【0008】これらのイオン交換樹脂の製造において
は、一般に、ポリスチレンをジビニルベンゼンで架橋し
たビーズなどを基材樹脂として用いる。次に、例えばス
ルホン基を有する強酸性カチオン交換樹脂を製造する場
合には、この基材樹脂を硫酸やクロロスルホン酸のよう
なスルホン化剤で処理してスルホン化を行い、基材にス
ルホン基を導入することによって、強酸性カチオン交換
樹脂を得る。また、例えば4級アンモニウム基を有する
強塩基性アニオン交換樹脂を製造する場合には、基材樹
脂をクロロメチル化処理した後、トリメチルアミンのよ
うな3級アミンを反応させて4級アンモニウム化を行う
ことにより、強塩基性アニオン交換樹脂を得る。
【0009】強塩基性アニオン交換樹脂の中性塩分解容
量は、通常1.2meq/mLと、強酸性カチオン交換樹脂の
約2.0meq/mLと比べて小さい。このため、強塩基性ア
ニオン交換樹脂を化学物質吸着材として用いる場合に
は、必要なアニオン交換樹脂の量が多くなるので、コス
トが増大すると共に装置が大型化してしまうという問題
があった。したがって、コスト低減及び小型化のため
に、基材に対してより多くのアニオン交換基を導入する
ことが試みられたが、大量の4級アンモニウム基を基材
に導入すると、トリメチルアミンの発生が激しくなると
いう問題があった。これは、4級アンモニウム基の熱に
対する化学的安定性が低いために、加熱などによって4
級アンモニウム基が脱離する、所謂ホフマン分解が起る
ためであると考えられている。このアミン発生の問題
は、基材中に大量の4級アンモニウム基を導入した場合
に限らず、4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオ
ン交換体全般における大きな問題点であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の強
塩基性アニオン交換体における課題を解決するものとし
て、新規なアニオン交換体を見出し、本出願と同日付で
特許出願を行っている。本発明は、この新規なアニオン
交換体を搭載したクリーンボックスを提供することによ
って、クリーンボックスにおける上述の課題を解決する
ものである。即ち、本発明は、有機高分子基材の主鎖上
に、ハロゲン化アルキル基をベンゼン環上にもつスチレ
ン系化合物から誘導されたグラフト重合体側鎖を有し、
該グラフト重合体側鎖上に、1つの3級アミノ基と、更
に1つ以上の1級、2級又は3級アミノ基及び/又は4
級アンモニウム基を有するポリアミン化合物から誘導さ
れる官能基が導入されていることを特徴とするアニオン
交換体が搭載されていることを特徴とするクリーンボッ
クスに関する。
【0011】以下において、本発明のクリーンボックス
において用いられる新規アニオン交換体について、詳細
に説明する。なお、以下の説明において、「ハロゲン化
アルキル基をベンゼン環上にもつスチレン系化合物」
は、便宜上、「ハロゲン化アルキル置換スチレン」と称
する。
【0012】本発明において用いられるアニオン交換体
を製造するための有機高分子基材としては、ポリオレフ
ィン系の有機高分子基材が好ましく用いられる。ポリオ
レフィン系の有機高分子基材は、放射線に対して崩壊性
ではないので、後述する放射線グラフト重合法によって
グラフト側鎖を導入する目的に用いるのに適している。
本発明のアニオン交換体を製造するための有機高分子基
材として好適に用いることのできるポリオレフィン系高
分子材料の具体例としては、ポリエチレン及びポリプロ
ピレンに代表されるポリオレフィン類、PTFE、塩化
ビニル等に代表されるハロゲン化ポリオレフィン類、エ
チレン−四フッ化エチレン共重合体及びエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体(EVA)等に代表されるオレフ
ィン−ハロゲン化オレフィン共重合体などが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0013】また、かかる有機高分子基材の形状として
は、高分子素材繊維やその集合体である織布や不織布、
ネット、フィルム、多孔膜などを好適に用いることがで
きる。これらの形態の高分子は、表面積が大きく、イオ
ンや微量ガス成分の除去速度を大きくすることができ、
