JP2002346634A - 形鋼矯正方法および形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユニット - Google Patents

形鋼矯正方法および形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユニット

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JP2002346634A JP2001154511A JP2001154511A JP2002346634A JP 2002346634 A JP2002346634 A JP 2002346634A JP 2001154511 A JP2001154511 A JP 2001154511A JP 2001154511 A JP2001154511 A JP 2001154511A JP 2002346634 A JP2002346634 A JP 2002346634A
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Atsushi Oguchi
敦志 大口
Michio Umeno
道男 梅野
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HATARII SEIMITSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 H形鋼またはT形鋼の機械的な矯正を実現
し、矯正時間の短縮、正確で均一な矯正を行う形鋼矯正
方法および形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユニットを提供
する。 【解決手段】 H形鋼11のウェブ11aを、油圧シリ
ンダ15,15を駆動して1対のウェブ押しローラ16
…,18…で挟持する。かつ油圧シリンダ19のロッド
19aを突出して、フランジ11bの幅方向の両側部
を、フランジ外側矯正ローラ22と1対のフランジ内側
矯正ローラ26,26とにより挟持する。これを維持
し、電動モータMでフランジ外側矯正ローラ22を回転
し、H形鋼11をウェブ11aの長さ方向へ走行させて
矯正する。結果、H形鋼11の機械的な矯正を実現で
き、矯正時間の短縮と正確で均一な矯正とが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は形鋼矯正方法およ
び形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユニット、詳しくは変形
したH形鋼またはT形鋼を矯正する形鋼矯正方法および
形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】H形鋼の一種として、ウェブの幅方向の
両端に1対のフランジをそれぞれ溶接した溶接H形鋼が
知られている。この溶接H形鋼は、その溶接時、フラン
ジが、溶接熱の影響によって溶接部分を中心にして内側
へ傘形状に屈曲する傘折れ現象が発生している。傘折れ
した溶接H形鋼(以下、H形鋼)は、その後、傘折れ矯
正機により矯正される。この傘折れ矯正機は、徐々に先
細り化した両側部が、傘折れしたフランジの対応する両
側部の外面に押し付けられるフランジ外側矯正テーパロ
ーラと、フランジの両側部の内面にそれぞれ個別に押し
付けられる1対のフランジ内側矯正ローラとを備えてい
る。傘折れ矯正時には、これらのフランジ外側矯正テー
パローラと、1対のフランジ内側矯正ローラとにより、
溶接H形鋼の傘折れしたフランジを堅固に挟持し、この
状態のまま、H形鋼をその長さ方向へ移動させること
で、このフランジの傘折れを矯正(1次矯正)してい
る。
【0003】ところで、このような傘折れ矯正機による
傘折れの矯正方法では、フランジとウェブとの連結部分
の角度が直角を維持できない場合が頻繁に発生してい
た。すなわち、傘折れは解消されるものの、両側のフラ
ンジが断面視してハの字形、逆ハの字形、左斜め平行、
右斜め平行となる別種の変形が起きていた。このような
現象は、仮組み立て時の精度および本組み立ての溶接時
の熱影響により発生すると考えられ、1次矯正で直すこ
とは困難であった。よって、変形がない良品のH形鋼を
製造するには、その後、もう一度、このようなハの字形
などの変形を解消する2回目の矯正(2次矯正)を行わ
なければならない。従来、この2次矯正時には、熟練工
がガスバーナを使用し、H形鋼の変形した部分を加熱し
て変形させる方法で対処していた。すなわち、このよう
にハの字形などに変形したフランジやその近辺のウェブ
の端部のうち、経験則によって見出された最適と思われ
る部分をガスバーナの炎であぶって軟化させ、その後、
自然冷却または強制冷却によって変形を解消するという
方法で矯正していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のH形鋼の矯正方法にあっては、このように熟練工が
ガスバーナを使用してH形鋼の一部分を加熱して矯正し
ていたため、この矯正作業に時間がかかっていた。しか
も、このように矯正が手作業であるため、矯正された1
本1本のH形鋼は、その形状が不均一となっていた。
【0005】
【発明の目的】そこで、この発明は、H形鋼またはT形
鋼の機械的な矯正を実現することができ、これにより矯
正時間が短縮化し、正確で均一な矯正を行うことができ
る形鋼矯正方法および形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユニ
ットを提供することを、その目的としている。また、こ
の発明は、H形鋼またはT形鋼の矯正を自動化すること
ができるH形鋼矯正機を提供することを、その目的とし
ている。さらに、この発明は、H形鋼またはT形鋼を高
い精度でかつスムーズに自動矯正することができる形鋼
矯正機を提供することを、その目的としている。さら
に、この発明は、H形鋼の両側のフランジ部分を同時に
矯正することができる形鋼矯正ユニットを提供すること
を、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ウェブの幅方向の両端に1対のフランジが形成され
たH形鋼またはウェブの幅方向の一端にフランジが形成
されたT形鋼の変形を矯正する形鋼矯正方法であって、
前記ウェブを、その表裏面側から、それぞれの軸線がウ
ェブの幅方向へ向いた1対のウェブ押しローラによって
挟持する工程と、前記フランジの幅方向に軸線が向いた
フランジ外側矯正ローラをフランジの外面に押し付ける
一方、フランジの幅方向に各軸線が向いた1対のフラン
ジ内側矯正ローラを、フランジの幅方向の両側部の内面
に押し付けることで、前記フランジ外側矯正ローラと前
記1対のフランジ内側矯正ローラとによってフランジを
挟持する工程と、この状態のまま、前記フランジ外側矯
正ローラおよび前記1対のフランジ内側矯正ローラと、
前記H形鋼またはT形鋼とを、ウェブの長さ方向へ相対
的に移動させてH形鋼またはT形鋼を矯正する工程とを
備えた形鋼矯正方法である。
【0007】H形鋼またはT形鋼の種類は限定されな
い。例えばH形鋼の場合、溶接H形鋼でもよいし、鋼片
を圧延して成形したH形鋼でもよい。T形鋼の場合も同
様に、溶接T形鋼でもよいし、圧延タイプのT形鋼でも
よい。フランジ外側矯正ローラは、フランジとの接触部
分の直径がその全長にわたって均一な円柱ローラまたは
円筒ローラである。これは、フランジ内側矯正ローラの
場合も同じである。フランジ外側矯正ローラは、フラン
ジの幅方向の全長に押し付けられる必要がある。これ
は、このフランジ外側矯正ローラとフランジ内側矯正ロ
ーラとによるフランジの挟持時に、それぞれのフランジ
内側矯正ローラとの間で、フランジの一方の側部と他方
の側部とを別々に挟持するためである。
【0008】フランジとウェブとを挟持する順序は、フ
ランジ外側矯正ローラとフランジ内側矯正ローラとによ
ってフランジを挟持した後、ウェブ矯正ローラによりウ
ェブを挟持する順序である。また、これとは反対に、ウ
ェブを挟持してからフランジを挟持する順序でもよい。
また、矯正時、挟持側の各矯正ローラをウェブ長さ方向
へ移動させてもよいし、被挟持側のH形鋼またはT形鋼
をウェブ長さ方向へ移動させてもよい。さらには、挟持
側の各矯正ローラと被挟持側のH形鋼またはT形鋼と
を、それぞれウェブ長さ方向へ移動させてもよい。これ
らの事項は、請求項2および請求項4にも該当する。ま
た、各矯正ローラによるウェブおよびフランジの挟持
は、通常、請求項2および請求項4に示す形鋼矯正機の
ように、各種の押し付け手段を用いて、自動的に挟持ま
たは挟持解除が行なわれる。ただし、これに限定されな
い。例えば、各矯正ローラをウェブやフランジに押し付
け、この状態のまま、各矯正ローラの回転軸を形鋼矯正
機の機体に、それぞれ回転自在に固定するようにしても
よい。
【0009】請求項2に記載の発明は、ウェブの幅方向
の両端に1対のフランジが形成されたH形鋼またはウェ
ブの幅方向の一端にフランジが形成されたT形鋼の変形
を矯正する形鋼矯正機であって、機体と、前記機体に互
いの軸線の方向を一致させて軸支され、矯正時に該各軸
線をウェブの幅方向に合わせて該ウェブの表裏面にそれ
ぞれ押し付けられる1対のウェブ押しローラと、前記機
体に軸線を前記ウェブ押しローラの軸線と直交する方向
に向けて軸支され、矯正時に前記軸線をフランジ幅方向
に合わせて該フランジの外面に押し付けられるフランジ
外側矯正ローラと、前記機体に各軸線を前記フランジ外
側矯正ローラの軸線と平行にしてそれぞれ軸支され、矯
正時にフランジの幅方向の両側部の内面にそれぞれ押し
付けられる1対のフランジ内側矯正ローラと、前記機体
に設けられ、前記ウェブ押しローラをウェブに押し付け
るウェブローラ押し付け手段と、前記機体に設けられ、
前記フランジ外側矯正ローラおよびまたは前記1対のフ
ランジ内側矯正ローラをフランジに押し付けるフランジ
用ローラ押し付け手段と、前記機体に設けられ、前記フ
ランジ外側矯正ローラおよびまたは前記フランジ内側矯
正ローラを回転するフランジ用ローラ回転手段とを備え
た形鋼矯正機である。
【0010】ウェブローラ押し付け手段およびフランジ
用ローラ押し付け手段の種類は、それぞれ限定されな
い。ただし、通常は油圧シリンダである。フランジ用ロ
ーラ押し付け手段は、フランジ外側矯正ローラをフラン
ジの外面に押し付けるものでもよいし、フランジ内側矯
正ローラをフランジの内面に押し付けるものでもよい。
または、これらのフランジ外側矯正ローラとフランジ内
側矯正ローラとをフランジの外面および内面に押し付け
るものでもよい。フランジ用ローラ回転手段により回転
するのは、フランジ外側矯正ローラまたはフランジ内側
矯正ローラもしくは両方の矯正ローラである。フランジ
用ローラ回転手段の種類は限定されない。例えば、電動
モータでもよいし、油圧モータでもよいし、油圧シリン
ダでもよい。
【0011】請求項3に記載の発明は、前記機体には、
回動軸の長さ方向を前記フランジ外側矯正ローラの軸線
と直交する方向へ向けた回動取り付け台と、該回動取り
付け台の回動手段とが配設され、前記回動取り付け台に
は、前記フランジ外側矯正ローラと前記1対のフランジ
内側矯正ローラとがそれぞれ軸支される一方、前記フラ
ンジ用ローラ押し付け手段と前記フランジ用ローラ回転
手段とがそれぞれ設けられた請求項2に記載の形鋼矯正