更に軽量で成形加工するのが容易である。また、織布/
不織布基材や多孔膜などには、それ自体で濾過機能等を
有するものがあり、このような機能を有する基材にアニ
オン交換基を導入することによって、イオンやガス成分
の除去材としてだけでなく、微粒子等も同時に除去する
ことができるので、クリーンボックス用の清浄化材とし
て極めて有用である。また、織布/不織布材料は、後述
の放射線グラフト重合用の基材として好適に用いること
ができ、また軽量で、加工が容易であり、クリーンボッ
クス内において平膜状や袋状の形態で用いるのに好適で
ある。
【0014】本発明に係るアニオン交換体は、上記に説
明したような有機高分子基材の主鎖上に、ハロゲン化ア
ルキル置換スチレンから誘導されるグラフト重合体側鎖
を形成し、その側鎖上にアニオン交換基が導入されてい
ることを特徴とする。
【0015】本発明において、有機高分子基材の主鎖上
に、グラフト重合体側鎖を導入する手段としては、放射
線グラフト重合法を好ましく用いることができる。放射
線グラフト重合法は、有機高分子基材に放射線を照射し
てラジカルを生成させ、それにグラフトモノマーを反応
させることによって、所望のグラフト重合体側鎖を基材
に導入することのできる方法であり、グラフト鎖の数や
長さを比較的自由にコントロールすることができ、ま
た、各種形状の既存の高分子材料に重合体側鎖を導入す
ることができるので、本発明の目的のために用いるのに
最適である。
【0016】本発明の目的のために好適に用いることの
できる放射線グラフト重合法において、用いることので
きる放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、紫外
線などを挙げることができるが、本発明において用いる
のにはγ線や電子線が適している。放射線グラフト重合
法には、グラフト用基材に予め放射線を照射した後、重
合性単量体(グラフトモノマー)と接触させて反応させ
る前照射グラフト重合法と、基材とモノマーの共存下に
放射線を照射する同時照射グラフト重合法とがあるが、
いずれの方法も本発明において用いることができる。ま
た、モノマーと基材との接触方法により、モノマー溶液
に基材を浸漬させたまま重合を行う液相グラフト重合
法、モノマーの蒸気に基材を接触させて重合を行う気相
グラフト重合法、基材をモノマー溶液に浸漬した後、モ
ノマー溶液から取り出して気相中で反応を行わせる含浸
気相グラフト重合法などが挙げられるが、いずれの方法
も本発明において用いることができる。
【0017】上述したように、繊維や繊維の集合体であ
る織布/不織布は、本発明において用いられるアニオン
交換体を製造するための有機高分子基材として用いるの
に適した素材であるが、これはモノマー溶液を保持し易
いので、含浸気相グラフト重合法において用いるのに適
している。
【0018】本発明において用いられるアニオン交換体
において、有機高分子基材の高分子主鎖上に導入される
グラフト重合体側鎖は、ハロゲン化アルキル置換スチレ
ンから誘導される。かかる重合体側鎖は、有機高分子基
材の主鎖上にハロゲン化アルキル置換スチレンをグラフ
ト重合することによって導入される。本発明において好
ましく用いられるハロゲン化アルキル置換スチレンの一
例としては、次式:
【0019】
【化1】
【0020】で示されるハロゲン化n−アルキル置換ス
チレンを挙げることができる。中でも特に好ましく用い
られるものとしては、次式:
【0021】
【化2】
【0022】で示されるクロロメチルスチレンや、次
式:
【0023】
【化3】
【0024】で示されるブロモエチルスチレンが挙げら
れる。これらの中でも特にクロロメチルスチレンが好ま
しく用いられ、ポリアミン化合物の導入率を大きくする
ことができ、また化学的耐久性も大きい。更には、ビニ
ル基とクロロメチル基とがパラ位に存在するp−クロロ
メチルスチレンを用いてアニオン交換体を形成すると、
イオン除去性能に優れたアニオン交換体を得ることがで
き、本発明の用途に最適である。
【0025】また、高分子基材に導入するグラフト重合
体側鎖としては、ハロゲン化アルキル置換スチレンと他
の重合性単量体との共グラフト重合体側鎖も採用するこ
とができる。例えば、クロロメチルスチレンとアクリル