機である。回動取り付け台の素材、形状、大きさなどは
限定されない。要は、機体に対し、回動軸を中心にして
回動自在であればよい。回動手段の種類は限定されな
い。ただし、H形鋼またはT形鋼を矯正するための大き
な出力が必要となることから、通常は油圧シリンダであ
る。回動手段の台数は限定されない。例えば1台でもよ
いし、複数台でもよい。
【0012】請求項4に記載の発明は、ウェブの幅方向
の両端に1対のフランジが形成されたH形鋼またはウェ
ブの幅方向の一端にフランジが形成されたT形鋼の変形
を矯正する形鋼矯正機ユニットであって、前記請求項2
の形鋼矯正機およびまたは前記請求項3の形鋼矯正機
が、それぞれのH形鋼またはT形鋼の挟持側の面を対向
させ、所定の距離だけ離間して1対配置され、前記H形
鋼またはT形鋼の幅方向の長さに応じて、前記1対の形
鋼矯正機間の距離を調整する矯正機間隔調整手段を備え
た形鋼矯正ユニットである。対配置される形鋼矯正機の
種類の組み合わせは、(1) 請求項2の形鋼矯正機と請求
項2の形鋼矯正機、(2) 請求項2の形鋼矯正機と請求項
3の形鋼矯正機、(3) 請求項3の形鋼矯正機と請求項3
の形鋼矯正機の3つである。これらの形鋼矯正機は、通
常、横配列される。ただし、縦配列でもよい。矯正機間
隔調整手段の種類は限定されない。例えば、油圧シリン
ダ、電動ジャッキ、ねじ送り機構などを採用することが
できる。この矯正機間隔調整手段は、一方の形鋼矯正機
だけに設けてもよいし、両方の形鋼矯正機にそれぞれ設
けてもよい。
【0013】
【作用】請求項1の形鋼矯正方法、請求項2の形鋼矯正
機および請求項4の形鋼矯正ユニットによれば、H形鋼
またはT形鋼のウェブを1対のウェブ押しローラによっ
て挟持するとともに、H形鋼またはT形鋼のフランジの
幅方向の両側部を、フランジ外側矯正ローラと1対のフ
ランジ内側矯正ローラとにより挟持する。この挟持状態
のまま、各矯正ローラと、H形鋼またはT形鋼とを相対
的にウェブの長さ方向へ移動し、このH形鋼またはT形
鋼を矯正する。ここでいう矯正とは、H形鋼またはT形
鋼のフランジを各矯正ローラにより挟持すると同時に、
これらの矯正ローラの挟持力を利用して、フランジまた
はウェブを強制的に矯正方向へ傾動させること、また
は、この挟持後、外力を作用させることによりフランジ
またはウェブを強制的に矯正方向へ傾動させることをい
う。これにより、H形鋼またはT形鋼の機械的な矯正を
実現することができる。その結果、矯正時間を短縮する
ことができ、しかも正確で均一な矯正を行なうことがで
きる。このうち、請求項2の形鋼矯正機の場合には、ウ
ェブローラ押し付け手段、フランジ用ローラ押し付け手
段、フランジ用ローラ回転手段とを備えているので、H
形鋼またはT形鋼の矯正を自動化することができる。
【0014】特に、請求項3の発明によれば、フランジ
用ローラ押し付け手段により、フランジの外面にフラン
ジ外側矯正ローラを押し付けるとともに、フランジの幅
方向の両側部の内面に1対のフランジ内側矯正ローラを
それぞれ押し付け、フランジを挟持する。このとき、フ
ランジの表裏面と、フランジ外側矯正ローラの軸線(ま
たは1対のフランジ内側矯正ローラの各軸線)とが平行
になるまで回動取り付け台を回動する。一方、ウェブロ
ーラ押し付け手段によって1対のウェブ押しローラをウ
ェブの表裏面に押し付け、ウェブを挟持する。この際、
ウェブの幅方向を矯正の基準とする。続いて、このよう
なフランジおよびウェブの各挟持状態を維持し、これら
の矯正ローラとH形鋼またはT形鋼とを、相対的にウェ
ブの長さ方向へ移動させる。その際、回動手段により、
変形したフランジが矯正後に傾斜が反対向きになるま
で、回動取り付け台を矯正方向へ回動させる。すなわ
ち、この矯正時には、変形したフランジをウェブの幅方
向に対して直交する以上に余分に曲げる。ここでいう余
分に曲げる角度とは、鋼材のスプリングバックの作用を
考慮した角度である。すなわち、矯正後、フランジやウ
ェブが挟持ローラなどから開放された時に、その変形し
たフランジの表裏面がウェブの幅方向に対して直交する
まで戻る角度である。これにより、H形鋼またはT形鋼
を高い精度でかつスムーズに自動矯正することができ
る。なお、このスプリングバックについては、請求項
1、請求項2および請求項4にも該当する。
【0015】また、請求項4の発明によれば、まず矯正
機間隔調整手段によりウェブの幅方向の長さに応じて1
対の請求項2の形鋼矯正機およびまたは請求項3の形鋼
矯正機間の距離を調整する。その後、これらの対向配置
された形鋼矯正機により、例えばH形鋼の幅方向の両端
部を挟持する。この状態のまま、それぞれの形鋼矯正機
の各矯正ローラとH形鋼とを、相対的にH形鋼の長さ方
向へ移動する。これにより、H形鋼の両側のフランジ部
分を同時に矯正することができる。もちろん、同様の操
作によってT形鋼の矯正を行なうこともできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、この発明に
係る形鋼矯正方法および形鋼矯正機ならびに形鋼矯正ユ
ニットを説明する。まず、図1〜図4に基づき第1の実
施例を説明する。説明の都合上、図中、X方向をH形鋼
の矯正ライン方向(ウェブ長さ方向)、Y方向をH形鋼
の矯正ライン方向と直交する方向(ウェブ幅方向)、Z
方向を上下方向とする。図1は、この発明の第1の実施
例に係る形鋼矯正ユニットの縦断面図である。図2は、
図1中のS2−S2断面図である。図3は、図1中のS
3−S3断面図である。図4は、この発明の第1の実施
例に係る形鋼矯正ユニットに組み込まれた各種矯正ロー
ラの配置を示す概略平面図である。
【0017】図1において、10は形鋼矯正ユニットで
あり、この形鋼矯正ユニット10は、H形鋼11の矯正
ラインaの両側方(Y方向)に配置された基準側形鋼矯
正機Aと、この基準側形鋼矯正機Aに対して、接近また
は離反可能な移動側形鋼矯正機Bとを備えている。H形
鋼11は溶接H形鋼であり、X方向に長いウェブ11a
と、このウェブ11aの幅方向(Y方向)の両端に直交
状態で溶接された1対のフランジ11b,11bとを有
している。ここでは、移動側形鋼矯正機Bにより挟持さ
れる側のフランジ11bが変形しているものとする。具
体的には、X方向から視て、フランジ11b,11bの
間隔が、フランジ上端間の距離よりもフランジ下端間の
距離が長くなっている。これらの形鋼矯正機A,Bは、
それぞれのH形鋼11の挟持側の面を対向して配置され
ている。両形鋼矯正機A,Bの基本構造は同じである。
よって説明を簡略化するため、以下、基準側形鋼矯正機
Aだけを説明する。
【0018】図1〜図4に示すように、この基準側形鋼
矯正機Aは、機体12と、この機体12に回動軸13
a,13aの長さ方向をX方向に向けた回動取り付け台
13とを有している。機体12は、矯正ラインaと向か
い合う前面側が開口された、平面視して略コの字形の架
台である。この機体12の内部空間には、短尺な1対の
回動軸13a,13aおよび1対の軸受28,28を介
して、この回動取り付け台13がY方向に沿った垂直面
内で回動可能に軸支されている。機体12の後部の上,
下端部には、1対の油圧シリンダ(回動手段)14,1
4が、ブラケット14a,14aを介して、長さ方向を
X方向とした回動軸14b,14bを中心に軸支されて
いる。両油圧シリンダ14,14のロッド14c,14
cの先端が、前記回動取り付け台13の後部の上下端部
に、回動軸13b,13bによって軸支されている。図
中、29は回動軸13bの支持用ばねである。
【0019】この平面視してコの字形をした機体12の
両側の前端部には、その各上面に、1対の油圧シリンダ
(ウェブローラ押し付け手段)15,15がそれぞれ固
着されている。各ロッド15a,15aは下向きであ
り、それぞれの先端には4個1組の小さなウェブ押しロ
ーラ16…が軸支されている。これらのウェブ押しロー
ラ16…の軸線方向はそれぞれY方向である。一方、前
記機体12の両側の前端部には、その各下端部に、1対
の上向きのアーム17,17を介して、同じく4個1組
の小さなウェブ押しローラ18…が軸支されている。こ
れらのウェブ押しローラ18…は、前記ウェブ押しロー
ラ16…と対向配置され、それぞれの軸線方向は同様に
Y方向である。各組のウェブ押しローラ18…上にH形
鋼11のウェブ11aのY方向の端部が載置され、両油
圧シリンダ15,15のロッド15a,15aを突出さ
せることで、各組のウェブ押しローラ16…がウェブ1
1aのY方向の端部の上面に押し付けられる。これによ
り、ウェブ11aが上2組、下2組の各対向するウェブ
押しローラ16…,18…によって堅固に挟持される。
【0020】前記回動取り付け台13は、X方向から視
て縦長な矩形状の部材である。この回動取り付け台13
の背板13cの中央部の外面には、油圧シリンダ(フラ
ンジ用ローラ押し付け手段)19が固着されている。油
圧シリンダ19のロッド19aの先端は矯正ラインa方
向に向いている。このロッド19aの先端部に、ローラ
ハウジング20の背板の中央部が固着されている。ロー
ラハウジング20は平面視してコの字形の箱体で、上,
下部の軸受21,21を介して、軸線がZ方向に向いた
フランジ外側矯正ローラ22が、その内部に軸支されて
いる。フランジ外側矯正ローラ22の長さは、フランジ
11b,11bのZ方向の長さと略同じである。また、
ローラハウジング20の上端には、減速機23を介し
て、電動モータ(フランジ用ローラ回転手段)Mが搭載
されている。電動モータMの出力軸は下方へ延びてい
る。この出力軸の先端部が、ジョイント24を介して、
前記フランジ外側矯正ローラ22の回転軸の上端部に連
結されている。
【0021】一方、回動取り付け台13の前部の上,下
端部には、それぞれ軸受25,25が設けられている。
これらの軸受25,25に、それぞれの軸線方向がZ方
向に向いた1対のフランジ内側矯正ローラ26,26
が、上向きまたは下向きに軸支されている。各フランジ
内側矯正ローラ26,26と、フランジ外側矯正ローラ
22とは、それぞれの軸線が互いに平行である。また、
フランジ内側矯正ローラ26,26間には、ウェブをゆ
とりをもって遊挿する隙間が形成されている。油圧シリ
ンダ19のロッド19aを突出させると、ローラハウジ
ング20が矯正ラインaの方向へ移動する。これによ
り、H形鋼11のフランジ11bが、フランジ外側矯正
ローラ22とフランジ内側矯正ローラ26,26との間
で挟持される。
【0022】前記基準側形鋼矯正機Aは、以上のような
構造である。前記移動側形鋼矯正機Bは、前述したよう
に基本的にこの基準側形鋼矯正機Aと同じ構造である。
ただし、移動側形鋼矯正機Bは、基準側形鋼矯正機Aと
の対向方向へ移動できるようになっている。すなわち、
移動側形鋼矯正機Bの機体12の背板の下端部に、長尺
な油圧シリンダ(矯正機間隔調整手段)27のロッド2
7aの先端部が連結されている。この油圧シリンダ27
はフロアに固定されている。したがって、ロッド27a
を出し入れすると、移動側形鋼矯正機Bがフロア上の図
示しないレールに沿って、矯正ラインa側へ移動する。
このロッド27aの出し入れによって、矯正されるH形
鋼11のY方向の長さに合わせ、1対の形鋼矯正機A,
B間の距離を調整することができる。
【0023】次に、この第1の実施例に係る形鋼矯正ユ
ニット10を用いたH形鋼の矯正方法を説明する。図1
〜図4に示すように、あらかじめ、基準側形鋼矯正機A