アミドのような親水性の重合性単量体を、有機高分子基
材に共グラフト重合することにより、基材に他の機能を
付与したり、ポリアミン化合物の導入率を高くすること
ができる。
【0026】本発明において用いられるアニオン交換体
においては、上記のようにして導入されたグラフト重合
体側鎖を有する有機高分子基材に、1つの3級アミノ基
と、更に1つ以上の1級、2級又は3級アミノ基及び/
又は4級アンモニウム基を有するポリアミン化合物を反
応させることによって、かかるポリアミン化合物から誘
導される官能基がグラフト重合体側鎖上に導入されてい
る。本発明において用いることのできるポリアミン化合
物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレントリ
アミンのような直鎖又は分枝鎖状のポリアミン、次式:
【0027】
【化4】
【0028】で表されるトリエチレンジアミン、次式:
【0029】
【化5】
【0030】で表される1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]ウンデ−7−エン(以下、通称に従って「ジア
ザビシクロウンデセン」と称する)、次式:
【0031】
【化6】
【0032】で表されるヘキサメチレンテトラミンなど
のような環状又は多環式ポリアミンなどを挙げることが
できる。特に上記の化学式に示すもので例示されるポリ
アミン化合物は、ブリッジヘッドと呼ばれる孤立電子対
を有し、反応性に富む。したがって、4級アンモニウム
化が容易な上に、グラフト重合体側鎖との結合に供され
なかったアミノ基も非常に反応性に富んでいるため、イ
オン交換容量の増大に大きく寄与する。更に、これらの
ポリアミン化合物は蒸気圧が非常に小さい(室温で固
体)ので、ホフマン分解が起こってアミンが発生したと
してもクリーンボックス内を汚染することがない。
【0033】ハロゲン化アルキルスチレンから誘導され
たグラフト重合体側鎖に、少なくとも一つの3級アミノ
基を有し、更に1つ以上の1級、2級又は3級アミノ基
及び/又は4級アンモニウム基を有するポリアミン化合
物を反応させると、3級アミノ基が4級アンモニウム化
されて、この部位で結合が起こる。しかしながら、ポリ
アミン化合物中に含まれる他のアミノ基又はアンモニウ
ム基は未反応のままとなる。即ち、ハロゲン化アンモニ
ウム1分子に対して2個以上のアミノ基又はアンモニウ
ム基が導入され、この結果、通常のイオン交換樹脂の2
倍以上のアニオン交換基を導入することができる。更
に、本発明のアニオン交換体においては、アニオン交換
基が共有結合によって基材に固定化されているので、活
性炭や添着活性炭のように被吸着物質の再放出や添着物
の漏出の危険性がない。
【0034】従来のビーズ状のイオン交換樹脂において
もポリアミン化合物を導入することは可能であるが、導
入率やイオン交換容量の増加率が本発明に係るアニオン
交換体と比べてかなり小さかった。これは、ビーズ状の
イオン交換樹脂では、基材の架橋構造のためにポリアミ
ン化合物が樹脂の内部にまで進入しづらいことや、ポリ
アミン化合物自体が架橋してしまうためであると考えら
れる。これに対して、本発明に係るアニオン交換体にお
いては、有機高分子基材のグラフト重合体側鎖にポリア
ミン化合物を導入しているので、ポリアミン化合物が導
入された部位がより大きな電荷を有してお互いに反発す
るために、グラフト重合体側鎖間の距離が広がって、ポ
リアミン化合物が進入しやすくなるためであると考えら
れる。このため、ポリアミン化合物の導入率が大きくな
るばかりでなく、架橋も生じにくく、非常に大きなイオ
ン交換容量を有するイオン交換体を得ることができる。
なお、従来のビーズ状のイオン交換樹脂では、イオン交
換基の導入に伴う母材の物理的強度の劣化を補うために
高分子主鎖同士を架橋しているが、本発明にかかるアニ
オン交換体においては、有機高分子基材の高分子主鎖上
に、アニオン交換基を含む重合体鎖の形態の側鎖を配置
させることによって、高分子主鎖の物理的強度をそのま
ま保持しながら、高いアニオン交換容量を基材に付与す
ることが可能となった。本発明に係るアニオン交換体に
おいては、主鎖が物理的強度の維持や形状の保持の役割
を担う。
【0035】本発明のクリーンボックスは、上記に記載