および移動側形鋼矯正機Bにおいて、上下配置された1
対の油圧シリンダ14,14のロッド14c,14cの
突出長さを同じとし、各3本の矯正ローラ22,26,
26の軸線方向をZ方向に向けておく。また、油圧シリ
ンダ27のロッド27aを出し入れし、基準側形鋼矯正
機Aと移動側形鋼矯正機Bとの間隔を、矯正されるH形
鋼11のY方向の長さに合わせておく。
【0024】次いで、H形鋼11を矯正ラインa上に供
給する。これにより、H形鋼11の先頭部分(X方向の
一端部)が、基準側形鋼矯正機Aと移動側形鋼矯正機B
とに供給される。具体的には、まず基準側形鋼矯正機A
において、H形鋼11の変形していない側のフランジ1
1bが、フランジ外側矯正ローラ22とフランジ内側矯
正ローラ26,26との隙間に遊挿される。これによ
り、ウェブ11aの変形していない側の端部(Y方向の
一端部)が、上2組、下2組の各ウェブ押しローラ16
…,18…間と、上下1対のフランジ内側矯正ローラ2
6,26の間とに、一括して遊挿される。その後、油圧
シリンダ19のロッド19aを突出させ、ローラハウジ
ング20を矯正ラインaの方向へ移動する。よって、フ
ランジ外側矯正ローラ22とフランジ内側矯正ローラ2
6,26との間で、フランジ11bが挟持される。続い
て、油圧シリンダ15,15のロッド15a,15aを
突出させ、上側の各ウェブ押しローラ16…をウェブ1
1aの上面に押し付ける。これにより、ウェブ11aが
上下に配置された各ウェブ押しローラ16…,18…に
より挟持される。
【0025】次に、移動側形鋼矯正機BにおけるH形鋼
11の挟持方法を説明する。まず基準側形鋼矯正機Aと
同様の手順により、H形鋼11の変形した側のフランジ
11bと、ウェブ11aの変形した側の端部(Y方向の
他端部)とを、各矯正ローラ22,26,26の間に遊
挿する。その後、油圧シリンダ19のロッド19aを突
出させ、変形したフランジ11bの外面にフランジ外側
矯正ローラ22をしっかりと押し付ける。その結果、こ
の変形したフランジ11bが、フランジ外側矯正ローラ
22と1対のフランジ内側矯正ローラ26,26とによ
って、堅固に挟持される。このとき、各油圧シリンダ1
4,14は、シリンダ内への作動油の出し入れがフリー
な状態となっている。したがって、フランジ外側矯正ロ
ーラ22と両フランジ内側矯正ローラ26,26とは、
フランジ11bの変形(傾斜)に合わせ、回動軸13
a,13aを中心にして回動する。次に、油圧シリンダ
15,15のロッド15a,15aを突出させると、ウ
ェブ11aの変形した側の端部が、各ウェブ押しローラ
16…,18…によって挟持される。ここでのウェブ1
1aの幅方向(Y方向)を矯正の基準とする。
【0026】続いて、この変形したフランジ11bの変
形の度合い(ウェブ11aとの連結角度)に合わせ、1
対の油圧シリンダ14,14のロッド14c,14cの
突出長さを調整し、回動取り付け台13をフランジ矯正
側へ所定角度だけ回動する。具体的には、上側の油圧シ
リンダ14のロッド14aを所定長さだけ突出させる一
方、下側の油圧シリンダ14のロッド14aを所定長さ
だけ引き込ませる。この回動によって、回動取り付け台
13は、その上部が矯正ラインa側とは反対側へ倒れ込
み、各油圧シリンダ14,14も回動軸14b,14b
を中心にして、所定方向へそれぞれ回動する。この倒れ
込み角度は、H形鋼11のスプリングバックを考慮し、
変形したフランジが矯正後に傾斜が、いくらか(プラス
4度)反対向きになるまでとする。
【0027】この状態のまま、基準側形鋼矯正機Aの電
動モータMと、移動側形鋼矯正機Bの電動モータMとを
駆動する。これにより、各フランジ外側矯正ローラ2
2,22が回転する。よって、基準側形鋼矯正機Aの各
矯正ローラ22,26,26と、移動側形鋼矯正機Bの
各矯正ローラ22,26,26との間で挟持されたH形
鋼11が、矯正ラインa上を前進する。それに伴って、
変形したフランジ11bが、ウェブ11aの幅方向に対
して直交するように徐々に矯正される。これにより、H
形鋼11を高い精度でかつスムーズに自動矯正すること
ができる。なお、H形鋼11のX方向の全長にわたって
均一に矯正するためには、1回目の矯正の終了後、電動
モータM,Mを逆転させてH形鋼11を後退させ、同じ
操作を行ってH形鋼11を再矯正すればよい。このよう
な矯正のやり直しは、何回でも繰り返すことができる。
【0028】H形鋼11をこのように矯正することで、
H形鋼11の機械的な矯正を実現することができる。そ
の結果、従来の熟練工による加熱矯正に比べ、矯正時間
が短縮される。しかも、正確で均一な矯正を行なうこと
ができる。また、第1の実施例にあっては、このように
ウェブ押しローラ16…をウェブ11aに押し付ける油
圧シリンダ15,15と、フランジ外側矯正ローラ22
をフランジ11bに押し付ける油圧シリンダ19と、フ
ランジ外側矯正ローラ22を回転する電動モータMとを
有している。よって、H形鋼11の矯正を自動化するこ
とが可能となる。
【0029】さらに、これらの基準側形鋼矯正機Aと移
動側形鋼矯正機Bという1対の形鋼矯正機を利用してH
形鋼11を矯正するようにしたので、仮に両方のフラン
ジ11b,11bが変形している場合でも、両方のフラ
ンジ11b,11bを同時に矯正することができる。も
ちろん、このような形鋼矯正ユニット10によって、図
示しないT形鋼の矯正を行なうこともできる。また、基
準側形鋼矯正機Aまたは移動側形鋼矯正機Bの一方だけ
を使用し、H形鋼11の矯正を行なうこともできる。な
ぜなら、仮に1台の形鋼矯正機であっても、あらかじめ
ウェブ押しローラ16…,18…によってウェブ11a
を挟持して矯正の基準を確保することができるためであ
る。このように、事前に堅固な基準が確保され、しかも
各矯正ローラ22,26,26が円柱ローラであること
から、その後、ウェブ11aの先頭部分だけを挟持して
H形鋼11を走行し、その間、これらの矯正ローラ2
2,26,26により、変形したウェブ11aを矯正し
たとしても、従来の傘折れ矯正機による矯正時のよう
に、矯正後に再びフランジ11bに別の変形が発生する
おそれは少ない。ただし、1台の形鋼矯正機だけで矯正
する場合には、H形鋼を矯正ラインaに沿ってスムーズ
に走行させるため、例えば矯正ラインに沿って多数の形
鋼支持ローラなどを配設した方が好ましい。ただし、形
鋼矯正機を走行させるタイプでは、これは不要となる。
【0030】次に、図5に基づいて、この発明の第2の
実施例に係る形鋼矯正ユニットを説明する。図5は、こ
の発明の第2の実施例に係る形鋼矯正ユニットの縦断面
図である。図5に示すように、第2の実施例の形鋼矯正
ユニット30は、第1の実施例の形鋼矯正ユニット10
が、1対の横配列された形鋼矯正機A,Bを採用したの
に対し、1台だけの縦型の形鋼矯正機Cを採用した例で
ある。ここでは、フロア上に、H形鋼11の挟持側の面
を上向きにした1台の形鋼矯正機Cを据え付けている。
すなわち、H形鋼11は、そのウェブ11aをZ方向に
向け、変形している側のフランジ11bを、それぞれの
回転軸がY方向に向いた3本の矯正ローラ22,26,
26により挟持し、この変形している側のフランジ11
b付近のウェブ11aを、それぞれの回転軸がZ方向に
向いたウェブ押しローラ16…,18…により挟持し、
第1の実施例の移動側形鋼矯正機Bと同様にして、H形
鋼11を矯正する。このように、1台の縦型の形鋼矯正
機Cを採用したので、設備コストのほか、メンテナンス
コストも低減することができる。また、工場内での形鋼
矯正ユニットの専有スペースを小さくすることができ
る。その他の構成、作用、効果は、第1の実施例から容
易に推測できる範囲であるので、説明を省略する。
【0031】次に、図6〜図11に基づいて、この発明
の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニットを説明する。図
6は、この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニット
によるH形鋼のフランジ挟持工程を示す縦断面図であ
る。図7は、この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユ
ニットによるH形鋼の供給工程を示す縦断面図である。
図8は、この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トによるH形鋼のウェブ挟持開始状態を示す縦断面図で
ある。図9は、この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正
ユニットによるH形鋼のウェブ挟持終了状態を示す縦断
面図である。図10は、この発明の第3の実施例に係る
形鋼矯正ユニットによるH形鋼のウェブ矯正工程を示す
縦断面図である。図11は、この発明の第3の実施例に
係る形鋼矯正ユニットによるH形鋼の移動状態を示す縦
断面図である。
【0032】図6および図7に示すように、第3の実施
例の形鋼矯正ユニット40は、第2の実施例の形鋼矯正
ユニット30が、フランジ11bを回動して矯正する縦
型の形鋼矯正機Cを採用したのに対し、ウェブ11aを
回動して矯正する形鋼矯正機Dを採用した例である。形
鋼矯正機Dは、フロア上に、H形鋼11の挟持側の面を
上向きにして据え付けられている。H形鋼11は、その
ウェブ11aをZ方向に向け、下側のフランジ11b
を、それぞれの回転軸がY方向に向いた3本の矯正ロー
ラ22,26,26により挟持し、この状態のまま、ウ
ェブ11aを、それぞれの回転軸がZ方向に向き、矯正
ラインaを中間としてY方向の両側に対配置されたウェ
ブ押しローラ16…で挟持し、その後、このままウェブ
11aを矯正方向へ傾動させ、H形鋼11を矯正する。
【0033】ここで、ウェブ11aを矯正方向へ傾動さ
せる具体的な構成を説明する。各ウェブ押しローラ16
…は、第2の実施例の3本の矯正ローラ22,26,2
6がそれぞれ軸支された回動取り付け台13に代わる、
正面視して上向きコの字形の回動取り付け台13Aの両
端部に、それぞれ接離自在に対配置されている。回動取
り付け台13Aは、回動取り付け台13と同様に1対の
油圧シリンダ14,14を利用し、ウェブ11aの挟持
中心位置を中心にして回動する。回動取り付け台13A
の正面視した略中心部には、回動取り付け台13Aを所
定の回動位置で位置決めする固定ピン41,41を有し
ている。各固定ピン41,41のY方向の両側方には、
ガイドロッド42…が近接して対配置されている。
【0034】各固定ピン41,41の下方には、対応す
るロッド43a,43aを上方へ向けた1対の油圧シリ
ンダ43,43がそれぞれ配置されている。各ロッド4
3a,43aの先端には、ピン41,41に押し付けら
れて回動取り付け台13Aの回動を停止するストッパ4
4,44が固定されている。各油圧シリンダ43,43
は、機体12の底部のY方向の中間部にX方向へ延びた
厚肉な取り付け基板45の両端部の上面にそれぞれ固定
されている。この取り付け基板45の平面視した中央部
には、ロッド46aの突出方向を下方へ向けた油圧シリ
ンダ46,46が固定されている。各油圧シリンダ4
6,46のY方向の両側方には、取り付け基板45の昇
降を円滑化させる、Z方向へ延びた1対のガイドロッド
47,47がそれぞれ立設されている。各油圧シリンダ
46,46のロッド46a,46aの突出長さを調整す