のアニオン交換体をクリーンボックス内に搭載したこと
を特徴とする。これにより、クリーンボックス内の気体
中の化学汚染物質の吸着に極めて高い効果を発揮する。
クリーンボックス内へのアニオン交換体の搭載の形態と
しては、好ましくは繊維状のアニオン交換体をクリーン
ボックス内に配置することによって、化学汚染物質の吸
着効果を奏することができる。或いは、図1に示すよう
に、クリーンボックス10内に更に強制空気循環装置
(ファン)11を設け、フィルター状に加工したアニオ
ン交換体12を配置することにより、更に高い効果を発
揮させることができる。なお、図1において13はウエ
ハ収納枠である。
【0036】なお、クリーンボックス内で除去すべき対
象ガス成分によって、クリーンボックス内に、強塩基性
アニオン交換体に加えて、更に当該技術において公知の
カチオン交換体を搭載することができる。この場合、両
者の比率は、対象ガス成分の種類や濃度によって決定す
ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明に係るクリーンボックスは、本発
明者らが開発した新規なアニオン交換体を搭載している
ので、半導体ウエハに対して悪影響を与える化学汚染物
質を除去すると共に、従来の活性炭や添着活性炭の問題
点であった被吸着物質の再放出や添着物の漏出といった
問題を排除することができる。また、本発明の好ましい
態様においては、環状又は多環式ポリアミンを導入する
ことでアニオン交換体を形成しているので、ホフマン分
解によって発生するアミンによるウエハの汚染の危険性
も排除することができる。
【0038】以下、本発明の実施の種々の形態を説明す
る。これらの記載は、本発明を限定するものではない。
【0039】
【実施例】実施例1 強塩基性アニオン交換体の製造 有機高分子基材として、繊維径17μmのポリエチレン
(鞘)/ポリプロピレン(芯)の複合繊維よりなる目付
55g/m2、厚さ0.35mmの熱融着不織布を用いた。こ
の不織布基材に、電子線を窒素雰囲気下で150kGy照
射した。クロロメチルスチレン(セイミケミカル社製、
商品名:CMS−AM)を活性アルミナ充填層に通液す
ることにより重合禁止剤を取り除いた後、窒素曝気して
脱酸素を行った。このクロロメチルスチレン溶液中に、
照射済みの不織布基材を浸漬し、50℃で6時間反応さ
せた。溶液から不織布を取り出し、トルエンに3時間浸
漬してホモポリマーを除去した。乾燥した後に重量増加
に基づいてグラフト率を算出したところ、161%であ
った。
【0040】このグラフト不織布を、トリエチレンジア
ミンの10%水溶液中に浸漬し、80℃で3時間反応さ
せた。反応後の不織布基材を水洗した後、5%水酸化ナ
トリウム水溶液に1時間浸漬して再生した。中性塩分解
容量及び総交換容量がそれぞれ1.67meq/g、3.4
3meq/gである強塩基性アニオン交換不織布が得られ
た。即ち、中性塩分解能力のある4級アンモニウム基は
1.67meq/g、未反応の3級アミノ基は総交換容量と
中性塩分解容量との差である1.76meq/gであった。
したがって、4級アンモニウム基と3級アミノ基の量が
ほぼ等しいことから、トリエチレンジアミンが架橋され
ずに導入されたことが分かる。また、重量変化から、グ
ラフト重合したクロロメチルスチレンに対するポリアミ
ンの導入率を算出したところ94%と高い導入率であっ
た。
【0041】クリーンボックスでの搭載試験 上記で得られた強塩基性アニオン交換不織布を10cm×
10cmに切断し、図1に示すクリーンボックス10(約
30cm角の立方体形状)の内部(12の位置)に搭載し
た。この中にウエハ1枚を室温で5日間保存した。その
後、取出したウエハを超純水で洗浄し、洗浄廃液中のア
ミンをイオンクロマトグラフ分析装置及びガスクロマト
グラフ質量分析装置で分析したところ、アミンは検出さ
れなかった。
【0042】比較例1 強塩基性アニオン交換樹脂(三菱化学製、ダイヤイオン
SA10A)の再生型20mLを、実施例1と同様のクリ
ーンボックス内に装填し、同様の試験を行った。ウエハ
の洗浄廃液中に、トリメチルアミンが1.3ppmの濃度
で検出された。また、クリーンボックス内に強塩基性ア
ニオン交換樹脂を搭載しないで同様の試験を行ったとこ