ることで、回動取り付け台13Aが若干昇降する。その
結果、矯正されるH形鋼11のフランジ11bの厚さに
応じ、各ウェブ押しローラ16…によるウェブ11aの
挟持高さが変更される。
【0035】取り付け基板45のY方向の両側方には、
1対の油圧シリンダ48,48が、ロッド48a,48
aを上方へ向けて立設されている。各ロッド48a,4
8aの先端部には、ピン49a,49aを介して、正面
視して上向きコの字形をした昇降取り付け台49の下部
が連結されている。この昇降取り付け台49の上部配置
された両端部には、それぞれ軸受25,25を介して、
1対のフランジ内側矯正ローラ26,26が対向配置さ
れている。すなわち、各油圧シリンダ48,48のロッ
ド48a,48aを引き込ませると、両フランジ内側矯
正ローラ26,26が下降し、両矯正ローラ26,26
とフランジ外側矯正ローラ22との間で、H形鋼11の
下側のフランジ11bが上下方向から堅固に挟持され
る。
【0036】次に、図6〜図11を参照して、この第3
の実施例の形鋼矯正ユニット40の作動を説明する。ま
ず、図6に示すように、H形鋼11を矯正ラインaに沿
って形鋼矯正機Dに供給する(図7も参照)。なお、あ
らかじめ各油圧シリンダ46,46により回動取り付け
台13Aを若干昇降し、H形鋼11のフランジ11bの
厚さに応じ、各ウェブ押しローラ16…によるウェブ1
1aの挟持高さを修正しておく。このとき、各油圧シリ
ンダ14はシリンダ内への作動油の出し入れがフリーな
状態とする。次いで、各油圧シリンダ48,48のロッ
ド48a,48aを引き込ませ、3本の各両矯正ローラ
22,26,26の間で、H形鋼11の下側のフランジ
11bを堅固に挟持する。このとき、油圧シリンダ43
のロッド43aは突出し、ピン41,41にストッパ4
4,44がそれぞれ押し付けられる。これにより、回動
取り付け台13Aの回動は阻止される。
【0037】それから、両油圧シリンダ15,15のロ
ッド15a,15aを突出し、各ウェブ押しローラ16
…をウェブ11aに押し付け(図8参照)、さらに押し
付けが進行すると、各油圧シリンダ14はシリンダ内へ
の作動油の出し入れがフリーであるため、一方の油圧シ
リンダ14のロッド14aが引き込むとともに、他方の
油圧シリンダ14のロッド14aが突出しながら、この
ウェブ11aの傾斜角度に合わせ、各ウェブ押しローラ
16…が回動取り付け台13Aと一体的に回動する。こ
のとき、ピン41,41はストッパ44,44の上面に
押し付けられた状態で、これらの上面を若干距離だけ転
動する。そして、最終的にウェブ11aが各ウェブ押し
ローラ16…により、しっかりと挟持される(図9参
照)。
【0038】次に、油圧シリンダ43,43のロッド4
3a,43aを引き込ませ、ストッパ44,44を下降
する。この状態のまま、各油圧シリンダ14,14に作
動油を供給し、回動取り付け台13Aと一体的にウェブ
押しローラ16…を矯正方向へ回動し、ウェブ11aを
矯正する。その際、前述したスプリングバックを考慮し
てこの回動角度を調整する(図10参照)。その後、油
圧シリンダ43,43のロッド43a,43aを突出
し、各ストッパ44,44を、ピン41,41に比較的
弱い力で押し付ける。これにより、回動取り付け台13
Aの回動が軽く阻止される。この状態で電動モータMを
駆動すると、フランジ外側矯正ローラ22が回転する。
これにより、3本の矯正ローラ22,26,26間で挟
持されたH形鋼11が、矯正ラインa上を前進する。そ
の結果、H形鋼11の全長にかけてウェブ11aが矯正
方向へ回動し、ウェブ11aとフランジ11bとの連結
角度が略直角となり、H形鋼11が矯正される(図11
参照)。その他の構成、作用、効果は、第2の実施例か
ら容易に推測できる範囲であるので、説明を省略する。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、フランジを、フラン
ジ外側矯正ローラと1対のフランジ内側矯正ローラとに
より挟持し、ウェブを1対のウェブ押しローラによって
挟持し、この状態で、各矯正ローラと、H形鋼またはT
形鋼とを相対的にウェブの長さ方向へ移動しながら矯正
するので、H形鋼またはT形鋼の機械的な矯正を実現す
ることができる。その結果、矯正時間が短縮化し、正確
で均一な矯正を行うことができる。このうち、請求項2
の形鋼矯正機にあっては、機体にウェブローラ押し付け
手段、フランジ用ローラ押し付け手段、フランジ用ロー
ラ回転手段を配備したので、H形鋼またはT形鋼を自動
矯正することができる。
【0040】特に、請求項3の発明によれば、機体に回
動取り付け台とその回動手段とを配設し、この回動取り
付け台に、フランジ外側矯正ローラ、1対のフランジ内
側矯正ローラ、フランジ用ローラ押し付け手段およびフ
ランジ用ローラ回転手段をそれぞれ配備したので、H形
鋼またはT形鋼を、高い精度でかつスムーズに自動矯正
することができる。
【0041】また、請求項4の発明によれば、対向配置
される形鋼矯正機と形鋼矯正機とを備えたので、仮にウ
ェブの両側のフランジがともに変形したH形鋼であって
も、これらのフランジを同時に矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トの縦断面図である。
【図2】図1中のS2−S2断面図である。
【図3】図1中のS3−S3断面図である。
【図4】この発明の第1の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トに組み込まれた各種矯正ローラの配置を示す概略平面
図である。
【図5】この発明の第2の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トの縦断面図である。