ろ、トリメチルアミンは検出されなかった。このことか
ら、充填した強塩基性アニオン交換樹脂の4級アンモニ
ウム基がホフマン分解して、アミンが発生したことが明
らかである。
【0043】実施例2 実施例1で得られた強塩基性アニオン交換不織布を10
cm×10cmに切断し、これを500mm角のポリカーボネ
ート(PC)製の立方体ケース内に配置した。このケー
スに、亜硫酸ガス(SO2)を15ppbの濃度になるよう
に注入した。SO2濃度の調整は、パーミエータを利用
して亜硫酸ガス(SO2)濃度が1ppmの空気を調整し、
これを更に空気で希釈することによって行った。3時間
後にケース内の空気の亜硫酸ガス濃度を測定したとこ
ろ、1ppb以下となっていた。一方、ケース内に強塩基
性アニオン交換不織布を配置しないで同様の実験を行っ
たところ、ケース内空気の亜硫酸ガス濃度は、3時間後
も9ppb残存していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様に係るクリーンボックスの構成
を示す概要図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/20 103 C08J 5/20 CER 4L033 CER D06M 14/28 ZAB 5F031 D06M 14/28 ZAB B01J 20/26 A // B01J 20/26 C08L 51:00 C08L 51:00 B65D 85/38 R (72)発明者 関口 英明 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3E096 AA03 BA15 BB03 CA01 EA02X FA08 4D012 BA01 CA20 CB01 CG01 CG04 4F071 AA01X AA15X AA22X AA77 AA78 AC12 AD01 AF55 AG02 AH05 AH12 FA04 FC11 FD04 4G066 AC14B AD06B AD07B AD10B BA03 BA16 DA03 EA20 FA07 4J026 AA12 AA13 AA25 AA26 BA08 BB01 DB05 DB32 DB36 EA10 FA08 GA01 GA08 4L033 AA05 AB01 AB05 AB07 AC10 AC15 BA04 BA45 BA48 BA86 BA87 CA13 CA57 5F031 CA02 DA08 EA14 NA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機高分子基材の主鎖上に、ハロゲン化
    アルキル基をベンゼン環上にもつスチレン系化合物から
    誘導されたグラフト重合体側鎖を有し、該グラフト重合
    体側鎖上に、1つの3級アミノ基と、更に1つ以上の1
    級、2級又は3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム
    基を有するポリアミン化合物から誘導される官能基が導
    入されていることを特徴とするアニオン交換体が搭載さ
    れていることを特徴とするクリーンボックス。
  2. 【請求項2】 前記グラフト重合体側鎖が、放射線グラ
    フト重合法を用いて有機高分子基材の主鎖上に導入され
    たものである請求項1に記載のクリーンボックス。
  3. 【請求項3】 前記ポリアミン化合物が、トリエチレン
    ジアミン、ジアザビシクロウンデセン、ヘキサメチレン
    テトラミンから選択される請求項1又は2に記載のクリ
    ーンボックス。
  4. 【請求項4】 前記有機高分子基材の形状が、単繊維、
    単繊維の集合体である織布又は不織布又はそれらの加工
    品から選ばれるものである請求項1〜3のいずれかに記
    載のクリーンボックス。
  5. 【請求項5】 前記アニオン交換体を搭載したクリーン
    ボックス内に、強制空気循環装置が設けられている請求
    項1〜4のいずれかに記載のクリーンボックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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