【図6】この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トによるH形鋼のフランジ挟持工程を示す縦断面図であ
る。
【図7】この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トによるH形鋼の供給工程を示す縦断面図である。
【図8】この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トによるH形鋼のウェブ挟持開始状態を示す縦断面図で
ある。
【図9】この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニッ
トによるH形鋼のウェブ挟持終了状態を示す縦断面図で
ある。
【図10】この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニ
ットによるH形鋼のウェブ矯正工程を示す縦断面図であ
る。
【図11】この発明の第3の実施例に係る形鋼矯正ユニ
ットによるH形鋼の移動状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10,30,40 形鋼矯正ユニット、 11 H形鋼、 11a ウェブ、 11b フランジ、 12 機体、 13,13A 回動取り付け台、 13a 回動軸、 14 油圧シリンダ(回動手段)、 15 油圧シリンダ(ウェブローラ押し付け手段)、 16 ウェブ押しローラ、 19 油圧シリンダ(フランジ用ローラ押し付け手
段)、 22 フランジ外側矯正ローラ、 26 フランジ内側矯正ローラ、 27 油圧シリンダ(矯正機間隔調整手段)、 A 基準側形鋼矯正機(形鋼矯正機)、 B 移動側形鋼矯正機(形鋼矯正機)、 C,D 形鋼矯正機、 M 電動モータ(フランジ用ローラ回転手段)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェブの幅方向の両端に1対のフランジ
    が形成されたH形鋼またはウェブの幅方向の一端にフラ
    ンジが形成されたT形鋼の変形を矯正する形鋼矯正方法
    であって、 前記ウェブを、その表裏面側から、それぞれの軸線がウ
    ェブの幅方向へ向いた1対のウェブ押しローラによって
    挟持する工程と、 前記フランジの幅方向に軸線が向いたフランジ外側矯正
    ローラをフランジの外面に押し付ける一方、フランジの
    幅方向に各軸線が向いた1対のフランジ内側矯正ローラ
    を、フランジの幅方向の両側部の内面に押し付けること
    で、前記フランジ外側矯正ローラと前記1対のフランジ
    内側矯正ローラとによってフランジを挟持する工程と、 この状態のまま、前記フランジ外側矯正ローラおよび前
    記1対のフランジ内側矯正ローラと、前記H形鋼または
    T形鋼とを、ウェブの長さ方向へ相対的に移動させてH
    形鋼またはT形鋼を矯正する工程とを備えた形鋼矯正方
    法。
  2. 【請求項2】 ウェブの幅方向の両端に1対のフランジ
    が形成されたH形鋼またはウェブの幅方向の一端にフラ
    ンジが形成されたT形鋼の変形を矯正する形鋼矯正機で
    あって、 機体と、 前記機体に互いの軸線の方向を一致させて軸支され、矯
    正時に該各軸線をウェブの幅方向に合わせて該ウェブの
    表裏面にそれぞれ押し付けられる1対のウェブ押しロー
    ラと、 前記機体に軸線を前記ウェブ押しローラの軸線と直交す
    る方向に向けて軸支され、矯正時に前記軸線をフランジ
    幅方向に合わせて該フランジの外面に押し付けられるフ
    ランジ外側矯正ローラと、 前記機体に各軸線を前記フランジ外側矯正ローラの軸線
    と平行にしてそれぞれ軸支され、矯正時にフランジの幅
    方向の両側部の内面にそれぞれ押し付けられる1対のフ
    ランジ内側矯正ローラと、 前記機体に設けられ、前記ウェブ押しローラをウェブに
    押し付けるウェブローラ押し付け手段と、 前記機体に設けられ、前記フランジ外側矯正ローラおよ
    びまたは前記1対のフランジ内側矯正ローラをフランジ
    に押し付けるフランジ用ローラ押し付け手段と、 前記機体に設けられ、前記フランジ外側矯正ローラおよ
    びまたは前記フランジ内側矯正ローラを回転するフラン
    ジ用ローラ回転手段とを備えた形鋼矯正機。
  3. 【請求項3】 前記機体には、回動軸の長さ方向を前記
    フランジ外側矯正ローラの軸線と直交する方向へ向けた
    回動取り付け台と、該回動取り付け台の回動手段とが配
    設され、 前記回動取り付け台には、前記フランジ外側矯正ローラ
    と前記1対のフランジ内側矯正ローラとがそれぞれ軸支
    される一方、前記フランジ用ローラ押し付け手段と前記
    フランジ用ローラ回転手段とがそれぞれ設けられた請求
    項2に記載の形鋼矯正機。
  4. 【請求項4】 ウェブの幅方向の両端に1対のフランジ
    が形成されたH形鋼またはウェブの幅方向の一端にフラ
    ンジが形成されたT形鋼の変形を矯正する形鋼矯正機ユ
    ニットであって、 前記請求項2の形鋼矯正機およびまたは前記請求項3の
    形鋼矯正機が、それぞれのH形鋼またはT形鋼の挟持側
    の面を対向させ、所定の距離だけ離間して1対配置さ
    れ、 前記H形鋼またはT形鋼の幅方向の長さに応じて、前記
    1対の形鋼矯正機間の距離を調整する矯正機間隔調整手
    段を備えた形鋼矯正ユニット。
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